JP3830370B2 - プロピレン系重合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、剛性、耐熱性に優れると共に高分子量成分が多く、成形加工性、外観性に優れたプロピレン系重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン系重合体は、剛性、耐熱性、成形性、透明性、耐薬品性に優れるという特徴が着目され、各種工業用材料、各種容器、日用品、フィルムおよび繊維などの種々の用途で広く使用されている。
【0003】
一般的に、メタロセン遷移金属化合物を用いたメタロセン触媒は、活性が高く、また、得られるプロピレン系重合体は立体構造性に優れていることから優れた物性を示すため広く用いられているが、反面、メタロセン触媒を用いて製造したプロピレン系重合体は分子量分布が狭く、このため、メモリーエフェクト(ME)が小さくなって、成形加工性に劣るという欠点があった。MEは、樹脂の非ニュートン性をあらわすの一つの尺度となる値であり、値が大きい程分子量分布が広く、特に高分子量成分の影響によって、成形加工性に対して良好な傾向を示す。
【0004】
またMEの大きいプロピレン系重合体を得る方法としては、特定のマグネシウム担持型チーグラーナッタ触媒を用いて重合を行う方法が知られているが、冷キシレン可溶分(CXS)も多いことから、べたつき、あるいは、剛性、耐熱性が悪化するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みて剛性、耐熱性、に優れるばかりでなく、高分子量成分が多く、成形加工性に優れたプロピレン系重合体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の物性値を有するプロピレン系重合体、CXSが少ないにもかかわらず、立体規則性に優れ、かつMEが大きいという特徴を有するプロピレン系重合体を提供することにより、上記課題を解決することを見出したものである。
【0007】
すなわち、本発明のプロピレン系重合体は、下記の範囲の物性値を有することを特徴とする。
(1)230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレイト(MFR)が0.1〜1000g/10分、
(2)13C−NMRで測定したアイソタクチックトリアッド分率(mm)が99.0%以上、
(3)ゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー(GPC)で測定したQ値(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)が2.0〜6.0、
(4)230℃、2.16kg荷重で測定したMFRと、190℃、オリフィス径1.0mmで測定したメモリーエフェクト(ME)が、下記式(I)を満足する関係
(ME)≧−0.26×log(MFR)+1.40 (I)
(5)23℃におけるキシレンへの溶解量(CXS)(単位:重量%)が下記式(II)を満足する関係、
CXS≦0.5×[C2]+0.2×log(MFR)+0.5 (II)
(ただし[C2]はポリマー中のエチレン単位含有量(重量%)を表す。)
(6)DSCで測定した融点(Tm)が120℃以上であること
また本発明は、プロピレン系重合体がメタロセン触媒を用いて重合されたものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は以下に記載した物性条件(1)〜(6)を保持する新規なプロピレン系重合体を提供するものである。
条件(1) MFR
本発明のプロピレン系重合体は、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレイト(MFR)が0.1〜1000g/10分の範囲にある。MFRが0.1を下回るとポリマーの流動性が極端に悪くなり、成形加工にとって好ましくない。またMFRが1000を超えるとポリマーの耐衝撃強度が極端に低下するため好ましくない。
好ましくは0.5〜500の範囲である。MFRの大きさによって好ましい用途が限定されるが、射出成形に使用する場合はMFRが10〜300,フィルム、シート成形に用いる場合は、MFRが0.5〜10、より好ましくは1.0〜10の範囲である。
【0009】
条件(2) 立体規則性
本発明のプロピレン系重合体は頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部の、13C−NMRで測定したアイソタクチックトリアッド分率、即ち、ポリマ−鎖中の任意のプロピレン単位3連鎖中、各プロピレン単位が頭−尾で結合し、かつプロピレン単位中のメチル分岐の方向が同一であるプロピレン単位3連鎖の割合が99%以上、好ましくは99.5%以上のものである。なお、アイソタクチックトリアッド分率を以下、mm分率と記載することがある。
【0010】
このアイソタクチックトリアッド分率(mm分率)は、ポリプロピレン分子鎖中のメチル基の立体構造がアイソタクティックに制御されていることを示す値であり、高いほど高度に制御されていることを意味する。この値が上記範囲未満であると、耐熱性に劣るという欠点がある。
ここで、13C−NMRスペクトルの測定は下記の方法によっておこなうことができる。13C−NMRスペクトルは、10mmφNMR用サンプル管の中で、350〜500mgの試料をo−ジクロロベンゼン約2.0mlにロック溶媒である重水素化ベンゼン約0.5mlを加えた溶媒中で完全に溶解させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法で測定する。測定条件は、フリップアングル65°、パルス間隔5T1以上(T1は、メチル基のスピン格子緩和時間のうち、最長の値)が選択される。プロピレン重合体においてメチレン基およびメチン基のT1はメチル基より短いので、この測定条件では全ての炭素の磁化の回復は99%以上となる。
【0011】
本発明のプロピレン系重合体のNMRピークの同定方法は、特開平10−273507に記載の公知の方法に従う。
すなわち、ケミカルシフトは頭−尾結合し、メチル分岐の方向が同一であるプロピレン単位5連鎖の第3単位目のメチル基を21.8ppmとして設定し、他の炭素ピ−クのケミカルシフトはこれを基準とする。この基準では、PPP[mm]で示されるプロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくピ−クは21.3〜22.2ppmの範囲に、PPP[mr]で示されるプロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくピ−クは20.5〜21.3ppmの範囲に、PPP[rr]で示されるプロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくピ−クは19.7〜20.5ppmの範囲に現れる。
【0012】
条件(3) 分子量分布(Q値)
本発明のプロピレン系重合体の分子量分布は、ゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー(GPC)で測定したQ値(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)は2.0〜6.0の範囲とされる。Q値が2.0より低いときはポリマー成型加工時に樹脂圧が上昇し運転上好ましくない。また、Q値が6.0を上回る場合、分子量分布は低分子量側にも広がり、結果的に低分子量成分も増加してしまうため、剛性等の物性が低下し好ましくない。本発明の重合体においては、低分子量成分やCXS成分が本質的に少ないため、成形加工特性を重視し、好ましいQ値の範囲は4.0〜6.0、さらに好ましくは4.0〜5.0である。
【0013】
条件(4) MEとMFRの相関
本発明のプロピレン系重合体においては、ポリマー中の高分子量成分の存在比率を表す指標となるメモリーエフェクト(ME)とポリマーの平均分子量を表す指標であるMFRとの相関が特定の関係(下記式(I))にあることを特徴とする。
(ME)≧−0.26×log(MFR)+1.40 (I)
MEはMFRと1次の相関を有することが経験的に知られている。一般には分子量が大きくなるほど(すなわちMFRの値が小さくなるほど)、高分子量成分の影響が強く現れるためMEの値は大きくなる。本発明の重合体は、MFR見合いでのMEが従来公知のポリマーと比較して大きいことが特徴である。高分子量成分の量が多いと成形特性に優れることが知られており、本発明のプロピレン系重合体は成形特性に優れる。より好ましくは下記式(I−1)を満足することである。
(ME)≧−0.26×log(MFR)+1.55 (I−1)
【0014】
条件(5) CXS
本発明においては、プロピレン系重合体は共重合体であってもよい。本発明の(共)重合体は、ポリマー中の低結晶成分量の指標となる23℃におけるキシレンへの溶解量(CXS)と、ポリマー分子量の指標となるMFRおよびポリマーの結晶性の一指標となるポリマー中のエチレン単位含有量[C2](単位:重量%)が特定の関係式(下記式(II))を満足する関係にあることを特徴とする。プロピレン単独重合体の場合、下記式において[C2]をゼロとすればよい。CXSはMFRおよびエチレン含有量と一次の相関があることが経験的に知られている。一般には分子量が小さくなるほど(すなわちMFRの値が大きくなるほど)、溶媒に溶けやすくなるためCXSの値は大きくなる。またエチレン含有量が多くなるほどポリマーの結晶性が低下し、溶媒に溶けやすくなることからCXSの値は大きくなる。本発明におけるエチレンコモノマーの含有量は0〜5重量%の範囲であるが、ホモポリマーであることが好ましい。
CXS≦0.5×[C2]+0.2×log(MFR)+0.5 (II)
(ただし[C2]はポリマー中のエチレン単位含有量(重量%)を表す。)
【0015】
本発明においては、CXSが少ないことが特徴であり、成型品のべたつきや剛性、耐熱性の低下等の原因となる低結晶成分や低分子量成分が少ない。
より好ましくは、下記式(II−1)、
CXS≦0.5×[C2]+0.2×log(MFR)+0.5 (II−1)
さらに好ましくは下記式(II−2)で表される関係にある重合体である。
CXS≦0.5×[C2]+0.2×log(MFR)+0.3 (II−2)
【0016】
条件(6) 融点(Tm)
本発明のプロピレン系重合体は、DSCで測定した融点Tm(℃)が130℃以上であることを特徴とする。剛性、耐熱性に重点が置かれる用途の場合、重合時に使用するコモノマー量を減らし、ポリマー中のエチレン含有量を小さくすることにより融点を向上させることができる。一般的に、エチレン含有量が5.0重量%程度であれば、プロピレン−エチレンランダム共重合体の融点はおおよそ120℃となる。本発明におけるポリマーの融点は、好ましくは149℃以上、より好ましくは155℃以上、さらに好ましくは158℃以上である。
【0017】
<プロピレン重合体の製造>
本発明によるプロピレン重合体を製造する方法は、上記の物性を満足するプロピレン重合体を与えるものであれば、特に限定はされないが、その中でも、本発明の重合体を製造するのに好適な触媒系は、メタロセン触媒であり、特定のメタロセン触媒を用いることが好ましい。たとえば、下記に示すような触媒を用いて製造することができる。
【0018】
成分A:後述する遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種のメタロセン化合物と、
成分B:イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物と、必要に応じて
成分C:有機アルミニウム化合物
(成分A)
本発明におけるプロピレン重合体を製造するに好ましい重合触媒を形成する成分A遷移金属化合物は、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物である。
【0019】
【化1】
Figure 0003830370
【0020】
[ここで、Qは2つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を示し、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる金属原子を示し、そして、XおよびYはMと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示し、そして、R1、R3はそれぞれ水素、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、または、リン含有炭化水素基を示し、さらに、R2はそれぞれ水素、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、または、リン含有炭化水素基を示し、それらの中でも好ましくは炭素数が6〜16のアリール基を示す。]
Qは、2つの共役五員環配位子を架橋する2価の結合性基を表し、たとえば、(イ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の2価の炭化水素基、
(ロ)シリレン基ないしオリゴシリレン基、
(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基を置換基として有するシリレンあるいはオリゴシリレン基、
(ニ)ゲルミレン基、または
(ホ)炭素数1〜20の炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基、
等が例示される。この中でも好ましいものはアルキレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基である。
【0021】
XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち同一でも異なってもよく、次のものを示す。
(イ)水素、(ロ)ハロゲン、(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基、または、(ニ)酸素、窒素、あるいは、ケイ素を含有する炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基、
このうちで好ましいものとしては、水素、塩素、メチル、イソブチル、フェニル、ジメチルアミド、ジエチルアミド基等を例示することができる。
【0022】
1、R3は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基等が例示される。また、炭化水素基以外に、ハロゲン、ケイ素、窒素、酸素、ホウ素、リン等を含有する、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホウ素基、等を典型的な例として例示できる。これらの中で、炭化水素基であることが好ましく、特に、メチル、エチル、プロピル、ブチルであることが特に好ましい。
【0023】
2はそれぞれ水素、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基を示し、それらの中でも好ましくは炭素数が6〜16のアリール基であり、具体的にはフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニルなどである。
【0024】
また、これらのアリール基は、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、窒素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基で置換されたものであってもよい。これらのうち、好ましいのは、フェニル、ナフチルである。
【0025】
Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムの中から選ばれる金属であり、好ましくはジルコニウムである。
本発明における、請求項1の(1)〜(6)の特徴を有する特定のプロピレン系重合体は、専ら、請求項2に記載した、好適なメタロセン触媒を選択し重合することにより、各実施例に記載されているように、容易に製造することができる。
即ち、この特定のプロピレン系重合体は、各実施例における、成分A:ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル]}ハフニウムまたはジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリドのいずれかの遷移金属化合物
成分B:イオン交換性層状珪酸塩より選ばれた少なくとも1種の化合物
必要に応じて、成分C:有機アルミニウム化合物
を成分とする重合触媒を用いることにより容易に製造することができる。
【0026】
上記遷移金属化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。
1.エチレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
2.エチレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
3.エチレンビス(2−メチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
4.エチレンビス(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
5.エチレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
6.エチレンビス(2−エチル−4−ビフェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
7.エチレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
8.イソプロピリデンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
9.イソプロピリデンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
10.イソプロピリデンビス(2−メチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
【0027】
11.イソプロピリデンビス(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
12.イソプロピリデンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
13.イソプロピリデンビス(2−エチル−4−ビフェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
14.イソプロピリデンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
15.ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
16.ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
17.ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
18.ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
19.ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
20.ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−ビフェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
【0028】
21.ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
22.ジフェニルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
23.ジフェニルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
24.ジフェニルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
25.ジフェニルシリレンビス(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
26.ジフェニルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
27.ジフェニルシリレンビス(2−エチル−4−ビフェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
28.ジフェニルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
29.ジメチルゲルミレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
30.ジメチルゲルミレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
【0029】
31.ジメチルゲルミレンビス(2−メチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
32.ジメチルゲルミレンビス(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
33.ジメチルゲルミレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
34.ジメチルゲルミレンビス(2−エチル−4−ビフェニル−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
35.ジメチルゲルミレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド
36.ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(3−クロロ−4−tブチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド
等が例示される。
【0030】
これらの中では特に、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(3−クロロ−4−tブチル−4H−アズレニル))ハフニウムジクロリド、が好ましい。
【0031】
なお、命名法は、前記一般式(1)に示す2位および4位が置換された2,4−置換アズレン骨格を有する遷移金属化合物の錯化前の化合物の構造に基づいて、有機化学生命化学命名法(上)平山健三、平山和雄編(南江堂)により行った。
【0032】
また、上記に示すヒドロアズレン骨格を有する遷移金属化合物は、1,4−ジヒドロアズレン、2,4−ジヒドロアズレン、3,4−ジヒドロアズレン、3a,4−ジヒドロアズレン、4,8a−ジヒドロアズレン骨格を有する錯化前の化合物から得られる遷移金属化合物、またはこれらの骨格を有する錯化前の化合物の混合物から得られる遷移金属化合物であるか、1,6−ジヒドロアズレン、2,6−ジヒドロアズレン、3,6−ジヒドロアズレン、3a,6−ジヒドロアズレン、6,8a−ジヒドロアズレン骨格を有する錯化前の化合物から得られる遷移金属化合物、またはこれらの骨格を有する錯化前の化合物の混合物らか得られる遷移金属化合物であるか、1,8−ジヒドロアズレン、2,8−ジヒドロアズレン、3,8−ジヒドロアズレン、3a,8−ジヒドロアズレン、8,8a−ジヒドロアズレン骨格を有する錯化前の化合物から得られる遷移金属化合物、またはこれらの骨格を有する錯化前の化合物の混合物から得られる遷移金属化合物であることを意味する。
【0033】
また、これらの化合物のクロリドの一方あるいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド等に代わった化合物も例示することができる。さらに、上記のジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム等に代わった化合物も例示することができる。
【0034】
(成分B)
本発明において、成分Bとして用いられるイオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオンが交換可能なものをいう。大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
【0035】
イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチ−ブンサイト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バ−ミキュライト族、雲母族が好ましい。
【0036】
また成分Bは特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、成分Bに化学処理を施すことも好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の結晶構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。
【0037】
本発明においては、塩類で処理される前の、イオン交換性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交換することが好ましい。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用いられる塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンとCl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C24、ClO4、OOCCH3、CH3COCHCOCH3、OCl2、O(NO32、O(ClO42、O(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OOCH、OOCCH2CH3、C244およびC557から成る群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物である。
【0038】
具体的には、LiF、LiCl、LiBr、LiI、Li2SO4、Li(CH3COO)、LiCO3、Li(C657)、LiCHO2、LiC24、LiClO4、Li3PO4CaCl2、CaSO4、CaC24、Ca(NO32、Ca3(C6572、MgCl2、MgBr2、MgSO4、Mg(PO42、Mg(ClO42、MgC24、Mg(NO32、Mg(OOCCH32、MgC444、Ti(OOCCH34、Ti(CO32、Ti(NO34、Ti(SO42、TiF4、TiCl4、Zr(OOCCH34、Zr(CO32、Zr(NO34、Zr(SO42、ZrF4、ZrCl4、ZrOCl2、ZrO(NO32、ZrO(ClO42、ZrO(SO4)、HF(OOCCH34、HF(CO32、HF(NO34、HF(SO42、HFOCl2、HFF4、HFCl4、V(CH3COCHCOCH33、VOSO4、VOCl3、VCl3、VCl4、VBr3、Cr(CH3COCHCOCH33、Cr(OOCCH32OH、Cr(NO33、Cr(ClO43、CrPO4、Cr2(SO43、CrO2Cl2、CrF3、CrCl3、CrBr3、CrI3、Mn(OOCCH32、Mn(CH3COCHCOCH32、MnCO3、Mn(NO32、MnO、Mn(ClO42、MnF2、MnCl2、Fe(OOCCH32、Fe(CH3COCHCOCH33、FeCO3、Fe(NO33、Fe(ClO43、FePO4、FeSO4、Fe2(SO43、FeF3、FeCl3、FeC657、Co(OOCCH32、Co(CH3COCHCOCH33、CoCO3、Co(NO32、CoC24、Co(ClO42、Co3(PO42、CoSO4、CoF2、CoCl2、NiCO3、Ni(NO32、NiC24、Ni(ClO42、NiSO4、NiCl2、NiBr2、Zn(OOCCH32、Zn(CH3COCHCOCH32、ZnCO3、Zn(NO32、Zn(ClO42、Zn3(PO42、ZnSO4、ZnF2、ZnCl2、AlF3、AlCl3、AlBr3、AlI3、Al2(SO43、Al2(C243、Al(CH3COCHCOCH33、Al(NO33、AlPO4、GeCl4、GeBr4、GeI4、等が挙げられる。
【0039】
酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
【0040】
酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理に用いる塩類および酸は、2種以上であってもよい。塩類および酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜50重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩から成る群より選ばれた少なくとも一種の化合物を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は、一般的には水溶液で用いられる。
【0041】
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して成分Bとして使用するのが好ましい。
【0042】
イオン交換性層状珪酸塩の吸着水および層間水の加熱処理方法は特に制限されないが、層間水が残存しないように、また構造破壊を生じないよう条件を選ぶことが必要である。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、除去した後の成分Bの水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下、であることが好ましい。
【0043】
以上のように、本発明において、成分Bとして、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有率が3重量%以下のイオン交換性層状珪酸塩である。
【0044】
また成分Bは、平均粒径が5μm以上の球状粒子を用いるのが好ましい。粒子の形状が球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用してもよいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒径を制御したものを用いてもよい。
【0045】
ここで用いられる造粒法は例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられるが、市販品を利用することもできる。また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダ−を用いてもよい。
【0046】
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉の生成を抑制するためには0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上の圧縮破壊強度を有することが望ましい。このような粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有効に発揮される。
【0047】
(成分C)
本発明での好ましい重合触媒において、必要に応じて成分Cとして用いられる有機アルミニウム化合物の例は、
一般式 AlRa3-a
(式中、Rは炭素数1から20の炭化水素基、Pは水素、ハロゲン、アルコキシ基、aは0<a≦3の数)で示されるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムまたはジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウムである。またこの他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類等も使用できる。これらのうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
【0048】
<触媒の調製/使用>
成分A、成分Bおよび必要に応じて成分Cを接触させて触媒とする。その接触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時、またはオレフィンの重合時に行ってもよい。
【0049】
1)成分Aと成分Bを接触させる
2)成分Aと成分Bを接触させた後に成分Cを添加する
3)成分Aと成分Cを接触させた後に成分Bを添加する
4)成分Bと成分Cを接触させた後に成分Aを添加する
そのほか、三成分を同時に接触させてもよい。
【0050】
この触媒各成分の接触に際し、または接触の後にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触させてもよい。
接触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃〜溶媒の沸点の間で行い、特に室温から溶媒の沸点の間で行うのが好ましい。
【0051】
このようにして得られた触媒は、調製後に不活性溶媒、特に炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタンなどで洗浄せずに用いてもよく、また該溶媒を使用して洗浄した後に用いてもよい。
【0052】
また、必要に応じて新たに前記成分Cを組み合わせて用いてもよい。この際に用いられる成分Cの量は、成分A中の遷移金属に対する成分C中のアルミニウムの原子比で1:0〜10000になるように選ばれる。
【0053】
重合の前に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のオレフィンを予備的に重合させ、必要に応じて洗浄したものを触媒として用いることもできる。
【0054】
この予備的な重合は、不活性溶媒中で穏和な条件で行うことが好ましく、固体触媒1gあたり、0.01〜1000g、好ましくは0.1〜100g、の重合体が生成するように行うことが望ましい。
重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは不存在下に行われる。温度は−50℃〜250℃であり、圧力は特に制限されないが、好ましくは常圧〜約2000kg・f/cm2の範囲である。重合は回分式、連続式、半回分式のいずれの方法によっても実施可能である。
【0055】
また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させることにより、分子量および分子量分布を制御して所望の重合体を得ることができる。
本発明においては記述した触媒系のうち、特定のメタロセン錯体と、成分Bのうちでモンモリロナイトを組み合わせた場合、通常のメタロセン活性点と比較して、水素応答性が低い活性点も生成し、高分子量成分が生成する。分子量調節剤である水素が存在しても、高分子量成分の存在量をほとんど維持したまま、重量平均分子量を調節することができ、樹脂加工成形性に適した分子量分布Q値の範囲に収めることができる。
【0056】
さらにQ値は重合温度や重合圧力にも依存することから、これらの条件を最適化することによってもQ値を所望の値に収めることができる。
【0057】
重合系内の水素濃度の経時変化は生成ポリマーの分子量だけでなくその分布にまで大きな影響を与える。例えば水素一括フィードの場合、所望のMFRを得るためには、水素の経時消費にともなう生成ポリマーの分子量のズレを織り込んで水素フィード量の初期条件を決定する必要があるが、このような場合、MFRを調節することはできても、低分子量ポリマーが大量に生成し、製品物性に悪影響を与えるため好ましくない。
したがって、本発明においては、水素濃度が重合中一定濃度になるように、連続的に導入することが好ましい。
【0058】
このとき水素に関しては、回分法によりバルク重合を行った場合も気相重合を行う場合にも、オートクレーブ中の気相部の水素濃度が重合中一定濃度になるように、連続的に導入することが好ましい。制御範囲としては、濃度1ppmから10000ppmの任意の値に設定することができる。
【0059】
また連続重合法を用いるときにも同様の手法を用いることが好ましい。濃度設定の範囲も水素濃度1ppmから10000ppmの範囲で任意に設定できる。これら手法により、本発明の物性を有する所望の重合体を得ることができる。
【0060】
本発明で開示する重合体の物性を損なわない範囲内で、エチレン以外のα−オレフィン(C4〜C6)を少量加えて共重合を行っても良い。このとき使用するαオレフィンの量はプロピレンに対して6.0モル%まで加えてもよい。
【0061】
【実施例】
下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。本発明はその要旨を逸脱しないかぎりこれら実施例によって制約を受けるものではない。
【0062】
なお、以下の触媒合成工程および重合工程は、すべて精製窒素雰囲気下で行った。また溶媒は、モレキュラーシーブMS−4Aで脱水したものを用いた。
【0063】
以下本発明における各物性値の測定方法および装置を以下に示す。試料プロピレン系樹脂と、IRGANOX1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、IRGAFOS168チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、カルシウムステアレート0.05重量%の配合割合(重量%)で配合し、単軸押出機にて混練、造粒してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた試料ペレットについて下記の測定を行った。
【0064】
(1)MFR(メルトフローレイト):
装置 タカラ社製 メルトインデクサー
測定方法 MFR(単位:g/10分)はJIS−K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
【0065】
(2)GPC:
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnは、ウォ−タ−ズ製GPC150C型の装置と昭和電工製AD80M/Sのカラムを3本使用し、溶媒にオルトジクロロベンゼンを用い、測定温度140℃で行った。
【0066】
(3) ME(メモリーエフェクト):
装置 タカラ社製 メルトインデクサー
測定方法 190℃でオリフィス径1.0mm、長さ8.0mm中を荷重をかけて押し出し、押し出し速度が0.1g/min.の時に、オリフィスから押し出されたポリマーをメタノール中で急冷し、その際のストランド径の値を算出した。
【0067】
(4)CXS:
CXSは、ポリプロピレン粉末試料約1gをナス型フラスコ中に精秤し、これに200mlのキシレンを加え、加熱沸騰させ完全に溶解した。その後、これを23℃の水浴中で急冷し、析出した固体部分をろ過し、ろ液のうち50mlを白金皿中で蒸発乾固、さらに減圧乾燥して重量を秤量した。CXSは、ポリプロピレン粉末試料中のキシレン可溶分量(重量%)として算出した。
【0068】
(5)エチレン単位含有量:
エチレンコモノマー由来のポリマー中のエチレン単位含有量(単位:重量%)は、得られたポリマーをプレスし、シート状にしたものをIR法により測定した。具体的には730cm-1付近に観測されるメチレン鎖由来ピーク高さから算出した。
【0069】
(6)融点(Tm):
セイコー社製DSC測定装置を用い、試料(約5mg)を採り、200℃で5分間融解後、40℃まで10℃/minの速度で降温して結晶化した後に、さらに10℃/minで200℃まで昇温して融解したときの融解ピーク温度および融解終了温度で評価した。
【0070】
<実施例1>
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのラセミ体の合成:2−ブロム−4−クロロナフタレン(2.50g、10.30mmol)をジエチルエーテル(50mL)とヘキサン(7.5 mL)の混合溶媒に溶かし、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(6.8mL、10.4mmol、1.53N)を19℃で滴下した。20℃で1時間撹拌し、この溶液に2−エチルアズレン(1.47g、9.41mmol)を5℃で加え、室温で1時間撹拌した。 途中ジエチルエーテル(5.0mL)を加えた。静置後、上澄み溶液を取り除き、沈殿物をヘキサン(20mL)で洗浄した。そこにヘキサン(25mL)を加え、0℃に冷却しテトラヒドロフラン(25mL)を加えた。N−メチルイミダゾール(30μL)とジメチルジクロロシラン(0.51mL、4.20mmol)を加え、0℃で1.5時間撹拌した。この後、塩化アンモニア飽和水溶液(50mL)を加え、分液した後有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去すると、粗精製物として、ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−1、4−ジヒドロアズレン](3.11g)が得られた。
【0071】
次に、上記で得られた反応生成物(3.09g、4.21mmol)をジエチルエーテル(44mL)に溶かし、−70℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(5.5mL、8.41mmol、1.53mol/L)を滴下し、徐々に昇温して室温で2時間撹拌した。溶媒を留去し、トルエン(11mL)とジエチルエーテル(99mL)を加えた。−70℃に冷却し、四塩化ハフニウム(1.375g、4.29mmol)を加え、徐々に昇温し室温で一晩撹拌した。得られたスラリー溶液を3分の1まで濃縮した後セライトを用いて濾過し、トルエン(15mL)で洗浄し、濾液を濃縮した。粗生成物をジエチルエーテル(10 mL)で5回洗浄すると、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのラセミ体(1.20g、収率27%)が得られた。
【0072】
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ1.00(s,6H,SiMe2)、1.00(t,J=7.8Hz,6H,2−CH3CH2)、2.40−2.59(m,2H,2−CH3CHH)、2.59−2.75(m,2H,2−CH3CHH)、5.22(d,J=4.2Hz,2H,4−H)、5.83−5.93(m,6H)、6.04−6.08(m,2H)、6.80(d,J=12Hz,2H)、7.50−7.60(m,4H,arom)、7.59(d,J=1.5Hz,2H,arom)、7.73(d,J=0.6Hz,2H,arom)、7.81−7.84(m,2H,arom)、8.22−8.25(m,2H,arom).
【0073】
[イオン交換性層状珪酸塩の化学処理]
500ml丸底フラスコにバキュームスターラをセットし、イオン交換水196.5gを投入し、次いで硫酸51.25g(525mmol)を投入して攪拌した。さらに水酸化リチウム12.45g(520mmol)を投入後溶解した。
【0074】
更に市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:16.2μm)を51.65g添加後攪拌した。その後10minかけて100℃まで昇温し280min維持する。その後、1時間かけて50℃まで冷却した。このスラリーを直径11.5センチメートルのヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、減圧ろ過を実施した。ケーキを回収し、純水を1.6l加え再スラリー化し、ろ過を行った。この操作をさらに3回繰り返した。ろ過は、いずれも数分かからずに終了した。最終の洗浄液(ろ液)のpHは、5であった。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。その結果、41.6gの化学処理体を得た。
【0075】
蛍光X線により組成分析を行ったところ、主成分であるケイ素に対する構成元素のモル比は、Al/Si=0.223、Mg/Si=0.048、Fe/Si=0.028であった。
【0076】
[触媒の調製/予備重合]
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。先に製造した化学処理されたイオン交換性層状珪酸塩造粒体を減圧下、200℃、4時間乾燥した。
【0077】
内容積1000mlのナスフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10gを導入し、ヘプタン58ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.6mmol/ml)42ml(2.5mmol/g担体)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ヘプタンにて3回洗浄し最終的に上澄み液を除去した。
【0078】
次に、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチルジヒドロアズレニル)ハフニウムジクロリドとトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液の接触溶液120ml(M=280.2μmol、Al/Hf=10)を準備し室温にて加え、60min攪拌した。続いて、先に調製したモンモリロナイトスラリーに上記溶液を導入し、60min攪拌した。
【0079】
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに先に調製したモンモリロナイトスラリーとジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチルジヒドロアズレニル)ハフニウムジクロリドの混合溶液を導入し、更にヘプタンを全容積が500mlになるまで導入して、30℃に保持した。
【0080】
そこにプロピレンを5g/hrの定速で、40℃で4時間導入し、引き続き50℃で2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが4.6gを含む予備重合触媒が得られた。
【0081】
[重合]
内容積200リットルのオートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後に、十分に脱水した液化プロピレン45000gを導入し30℃に保持した。これに、トリイソブチルアルミニウム・ノルマルヘプタン溶液(50g/l)470mlを加えた。その後、水素を2.5NL、上記固体触媒成分を0.5gをアルゴンで圧入して重合を開始させ75℃まで40minかけて昇温し75℃で3時間反応させた。またこの間水素を0.15g/hrの定速で導入した。その後、エタノール100mlを圧入して反応を停止し、残ガスをパージしたところ18.4kgのポリマーが得られた。
【0082】
このポリマーの分析値は、アイソタクチックトリアッド分率が99.5%、MFRが11.30g/10min.、GPCによる重量平均分子量が224500、Mw/Mnが3.27であった。融点が158.5℃、CXSが0.40重量%、MEが1.36であった。
【0083】
<実施例2>
[重合]
内容積200リットルのオートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後に、十分に脱水した液化プロピレン4500gを導入し30℃に保持した。これに、トリイソブチルアルミニウム・ノルマルヘプタン溶液(50g/l)470mlを加えた。水素を2.0NL、実施例1で合成した固体触媒成分を0.5gをアルゴンで圧入して重合を開始させ75℃まで40minかけて昇温し75℃で3時間反応させた。またこの間水素を0.10g/hrの定速で導入した。その後、エタノール100mlを圧入して反応を停止し、残ガスをパ−ジしたところ15.4kgのポリマーが得られた。
【0084】
このポリマーの分析値は、アイソタクチックトリアッド分率が99.3%、MFRが4.64g/10min.、GPCによる重量平均分子量が303300、Mw/Mnが3.69、融点Tmが157.5℃、CXSが0.45重量%、MEが1.49であった。
【0085】
参考例
[重合]内容積200リットルのオートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後に、十分に脱水した液化プロピレン4500gを導入し30℃に保持した。これに、トリイソブチルアルミニウム・ノルマルヘプタン溶液(50g/l)470mlを加えた。水素を2.0NL、エチレン0.675kg、実施例1で合成した固体触媒成分を0.5gをアルゴンで圧入して重合を開始させ75℃まで40minかけて昇温し75℃で3時間反応させた。またこの間水素を0.10g/hrの定速で導入した。その後、エタノール100mlを圧入して反応を停止し、残ガスをパ−ジしたところ14.3kgのポリマーが得られた。
【0086】
このポリマーの分析値は、アイソタクチックトリアッド分率が99.4%、MFRが6.07g/10min.、GPCによる重量平均分子量が255500、Mw/Mnが3.17、融点Tmが149.2℃、エチレン含有量が1.22重量%、CXSが0.50重量%、MEが1.44であった。
【0087】
<比較例1>
チーグラーナッタ触媒を用いて製造された日本ポリケム社製PP HOMOポリマー(製品名MA3UQ)に関して、同様のポリマー分析と物性測定を行った。
【0088】
このポリマーの分析値は、アイソタクチックトリアッド分率が97.8%、MFRは7.80g/10min.、GPCによる重量平均分子量は310000、Q値は4.5、融点Tmは164.0℃、CXSが1.8重量%、MEが1.33であった。
【0089】
<比較例2>
(1)[(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチルベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド]の合成
Organometallics,1994,13,964の文献に記載された方法に従って合成した。
【0090】
(2)触媒の合成
内容積0.5lの撹拌翼のついたガラス製反応器に、WITCO社製MAO ON SiO2 2.4g(20.7mmol−Al)を添加し、n−ヘプタン50mlを導入し、あらかじめトルエンに希釈した(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチルフェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド溶液20.0ml(0.0637mmol)を加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)・n−ヘプタン溶液4.14ml(3.03mmol)を加えた。室温にて2時間反応した後、プロピレンをフローさせ、予備重合を実施した。
【0091】
(3)重合
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後、n−ヘプタンで希釈したトリエチルアルミニウムを3g、液化プロピレン45kgを添加して、内温を30℃に維持した。次いで先に合成した固体触媒(予備重合ポリマーを除いた重量として)1.1gを加え水素5.0NLを加えた。
【0092】
その後、65℃に昇温して重合を開始させ3時間その温度を維持した。ここでエタノール100mlを添加して反応を停止させた。残ガスをパージし、ポリマーの乾燥をした。その結果7.0kgのポリマーが得られた。
【0093】
また、そのポリマーに関してはMFR=5.00g/10分、アイソタクチックトリアッド分率が95.0%、Q値は2.8、融点Tmが150.9℃、CXSが0.5重量%、MEが1.1であった。
【0094】
<実施例
[錯体合成]
(1)ジメチルシリレンビス(2-エチル-4-(2-フルオロ-4-ビフェニル)-4H-アズレニル)ハフニウムジクロリドのラセミ体の合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;2−フルオロ−4−ブロモビフェニル(4.63g,18.5mmol)をジエチルエーテル(40mL)とヘキサン(40mL)の混合溶媒に溶かし、t−ブチルリチウムのペンタン溶液(22.8mL,36.9mmol,1.62N)を−78℃で滴下し、−5℃で2時間撹拌した。
【0095】
この溶液に2−メチルアズレン(2.36g,16.6mmol)を加え室温で1.5時間撹拌した。0℃に冷却しテトラヒドロフラン(40mL)を加えた。N−メチルイミダゾール(40μL)とジメチルジクロロシラン(1.0mL,8.30mmol)を加え、室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。この後、希塩酸を加え、分液した後有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去すると、ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−1,4−ジヒドロアズレン)の粗精製物(6.3g)が得られた。
【0096】
次に、上記で得られた粗精製物をジエチルエーテル(23mL)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(10.3mL,16.6mmol,1.56mol/L)を滴下し、徐々に昇温して室温で2時間撹拌した。さらに、トルエン(185mL)を加え、−78℃に冷却し、四塩化ハフニウム(2.65g,8.3mmol)を加え、徐々に昇温し室温で一夜撹拌した。得られたスラリー溶液から減圧下大部分の溶媒を留去し、濾過したのち、トルエン(4mL)、ヘキサン(9mL)、エタノール(20mL)、ヘキサン(10mL)で洗浄すると、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのラセミ・メソ混合物(1.22mg,収率16%)が得られた。
【0097】
(b)ラセミ体の精製;上記で得られたラセミ・メソ混合物(1.1g)をジクロロメタン(30mL)に懸濁し、高圧水銀灯(100W)を用いて30分光照射した。この溶液を減圧下溶媒を留去した。得られた固体にジクロロメタン(40mL)を加え懸濁させ、濾過した。ヘキサン(3mL)で洗浄し、減圧下乾燥するとラセミ体(577mg,52%)が得られた。
【0098】
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ1.02 (s, 6 H, SiMe2), 1.08 (t, J=8 Hz, 6 H, CH3CH2), 2.54
(sept, J=8 Hz, 2 H, CH3CH2), 2.70 (sept, J=8 Hz, 2 H, CH3CH2),5.07 (br s, 2 H, 4-H), 5.85 - 6.10 (m, 8 H), 6.83 (d, J=12 Hz, 2 H), 7.30 - 7.6 (m, 16 H, arom).
【0099】
[イオン交換性層状珪酸塩の化学処理]
攪拌翼、還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、イオン交換水500gを投入し、更に水酸化リチウム1水和物249g(5.93mol)を投入して攪拌した。
別に、硫酸581g(5.93mol)をイオン交換水500gで希釈し、滴下ロートを用いて上記水酸化リチウム水溶液に滴下した。このとき硫酸の一部は中和反応に消費され系中で硫酸リチウム塩が生成し、さらに硫酸過剰になることにより酸性溶液となった。
【0100】
そこへ、更に市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:28.0μm)を350g添加後攪拌した。その後30minかけて108℃まで昇温し150分維持した。その後、1時間かけて50℃まで冷却した。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、減圧ろ過を実施した。ケーキを回収し、純水を5.0L加え再スラリー化し、ろ過を行った。この操作をさらに4回繰り返した。ろ過は、いずれも数分かからずに終了した。最終の洗浄液(ろ液)のpHは、5であった。
【0101】
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。その結果、275gの化学処理体を得た。
蛍光X線により組成分析を行ったところ、主成分であるケイ素に対する構成元素のモル比は、Al/Si=0.21、Mg/Si=0.046、Fe/Si=0.022であった。
【0102】
[触媒の調製/予備重合]
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。
先に製造した化学処理されたイオン交換性層状珪酸塩造粒体を減圧下、200℃、4時間乾燥した。
【0103】
内容積10Lのオートクレーブに上記で得た化学処理モンモリロナイト200gを導入し、ヘプタン1160ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.6mmol/ml)840ml(0.5mol)を30minかけて投入し、25℃で1時間攪拌した。その後、スラリーを静止沈降させ、上澄み1300mlを抜き出した後に2600mlのヘプタンにて2回洗浄し最終的にヘプタン全量が1200mlになるようにヘプタンを足して調整した。
【0104】
次に、2Lフラスコにジメチルシリレンビス(2-エチル-4-(2-フルオロ-4-ビフェニル)-4H-アズレニル)ハフニウムジクロリド 5.93g(6mol)とヘプタン516mlを投入しよく攪拌した後にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/ml)を84ml(11.8g)を室温にて加え、60min攪拌した。
続いて、先にオートクレーブ中に調製したモンモリロナイトスラリーに上記溶液を導入し、60min攪拌した。続いて、更にヘプタンを全容積が5Lになるまで導入して、30℃に保持した。そこにプロピレンを100g/hrの定速で、40℃で4時間導入し、引き続き50℃で2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄み除去後、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。
【0105】
[重合]
内容積400リットルの攪拌装置付き液相重合槽に、液化プロピレン、水素、TIBAを連続的にフィードした。なお、液化プロピレン、TIBAのフィード量は、それぞれ、90 kg/hr、21.2 g/hrであり、水素は、モル濃度[H2]が30ppmになるようにフィードした。さらに、上記で得られた固体触媒成分(A)を、(A)中に含まれる固体成分として、1.36 g/hrとなるようにフィードした。また、重合温度が65℃となるように、重合槽を冷却した。 この重合槽で重合したスラリーは、スラリーポンプを用いて抜き出した。
【0106】
スラリーの抜き出しレートは、該スラリーに含まれるポリプロピレン粒子として、約10.8 kg/hrであった。該ポリプロピレン粒子の液相重合槽における平均滞留時間は2時間であった。また、該ポリプロピレン粒子の平均粒径Dp50は436 (、平均CEは7900g/g、重合体MFRは2.3 g/10min、CXSは0.26重量%、Q値は4.5、MEは1.54であった。触媒効率CEは、固体触媒成分(A)中に含まれる固体成分1gあたりのポリプロピレン収量(g)で定義する。
【0107】
<実施例>水素濃度[H2]を200ppmに保ち、フィード触媒量を1.63g、平均滞留時間を1.5hrにする以外は実施例と同様におこなった。その時得られたポリマーの平均粒径Dp50は457、平均CEは10300g/g、重合体MFRは63/10min、CXSは0.20重量%、Q値は4.0 、MEは1.23であった。
【0108】
【表1】
Figure 0003830370
【0109】
【発明の効果】
本発明のよれば、剛性、耐熱性に優れるばかりでなく、高分子量成分が多く、成形加工性に優れたプロピレン重合体を提供することが可能となる。

Claims (2)

  1. 下記の範囲の物性値を有することを特徴とするプロピレン系重合体。
    (1)230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレイト(MFR)が0.1〜1000g/10分、(2)13C−NMRで測定したアイソタクチックトリアッド分率(mm)が99.0%以上、(3)ゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー(GPC)で測定したQ値(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)が2.0〜6.0、(4)230℃、2.16kg荷重で測定したMFRと、190℃、オリフィス径1.0mmで測定したメモリーエフェクト(ME)が、下記式(I)を満足する関係
    (ME)≧−0.26×log(MFR)+1.40(I)
    (5)23℃におけるキシレンへの溶解量(CXS)(単位:重量%)が下記式(II)を満足する関係、
    CXS≦0.5×[C2]+0.2×log(MFR)+0.5 (II)
    (ただし[C2]はポリマー中のエチレン単位含有量(重量%)を表す。)
    (6)DSCで測定した融点(Tm)が155℃以上であること
  2. 成分A:ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル]}ハフニウムまたはジメチルシリレンビス(2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル)ハフニウムジクロリドのいずれかの遷移金属化合物
    成分B:イオン交換性層状珪酸塩より選ばれた少なくとも1種の化合物
    必要に応じて、成分C:有機アルミニウム化合物
    を成分とする重合触媒を用いることを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
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