JP3832719B2 - バルブシート形成用電極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダーブロックの頭部に一体化されてエンジン本体を構成するシリンダヘッドのバルブシートを形成するためのバルブシート形成用電極と、これを用いたバルブシートを形成する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、アルミ合金製シリンダヘッドのバルブシートの形成用電極とバルブシート形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のバルブシートは、図5(a)に示すように、シリンダヘッド100にバルブシートリング101を圧入した構造になっている。この構造によって、シリンダヘッド100と、バルブシートフェース面103を有するバルブシート101との間に空気の断熱層が生じている。この空気の断熱層によって、バルブシート101からシリンダヘッド100への熱の伝導が妨げられている。このため、バルブシート101の温度が上昇し、バルブシート101の耐熱摩耗性が低下していた。
さらに同様に、バルブ102からバルブシート101への熱の伝導と、バルブシート101からシリンダヘッド100への熱の伝導も、空気の断熱層により妨げられる。このため、バルブ102の温度も上昇し、正常な点火、爆発を害することがあった。
【0003】
従来、この空気の断熱層の問題を解決するために、電気めっきや溶射によるバルブシート101を形成する試みもされている。しかし、電気めっきや溶射は、シリンダヘッド100のアルミ母材との密着性が悪いことから、バルブ102から受ける衝撃により剥離するという問題がある。
【0004】
また、他のバルブシート形成方法として、図5(b)に示すように、シリンダヘッド200のバルブ202が当たる部分であるバルブシート形成面204にレーザ肉盛による合金層を形成することにより、バルブシートリングを圧入しないでバルブシート形成を行うことも開発されている(特許番号第2964819号)。しかし、このレーザ肉盛によるバルブシート201の形成法は、レーザ照射点をシート形状に沿って円運動させてリング状の合金層を形成するため、レーザ照射の開始点と終了点とが重なる。このため、バルブシートフェース面203を構成する均一な合金層が得られにくいという問題がある。さらに、照射中のシリンダヘッド200のアルミ母材の場所ごとの温度が変化するため、同じ出力でレーザ照射を行うと、合金層の溶け込み方に差が生じるという問題がある。また、レーザ肉盛法を利用したバルブシート201の形成方法を実施する装置は構造が複雑であり、しかも施工が困難であるため、イニシャルコストが高いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、従来からの技術上の問題点であるバルブシートフェイス肉盛層の不均一をなくし、バルブシートフェース面全体に均一な合金層を形成するためのバルブシートの形成用電極を簡単でかつ低コストで提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るバルブシート形成用電極は、ひとつの電極として、シリンダヘッドを形成する金属と反応して金属間化合物や合金を形成する金属粉体で形成したバルブシート形成用電極を用い、もうひとつの電極としてシリンダヘッドを用いて、前記バルブシート形成用電極の先端部と、前記シリンダヘッドのバルブシート形成面との間で油中放電し、この油中放電による放電エネルギーによって、前記バルブシート形成用電極中の金属成分を溶解し、該溶解した金属成分と油液中の溶融成分とを反応させて、前記バルブシート形成面に積層膜を形成するバルブシート形成用電極において、棒状に形成した該バルブシート形成用電極の先端部の外周に、前記シリンダヘッドのバルブシート形成面との間で油中放電し、前記バルブシート形成面と同じ傾きで先端に向かうにつれて先細りする傾斜面を設けるとともに、前記先端部の傾斜面以外の放電が生じさせない様に前記先端部に空間部を設けて円筒状に形成したことを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記シリンダヘッドがアルミ合金性であり、前記油中の溶融成分を炭素原子とする時、前記バルブシート形成用電極をTi、Nb、V、Cr、Mn、Zr、Mo、W、Hf、Ta、CoおよびNiからなるグループから選択される一以上の金属を含む材料を用いて形成することが好適である。また、本発明に係るバルブシート形成用電極は、Al、Zn、SnおよびCuからなるグループから選択される一以上の金属を含む材料をさらに用いて形成することが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、図面にもとづいて、本発明にかかるバルブシート形成用電極と、これを用いたバルブシート形成方法との好適な実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明にかかるバルブシート形成用電極について、その参考形態を示している。本参考形態のバルブシート形成用電極1は棒状に形成されている。このバルブシート形成用電極1の先端部2の外周には、シリンダヘッド4のバルブシート形成面5と対応した傾斜面3が設けられている。この先端部2の傾斜面3は、バルブシート形成面5と実質的に同じ傾きで傾斜をするように、先端部2の先端に向かうにつれて先細りするように傾斜されている。
【0010】
なお、本参考形態のバルブシート形成用電極1は、シリンダヘッド4を形成する金属と反応して、金属間化合物や合金を形成する金属粉体で形成されている。例えば、シリンダヘッド4がアルミ合金性である場合、バルブシート形成用電極1は、シリンダヘッド4の主成分であるアルミニウム合金と炭化して硬質の炭化物を生成する金属(Ti、Nb、V、Cr、Mn、Zr、Mo、W、Hf、Ta、Co、Niなどや、これらの一以上の金属の混合物の金属)の粉体を混合して作成されている。本参考形態のバルブシート形成用電極1は、バルブシートを形成するときに放電を行う放電装置(図に示さず)に電気的につながっている。この放電装置は、アルミニウム合金製シリンダヘッド4とも電気的につながっている。つまり、この放電装置には2つの電極が備えられている。ひとつの電極としてはバルブシート形成用電極1が用いられており、またもうひとつの電極としてはシリンダヘッド4が用いられている。
【0011】
次に、本参考形態にかかるバルブシート形成用電極1を用いたバルブシート形成方法を説明する。図1のように、バルブシート形成用電極1の先端部2の傾斜面3を、アルミニウム合金製シリンダヘッド4のバルブシート形成面5に対峙して配置する。そして、バルブシート形成用電極1の先端部2とバルブシート形成面5とを油液中に浸漬させる。次にバルブ形成用電極1の先端部2とバルブシート形成面5との間で油中放電6をさせる。この油中放電6よる放電エネルギーによって、バルブシート形成用電極1中の圧粉体などの金属成分が溶融する。この溶融した金属成分と、油液中に溶融させた炭素原子とが反応して硬質の炭化物ができる。この炭化物が、バルブシート形成面5の全面に炭化物形成と同時に固着され、バルブシート形成面5の全面に金属炭化物を含んだ耐摩耗性に優れ、均一に積層してなる積層膜7ができる。その後、バルブシート形成面5に形成された積層膜7を必要な形状および表面粗さであるシート形状に仕上げ加工してバルブシートとして用いる。このようにして、バルブシート形成用電極1を用いた油中放電によって、バルブシート形成面5の全面に均一な合金層である積層膜7のバルブシート8を形成できる。
【0012】
さらに、シリンダヘッド4のアルミ母材でできたバルブシート形成面5と、このバルブシート形成面5に形成された積層膜7との密着性確保のため、バインダーとなるAl、Zn、Sn、Cuを圧粉体電極であるバルブシート形成用電極1に添加してもよい。
このバインダーをバルブシート形成用電極1に添加したときに得られる積層膜7は、積層膜7のバルブシート形成面5の垂直方向(積層膜7の成長方向)で組成が変化する。シリンダヘッド4のアルミ母材に近いところの積層膜7においてはバインダーとなる金属成分の割合が高く、積層膜7の表面にいくにしたがい硬質の炭化物の割合が高くなる。
この結果、バルブシート8は、積層膜7の表面とバルブ(図に示さず)との界面での密着性に優れると同時に耐摩耗性にも優れている。また、バルブシート8は、シリンダヘッド4の母材であるアルミニウム材との熱膨張係数の違いによる熱応力の発生も少ないため、バルブ(図に示さず)からの衝撃に対し充分に耐える性能を持つ。
【0013】
次に、本発明にかかるバルブシート形成用電極とこれを用いたバルブシート形成方法の実施の形態について説明する。
図2は、本発明にかかるバルブシート形成用電極の実施の形態を示している。図2に示すように、本実施の形態にかかるバルブシート形成用電極20は、バルブシート形成用電極20の先端部21が円筒状に形成されている点で、上述の参考形態であるバルブシート形成用電極1と異なる。すなわち、バルブシート形成用電極20の先端部21の中心部が空間部27になっている。バルブシート形成用電極20における他の構造は、上述の参考形態のバルブシート形成用電極1と同じである。
【0014】
図2に示すように、本実施の形態のバルブシート形成用電極20は棒状に形成されている。このバルブシート形成用電極20の先端部2の外周には、シリンダヘッド24のバルブシート形成面25と対応した傾斜面23が設けられている。この先端部21の傾斜面23は、バルブシート形成面25と実質的に同じ傾きで傾斜をするように、先端部2の先端に向かうにつれて先細りするように傾斜されている。バルブシート形成用電極20の先端部21が空間部27を設けた円筒状に形成されている。
このような先端部21を円筒形状することで歩留まりが良くなる。
【0015】
なお、本実施の形態のバルブシート形成用電極20は、シリンダヘッド24を形成する金属と反応して、金属間化合物や合金を形成する金属粉体で形成されている。例えば、シリンダヘッド24がアルミ合金性である場合、バルブシート形成用電極20は、シリンダヘッド24の主成分であるアルミニウム合金と炭化して硬質の炭化物を生成する金属(Ti、Nb、V、Cr、Mn、Zr、Mo、W、Hf、Ta、Co、Niなどや、これらの一以上の金属の混合物の金属)の粉体を混合して作成されている。
本実施の形態のバルブシート形成用電極20は、バルブシートを形成するときに放電を行う放電装置(図に示さず)に電気的につながっている。この放電装置は、アルミニウム合金製シリンダヘッド24とも電気的につながっている。つまり、この放電装置には2つの電極が備えられている。ひとつの電極としてはバルブシート形成用電極1が用いられており、またもうひとつの電極としてはシリンダヘッド24が用いられている。
【0016】
次に、本実施の形態にかかるバルブシート形成用電極20を用いたバルブシート形成方法を説明する。図2のように、バルブシート形成用電極20の先端部21の傾斜面23を、アルミニウム合金製シリンダヘッド24のバルブシート形成面25に対峙して配置する。そして、バルブシート形成用電極20の先端部21とバルブシート形成面25とを油液中に浸漬させる。次にバルブ形成用電極20の先端部21とバルブシート形成面25との間で油中放電26をさせる。この油中放電26よる放電エネルギーによって、バルブシート形成用電極20中の圧粉体などの金属成分が溶融する。この溶融した金属成分と、油液中に溶融させた炭素原子とが反応して硬質の炭化物ができる。この炭化物が、バルブシート形成面25の全面に炭化物形成と同時に固着される。バルブシート形成面25全体に金属炭化物を含んだ耐摩耗性に優れる均一に積層してなる積層膜28ができる。その後、積層膜28を必要な形状、表面粗さを有するシート形状に仕上げ加工してバルブシートとして用いる。
このようにして、本発明にかかるバルブシート形成用電極20を用いた油中放電26によって、バルブシート形成面25の全面に均一な合金層である積層膜28のバルブシート29を形成できる。
【0017】
さらに、シリンダヘッド24のアルミ母材でできたバルブシート形成面25と、このバルブシート形成面25上に形成された積層膜28との密着性確保のため、バインダーとなるAl、Zn、Sn、Cuを圧粉体電極であるバルブシート形成用電極20に添加してもよい。
このバインダーをバルブシート形成用電極20に添加したときに得られる積層膜28は、積層膜28のバルブシート形成面25の垂直方向(積層膜28の成長方向)で組成が変化する。シリンダヘッド24のアルミ母材に近いところの積層膜28においてはバインダーとなる金属成分の割合が高く、積層膜28の表面にいくにしたがい硬質の炭化物の割合が高くなる。
この結果、バルブシート29は、積層膜28の表面とバルブ(図に示さず)との界面での密着性に優れると同時に耐摩耗性にも優れる。また、バルブシート29は、シリンダヘッド24の母材であるアルミニウム材との熱膨張係数の違いによる熱応力の発生も少ないため、バルブ(図に示さず)からの衝撃に対し充分に耐える性能を持つ。
【0018】
また、バルブシート形成用電極20の先端部21に空間部27を設け、円筒形にしたことによって、先端部21とバルブシート形成面25と間で、先端部21の傾斜面23以外からの余分な放電も無くなる。この結果、以前はバルブシート形成用電極20の先端部21の先端(特に本実施の形態の空間部27を設けた部分)からも、バルブシート形成面25へ放電してしまい、必要な部分以外のバルブシート29の積層膜28ができていたが、不必要な部分への積層膜28の生成をなくすことができる。
【0019】
【実施例】
アルミニウム合金であるJIS AC4C製シリンダヘッドのバルブシート形成面5をシートフェイス形状に加工した。次に、、Ti−Al(47atm%:原子比でアルミニウムが47%)の混合金属粉体からできた圧粉体電極であるバルブシート形成用電極1の先端部2の傾斜面3をバルブシート形成面5に対峙して配置させた。次に、バルブシート形成用電極1の先端部2の傾斜面3と、バルブシート形成面5とを油液として灯油中に浸漬させた。そして、バルブシート形成用電極1の先端部2の傾斜面3と、バルブシート形成面5と間で油中放電6をさせた。
【0020】
ここでの放電は、以下の表1に示すように、パルス時間を8〜1024μ秒、デューティー比を0.03〜0.5、放電電流を0.03〜0.5A/mm2にした放電条件において行った。
【表1】
【0021】
この油中放電6よる放電エネルギーによって、バルブシート形成用電極1中の金属成分が溶融した。この溶融したTiおよびAlの金属成分と、灯油中に溶融させた炭素原子とが反応して硬質の炭化チタンを主成分とする炭化物ができた。この炭化物が、バルブシート形成面5の全面に炭化チタンを主成分とする炭化物形成と同時に固着された。バルブシート形成面5全体に炭化チタンを主成分とする金属炭化物を含んだ耐摩耗性に優れる均一に積層した積層膜7ができた。その後、積層膜7を所定の形状、表面粗さのシート形状に仕上げ加工してバルブシートとして用いた。
【0022】
次に、積層膜7の形成において放電条件であるパルス幅の最適値について説明する。図3は放電条件であるパルス幅を変化させたときのTiCの強度を示したグラフである。TiCの強度の測定には、エックス線回折を利用して測定した。縦軸は強度(エックス線の計数管で測定された一分間あたりのカウント数)すなわち積層膜7での濃度を示し、横軸はブラック角θ(度)を示す。 放電条件のひとつであるパルス幅を図3(a)は512μs、図3(b)は32μs、図3(c)は8μsのように変化させて行った。なお、図3(d)のピークは純TiCのピーク、図3(e)のピークは純アルミニウムのピーク、図4(f)のピークは純シリコンのピークを示し、同定時のレファレンスとして用いられた。
パルス幅以外の放電は、表1で示された範囲のデューティー比を0.06にし、放電電流を0.06A/mm2を一定にした放電条件で行った。図3の(a)〜(c)に示したようにパルス幅を長くした方がTiCの割合が高くなり、バルブシート8の積層膜7はより硬い皮膜となった。しかし、逆にTiCの割合が高くなると、脆性化してしまう欠点もある。
このように鋭意研究の結果、本発明の実施の形態によれば、パルス幅により得られる積層膜7の性質を制御できることを見出した。
【0023】
次に、積層膜7の形成において放電条件である放電電流の最適値について説明する。放電電流は、施工するバルブシート形成面5の面積に応じて電流値を調節する必要がある。放電電流値が大きすぎると放電エネルギーが大きすぎて、緻密な積層膜7を得にくい。また、放電電流値が小さすぎると、圧粉体電極であるバルブシート形成用電極1とバルブシート形成面5との間で局所的な放電状態になり均一な積層膜7が得られない。よって鋭意研究の結果、バルブシート形成時には、放電条件の範囲である表1の範囲が望ましいことが分かった。
【0024】
以上述べたように、パルス幅を8〜1024μsにし、放電電流を0.03〜0.08A/mm2にし、デューティ比を0.03〜0.5にする条件で放電することが好ましいことが分かった。
【0025】
図4は、バルブシート形成面5上に形成された積層膜7の断面のEPMA(electron probe microanalyzer:電子線プローブマイクロアナライザー)分析結果を示したグラフである。図4中の横軸のl領域は形成されたバルブシート8の積層膜7を、m領域はシリンダヘッド4のアルミ母材の領域を示す。縦軸はある元素の割合を示す。バルブシート形成面5の積層膜(l領域)において、積層膜7のアルミ母材(m領域)の近傍、すなわちバルブシート形成面5の近傍ではアルミニウムの割合が高く、積層膜7の表面(グラフの左方向)になるに従い、Tiの割合が高くなっていた。
積層膜7中のアルミニウムの割合が高くなると、同じアルミニウム合金のバルブシート形成面5との親和がよく密着性が良くなり、バルブシート形成面5からはがれにくくなる。
また、一般にTiの割合が高くなると、硬くなり、耐摩耗性、耐サーマルショック性に優れた層になる。このTiの割合が高くなっているのは、積層膜7の表面である。この層における変化した組成が積層膜7を有するバルブシート8とバルブとの優れた密着性、耐摩耗性、耐サーマルショック性の原因と考えられる。
【0026】
【発明の効果】
このようにして、従来からの技術上の問題点であるバルブシートフェイス肉盛層の不均一をなくし、バルブシートフェース面全体に均一でかつ耐摩耗性のあるバルブシートが形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるバルブシート形成用電極とこれを用いたバルブシート形成方法を示した断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態にかかるバルブシート形成用電極とこれを用いたバルブシート形成方法を示した断面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるバルブシート形成用電極の放電時のパルス幅と、形成されたバルブシートのTiC強度との関係を示した線図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるバルブシート形成用電極で形成されたバルブシートの積層膜の組成変化を示したグラフである。
【図5】(a)従来のバルブシートリングを圧入したバルブシートを示す断面図である。
(b)従来のレーザ肉盛によって形成されたバルブシートを示す断面図である。
【符号の説明】
1 バルブシート形成用電極
2 先端部
3 傾斜面
4 シリンダヘッド
5 バルブシート形成面
6 放電
7 積層膜
8 バルブシート
20 バルブシート形成用電極
21 先端部
23 傾斜面
24 シリンダヘッド
25 バルブシート形成面
26 放電
27 空間部
28 積層膜
29 バルブシート
Claims (3)
- ひとつの電極として、シリンダヘッドを形成する金属と反応して金属間化合物や合金を形成する金属粉体で形成したバルブシート形成用電極を用い、もうひとつの電極としてシリンダヘッドを用いて、前記バルブシート形成用電極の先端部と、前記シリンダヘッドのバルブシート形成面との間で油中放電し、この油中放電による放電エネルギーによって、前記バルブシート形成用電極中の金属成分を溶解し、該溶解した金属成分と油液中の溶融成分とを反応させて、前記バルブシート形成面に積層膜を形成するバルブシート形成用電極において、棒状に形成した該バルブシート形成用電極の先端部の外周に、前記シリンダヘッドのバルブシート形成面との間で油中放電し、前記バルブシート形成面と同じ傾きで先端に向かうにつれて先細りする傾斜面を設けるとともに、前記先端部の傾斜面以外の放電が生じさせない様に前記先端部に空間部を設けて円筒状に形成したことを特徴とするバルブシート形成用電極。
- 前記シリンダヘッドがアルミ合金性であり、前記油中の溶融成分を炭素原子とする時、前記バルブシート形成用電極をTi、Nb、V、Cr、Mn、Zr、Mo、W、Hf、Ta、CoおよびNiからなるグループから選択される一以上の金属を含む材料を用いて形成したことを特徴とする請求項1に記載のバルブシート形成用電極。
- Al、Zn、SnおよびCuからなるグループから選択される一以上の金属を含む材料をさらに用いて形成したことを特徴とする請求項2に記載のバルブシート形成用電極。
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