JP6654498B2 - ディジタル保護継電装置及びディジタル保護継電システム - Google Patents

ディジタル保護継電装置及びディジタル保護継電システム Download PDF

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Description

本発明は、ディジタル保護継電装置及びディジタル保護継電システムに関する。
ディジタル保護継電装置は、保護区間内の系統事故を判別するために、他のディジタル保護継電装置と通信システムを介して接続し、各端子が計測したアナログ情報及び機器状態情報を、通信路を介して相互に送受信する。この場合の通信システムでは、自ディジタル保護継電装置が測定した電流と他ディジタル保護継電装置が測定した電流を相互に送受信し、送受信した電流値から差電流を求め、差電流の大きさによって保護区間内の系統事故を判別する電流差動方式が採用されている。このような電流差動方式を適用したディジタル保護継電装置間において、正確に系統事故を判別するためには、全ての装置において同時にサンプリングされた電流データを用いる必要がある。よって、ディジタル保護継電装置間において、高精度にサンプルタイミングを同期させることが重要となる。
現在、ディジタル保護継電装置間の通信システムにおいて、PDH(Plesiochonous Digital Hierarchy)やSDH(Synchrous Digital Hierarchy)等、各端子のアナログ情報及び機器状態情報を一定周期でサイクリックに送受信する伝送方式が広く用いられている。このサイクリック伝送方式では、所定のデータが順番通りに送受信されるため、データの連続性と同時性が保たれるという特徴がある。しかし、サイクリック伝送で用いられる通信網は専用特殊装置で構成されており、製作可能なメーカが限られるため、生産量が極めて少ない。よって、専用特殊装置を用いた通信網の構築とメンテナンスには多大なコストが掛かるという問題がある。
そこで、伝送装置及び通信網の低コスト化を目的として、IP(InternetProtocol)ネットワークの導入が検討されている。
IPネットワークでは高速大容量化と伝送装置のコストダウンが進展しており、IPネットワークは、高精度なサンプリング同期と信頼性が求められる保護継電装置間通信への適用が今後ますます加速することが予想される。
IPネットワークを適用したディジタル保護継電装置間においては、高精度なサンプリング同期性を担保することが非常に重要であり、ディジタル保護制御装置間で、時刻同期によるサンプリング同期制御が行われている。IPネットワークにおける時刻同期としては、NTP(Network Time Protocol)、SNTP(Simple Network Time Protocol)、PTP(Precision Time Protocol)等様々な手法が知られている。
PTPは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1588規格で定められた手法である。
PTPでは、時刻同期の基準となる自ディジタル保護継電装置と、時刻同期対象となる他ディジタル保護継電装置との間の時刻フレームに関する通信プロトコルが定められている。そして、時刻フレームを送受信して自ディジタル保護継電装置に対する他ディジタル保護継電装置の時刻オフセットを算出し、他ディジタル保護継電装置の時刻を補正する。
PTP方式の詳細は後述する実施の形態例で説明するが、具体的には、上りの伝送遅延tuと下りの伝送遅延tdとの差の時間から、差分tdiffを算出して、その差分tdiffに基づいて同期制御を行うものである。
特許文献1には、IPネットワークにおいて、他ディジタル保護継電装置から自ディジタル保護継電装置に送信されたアナログデータと自ディジタル保護継電装置で取り込んだアナログデータの同時性を確保するための技術が開示されている。
特許第5592849号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、上りと下りの通信遅延時間が異なる場合について考慮されておらず、上り下りの通信遅延時間が異なる場合が想定されるIPネットワークへの適用が困難であった。
上り下りの通信遅延時間が異なる場合、上り下り通信遅延時間差の1/2が各ディジタル保護継電装置間の時刻同期誤差として現れる。この上り下り通信遅延時間差を起因とした時刻同期誤差により、ディジタル保護継電装置間の送受信データの同時性が確保できず、正確な系統事故判別が行えなくなるといった問題がある。IPネットワークにおける上り下り通信遅延時間差は、IPネットワークに接続された中継装置の待ち合わせ遅延などが起因となりランダムに発生する。
上り下りの通信遅延時間が異なる場合の対策として、IEEE1588 PTPにてTC(Transparent Clock)方式による同期手法が定められている。TC方式では、IPネットワークに接続された中継装置を経由することによる通信遅延を補正する機能を持ち、上り下りの通信遅延時間が異なる場合でも高精度にサンプリング同期が実現できる。
しかし、TC方式による同期制御を行う場合、TC方式に対応した中継装置を用いる必要があるため、TC方式非対応の中継装置をTC方式対応の中継装置に更新するためのコストが掛かるという問題がある。
また、TC方式では、ディジタル保護継電装置間のサンプリング同期制御の一端をネットワーク中継装置の通信遅延補正機能が担っているため、ディジタル保護継電装置間のサンプリング同期制御に異常が発生した場合に異常発生箇所の特定が困難になるという問題もある。
本発明の目的は、上りと下りの通信遅延時間に差が発生した場合でも、高精度なサンプリング同期を実現し、より正確に系統事故を判別できるディジタル保護継電装置及びディジタル保護継電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、送電線の電流電圧情報を取り込む入力変換器と、通信路を介して接続された自ディジタル保護継電装置から他ディジタル保護継電装置までの上り通信遅延時間と他ディジタル保護継電装置から自ディジタル保護継電装置までの下り通信遅延時間との差を計測する遅延時間差計測部と、通信路で時刻情報を含むフレームを送受信することにより、自ディジタル保護継電装置に対する他ディジタル保護継電装置の時刻オフセットを算出し、サンプルタイミングを補正する第1時刻同期補正部と、入力変換器が取り込んだアナログ電圧をもとに系統電圧周期を算出して、算出した系統電圧周期のデータを使ってサンプルタイミングを補正する第2時刻同期補正部と、遅延時間差計測部により計測された上りと下りの通信遅延時間差が一定値以上となる状態が所定時間以上継続した場合に、第1時刻同期補正部による時刻同期演算から、第2時刻同期補正部による時刻同期演算に切り替えるサンプリング制御方法切替部と、第1時刻同期補正部または第2時刻同期補正部により算出されたサンプリング同期補正量をもとに入力変換器が取り込んだ電流電圧情報のサンプリング同期制御を行うサンプリング制御部と、サンプリング制御部によるサンプリング同期制御で取得した電流電圧情報をもとに電力系統を保護するための演算を行う保護演算部と、保護演算部の演算結果をもとに電力系統に接続された遮断器を制御する遮断器制御部と、を備える。
本発明によれば、通信路を介して接続された自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置間で時刻同期を行う際に、上りと下りで伝送遅延時間差が発生した場合でも、正確な精度でサンプリング同期をとることが可能になる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態例によるディジタル保護継電装置の構成図である。 本発明の第1の実施の形態例による第1時刻同期補正部での補正処理の概念を示すシーケンス図である。 本発明の第1の実施の形態例による零クロス時刻算出方法の概念を示すタイミング図である。 本発明の第1の実施の形態例による第2時刻同期補正部での補正処理の概念を示すタイミング図である。 本発明の第1の実施の形態例による第1時刻同期補正部から第2時刻同期補正部への時刻同期演算切替処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態例による系統事故が発生した場合のサンプリング同期処理の概念を示すタイミング図である。 本発明の第2の実施の形態例による第1時刻同期補正部と第2時刻同期補正部を組合わせた時刻同期演算処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態例による第1時刻同期補正部と第2時刻同期補正部を組合わせた時刻同期演算処理の概念を示すタイミング図である。
<1.第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態の例を、図1〜図6を参照して説明する。
[1−1.ディジタル保護継電装置の構成例]
図1は、ディジタル保護継電装置1A,1Bの構成例を示す。
図1の例では、送電線L1の2カ所に遮断器3A,3Bが接続され、それぞれの遮断器3A,3Bがディジタル保護継電装置1A,1Bにより制御される。各ディジタル保護継電装置1A,1Bは、送電線L1に接続された変流器2A,2Bで得た電流データ及び電圧データを取り込む。2つのディジタル保護継電装置1A,1Bは、同一の構成である。
以下の説明で2つのディジタル保護継電装置1A,1Bを区別する必要がある場合には、自身のディジタル保護継電装置を「自ディジタル保護継電装置」、通信相手のディジタル保護継電装置を「他ディジタル保護継電装置」と称する。
それぞれのディジタル保護継電装置1A,1Bは、中継装置42A,42Bを介して通信路(ここではIPネットワーク41)に接続され、2つのディジタル保護継電装置1A,1B間で、IPネットワーク41を介してデータが送受信される。例えば、自ディジタル保護継電装置が電流データフレームを送信し、他ディジタル保護継電装置がその送信された電流データフレームを受信する。
ディジタル保護継電装置1A,1Bは、入力変換器101、サンプリング制御方法切替部102、遅延時間差計測部103、第1時刻同期補正部104、第2時刻同期補正部105、クロック106、サンプリング制御部107、及び保護演算部108を備える。さらにディジタル保護継電装置1A,1Bは、通信部109、アナログディジタル変換部110、及び遮断器制御部111を備える。
入力変換器101は、変流器2A又は2Bで得た電流データ及び電圧データを、アナログディジタル変換部110などが扱うことができるレベルのアナログデータに変換する。入力変換器101でレベル変換されたアナログデータは、アナログディジタル変換部110に供給されてディジタルデータに変換され、保護演算部108に供給される。保護演算部108は、送電線L1が接続された電力系統を保護するための演算処理を行い、演算結果に基づいて遮断器3A,3Bを遮断させる遮断指令や開放指令を生成する。
遮断器制御部111は、保護演算部108から遮断指令を受け取ると、遮断器3A又は3Bを遮断する制御を行う。また、遮断器制御部111は、保護演算部108から開放指令を受け取ると、遮断していた遮断器3A又は3Bを開放する制御を行う。
通信部109には、中継装置42A又は42Bが接続され、自ディジタル保護継電装置の通信部109と他ディジタル保護継電装置の通信部109との間で通信が行われる。
各ディジタル保護継電装置1A,1Bは、電流差動保護方式による保護演算を行うために、それぞれのディジタル保護継電装置1A,1Bで同時にサンプリングされた電流データを得て、正確に系統事故を判別するようにしている。すなわち、ディジタル保護継電装置1A,1Bは、各装置のローカル時刻を同期させ、自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置との間で高精度にサンプルタイミングを同期させる必要がある。
以下、各ディジタル保護継電装置1A,1Bでサンプルタイミングを同期させるための構成について説明する。
それぞれのディジタル保護継電装置1A,1Bは、第1時刻同期補正部104と、第2時刻同期補正部105との2つの時刻同期補正部を持つ。
第1時刻同期補正部104は、ネットワークで接続された自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置との間で送受信する時刻フレームにより、他ディジタル保護継電装置のローカル時刻を自ディジタル保護継電装置のローカル時刻に同期する演算を行う。
背景技術の欄で既に説明したとおり、ネットワークを用いた時刻同期手法には、NTP(Network Time Protocol)、SNTP(Simple Network Time Protocol)、PTP(Precision Time Protocol)等様々な手法が存在する。第1時刻同期補正部104は、これらのいずれの手法も適用可能であるが、ここではPTP OC(Ordinaly Clock)方式を適用した例を説明する。
図2は、PTP OC方式による第1時刻同期補正部104での同期制御例を示す。第1時刻同期補正部104は、通信部109でフレームを送受信した時刻データを得ると共に、受信フレームに含まれる時刻データについても取得し、自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置との時刻オフセットを算出する。
具体的には、図2に示すように、自ディジタル保護継電装置(主局)は、送信時刻t0のデータを載せた同期フレーム(Syncフレーム)を他ディジタル保護継電装置(従局)である他ディジタル保護継電装置に送信する(ステップS1)。他ディジタル保護継電装置は、同期フレームに含まれる送信時刻t0のデータを得ると共に、同期フレームを受け取った時刻t1を得る。また、他ディジタル保護継電装置は、送信時刻t2のデータを載せたディレイリクエストフレーム(DelayRequestフレーム)を自ディジタル保護継電装置に送信する(ステップS2)。さらに、自ディジタル保護継電装置は、ディレイリクエストフレームを受け取った時刻t3を得る。そして、その時刻t3のデータを載せたディレイレスポンスフレーム(DelayResponseフレーム)を他ディジタル保護継電装置に送信する(ステップS3)。
これらのフレームの送信及び受信は、通信部109で行われ、通信部109で得た時刻t0〜t3のデータが、第1時刻同期補正部104に送られる。
第1時刻同期補正部104では、以下の式(1)の演算が行われる。
tdiff ={(t3−t2)−(t1−t0)}/2・・・式(1)
この演算の実行で、第1時刻同期補正部104は、自ディジタル保護継電装置に対する他ディジタル保護継電装置の時刻の差分tdiffを得る。そして、第1時刻同期補正部104は、算出した差分tdiffのデータをサンプリング制御部107に送る。
第2時刻同期補正部105は、入力変換器101から得た電圧アナログデータより、系統電圧周波数を算出し、系統電圧周波数を時刻同期の基準として自ディジタル保護継電装置のローカル時刻と他ディジタル保護継電装置のローカル時刻を同期する演算を行う。なお、系統電圧周波数は、系統事故が発生しない限り、50Hzまたは60Hzに安定的に保たれている。
すなわち、第2時刻同期補正部105は、系統電圧周期算出部1051、系統事故判別部1052、及び系統電圧推定周期算出部1053を備える。系統電圧周期算出部1051は、入力変換器101から得た電圧アナログデータより、系統電圧周波数(系統電圧周期)を算出する。系統事故判別部1052は、系統電圧周期算出部1051にて算出された系統電圧周期がある一定範囲を超えた場合に系統事故発生を判別する。系統電圧推定周期算出部1053は、系統事故判別部1052にて系統事故が発生したと判別された場合に、過去に取得した系統電圧周期から推定系統電圧周期を算出する。
系統電圧推定周期算出部1053は、算出した推定系統電圧周期のデータをサンプリング制御部107に送る。
なお、第2時刻同期補正部105での補正処理の詳細は後述する(図3,図4)。
サンプリング制御部107は、第1時刻同期補正部104から供給された時刻の差分データと、第2時刻同期補正部105から供給された推定系統電圧周期のデータのいずれか一方を使って、アナログディジタル変換部110でのサンプルタイミングを補正する。第1時刻同期補正部104と第2時刻同期補正部105のいずれの時刻同期演算結果を使うのかは、サンプリング制御方法切替部102からの指示による。
サンプリング制御方法切替部102は、遅延時間差計測部103より計測された上りと下りの通信遅延時間差に基づいて、時刻同期演算を使う補正部を、第1時刻同期補正部104と第2時刻同期補正部105のいずれかに設定する。
遅延時間差計測部103は、通信部109でフレームを送受信した時刻データを得ると共に、受信フレームに含まれる時刻データについても取得する。そして、遅延時間差計測部103は、自ディジタル保護継電装置から他ディジタル保護継電装置への上り通信路の通信遅延時間と、他ディジタル保護継電装置から自ディジタル保護継電装置への下り通信路の通信遅延時間との差を計測する。自ディジタル保護継電装置から他ディジタル保護継電装置までの上り通信遅延時間をTd1、他ディジタル保護継電装置から自ディジタル保護継電装置までの下り通信遅延時間をTd2とすると、上りと下りの通信遅延時間差ΔTdは式(2)で表せる。
ΔTd=||Td1|−|Td2||・・・式(2)
ここで通信遅延時間差ΔTdが一定値未満の場合は、自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置との間の上りと下りの通信遅延時間差が小さく、サンプリング同期誤差が小さい。よって、通信遅延時間差ΔTdが一定値未満の場合、上りと下りの通信遅延時間が一定であると判別し、第1時刻同期補正部104による時刻同期演算を継続し、その時刻同期演算結果を使ってサンプリング制御部107がサンプルタイミングを制御する。そのサンプルタイミングで、アナログディジタル変換部110が電流データ及び電圧データをディジタルデータに変換する。
一方、通信遅延時間差ΔTdが一定値以上の状態が一定時間以上継続した場合、自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置との間の上りと下りの通信遅延時間差が大きい状態を意味する。この状態では、第1時刻同期補正部104による時刻同期演算を継続するとサンプリング同期誤差が大きくなる。よって、第2時刻同期補正部105による時刻同期演算に切り替え、サンプリング制御部107がアナログディジタル変換部110でのサンプルタイミングを制御する。
なお、サンプリング制御部107は、クロック発生器106から供給されるクロックに同期して作動する。
[1−2.第2時刻同期補正部での補正処理]
次に、第2時刻同期補正部105での補正処理の詳細を、図3及び図4を参照して説明する。
まず、系統電圧周波数の零クロス時刻を算出する処理を、図3に基づいて説明する。
図3は、送電線L1の系統電圧(図3A)の波形と、その電圧波形の検出から生成される時刻補正信号(図3B)との関係を示す。
交流電圧は、図3Aに示すように値が負から正、正から負への変化を繰り返す。ここで、系統電圧の値が正から負(または負から正)に切り替わる前の点を通過する時刻を第1サンプル時刻TS1とし、切り替え後の点を通過する時刻を第2サンプル時刻TS2と称する。第2時刻同期補正部105は、第1サンプル時刻TS1での電圧値と第2サンプル時刻TS2での電圧値との間の近似直線を求め、その近似直線が電圧0になる点(零点)の零クロス時刻TXを得る。そして、図3Bに示すように、この零クロス時刻TXのタイミングで発生するパルスである時刻補正信号を得る。
図4は、時刻補正信号による補正量の算出例を示す。
第2時刻同期補正部105は、系統電圧の零クロス時刻TXを順次計測し(図4A)、零クロス時刻TXに同期した時刻補正信号(図4B)を得、その零クロス時刻TXが検出される間隔である、系統電圧の周期Taを得る。
第2時刻同期補正部105の系統電圧周期算出部1051は、周期Taから系統電圧周波数fを得る。系統電圧周波数fは、次の式(3)から算出する。
f=1/(2・Ta)・・・式(3)
そして、クロック発生器106が発生するクロックが図4Cに示す状態であるとき、第2時刻同期補正部105は、時刻補正信号(図4B)が立ち上がるタイミングとクロックとの差の時刻補正量Δtを得る。この時刻補正量Δtのデータがサンプリング制御部107に供給され、サンプリング制御部107が、アナログディジタル変換部110でのサンプルタイミングを時刻補正量Δtだけ補正する。
[1−3.時刻同期演算切替処理例]
次に、時刻同期演算を、第1時刻同期補正部104から第2時刻同期補正部105に切替える場合の例について説明する。
図5は、サンプリング制御方法切替部102の制御で、第1時刻同期補正部104から第2時刻同期補正部105へ時刻同期演算を切り替える際の処理例を示すフローチャートである。
ここでは、自ディジタル保護継電装置を時刻同期の基準とし、他ディジタル保護継電装置は自ディジタル保護継電装置に対して時刻同期を行う。以下の説明では、ディジタル保護継電装置1Aを自ディジタル保護継電装置とし、ディジタル保護継電装置1Bを他ディジタル保護継電装置とする。最初の状態では、各ディジタル保護継電装置1A,1Bは、第1時刻同期補正部104による時刻同期を実施中である。
まず、他ディジタル保護継電装置1Bの遅延時間差計測部103は、上りと下りの通信遅延時間差ΔTdを算出する(ステップS11)。また、自ディジタル保護継電装置1Aと他ディジタル保護継電装置1Bの双方は、系統電圧周期算出部1051が、系統電圧周期及び周波数を算出する(ステップS12)。
そして、サンプリング制御方法切替部102は、他ディジタル保護継電装置1Bで検出した通信遅延時間差ΔTが、一定値以上の状態が所定時間以上継続したか否かを判断する(ステップS13)。
ここで、通信遅延時間差ΔTが一定値未満である場合、及び一定値以上であっても所定時間以上継続しない場合(ステップS13のNO)、各ディジタル保護継電装置1A,1Bは第1時刻同期補正部104による時刻同期補正演算を継続して行う(ステップS14)。
また、ステップS13の判断で、通信遅延時間差ΔTが一定値以上で所定時間以上継続した場合(ステップS13のYES)、第1時刻同期補正部104から第2時刻同期補正部105に切替える処理に移る。
すなわち、まず自ディジタル保護継電装置1Aと他ディジタル保護継電装置1Bのそれぞれの系統電圧周期算出部1051が、系統電圧の零クロス時刻を記憶する(ステップS15)。次に、自ディジタル保護継電装置1Aと他ディジタル保護継電装置1Bのそれぞれの系統事故判別部1052は、系統事故が発生したか否かを判断する(ステップS16)。このステップS16における系統事故の発生の判断は、例えば系統電圧周波数が一定範囲を超えたか否かによって行われる。
ここで、系統電圧周波数が一定範囲を超えた場合には(ステップS16のYES)、それぞれの系統電圧推定周期算出部1053が、推定系統電圧周期を算出する(ステップS17)。
そして、系統電圧周波数が一定範囲を超えていない場合(ステップS16のNO)と、ステップS17で推定系統電圧周期を算出した場合、他ディジタル保護継電装置1Bの第2時刻同期補正部105が時刻同期補正演算を実行する(ステップS18)。ここでは、系統電圧周波数が一定範囲を超えていない場合には、系統電圧周期算出部1051が算出した周期に基づいて第2時刻同期補正部105が時刻同期補正演算を実行する。また、ステップS17で推定系統電圧周期を算出した場合には、系統電圧推定周期算出部1053が算出した推定周期に基づいて第2時刻同期補正部105が時刻同期補正演算を実行する。
次に、他ディジタル保護継電装置1Bの通信部109は、第2時刻同期補正部105による時刻同期演算が開始したことを、自ディジタル保護継電装置1Aの通信部109に通知する(ステップS19)。
この通知を受信した自ディジタル保護継電装置1Aは、第2時刻同期補正部105が時刻同期補正演算を実行する(ステップS20)。ここでも、ステップS18の場合と同様に、系統電圧周期算出部1051が算出した周期に基づいて時刻同期補正演算を実行する場合と、系統電圧推定周期算出部1053が算出した推定周期に基づいて時刻同期補正演算を実行する場合とがある。
なお、ステップS17での系統電圧推定周期算出部1053による推定系統電圧周期T_estの算出処理は、例えば式(4)による演算で行われる。
式(4)において、t0は事故が発生する直前の零クロス時刻、mは事故発生後に経過した系統電圧周期数、T_aveは事故発生前の系統電圧n周期分の平均値であり、式(5)から算出される。
T_est=t0+T_ave×m…式(4)
T_ave=(T1+T2+…Tn)/n…式(5)
[1−4.時刻同期演算切替の具体的な例]
図6は、系統事故が発生した場合のサンプルタイミングの算出の具体的な例を示した概念図である。
この例では、区間Tbに系統事故が発生して、図6Aに示す系統電圧がこの区間Tbで乱れた状態である。この系統事故は、系統事故判別部1052で判別される。
このとき、系統電圧推定周期算出部1053は、事故直前の零クロス時刻TXを基準とした推定系統電圧周期T_estを算出し、推定系統電圧周期T_estから系統事故発生区間Tbのサンプルタイミングの周期Tcを決定する。
系統電圧推定周期算出部1053は、図6Bに示すように、系統事故発生区間Tbに、周期Tcのサンプルタイミングを継続する。したがって、系統事故発生区間Tbでのサンプリング補正信号(図6B)とクロック(図6C)との差を示すサンプルタイミング信号(図6D)は、サンプルタイミング推定補正量Δt′で設定される。
したがって、系統事故が発生した場合でも、アナログディジタル変換部110でサンプリングするタイミングが適切に管理され、自ディジタル保護継電装置1Aと他ディジタル保護継電装置1Bとで同期して精度良くサンプリングできるようになる。
そして、系統事故発生区間Tbが終了し、図6Aに示すように、零クロス時刻TX′が検出されることで、その零クロス時刻TX′に基づいたサンプルタイミング信号に補正されて、実際の系統電圧から検出したサンプルタイミング信号が生成される。したがって、系統事故から復帰した後は、自ディジタル保護継電装置1Aと他ディジタル保護継電装置1Bとで実際の系統電圧に基づいて、同期して精度良くサンプリングできるようになる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態例によれば、自ディジタル保護継電装置と他ディジタル保護継電装置との間で、上りと下りの通信遅延時間差が発生した場合でも、各ディジタル保護継電装置は、正確で精度の良いサンプリング同期制御を継続できる。したがって、複数のディジタル保護継電装置1A,1Bを接続する通信路として、比較的大きな通信遅延時間が発生する可能性があるIPネットワークを適用した場合であっても、精度の高い電圧・電流検出により適切なディジタル保護継電処理が行える。
また、このように上りと下りの通信遅延時間差があるIPネットワークを通信路として適用できるため、通信路に接続する中継装置42A,42B(図1)として、伝送遅延を考慮した複雑且つ高価な中継装置を使用する必要がない。このため、既存のIPネットワークをそのまま適用できるようになり、通信システムの更新にコストが掛からないという効果を有する。
さらに、本実施の形態例の場合には、中継装置が通信遅延補正機能を担う必要がないため、万一、ディジタル保護継電装置間のサンプリング同期制御において故障が発生した場合、故障発生箇所をディジタル保護制御装置に限定できるといった効果もある。
<2.第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態の例を、図7及び図8を参照して説明する。
この第2の実施の形態の例において、各ディジタル保護継電装置1A,1Bの構成については、図1に示すディジタル保護継電装置1A,1Bと同じであり、装置の構成の説明は省略する。第2の実施の形態の例においては、上りと下りの遅延時間差が発生した場合に、同期補正部を切替える代りに、第1時刻同期補正部104での演算結果を、第2時刻同期補正部105での演算結果で同期状態を補正する処理を行う。
[2−1.時刻同期演算切替処理例]
図7は、第2の実施の形態の例での、サンプリング制御方法切替部102の制御で、第1時刻同期補正部104から第2時刻同期補正部105へ時刻同期演算を切り替える際の処理例を示すフローチャートである。この図7のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の内容の処理ステップについては、同一のステップ番号を付与し、その説明は割愛する。
この図7の例でも、図5のフローチャートと同様に、ディジタル保護継電装置1Aを自ディジタル保護継電装置、ディジタル保護継電装置1Bを他ディジタル保護継電装置とする。
図7のフローチャートにおいて、ステップS11〜S17までの処理は、図5のフローチャートと同一である。そして、ステップS16で系統電圧周波数が一定範囲を超えていないと判定した場合(ステップS16のNO)と、ステップS17で推定系統電圧周期を算出した場合に、第1時刻同期補正部104は、ステップS21の処理に移る。
すなわち、他ディジタル保護継電装置1Bの第1時刻同期補正部104は、第2時刻同期補正部105による時刻同期演算結果で、第1時刻同期補正部104自身が算出した時刻同期演算結果を補正する(ステップS22)。
次に、他ディジタル保護継電装置1Bの通信部109は、自ディジタル保護継電装置1Aの通信部109に対して、第1時刻同期補正部104の時刻同期結果を第2時刻同期補正部105の結果で補正したことを通知する(ステップS23)。
この通知を受信した自ディジタル保護継電装置1Aでは、自らの第1時刻同期補正部104での時刻同期演算結果についても、第2時刻同期補正部105による時刻同期演算結果で補正する(ステップS24)。
[2−2.時刻同期演算切替の具体的な例]
図8は、第2の実施の形態の例での、系統事故が発生した場合のサンプルタイミングの算出の具体的な例を示した概念図である。
この例では、区間Tfに系統事故が発生して、図8Aに示す系統電圧がこの区間Tfで乱れた状態である。また、この系統事故発生区間Tfを含む所定区間Teが、上りと下りの伝送遅延差が一定値以上発生した伝送遅延時間差発生区間である。
この上りと下りの伝送遅延時間差発生区間Teよりも前の状況(すなわち伝送遅延時間差が少ない状況)では、第1時刻同期補正部104が生成したサンプリング補正信号(図8B)によりサンプルタイミング補正量Δt1が決定する。したがって、サンプルタイミング信号(図8E)は、クロック(図8D)のタイミングから、サンプルタイミング補正量Δt1だけシフトしたタイミングの信号になる。
そして、上りと下りの伝送遅延時間差発生区間Teになると、系統電圧の零クロス時刻TXに同期して、第2時刻同期補正部105がサンプリング補正信号を生成する(図8C)。ここで、第1時刻同期補正部104が生成したサンプリング補正信号が、第2時刻同期補正部105が生成したサンプリング補正信号により補正される。したがって、サンプルタイミング信号(図8E)は、第1時刻同期補正部104が生成したサンプリング補正信号と第2時刻同期補正部105が生成したサンプリング補正信号との差を含んだサンプルタイミング補正量Δt2になる。以後、系統電圧の零クロス時刻TXの検出毎に、サンプルタイミング補正量Δt3,Δt4のサンプルタイミング信号が生成される。
そして、系統事故発生区間Tfになると、系統事故発生区間Tfに入る直前の零クロス時刻TXから、一定周期Tg毎の第2時刻同期補正部105でのサンプリング補正信号(図8C)が生成される。この一定周期Tg毎の第2時刻同期補正部105でのサンプリング補正信号により、サンプリング補正量Δt5,Δt6,Δt7が生成され、アナログディジタル変換部110は、一定周期でのサンプリングを継続する。
系統事故発生区間Tfが終了した後、図8Aに示すように、零クロス時刻TX′が検出されることで、その零クロス時刻TX′に基づいたサンプルタイミング信号に補正されて、実際の系統電圧から検出したサンプルタイミング信号が生成される。さらに、上りと下りの伝送遅延時間差発生区間Teが終了した後、第2時刻同期補正部105による補正が終了し、サンプルタイミング信号(図8E)は、第1時刻同期補正部104が生成したサンプリング補正信号(図8B)で決まる状態に復帰する。
このように本発明の第2の実施の形態例の場合にも、第1の実施の形態例と同様に、各ディジタル保護継電装置は、正確で精度の良いサンプリング同期制御を継続できる。この第2の実施の形態例においても、上述した第1の実施の形態例と同様に、各ディジタル保護継電装置の間の通信路であるIPネットワークを構築する際に、上りと下りの伝送遅延差を考慮する必要がなく、低コストに通信路を構築できる効果を持つ。
<3.変形例>
なお、本発明は上述した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例及び応用例が含まれる。例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも図1などで説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、図1に示す構成では、説明を簡単にするために2つのディジタル保護継電装置1A,1Bを備えたシステムとしたが、より多数のディジタル保護継電装置を備えたシステムに適用してもよい。また、複数のディジタル保護継電装置を接続する通信路についても、IPネットワークを使用するのは一例であり、その他の方式の通信路で接続してもよい。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1A,1B…ディジタル保護継電装置、2A,2B…変流器、3A,3B…遮断器、41…IPネットワーク、41A,42B…中継装置、101…入力変換器、102…サンプリング制御方法切替部、103…遅延時間差計測部、104…第1時刻同期補正部、105…第2時刻同期補正部、106…クロック発生器、107…サンプリング制御部、108…保護演算部、109…通信部、110…アナログディジタル変換部、111…遮断器制御部、1051…系統電圧周期算出部、1052…系統事故判別部、1053…系統電圧推定周期算出部

Claims (5)

  1. 送電線の電流電圧情報を取り込む入力変換器と、
    通信路を介して接続された自ディジタル保護継電装置から他ディジタル保護継電装置までの上り通信遅延時間と前記他ディジタル保護継電装置から前記自ディジタル保護継電装置までの下り通信遅延時間との差を計測する遅延時間差計測部と、
    前記通信路で時刻情報を含むフレームを送受信することにより、前記自ディジタル保護継電装置に対する前記他ディジタル保護継電装置の時刻オフセットを算出し、サンプルタイミングを補正する第1時刻同期補正部と、
    前記入力変換器が取り込んだアナログ電圧をもとに系統電圧周期を算出して、算出した系統電圧周期のデータを使ってサンプルタイミングを補正する第2時刻同期補正部と、
    前記遅延時間差計測部により計測された上りと下りの通信遅延時間差が一定値以上となる状態が所定時間以上継続した場合に、前記第1時刻同期補正部による時刻同期演算から、前記第2時刻同期補正部による時刻同期演算に切り替えるサンプリング制御方法切替部と、
    前記第1時刻同期補正部または前記第2時刻同期補正部により算出されたサンプリング同期補正量をもとに前記入力変換器が取り込んだ電流電圧情報のサンプリング同期制御を行うサンプリング制御部と、
    前記サンプリング制御部によるサンプリング同期制御で取得した電流電圧情報をもとに電力系統を保護するための演算を行う保護演算部と、
    前記保護演算部の演算結果をもとに電力系統に接続された遮断器を制御する遮断器制御部と、を備える
    ディジタル保護継電装置。
  2. 記第2時刻同期補正部は、
    前記入力変換器が取り込んだアナログ電圧をもとに系統電圧周期を算出する系統電圧周期算出部と、
    前記系統電圧周期算出部にて算出された系統電圧周期がある一定範囲を超えた場合に系統事故発生を判別する系統事故判別部と、
    前記系統事故判別部にて系統事故が発生したと判別された場合に過去に取得した系統電圧周期から推定系統電圧周期を算出する系統電圧推定周期算出部を有する
    請求項1に記載のディジタル保護継電装置。
  3. 前記サンプリング制御方法切替部は、前記遅延時間差計測部より計測された上りと下りの通信遅延時間差がある一定値未満となった場合に、前記第2時刻同期補正部による時刻同期演算から前記第1時刻同期補正部による時刻同期演算に切り替える
    請求項1に記載のディジタル保護継電装置。
  4. 前記遅延時間差計測部により計測された上りと下りの通信遅延時間差がある一定値未満の場合は第1時刻同期補正部による時刻同期を行い、
    前記遅延時間差計測部により計測された上りと下りの通信遅延時間差が一定値以上となる状態が所定時間以上継続した場合は前記第1時刻同期補正部の時刻同期結果を前記第2
    時刻同期補正部の時刻同期結果で補正する
    請求項1に記載のディジタル保護継電装置。
  5. 通信路を介して接続された複数のディジタル保護継電装置を備え、それぞれのディジタ
    ル保護継電装置が送電線の遮断器を制御するディジタル保護継電システムにおいて、
    それぞれの前記ディジタル保護継電装置は、
    送電線の電流電圧情報を取り込む入力変換器と、
    通信路を介して接続された自ディジタル保護継電装置から他ディジタル保護継電装置までの上り通信遅延時間と前記他ディジタル保護継電装置から前記自ディジタル保護継電装置までの下り通信遅延時間との差を計測する遅延時間差計測部と、
    前記通信路で時刻情報を含むフレームを送受信することにより、前記自ディジタル保護継電装置に対する前記他ディジタル保護継電装置の時刻オフセットを算出し、サンプルタイミングを補正する第1時刻同期補正部と、
    前記入力変換器が取り込んだアナログ電圧をもとに系統電圧周期を算出して、算出した系統電圧周期のデータを使ってサンプルタイミングを補正する第2時刻同期補正部と、
    前記遅延時間差計測部により計測された上りと下りの通信遅延時間差が一定値以上となる状態が所定時間以上継続した場合に、前記第1時刻同期補正部による時刻同期演算から、前記第2時刻同期補正部による時刻同期演算に切り替えるサンプリング制御方法切替部と、
    前記第1時刻同期補正部または前記第2時刻同期補正部により算出されたサンプリング同期補正量をもとに前記入力変換器が取り込んだ電流電圧情報のサンプリング同期制御を行うサンプリング制御部と、
    前記サンプリング制御部によるサンプリング同期制御で取得した電流電圧情報をもとに電力系統を保護するための演算を行う保護演算部と、
    前記保護演算部の演算結果をもとに電力系統に接続された遮断器を制御する遮断器制御部と、を備えた
    ディジタル保護継電システム。
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