JP3832035B2 - 電動推力アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータの回転動作を直進動作に変換し、例えばブレーキパッドをブレーキディスクに押し付ける動作を行う電動ブレーキ等に用いられる電動推力アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動推力アクチュエータとしては、例えば特開平6−327190号公報に本出願人が開示した電動ブレーキ用アクチュエータがある(以下、これを第1の従来技術と云う)。この電動ブレーキ用アクチュエータは、電動モータの回転を減速する1組の遊星歯車列と、この遊星歯車列の出力側に連結されたねじナットと、このねじナットに嵌合するねじ軸と、このねじ軸の先端部に取り付けられた摩擦部材付きの加圧部材と、上記ねじ軸にボールスプラインを介して結合されたワンウェイクラッチとを備えている。そして、電動モータの回転を遊星歯車列によって減速し、ねじナットを回転させてねじ軸を直進させ、加圧部材の摩擦部材をブレーキパッドに押し付けてブレーキディスクに押圧接触させ、制動力を付与するようになっている。このとき、ブレーキパッドを押し付ける方向に電動モータが回転するときには、ワンウェイクラッチが働いてねじ軸の回転が抑制され、ねじ軸はねじナットの回転で駆動されて常に直進動作をする。一方、逆方向への動作時には、ワンウェイクラッチは働かないが、摩擦部材がブレーキパッドに押し付けられている間は、その摩擦力によって回転が抑制されて動作する。したがってブレーキパッドがブレーキディスクから離れ、同時に摩擦部材がブレーキパッドから離れると、ねじナットの回転に伴ってねじ軸も回転し、ねじ軸の移動が停止する。このことからブレーキパッドの位置センサなどを必要とせずに、ブレーキパッドがブレーキディスクから離れたぎりぎりのところでねじ軸を止めることができるので、次の押し付け動作の時に遅れを生じないという利点を持っている。
【0003】
また、電動ブレーキ用以外の推力アクチュエータとしては、例えば特開平3−48054号公報に開示されたものがある(以下、これを第2の従来技術と云う)。この推力アクチュエータは、ボールねじのねじ軸に第1出力ギアを形成し、そのねじ軸に螺合するねじナットに第2出力ギアを形成し、一方、電動モータの出力軸には第1入力ギア及び第2入力ギアを取り付け、第1入力ギアを第1出力ギアに噛み合わせ、第2入力ギアを第2出力ギアに噛み合わせている。第1入力ギアと第1出力ギア間の第1ギア比(第1減速比)と、第2入力ギアと第2出力ギア間の第2ギア比(第2減速比)とは異ならせてある。そして、第1及び第2の出力ギア間の回転角度の差に対応してねじナットを回転させつつ前進運動させて、電動モータのトルクを推力に変換して出力するようにしている。このとき、第2ギア比と第1ギア比が微妙に異なると、ねじ軸とねじナットは電動モータ1回転に対してごく僅かしか相対回転しない。例えば、第2ギア比がa:1、第1ギア比がb:1のギア比で減速されたとすると、電動モータ1回転に対してねじナットは1/a回転、ねじ軸は1/b回転するので、ねじナットとねじ軸は相対的に(1/a−1/b)回転する。したがってねじナットとねじ軸が相対的に1回転するには電動モータは、1/(1/a−1/b)回転する必要があり、この値が等価的なギア比となる。したがってaとbが近い値の場合は、あたかも大きなギア比のギア列を取り付けた場合と同じ推力が2組のギアで得られる。
【0004】
第2の従来技術と類似の構成のアクチュエータが特開平8−28647号公報に開示されている(以下、これを第3の従来技術と云う)。このアクチュエータは、第1ギアを取り付けたボールねじのねじ軸と、第2ギアを取り付けたスプライン軸とが平行に設置され、このねじ軸とスプライン軸とは、第1ギアと第2ギアの噛み合いにより連結されている。また、ねじ軸には第3ギアが形成されたねじナットが装着され、スプライン軸には第4ギアが形成されたスプラインナットが装着されている。ねじナットとスプラインナットとは、第3ギアと第4ギアの噛み合いにより連結されている。そして、モータの正転でねじ軸がA回転し、第1ギア、第2ギアを介してスプライン軸が減速されてB回転する。このB回転は第3ギア、第4ギアを介してねじナットに伝達され、ねじナットが減速されてC回転する。このC/Aに比例してねじナットが回転しつつ前進運動し、モータのトルクが推力に変換されて出力される。また、この第3の従来技術には、遊星歯車列1段を用いたアクチュエータの例も開示されているが、いずれも狙いとする効果は、少ないギア段数で大きな減速比を得ようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来技術では、ブレーキパッドを押し付ける推力を電動モータのトルクで発生させるが、ストロークは微小であるが非常に大きな推力を必要とする。このため、大きな電動モータで大きなトルクを発生させるか、小さな電動モータの小さなトルクを大きな減速比(例えば、100以上など)で増幅して用いるか、の何れかで実現することになる。この第1の従来技術のように遊星歯車列1段とすると、インターナルギアの歯数とサンギアの歯数でギア比(減速比)が決まるので、その減速比は、せいぜい4〜6程度であり、そのままでは軽い小型乗用車でもかなり大きな電動モータを必要とし、また減速機(遊星歯車列)を多段にする場合は3段以上とする必要がある。また、このアクチュエータはブレーキキャリパという小さな空間に取り付けるものであるため、電動モータが巨大なものであったり減速機が多段になるような場合には取り付けができない、あるいはばね下荷重が重くなって乗り心地・操安性の悪化を招くおそれがある。
【0006】
この1つの解決策として第2の従来技術に示すような減速機2組を用いて大きな減速比を得る方法がある。しかし、この第2の従来技術は電動モータの出力軸とボールねじのねじ軸がずれているため、装置が軸直方向に大きくなるとともに、2組の減速機の軸間距離が同一であるため、両減速機における入力ギアの歯数と出力ギアの歯数は合計で同じにしなければならない。したがって、例えば第1入力ギア20枚・第1出力ギア40枚(ギア比2)のとき、第2入力ギア・第2出力ギアのギア比を最も近く、かつ異なる値に選んでも、第2入力ギア21枚・第2出力ギア39枚(ギア比1.857)であり、前記の式によれば等価的なギア比は26になる。これは、歯数が9枚の入力ギアと51枚の出力ギア(合計60枚でギア比5.67)を2段直列にしたものより小さく、極端に大きなギア比は実現できない。また、第3の従来技術のように遊星歯車列を用いても、この従来技術のように1段で減速している場合、大きなギア比を得るとは不可能である。つまり、第1の従来技術で要求されるギア比と装置の大きさとは、第2、第3の従来技術を適用しても実現できないという問題点があった。また、第1の従来技術では、ねじ軸の先端部に取り付けた摩擦部材がブレーキパッドを裏側から押し付ける構造であったが、一般にキャリパはコの字形状でブレーキディスクを挟むように取り付いており、高圧でブレーキをかけると先端が開くように変形する。したがって摩擦部材とねじ軸とは、互いに傾斜はするが回転はしない構造に取り付ける必要があったが、そのような構造は非常に難しいという問題点もあった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、第1に減速機2組で、入力ギアの歯数を小さくすることなく、大きな等価ギア比を実現して大きな推力を発生することができ、第2に小型化することができるとともにコスト低減を図ることができ、第3に電動ブレーキ等に適用したとき、ねじ軸等に変形傾向が生じても無理なストレスがかかることなく、また動作遅れが生じることなく、適正に動作して高い信頼性を持つ電動推力アクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、電動モータと、該電動モータで駆動されるギア比の異なる2組の減速機と、該2組の減速機の回転数の差に応じて直進方向の変位を取り出すねじ構造とを有する電動推力アクチュエータであって、前記電動モータは中空構造の回転子を備え、前記2組の減速機は、それぞれ3個以上の歯車の組み合わせからなる第1、第2の遊星歯車列であり、前記第1の遊星歯車列は、少なくとも、前記電動モータの回転子の一端に形成された第1サンギアと、第1プラネタリギアと、第1インターナルギアと、前記第1プラネタリギアを回転可能に支える第1プラネットキャリアとを備えて構成され、前記第2の遊星歯車列は、少なくとも、前記電動モータの回転子の他端に形成された第2サンギアと、第2プラネタリギアと、第2インターナルギアと、前記第2プラネタリギアを回転可能に支える第2プラネットキャリアとを備えて構成され、前記ねじ構造は、前記電動モータの回転子の中空部分に貫通され、回転は可能で軸方向への移動は不能のねじ軸と、該ねじ軸の一端側に回転も軸方向への移動も可能に支えられ、前記第1プラネットキャリアが接続されるとともに推力作用端が取り付けられたねじナットとを備え、前記ねじ軸の他端側は前記第2プラネットキャリアに接続されていることを要旨とする。この構成により、両減速機をそれぞれ3個以上の歯車の組み合わせとすることで、そのギア比、即ち減速比は、入力ギアと出力ギアが直接噛み合っている場合と同様の入力ギアの歯数と出力ギアの歯数で決まり、このとき両減速機における歯数の合計が同じでなければならないという制約がなくなる。このことから両減速機のギア比を任意に設定することが可能となり、両減速機のギア比をごく近い値に設定することで大きな等価ギア比が実現されて大きな推力を発生させることが可能となる。また、この構成により、3個以上の歯車の組み合わせが、具体的にサンギア・プラネタリギア・インターナルギアを持つ遊星歯車列で実現される。第2の遊星歯車列でモータ回転子の中空部分を貫通したねじ軸が回転し、第1の遊星歯車列で推力作用端が取り付けられたねじナットが回転し、第1、第2の遊星歯車列の異なるギア比に応じて電動モータのトルクが推力に変換されて出力される。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の電動推力アクチュエータにおいて、前記ねじ構造は、ボールねじであることを要旨とする。この構成により、ねじ構造の軸とナットが低摩擦で相対的に回転し、機構的なロスが極めて少なくなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の電動推力アクチュエータにおいて、前記ねじ構造は、滑りねじであることを要旨とする。この構成により、ねじ構造を非常に安価に構成することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3の何れかに記載の電動推力アクチュエータにおいて、前記第2サンギアの歯数は前記第1サンギアの歯数より1枚多い又は少ないものとし、かつ前記第2インターナルギアの歯数は前記第1インターナルギアの歯数より1枚多い又は少ないことを要旨とする。この構成により、2組の減速機を第1、第2の遊星歯車列とした場合に、サンギア・インターナルギアの各歯数を、第1と第2の間で1枚ずつ異なる歯数とすることで、両減速機のギア比がごく近い値に設定され、大きな等価ギア比が実現されて極めて大きな推力を発生させることが可能となる。
【0015】
請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4の何れかに記載の電動推力アクチュエータにおいて、前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとの接続部は、該ねじ軸と第2プラネットキャリアとが互いに押しつけられたとき相互に摩擦力を発生する摩擦材と、前記ねじナットが推力の作用方向に移動する方向に前記電動モータを回転させた場合に限り前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとを相対回転不能に固定し、前記電動モータが逆回転の場合には前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとが相対的に自由に回転できるワンウェイクラッチとで構成してなることを要旨とする。この構成により、電動ブレーキ等に適用されて、推力が発生したとき、ねじ軸等に変形傾向が生じても、摩擦材の介在によりねじ軸に無理なストレスがかかることなく動作させることが可能となる。電動モータが逆回転して推力作用端がブレーキパッド等から離れ、推力がなくなると摩擦材による摩擦力がなくなるとともにワンウェイクラッチのクラッチ動作が解除され、ねじ軸とねじナットは一緒に回転してねじナット、即ち推力作用端はそれ以上後退しなくなる。したがって、次に電動モータが正回転して推力作用端が作用するときの初期位置が所定の位置に確実に決められる。
【0016】
請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至5の何れかに記載の電動推力アクチュエータにおいて、前記推力作用端とねじナットの間には、両者の中心軸が曲がっても両者が滑らかに回転できる調心軸受けを設けてなることを要旨とする。この構成により、電動ブレーキ等に適用されて、推力が発生したとき、推力作用端とねじ軸双方の中心軸にずれが生じても、その軸ずれが補正されて、ねじ軸に無理なストレスがかかることなく動作する。
【0017】
請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至6の何れかに記載の電動推力アクチュエータにおいて、前記第2プラネットキャリアは、回転可能かつ軸方向への移動は不能に支持するベアリングを備え、該ベアリングと当該ベアリングを支えるハウジングの間に、前記ベアリングに加わる軸方向の荷重を検出する荷重センサを設けてなることを要旨とする。この構成により、推力が発生してブレーキパッド等に作用しているとき、第2プラネットキャリアには、その全推力に対応した荷重が加わるので、発生した全推力が検出される。
【0018】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、2組の減速機を、それぞれ3個以上の歯車の組み合わせからなる第1、第2の遊星歯車列で構成したため、両減速機における歯数の合計が同じでなければならないという制約がなくなって両減速機のギア比を任意に設定することが可能となり、両減速機のギア比をごく近い値に設定することで、入力ギアの歯数を小さくすることなく、また減速機2組で大きな等価ギア比が実現されて大きな推力を発生させることができる。具体的には、第1の遊星歯車列の第1サンギア・第1インターナルギアの各歯数に対し、第2の遊星歯車列の第2サンギア・第2インターナルギアの各歯数を例えば1枚ずつ増やす等の設定により、遊星歯車列からなる減速機2組で大きな等価ギア比が実現されて大きな推力を発生させることができる。また、入力ギアの歯数を小さくする必要がないことから、歯車列の噛み合い率が良好となり、作動時に異音の発生がない。さらに、請求項1記載の発明によれば、電動モータ・ねじ構造・第1、第2の遊星歯車列が同軸上に配置されるので小型化することができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、前記ねじ構造は、ボールねじとしたため、機構的なロスが極めて少なくなって大きな推力を効果的に発生させることができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、前記ねじ構造は、滑りねじとしたため、ねじ構造を安価に構成できるという効果がある。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、前記第2サンギアの歯数は前記第1サンギアの歯数より1枚多い又は少ないものとし、かつ前記第2インターナルギアの歯数は前記第1インターナルギアの歯数より1枚多い又は少ないようにしたため、2組の減速機を第1、第2の遊星歯車列とした場合に、サンギア・インターナルギアの各歯数を、具体的に第1と第2の間で1枚ずつ異なる歯数とすることで、両減速機のギア比がごく近い値に設定され、大きな等価ギア比が実現されて極めて大きな推力を発生させることができる。また、このとき第1、第2のプラネタリギアは同歯数で共通部品とすることができてコスト低減を図ることができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとの接続部は、該ねじ軸と第2プラネットキャリアとが互いに押しつけられたとき相互に摩擦力を発生する摩擦材と、前記ねじナットが推力の作用方向に移動する方向に前記電動モータを回転させた場合に限り前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとを相対回転不能に固定し、前記電動モータが逆回転の場合には前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとが相対的に自由に回転できるワンウェイクラッチとで構成したため、電動ブレーキ等に適用されて、推力が発生したとき、ねじ軸等に変形傾向が生じても、摩擦材の介在によりねじ軸に無理なストレスがかかることなく動作させることができる。また電動モータが逆回転して推力作用端がブレーキパッド等から離れたときワンウェイクラッチのクラッチ動作が解除されるので、推力作用端の後退が停止し、次に電動モータが正回転して推力作用端が作用するときの初期位置が所定位置に確実に決められ、動作遅れが生じることがない。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、前記推力作用端とねじナットの間には、両者の中心軸が曲がっても両者が滑らかに回転できる調心軸受けを設けたため、電動ブレーキ等に適用されて、推力が発生したとき、推力作用端とねじ軸双方の中心軸にずれが生じても、その軸ずれが補正されて、ねじ軸に無理なストレスがかかることなく動作させることができる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、前記第2プラネットキャリアは、回転可能かつ軸方向への移動は不能に支持するベアリングを備え、該ベアリングと当該ベアリングを支えるハウジングの間に、前記ベアリングに加わる軸方向の荷重を検出する荷重センサを設けたため、推力が発生してブレーキパッド等に作用しているとき、第2プラネットキャリアには、その全推力に対応した荷重が加わるので、発生した全推力を確実に検出することができる。したがって、この検出信号を基に電動モータへの供給電流を制御すれば任意の推力=制動力を発生させることができる。ベアリングとハウジングの間に荷重センサを設けることで、荷重センサは回転、移動等をしないのでセンサハーネスの断線等のおそれがなく、耐久、信頼性の高いセンサ実装を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。同図は、本実施の形態を組み込んだブレーキキャリパの例を示している。1は電動モータであり、ブラシレスモータが適用されている。ロータ位置センサ1cでロータ1b位置を検出し、複数ある巻線1aに逐次電流を与えることで中空構造のロータ1bが回転する。ロータ位置センサ1cはロータリエンコーダであり、一定角度毎にスリットの入った円盤が回転し、そのスリットを通過する光の断続を数えてロータ1bの位置を検出する。1d,1eはボールベアリングであり、ロータ1bを回転可能に支えている。ロータ1bの図中左端には前側(第1)サンギア1fが設けられ、右端には後側(第2)サンギア1gが設けられて前後(第1、第2)の遊星歯車列(減速機)2,3の一部を構成している。1hはモータヨーク、1i,1jはモータキャップである。2は前側遊星歯車列であり、前側サンギア1fの周囲に4個配置された前側プラネタリギア2bと、その外側のアクチュエータハウジング7に設けられた前側インターナルギア2aで構成されている。前側プラネタリギア2bの各ギアは、全て軸2cによって前側プラネットキャリア2dに回転可能に固定されており、前側プラネットキャリア2dはねじ構造としてのボールねじ4のねじナット4aのフランジ部として一体に形成されている。また前側サンギア1fと前側インターナルギア2aは歯幅を長めにとってあり、前側プラネタリギア2bはここを軸方向に移動することができる。ここでは、前側インターナルギア2aの歯数は、前記の例と合わせるため40枚とし、前側サンギア1fの歯数は20枚とする。前側プラネタリギア2bの歯数は、両者の差の半分なので10枚である。3は後側遊星歯車列であり、後側サンギア1gの周囲に4個配置された後側プラネタリギア3bと、その外側のアクチュエータハウジング7に設けられた後側インターナルギア3aで構成されている。後側プラネタリギア3bは、全て軸3cによって後側プラネットキャリア3dに回転可能に固定されている。ここでは後側インターナルギア3aの歯数は41枚、後側サンギア1gの歯数は21枚とし、前側のインターナルギア2a・サンギア1fに対してそれぞれ1枚ずつ増加させた。後側プラネタリギア3bの歯数は前側と同じ10枚である。後側プラネットキャリア3dは、回転可能かつ図の左方向に移動不可能にボールベアリング3eで固定されている。ボールベアリング3eは右方向には自由に移動できるようにアクチュエータハウジング7とのクリアランスが調節されている。また後側プラネットキャリア3dは中央部右側にワンウェイクラッチ3fを備えている。ワンウェイクラッチ3fは、内部に挿入した軸が一方向には自由に回転するが、他方には回転しない構造が実現できる。ここでは、A矢印方向から見て、後側プラネットキャリア3dが中心軸より相対的に反時計回りに回ろうとするときはクラッチが働いて一体回転し、逆に回ろうとするときは働かないで双方がフリーに回転する向きに取り付けるものとする。4はボールねじであり、ねじナット4aとねじ軸4b及びボール4cによって構成されている。ボール4cはねじ軸4bの図中左3分の1程度に加工された螺旋状の溝と、ねじナット4aに加工された同一ピッチの螺旋状の溝との間に収まっており、ねじナット4aの端部でナット内部に形成されたボール通路を通って反対側の端部へ移動可能になっている。したがってねじナット4aとねじ軸4bが相対的に回転すると、相対的に軸方向に移動する。そのとき力の伝達はボール4cが溝と通路で形成された無限通路を転がることで行われるため、低摩擦の動作が可能となっている。ねじ軸4bの図中右側には摩擦材4dが取り付けられ、後側プラネットキャリア3dへ押し付けるとねじ軸4bと後側プラネットキャリア3dの間の回転が止まるように摩擦力が働く。またねじ軸4bのさらに右側は、後側プラネットキャリア3dに取り付けられたワンウェイクラッチ3fに挿入されている。5は荷重センサであり、ボールベアリング3eに図の右方向に加わる荷重を検出する。ボールベアリング3eに加わる荷重は後側プラネットキャリア3dに加わる右方向荷重であり、この荷重はねじ軸4bを通して加えられるアクチュエータの発生推力そのものである。したがって、ここで荷重を検出することでアクチュエータが発生している推力を検出することができる。荷重センサ5の構成は、2枚の電極の間にピエゾ素子を挟み込み、荷重によって両電極間に発生する電圧を検出するようなものとする。6は推力作用端としてのピストンであり、左端面がブレーキパッド8の背面に当接し、右端面は自動調心軸受6aを介してねじナット4aに結合している。自動調心軸受6aは、結合部材6bによってねじナット4aに取り付けられており、軸受けの外輪と内輪の軸が曲がった場合でも滑らかに相対回転できるように軸を保持するものである。7はアクチュエータハウジングであり、前後の遊星歯車列2,3、電動モータ1などを内部に納め、図の左側はハウジング10に取り付けられ、右側はエンドキャップ7aで閉じられている。8はブレーキパッドであり、ピストン6によって内側にあるブレーキディスク9へ押し付けられ、ブレーキディスク9の回転を抑制する。10はハウジングであり、装置全体を納めるとともに、ピン10aを介してキャリア11に取り付けられており、キャリア11によって図示されないアクスルに固定されている。またハウジング10の内部にはピストンシール10bと回転直動ブッシュ10cが取り付けられており、ピストンシール10bはピストン6が軸の傾きを許容しつつ図の左右方向に移動可能に支えるとともに、ブレーキパッド8側から異物などがアクチュエータ内部に侵入することを防ぐ。また回転直動ブッシュ10cはねじナット4aが回転しつつ図の左右方向に移動できるように支える。
【0030】
次に、上述のように構成された電動推力アクチュエータの動作及び効果を説明する。一般に遊星歯車列は、サンギアの歯数をHs、インターナルギアの歯数をHiとし、この構成のようにサンギアに入力を与えてプラネットキャリアから出力を取り出すと、サンギアに対してプラネットキャリアの回転は、減速比Hs/(Hi+Hs)で減速される。したがって前記のように歯数を決めた場合、各ギア比は、
前側遊星歯車列:3
後側遊星歯車列:2.95238
となる。したがって、電動モータ1に電流を与えて、図のA矢印方向から見て反時計回りにロータ1bを回転させると、電動モータ1の1回転に対して
【数1】
前側プラネットキャリア2d…反時計回りに1/3回転
後側プラネットキャリア3d…反時計回りに1/2.95238回転
する。前側プラネットキャリア2dはねじナット4aと一体なので、これはねじナット4aの回転に等しい。またねじ軸4bは、ねじナット4aとの間の摩擦力によりねじナット4aに引きずられて同じように回転しようとするが、後側プラネットキャリア3dの回転がねじナット4aの回転角度より大きいため、ワンウェイクラッチ3fが働き、ねじ軸4bは後側プラネットキャリア3dと同じに回転する。したがって、ねじ軸4bとねじナット4aはともに反時計回りの回転をするが、ねじ軸4bの方が回転角度が大きいので、ねじナット4aを止めてねじ軸4bのみを反時計回りに回したのと同じ動作となり、ねじナット4aは図の左方向に移動する。同時に前側プラネタリギア2bもねじナット4aとともにインターナルギア2a・サンギア1fの歯幅の範囲を移動する。このとき、ねじ軸4bとねじナット4aの相対回転は電動モータ1の1回転に対して、
【数2】
1/2.95238−1/3=0.00537634
回転となる。この逆数をとると186であるため、電動モータ1が186回転するとねじ軸4bとねじナット4aが相対的に1回転することになり、ギア比186でねじナット4aのみを回した場合と同じ動作となる。したがって、あるトルクをモータが発生していれば、そのトルクは186倍されてボールねじ4を駆動し、ボールねじ4のリードをLとするれば、トルク×2π/Lの推力を調心軸受6a・ピストン6を介してブレーキパッド8に作用させる。例えばリードを10mm、トルクを0.5Nm、効率を80%とすれば、4.7ton もの力を発生させることができる。ブレーキディスク9の有効径とタイヤ径の比を1:3、ブレーキパッド8の摩擦係数を0.3としても、1輪で953kgf の制動力となり、乗用車としては十分な制動力を得ることができる。このギア比186を遊星歯車列を単純に直列にして実現しようとすると、例えばサンギアの歯数を8としてギア比6を実現したとしても3段が必要であり、またギアの歯数を8など小さな値とすると、噛み合い率が悪くなり、作動時に音を発生したりするという不都合を生じる。しかし、この実施の形態では遊星歯車列2,3は2段で実現でき、しかもサンギアの歯数は20と19、プラネタリギアも10であり、8などの小さい歯数の歯車を必要としない。また、この実施の形態のようにインターナルギアとサンギアの歯数を前後で1枚ずつ変えたことにより、大きな等価ギア比を実現したとともに、前後のプラネタリギア2b,3bを共通部品とすることができ、コストの面でも有利である。推力が発生するとハウジング10は図の上側を中心として電動モータ1後端が図の上側へ移動するように変形するため、ピストン6とボールねじ4双方の中心軸が一直線ではなく下へ凸の形状に曲がってしまう。従来技術では、ピストン部分が摩擦材とボールねじの軸で構成され、摩擦材が押し付けられて軸を回転させない構造とする必要があったので、軸と摩擦材は任意の方向に曲がるが回転はしないという構造で取り付ける必要があり、実際には実現不可能であった。それに対して本実施の形態では、摩擦材4dを後側プラネットキャリア3dとねじ軸4bとの間に設け、かつ変形の影響を受けるピストン6とねじナット4aの間を自動調心軸受6aで結合してあるため、現実的な構造によってボールねじ4に無理なストレスがかかることなく動作させることができる。さらにこの自動調心軸受6aは、変形の際に図の上側の部分で大きな荷重を受けることになるが、ナットが回転する構造であり、かつパッドは徐々に減っていくものなので、大きな荷重を受けるローラーは逐次入り替わり、内外輪の接触位置も変化する。したがって大きな荷重を受ける点が分散するため、ローラーの耐久性が向上する。発生する推力は摩擦材4dを介して後側プラネットキャリア3dを押すので、この力はボールベアリング3eを介してエンドキャップ7aを押す。そこで、このエンドキャップ7aとボールベアリング3eの間に荷重センサ5を設けることでアクチュエータが発生してブレーキパッド8に作用している推力を検出することができるので、この信号を用いて電動モータ1への供給電流を調節すれば、任意の推力=制動力を発生させることができる。さらにこの部分に取り付けた荷重センサ5は、回転も移動もしないためセンサハーネスの断線などの心配がなく、耐久・信頼性の高いセンサ実装が可能となる。
【0031】
次に、電動モータ1を逆回転(Aから見て時計回り)させた場合の動作である。すでに発生している推力はねじ軸4bを伝わり、摩擦材4dを後側プラネットキャリア3dに押し付ける。したがって摩擦材4dで発生する摩擦力によってねじ軸4bと後側プラネットキャリア3dは一緒に時計回りに回転する。同時にねじナット4aも時計回りに回転し、このことで前記の動作と逆の動作でねじナット4aが後退する。十分に後退すると、ブレーキパッド8がブレーキディスク9から離れ、同時にピストン6もブレーキパッド8から離れるため、推力を発生しなくなる。すると推力によって押し付けられていた摩擦材4dと後側プラネットキャリア3dとの間の摩擦力がなくなる。このときねじ軸4bはねじナット4aの回転に引きずられて一緒に回転しようとし、かつねじナット4aの回転角度と後側プラネットキャリア3dの回転角度は、前記の通り後側プラネットキャリア3dの方が大きいので、後側プラネットキャリア3dはねじ軸4bに対して相対的に時計回りに回ろうと回転し、ワンウェイクラッチ3fは働かない。したがって推力がなくなるとねじ軸4bとねじナット4aは一緒に回転し、ねじナット4aはそれ以上後退しなくなるため、ねじナット4aは常にブレーキパッド8とブレーキディスク9が当たるか否かのぎりぎりの位置で停止する。このことでブレーキパッド8が徐々に減ったとしても次にブレーキを掛けようとして電動モータ1を正回転させたときの動作遅れが生じない。
【0032】
なお、ここで用いた電動モータ1はブラシレスモータとしたが、その他のモータ、例えば第1の従来技術に用いられているブラシ付きの直流モータ、あるいはリラクタンスモータなど回転子(ロータ)を中空構造とすることが可能なモータであれば何でもよい。またギアの歯数もこれに限定されるものではなく、物理的に実現可能な歯数であればどのようなものでも構わない。前記のように20枚・40枚の組み合わせの場合、1枚ずつ増加させることで最大のギア比を得ようとすると186であったが、19枚・39枚に1枚ずつ増やした場合は174となる。したがってサンギアの歯数とインターナルギアの歯数の合計値と配分の双方を調節することで、欲しい等価ギア比を設定すればよい。またねじ構造もボールねじに限らず、滑りねじでも構わない。荷重センサも同様であり、この部分に挟み込んだ材料の軸方向歪みを歪みゲージ等で検出するようなもの、など別の方式でも構わない。
【0033】
図2及び図3には、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、電動モータとボールねじを別配置し、平歯車による減速機2組で駆動するようにしたものである。まず構成を説明する。電動モータ20の軸20aに第1入力ギア21a、第2入力ギア22aが取り付けられている。ボールねじ23のねじ軸23aには第1出力ギア21bが取り付けられ、ねじナット23bには、軸方向に溝を切ったスプライン軸24aが取り付けられている。スプライン軸24aはスプラインナット24bを一体形成した回転軸25とボール24cを介して結合しており、このことで回転軸25とスプライン軸24a及びボールねじナット23bとは、軸方向に相対移動は可能であるが、相対的に回転は不可能に結合している。回転軸25の右端には第2出力ギア22bが構成されている。またスプライン軸24aの左端には推力作用端26がスラストベアリングを介して取り付けられている。ここまでの構成は、第2の従来技術(特開平3−48054号公報)のものと殆ど同じであるが、大きく異なる点は、第1入力ギア21aと第1出力ギア21b及び第2入力ギア22aと第2出力ギア22bとが、それぞれお互いに直接噛み合っていない点である。第1入力ギア21aと第1出力ギア21bとは、図のB矢印方向から見た場合に図3で示されるような第1中間ギア21cを介して噛み合っている。第2入力ギア22aと第2出力ギア22bも同様に第2中間ギア22cを介して噛み合っている。
【0034】
次に、上述のように構成された第2の実施の形態の作用及び効果を説明する。この減速機構成の場合、ギア比は入力ギアから中間ギアへは、中間ギア歯数/入力ギア歯数、中間ギアから出力ギアへは、出力ギア歯数/中間ギア歯数となるので、入力ギアから出力ギアまでは両者の積であり、結局出力ギア歯数/入力ギア歯数となって、中間ギアの歯数はギア比に影響を与えない。したがって両減速機のギア比は、直接噛み合っている場合と同様に入力ギアの歯数と出力ギアの歯数で決めればよい。その際、両者が直接噛み合っていないので、第2の従来技術にあったような両ギアの歯数を合計で同じにしなければならないという制約がない。したがって、第1の実施の形態で説明したように、両者を1枚ずつ増やすなどの設定も可能であり、例えば第1の実施の形態と同じように20枚・40枚と21枚・41枚とすると、等価ギア比は82となる。また40枚・41枚と41枚・42枚という近傍の値に設定すると、1722ものギア比となり、第1の実施の形態では不可能と思われる極大なギア比を得ることができる。なお入力ギアと出力ギアの歯数を決めた後に、中間ギアの歯数又は位置を調整することで設定したギア比に影響することなく両者を噛み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動推力アクチュエータの第1の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す縦断面図である。
【図3】図2のB側から見た第1(第2)入力ギア、第1(第2)中間ギア、第1(第2)出力ギアの噛み合い関係を示す図である。
【符号の説明】
1,20 電動モータ
1b ロータ
1f 前側(第1)サンギア
1g 後側(第2)サンギア
2 前側(第1)遊星歯車列(減速機)
2a 前側(第1)インターナルギア
2b 前側(第1)プラネタリギア
2d 前側(第1)プラネットキャリア
3 後側(第2)遊星歯車列(減速機)
3a 後側(第2)インターナルギア
3b 後側(第2)プラネタリギア
3d 後側(第2)プラネットキャリア
3e ボールベアリング
3f ワンウェイクラッチ
4,23 ボールねじ(ねじ構造)
4a,23b ねじナット
4b,23a ねじ軸
4d 摩擦材
5 荷重センサ
6 ピストン(推力作用端)
6a 自動調心軸受
8 ブレーキパッド
9 ブレーキディスク
20a モータ軸
21a 第1入力ギア
21b 第1出力ギア
21c 第1中間ギア
22a 第2入力ギア
22b 第2出力ギア
22c 第2中間ギア
26 推力作用端
Claims (7)
- 電動モータと、該電動モータで駆動されるギア比の異なる2組の減速機と、該2組の減速機の回転数の差に応じて直進方向の変位を取り出すねじ構造とを有する電動推力アクチュエータであって、
前記電動モータは中空構造の回転子を備え、
前記2組の減速機は、それぞれ3個以上の歯車の組み合わせからなる第1、第2の遊星歯車列であり、
前記第1の遊星歯車列は、少なくとも、前記電動モータの回転子の一端に形成された第1サンギアと、第1プラネタリギアと、第1インターナルギアと、前記第1プラネタリギアを回転可能に支える第1プラネットキャリアとを備えて構成され、
前記第2の遊星歯車列は、少なくとも、前記電動モータの回転子の他端に形成された第2サンギアと、第2プラネタリギアと、第2インターナルギアと、前記第2プラネタリギアを回転可能に支える第2プラネットキャリアとを備えて構成され、
前記ねじ構造は、前記電動モータの回転子の中空部分に貫通され、回転は可能で軸方向への移動は不能のねじ軸と、該ねじ軸の一端側に回転も軸方向への移動も可能に支えられ、前記第1プラネットキャリアが接続されるとともに推力作用端が取り付けられたねじナットとを備え、前記ねじ軸の他端側は前記第2プラネットキャリアに接続されていることを特徴とする電動推力アクチュエータ。 - 前記ねじ構造は、ボールねじであることを特徴とする請求項1記載の電動推力アクチュエータ。
- 前記ねじ構造は、滑りねじであることを特徴とする請求項1記載の電動推力アクチュエータ。
- 前記第2サンギアの歯数は前記第1サンギアの歯数より1枚多い又は少ないものとし、かつ前記第2インターナルギアの歯数は前記第1インターナルギアの歯数より1枚多い又は少ないことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電動推力アクチュエータ。
- 前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとの接続部は、該ねじ軸と第2プラネットキャリアとが互いに押しつけられたとき相互に摩擦力を発生する摩擦材と、前記ねじナットが推力の作用方向に移動する方向に前記電動モータを回転させた場合に限り前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとを相対回転不能に固定し、前記電動モータが逆回転の場合には前記ねじ軸と前記第2プラネットキャリアとが相対的に自由に回転できるワンウェイクラッチとで構成してなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電動推力アクチュエータ。
- 前記推力作用端とねじナットの間には、両者の中心軸が曲がっても両者が滑らかに回転できる調心軸受けを設けてなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電動推力アクチュエータ。
- 前記第2プラネットキャリアは、回転可能かつ軸方向への移動は不能に支持するベアリングを備え、該ベアリングと当該ベアリングを支えるハウジングの間に、前記ベアリングに加わる軸方向の荷重を検出する荷重センサを設けてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動推力アクチュエータ。
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