JP3830865B2 - 保護リレーシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力送電線等の両端の電流を用い、電流差動演算を行う保護リレーシステムに係り、特に、技術革新が進んでいる汎用計算機技術を使用して、保護リレー機能を汎用計算機に持たせ、前記両端における汎用計算機間のサンプリング電流情報の伝送をLAN回線介して行う保護リレーシステムにおける前記各汎用計算機間のサンプリング同期をとる制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は特開2001−69660号公報に示された従来の汎用技術を用いた保護リレーシステムの時刻同期制御時の動作を示すタイムチャートである。図6において1は親端末の処理内容を示し、2は、子端末の処理内容を示す。ここで、親端末とは同期制御においてマスタとなる、接続された計算機中の任意の1台を意味し、子端末とは親端末以外の全ての端末であることを意味する。
【0003】
次に動作について説明する。親端末10と子端末11を接続した後、まず親端末10から処理開始の信号を子端末11に送信する。子端末11は親端末10からの開始信号を受け取り、処理を開始する。これにより、初期同期制御が開始される。
【0004】
処理を開始した後、例えば10回相互にデータを送信し合い、通信に要する時間Tを測定する。データ送信を終えると親端末1は、測定した時間Tの平均から片道伝送時間Tbを算出する。この間、子端末11は親端末10からのデータ受信待ち状態となる。親端末10は伝送時間Tb算出後、子端末11にリアルタイム処理開始の信号を送信し、送信から時間Tb後に自らのリアルタイム周期演算を開始する。子端末2は親端末1からのリアルタイム処理開始信号を受け取ると同時にリアルタイム周期演算を開始する。上記手順により、同期の取れたリアルタイム演算を開始することが可能となる。
【0005】
リアルタイム演算開始時は親端末10・子端末11間にて同期のとれたサンプリングを行うが、各端末のCPUクロック誤差によりオンライン時にも端末間でサンプリングの同期がとれなくなる。各端末はこれを防ぐために、オンライン時にも同期制御を実施している。オンライン同期制御の概念図を図7に示す。図7において、1は親端末の起動からデータ送信までの処理を示し、2は親端末と時刻同期がとれている子端末の起動からデータ受信までの処理を示し、3は親端末より遅れている子端末の起動からデータ受信までの処理を示し、4は親端末より進んでいる子端末の起動からデータ受信までの処理を示している。図3において、Tbは初期同期制御において求めた値である。
【0006】
親端末は起動から送信処理までの時間データTaを各子端末にブロードキャスト送信する。子端末は起動から受信までの時間Txiを計測する。同期制御は、Ta,Tbi,Txiの関係式を以下の3パターンに分けて行う。Txi≒Ta+Tbiの時、同期制御は実施しない。Txi<Ta+Tbiの時、子端末の起動が遅れていると判断し、起動を進めるよう、例えば、15μ秒進める等の微調整を行う。Txi>Ta+Tbiの時、子端末の起動が進んでいると判断し、例えば、次回起動時間設定を200μ秒から〔Txi−(Ta+Tbi)〕を引いた時間に再設定する。
【0007】
次に、オンライン同期制御処理を具体的に説明する。図8はオンライン同期制御の処理内容を示すフローチャートである。最初に親端末の処理内容を説明する。まず、親端末は、起動時に開始した経過時間の計測を終了して、その計測時間を時間データTaとする(ステップST21)。そして、その時間データTaを子端末に送信する(ステップST22)。
【0008】
次に、子端末の処理内容を説明する。まず、子端末は、親端末から送信される時間データTaの受信待ちを実施し(ステップST23)、その時間データTaを受信すると、起動時に開始した経過時間の計測を終了して、その計測時間を時間データTxとする(ステップST24)。
【0009】
次に、子端末は、ステップST24で取得した時間データTxの累計値を算出し(ステップST27)、累計回数のインクリメントを行う。そして、子端末は、累計回数が予め設定された回数である32回に到達したか否かを判定する(ステップST29)。
【0010】
次に、子端末は、ステップST24で取得した時間データTxの累計値を算出し(ステップST27)、累計回数のインクリメントを行う。そして、子端末は、累計回数が予め設定された回数である32回に到達したか否かを判定する(ステップST29)。
【0011】
子端末は、累計回数が32回である場合、Ta+Tbの累計値からTa+Tbの平均値を算出する(ステップST30)とともに、Txの累計値からTxの平均値を算出する(ステップST31)。ここで、Ta+Tbの平均値をTAとし、Txの平均値をTXとする。
【0012】
次に、子端末は、上記の平均値TAから平均値TXを引いた値(TA−TX)が、例えば10μsよりも大きいか否かを判断する(ステップST32)。子端末は、(TA−TX)が10μsよりも大きい場合、子端末の起動が親端末の起動よりも遅れているため、子端末の起動を例えば15μs進めることとし、次回の起動時間を所定の時間から(TA+15)μs差し引いた時間に再設定し(ステップST33)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST36)。即ち、次回の起動時間を現時刻から〔200−(TA+15)〕μs後に再設定する。
【0013】
子端末は、(TA−TX)が10μsよりも大きくない場合、上記の平均値TAから平均値TXを引いた値(TA−TX)が、例えば−10μsよりも小さいか否かを判断する(ステップST34)。子端末は、(TA−TX)が−10μsよりも小さい場合、子端末の起動が親端末よりも進んでいるため、子端末の起動を親端末の起動に合わせることとし、次回起動時間を所定の時間から(TA−TX)μs差し引いた時間に再設定し(ステップST35)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST36)。即ち、次回の起動時刻を現時刻から〔200−(TA−TX)〕μs後に再設定する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の同期制御手法では、親端末と子端末を接続した後一定時間は初期同期制御を行うため、この間は必ずリレー演算を停止しなければならない。各端末に他の保護機能を搭載している場合、全てを停止することとなってしまう。
【0015】
また、従来のオンライン同期制御手法を用いると同期ずれを一度に補正するのでサンプリングの間隔が一旦大きく乱れ、リレーの誤動作・装置異常検出に至る可能性があるなどの問題があった。
【0016】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、オンライン時の両端末の保護機能が常に有効に働くことを可能とすることとともに、同期制御時のリレーの動作を安定させることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る保護リレーシステムは、電力送電線における保護対象区間の両端の電流を一定周期でサンプリングしてA/D変換した後、前記両端における保護リレー機能を有した各汎用計算機間でLAN回線を介して伝送し、前記両端の電流の差動演算を行う保護リレーシステムにおいて、予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間とオンラインで計測した実時間とのずれをなくす方向に前記各汎用計算機間のサンプリング同期をとる制御を行うことを特徴とすると共に、前記予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間とオンラインで計測した実時間とのずれの大きさに応じて前記サンプリング同期をとる制御を、前記サンプリングの間隔の変動が小さくなるように複数段階の制御とするものである。
【0018】
請求項2に記載の発明に係る保護リレーシステムは、請求項1に記載の保護リレーシステムにおいて、前記予め算出した伝送遅延時間を、前記サンプリング同期をとる制御の整定値とし、当該整定値を変更することにより前記サンプリング同期をとる制御を前記各汎用計算機間の伝送距離の変化に対応させるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
【0020】
参考例1.
この発明の参考例1を図1に基づいて説明する。図1は送電線保護リレー機能を実装したパ−ソナルコンピュ−タ(PC)等の計算機を用いた差動保護リレーシステムの一例を示すシステム構成図であり、同図において、1は遮断器(CB)で、保護対象区間の送電線の両端に設けられ、前記保護対象区間に事故等の異常発生時に保護リレーが動作すれば当該保護リレーの出力により遮断動作する。2は計器用変流器(CT)で、前記保護対象区間の送電線の両端に設けられ、当該送電線両端の電流を検出する。3は入力変換器で、前記各計器用変流器(CT)2の出力側に設けられている。4はアナログフィルタで、前記各入力変換器3の出力側に設けられている。
【0021】
5はA/D変換部で、前記各アナログフィルタ4の出力側に設けられ、アナログフィルタ4からのアナログ入力をディジタルに変換して出力する。6は伝送制御部で、前記保護対象区間の送電線の両端側に設けられている。7はDI/O部で、ディジタル入出力回路であり、前記保護対象区間の送電線の両端側に設けられている。8は演算処理部で、前記保護対象区間の送電線の両端側に設けられている。9は計算機内部のバスである。
【0022】
10は保護リレー演算用計算機(以下、親端末と記載する)で、前記保護対象区間の送電線の一端側に設けられている。又、この親端末10は、前記送電線の一端側のA/D変換部5、伝送制御部6、DI/O部7、演算処理部8、および計算機内部バス9により構成されている。11は保護リレー演算用計算機(以下、子端末と記載する)で、前記保護対象区間の送電線の他端側に設けられている。又、この子端末11は、前記送電線の他端側のA/D変換部5、伝送制御部6、DI/O部7、演算処理部8、及び計算機内部バス9により構成されている。
【0023】
12は親端末10と前記子端末11との間で事故電流情報などの通信を行うためのLAN回線、13は整定部で、前記親端末10及び前記子端末11の各々に対して設けられ、対応する端末の前記演算処理部8に対して整定値を入力するものである。
【0024】
差動保護リレーの場合、前記親端末10及び前記子端末11の各々が、対応するCT2の出力電流の大きさと方向とを検出して当該検出信号を、前記LAN回線2を介して相手端の端末に送信し、各端末10,11は、両者の電流検出信号を比較し、両者の電流検出信号が異常な大きさで且つ異なる方向である場合は、内部事故(前記保護対象区間内の事故)と判断して、各々対応する自端のCB1に対しトリップ信号を出力する。また、各端末10,11は、両者の電流検出信号を比較し、両者の電流検出信号が異常な大きさで且つ同じ方向である場合は、外部事故(前記保護対象区間の範囲外の事故)と判断して、各々対応する自端のCB1に対するトリップ信号は出力しない。
【0025】
このように、差動保護リレーの場合、前記親端末10及び前記子端末11の各々が、対応するCT2の出力電流の大きさと方向とを検出して当該検出信号を、前記LAN回線2を介して相手端の端末に送信し、各端末10,11は、両者の電流検出信号を比較し、両者の電流検出信号の大きさ及び方向で内部事故か否か判断するので、前記比較される両者の電流検出信号は、その検出時点が同じものとしなければ、前記内部事故か否かの判断の信頼性を確保できない。従って、検出時点が同じ電流検出信号が各端末10,11から送信されるように同期制御が行われる。
【0026】
次に、この発明の対象である同期制御に関し、参考例1の動作について説明する。図2はこの発明の参考例1による同期制御の処理のタイムチャートであり、同図において、Aは親端末10の処理内容を示し、Bは子端末11の処理内容を示す。親端末10と子端末11との接続開始後、先ず親端末10は、自端の電流のサンプリング開始から一定時間Ta経過後に子端末11にデ−タを送信する。これによりオンライン同期制御を開始する。処理開始後、親端末10は常にサンプリング開始から所定の一定時間Ta(固定時間)経過後に子端末11にデ−タを送信し続ける。
【0027】
子端末11は起動から受信までの時間Txiを計測する。子端末11は、前記TA(TA=Ta+Tbi),Txi,更に前記親端末10から子端末11への予め算出されたデ−タ伝送に要する時間Tbi(固定時間)の関係式を用いて同期制御を行う。デ−タ伝送に要する時間Tbiは以下の式により算出される。通信速度F、デ−タサイズS、距離L、光通信速度をcとすると、デ−タ転送に要する時間Tbi=(S/F)+(L/c)となる。ここで、前記通信速度F、距離L、光通信速度cは固定値であり、デ−タサイズSも固定値とすれば、デ−タ転送に要する時間Tbiも固定値となる。
【0028】
前述のこの発明の参考例1の特徴とする点は、電力送電線における保護対象区間の両端の電流を一定周期でサンプリングしてA/D変換した後、前記両端における保護リレー機能を有した各汎用計算機10,11間でLAN回線12を介して伝送し、前記両端の電流の差動演算を行う保護リレーシステムにおいて、予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間(Ta+Tb)とオンラインで計測した実時間Txとのずれをなくす方向に前記各汎用計算機間10,11のサンプリング同期をとる制御を行う点にある。
【0029】
親端末10と子端末11は、非接続時はそれぞれ独自に定周期起動を行い、相手端のデ−タを使用しない保護リレー演算を実施している。前記LAN回線12を介した親端末10と子端末11との間のデ−タ伝送に要する固定時間Tbを予め算出しておくことにより、前記差動リレー機能を行わせるため前記親端末10と前記子端末11とを接続すると、前記従来システムにおける初期同期制御を実施することなく即座にオンラインでのリアルタイム同期制御を実施することができる。初期同期制御を実施しないことから、前記接続の直後から差動リレー演算を実施することが可能となり、システムとしての信頼度を高めることができる。
【0030】
実施の形態1.
前述の参考例1では、前述の従来システムにおける初期同期制御を実施せずにオンライン時のみで同期制御を実施することをついて説明したが、オンライン時の同期制御についても制御量を微調整する手法を採用することにより、各端末10,11の電流サンプリング間隔のバラツキが小さくなり、保護リレー演算の安定動作を促し、装置異常検出の危険性を回避することにより、保護リレー演算の信頼度を向上することが可能である。
【0031】
この発明の実施の形態1は、このようなオンライン時の同期制御についても制御量を微調整する手法に関するものである。なお、前述の装置異常検出の危険性とは、差動リレーでは、片端のみ異常検出した場合は装置異常と判断するので、同期が大きくずれると片端のみの異常検出の状態となって、装置異常検出と判断し、ひいては差動リレー機能を呈しなくなり、内部事故を排除できなくなる危険性があることを言う。
【0032】
実施の形態1によるオンライン同期制御の概念図を図3に示す。図3において、Aは親端末10の起動からデ−タ送信までの処理を示し、Bは親端末10と時刻同期がとれている子端末11の起動からデ−タ受信までの処理を示し、Cは親端末10より遅れている子端末11の起動からデ−タ受信までの処理を示し、Dは親端末10より進んでいる子端末11の起動からデ−タ受信までの処理を示している。
【0033】
親端末10は起動から送信処理までの時間デ−タTaを各子端末11にブロードキャスト送信する。子端末11は起動から受信までの時間Txiを計測する。同期制御は、前記Ta,Tbi,Txiの関係式を以下の3パターンに分けて行う。パタ−ン1:「Txi≒Ta+Tbiの時、同期制御は実施しない。」
パタ−ン2:「Txi<Ta+Tbiの時、子端末11の起動が遅れていると判断し、起動を進めるよう微調整を行う。ここで、調整量を二つの段階に分け、例えば〔Txi−(Ta+Tbi)〕<−20μsの場合は遅れが大きいと判断し、次回起動時間設定を1389μsから5μs進め、−5<〔Txi−(Ta+Tbi)〕<−20μsの場合は遅れが小さいと判断し次回起動時間設定を1389μsから3μs進めた時間に再設定する。」
パタ−ン3:「Txi>Ta+Tbiの時、子端末の起動が進んでいると判断し、起動を遅らせるよう微調整を行う。ここで、調整量を二つの段階に分け、例えば〔Txi−(Ta+Tbi)〕>20μsの場合は進みが大きいと判断し次回起動時間設定を1389μsから5μs遅らせ、5<〔Txi−(Ta+Tbi)〕<20μsの場合は進みが小さいと判断し次回起動時間設定を1389μsから3μs遅らせた時間に再設定する。」
【0034】
図4は前述のオンライン同期制御の処理内容を示すフローチャートである。最初に親端末10の処理内容を説明する。先ず、親端末10は、起動後自らの処理を行い、決まった時間にデータを子端末11に送信する(ステップST1)。
【0035】
次に、子端末11の処理内容を説明する。先ず、子端末11は、親端末10から送信される時間デ−タTaの受信待ちを実施し(ステップST2)、親端末10からデ−タを受信すると、起動時に開始した経過時間の計測を終了して、その計測時間を時間データTxとする(ステップST3)。
【0036】
次に、子端末11は、ステップST3で取得した時間データTxと予め算出した伝送遅延時間TAとの差(TA−Tx)が、例えば20μsよりも大きいか否かを判断する(ステップST4)。子端末11は、(TA−Tx)が20μsよりも大きい場合、子端末11の起動が親端末10の起動よりも大きく遅れているため、子端末11の起動を大きめに、例えば5μs進めることとし、次回の起動時間を所定の時間から5μs差し引いた時間に再設定し(ステップST5)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST15)。即ち、次回の起動時間を今回起動時間の(1389−5)μs後に再設定する。
【0037】
子端末11は、前記値TAから測定した時間Txを引いた値(TA−Tx)が、例えば−20μsよりも小さいか否かを判断する(ステップST6)。子端末11は、(TA−Tx)が−20μsよりも小さい場合、子端末11の起動が親端末10の起動よりも大きく進んでいるため、子端末11の起動を大きめに、例えば5μs遅らせることとし、次回の起動時間を所定の時間から5μs付け加えた時間に再設定し(ステップST7)、前記の累計値を全てクリアする(ステップST15)。即ち、次回の起動時間を今回起動時間の(1389+5)μs後に再設定する。
【0038】
子端末11は、前記の値TAから測定した時間Txを引いた値(TA−Tx)が、例えば−20μs以上で、20μs以下の範囲にある場合、累計回数のインクリメントを行い(ステップST8)、ステップST3で取得した時間データTxの累計値を算出する。そして、子端末11は、累計回数が予め設定された回数である50回に到達したか否かを判定する(ステップST10)。
【0039】
子端末11は、累計回数が50回である場合、Txの累計値からTxの平均値を算出する(ステップST11)。ここで、Txの平均値をTXとする。
【0040】
次に、子端末11は、前述の値TAから平均値TXを引いた値(TA−TX)が、例えば5μsよりも大きいか否かを判断する(ステップST12)。子端末11は、(TA−TX)が5μsよりも大きい場合、子端末11の起動が親端末10の起動よりも少し遅れているため、子端末11の起動を小さめに、例えば3μs進めることとし、次回の起動時間を所定の時間から3μs差し引いた時間に再設定し(ステップST13)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST16)。即ち、次回の起動時間を今回起動時間の(1389−3)μs後に再設定する。
【0041】
子端末11は、(TA−TX)が5μsよりも大きくない場合、前述の値TAから平均値TXを引いた値(TA−TX)が、例えば−5μsよりも小さいか否かを判断する(ステップST14)。子端末11は、(TA−TX)が−5μsよりも小さい場合、子端末11の起動が親端末よりも少し進んでいるため、子端末11の起動を小さめに、例えば3μs遅らせることとし、次回起動時間を所定の時間から3μs付け加えた時間に再設定し(ステップST15)、前記の累計値を全てクリアする(ステップST16)。即ち、次回の機動時間を今回起動時間の(1389+3)μs後に再設定する。
【0042】
以上のように同期制御の段階を前述の2段階のように複数段階設け、計測値と設定値との差の大きさにより制御量を微調整することにより、同期制御中における各端末の電流サンプリング周期変動を小さくすることが可能となる。これにより、同期制御中にも子端末11中の他の保護機能は正常に動作を継続することが可能となる。
【0043】
実施の形態2.
前述の参考例1.および実施の形態1では、前述の従来システムにおける初期同期制御を実施せずとも同期を可能とする同期制御手法について示したが、この発明の実施の形態2は、前述の参考例1.および実施の形態1において説明した親端末10から子端末11へのデ−タ転送に要する時間Tbを、図1において、整定部13から設定として与え、これを演算処理部8に記憶しておくものである。こうすると、各端末の接続構成が変わり、前記親端末10から子端末11への伝送距離Lが変化した場合でも、整定部13から与える整定値を変えることにより対応可能である。従って、前記伝送距離Lが変化しても同期制御のS/W処理を変更する必要がない。更に、初期同期制御によって伝送時間を再度測定する必要もなくなる。
【0044】
この発明の実施の形態2によるオンライン同期制御のフローチャートを図5に示す。親端末10の処理は、前述の実施の形態1と同じであるので説明は割愛し、子端末11の処理について説明する。
【0045】
子端末11の処理は、ステップST117,118,119以外の部分は前述の実施の形態1にて説明したフローチャート図4と同様である。この発明の実施の形態2では、デ−タ転送に要する時間Tbを同期制御のデ−タ転送に要する時間Tbの整定値としているので、子端末11では割込みからの経過時間Txを測定した後、データ転送に要する時間Tbの整定値が変更されていないかをチェックする(ステップST117)。整定値が変更されていない場合は、それまで通り時間TxとTAとを比較する。
【0046】
ステップST117において整定値が変更されている場合は、整定値記憶部からTbを読み出す(ステップST118)。親端末10が電流サンプリングを開始してから送信処理を開始するまでの時間Taは既知の値であるので、Ta+Tbを計算し、親端末10がサンプリングを開始してから子端末11がデ−タを受信するまでの時間TAを再度算出する(ステップST119)。再計算したTAと計測したTxを用いて、実施の形態1と同様の手順で同期制御を実施する。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に記載の保護リレーシステムの発明は、電力送電線における保護対象区間の両端の電流を一定周期でサンプリングしてA/D変換した後、前記両端における保護リレー機能を有した各汎用計算機間でLAN回線を介して伝送し、前記両端の電流の差動演算を行う保護リレーシステムにおいて、予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間とオンラインで計測した実時間とのずれをなくす方向に前記各汎用計算機間のサンプリング同期をとる制御を行うようにしたので、差動リレー機能を行わせるため、前記両端の各汎用計算機間を接続すると、前記従来システムにおける初期同期制御を実施することなく即座にオンラインでのリアルタイム同期制御を実施することができる効果がある。また、初期同期制御を実施しないことから、前記接続の直後から差動リレー演算を実施することが可能となり、システムとしての信頼度を高めることができる効果があり、更に、
【0048】
請求項1に記載の保護リレーシステムの発明は、前記予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間とオンラインで計測した実時間とのずれの大きさに応じて前記サンプリング同期をとる制御を、前記サンプリングの間隔の変動が小さくなるように複数段階の制御とするようにもしたので、同期制御中における各端末の電流サンプリング周期変動を小さくすることが可能となり、これにより、同期制御中にも汎用計算機中の他の保護機能は正常に動作を継続することが可能となる効果もある。
【0049】
請求項2に記載の保護リレーシステムの発明は、請求項1に記載の保護リレーシステムにおいて、前記予め算出した伝送遅延時間を、前記サンプリング同期をとる制御の整定値とし、当該整定値を変更することにより前記サンプリング同期をとる制御を前記各汎用計算機間の伝送距離の変化に対応させるようにしたので、各汎用計算機間の伝送距離の変動にも対応可能となり、また、前記伝送距離の変化に対してS/Wを変更することなく対応が可能となり、製作コストが低減できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例1、実施の形態1および2を示す保護リレーシステムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】 この発明の参考例1による同期制御処理の概念を示すタイムチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1によるオンライン同期制御の概念を示すタイムチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1によるオンライン同期制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2によるオンライン同期制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】 従来の保護リレーシステムの同期制御処理の概念図である。
【図7】 従来のオンライン同期制御処理の概念を示すタイムチャートである。
【図8】 従来のオンライン同期制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 入力変換器、 4 アナログフィルタ、
5 A/D変換部、 6 演算処理部、
7 DI・DO部、 8 伝送制御部、
9 バス、 10 汎用計算機(親端末)、
11 汎用計算機(子端末)、 12 LAN回線、
13 整定部。
Claims (2)
- 電力送電線における保護対象区間の両端の電流を一定周期でサンプリングしてA/D変換した後、前記両端における保護リレー機能を有した各汎用計算機間でLAN回線を介して伝送し、前記両端の電流の差動演算を行う保護リレーシステムにおいて、予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間とオンラインで計測した実時間とのずれをなくす方向に前記各汎用計算機間のサンプリング同期をとる制御を行うことを特徴とすると共に、前記予め算出した前記各汎用計算機間の伝送遅延時間とオンラインで計測した実時間とのずれの大きさに応じて前記サンプリング同期をとる制御を、前記サンプリングの間隔の変動が小さくなるように複数段階の制御とすることを特徴とする保護リレーシステム。
- 請求項1に記載の保護リレーシステムにおいて、前記予め算出した伝送遅延時間を、前記サンプリング同期をとる制御の整定値とし、当該整定値を変更することにより前記サンプリング同期をとる制御を前記各汎用計算機間の伝送距離の変化に対応させることを特徴とする保護リレーシステム。
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