JP2011200100A - 保護リレーシステム及び保護リレー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】IEEE1588技術と保護リレー技術の両者を結び付けに活用する際に、同期のタイミングを制御し、パケットの衝突といった障害なく精度の高いサンプリング同期を実現する保護リレーシステム及び保護リレー装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電力系統から所定の電気角毎に系統電流情報をサンプリングするユニットを電力系統の各端子に備え、各ユニット間で伝送された前記系統電流情報から電力系統の事故を検出するリレー演算を行う保護リレーシステムにおいて、複数の前記ユニットは、前記所定の電気角の期間を伝送の対象となるデータごとに複数のスロットに分割し、該複数のスロットには少なくとも、前記系統電流情報を前記複数のユニット間で伝送される第1のスロットと、前記サンプリング時刻の同期信号が伝送される第2のスロットと、が含まれることを特徴とする保護リレーシステム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、伝送を用いた保護リレーシステム及び保護リレー装置に関する。
電力系統に発生する故障、いわゆる短絡,地絡故障等に対しては、電力系統を形成する送電線,変圧器,母線,発電機といった要素ごとに設置された保護リレー装置が、その守備範囲内に発生した故障に対して動作し、当該の故障点を含む区間を遮断器の引き外しにより、残りの健全な電力系統から切り離しすることで、故障の除去が行われている。このような電力系統の保護リレー装置の技術分野では、複数地点の同じ時刻の電気量情報を参照する必要性があるため、各地点の電気量のサンプリング時刻を同期化する必要がある。
この同期化の方法として、例えば特許文献1に記載の方法がある。この特許文献1では、電気量情報に送信時刻が含まれる伝送フレームを保護リレー装置間で送受信し、該フレームの送信時刻および受信時刻からずれを算出し同期を行う方法が開示されている。
特開2007−306739号公報
一方、伝送を介して基準時間源と時刻情報を交換し各ローカルクロックを同期化する方法として、非特許文献1に規定された時刻同期化プロトコルが知られている。非特許文献1で知られたIEEE1588は、ナノ秒単位の時刻を扱い、ナノ秒単位の同期が可能な技術である。IEEE1588では、時刻情報を交換することで、ローカルクロックと基準時間源の間の伝送遅延と、相対的な時間差を示す時刻ずれを求めることができる。
IEEE1588の規格では、下記に示す事項等が定められている。
(a)基準時間源をマスタ、マスタに時刻を合わせる側をスレーブと呼ぶ。
(b)マスタからスレーブへSync、マスタからスレーブへFollow Up、スレーブからマスタへDelay Req、マスタからスレーブへDelay Respの4種類の同期化フレームをやりとりする。
(c)Syncの送信時刻t1,Syncの受信時刻t2,Delay Reqの送信時刻t3,Delay Reqの受信時刻t4を採取する。
(d)t1〜t4を用いると、以下の数式(1)で伝送遅延t、数式(2)でスレーブから見たマスタの時刻ずれdを計算できる。
〔数1〕
t={(t4−t3)+(t2−t1)}/2 (1)
〔数2〕
d={(t4−t3)−(t2−t1)}/2 (2)
(e)送信時刻,受信時刻は、プリアンブル終了とデータ開始を示すSFD(スタートフレームデリミタ)の時点とする。
ここで、IEEE1588の通信技術を、実用的な形で保護リレー装置に適用することを検討すると幾つかの解決すべき課題がある。例えば特許文献1に記載の方法に適用した場合、保護リレー装置としての機能を果たすため伝送情報、例えば電気量情報に同期信号を付して伝送しているため、IEEE1588のように同期に複数の信号が必要な場合には同期が遅延したり、同期のタイミングが煩雑となってしまう。また、これら複数の伝送情報のパケットの衝突といった事態を生じてしまう可能性がある。
上記のような課題を解決するために本発明においては、IEEE1588技術と保護リレー技術の両者を結び付けに活用する際に、同期のタイミングを制御し、パケットの衝突といった障害なく精度の高いサンプリング同期を実現する保護リレーシステム及び保護リレー装置を提供することを目的とする。
上記課題は、電力系統から所定の電気角毎に系統電流情報をサンプリングするユニットが電力系統の各端子に備えられ、各ユニット間で伝送された前記系統電流情報から電力系統の事故を検出するリレー演算を行う保護リレーシステムにおいて、複数の前記ユニットは、前記所定の電気角の期間を伝送の対象となるデータごとに複数のスロットに分割し、該複数のスロットには少なくとも、前記系統電流情報を前記複数のユニット間で伝送される第1のスロットと、前記サンプリング時刻の同期信号が伝送される第2のスロットと、が含まれることを特徴とする保護リレーシステムによって解決される。
本発明によれば、IEEE1588技術を用いて保護リレー技術の両者を結び付けに活用するに際し、同期のタイミングを制御し、パケットの衝突といった障害なく精度の高いサンプリング同期を実現することができる。
4端子送電系統に本発明装置を適用した場合の全体構成を示す図。 マスタユニットMの構成例を示す図。 スレーブユニットSBの構成例を示す図。 マスタユニットM,スレーブユニットSB,伝送路間の動作を示すタイムチャートを示す図。 大きな同期ずれが発生した際の、マスタユニットM,スレーブユニットSB,伝送路間の動作を示すタイムチャートを示す図。 パケット通信にて送受信する場合のサンプリング同期方式について説明する図。 大きな同期ずれ発生情報を包含するパケットの構成。 時刻同期を図る時刻同期部280の構成例を示す図。 周期生成部290の構成例を示す図。 周期生成部290の動作を示すタイムチャートを示す図。
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
本発明の保護リレー装置は、伝送を利用して保護対象である機器あるいは送電系統を保護するものに適用できるが、具体的には差動原理により保護を行うディジタル差動保護リレー装置に適用するのが良い。特に、電気量計測点が距離的に遠方にあり、かつ装置数が多い場合に、本発明の効果がより大きいと考えられることから、ここでは図1の多端子送電系統に本発明装置を適用する場合について説明する。
図1は、4端子送電系統に本発明装置を適用した場合の全体構成を示している。この送電系統は、4つの端子A,B,C,D間に設けられた3つの送電線L1,L2,L3からなる。各端子A,B,C,Dには、遮断器CBと変流器CTが設けられている。そして、変流器CTにより、各端子での電流が検出され、遮断器CBに対して投入あるいは引きはずし指令信号が与えられる。
端子Aには、マスタユニットMが設置され、端子B,C,DにはスレーブユニットSが設置される。マスタユニットMと、スレーブユニットSB,SC,SDの間には、伝送路161,162,163が設けられている。この伝送路は、高価な専用の伝送回線ではなく、イーサネット(登録商標)等の安価な高速汎用伝送を用い、かつリアルタイムOSによるパケット送信制御とする。
各端子のユニットでは、その端子での電流Iと遮断器CBの接点情報Xを取り込み、さらにスレーブユニットSB,SC,SDでは、これらの情報を、伝送路161,162,163を介してマスタユニットMに送信する。マスタユニットMでは、各端子からの電流情報Iを用いて差動演算を実施し、最終的に各ユニットから各端子の遮断器に対して引きはずし指令Xを与える。なお、図1では表記の都合上、接点情報も引きはずし指令も記号Xで表している。
このように、マスタ/スレーブユニットを送電線の各端子に対応させて配置し、その間を上記伝送路で接続することで送電線保護用の電流差動保護リレー装置を構成することが可能となる。
ここで、端子Aのユニットをマスタと呼び、他の端子のユニットをスレーブと呼称するのには2つの意味がある。ひとつの意味は、IEEE1588の規格に合わせて時刻信号を送出する側(マスタ)と、これを受信して時刻修正する側(スレーブ)を表しているということである。
もう1つの理由は、後で図4を用いてスロット処理について説明するが、この説明を簡便に行うためには、端子Aのみが保護リレー演算を行い、他の端子はその判断に従い転送遮断を行う実施例とするのがもっとも適していたことによる。このときの各端子の関係がマスタ/スレーブと呼ぶに相応しいものであった。従って、全ての端子で相互に電流情報を交換し合い、それぞれで事故判定するように構成することも本発明では可能であり、この場合に、この理由だけであれば、マスタ/スレーブと呼ぶのは適切ではない。
なお、スレーブユニットSBには、表示部150が備えられており、ここへ表示情報151を出力し、表示部150はその表示情報151に基づき、様々な情報を人間が認識できる形で表示させる。表示部150は、液晶ディスプレイ(LCD)等を用いた基板で実現してもよいし、表示情報151をHTMLのファイルとし、表示部150はパソコンとして、汎用のwebブラウザで表示させるような形でも可能である。これらの表示部150は、適宜他のユニットにも設けることができる。
次に、図6を用いて、パケット通信にて送受信する場合のサンプリング同期方式について説明する。図6は、マスタユニットMとスレーブユニットSの2端子の構成のサンプリング同期について記載しているものである。この図は、下向きに時間が経過していくタイムチャートとなっている。この同期方式は、IEEE1588にて規定されている手法であり、動作の説明については概要を述べるに留める。
まず、マスタユニットMはスレーブユニットSに対して同期制御するための送信パケット61(通常、Syncと称する)を送信する。引き続き、マスタユニットMはスレーブユニットSに対して上記信号61(Sync)を送出した時刻データt2t1を、次の送信パケット62(通常、Follow Upと称する)に含めて送信する。一方、スレーブユニットSは、最初の送信パケット61(Sync)を受信した時刻t1t2を確認し、次の送信パケット4d62(Follow Up)内の送信時刻データt2t1を取り出す。
次に、スレーブユニットSはマスタユニットMに対して同期制御するために、送信パケット63(通常Delay Requestと称する)を送信する。この際に、スレーブユニットSは送信した時刻t3を取得する。次に、マスタユニットMは、送信パケット63(Dlay Request)を受信した時刻t4を、次の送信パケット64(通常Delay Responseと称する)に乗せてスレーブユニットSへ送信する。
これらの一連の動作により、スレーブユニットSは、t1〜t4の時刻データを取得することができ、この時刻データから、先に説明した数式(1),数式(2)に示す演算により、マスタユニットMとスレーブユニットS間のサンプリングタイミングのずれを補正するためのデータである、遅延時間tとオフセット時間とdとを得ることができる。
上記数式(1),数式(2)より、遅延時間tを0に近づけるように制御することで、スレーブユニットSはマスタユニットMに対してサンプリング時刻が同一となるように制御できる。このように、定期的に通信の遅延時間を計測するパケットを送受することで可能である。なお、当然ながら、サンプリング同期制御の状態については、上記遅延時間tを常時監視する必要があり、例えば、このオフセットが1μs以下であることを監視することで電流差動演算に及ぼす影響を把握し、必要であれば装置ロックさせる。
図2は、マスタユニットMの構成例を示す。マスタユニットMは、CPU210,接点制御部220,A/D変換部230,プロトコル制御部240,受信部251,252,253,送信部260,物理層271,272,273,時刻同期部280,周期生成部290からなる。
A/D変換部230は、端子Aの変流器CTから得た端子電流IAを入力し、これをサンプリングしてディジタル電気量データに変換する。また、接点制御部220は、端子Aの遮断器CBの接点状態情報Xを入力する。これらディジタル電気量データ,接点状態情報は、CPUバス211を通じてCPU210とやりとりされ、さらにプロトコル制御部240に渡される。
プロトコル制御部240は、各種フレームのデータ構造を作成し、送信部260に送信プロトコルデータ241を出力し、また受信部251,252,253から受信プロトコルデータ254,255,256を入力する。なお、受信部251,252,253は、それぞれスレーブユニットSB,SC,SDからの信号の受信部である。
送信部260は、物理層271,272,273を介して、スレーブユニットSB,SC,SDへ送信データ261を出力し、受信部251,252,253はスレーブユニットSB,SC,SDからの受信データ274,275,276を入力する。物理層271,272,273は、伝送可能な電気信号へ変換等を行い、伝送路161,162,163を通じて伝送を行う。
時刻同期部280は、具体的な回路構成についてはあとで図9を用いて説明するが、マスタユニットMの時刻同期部280は、自己発振して信号281を与えればよく、一般には電力系統の交流電気量の周波数の倍数で定まる自己発振を行うものとされることが多い。
周期生成部290は、時刻同期部280からの信号281を用いて周期開始信号291を生成し、A/D変換部230のサンプリングのタイミングを決める。
図3は、図2のスレーブユニットSBの構成例を示す。スレーブユニットSBには、図1のマスタユニットMと比較して、時刻同期部280と、CPUバス211から表示情報151を出力するパスが追加されている点が異なっているが、それ以外は同じである。図2のスレーブユニットSC,SDもスレーブユニットSBと同様の構成となる。
図3のスレーブユニットSBにおいて、時刻同期部280は、受信部251から受信タイミング259,送信部260から送信タイミング262を入力し、プロトコル制御部240からプロトコル情報242を入力する。それらに基づいてIEEE1588で定義された同期パケットの受信時刻,送信時刻を作成/保持し、そこからIEEE1588で定義された数式(1),数式(2)の計算に従って、伝送遅延tとマスタユニットとスレーブユニットの時刻ずれdを計算する。伝送遅延t,時刻ずれdは、CPUバス211に接続され、CPU210で読み出すことが可能となる。
また時刻同期部280は、現在時刻281を作成し、周期生成部290に与える。このように、図2に示すマスタユニットの周期生成部290は自己内で決定した周期での発振を行ってサンプリングタイミングを決定し、図3に示すスレーブユニットの周期生成部290は時刻同期部280の与える現在時刻281に従って、サンプリングタイミングを決定する。さらに、時刻同期部280は伝送遅延tとマスタユニットとスレーブユニットの時刻ずれdを反映した現在時刻281を作成しているので、結果的にはサンプリングタイミングの同期化が実現される。
なお、受信タイミング259,送信タイミング262は,IEEE1588で定義されたプリアンブル終了とデータ開始を示すSFD(スタートフレームデリミタ)のタイミングを示すものである。
このように、本発明の適用される保護対象と各端子が備える装置の一例を図1に、またマスタユニットMの構成例を図2に、スレーブユニットSBの構成例を図3に示している。これら装置を使用して、本発明では計測した電気量などを伝送し、保護リレー演算を実行し、遮断器の引き外しを指令するわけであるが、この間の時系列的な処理について図4を用いて説明する。
図4は、本発明装置の全体の動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートでは、横軸に電力系統の交流電気量の電気角60度を、16スロットに分割した時間期間を記載している。なお、これらのスロットを、それぞれスロット0からスロット15と呼ぶことにする。なお、電気角60度は、50Hz系では3.333ミリ秒、60Hz系では2.777ミリ秒なので、単位のスロット長はその16分の1という長さである。50Hz系では200.8208.3マイクロ秒、60Hz系173.6マイクロ秒になる。
同図縦軸には、マスタユニットM内の各部,伝送路161,スレーブユニットSB内の各部を示しており、この結果図4によれば、各スロットのときに通信システム全体として、どこがどういう働きをしているのかが理解できる。なお、この図では、スレーブユニットを代表してスレーブユニットSBの動作のみを示しているが、他のスレーブユニットSC,SDが、スレーブユニットSBと同じ時刻に同じように動作していることはいうまでもない。
図4の各スロットでの動作説明を行うにあたり、ここには保護リレー装置としての保護リレー機能部分と、保護リレー装置で必要とする電流情報などが伝送により収集される情報収集機能部分と、伝送によりサンプリング同期化を図る同期化機能部分とがあり、図4に表記されているので、以下この機能の順序に従い、説明する。
まず、保護リレー機能部分についてみると、この図によれば、マスタユニットMと、スレーブユニットSBのA/D変換部230では、スロット1からスロット7の期間、およびスロット9からスロット15の期間で、A/D変換を実施する。また、この図には記載していないがこの期間の先頭で、電力系統の電流のサンプリングが実施されている。
マスタユニットMと、スレーブユニットSBのCPU210は、スロット1からスロット7の期間で変換したディジタル電気量値はスロット8で、またスロット9からスロット15の期間で変換したディジタル電気量値は、次の周期のスロット0で、A/D変換部230からCPU210への読み出し処理を行う。
このディジタル電気量値を用いて、それぞれのCPU210では、続く3スロット(スロット1−3、またはスロット9−11)でフィルタ演算を実施する。ここまでの双方のCPU210の動きは同じであるが、更に続く3スロット(スロット4−6またはスロット12−14)で、マスタユニットMのCPU210が保護リレー演算を行うのに対し、スレーブユニットSBのCPU210はこの保護リレー演算を実施しない。以降、双方のCPU210は、8スロットごとに、この繰り返し処理を実行する。
以上が、図4において説明を行いたい機能部分のうち保護リレー機能部分のものである。この状態では保護リレー装置が差動原理演算を行う上で必要とする他端子電流などの情報が、マスタユニットMに供給されていない。あくまでも、自端子での検出電流がそのユニット内に得られたことを説明したのみである。
このため、次に、保護リレー装置で必要とする電流情報などが伝送により収集される情報収集機能部分について説明する。この場合に、必要な情報は、各端子での検出電流Iと、各端子遮断器CBの接点情報Xであるが、異なるタイムスロットで処理されるので、以下この順番に従い順次説明する。
なお、以下の説明で明らかになることであるが、スレーブユニットSでは電流情報収集と、フィルタ演算後のマスタユニットMへのデータ提供を行い、マスタユニットMでの保護リレー演算の結果を受け入れて遮断器操作を行う。
以下、情報収集機能部分のうち、電流情報の流れについて説明を行う。図4では、電流情報の流れをパスP1として示している。この段階では電流情報は、フィルタ演算された値として保持されており、まずスレーブユニットSBのCPU210は、スロット1−3のフィルタ演算期間後のスロット5で、プロトコル制御部240に、フィルタ演算結果を渡す。
スレーブユニットSBのプロトコル制御部240にシフトされたフィルタ演算結果は、スロット9と10でスレーブユニットSBの送信部260を経て、伝送路161でアナログ値伝送される。マスタユニットMの受信部251では、このタイミングのスロット9と10でスレーブユニットSBからのフィルタ演算結果を受信する。マスタユニットMの受信部251に受信されたアナログ値伝送は、そのプロトコル制御部240を経て、次の周期のスロット0でマスタユニットMのCPU210に読み出され、保護リレー演算に利用される。
以上、電流伝送パスP1について説明したが、再度整理して説明すると、図4の電気角60度のスロット0において、マスタユニットMのCPU210に読み出され、保護リレー演算に利用されるスレーブユニットSBからの電流は、その前の電気角60度のスロット5を始点とする電流パスP1の流れで得られるものであるが、更にその先を辿ると、さらにその前の電気角60度のスロット9−15でスレーブユニットSBにおいてA/D変換されたものである。このように、実際にサンプリングされた時点からは90度以上経過して初めて保護リレー演算に利用される。
なお、ここでは電流伝送パスP1として示した。これはA/D変換されたデータを、CPUなどの各部を経由して最終的にマスタユニットのCPUに届けるまでのルートとして示したものであるが、別の言い方をすると、これはこの間の一連の複数の作業手順を幾つかに分割し、適宜分割した手順ごとに各スロットでの作業に割り振ったものということができる。例えばスロット5の処理内容はCPUからプロトコル制御部にデータを転送する作業手順、スロット9と10はスレーブユニットからマスタユニットへの電流情報移転のための作業手順といった具合である。
この一連の複数の作業手順を幾つかに分割し、適宜分割した手順ごとに各スロットに割り振るという考えは、以下に説明するほかのパス、あるいは同期化機能の処理においても同じ考えを踏襲している。
また、図4の電気角60度の時間範囲内には、もう1つの図示していない電流伝送パスP1がある。これは、フィルタ演算を行うスロット9−11後のスロット12を始点とし、次に続く電気角60度のタイムスロットのスロット8でマスタユニットMのCPU210に読み出されるまでのパスである。
具体的には、スレーブユニットSBのCPU210がスロット8で読みこんだ電気量値は、フィルタ演算されスロット13でプロトコル制御部240へ渡され、次の周期のスロット1と2でスレーブユニットSBの送信部260を経て伝送161でアナログ値伝送される。さらに次の周期のスロット1と2でマスタユニットMの受信部251で受信したアナログ値伝送は、プロトコル制御部240を経て、スロット8でマスタユニットMのCPU210に読み出される。
このことから電流の取り込みが30度間隔で実行され、A/D変換とフィルタ処理並びに伝送処理に90度程度の時間を経過して初めて、保護リレー演算に提供されていることが理解できる。このようにして、マスタユニットMとスレーブユニットSが取得したディジタル電気量を、マスタユニットMのCPU210へ集約することができる。
次に、情報収集機能部分のうち、接点情報の流れについて説明を行う。図4では、接点情報の流れをパスP2とパスP3として示している。パスP2は、スレーブユニットSからマスタユニットMへ接点情報を伝達するときであり、パスP3は、その逆にマスタユニットMからスレーブユニットSへ接点情報を伝達するときである。
まず、スレーブユニットSからマスタユニットMへのパスP2は、スレーブユニットSのスロット0で接点制御部220に取り込んだ接点情報を、スロット4において、スレーブユニットSBの接点制御部220,スレーブユニットSBの送信部260,伝送161,マスタユニットMの受信部251,マスタユニットMの接点制御部220と転送し、スロット8でマスタユニットMのCPU210に読み出される。なお、このパスは、スロット8から、次の周期のスロット0の間にも存在するが、ここでは説明を省略する。
その逆に、マスタユニットMからスレーブユニットSへ接点情報を伝達するパスP3は、スロット12において、マスタユニットMの接点制御部220,マスタユニットMの送信部260,伝送161,スレーブユニットSBの受信部251,スレーブユニットSBの接点制御部220と転送し、次の周期のスロット0でスレーブユニットSBのCPU210で読み出される。なお、このパスは、スロット0から、スロット8の間にも存在するが、ここでは説明を省略する。
このようにして、マスタユニットMとスレーブユニットSの接点情報を交換しあう。特に、マスタユニットMからスレーブユニットSへ接点情報を伝達するパスP3においては、スレーブユニットS側の遮断器CBに対するトリップ信号を含むことがあるが、これはスロット4−6におけるCPU210の保護リレー演算の結果を、スロット8で接点制御部220に移し、先に説明したパスP3でスレーブユニットS側に送り、次の周期のスロット0でCPU210が認知することで実現される。なお、マスタユニットM側における遮断操作は、スレーブユニットS側の遮断操作に先行してスロット8で行ってもよいし、スレーブユニットS側の遮断操作に合わせて次の周期のスロット0で行うようにしてもよい。以上、図4を用いて、パスP1とP2とP3により、保護リレー装置で必要とする電流情報などが伝送により収集される情報収集機能部分について説明を行った。
最後に、伝送によりサンプリング同期化を図る同期化機能部分について説明する。この処理は、図4のスロット6と14を用いて実施される。スロット6においては、マスタユニットMのプロトコル制御部240から、マスタユニットMの送信部260,伝送161,スレーブユニットSBの受信部251,スレーブユニットSBのプロトコル制御部240のルートで、まずIEEE1588で定義されるSYNCパケットを伝送し、次いでFollow Upパケットを伝送する。なお、この場合のマスタユニットMからスレーブユニットSB,SC,SDに対する伝送は、全員に対していわゆる同報通信の形で実施される。
また、スロット14においてスレーブユニットSBのプロトコル制御部240,スレーブユニットSBの送信部260,伝送161,マスタユニットMの受信部251,マスタユニットMのプロトコル制御部240のルートで、IEEE1588で定義されるDelay Reqパケットを伝送する。この場合のスレーブユニットからの伝送は、各スレーブユニットからマスタユニットMに向けて個別に実施される。従って、スロット14の期間内で3つのスレーブユニットからの個別伝送が実施されることになる。
さらに引き続き、スロット14においてその応答Delay Respパケットを、マスタユニットMのプロトコル制御部240から、マスタユニットMの送信部260,伝送161,スレーブユニットSBの受信部251,スレーブユニットSBのプロトコル制御部240のルートで伝送する。この場合のマスタユニットMからスレーブユニットSB,SC,SDに対する伝送は、スレーブユニット毎に異なる内容の伝送を実施することになる。従って、スロット14の期間内では、Delay Reqパケットも含めると合計6つの個別伝送が実施されることになる。マスタユニットMからDelay Respパケットを受信したスレーブユニットSB,SC,SDでは、サンプリングタイミングのずれを計算し、ずれを無くすようにサンプリング時刻を補正する。
このように、本発明においてはスロット0−7までの前半期間で、IEEE1588のSYNCとFollow Upパケットを伝送、スロット8−15までの後半期間で、IEEE1588のDelay ReqとDelay Respパケットを伝送するように機能分散させることで、保護リレー装置としての機能と、同期化の機能とを効率よく使い分けて実施することができる。
以上、主に図4を用いて、この期間内に保護リレー装置としての保護リレー機能部分と、保護リレー装置で必要とする電流情報,接点情報などが伝送により収集される情報収集機能部分と、伝送によりサンプリング同期化を図る同期化機能部分とを実行することを説明した。本発明によれば、このように、電気量データ,接点情報,同期パケットなどの伝送を行うに当り、あらかじめ伝送するスロットを割り当てておくことで、周期的な伝送を、異なる情報の間での衝突を発生することなく伝送させることが可能となる。
また、図4では簡便な説明を目的として、転送遮断方式の場合のタイムチャートを示しているが、これは各端子で相互に電流を送信しあい、端子ごとに事故判断するように装置構成することも可能である。この場合には、図4のスロットをより細かく分割し(スロット数を多くし)、各端子相互間、さらには端子内の各装置間の信号授受の流れを漏れなく、各スロットに割り振ればよい。逆な言い方をすると、各機能の複数の手順の数に応じて、所定の電気角の期間を分割するスロット数を決定すればよい。
図8は、本発明において、図6の理論に基づいて時刻同期を図る時刻同期部280の構成例として、スレーブユニットSBに設置される時刻同期部280を示している。時刻同期部280は、加算器50,現在時刻レジスタ51,受信時刻レジスタ54,送信時刻レジスタ55,伝送遅延/時刻ずれ計算回路56,伝送遅延レジスタ57,時刻ずれレジスタ58からなる。
加算器50は通常時、現在時刻レジスタ51の出力である現在時刻281に、動作周波数の時間(例えば25MHzであれば40nsであり、16進数で表わせば0x28)を、被加算値592を介して毎サイクル加算し、現在時刻レジスタ51を更新する。
一方、受信時刻レジスタ54と、送信時刻レジスタ55は、2種類の信号を入力している。その1つは受信部251,送信部260から来る受信タイミング259,送信タイミング262の信号であり、このタイミング信号の受付時刻に従ってもう1つの入力信号である現在時刻を入力保持し、それぞれ受信時刻541,送信時刻551として記憶保持する。
伝送遅延/時刻ずれ計算回路56は、受信時刻レジスタ54,送信時刻レジスタ55の出力である受信時刻541,送信時刻551を入力し、プロトコル制御部24からプロトコル情報242を入力し、それに基づいてIEEE1588で定義された数式(1),数式(2)に基づき、伝送遅延t,時刻ずれdを計算し、伝送遅延レジスタ57,時刻ずれレジスタ58へ出力する。伝送遅延レジスタ57,時刻ずれレジスタ58は、伝送遅延t,時刻ずれdを保持/出力する。また、時刻補正信号563を作成し、時刻ずれdを、被加算値592を介し加算器50で足し込むことで現在時刻の補正を行う。
なお、図8は、スレーブユニットSBの時刻同期部280の回路構成を示しているが、他のスレーブユニットSの時刻同期部280の回路構成では、自己ユニット内の受信部,送信部260からの信号を入力して同様に回路構成すればよい。
また、マスタユニットMの時刻同期部280については、自己発振していればよいことを先に説明したが、具体的な回路構成としては、図8の回路において加算器50,現在時刻レジスタ51のみを使用し、被加算値592として動作周波数の時間「0x28」を用いればよい。マスタユニットMの時刻同期部280では、他の回路を必要としない。
図9は、スレーブユニットSBの周期生成部290の構成例を示す。周期生成部290は、加算器61,周期終了時刻レジスタ62,比較器63からなる。ここでは、周期終了時刻レジスタ62の出力である周期終了時刻621と、図6で定めた現在時刻281を比較し、現在時刻281が周期終了時刻621を超えていたら、周期開始信号291がアサートされ、このとき周期終了時刻621と周期時間601が加算され、次の周期終了時刻が周期終了時刻レジスタ62に格納される。
周期時間61は、例えば電気角60度の値であれば、50Hz系の場合33333333nsであり、16進数に直すと0x32DCD5という数になる。60Hz系の場合2777778nsであり、16進数に直すと0x2A62B2という数になる。
図10は、本発明の周期生成部290の動作を示すタイムチャートである。現在時刻281は、毎サイクル40ns(0x28)ずつ加算されていく。現在時刻281が周期終了時刻62の0x32DCD5という値を超える0x32DCF0という値になった時、周期開始信号291が1となり、次のサイクルで周期終了時刻620は0x32DCD5が加算され、0x65B9AAという値となり、現在時刻281がこの値となるまで、次の周期の時間が過ぎていくことになる。
このように、非常に簡単な回路で周期を開始するタイミングを生成することが可能であり、これに基づいてA/D変換のタイミングを決めれば、精度の高いサンプリング同期を実現することができる。
以上のように本実施例では、伝送に用いる各スロットを保護リレー装置としての機能と、同期化の機能とに機能分散させ効率よく使い分けて実施することができる。また、本実施例では、今まで高価な専用の伝送を用いて構成していた保護リレー装置に対し、イーサネット(登録商標)等の安価な汎用の伝送を用いて保護リレー装置を構成することができ、大幅なコストダウンが可能となる。また、サンプリング同期の精度についても、専用の伝送路を用いた場合にはマイクロ秒レベルだったものをナノ秒レベルに向上させることが可能となる。さらには、これら同期処理をハードウェアで実現することで同期の精度が向上し、また、CPU210の処理に干渉することなく同期が可能となる。
IEEE1588の同期合せにおいて、大きな同期ずれが生じた場合の対応を検討する必要がある。なぜなら、大きな同期ずれが生じると、取得した電気量情報が異なる時刻に取得したものとなり不正な値となるが、不正な値を用いた保護リレー演算は演算結果も不正となり遮断器が誤動作し、停電など社会的に大きな影響を及ぼすことにつながるからである。しかしながら、IEEE1588では、同期ずれの処置は各スレーブでそれぞれ行う仕様となっており、大きな同期ずれが起きた情報を大域的に集めて対処するような機能がない。そこで、本実施例では同期ずれが発生した際の対応について記す。
図5は、大きな同期ずれが発生した際の、マスタユニットM,スレーブユニットSB,伝送路間の動作を説明するタイムチャートを示す図である。図4がスロット0からスロット15までのタイムチャートとなっているのに対し、図5はスロット8からスロット15までは共通で、さらに後続のスロット16からスロット23までを追加したタイムチャートとなっている。
図4におけるスロット6にて大きな同期ずれが発生した場合、スレーブからマスタへ大きなずれが発生した情報を伝える必要がある。このとき、大きなずれ発生情報を載せた新たなパケットを送出する例も考えられるが、新たなパケットには新たなスロットを割り当てる必要があるため、すでにスロットを割り当てている既存のパケットに大きなずれ発生情報を載せるのがよく、大きなずれ発生によりデータが無意味になる電気量を転送するアナログ値パケットに載せるのが最も良いと考えられる。
P1のパスにおいては、スロット9とスロット10で電気量を包含したアナログ値が転送されるので、そのアナログ値パケットの中に同期ずれ発生の情報を載せて転送するのがよい。大きな同期ずれの発生は、計算されたオフセット時間dの値が所定の値を超えたか否か等の判断により、検知することができる。その後、P1のパスはスロット16においてマスタのCPU210に取り込まれる。その点においてパケットの内容が精査され、同期ずれ発生の情報が包含されている場合には、スロット20からスロット22までのリレー演算を中止し、リレー演算の結果により遮断操作を行う際に、接点情報を伝達するP3で遮断器の状態を変えない(リレー出力をロックする)ような情報を送り、保護リレーの誤出力を防ぐ処置を行う。
また、リレー演算を中止した際、空いた時間に代わりに自己診断処理など別の処理を行うことが可能である。大きな同期ずれの発生の要因として、マスタのCPUまわりの故障が原因である可能性も高いため、自己診断処理により故障を早期に発見ができる見込みがある。このようにして、同期ずれのデータを使ってリレー誤動作してしまう事態を回避でき、保護リレー装置の信頼性を向上させることができる。
図7は、大きな同期ずれ発生情報を包含するアナログ値パケットの構成例を示す。汎用のイーサネット(登録商標)の伝送を用いる場合、パケットは宛先MACアドレス710,送信元MACアドレス720から始まり、FCS750で終わる形になる。この間にヘッダ部730,データ部741,742,・・・,749と送るべきアナログ値が並ぶ形となる。データの数は、イーサネット(登録商標)の最大サイズに入る限りにおいて、いくつでもかまわない。この時、ヘッダ部730の1ビットを同期ビット735として割当て、同期している場合1、同期していない場合0とするようにすれば、パケットに同期しているか否かの情報を載せることができ、各スレーブからマスタへ、それぞれのスレーブがマスタに同期しているか否かを伝送することが可能となる。
このように本実施例では、同期がはずれた時にリレーをロックするなど適切な処理を行うことによって、イーサネット(登録商標)等の安価な汎用の伝送と、その上でのサンプリング同期を実現することが可能となり、大幅なコストダウンとサンプリング同期精度の向上を図ることが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成,機能,処理部,処理手段等は、それらの一部又は全部を、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク,SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード,SDカード,DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明による保護リレー装置は、安価な汎用高速伝送路を利用しつつ、高精度なサンプリングを実現できるので、専用回線伝送路を利用した既存システムに代わり、広く適用される可能性が高い。
50,61 加算器
51 現在時刻レジスタ
54 受信時刻レジスタ
55 送信時刻レジスタ
56 伝送遅延/時刻ずれ計算回路
57 伝送遅延レジスタ
58 時刻ずれレジスタ
62 周期終了時刻レジスタ
63 比較器
150 表示部
151 表示情報
161,162,163 伝送路
210 CPU
220 接点制御部
230 A/D変換部
240 プロトコル制御部
251,252,253 受信部
260 送信部
271,272,273 物理層
280 時刻同期部
290 周期生成部
CB 遮断器
CT 変流器
I 端子電流
L 送電線
M マスタユニット
SB,SC,SD スレーブユニット
X 遮断器接点又は遮断器操作指令

Claims (12)

  1. 電力系統から所定の電気角毎に系統電流情報をサンプリングするユニットを電力系統の各端子に備え、各ユニット間で伝送された前記系統電流情報から電力系統の事故を検出するリレー演算を行う保護リレーシステムにおいて、
    複数の前記ユニットは、前記所定の電気角の期間を伝送の対象となるデータごとに複数のスロットに分割し、該複数のスロットには少なくとも、
    前記系統電流情報を前記複数のユニット間で伝送される第1のスロットと、
    前記サンプリング時刻の同期信号が伝送される第2のスロットと、が含まれることを特徴とする保護リレーシステム。
  2. 請求項1において、
    前記複数のユニットのうち前記サンプリングの基準時刻となるマスタユニットは、前記同期信号の送信後に該同期信号の送信時刻を付した追跡信号を他のユニットへ送信し、
    前記他のユニットは、前記追跡信号の受信時刻を付した遅延要求信号を前記マスタユニットへ返信し、
    前記マスタユニットは前記遅延要求信号の受信時刻を表した遅延応答信号を前記他のユニットへ送信し、
    前記遅延応答信号を受信した前記他のユニットは、前記同期信号の送信時刻,前記同期信号の受信時刻,前記遅延要求信号の送信時刻、及び前記遅延応答信号の受信時刻から前記1のユニットとの前記サンプリング時刻の誤差を算出し、前記マスタユニットの前記サンプリングの時刻に同期することを特徴とする保護リレーシステム。
  3. 請求項2において、
    前記マスタユニットにて前記所定の電気角でサンプリングされた系統電流情報は、前記他のユニットでサンプリングされた系統電流情報と合わせて前記所定の電気角の複数周期後にリレー演算に用いられることを特徴とする保護リレーシステム。
  4. 請求項2において、
    前記他のユニットは、算出したサンプリング時刻の誤差を示す情報を前記系統電流情報に付して前記1のユニットへ送信し、
    前記マスタユニットは、該誤差が所定の範囲内であることを条件に、該誤差を示す情報が付された前記系統電流情報をリレー演算に用いることを特徴とする保護リレーシステム。
  5. 請求項4において、
    前記誤差が所定の範囲外であった場合には、前記マスタユニットは自己のユニットの健全性を診断することを特徴とする保護リレーシステム。
  6. 請求項1において、
    前記第2のスロットは、前記第1のスロットの後に設けられることを特徴とする保護リレーシステム。
  7. 電力系統から所定の電気角でサンプリングされたアナログ交流電流をディジタル電気量へ変換するA/D変換部と、
    前記ディジタル電気量を用いて電力系統のリレー演算を行う演算部と、
    伝送路を介して他装置とのデータの送受信制御を行うプロトコル制御部とを有し、
    前記プロトコル制御部は、前記所定の電気角の期間を伝送の対象となるデータごとに複数のスロットに分割し、
    前記複数のスロットのうち第1のスロットの期間に、前記他装置でサンプリングされた前記ディジタル電気量を前記他装置から受信し、
    第2のスロットの期間に、前記サンプリング時刻の同期信号及び前記同期信号の送信時刻が付された追跡信号を前記他装置へ送信し、前記追跡信号を受信した前記他装置から遅延要求信号を受信し、該遅延要求信号を受信した時刻が付された遅延応答信号を該他装置へ返信することを特徴とする保護リレー装置。
  8. 請求項7において、
    前記遅延要求信号の受信及び前記遅延応答信号の送信は、前記同期信号の送信及び前記追跡信号の送信がされたスロットから前記所定の電気角が経過した次の周期のスロットで行われることを特徴とする保護リレー装置。
  9. 電力系統の交流電流をサンプリングして得た情報から電力系統の事故を検出する保護リレー機能を備えた保護リレー装置を電力系統の各端子に備え、各端子間で信号伝送を行い、電力系統の遮断器を操作する保護リレーシステムにおいて、
    前記保護リレー機能が、保護リレー演算を実行するために必要な情報を収集する複数の手順からなる情報収集機能と、前記サンプリングの同期化のための複数の手順からなる同期化機能とを備え、
    前記電力系統の電気量の所定の電気角の期間を複数のスロットに分割し、前記保護リレー機能はこの期間内で電力系統の交流電気量をサンプリングして得た情報から電力系統の事故を検出する処理を実施し、この期間内で行う前記情報収集機能と前記同期化機能の複数の手順を前記スロットごとに定めたことを特徴とする保護リレーシステム。
  10. 請求項9において、
    前記情報収集機能の複数の手順には、電力系統の各端子で検出した交流電気量を信号伝送し前記保護リレー機能の演算に供するための手順と、
    電力系統各端子の遮断器の接点情報を信号伝送し前記保護リレー機能の演算に供するための手順と、を含み、これらの複数の手順が異なる前記のスロットにて実行されるように制御されることを特徴とする保護リレーシステム。
  11. 請求項9または請求項10において、
    前記保護リレー機能と前記情報収集機能は、一連の複数スロット内での処理を単位として以降繰り返し実行され、前記同期化機能は一連の複数スロット内の特定位置スロットを用いて、電力系統の特定の端子から他の端子に向けて信号を2回送信し、次に続く一連の複数スロット内の特定位置スロットを用いて、他の端子から前記特定の端子に向けて第1の信号を送信し、これを受けて前記特定の端子から前記他の端子に向けて信号を返信するとともに、他の端子の前記同期化機能は、連続する2組の一連の複数スロット内での前記同期化機能間での信号授受から、信号伝送遅延時間と時刻ズレを算出して、前記サンプリングタイミングを修正することを特徴とする保護リレーシステム。
  12. 電力系統の交流電気量をサンプリングして得た情報から電力系統の事故を検出する保護リレー機能を備えた保護リレー装置を電力系統の各端子に備え、各端子間で信号伝送を行い、電力系統の遮断器を操作する保護リレーシステムにおいて、
    前記保護リレー機能が、保護リレー演算を実行するために必要な情報を収集する複数の手順からなる情報収集機能と、前記サンプリングの同期化のための複数の手順からなる同期化機能とを備え、前記電力系統の電気量の所定の電気角の期間を複数のスロットに分割し、当該電気角の期間の半分の期間内で前記保護リレー機能は電力系統の交流電気量をサンプリングして得た情報から電力系統の事故を検出する処理を実施し、この電気角の期間の半分の期間内で前記情報収集機能は、前記保護リレー機能の演算に必要な情報を供する処理を実施し、電気角の期間の半分の期間を単位として繰り返し実行され、前記同期化機能は電気角の期間の半分の期間内の一連の複数スロット内の特定位置スロットを用いて、電力系統の特定の端子から他の端子に向けて信号を2回送信し、次に続く電気角の期間の半分の期間内の一連の複数スロット内の特定位置スロットを用いて、他の端子から前記特定の端子に向けて第1の信号を送信し、これを受けて前記特定の端子から前記他の端子に向けて信号を返信するとともに、他の端子の前記同期化機能は、連続する2組の一連の複数スロット内での前記同期化機能間での信号授受から、信号伝送遅延時間と時刻ズレを算出して、前記サンプリングタイミングを修正することを特徴とする保護リレーシステム。
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