JP3832068B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の吹出口切替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用空調装置では、吹出口モードの切替手段としてフィルムダンパを使用したものが公知である。これは、例えば図1に示すように、ケースに形成されたデフ吹出口7、フェイス吹出口8、及びフット吹出口9の各開口面に沿ってフィルムダンパ(吹出口切替ダンパ)を往復移動可能に配置し、フィルムダンパに空けられた開口部6a、6b(二点鎖線で示す)の位置をフィルムダンパの移動によって変化させて各吹出口7〜9を選択的に開口することにより吹出口モードを切替えることができる。なお、吹出口モードは、例えばフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、デフモードが設定され、フィルムダンパの移動方向に順次切替えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ウォームアップ時に乗員の足元だけでなく手も暖めたい(フェイス吹出口8からも温風を欲しい)という要望がある。これに対し、従来のフィルムダンパを用いた吹出口モード切替機構では以下の問題が生じる。
上記の要望をバイレベルモードで対応しようとすると、フェイス吹出口8からは風が出るが、デフ吹出口7からは風が出ないため、窓ガラスの防曇性を確保できない。そこで、防曇性も確保するために全ての吹出口(デフ吹出口7、フェイス吹出口8、フット吹出口9)を開口する全モードを設定することが考えられるが、既に設定されているフェイスモード〜デフモード以外の領域に全モードを設定すると、フィルムダンパのスライド距離が増大し、且つフィルムダンパの全長が極端に長くなってしまう。その結果、コストアップとなるばかりか、全モードからフットモードに切替わる際に、一旦フェイスモードまたはデフモードを通過することになるため、乗員にとって異和感が大きくなってしまう。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、フィルムダンパの全長を極端に長くすることなく全モードを設定でき、且つモード切替時(全モードから他の吹出口モードへ切替える時)の異和感を低減できる車両用空調装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
吹出口モード切替手段は、膜状部材を一方から他方へ移動させることで少なくともバイレベルモード、全モード、フットモードの順に吹出口モードを切替え、膜状部材を他方から一方へ移動させることで少なくともフットモード、全モード、バイレベルモードの順に吹出口モードを切替えることができる。これにより、全モードからフットモードに切替わる際に他の吹出口モードを通過することがなく、全モードからフットモードへ直接切替えることができるため、モード切替時の異和感を低減できる。
また、全モードをバイレベルモードとフットモードの間に設定しているため、膜状部材の全長を極端に長くする必要がない。
【0005】
(請求項2の手段)
膜状部材は、フェイスモードとデフモードとの間で往復移動可能に設けられている。即ち、膜状部材を一方から他方へ移動させることでフェイスモード、バイレベルモード、全モード、フットモード、デフモードの順に吹出口モードを切替えることができ、膜状部材を他方から一方へ移動させることでデフモード、フットモード、全モード、バイレベルモード、フェイスモードの順に吹出口モードを切替えることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車両用空調装置を図面に基づいて説明する。
図1は吹出口切替ダンパの開口部と各吹出口との関係を示す説明図である。
本発明の車両用空調装置は、図示しない送風機の下流に接続される空調ユニット1を備える。
空調ユニット1は、図2に示すように、ユニットケース2と、このユニットケース2に収容されるエバポレータ3及びヒータコア4と、温度調節用のエアミックスダンパ5(以下、A/Mダンパ5と呼ぶ)と、吹出口モードを切替えるための吹出口切替ダンパ6等より構成される。
【0007】
ユニットケース2には、車両の窓ガラスに向かって空気を吹き出すためのデフ吹出口7、乗員の上半身に向かって空気を吹き出すためのフェイス吹出口8、及び乗員の足元に向かって空気を吹き出すためのフット吹出口9が形成されている。なお、各吹出口7〜9は、図2に示すように、デフ吹出口7とフット吹出口9との間にフェイス吹出口8が設けられている。
エバポレータ3は、送風機より供給された空気を冷却する冷却用熱交換器であり、ユニットケース2内の空気上流側に配設されている。
ヒータコア4は、例えばエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する加熱用熱交換器であり、エバポレータ3より空気下流側に配設されている。なお、ユニットケース2内には、ヒータコア4の側方にヒータコア4をバイパスするバイパス通路10が確保されている。
【0008】
A/Mダンパ5は、ヒータコア4を通過する空気量とヒータコア4をバイパスする空気量(バイパス通路10を通る空気量)との割合を調節するもので、可撓性を有するフィルム状部材によって形成されている。そのフィルム状のA/Mダンパ5は、ユニットケース2内に配された2本の巻取り軸11、12に両端部が連結され、その2本の巻取り軸11、12とヒータコア4を保持するガイド板13に支持されて、ヒータコア4の空気上流側とバイパス通路10とを横切って配設されている。
【0009】
2本の巻取り軸11、12は、図示しないワイヤ等により連結され、アクチュエータ(図示しない)により一方の巻取り軸11を回転させると、ワイヤを通じて他方の巻取り軸12を同期して回転させることができる。従って、A/Mダンパ5は、2本の巻取り軸11、12を同一方向に回転させることにより、その回転方向に所定距離だけスライドすることができる。A/Mダンパ5には開口部(図示しない)が形成されており、A/Mダンパ5のスライドによって開口部の位置が変化することで、ヒータコア4を通過する空気量とヒータコア4をバイパスする空気量との割合を調節することができる。
【0010】
吹出口切替ダンパ6は、A/Mダンパ5と同様に可撓性を有するフィルム状部材によって形成されている。そのフィルム状の吹出口切替ダンパ6は、ユニットケース2内に配された2本の巻取り軸14、15に両端部が連結され、その2本の巻取り軸14、15と1本の中間シャフト16に支持されて各吹出口7〜9の開口面に沿って配設されている。
2本の巻取り軸14、15は、図示しないワイヤ等により連結され、アクチュエータ(図示しない)により一方の巻取り軸14を回転させると、ワイヤを通じて他方の巻取り軸15を同期して回転させることができる。従って、吹出口切替ダンパ6は、2本の巻取り軸14、15を同一方向に回転させることにより、その回転方向に所定距離だけスライドすることができる。
【0011】
本発明の吹出口モード切替手段は、一方の巻取り軸14を回転駆動するアクチュエータと、このアクチュエータの作動を制御する制御装置(図示しない)等より構成される。制御装置は、選択された吹出口モード(後述する)に応じてアクチュエータに制御信号を出力してアクチュエータに所定の回転動作を付与するものであり、空調装置全体の作動を制御することができる。なお、選択された吹出口モードが得られるようにアクチュエータを駆動して吹出口切替ダンパ6を所定の位置へ移動させる方法は極めて周知であり、その説明は省略する。
【0012】
吹出口切替ダンパ6には、図1に示すように、吹出口モードに応じて各吹出口7〜9を開口するための開口部が形成されている。その開口部は、デフ吹出口7を開口するための第1開口部6aと、フェイス吹出口8とフット吹出口9を開口するための第2開口部6bとから成り、吹出口切替ダンパ6の長手方向(スライド方向)に所定距離Aだけ離れて形成されている。
吹出口モードは、フェイス吹出口8を開口するフェイスモード、フェイス吹出口8とフット吹出口9を開口するバイレベルモード、デフ吹出口7、フェイス吹出口8、及びフット吹出口9を全て開口する全モード、デフ吹出口7とフット吹出口9を開口するフットモードとフットデフモード、デフ吹出口7を開口するデフモードが設定されている。なお、フットモードとフットデフモードは、フット吹出口9とデフ吹出口7の開口割合が異なるもので、フットモードの方がフットデフモードよりフット吹出口9の開口割合が大きく、且つデフ吹出口7の開口割合が小さい。
【0013】
この吹出口モードは、吹出口切替ダンパ6がスライドして第1開口部6a及び第2開口部6bの位置が変化することにより、フェイスモード→バイレベルモード→全モード→フットモード→フットデフモード→デフモードの順に、またはその逆順に切替えることができる。また、吹出口切替ダンパ6は、フェイスモードを選択する位置とデフモードを選択する位置との間でスライド可能に設けられている。
なお、本実施形態では、バイレベルモードとフットモードとの間に全モードを設定しているため、その全モードを実現できる様に設計されている。
ここで、図1を参照しながら全モードを設定していない従来の場合と本実施形態の場合とを比較して説明する。
【0014】
従来の場合は、フェイスモード時にフェイス吹出口8の開口面積を最大限確保できる様に最小シール幅aを設定している。また、フェイスモードからデフモードまでの吹出口切替ダンパの移動距離を最短にできる様にデフ吹出口7とフット吹出口9との最大距離B1 が設定されている。この条件で全モードをバイレベルモードとフットモードとの間に設定すると、デフ吹出口7とフェイス吹出口8の開口面積を十分に確保できない。つまり、第1開口部6aから第2開口部6bまでの距離A1 を守ると、図1の全モードに示すように、第2開口部6bがフェイス吹出口8を開口する面積が小さくなる。一方、フット吹出口9からデフ吹出口7までの最大距離B1 を守ると、第1開口部6aがデフ吹出口7を開口する面積が極めて小さくなる。従って、従来の設計条件(A1 、B1 )では、バイレベルモードとフットモードとの間に全モードを設定することが困難である。
【0015】
そこで、本実施形態では以下の設計変更を行っている。
▲1▼第2開口部6bの開口面積を第1開口部6a側へ(図1の二点鎖線から実線へ)拡大して第1開口部6aから第2開口部6bまでの距離を従来より小さくする(A1 →A)。
▲2▼第2開口部6bの開口面積を第1開口部6a側へ拡大すると、フェイスモード時に第2開口部6bとデフ吹出口7とのシール幅を確保できなくなるため、少なくともシール幅を確保できる位置までデフ吹出口7を移動する(図1の二点鎖線から実線へ)。これにより、デフ吹出口7とフット吹出口9との最大距離がB1 →Bへと変化する。
▲3▼デフ吹出口7を移動すると、デフモード時に第1開口部6aがデフ吹出口7を開口する面積が減少するため、第1開口部6aの開口面積を反第2開口部側へ(図1の二点鎖線から実線へ)拡大する。
以上の設計変更を行うことにより、全モード時にフェイス吹出口8及びデフ吹出口7の開口面積を十分確保することが可能となる。
【0016】
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
例えば、暖房運転のウォームアップ時に全モードを選択すると、吹出口切替ダンパ6の第1開口部6aがデフ吹出口7を一部開口し、第2開口部6bがフット吹出口9を全面的に開口し、且つフェイス吹出口8を一部開口する。これにより、フット吹出口9の他にデフ吹出口7とフェイス吹出口8からも温風が吹き出されるため、足元の暖房を行いながら、窓ガラスの防曇性を確保できる上に、乗員の手を暖めることもできる。
【0017】
また、本実施形態では、全モードをバイレベルモードとフットモードとの間に設定しているため、全モードからフットモードに切替わる際に他の吹出口モードを通過することがなく、全モードからフットモードへ直接切替えることができる。これにより、全モードからフットモードへの切替時にフェイス吹出口8やデフ吹出口7から単独で風が吹き出されることがないため、乗員に異和感を感じさせることなくモード切替えを行うことができる。
更に、バイレベルモードとフットモードの間に全モードを設定したことにより、フェイスモード〜デフモード以外の領域に全モードを設定する場合より吹出口切替ダンパ6の移動距離を短くでき、且つ吹出口切替ダンパ6の全長も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吹出口切替ダンパの開口部と各吹出口との関係を示す説明図である。
【図2】空調ユニットの断面図である。
【符号の説明】
2 ユニットケース
6 吹出口切替ダンパ(膜状部材)
6a 第1開口部(開口部)
6b 第2開口部(開口部)
7 デフ吹出口
8 フェイス吹出口
9 フット吹出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の吹出口切替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用空調装置では、吹出口モードの切替手段としてフィルムダンパを使用したものが公知である。これは、例えば図1に示すように、ケースに形成されたデフ吹出口7、フェイス吹出口8、及びフット吹出口9の各開口面に沿ってフィルムダンパ(吹出口切替ダンパ)を往復移動可能に配置し、フィルムダンパに空けられた開口部6a、6b(二点鎖線で示す)の位置をフィルムダンパの移動によって変化させて各吹出口7〜9を選択的に開口することにより吹出口モードを切替えることができる。なお、吹出口モードは、例えばフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、デフモードが設定され、フィルムダンパの移動方向に順次切替えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ウォームアップ時に乗員の足元だけでなく手も暖めたい(フェイス吹出口8からも温風を欲しい)という要望がある。これに対し、従来のフィルムダンパを用いた吹出口モード切替機構では以下の問題が生じる。
上記の要望をバイレベルモードで対応しようとすると、フェイス吹出口8からは風が出るが、デフ吹出口7からは風が出ないため、窓ガラスの防曇性を確保できない。そこで、防曇性も確保するために全ての吹出口(デフ吹出口7、フェイス吹出口8、フット吹出口9)を開口する全モードを設定することが考えられるが、既に設定されているフェイスモード〜デフモード以外の領域に全モードを設定すると、フィルムダンパのスライド距離が増大し、且つフィルムダンパの全長が極端に長くなってしまう。その結果、コストアップとなるばかりか、全モードからフットモードに切替わる際に、一旦フェイスモードまたはデフモードを通過することになるため、乗員にとって異和感が大きくなってしまう。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、フィルムダンパの全長を極端に長くすることなく全モードを設定でき、且つモード切替時(全モードから他の吹出口モードへ切替える時)の異和感を低減できる車両用空調装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
吹出口モード切替手段は、膜状部材を一方から他方へ移動させることで少なくともバイレベルモード、全モード、フットモードの順に吹出口モードを切替え、膜状部材を他方から一方へ移動させることで少なくともフットモード、全モード、バイレベルモードの順に吹出口モードを切替えることができる。これにより、全モードからフットモードに切替わる際に他の吹出口モードを通過することがなく、全モードからフットモードへ直接切替えることができるため、モード切替時の異和感を低減できる。
また、全モードをバイレベルモードとフットモードの間に設定しているため、膜状部材の全長を極端に長くする必要がない。
【0005】
(請求項2の手段)
膜状部材は、フェイスモードとデフモードとの間で往復移動可能に設けられている。即ち、膜状部材を一方から他方へ移動させることでフェイスモード、バイレベルモード、全モード、フットモード、デフモードの順に吹出口モードを切替えることができ、膜状部材を他方から一方へ移動させることでデフモード、フットモード、全モード、バイレベルモード、フェイスモードの順に吹出口モードを切替えることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車両用空調装置を図面に基づいて説明する。
図1は吹出口切替ダンパの開口部と各吹出口との関係を示す説明図である。
本発明の車両用空調装置は、図示しない送風機の下流に接続される空調ユニット1を備える。
空調ユニット1は、図2に示すように、ユニットケース2と、このユニットケース2に収容されるエバポレータ3及びヒータコア4と、温度調節用のエアミックスダンパ5(以下、A/Mダンパ5と呼ぶ)と、吹出口モードを切替えるための吹出口切替ダンパ6等より構成される。
【0007】
ユニットケース2には、車両の窓ガラスに向かって空気を吹き出すためのデフ吹出口7、乗員の上半身に向かって空気を吹き出すためのフェイス吹出口8、及び乗員の足元に向かって空気を吹き出すためのフット吹出口9が形成されている。なお、各吹出口7〜9は、図2に示すように、デフ吹出口7とフット吹出口9との間にフェイス吹出口8が設けられている。
エバポレータ3は、送風機より供給された空気を冷却する冷却用熱交換器であり、ユニットケース2内の空気上流側に配設されている。
ヒータコア4は、例えばエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する加熱用熱交換器であり、エバポレータ3より空気下流側に配設されている。なお、ユニットケース2内には、ヒータコア4の側方にヒータコア4をバイパスするバイパス通路10が確保されている。
【0008】
A/Mダンパ5は、ヒータコア4を通過する空気量とヒータコア4をバイパスする空気量(バイパス通路10を通る空気量)との割合を調節するもので、可撓性を有するフィルム状部材によって形成されている。そのフィルム状のA/Mダンパ5は、ユニットケース2内に配された2本の巻取り軸11、12に両端部が連結され、その2本の巻取り軸11、12とヒータコア4を保持するガイド板13に支持されて、ヒータコア4の空気上流側とバイパス通路10とを横切って配設されている。
【0009】
2本の巻取り軸11、12は、図示しないワイヤ等により連結され、アクチュエータ(図示しない)により一方の巻取り軸11を回転させると、ワイヤを通じて他方の巻取り軸12を同期して回転させることができる。従って、A/Mダンパ5は、2本の巻取り軸11、12を同一方向に回転させることにより、その回転方向に所定距離だけスライドすることができる。A/Mダンパ5には開口部(図示しない)が形成されており、A/Mダンパ5のスライドによって開口部の位置が変化することで、ヒータコア4を通過する空気量とヒータコア4をバイパスする空気量との割合を調節することができる。
【0010】
吹出口切替ダンパ6は、A/Mダンパ5と同様に可撓性を有するフィルム状部材によって形成されている。そのフィルム状の吹出口切替ダンパ6は、ユニットケース2内に配された2本の巻取り軸14、15に両端部が連結され、その2本の巻取り軸14、15と1本の中間シャフト16に支持されて各吹出口7〜9の開口面に沿って配設されている。
2本の巻取り軸14、15は、図示しないワイヤ等により連結され、アクチュエータ(図示しない)により一方の巻取り軸14を回転させると、ワイヤを通じて他方の巻取り軸15を同期して回転させることができる。従って、吹出口切替ダンパ6は、2本の巻取り軸14、15を同一方向に回転させることにより、その回転方向に所定距離だけスライドすることができる。
【0011】
本発明の吹出口モード切替手段は、一方の巻取り軸14を回転駆動するアクチュエータと、このアクチュエータの作動を制御する制御装置(図示しない)等より構成される。制御装置は、選択された吹出口モード(後述する)に応じてアクチュエータに制御信号を出力してアクチュエータに所定の回転動作を付与するものであり、空調装置全体の作動を制御することができる。なお、選択された吹出口モードが得られるようにアクチュエータを駆動して吹出口切替ダンパ6を所定の位置へ移動させる方法は極めて周知であり、その説明は省略する。
【0012】
吹出口切替ダンパ6には、図1に示すように、吹出口モードに応じて各吹出口7〜9を開口するための開口部が形成されている。その開口部は、デフ吹出口7を開口するための第1開口部6aと、フェイス吹出口8とフット吹出口9を開口するための第2開口部6bとから成り、吹出口切替ダンパ6の長手方向(スライド方向)に所定距離Aだけ離れて形成されている。
吹出口モードは、フェイス吹出口8を開口するフェイスモード、フェイス吹出口8とフット吹出口9を開口するバイレベルモード、デフ吹出口7、フェイス吹出口8、及びフット吹出口9を全て開口する全モード、デフ吹出口7とフット吹出口9を開口するフットモードとフットデフモード、デフ吹出口7を開口するデフモードが設定されている。なお、フットモードとフットデフモードは、フット吹出口9とデフ吹出口7の開口割合が異なるもので、フットモードの方がフットデフモードよりフット吹出口9の開口割合が大きく、且つデフ吹出口7の開口割合が小さい。
【0013】
この吹出口モードは、吹出口切替ダンパ6がスライドして第1開口部6a及び第2開口部6bの位置が変化することにより、フェイスモード→バイレベルモード→全モード→フットモード→フットデフモード→デフモードの順に、またはその逆順に切替えることができる。また、吹出口切替ダンパ6は、フェイスモードを選択する位置とデフモードを選択する位置との間でスライド可能に設けられている。
なお、本実施形態では、バイレベルモードとフットモードとの間に全モードを設定しているため、その全モードを実現できる様に設計されている。
ここで、図1を参照しながら全モードを設定していない従来の場合と本実施形態の場合とを比較して説明する。
【0014】
従来の場合は、フェイスモード時にフェイス吹出口8の開口面積を最大限確保できる様に最小シール幅aを設定している。また、フェイスモードからデフモードまでの吹出口切替ダンパの移動距離を最短にできる様にデフ吹出口7とフット吹出口9との最大距離B1 が設定されている。この条件で全モードをバイレベルモードとフットモードとの間に設定すると、デフ吹出口7とフェイス吹出口8の開口面積を十分に確保できない。つまり、第1開口部6aから第2開口部6bまでの距離A1 を守ると、図1の全モードに示すように、第2開口部6bがフェイス吹出口8を開口する面積が小さくなる。一方、フット吹出口9からデフ吹出口7までの最大距離B1 を守ると、第1開口部6aがデフ吹出口7を開口する面積が極めて小さくなる。従って、従来の設計条件(A1 、B1 )では、バイレベルモードとフットモードとの間に全モードを設定することが困難である。
【0015】
そこで、本実施形態では以下の設計変更を行っている。
▲1▼第2開口部6bの開口面積を第1開口部6a側へ(図1の二点鎖線から実線へ)拡大して第1開口部6aから第2開口部6bまでの距離を従来より小さくする(A1 →A)。
▲2▼第2開口部6bの開口面積を第1開口部6a側へ拡大すると、フェイスモード時に第2開口部6bとデフ吹出口7とのシール幅を確保できなくなるため、少なくともシール幅を確保できる位置までデフ吹出口7を移動する(図1の二点鎖線から実線へ)。これにより、デフ吹出口7とフット吹出口9との最大距離がB1 →Bへと変化する。
▲3▼デフ吹出口7を移動すると、デフモード時に第1開口部6aがデフ吹出口7を開口する面積が減少するため、第1開口部6aの開口面積を反第2開口部側へ(図1の二点鎖線から実線へ)拡大する。
以上の設計変更を行うことにより、全モード時にフェイス吹出口8及びデフ吹出口7の開口面積を十分確保することが可能となる。
【0016】
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
例えば、暖房運転のウォームアップ時に全モードを選択すると、吹出口切替ダンパ6の第1開口部6aがデフ吹出口7を一部開口し、第2開口部6bがフット吹出口9を全面的に開口し、且つフェイス吹出口8を一部開口する。これにより、フット吹出口9の他にデフ吹出口7とフェイス吹出口8からも温風が吹き出されるため、足元の暖房を行いながら、窓ガラスの防曇性を確保できる上に、乗員の手を暖めることもできる。
【0017】
また、本実施形態では、全モードをバイレベルモードとフットモードとの間に設定しているため、全モードからフットモードに切替わる際に他の吹出口モードを通過することがなく、全モードからフットモードへ直接切替えることができる。これにより、全モードからフットモードへの切替時にフェイス吹出口8やデフ吹出口7から単独で風が吹き出されることがないため、乗員に異和感を感じさせることなくモード切替えを行うことができる。
更に、バイレベルモードとフットモードの間に全モードを設定したことにより、フェイスモード〜デフモード以外の領域に全モードを設定する場合より吹出口切替ダンパ6の移動距離を短くでき、且つ吹出口切替ダンパ6の全長も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吹出口切替ダンパの開口部と各吹出口との関係を示す説明図である。
【図2】空調ユニットの断面図である。
【符号の説明】
2 ユニットケース
6 吹出口切替ダンパ(膜状部材)
6a 第1開口部(開口部)
6b 第2開口部(開口部)
7 デフ吹出口
8 フェイス吹出口
9 フット吹出口
Claims (2)
- 車両の窓ガラスに向かって空気を吹き出すためのデフ吹出口、乗員の上半身に向かって空気を吹き出すためのフェイス吹出口、及び乗員の足元に向かって空気を吹き出すためのフット吹出口を有するケースと、
前記各吹出口の開口面に沿って往復移動可能に設けられ、前記各吹出口を開口できる開口部を有する膜状部材と、
前記開口部が前記フェイス吹出口を開口するフェイスモード、前記開口部が前記フェイス吹出口と前記フット吹出口を開口するバイレベルモード、前記開口部が前記デフ吹出口、前記フェイス吹出口、及び前記フット吹出口を全て開口する全モード、前記開口部が前記フット吹出口を開口するフットモード、前記開口部が前記デフ吹出口を開口するデフモードが設定され、前記膜状部材を一方から他方へ移動させることで少なくとも前記バイレベルモード、前記全モード、前記フットモードの順に吹出口モードを切替え、前記膜状部材を他方から一方へ移動させることで少なくとも前記フットモード、前記全モード、前記バイレベルモードの順に吹出口モードを切替える吹出口モード切替手段と
を具備する車両用空調装置。 - 前記膜状部材は、前記フェイスモードと前記デフモードとの間で往復移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載した車両用空調装置。
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JP3832068B2 true JP3832068B2 (ja) | 2006-10-11 |
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JP00924498A Expired - Fee Related JP3832068B2 (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | 車両用空調装置 |
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US20050040151A1 (en) | 2003-08-20 | 2005-02-24 | Robert Dyrdek | Heated side window glass |
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1998
- 1998-01-21 JP JP00924498A patent/JP3832068B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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JPH11208237A (ja) | 1999-08-03 |
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