JP3831082B2 - 集光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体レーザアレイスタックから出力される光束のような、ストライプ状光束の光密度を増加するための集光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザは、高効率、長寿命、小型化が図れることにより、例えば固体レーザの励起用光源として広く用いられている。中でも、活性層をいくつかの単一モードストライプに分割したアレイ構造を持つ半導体レーザアレイを、スタック状に積層した半導体レーザアレイスタックは、高出力を得られる半導体レーザとして注目を集めている。
【0003】
しかし、連続発振、あるいはduty比の大きいパルス発振をする半導体レーザは発熱量が大きく、半導体レーザアレイをスタック状に積層するためには、各半導体レーザアレイ間に放熱板あるいは水冷プレート等を挿入する必要がある。ここで、放熱板あるいは水冷プレートの厚みは通常1〜2mm程度あるため、半導体レーザアレイスタックを構成する各半導体レーザアレイの間隔も1〜2mm程度存在することになる。その結果、半導体レーザアレイスタックから出力されるレーザ光は、スポットがストライプ状の複数の平行光束群となり、光密度が非常に小さくなってしまうという問題点がある。
【0004】
上記問題点を解決する手段として、例えば特開平4−78180号公報に記載されているように、2つの半導体レーザアレイスタックから出力されるレーザ光を、偏光ビームスプリッタを用いて合成することにより、レーザ光の光密度を増加させる装置が開示されている。上記装置を用いることにより、1つの半導体レーザアレイスタックから出力されるレーザ光と比較して大きな密度を有するレーザ光を出力することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記装置には以下に示すような問題点がある。すなわち、第1に、上記の装置は2つの半導体レーザアレイスタックから出力されたレーザ光を合成するために偏光ビームスプリッタを用いている。そのため、2つの半導体レーザアレイスタックから出力されたレーザ光を合成するときには、各半導体レーザスタックから出力されたレーザ光を、その偏光方向が90度だけ異なるように偏光ビームスプリッタに入射させることによって効率良く光密度を増加させることができるが、3つ以上の半導体レーザアレイスタックから出力されたレーザ光を用いてさらに光密度を増加させることはできないといった問題点がある。
【0006】
第2に、上記の装置は偏光ビームスプリッタを用いているため、2つの半導体レーザアレイスタックから出力され、偏光ビームスプリッタによって合成されたレーザ光は、異なる2つの偏光方向を持ったレーザ光が混在することになる。その結果、例えばNd:YLF、Nd:YVO4に代表される、光の吸収において偏光依存性を有する固体レーザ媒質に対しては、励起効率を向上させることができないといった問題点もある。
【0007】
本発明は上記問題点を解決し、半導体レーザアレイスタックから出力される出力光のような、スポットがストライプ状の複数の平行光束群の光密度を効率良く増加させることができると共に、偏光方向を揃えたまま光密度を増加させることができる集光装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の集光装置は、複数の半導体レーザアレイがスタック状に積層された半導体レーザアレイスタックと各半導体レーザアレイの出射面から出射された光を半導体レーザアレイの積層方向と平行な方向に集光する複数の集光手段とから構成され、スポットがストライプ状の平行光束を、そのストライプの長手方向と垂直方向に複数個配列した平行光束群を出力する第1の光源と、平行光束群を一方の主面に入射させるように配置されると共に、一方の主面上の、各平行光束が入射する部分に対応する位置に、複数のストライプ状の光反射部が形成されている光学板と、複数の半導体レーザアレイがスタック状に積層された半導体レーザアレイスタックと各半導体レーザアレイの出射面から出射された光を半導体レーザアレイの積層方向と平行な方向に集光する複数の集光手段とから構成され、スポットがストライプ状の平行光束を、そのストライプの長手方向と垂直方向に複数個配列した平行光束群を出力する第2の光源であって、第2の光源から出力された平行光束群を、光学板の他方の主面から入射させて光反射部の間隙を透過させる位置に配置されると共に、第1の光源から出力されて光反射部によって反射した反射光束の光軸と、第2の光源から出力されて光学板を透過した透過光束の光軸とが平行となるように配置された第2の光源と、を備え、第1の光源の複数の半導体レーザアレイの積層方向と第2の光源の複数の半導体レーザアレイの積層方向とは同じ方向であって、光学板の光反射部のストライプは、第1の光源の複数の半導体レーザアレイの積層方向と同じ方向に配列していると共に、その間隔が第1の光源から出力されるストライプ状の平行光束の間隔と等しく設定されていることを特徴とする。
【0009】
集光装置を上記構成とすることにより、第1の光源から出力された平行光束群と、第2の光源から出力された平行光束群とが互いに重なることなく、効率良く光密度を増加させることが可能となる。
【0010】
本発明の集光装置は、第1の光源が、複数の半導体レーザアレイがスタック状に積層された半導体レーザアレイスタックと、各半導体レーザアレイの出射面から出射された光を、半導体レーザアレイの積層方向と平行な方向に集光する複数の集光手段とから構成されることを特徴としても良い。
【0011】
第1の光源を上記構成とすることにより、第1の光源から、偏光方向の揃った平行光束群を出力することが可能となる。
【0012】
本発明の集光装置は、第2の光源が、複数の半導体レーザアレイがスタック状に積層された半導体レーザアレイスタックと、各半導体レーザアレイの出射面から出射された光を、半導体レーザアレイの積層方向と平行な方向に集光する複数の集光手段とから構成されることを特徴としても良い。
【0013】
第2の光源を上記構成とすることにより、第2の光源から、偏光方向の揃った平行光束群を出力することが可能となる。
【0014】
なお、本発明の集光装置において、第1および第2の光源の双方を、上記のように半導体レーザアレイスタックと集光手段から構成することにより、第1および第2の光源から出力されたレーザ光を偏光方向の揃った状態で合成することが可能となる。
【0015】
上記の集光手段は、半導体レーザアレイに平行に配置されたシリンドリカルレンズ、ガラスファイバレンズ、セルフォックレンズからなる群から選択されることが好適である。
【0016】
本発明の集光装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の第1の集光装置と、第1の集光装置から出力された光束を、一方の主面に入射させて反射させるように配置された偏光ビームスプリッタと、請求項1〜4のいずれか1項に記載の第2の集光装置であって、第2の集光装置から出力された光束を、偏光ビームスプリッタの他方の主面に入射させて透過させるように配置されると共に、第1の集光装置から出力されて偏光ビームスプリッタによって反射した反射光束の光軸と、第2の集光装置から出力されて偏光ビームスプリッタを透過した透過光束の光軸とが平行となるように配置された第2の集光装置とを備えたことを特徴としても良い。
【0017】
上記構成とすることにより、第1の集光装置によって密度が増加された光束と第2の集光装置によって密度が増加された光束とを合成することが可能となり、光束の密度をさらに増加することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る集光装置である。本実施形態に係る集光装置10は、第1の光源12、第2の光源14および光学板16から構成されている。
【0019】
第1の光源12は、半導体レーザアレイ17を水冷プレート18を介して複数個積層した半導体レーザアレイスタック20と、各半導体レーザアレイ17から出力されたレーザ光を平行光束とするために各半導体レーザアレイ17の出射面と平行に近接設置された複数のシリンドリカルレンズ22から構成されている。半導体レーザアレイスタック20の出射面は、半導体レーザアレイ17の出射面と水冷プレート18の側面とが交互に配置された形状になっていることより、半導体レーザアレイスタック20の出射面からは、半導体レーザアレイ17の個数と同数のストライプ状の断面を有する光束が出力されることになる。ここで半導体レーザアレイから出力されるレーザ光は通常、ヘテロ接合面に平行な方向(半導体レーザアレイのアレイ方向)への拡がりは小さいが、ヘテロ接合面に垂直な方向(半導体レーザアレイの積層方向)には約40゜と大きな発散角を有する。そこで、上記のシリンドリカルレンズ22を用いることにより、各半導体レーザアレイ17から出力された光束を平行光束としている。また、水冷プレート18の厚みが均一且つ一定であることから、第1の光源12から出力される光束は、互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。
【0020】
光学板16は、透光性物質を主材としたプレートから成り、第1の光源12から出力された光束の光路上に、その光軸と45度の角度をなして設置されている。光学板16の主面のうち第1の光源12から出力された光が入射する方の面(以下表面16aという)上の、前記第1の光源12から出力された光束が入射する部分およびその近傍には、光反射性の材質から形成される光反射性薄膜24が形成されている。すなわち、第1の光源12から出力される光が、互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束であることより、光学板16の表面16aには、図2に示すように互いに平行で等間隔に配列された複数の帯状の光反射膜24が形成されている。また、表面16a上の、上記光反射性薄膜24が形成されていない部分には光透過性薄膜26が形成されている。
【0021】
第2の光源14は、第1の光源12と同様に半導体レーザアレイ17を水冷プレート18を介して複数個積層した半導体レーザアレイスタック20と、各半導体レーザアレイ17から出力された光を平行光束とするために各半導体レーザアレイ17の出射面に近接して設置された複数のシリンドリカルレンズ22から構成されている。したがって、第2の光源14から出力される光も第1の光源12から出力される光と同様に、互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。
【0022】
また、第2の光源14は、第2の光源14から出力された光が、その光軸と45度の角度をもって光学板16の裏面16bに入射できるような向きに配置されており、かつ、第2の光源14から出力された互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束が、光学板16の表面16aに形成された光透過性薄膜26の部分を透過できるような位置に配置されている。
【0023】
光学板16が第1の光源12から出力された光束の光軸および第2の光源14から出力された光束の光軸の双方と45゜の角度を有して配置されていることにより、第1の光源12から出力されて光学板16上に形成された光反射性薄膜24によって反射した複数のストライプ状の光束と、第2の光源14から出力されて光学板16内および光学板16上に形成された光透過性薄膜26を透過した複数のストライプ状の光束の光軸方向は同一の方向となる。
【0024】
続いて、本実施形態に係る集光装置の作用について説明する。図3(a)〜(c)は第1の光源12から出力された光、第2の光源14から出力された光、第1の光源12から出力されて光学板16上に形成された光反射性薄膜24によって反射した光と第2の光源14から出力され光学板16内および光学板16上に形成された光透過性薄膜26を透過した光との合成光を、それぞれ光軸に対して垂直に切った場合の断面図である。
【0025】
第1の光源から出力された光は、半導体レーザアレイスタック20から出力されたレーザ光を複数のシリンドリカルレンズ22によって平行化しているため、図3(a)に示すような互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。第2の光源から出力された光も同様に、図3(b)に示すような互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。ここで、光学板16は、第1の光源12から出力された光を、表面16aに形成された光反射性薄膜24によって反射させ、また第2の光源14から出力された光を、内部および表面16aに形成された光透過性薄膜26を透過させるような位置に配置されている。よって、これらの反射光と透過光は、互いに重ならず且つ互いに同一方向(図1のx方向)に進行し、その断面は図3(c)のようになる。その結果、これらの反射光と透過光の合成光は、第1の光源12から出力された光、または第2の光源14から出力された光と比較して2倍の密度を有する光となる。
【0026】
また、第1の光源12から出力されるレーザ光は、半導体レーザアレイ17の積層方向と垂直の偏光方向、具体的には図1のx軸に平行な偏光方向を有してz方向に進行する。したがって、第1の光源12から出力されるレーザ光は、光軸に対して45゜の角度をもって設置された光学板16の表面16aに形成された光反射性薄膜24によって反射されると、z軸に平行な偏光方向を有するレーザ光としてx方向に進行することになる。
【0027】
一方、第2の光源14から出力されるレーザ光は、半導体レーザアレイ17の積層方向と垂直の偏光方向、具体的には図1のz軸に平行な偏光方向を有しx方向に進行し、光学板16内および光学板16の表面16aに形成された光透過性薄膜26を透過しても偏光方向および進行方向は変わらない。
【0028】
よって、第1の光源12から出力され光学板16上に形成された光反射性薄膜24によって反射した光と第2の光源14から出力され光学板16内および光学板16上に形成された光透過性薄膜26を透過した光の合成光は、z軸に平行な偏光方向を有し、x方向に進行する光となる。
【0029】
さらに、本実施形態に係る集光装置の効果について説明する。集光装置10は、第1の光源12から出力した光と第2の光源14から出力した光とを、互いに重ならないように合成することができるため、空間的に均一に、しかも効率良く光密度を増加させることが可能となる。したがって、構造上、光密度が小さくなってしまう半導体レーザアレイスタックからの出力光を、効率良く増加させることが可能となる。
【0030】
また、偏光ビームスプリッタをもちいて光密度を増加させる装置などと異なり、レーザ光の偏光方向を揃えた状態で光密度を増加させることが可能であるため、例えばNd:YLF、Nd:YVO4に代表される、光の吸収において偏光依存性を有する固体レーザ媒質を効率良く励起することができる光を出力することが可能となる。
【0031】
続いて、本発明の第2の実施形態に係る集光装置について説明する。図4は、本実施形態に係る集光装置30の斜視図である。集光装置30が第1の実施形態に係る集光装置10と構成上異なる点は、第1の実施形態に係る集光装置10は、2つの光源から出力された光を合成するために、2つの光源と1枚の光学板から構成されていたのに対し、集光装置30は、3つの光源から出力された光を合成するために、3つの光源と2枚の光学板から構成されていることである。
【0032】
第1の光源32は、第1の実施形態に係る集光装置の光源と同様に、半導体レーザスタック20とシリンドリカルレンズ22とから構成されている。したがって、第1の光源32から出力される光は、互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。
【0033】
第1の光学板34は、透光性物質を主材としたプレートであり、第1の光源12から出力された光束の光路上に、その光軸と45度の角度をもって設置されている。第1の光学板34の主面のうち第1の光源32から出力された光が入射する方の面(以下表面34aという)上の、第1の光源32から出力された光束が入射する部分およびその近傍には、光反射性薄膜24が形成されている。具体的なパターンは図5(a)に示すような、ストライプ形状となっている。また、表面34a上の、上記光反射性薄膜24が形成されていない部分には光透過性薄膜26が形成されている。よって、具体的なパターンは図5(a)に示すような、になっている。
【0034】
第2の光源36も第1の光源32と同様な構成になっており、第2の光源36から出力された光が、その光軸と45゜の角度をなして第1の光学板34の裏面34bに入射できるような向きに配置されており、かつ、第2の光源36から出力された互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束が、第1の光学板34の表面34aに形成された光透過性薄膜26の部分を透過できるような位置に配置されている。
【0035】
第1の光学板34が第1の光源32から出力された光束の光軸および第2の光源36から出力された光束の光軸の双方と45゜の角度を有して配置されていることにより、第1の光源32から出力され、第1の光学板34上に形成された光反射性薄膜24によって反射した複数のストライプ状の光束と、第2の光源36から出力され、第1の光学板34内および第1の光学板34上に形成された光透過性薄膜26を透過した複数のストライプ状の光束は同一の光軸方向を有することになる。その結果、この合成光は互いに平行で密に配列された複数のストライプ状の光束となる。
【0036】
第2の光学板38は、透光性物質を主材としたプレートであり、上記合成光の光路上に、その光軸と45゜の角度をなして設置されている。第2の光学板38の主面のうち、上記合成光が入射する面の反対側の面(以下表面38aという)上の、上記合成光が透過する部分およびその近傍には、上記合成光が透過できるように光透過性薄膜26が形成されており、それ以外の部分には、後に説明する第3の光源40から出力された光束を反射できるように、光反射性薄膜24が形成されている。具体的なパターンは図5(b)に示すようなストライプ形状となっている。
【0037】
第3の光源40も第1の光源32と同様な構成になっており、第3の光源40から出力された互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束が、第2の光学板38の表面34aに入射し、第2の光学板38の表面34aに形成された光反射性薄膜24の部分で反射するような位置に配置されている。
【0038】
図6(a)〜(e)はそれぞれ第1の光源32、第2の光源36、第3の光源40から出力された光、第1の光源32から出力された光と第2の光源36から出力された光との合成光、第1の光源32、第2の光源36、第3の光源40から出力された光の合成光を、それぞれ光軸に対して垂直に切った場合の断面図である。
【0039】
第1の光源32、第2の光源36、第3の光源40から出力された光はそれぞれ、、半導体レーザアレイスタック20から出力されたレーザ光を複数のシリンドリカルレンズ22によって平行化しているため、図3(a)、(b)、(c)に示すような互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。
【0040】
第1の光源32から出力された光は、第1の光学板34の表面34aに形成された光反射性薄膜24によって反射し、また、第2の光源36から出力された光は、第1の光学板34内および第1の光学板34の表面34aに形成された光透過性薄膜26を透過する。よってこれらの反射光と透過光は、互いに重ならず且つ互いに同一方向(図1のx方向)に進行するので、その断面は図6(d)のようになる。その結果、これらの反射光と透過光の合成光は、第1の光源32から出力された光、または第2の光源36から出力された光と比較して2倍の密度を有する光となる。
【0041】
さらに、第3の光源40から出力された光は、第2の光学板38の表面38aに形成された光反射性薄膜24によって反射し、また、上記合成光は、第2の光学板38内および第2の光学板38の表面38aに形成された光透過性薄膜26を透過する。よってこれらの反射光と透過光は、互いに重ならず且つ互いに同一方向(図1のx方向)に進行するので、その断面は図6(e)のようになる。その結果、これらの反射光と透過光の合成光は、第1の光源32から出力された光、または第2の光源36から出力された光、または第3の光源から出力された光と比較して3倍の密度を有する光となる。さらに、この第1の光源32、第2の光源36、第3の光源38から出力した光の合成光は、図4のz軸に平行な偏光方向を有し、x方向に進行する光となる。
【0042】
本実施形態に係る集光装置のような構成とすることにより、3つあるいはそれ以上の光源から出力した光を互いに重ならないように合成することができるため、空間的に均一に、しかもより効率良く光密度を増加させることが可能となる。また、レーザ光の偏光方向を揃えた状態で光密度を増加させることが可能となる。
【0043】
図7は本発明の第3の実施形態にかかる集光装置の斜視図である。本実施形態に係る集光装置50は、第1の実施形態に係る集光装置10の各光源を、その光軸を軸に90゜だけ回転させた集光装置である。各光源を90゜回転させたことにより、光学板54の反射膜パターンも図8に示すように90゜回転したパターンとなっている。
【0044】
図9(a)〜(c)は第1の光源52から出力された光、第2の光源56から出力された光、第1の光源52から出力された光と第2の光源56から出力された光との合成光を、それぞれ光軸に対して垂直に切った場合の断面図である。
【0045】
第1の光源52から出力された光は、半導体レーザアレイスタック20から出力されたレーザ光を複数のシリンドリカルレンズ22によって平行化しているため、図9(a)に示すような互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。第2の光源56から出力された光も同様に、図9(b)に示すような互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となる。よって、第1の光源52から出力された光と第2の光源56から出力された光との合成光は図9(c)に示すように、第1の光源52から出力された光、または第2の光源56から出力された光と比較して2倍の密度を有する光となる。また、上記合成光はy軸に平行な偏光方向を有するレーザ光としてx方向に進行することになる。
【0046】
上記のような構成としても、第1の実施形態に係る集光装置10と同様に、2つの光源から出力された光を偏光方向を揃えた状態で合成し、効率良く光密度を増加させることができる。
【0047】
図10は、本発明の第4の実施形態に係る集光装置60の斜視図である。本実施形態に係る集光装置60は、本発明の第1の実施形態に係る集光装置10、本発明の第3の実施形態に係る集光装置50および偏光ビームスプリッタ62から構成されており、偏光ビームスプリッタ62は、集光装置10から出力された光と集光装置50から出力された光とを合成することができるように、集光装置10から出力される光の光路上かつ集光装置50から出力される光の光路上である位置に配置され、各光軸に対して45゜の角度を有している。
【0048】
集光装置10と集光装置50に用いられている光学板16、54の表面には、各実施形態の欄で説明したように、光反射性薄膜24と光透過性薄膜26がストライプ状に形成されており、具体的には図11(a)、(b)に示すようなパターンになっている。
【0049】
集光装置10の第1の光源12、第2の光源14および集光装置50の第1の光源52、第2の光源56から出力される光は、それぞれ図12(a)、(b)、(d)、(e)に示すように、互いに平行で等間隔に配列された複数のストライプ状の光束となっている。これらの光が各光学板によって合成され、集光装置10および集光装置50からはそれぞれ、図12(c)、(f)に示すように、互いに平行で密に配列された複数のストライプ状の光束が出力される。これらの光束を偏光ビームスプリッタ62を用いて合成することにより、図12(g)に示すように極めて密度の高い格子状の断面を有する光を出力することができるようになる。
【0050】
本実施形態に係る集光装置60においては、最終的に出力される光は、2つの偏光方向が混在する状態であるが、偏光ビームスプリッタ62を用いて光を合成する前に、本発明の第1の実施形態に係る集光装置10および集光装置50を用いて光密度を増加させていることから、極めて光密度の高い出力光を生成することが可能となる。
【0051】
上記各実施形態に係る集光装置に用いた光学板には、光反射性薄膜24がストライプ状に形成されていたが、これは、各光源から出力された光を有効に反射あるいは透過することができれば、図13に示すような長方形を並べたパターンを用いても良いし、図14に示すような周囲を囲まれたストライプ形状であっても良い。また、光源から出力された光を効率よく透過することが可能であれば光透過性薄膜26が形成されていなくても良い。
【0052】
【発明の効果】
本発明の集光装置は、例えば半導体レーザアレイスタックから出力される出力光のような、断面が互いに平行な複数のストライプ状となっている密度の低い光束の光密度を効率良く増加させることができる。また、偏光方向を揃えたまま光密度を増加させることができ、例えばNd:YLF、Nd:YVO4に代表される、光の吸収において偏光依存性を有する固体レーザ媒質励起用光源として使用する場合は、励起効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る集光装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る集光装置で用いる光学板の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る集光装置によって光が合成される様子を表した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る集光装置の斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る集光装置で用いる光学板の平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る集光装置によって光が合成される様子を表した図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る集光装置の斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る集光装置で用いる光学板の平面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る集光装置によって光が合成される様子を表した図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る集光装置の斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る集光装置で用いる光学板の平面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る集光装置によって光が合成される様子を表した図である。
【図13】本発明の実施形態に係る集光装置で用いる光学板の平面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る集光装置で用いる光学板の平面図である。
【符号の説明】
10、30、50、60…集光装置、12、32、52…第1の光源、14、36、56…第2の光源、16、54…光学板、17…半導体レーザアレイ、18…水冷プレート、20…半導体レーザアレイスタック、22…シリンドリカルレンズ、24…光反射性薄膜、26…光透過性薄膜、34…第1の光学板、38…第2の光学板、40…第3の光源、62…偏光ビームスプリッタ
Claims (3)
- 複数の半導体レーザアレイがスタック状に積層された半導体レーザアレイスタックと前記各半導体レーザアレイの出射面から出射された光を半導体レーザアレイの積層方向と平行な方向に集光する複数の集光手段とから構成され、スポットがストライプ状の平行光束を、そのストライプの長手方向と垂直方向に複数個配列した平行光束群を出力する第1の光源と、
前記平行光束群を一方の主面に入射させるように配置されると共に、前記一方の主面上の、前記各平行光束が入射する部分に対応する位置に、複数のストライプ状の光反射部が形成されている光学板と、
複数の半導体レーザアレイがスタック状に積層された半導体レーザアレイスタックと前記各半導体レーザアレイの出射面から出射された光を半導体レーザアレイの積層方向と平行な方向に集光する複数の集光手段とから構成され、スポットがストライプ状の平行光束を、そのストライプの長手方向と垂直方向に複数個配列した平行光束群を出力する第2の光源であって、前記第2の光源から出力された平行光束群を、前記光学板の他方の主面から入射させて前記光反射部の間隙を透過させる位置に配置されると共に、前記第1の光源から出力されて前記光反射部によって反射した反射光束の光軸と、前記第2の光源から出力されて前記光学板を透過した透過光束の光軸とが平行となるように配置された第2の光源と、を備え、
前記第1の光源の前記複数の半導体レーザアレイの積層方向と前記第2の光源の前記複数の半導体レーザアレイの積層方向とは同じ方向であって、
前記光学板の前記光反射部のストライプは、前記第1の光源の前記複数の半導体レーザアレイの積層方向と同じ方向に配列していると共に、その間隔が前記第1の光源から出力される前記ストライプ状の平行光束の間隔と等しく設定されていることを特徴とする集光装置。 - 前記集光手段は、前記半導体レーザアレイに平行に配置されたシリンドリカルレンズ、ガラスファイバレンズ、セルフォックレンズからなる群から選択されるいずれかの集光手段であることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
- 請求項1又は2に記載の第1の集光装置と、
前記第1の集光装置から出力された光束を、一方の主面に入射させて反射させるように配置された偏光ビームスプリッタと、
請求項1又は2に記載の第2の集光装置であって、前記第2の集光装置から出力された光束を、前記偏光ビームスプリッタの他方の主面に入射させて透過させるように配置されると共に、前記第1の集光装置から出力されて前記偏光ビームスプリッタによって反射した反射光束の光軸と、前記第2の集光装置から出力されて前記偏光ビームスプリッタを透過した透過光束の光軸とが平行となるように配置された第2の集光装置と、
を備えたことを特徴とする集光装置。
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