JP2016152487A - 時刻同期方法および時刻同期装置 - Google Patents

時刻同期方法および時刻同期装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016152487A
JP2016152487A JP2015028644A JP2015028644A JP2016152487A JP 2016152487 A JP2016152487 A JP 2016152487A JP 2015028644 A JP2015028644 A JP 2015028644A JP 2015028644 A JP2015028644 A JP 2015028644A JP 2016152487 A JP2016152487 A JP 2016152487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
packet
master device
unit
slave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015028644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6385849B2 (ja
Inventor
健 坂入
Takeru Sakairi
健 坂入
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2015028644A priority Critical patent/JP6385849B2/ja
Publication of JP2016152487A publication Critical patent/JP2016152487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6385849B2 publication Critical patent/JP6385849B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

【課題】従来、遅延揺らぎ量を求めるために、特別なパケットを送受信する必要があった。【解決手段】基準時刻を有するマスター装置とスレーブ装置との間で時刻情報を含む時刻同期パケットを送受信してスレーブ装置の時刻をマスター装置の時刻に同期させる時刻同期方法において、マスター装置は、第1の計時部が出力する時間間隔で時刻同期パケットを送信し、スレーブ装置は、第1の計時部と同じ周期の時間間隔を出力する第2の計時部を有し、マスター装置が送信した時刻同期パケットの受信時刻と、第2の計時部が出力する時刻との第1の時間差を遅延揺らぎ量として求め、遅延揺らぎ量に基づきマスター装置から受信する時刻同期パケットの受信時刻を補正することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、パケット網を介して接続される装置間の時刻同期を実現する技術に関する。
パケット網を経由して接続される装置間で時刻同期パケット(PTP(Precision Time Protocol)パケット)を送受信して時刻同期を行う技術が規格化されている(非特許文献1参照)。ところが、パケット網で発生する遅延揺らぎによって時刻誤差が生じるため、例えばμsオーダの高精度な時刻精度を得ることが困難であった。そこで、高精度な時刻同期を実現するために、遅延分布測定用の試験パケット(リファレンスパケット(以降、Refパケットと称する))を送受信して、PTPパケット(Syncパケット、DelayReqパケットなど)の遅延揺らぎを補正する技術が検討されている(特許文献1参照)。ここで、基準時刻を有する時刻同期装置をマスター(Master)装置、マスター装置の時刻に同期させる時刻同期装置をスレーブ(Slave)装置とする場合、例えば、Slave装置は、Master装置から受信した1つ目のRefパケットを基準タイミングとして、以降に受信するRefパケットの受信タイミングと基準タイミングとの差分を受信毎に測定して遅延分布を計測する。ここで、Master装置およびSlave装置は、周波数同期された同じクロックで動作するため、Slave装置で送信周期を正確にカウントでき、遅延分布を精度良く計測することができる。そして、Slave装置は、Refパケットの遅延分布の最小値をベースにPTPパケットの遅延揺らぎを補正する。
一方、波長多重システム等において、上り方向(Slave装置からMaster装置への方向)の遅延時間と下り(Master装置からSlave装置への方向)の遅延時間とが異なる非対称性(リンク非対称)の問題があり、リンク非対称を補正する技術が考えられている(非特許文献2参照)。
IEEE1588-2008 電子情報通信学会総合大会(2013年)、B-8-69、遅延時間の非対称性を考慮した時刻同期方式に関する検討、須田 他
特許第5518805号公報
ところが、Refパケットを用いて遅延揺らぎ量を求める方式は、次のような課題がある。Refパケットは、IEEE1588-2008の規格において未規定のパケットであるため、一般的な装置には適用できない。また、Refパケットの送受信が行われるため、通信帯域が通常よりも多く消費される。さらに、Refパケットの送受信処理を行うため、装置の処理負荷が重くなる。また、Refパケットの遅延分布の測定に時間がかかるため、運用開始まで数時間程度のリードタイムが生じるなどの問題がある。
本発明は、特別なパケットを送受信することなく遅延揺らぎを補正することにより、高精度な時刻同期を行うことができる時刻同期方法および時刻同期装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、基準時刻を有するマスター装置とスレーブ装置との間で時刻情報を含む時刻同期パケットを送受信してスレーブ装置の時刻をマスター装置の時刻に同期させる時刻同期方法において、マスター装置は、第1の計時部が出力する時間間隔で時刻同期パケットを送信し、スレーブ装置は、第1の計時部と同じ周期の時間間隔を出力する第2の計時部を有し、マスター装置が送信した時刻同期パケットの受信時刻と、第2の計時部が出力する時刻との第1の時間差を遅延揺らぎ量として求め、遅延揺らぎ量に基づきマスター装置から受信する時刻同期パケットの受信時刻を補正することを特徴とする。
第2の発明は、スレーブ装置は、遅延揺らぎ量で補正された時刻同期パケットの受信時刻に基づいてマスター装置の時刻と自装置の時刻とのオフセットを算出し、算出したオフセットにより自装置の時刻を補正してマスター装置の時刻に同期させることを特徴とする。
第3の発明は、マスター装置は、送信間隔をランダムに変動させて時刻同期パケットを送信し、時刻同期パケットの送信時刻と第1の計時部が出力する時刻との第2の時間差を算出してスレーブ装置に通知し、スレーブ装置は、第1の時間差と第2の時間差との差分を遅延揺らぎ量として求めることを特徴とする。
第4の発明は、基準時刻を有するマスター装置が予め決められた時間間隔で送信する時刻同期パケットを受信する受信部と、マスター装置が時刻同期パケットを送信する時間間隔と同じ時間間隔を出力する第1の計時部と、受信部が時刻同期パケットを受信した時刻と計時部が出力する時刻との第1の時間差を求める算出部と、算出部が求めた第1の時間差により、受信部がマスター装置から受信する時刻同期パケットの受信時刻を補正する遅延揺らぎ補正部とを有することを特徴とする。
第5の発明は、遅延揺らぎ補正部が補正した時刻同期パケットの時刻情報に基づいてマスター装置の時刻と自装置の時刻とのオフセットを算出し、算出したオフセットにより自装置の時刻を補正してマスター装置の時刻に同期させる時刻同期部をさらに有することを特徴とする。
第6の発明は、遅延揺らぎ補正部は、マスター装置が送信間隔をランダムに変動させて送信する時刻同期パケットの送信時刻と予め決められた時間間隔との第2の時間差を示す情報をマスター装置から受信し、第1の時間差と第2の時間差との差分を遅延揺らぎ量として求めることを特徴とする。
本発明に係る時刻同期方法および時刻同期装置は、特別なパケットを送受信することなく遅延揺らぎを補正することにより、高精度な時刻同期を行うことができる。
ネットワーク構成の一例を示す図である。 パケットシーケンスの一例を示す図である。 Unicastにおけるパケットの送受信間隔の一例を示す図である。 Multicastにおけるパケットの送受信間隔の一例を示す図である。 遅延揺らぎ量の測定基準の設定方法の一例を示す図である。 Master装置およびSlave装置の機能ブロックの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係る時刻同期方法および時刻同期装置の実施形態について説明する。
図1は、ネットワーク構成の一例を示す。図1(a)は、1台のMaster装置101と1台のSlave装置102とがパケット網103を介して接続される例を示す。図1(b)は、Master装置101(0)およびMaster装置101(1)と、2系統のSlave装置102(0)およびSlave装置102(1)を有するSlave装置102とが接続される例を示す。図1(b)の例では、Master装置101(0)とSlave装置102(0)とが伝送路104を介して接続され、Master装置101(1)とSlave装置102(1)とがパケット網103を介して接続されている。
本実施形態では、パケット網103を介してPTPパケットを送受信して時刻同期を図る場合のPTPパケットの遅延揺らぎ量を把握して補正処理を行うと共に、リンク非対称な状態における補正処理を行って装置間の時刻同期を図ることができる。本実施形態で説明する時刻同期方法は、図1(a)の場合は、Master装置101およびSlave装置102などの時刻同期装置に適用可能である。図1(b)の場合は、点線で囲んだ部分のMaster装置101(1)およびSlave装置102のSlave部112(1)などの時刻同期装置に適用可能である。いずれの場合も、ネットワーク装置(スイッチ等)におけるパケットの遅延揺らぎやリンク非対称な遅延が発生するパケット網103を介してPTPパケットが送受信される。なお、パケット網103を利用しない伝送路104で接続されるMaster装置101(0)とSlave装置102(0)との間は、遅延揺らぎが無く、且つリンク非対称による遅延時間差も無い経路なので、パケット網103を介してPTPパケットを送受信する場合に比べて高精度に時刻同期を図ることができる。
以下の実施形態では、図1(b)に示したようなSlave装置102がSlave部112(0)およびSlave部112(1)の2系統の時刻同期部を有する場合について説明する。なお、Master装置101(0)、Master装置101(1)、Slave部112(0)およびSlave部112(1)は、IEEE1588-2008の規格に記載されたPTPパケットによる時刻同期の機能を有する。
図1(b)において、Slave部112(0)はMaster装置101(0)から取得した時刻、もしくは外部装置に時刻同期せず自走状態で生成された時刻に基づき動作する。Master装置101(0)は、GNSS(Global Navigation Satellite System)に同期する時刻に基づき動作する。或いは、Master装置101(0)は、Master装置101(1)と同様にパケットベースの時刻同期機能を具備してもよい。なお、本実施形態では、Master装置101(0)およびMaster装置101(1)の時刻情報の取得形態はいずれの方法であっても構わない。
図2は、Master装置101(1)とSlave装置102のSlave部112(1)との間で送受信されるパケットシーケンスの一例を示す。
ここで、以降で説明するパラメータを以下の通り定義する。
tm:Master装置の時刻
ts:Slave装置の時刻
SyncInterval:Syncパケットの送信間隔
DelayReqInterval:DelayReqパケットの送信間隔
SyncGap_m:Syncパケットの送信時刻とインターバルタイマの時刻との差(遅延量)
SyncGap_s:Syncパケットの受信時刻とインターバルタイマの時刻との差(遅延量)
DelayReqGap_s:DelayReqパケットの送信時刻とインターバルタイマの時刻との差(遅延量)
DelayReqGap_m:DelayReqパケットの受信時刻とインターバルタイマの時刻との差(遅延量)
ΔJms,ΔJsm:遅延揺らぎ量(可変値)
A:上り方向の遅延時間と下り方向の遅延時間との差(リンク非対称の遅延時間差)
なお、パラメータの末尾のmはMaster装置101、sはSlave装置102を意味し、ΔJmsはMaster装置101からSlave装置102への下り方向のパラメータ、ΔJsmはSlave装置102からMaster装置101への上り方向のパラメータであることを示す。同様に、tmはMaster装置101側の時刻、tsはSlave装置102側の時刻をそれぞれ示す。以降で説明する各パラメータについても同様のルールで符号を付加する。
(Syncパケット151の遅延揺らぎ量)
図2において、Master装置101(1)とSlave部112(1)との時刻が同期している場合、Master装置101(1)の時刻tm1は、Slave部112(1)の時刻ts1に対応する。そして、例えば、Master装置101(1)が時刻tm1に送信したパケット(Syncパケット151)は、時刻ts1にSlave部112(1)により受信される。ここで、Master装置101からSlave装置102への経路には、伝送路遅延や中継装置の処理遅延などの固定遅延量と、遅延揺らぎ量ΔJmsのような可変遅延量とが存在し、これらの合計時間はts2とts1との時間差に相当する。なお、時刻tx1は、伝送路遅延だけの場合のSyncパケット151の受信時刻を示す。
ここで、Syncパケット151は、Master装置101(1)内のインターバルタイマによって生成された送信間隔(SyncInterval(sec:秒))でSlave装置102のSlave部112(1)に送信される。
一方、Syncパケット151の受信側であるSlave部112(1)においても、Master装置101(1)と同様に、Slave部112(1)内部のインターバルタイマによってSyncInterval(秒)が生成される。なお、IEEE1588-2008の規格において、Syncパケット151のSyncIntervalは固定値であることが規定されている。Master装置101(1)とSlave部112(1)とのインターバルタイマをカウントするクロックの周波数が同期している場合、Master装置101(1)のSyncIntervalとSlave装置102のSyncIntervalは同じである。
ここで、Master装置101(1)は、時刻tm1にSyncパケット151をSlave装置102に送信し、SyncIntervalの送信間隔で毎回、時刻tm1にSyncパケット151をSlave装置102に送信するものとする。一方、Slave部112(1)は、例えばSyncパケット151をMaster装置101(1)から受信した時刻ts2を基準にしてインターバルタイマを動作させた場合、次のSyncIntervalの時刻ts2で次のSyncパケット151を受信するはずである。しかし、パケット網103における遅延揺らぎの影響により、Syncパケット151の受信時刻が時刻ts2の前後にずれる。図2の例では、次のSyncパケット151を時刻t2'に受信しているので、このときの時間差SyncGap_sは(ts2 - ts2')となる。この時間差SyncGap_sが遅延揺らぎ量ΔJmsである(式1)。
ΔJms = SyncGap_s … (式1)
(DelayReqパケット152の遅延揺らぎ量)
同様に、Master装置101(1)とSlave部112(1)との時刻が同期している場合、Slave部112(1)の時刻ts3は、Master装置101(1)の時刻tm3に対応する。そして、例えば、Slave部112(1)が時刻ts3に送信したパケット(DelayReqパケット152)は、時刻tm4にMaster装置101(1)により受信される。ここで、Slave部112(1)からMaster装置101(1)への経路には、伝送路遅延や中継装置の処理遅延などの固定遅延量と、遅延揺らぎ量ΔJsmのような可変遅延量とが存在し、これらの合計時間はtm4とtm3との時間差に相当する。なお、時刻tx2は、伝送路遅延だけの場合のDelayReqパケット152の受信時刻を示す。
ここで、DelayReqパケット152は、Syncパケット151と同様に、Slave部112(1)内部のインターバルタイマによって生成された送信間隔(DelayReqInterval(sec:秒))でMaster装置101(1)に送信される。
一方、DelayReqパケット152の受信側であるMaster装置101(1)内部のインターバルタイマによってDelayReqInterval(秒)が生成される。Slave部112(1)とMaster装置101(1)とのインターバルタイマをカウントするクロックの周波数が同期している場合、Slave部112(1)のDelayReqIntervalとMaster装置101(1)のDelayReqIntervalは等しい。
ここで、IEEE1588-2008の規格では、DelayReqパケット152の送信間隔DelayReqIntervalは、固定値(Unicastモデル)、もしくは、ランダム(Multicastモデル)とすることができると規定されている。
[Unicastモデルの場合]
DelayReqパケット152の送信間隔が固定値なので、Syncパケット151の場合と同様に、送信側のSlave装置102のインターバルタイマによって生成された送信間隔DelayReqInterval(秒)でDelayReqパケット152が送信される。一方、受信側のMaster装置101(1)は、内部のインターバルタイマによりSlave装置102と同じDelayReqIntervalの間隔がカウントされている。そして、Master装置101(1)は、内部のインターバルタイマの起点(終点)が示すDelayReqIntervalの時刻とDelayReqパケット152の受信時刻との時間差DelayReqGap_mを記録することで、DelayReqパケット152がパケット網103で受けた遅延揺らぎ量ΔJsmを求めることができる。
図2において、Master装置101(1)とSlave装置102との時刻が同期しているものとし、Slave装置102の時刻ts3は、Master装置101(1)の時刻tm3に対応する。また、Master装置101(1)のDelayReqIntervalとSlave装置102のDelayReqIntervalは、Unicastモデルの場合、同じ固定値である。
Slave装置102は、時刻ts3にDelayReqパケット152をMaster装置101(1)に送信する。ここで、Slave装置102は、DelayReqIntervalの送信間隔で毎回、時刻ts3にDelayReqパケット152をMaster装置101(1)に送信した場合でも、パケット網103における遅延揺らぎ量が有るため、Master装置101(1)がDelayReqパケット152を受信する時刻がばらつく。
図2の例では、DelayReqIntervalの時刻ts3にSlave装置102が送信したDelayReqパケット152は時刻tm4にMaster装置101(1)に受信される。そして、次のDelayReqIntervalの同じ時刻ts3にSlave装置102が送信したDelayReqパケット152は、Master装置101(1)とSlave部112(1)とのインターバルタイマをカウントするクロックの周波数が同期している場合、時刻tm4で受信されるはずである。しかし、パケット網103における遅延揺らぎの影響により、DelayReqパケット152の受信時刻が時刻tm4の前後にずれる。図2の例では、次のDelayReqパケット152を時刻tm4'に受信しているので、このときの時間差DelayReqGap_mは(tm4 - tm4') となる。この時間差DelayReqGap_mが遅延揺らぎ量ΔJsmである (式2)。
ΔJsm = DelayReqGap_m … (式2)
[Multicastモデルの場合]
Multicastモデルの場合のDelayReqパケット152の送信間隔DelayReqIntervalはランダムである。例えば、送信側のSlave部112(1)において、DelayReqパケット152の送信間隔は、平均が2log(MinDelayReqInterval)(秒)、範囲は0から2log(MinDelayReqInterval + 1)(秒)の一様分布に従って、ランダムに決定される。そして、Slave部112(1)は、ランダムに決定されたDelayReqIntervalの送信間隔でDelayReqパケット152をMaster装置101(1)に送信する。このとき、Slave部112(1)は、内部のインターバルタイマにより生成されたDelayReqIntervalの起点(終点)の時刻と、上記のようにして決定されたランダムの時間間隔で送信されるDelayReqパケット152の送信時刻と、の時間差DelayReqGap_sを記録する。一方、受信側のMaster装置101(1)は、Unicastモデルと同様に、内部のインターバルタイマにより生成されたDelayReqIntervalの起点(終点)の時刻と、DelayReqパケット152の受信時刻と、の時間差DelayReqGap_mを記録する。
そして、MulticastモデルにおけるDelayReqパケット152の遅延揺らぎ量は、送信時刻の遅延揺らぎ量を考慮して(式3)により求めることができる。
ΔJsm = DelayReqGap_m - DelayReqGap_s … (式3)
なお、例えばインターバルタイマのカウントの起点を0とし、インターバルタイマの起点より早い場合は負の値、遅い場合は正の値を取ることとする。
以上、図2で説明したように、Syncパケット151により、Master装置101(1)からSlave装置102への遅延揺らぎ量ΔJmsが求められ、DelayReqパケット152により、Slave装置102からMaster装置101(1)への遅延揺らぎ量ΔJsmが求められる。
図3は、Unicastにおいて、Master装置101(1)とSlave装置102のSlave部112(1)との間で送受信される各パケットの送受信間隔の一例を示す。図3において、横軸は時軸を示す。
図3(a)は、送信方向がMaster装置101(1)からSlave装置102への各パケットの送受信間隔の一例を示し、図3(b)は、送信方向がSlave装置102からMaster装置101への各パケットの送受信間隔の一例を示す。図3(a)において、Syncパケット151は、Master装置101(1)内部のインターバルタイマによって予め決められたSyncIntervalの送信間隔でMaster装置101(1)からSlave装置102へ送信される。例えば図3(a)の場合、Master装置101(1)が送信するSyncパケット(n-1)をSlave装置102が受信するまでの時間はt(n-1)である。同様に、Master装置101(1)が送信するSyncパケット(n)をSlave装置102が受信するまでの時間はt(n)、Syncパケット(n+1)をSlave装置102が受信するまでの時間はt(n+1)である。
ここで、Slave装置102内部のインターバルタイマは、Master装置101(1)と同じ予め決められたSyncIntervalの受信間隔を出力する。そして、遅延揺らぎが無い場合、インターバルタイマの起点(終点)の時刻と、Syncパケット151の受信時刻との時間差SyncGap_sは、Syncパケット151(n−1)とSyncパケット151(n)とSyncパケット151(n+1)とで同じになる。しかし、図2で説明したように、遅延揺らぎが有る場合、インターバルタイマの起点(終点)の時刻と、Syncパケット151の受信時刻との時間差SyncGap_sは、Syncパケット151(n−1)とSyncパケット151(n)とSyncパケット151(n+1)とで同じにならず、ばらつく。
このように、Slave装置102のSlave部112(1)は、内部のインターバルタイマの起点(終点)が示すSyncIntervalの時刻とSyncパケット151の受信時刻との時間差SyncGap_sを記録することで、Syncパケット151がパケット網103で受けた遅延揺らぎ量を求めることができる。
同様に、図3(b)において、DelayReqパケット152は、Slave部112(1)内部のインターバルタイマによって予め決められたDelayReqIntervalの送信間隔でSlave部112(1)からMaster装置101(1)へ送信される。例えば図3(a)の場合、Slave部112(1)が送信するDelayReqパケット152(n-1)をMaster装置101(1)が受信するまでの時間はt(n-1)である。同様に、Slave部112(1)が送信するDelayReqパケット152(n)をMaster装置101(1)が受信するまでの時間はt(n)、DelayReqパケット152(n+1)をMaster装置101(1)が受信するまでの時間はt(n+1)である。
ここで、Master装置101(1)内部のインターバルタイマは、Slave部112(1)と同じ予め決められたDelayReqIntervalの受信間隔を出力する。そして、遅延揺らぎが無い場合、インターバルタイマの起点(終点)の時刻と、DelayReqパケット152の受信時刻との時間差DelayReqGap_mは、DelayReqパケット152(n−1)とDelayReqパケット152(n)とDelayReqパケット152(n+1)とで同じになる。しかし、図2で説明したように、遅延揺らぎが有る場合、インターバルタイマの起点(終点)の時刻と、DelayReqパケット152の受信時刻との時間差DelayReqGap_mは、DelayReqパケット152(n−1)とDelayReqパケット152(n)とDelayReqパケット152(n+1)とで同じにならず、ばらつく。
このように、Master装置101(1)は、内部のインターバルタイマの起点(終点)が示すDelayReqIntervalの時刻とDelayReqパケット152の受信時刻との時間差DelayReqGap_mを記録することで、DelayReqパケット152がパケット網103で受けた遅延揺らぎ量を求めることができる。
ここで、図3(a)において、Master装置101(1)は、内部のインターバルタイマの起点(終点)が示すSyncIntervalの時刻とSyncパケットの送信時刻との時間差SyncGap_mをSyncIntervalの周期毎に求める。なお、時間差SyncGap_mは、ほとんど無視できる程度の微小の処理遅延であり、図3(a)には示していない。そして、Master装置101(1)は、求めた時間差SyncGap_mを次の周期のSyncパケット151のcorrectionFieldに付加して、Slave部112(1)に通知する。もしくは、Master装置101(1)は、Syncパケット151の送信時刻tm1をSlave部112(1)に通知するFollowupパケット(不図示)のcorrectionFieldに時間差SyncGap_mを付加して、Slave部112(1)に通知してもよい。これにより、送信側のMaster装置101(1)のSyncIntervalに対して、インターバルタイマの起点(終点)の時刻とSyncパケット151の送信時刻との時間差SyncGap_mを記録することで、Syncパケット151がMaster装置101(1)内(例えば処理時間のばらつきなど)で受けた遅延揺らぎ量を把握することができる。
また、DelayReqGap_mは、DelayRespパケット153のcorrectionFieldに付加され、Master装置101(1)からSlave部112(1)に通知される。一方、Slave部112(1)側で求められるSyncGap_sおよびDelayReqGap_sは、それぞれの値をSlave部112(1)側で保持し、時刻オフセット算出時に、各パケットの送受信時刻と共に使用される。
このようにして、Syncパケット151、DelayReqパケット152の相対的な遅延揺らぎ量が求められる。
図4は、Multicastにおいて、Master装置101(1)とSlave装置102のSlave部112(1)との間で送受信される各パケットの送受信間隔の一例を示す。図3において、横軸は時軸を示す。
図4(a)は、送信方向がMaster装置101(1)からSlave装置102へ送信されるSyncパケット151の送受信間隔の一例を示すが、Syncパケット151は固定間隔で送信されるので、図3(a)と同じであり、重複する説明は省略する。
図4(b)は、送信方向がSlave装置102からMaster装置101へ送信されるDelayReqパケット152の送受信間隔の一例を示す。図4(b)は、Unicastの図3(b)と異なり、DelayReqパケット152の送信間隔は、DelayReqIntervalではなく、平均が2log(MinDelayReqInterval)(秒)、範囲は0から2log(MinDelayReqInterval + 1)(秒)の一様分布に従って、ランダムに決定される。例えば、図4(b)において、DelayReqパケット152は、Slave部112(1)が上記の一様分布に従ってランダムに決められた送信間隔でSlave部112(1)からMaster装置101(1)へ送信される。例えば図4(b)の場合、DelayReqパケット152(n−1)とDelayReqパケット152(n)との間の送信間隔は、DelayReqパケット152(n)とDelayReqパケット152(n+1)との間の送信間隔よりも短い。このように、DelayReqパケット152の送信は、固定間隔ではなくランダムな間隔で行われる。つまり、図4(a)に示すように、送信側のSlave部112(1)がDelayReqパケット152を送信する時刻と、DelayReqIntervalの起点(終点)の時刻との間に時間差DelayReqGap_sが生じる。
一方、図4(b)において、Slave部112(1)が送信するDelayReqパケット152(n-1)をMaster装置101(1)が受信するまでの時間はt(n-1)である。同様に、Slave部112(1)が送信するSyncパケット(n)をMaster装置101(1)が受信するまでの時間はt(n)、Syncパケット(n+1)をMaster装置101(1)が受信するまでの時間はt(n+1)である。そして、例えばDelayReqパケット152(n)の場合、図3(b)と同じ考え方により、Master装置101(1)内部のインターバルタイマの起点(終点)の時刻と、DelayReqパケット152の受信時刻との時間差DelayReqGap_mを求めることができる。そして、遅延揺らぎ量ΔJsmは、送信側のSlave部112(1)のDelayReqGap_sと、受信側のMaster装置101(1)のDelayReqGap_mとの差として求めることができる。
(処理詳細)
次に、Slave装置102のSlave部112(1)における時刻offsetの算出方法について詳しく説明する。
Unicastモデルの場合、図3で説明したように、Syncパケット151の遅延揺らぎ量ΔJmsおよびDelayReqパケット152の遅延揺らぎ量ΔJsmは、(式4)および(式5)で求められる。
ΔJms = SyncGap_s … (式4)
ΔJsm = DelayReqGap_m … (式5)
なお、送信側の装置内で処理時間のばらつきなどにより生じた装置内遅延を差し引くようにしてもよい。この場合、例えば(式4)は、Master装置101(1)の装置内遅延をSyncGap_mとすると、パケット網で受けた遅延揺らぎ量ΔJmsは、SyncGap_s - SyncGap_mとして求めることができる。
また、Multicastモデルの場合、図4で説明したように、Syncパケット151の遅延揺らぎ量ΔJmsおよびDelayReqパケット152の遅延揺らぎ量ΔJsmは、(式6)および(式7)で求められる。なお、Syncパケット151のSyncIntervalは、Multicastモデルの場合でも固定値なので、Unicastモデルの場合と同じである。
ΔJms = SyncGap_s … (式6)
ΔJsm = DelayReqGap_m - DelayReqGap_s … (式7)
また、時刻offsetは、Master装置101(1)の時計に対するSlave部112(1)の時計の時刻差であり、(式8)で求められる。
offset = ts - tm … (式8)
なお、tm:Master装置101(1)の時刻、ts:Slave部112(1)の時刻を示す。
ここで、PTPパケットが対向装置に到達するまでの遅延時間Dは以下の関係がある。
遅延時間D = 伝送路遅延T + 装置処理遅延P + 遅延揺らぎΔJ … (式9)
ここで、D:Master装置101(1)の時刻、ts:Slave装置102の時刻を示す。
(リンク非対称の遅延時間差)
遅延時間は、Master装置101(1)からSlave装置102への方向と、Slave装置102からMaster装置101(1)への方向とで値が異なるというリンク非対称の問題がある。
各パラメータを以下の通り定義する。
Tms,Tsm:中継伝送路における伝送路遅延(固定値)
Pms,Psm:中継装置の処理遅延(固定値)
ΔJms,ΔJsm:中継装置でのパケット衝突による遅延揺らぎ量(可変値)
Dms,Dsm:遅延量
A:上り方向の遅延時間と下り方向の遅延時間との遅延時間差
ここで、Master装置101(1)とSlave部112(1)との間で送受信されるパケットの遅延量DmsおよびDsmは、(式10)および(式11)の関係がある。
Dms = Tms + Pms + ΔJms … (式10)
Dsm = Tsm + Psm + ΔJsm … (式11)
また、遅延揺らぎ量を補正した後の遅延量Dms’およびDsm’は、(式12)および(式13)で表され、上り方向の遅延時間と下り方向の遅延時間との遅延時間差Aは(式14)で表される。
Dms’= Tms + Pms … (式12)
Dsm’= Tsm + Psm … (式13)
A = Dms’- Dsm’
= (Tms + Pms) - (Tsm + Psm) … (式14)
次に、Slave部112(1)側での時刻のoffsetの算出およびリンク非対称の遅延時間差の補正方法について説明する。なお、offsetは、Master装置101(1)の時計に対するSlave部112(1)の時計の時刻のずれであり、(式15)で表される。
offset = ts - tm … (式15)
ここで、図1の0系の時刻パスにおいて、Master装置101(0)の時計に対するSlave装置102のSlave部112(0)の時計の時刻のずれをoffset(0)とすると、(式16)および(式17)の関係を有し、offset(0)は(式18)により導出される。
ts2(0) - tm1(0) = Tms(0) + offset(0) … (式16)
tm4(0) - ts3(0) = Tsm(0) - offset(0) … (式17)
offset(0) = [(ts2(0) - tm1(0)) - (tm4(0) - ts3(0)) - (Tms(0) - Tsm(0))] / 2 … (式18)
一方、図1の1系の時刻パスにおいて、Master装置101(1)の時計に対するSlave装置102のSlave部112(1)の時計の時刻のずれをoffset(1)とすると、(式19)および(式20)の関係を有し、offset(1)は(式21)により導出される。
ts2(1) - tm1(1) = Dms’(1) + ΔJms(1) + offset(1) … (式19)
tm4(1) - ts3(1) = Dsm’(1) + ΔJsm(1) - offset(1) … (式20)
offset(1) = [(ts2(1) - ΔJms(1) - tm1(1)) - (tm4(1) - ΔJsm(1) - ts3(1)) - (A(1))] / 2 … (式21)
ここで、遅延時間差Aは未知量であるため、Slave部112(1)の1系の時刻パスでは時刻誤差A(1)/2が生じる。このとき、Aに起因する時刻誤差ΔTは、0系の時刻パスと1系の時刻パスとの差分として(式22)により算出できる。
ΔT = ts(1) - ts(0)
= tm(1) - tm(0) + offset(1) - offset(0) … (式22)
そして、(式23)に示すように、時刻誤差ΔTを1系の時刻パスの時刻(ts(1))に加算することで、リンク非対称による遅延時間差を除去した時刻(ts(1)')を求めることができる。
ts(1)’ = ts(1) - ΔT … (式23)
以上のように、0系の時刻パスの時刻誤差と同程度に1系のパスの時刻をMaster装置101(1)の時刻に合せることが可能となる。本実施形態の処理を実施することで、1系の時刻パスにおいて、インターバルカウンタのカウント始点(終点)がMaster装置101(1)とSlave部112(1)との間でずれていることに起因する0系の時刻パスとの時刻誤差を解消できる。
また、一旦、Slave部112(1)の1系の時刻パスの時刻を1系のMaster装置101(1)に合せてしまえば、その後の固定的な時刻誤差は解消できる。可変的な時刻誤差は随時補正が可能であるため、リンク非対称の遅延時間差を補正した後で0系の時刻パスを廃止した場合でも、Slave部112(1)は、1系の時刻パス単独で高精度な時刻を維持することができる。
ここで、図1(a)のように、0系の時刻パスの接続が無い場合、遅延分布の測定に時間がかかるが、例えば特許文献1と同様の手法によりPTPパケットの遅延分布を測定し、遅延分布の最小値を基準に遅延揺らぎ量を把握し、補正を行う方法も実施可能である。
図5は、遅延分布の最小値を基準にして遅延揺らぎ量の補正を行う場合の各パケットの送受信例を示す。図5において、横軸は時軸を示す。なお、図5は、図4と同様のタイミングを示す。
図5(a)は、送信方向がMaster装置101(1)からSlave装置102への各パケットの送受信例を示し、図5(b)は、送信方向がSlave装置102からMaster装置101への各パケットの送受信例を示す。図5(a)において、Master装置101(1)は、Syncパケット151を一定の間隔で送信するが、Slave部112(1)が受信する間隔は、遅延揺らぎが生じるため一定にはならない。そこで、図5(a)に示すように、Slave装置102は、Syncパケット151の受信タイミングtr1と基準タイミングtrs1との差分SyncGap_sを受信周期毎に測定して遅延分布(確率密度分布)を計測する。そして、Slave部112(1)は、Syncパケット151の遅延分布の最小値を測定基準にしてSyncパケット151の遅延揺らぎを補正する。ここで、測定基準は、予め決められた学習期間における遅延分布を計測して、学習期間毎に変更する。例えば、Slave部112(1)は、Master装置101(1)からSyncパケット151を受信する毎に、その時点から過去の学習期間における遅延分布を計測して測定基準を変更する。
同様に、図5(b)において、Master装置101(1)は、Slave部112(1)からランダムに送信されるDelayReqパケット152を受信したときの(式7)で求められる時間差DelayReqGap_m - DelayReqGap_sを受信周期毎に測定して遅延分布を計測する。そして、Master装置101(1)は、DelayReqパケット152の遅延分布の最小値を測定基準にしてDelayReqパケット152の遅延揺らぎを補正する。ここで、測定基準は、図5(a)のSyncパケット151の場合と同様に、予め決められた学習期間における遅延分布を計測して、学習期間毎に変更する。
図6は、本実施形態に係るMaster装置101(1)およびSlave装置102のSlave部112(1)の一例を示す。
図6において、Master装置101(1)は、周波数生成部201、周波数抽出部202、Master時計203、PTP処理部204、遅延揺らぎ補正部205、送信部206、受信部207、タイマ制御部208、インターバルタイマ209、Gap算出部210、タイマ制御部211、インターバルタイマ212およびGap算出部213を有する。
周波数生成部201は、周波数抽出部202が出力する周波数成分に同期した周波数のクロックを生成する。
周波数抽出部202は、例えば外部から与えられる信号から周波数成分を抽出して周波数生成部201に出力する。
Master時計203は、Master装置101(1)の時刻情報を保持する時計である。
PTP処理部204は、IEEE1588-2008の規格に準拠した各種パケットの生成、シーケンス処理およびオフセット演算処理などを行う。例えばPTP処理部204は、遅延揺らぎ補正部205および送信部206を介してSlave装置102のSlave部112(1)との間でPTPパケット(Syncパケット151、DelayReqパケット152およびDelayRespパケット153など)を送受信して、Slave部112(1)がMaster時計203の時刻に同期するための時刻情報などを提供する。
遅延揺らぎ補正部205は、図3から図5で説明した方法により、遅延揺らぎ量を算出し、PTP処理部204が処理する時刻情報の補正やPTP処理部204が求めたオフセットの補正を行う。
送信部206は、Master装置101(1)からSlave部112(1)へPTPパケットを送信する送信回路を有する。そして、送信部206は、PTPパケットの送信タイミングの情報をタイマ制御部211に出力する。
受信部207は、Slave部112(1)から送信されるPTPパケットを受信する受信回路を有する。そして、受信部207は、PTPパケットの受信タイミングの情報をタイマ制御部208に出力する。
タイマ制御部208は、受信部207から入力する受信タイミングの情報に基づいて、インターバルタイマ209の動作を制御する。
インターバルタイマ209は、周波数生成部201が出力するクロックにより予め決められた時間をカウントするタイマである。なお、インターバルタイマ209は、タイマ制御部208により制御され、カウントの開始点や終了点をGap算出部210に出力する。
Gap算出部210は、受信部207が出力するPTPパケットの受信時刻と、インターバルタイマ209が出力するカウントの開始点(終了点)の時刻との時間差を算出し、遅延揺らぎ補正部205に出力する。
タイマ制御部211は、送信部206から入力する送信タイミングの情報に基づいて、インターバルタイマ212の動作を制御する。
インターバルタイマ212は、周波数生成部201が出力するクロックにより予め決められた時間をカウントするタイマである。なお、インターバルタイマ212は、タイマ制御部211により制御され、カウントの開始点や終了点をGap算出部213に出力する。
Gap算出部213は、送信部206が出力するPTPパケットの送信時刻と、インターバルタイマ212が出力するカウントの開始点(終了点)の時刻との時間差を算出し、遅延揺らぎ補正部205に出力する。
一方、図6において、Slave部112(1)は、周波数生成部301、周波数抽出部302、Slave時計303、PTP処理部304、遅延揺らぎ補正部305、送信部306、受信部307、タイマ制御部308、インターバルタイマ309、Gap算出部310、タイマ制御部311、インターバルタイマ312およびGap算出部313を有する。
周波数生成部301は、周波数抽出部302が出力する周波数成分に同期した周波数のクロックを生成する。
周波数抽出部302は、例えばMaster装置101(1)から受信する信号から周波数成分を抽出して周波数生成部301に出力する。
Slave時計303は、Slave部112(1)の時刻情報を保持する時計である。
PTP処理部304は、IEEE1588-2008の規格に準拠した各種パケットの生成、シーケンス処理およびオフセット演算処理などを行う。例えばPTP処理部304は、送信部306を介してMaster装置101(1)との間でPTPパケット(Syncパケット151、DelayReqパケット152およびDelayRespパケット153など)を送受信する。
遅延揺らぎ補正部305は、図3から図5で説明した方法により、遅延揺らぎ量を算出し、受信部307が受信した時刻を補正してPTP処理部304に出力する。
送信部306は、Slave部112(1)からMaster装置101(1)へPTPパケットを送信する送信回路を有する。そして、送信部306は、PTPパケットの送信タイミングの情報をタイマ制御部311に出力する。
受信部307は、Master装置101(1)から送信されるPTPパケットを受信する受信回路を有する。そして、受信部307は、PTPパケットの受信タイミングの情報をタイマ制御部308に出力する。
タイマ制御部308は、受信部307から入力する受信タイミングの情報に基づいて、インターバルタイマ309の動作を制御する。
インターバルタイマ309は、周波数生成部301が出力するクロックにより予め決められた時間をカウントするタイマである。なお、インターバルタイマ309は、タイマ制御部308により制御され、カウントの開始点や終了点の時刻をGap算出部310に出力する。
Gap算出部310は、受信部307が出力するPTPパケットの受信時刻と、インターバルタイマ309が出力するカウントの開始点(終了点)の時刻との時間差を算出し、遅延揺らぎ補正部305に出力する。
タイマ制御部311は、送信部306から入力する送信タイミングの情報に基づいて、インターバルタイマ312の動作を制御する。
インターバルタイマ312は、周波数生成部301が出力するクロックにより予め決められた時間をカウントするタイマである。なお、インターバルタイマ312は、タイマ制御部311により制御され、カウントの開始点や終了点の時刻をGap算出部313に出力する。
Gap算出部313は、送信部306が出力するPTPパケットの送信時刻と、インターバルタイマ312が出力するカウントの開始点(終了点)の時刻との時間差を算出し、遅延揺らぎ補正部305に出力する。
このようにして、本実施形態に係るMaster装置101(1)およびSlave装置102のSlave部112(1)は、インターバルタイマ209、インターバルタイマ211、インターバルタイマ309およびインターバルタイマ312を用いたPTPパケットの送受信間隔の時刻を基準にして、PTPパケットの送受信時刻との差から遅延揺らぎ量を測定することにより、遅延揺らぎ量を補正した正確な時刻オフセットを求めることができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る時刻同期方法および時刻同期装置は、Refパケットのような特殊な試験パケットを使用することなく、装置内のインターバルタイマを用いた簡易な構成で、PTPパケットの遅延揺らぎ量の測定を行うことができる。そして、Refパケットが不要となるので、Refパケットの送受信処理による通信帯域の消費がなくなり、Master装置およびSlave装置は、処理負荷が低減され、運用開始までのリードタイムを短縮することができる。
また、本実施形態に係る時刻同期方法および時刻同期装置は、冗長系間で遅延揺らぎなどによる時刻誤差を補正するので、冗長系間の切り替えを行った場合でも時刻跳躍などが生じることなく、時刻同期サービスの利用者に影響を与えることがなくなる。
さらに、PTPパケットにリンク非対称の遅延時間差がある場合でも、遅延揺らぎ量やリンク非対称の遅延時間差が無い0系の時刻パスの時刻誤差を用いることにより、遅延揺らぎ量やリンク非対称の遅延時間差が無い0系の時刻パスの時刻誤差と同程度に、遅延揺らぎ量やリンク非対称の遅延時間差が有る1系の時刻パスの時刻を同期させることができる。これにより、0系の時刻パスと1系の時刻パスとの時刻誤差を解消することができ、0系の時刻パスの冗長系として1系の時刻パスに切り替えた場合でも、切り替え時の時刻跳躍などの問題を防止することができる。
101,101(0),101(1)・・・Master装置;102・・・Slave装置;103・・・パケット網;104・・・伝送路;201,301・・・周波数生成部;202,302・・・周波数抽出部;203・・・Master時計;204,304・・・PTP処理部;205,305・・・遅延揺らぎ補正部;206,306・・・送信部;207,307・・・受信部;208,211,308,311・・・タイマ制御部;209,212,309,312・・・インターバルタイマ;210,213,310,313・・・Gap算出部;303・・・Slave時計

Claims (6)

  1. 基準時刻を有するマスター装置とスレーブ装置との間で時刻情報を含む時刻同期パケットを送受信して前記スレーブ装置の時刻を前記マスター装置の時刻に同期させる時刻同期方法において、
    マスター装置は、第1の計時部が出力する時間間隔で前記時刻同期パケットを送信し、
    スレーブ装置は、前記第1の計時部と同じ周期の時間間隔を出力する第2の計時部を有し、前記マスター装置が送信した前記時刻同期パケットの受信時刻と、前記第2の計時部が出力する時刻との第1の時間差を遅延揺らぎ量として求め、前記遅延揺らぎ量に基づき前記マスター装置から受信する時刻同期パケットの受信時刻を補正する
    ことを特徴とする時刻同期方法。
  2. 請求項1に記載の時刻同期方法において、
    前記スレーブ装置は、前記遅延揺らぎ量で補正された前記時刻同期パケットの受信時刻に基づいて前記マスター装置の時刻と自装置の時刻とのオフセットを算出し、算出した前記オフセットにより自装置の時刻を補正して前記マスター装置の時刻に同期させる
    ことを特徴とする時刻同期方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時刻同期方法において、
    前記マスター装置は、送信間隔をランダムに変動させて前記時刻同期パケットを送信し、前記時刻同期パケットの送信時刻と前記第1の計時部が出力する時刻との第2の時間差を算出して前記スレーブ装置に通知し、
    前記スレーブ装置は、前記第1の時間差と前記第2の時間差との差分を前記遅延揺らぎ量として求める
    ことを特徴とする時刻同期方法。
  4. 基準時刻を有するマスター装置が予め決められた時間間隔で送信する時刻同期パケットを受信する受信部と、
    前記マスター装置が前記時刻同期パケットを送信する時間間隔と同じ時間間隔を出力する第1の計時部と、
    前記受信部が前記時刻同期パケットを受信した時刻と前記計時部が出力する時刻との第1の時間差を求める算出部と、
    前記算出部が求めた前記第1の時間差により、前記受信部が前記マスター装置から受信する時刻同期パケットの受信時刻を補正する遅延揺らぎ補正部と
    を有することを特徴とする時刻同期装置。
  5. 請求項4に記載の時刻同期装置において、
    前記遅延揺らぎ補正部が補正した前記時刻同期パケットの時刻情報に基づいて前記マスター装置の時刻と自装置の時刻とのオフセットを算出し、算出した前記オフセットにより自装置の時刻を補正して前記マスター装置の時刻に同期させる時刻同期部をさらに有する
    ことを特徴とする時刻同期装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の時刻同期装置において、
    前記遅延揺らぎ補正部は、前記マスター装置が送信間隔をランダムに変動させて送信する前記時刻同期パケットの送信時刻と前記予め決められた時間間隔との第2の時間差を示す情報を前記マスター装置から受信し、前記第1の時間差と前記第2の時間差との差分を前記遅延揺らぎ量として求める
    ことを特徴とする時刻同期装置。
JP2015028644A 2015-02-17 2015-02-17 時刻同期方法および時刻同期装置 Active JP6385849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015028644A JP6385849B2 (ja) 2015-02-17 2015-02-17 時刻同期方法および時刻同期装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015028644A JP6385849B2 (ja) 2015-02-17 2015-02-17 時刻同期方法および時刻同期装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016152487A true JP2016152487A (ja) 2016-08-22
JP6385849B2 JP6385849B2 (ja) 2018-09-05

Family

ID=56696816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015028644A Active JP6385849B2 (ja) 2015-02-17 2015-02-17 時刻同期方法および時刻同期装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6385849B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101836837B1 (ko) 2017-09-25 2018-03-09 주식회사 엔토소프트 측위 시스템 내 시간 차이 보상 방법 및 그에 따른 측위 시스템
CN113518420A (zh) * 2020-04-09 2021-10-19 华为技术有限公司 通信方法以及通信装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005184092A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Nec Saitama Ltd クロック同期システムおよびクロック同期方法
JP2014032055A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Hitachi Ltd 通信システム
JP2014086857A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 周波数同期精度監視方法、周波数同期精度監視装置、通信方法、及び通信システム
WO2014073293A1 (ja) * 2012-11-08 2014-05-15 ソニー株式会社 通信装置、通信システム、および同期処理方法、並びにプログラム
JP5518805B2 (ja) * 2011-07-27 2014-06-11 日本電信電話株式会社 時刻同期方法および時刻同期装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005184092A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Nec Saitama Ltd クロック同期システムおよびクロック同期方法
JP5518805B2 (ja) * 2011-07-27 2014-06-11 日本電信電話株式会社 時刻同期方法および時刻同期装置
JP2014032055A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Hitachi Ltd 通信システム
JP2014086857A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 周波数同期精度監視方法、周波数同期精度監視装置、通信方法、及び通信システム
WO2014073293A1 (ja) * 2012-11-08 2014-05-15 ソニー株式会社 通信装置、通信システム、および同期処理方法、並びにプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101836837B1 (ko) 2017-09-25 2018-03-09 주식회사 엔토소프트 측위 시스템 내 시간 차이 보상 방법 및 그에 따른 측위 시스템
CN113518420A (zh) * 2020-04-09 2021-10-19 华为技术有限公司 通信方法以及通信装置
CN113518420B (zh) * 2020-04-09 2023-04-07 华为技术有限公司 通信方法以及通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6385849B2 (ja) 2018-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9923656B2 (en) Methods, systems, and computer readable media for testing recovered clock quality
JP5561426B2 (ja) 同期システム、同期方法、第一の同期装置、第二の同期装置及びコンピュータプログラム
Lipiński et al. White rabbit: A PTP application for robust sub-nanosecond synchronization
US9634782B2 (en) Clock synchronization system, clock synchronization method, and storage medium whereupon clock synchronization program is stored
JP6058713B2 (ja) 時刻同期方法および時刻同期装置
EP3284217B1 (en) Methods, systems, and computer readable medium for synchronizing timing among network interface cards (nics) in a network equipment test device
US8819161B1 (en) Auto-syntonization and time-of-day synchronization for master-slave physical layer devices
EP2725728B1 (en) Method and device for assessing the performance of one or more packet synchronization services in a packet data transmission network
US20120250704A1 (en) Network node, time synchronization method and network system
WO2018006686A1 (zh) 一种通信网络设备间时间同步的优化方法、装置及设备
WO2014083725A1 (ja) 同期装置、同期システム、無線通信装置及び同期方法
KR101685856B1 (ko) 보정 파라미터 산출 장치 및 시스템 및 보정 파라미터 산출 방법 및 컴퓨터 프로그램
KR20170095234A (ko) 네트워크 디바이스들의 클록들을 동기화하는 방법
WO2013099026A1 (ja) ノード装置および時刻同期方法
RU2554538C2 (ru) Синхронизация тактовых генераторов для дифференциальной защиты линии
WO2013143385A1 (en) Calculating time offset
JP2017069669A (ja) 時刻同期装置、基地局装置、及び、時刻同期方法
JP2013030892A (ja) 時刻同期方法および時刻同期装置
WO2011074529A1 (ja) 時刻同期システム、スレーブノード、時刻同期方法及び時刻同期用プログラム
JP5650072B2 (ja) 周波数・時刻同期方法および周波数・時刻同期装置
JP6385849B2 (ja) 時刻同期方法および時刻同期装置
JP2013098788A (ja) 時刻同期システムおよび時刻同期方法
CN113965288A (zh) 提高精确时间协议ptp时间同步精度的方法和装置
KR101176798B1 (ko) 슬레이브 장치와 마스터 장치 간의 클락 동기화 방법
WO2013161110A1 (ja) 通信システム、通信装置および時刻情報補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170203

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6385849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150