JP3829082B2 - 無限軌道用滑り止め金具、およびその装着方法 - Google Patents

無限軌道用滑り止め金具、およびその装着方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、ブルドーザ、トラクタショベル、油圧ショベル、不整地運搬車等の各種建設機械や除雪車両等が装備する無限軌道に関わるものであって、特に、アイスバーン状態の雪上や氷上でも、十分なグリップ力を得て安全、確実に走行可能となるにする新規な構造からなる無限軌道用滑り止め金具、およびその滑り止め金具を無限軌道に用いる際の、新規な無限軌道用滑り止め金具の装着方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
ブルドーザや油圧ショベル、不整地運搬車等の各種建設機械および運搬車両に採用されている無限軌道は、これまで鋼製の履帯を装着したものが主流とされてきたが、市街区域内の土木工事や除雪作業等の際に問題となる騒音や、振動の低減、舗装路面の保護といった目的を果たすため、最近ではゴム製の履帯を装着したものも次第に普及し始めている。
【0003】
このゴム製の履帯の場合、履帯外周踏面に形成された凹凸条部の間に、軟弱地や湿地面の土砂類を噛合状として安定に走行可能であり、同様に積雪があっても雪塊を噛合状としているときには雪上を自在且つ安全に移動することができ、しかも舗装路面の保護や静粛性を確保できる特性をもつことから、舗装路を移動しなければならない市街地における各種工事や除雪、運搬作業には欠かせないものとなっているが、積雪後に圧雪状の轍となったり、凍結してしまった路面上のようにアイスバーン状態の雪上や氷上を走行する際には、履帯外周踏面の凹凸条部が路面との間に充分な摩擦力を確保できず、安定した操縦性の確保が難しくなってしまうという欠点があった。
【0004】
こうした問題を解決し、圧雪上や氷上であっても履帯と路面との摩擦力を確保できるようにした技術として、例えば、特開平10−16836号公報や特開平10−297556号公報等に開示されている車両用クローラの滑り止め具のように、履帯適所に該滑り止め具を装着することによって滑り止め具に設けられた突起部材に車体重量を集中させて泥路、雪路、凍結路等の悪路等の地面に食い込ませ、走行中の滑りを抑止することができるようにしたものも提案されているが、これら従前からの滑り止め具の場合、複数の山型凸条部と谷型凹条部とを移動方向に交互に形成してなる無限軌道履帯の任意に選択した山型凸条部上に突起部材を装着、固定する構造となっており、ゴム製履帯の特徴である騒音や、振動の低減、舗装路面の保護といった目的を充分に果たすことができなくなるという不都合を生じるものとなっていた。
【0005】
このように従前までの滑り止め具を装着したゴム製履帯は、車体重量を滑り止め具突起部材に集中させ、圧雪上や氷上等で確かに秀れた滑り止めの効果を発揮するものの、融雪後または圧雪や氷を排除した後の路面、あるいは所々に圧雪や凍結部が散在するような路面上での走行に際しては、突起部材が、露出した路面に強く接触して騒音や振動を発生し、舗装路面に引っ掻き傷を付けてしまう虞れを生じてしまうため、装着利用に際しては路面の状況に応じて脱着を繰り返し行う等、細心の注意を払わなければならず、悪路や雪中といった悪い作業条件下での脱着作業の繰り返しは、作業負担を増大するばかりではなく、除雪や運搬作業の効率自体を悪化させてしまう上、路上での脱着作業に時間を費やして交通のさまたげとなる等といった問題を抱えていた。
【0006】
そこで、この発明は、圧雪上や氷上においては有効な滑り止めの効果を得ることができる上、露出している舗装路面にも傷を付けることなく、しかも騒音や振動の発生を充分に抑止することができる無限軌道用の滑り止めを得ることはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の無限軌道用滑り止め金具、および新規な無限軌道用滑り止め金具の装着方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0007】
【発明の構成】
図面に示す代表的な実施例からも明確に理解されるように、この発明の無限軌道用滑り止め金具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、基端側が連結環部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、双方の連結環部に所定長1本の連結索条の対応する端部を挿通し、鈎金具部間中央側に向けて折り返し状に束ね合わせ、少なくとも連結索条両端部の束ね合わせ部分の各一箇所を、滑り止め用の突起部が一体に組み込まれた固定機構によって挟持状に緊締可能とした固定金具部を設けてなるものとしたことにより、互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能としてなるものとした構成を要旨とする無限軌道用滑り止め金具である。
【0008】
表現を変えて示すならば、基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、一方の連結部に所定長1本の連結索条の一端を連結し、他方の連結部に所定長1本の他の連結索条の他端を連結して、2本の連結索条の中途部を平行状に束ね合わせると共に、少なくとも連結索条の束ね合わせ範囲の複数適所を、滑り止め用の突起部が一体に組み込まれた固定機構によって挟持状に緊締可能とした固定金具部を設けてなるものとしたことにより、互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能となるようにした構成を要旨とする無限軌道用滑り止め金具であるということができる。
【0009】
この基本的な構成の無限軌道用滑り止め金具には、基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、一方の連結部に所定長であってその軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具の一端を連結すると共に、他方の連結部に所定長であってその軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具の他端を連結して、該帯型雌金具の対応する長孔に挿着した帯型雄金具の各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成した固定金具部を設けてなるものとしたことにより、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能とした上、固定金具部固定機構に点在状に突出する各ボルト部の夫々が滑り止め用の突起部を形成してなるものとした無限軌道用滑り止め金具を包含している。
【0010】
同様に、基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、一方の連結部に所定長であってその軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具の一端を連結すると共に、他方の連結部に所定長であってその軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具の他端を連結して、該帯型雌金具の対応する長孔に挿着した帯型雄金具の各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成した上、これら帯型雄金具および/または帯型雌金具の外周縁部や上面等の適所に適宜形状の滑り止め用の突起部を一体に、もしくは着脱可能に形成した固定金具部を設けてなるものとしたことにより、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能とした無限軌道用滑り止め金具も包含する。
【0011】
鈎金具部は、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部に掛着して、滑り止め用の突起部を有する固定金具部を、履帯外周踏面に装着する機能を果たすものであり、先端側を谷型凹条部左右縁部に掛着可能とするよう鈎型に折曲し、基端側に固定金具部を連結可能とする連結部を設けたものとしなければならず、無限軌道の走行にも充分に耐える強度をもつよう形成しなければならず、履帯左右縁部を傷付けないよう円柱帯を鈎型円弧状に折曲したものとするのが望ましい。
【0012】
連結部は、鈎金具部基端部を固定金具部に連結する機能を果たすものであり、鈎金具部基端部と固定金具部とを充分な強度で連結するものとしなければならず、無限軌道の走行に伴って連結姿勢を自由に変形可能な鎖状の連結構造とするのが望ましく、連結索条等を長さ調節可能とするよう挿通できる連結環部としたり、あるいは、連結姿勢を固定してしまうようボルト・ナットを用いて固定金具部に仮固定状に連結した構造とすることも可能である。
【0013】
鈎型係合部は、鈎金具部先端部を無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部に着脱可能に掛着させる機能を果たすものであり、走行する無限軌道に充分な強度で掛着できる強度をもち、谷型凹条部左右縁部を回り込むように掛着可能な曲率半径をもった鈎型に折曲されたものとして、履帯左右幅中央側に引き付けるよう緊締して固定できるよう形成すべきであるが、谷型凹条部左右縁部に脱着自在に挟着可能な挟み込み機構を組み込んだものとすることにより、万が一固定金具部が緩んでしまった場合であっても不用意に離脱しまうことのない構造とすることも可能である。
【0014】
固定金具部は、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部に略同一直線上で外側となるように配した一対の鈎金具部同士を、履帯に掛着可能な離反間隔に調節し、調節した離反間隔に固定する機能を果たすものであり、一対の鈎金具部同士の履帯に掛着可能な離反間隔を固定可能とする固定機構を有して、固定機構に一体に組み込まれた滑り止め用突起部を、履帯外周踏面の山型凸状部よりも外側に突出させた状態に支持するものとしなければならない。
【0015】
連結索条は、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部に略同一直線上で外側となるように配した一対の鈎金具部同士を、履帯に掛着可能に連結する機能を果たすものであり、素材や形状に応じた適所、望ましくは複数箇所に固定機構を設けたものとしなければならず、鋼索、チェーン、バンド、鋼板等の連結に充分な強度が得られる紐状あるいは短冊板状のものとすることができ、例えば所定長の鋼索を用いる外に、所定長であってその軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具に、所定長であってその軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具を連結可能に組み合わせた構造とすることが可能である。
【0016】
固定機構は、一対の鈎金具部同士の履帯に掛着可能な離反間隔を調節可能とすると共に、調節された離反間隔を固定することにより、滑り止め金具自体を無限軌道履帯外周踏面に脱着可能に装着する機能を果たすものであり、ボルト・ナットからなるものとするのが望ましく、連結索条を挿通可能な間隔を隔てた二又状であって両端側が所定長の平行なボルトに形成されてなるU字型ボルトに、一対の平行なボルト部間に跨り状に装着して、各ボルト部軸心方向に進退移動自在、且つU字型ボルトに挿通された連結索条を、そのU字状二又状部との間に挟み込み可能な挟着板を設けた上、各ボルト部先端側から挟着板を仮固定可能とする固定ナットを螺着してなり、装着時には、一対の平行なボルト部の先端側露出部分が滑り止め用の突起部を形成する構造とすることができる。
【0017】
突起部は、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部間に掛け渡し状に装着された固定金具部から、谷型凹条部に隣接する山型凸条部よりも外側に突出して、走行する無限軌道の滑り止めとしての機能を果たすものであり、固定金具部の固定機構に一体的に組み合わされたものとしなければならず、固定機構の一部を形成するボルトの先端部を突起部とすることができる外、帯型雄金具や帯型雌金具の外周縁部や露出面に一体的に設けられた突形状部分とすることが可能であり、無限軌道の走行によって容易に擦り減ったり、破損したりしない充分な強度と耐磨耗性を有する素材および形状に形成すべきであって、磨耗や破損したときには簡便に交換可能な構造とするのが望ましい。
【0018】
【関連する発明】
上記した無限軌道用滑り止め金具に関連して、この発明には滑り止め金具の無限軌道への装着方法も包含しており、その構成は基本的に次のとおりのものである。
即ち、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結環部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、所定長1本の連結索条の端部を対応する双方の連結環部に夫々挿通して鈎金具部間中央側に折り返し、互いの鈎型係合部の離反間隔を履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節した後に、少なくとも連結索条両端部の束ね合わせ部分の各一箇所を、固定機構によって挟持状に緊締することにより、固定機構に一体に組み込まれてなる滑り止め用の突起部が、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出したものとするよう装着した構成を要旨とする、前記したこの発明の無限軌道用滑り止め金具の装着方法ということができる。
【0019】
この基本的な構成の無限軌道用滑り止め金具の装着方法には、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、所定長1本の連結索条の一端を一方の連結部に連結し、所定長1本の他の連結索条の他端を他方の連結部に連結して、互いの鈎型係合部の離反間隔を履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節した後に、2本の連結索条の中途部を平行状に束ね合わせると共に、少なくとも連結索条の束ね合わせ範囲の複数適所を、固定機構によって挟持状に緊締することにより、固定機構に一体に組み込まれてなる滑り止め用の突起部を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとなるよう装着する前記無限軌道用滑り止め金具の装着方法を包含している。
【0020】
さらに、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、一方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具、および、他方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具を、互いに一直線上に重ね合わせて、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔を、履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節すると共に、該帯型雌金具の対応する長孔に帯型雄金具の各ボルト部を挿着した後に、各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成して締結固定させることにより、互いの鈎型係合部の離反間隔を自在に変更し、且つ所望する離反間隔において固定した上、固定金具部固定機構に点在状に突出する各ボルト部の夫々を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとなるよう装着する構成からなる無限軌道用滑り止め金具の装着方法も包含する。
【0021】
同様に、無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、一方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具、および、他方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具を、互いに一直線上に重ね合わせて、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔を、履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節すると共に、該帯型雌金具の対応する長孔に帯型雄金具の各ボルト部を挿着した後に、各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成して締結固定させることにより、互いの鈎型係合部の離反間隔を自在に変更し、且つ所望する離反間隔において固定した上、これら帯型雄金具および/または帯型雌金具の外周縁部や上面等の適所に一体形成された滑り止め用の突起部を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとなるよう装着する構成の無限軌道用滑り止め金具の装着方法も包含している。
【0022】
無限軌道は、踏面外周の略全面に渡り、複数の山型凸条部と谷型凹条部とを周方向交互に形成してなる無端状の履帯を、適宜間隔を隔てて配列された複数の動輪回りに巻き掛け、駆動輪を回転駆動させて踏面上を移動することにより、地面に接する履帯が次々に送り移動されて地上を走行可能とする機能を果たすものであり、軟弱地盤や凹凸の多い不整地での作業に好適に利用可能なブルドーザ、トラクタショベル、油圧ショベル、不整地運搬車等の各種建設機械に広く実用化されているものであって、特に、この発明における滑り止め金具の主な装着対象としては、低騒音、低振動、舗装路面の保護等に有利なゴムクローラを念頭においているが、山型凸条部と谷型凹条部とを周方向交互に連続形成してなる履帯であれば、鋼製クローラや他の構造および素材製の履帯に対して略同様の方法によって装着することが可能である。 以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0023】
【実施例1】
図1の無限軌道用滑り止め金具の斜視図、図2の無限軌道用滑り止め金具の装着状態の斜視図に示される事例は、無限軌道の履帯左右縁部に掛着可能な一対の鈎金具部、およびこの一対の鈎金具部間を、所定長1本の連結索条で連結することによって鈎金具部間の離反距離を履帯幅に応じて調節可能とすると共に、調節された離反距離に固定する固定機構を設けてなる固定金具部を形成した上、前記固定機構に対して滑り止め用の突起部を一体に組み込んでなる基本的構成からなるこの発明に包含される無限軌道用滑り止め金具における代表的な一実施例を示すものである。
【0024】
当該無限軌道用滑り止め金具1は、基端側に連結索条である鋼索31を挿通可能な連結環部21を形成し、先端側に無限軌道6履帯61の左右縁部に掛着可能な曲率とするよう略J字型に折曲された鈎型係合部22を設けてなる一対の鈎金具部2,2を有しており、これら鈎金具部2,2を、略同一線上で各鈎型係合部22,22が外側とするように配置させた上、無限軌道6履帯61の左右幅寸法の略2倍に相当する長さ寸法に設定された鋼索31の一方端を一方の連結環部21に、他方端を他方の連結環部21に夫々挿通した上、履帯61左右幅の中央に向けて折り返して束ね合わせ、これら左右端の束ね合わせ部分適所の夫々を固定機構4,4で緊締して左右一対の鈎金具部2,2同士の離反距離を固定可能とする固定金具部3を設けたものとしている。
【0025】
固定機構4は、鋼索31の直径よりも僅かに大きな内周曲率をもって略U字型に折曲され、二又状に折曲された基端部から平行に延伸された先端部までの寸法が、装着対象の無限軌道6履帯61の谷型凹条部63底面から山型凸条部62頂部までの寸法を越える高さに設定され、それら平行棒状部には夫々雄ネジを刻設することにより、平行なボルト部を形成してU字型ボルト41となし、これら平行なボルト部間に跨り状に装着可能な一対の装着孔43,43を穿孔した平板状の挟着板42を、ボルト部の軸心方向に進退移動自在に装着した上、挟着板42を貫通したボルト部先端側から固定ナット45,45を螺着し、緊締可能としたものとなっている。挟着板42の装着孔43,43間の鋼索31に接触する壁面には、図1に示すように鋼索31の外周面に密着可能な曲率に形成された円弧状の圧接面44を形成することが可能である外、U字型ボルト41の二又状内周壁や、これに対面する挟着板42装着孔43,43間の壁面等の鋼索を緊締する際に接触する壁面に摩擦用の凹凸形状や複数の鈎爪部等を形成して索条31の束ね合わせ部分を強固に挟持可能な構造とすることもできる。
【0026】
【実施例2】
図4の無限軌道用滑り止め金具の斜視図に示される事例は、この発明の無限軌道用滑り止め金具に包含される他の実施例を示すものであり、無限軌道の履帯左右縁部に掛着可能な一対の鈎金具部を、一直線上の外側となるように配置させ、これら一対の鈎金具部に個別に連結した所定長2本の連結索条を互いに束ね合わせた上、複数適所を固定機構によって緊締することにより、鈎金具部間の離反距離を履帯幅に応じて調節および固定可能とする固定金具部を形成し、前記固定機構に一体に組み込まれた滑り止め用の突起部が、無限軌道履帯の山型凸状部より外側に突出するよう形成したものである。
【0027】
無限軌道用滑り止め金具1は、先端側を折曲して鈎型係合部22とすると共に、基端側を環状の連結部21に形成した一対の鈎金具部2,2を有し、一方の連結部21に無限軌道6の履帯61の左右幅寸法よりも僅かに短い長さに設定した連結索条としての鋼索31の一端を連結し、他方の連結部21に同一素材、同一寸法の別の鋼索31の他端を連結した上、一対の鈎金具部2,2を同一直線上の外側に配置させて、一方の鈎金具部2に連結された索条31を他方に、他方の鈎金具部2に連結された索条31を一方に延伸させて互いに平行状に束ね合わせられたものとし、2本の索条31,31の束ね合わせ範囲を凡そ3等分した箇所の夫々に、U字型ボルト41,41,41、挟着板42,42,42および固定ナット45,45,……から形成される固定機構4,4,4を装着することによって挟持状に緊締したものとなっており、前記2本の索条31,31および固定機構4,4,4によって一対の鈎金具部2,2を、相互の離反距離を調節可能であり、且つ適宜調節した離反距離で固定可能とする固定金具部3を設けたものとなっている。
【0028】
【実施例3】
図6の無限軌道用滑り止め金具の斜視図に示される事例は、この発明の無限軌道用滑り止め金具に包含されるさらに他の実施例であり、その滑り止め金具1は、同一直線上の外側に配置された一対の鈎金具部2,2の一方の鈎金具部2の連結部21には、無限軌道6履帯61の左右幅よりも僅かに短い長さ寸法であって同履帯61の山型凸条部62,62間に形成された谷型凹条部63中に納まる幅寸法に設定した短冊状平板からなるものの代表的な事例である。
【0029】
短冊状平板の他端側から中央付近に至る3箇所に垂直状であり、しかも無限軌道6の谷型凹条部63から山型凸条部62までの寸法よりも長尺に設定されたボルト46,46,46を枝状に立設、固着させてなる帯型雄金具32の一端を連結し、また他方の鈎金具部2の連結部21に、帯型雄金具32と長さ、幅寸法を同一に設定し、ボルト46,46,46を挿着および長さ方向に摺動可能とする複数の長孔47,47,……を穿孔した帯型雌金具33の一端を連結した上、帯型雌金具33の適宜選択した長孔47,47,……に挿着した帯型雄金具32ボルト46,46,46夫々の先端側から、固定ナット45,45,45を螺着して緊締状に固定可能に形成したものとなっている。
【0030】
つまり、一対の鈎金具部2,2を、ボルト46,46,46、長孔47,47,……、および固定ナット45,45,45からなる固定機構4を有する、帯型雄金具32、帯型雌金具33からなる固定金具部3によって連結し、固定機構4のボルト46,46,46が、履帯61山型凸条部62より突出する突起部5,5,5を形成するものとしている。
【0031】
【実施例4】
また、この発明の無限軌道用滑り止め金具には、図6の無限軌道用滑り止め金具の斜視図に示した滑り止め金具1も包含しており、その構造は、同一直線上の外側に一対の鈎金具部2,2を配置させて一方の鈎金具部2連結部21に、所定寸法の短冊状平板に形成され、他端側から中央付近に至る3箇所に垂直且つ比較的短尺なボルト46,46,46を枝状に立設した帯型雄金具32の一端を連結し、また他方の鈎金具部2連結部21には、ボルト46,46,46を挿着および長さ方向に摺動可能な複数の長孔47,47,……を穿孔し、さらに無限軌道6履帯61の山型凸条部62に平行状となる一方の長辺縁部の略全長範囲に渡って、谷型凹状部63底部から山型凸状部62頂部までの寸法を越える高さに設定した平板状であり、頂上縁部が波形に成型された突起部5を一体に設けてL型断面形とした帯型雌金具33の一端を連結した上、帯型雌金具33の適宜選択した長孔47,47,……に、帯型雄金具32ボルト46,46,46夫々を挿着し、露出状となった各ボルト46,46,46の先端側から、固定ナット45,45,45を螺着して緊締状に固定可能に形成したものである。
【0032】
【作用】
以上のとおりの構成からなるこの発明の無限軌道用滑り止め金具は、図1の如く構成すれば、以下のような装着方法によって装着することが可能となる。 即ち、図2に示すように、無限軌道6の履帯61における踏面外周側の何れか任意に選択した谷型凹条部63の左右縁部の夫々に、一対の鈎金具部2,2の各鈎型係合部22,22を掛着させて、両連結環部21,21に挿通された鋼索31の端部同士を谷型凹条部63の左右幅中央に向けて引き寄せるように折り返して緊張状とした上、鋼索31の中途部に同鋼索31の両端部を夫々束ね合わせ状として、鋼索31の両端部、およびこれら両端部に対応する同鋼索31の中途部2箇所とを、夫々U字型ボルト41,41の二又形状部間に挟み込むように挿着して、U字型ボルト41,41に挟着板42,42、固定ナット45,45,……を装着して緊締状に固定すれば、固定機構4のU字型ボルト41,41先端部が、履帯61の左右幅方向に点在状となる複数箇所において山型凸条部62,62よりも外側に突出するよう装着、支持されたものとなり、図3の無限軌道に装着された滑り止め金具の斜視図に示すように、複数の滑り止め金具1,1,……を、無限軌道6の移動方向適宜間隔毎に装着することが可能となる。
【0033】
図4の無限軌道用滑り止め金具1は、履帯61踏面外周側の任意に選択した谷型凹条部63の右側縁部に一方の鈎金具部2の鈎型係合部22を掛着させると共に、同左側縁部に他方の鈎金具部2の鈎型係合部22を掛着させた上、一方の鈎金具部2の鋼索31は、反対側となる他方側へ向けて、他方の鈎金具部2の鋼索31は、反対側となる一方側へ向けて引き寄せ、緊張状とするように互いの鋼索31,31同士を谷型凹条部63内において平行状に束ね合わせ、束ね合わせ状とした範囲の略均等となる3箇所夫々に、U字型ボルト41,41,41を装着し、挟着板42,42,42、固定ナット45,45,……で緊締状に固定すれば、固定機構4を形成するU字型ボルト41,41,41先端部が、山型凸条部62,62よりも外側に突出するよう支持されたものとなる。
【0034】
また、図5に示した無限軌道用滑り止め金具1は、履帯61の任意に選択した谷型凹条部63の右側縁部に一方の鈎金具部2の鈎型係合部22を掛着させて、ボルト46,46,46を外側に露出するようにした帯型雄金具32を谷型凹条部63内に納めるようにして左側縁部に向けて引き寄せると共に、他方の鈎金具部2の鈎型係合部22を谷型凹条部63の左側縁部に掛着して、これに連結された帯型雌金具33を右側縁部に向けて引き寄せた上、帯型雄金具32および帯型雌金具33からなる固定金具部3が緊張状となる位置で帯型雄金具32と帯型雌金具33とを重ね合わせてボルト46,46,46の夫々を対応する長孔47,47,47の夫々に装着し、さらに長孔47,47,47内のボルト46,46,46が移動可能な範囲内で最も緊張状態となるよう帯型雄金具32と帯型雌金具33とを移動させた後に、固定ナット45,45,45……で緊締状に固定すれば、固定機構4を形成するボルト46,46,46先端部が、山型凸条部62,62よりも外側に突出する状態に支持されることとなる。
【0035】
さらにまた、図6に示した無限軌道用滑り止め金具1は、図5に示した滑り止め金具1と同様に、任意に選択した谷型凹条部63の右側縁部に一方の鈎金具部2鈎型係合部22を掛着して、他方の鈎金具部2鈎型係合部22を同左側縁部に掛着し、帯型雌金具33に一体に突設された突起部5の頂部側を外側に露出状となり、しかも帯型雄金具32および帯型雌金具33から形成される固定金具部3が緊張状となる位置で、ボルト46,46,46の夫々を対応する長孔47,47,47に装着するように帯型雄金具32と帯型雌金具33とを重ね合わせた上、長孔47,47,47内のボルト46,46,46が移動可能な範囲内で最も緊張状態となる位置まで、帯型雄金具32と帯型雌金具33とを移動させ、双方を固定ナット45,45,45……で緊締状に固定すれば、帯型雌金具33に一体に形成された平板状の突起部5が、山型凸条部62,62,……よりも外側に突出する状態に支持された状態となる。
【0036】
【効果】
以上のとおり、この発明の無限軌道用滑り止め金具によれば、無限軌道の履帯の左右縁部に一対の鈎金具部を掛着し、固定金具部によって双方の鈎金具部間の離反距離を変更、調節して緊張状に張着すると共に、同固定金具部の固定機構が鈎金具部間の離反距離を固定し、無限軌道履帯の踏面外側表面に、固定機構に一体に組み込まれてなる突起部を突出状とすることができるので、当該無限軌道用滑り止め金具を、無限軌道履帯に複数形成された山型凸条部と谷型凹条部との中の適宜選択した谷型凹条部の複数箇所に装着することにより、山型凸条部間から突起部が突出状となって泥路、圧雪上、氷上等の悪路において良好な走行安定性を得ることができ、しかも舗装路面上を走行する際には突起部が谷型凹条部内に没入状または横転状となって隣接する山型凸条部間に隠れてしまい、車体重量を山型凸条部が受け止めることとなるので、騒音や振動の発生を抑止して、路面の損傷を防止できるという秀れた特徴が得られるものである。
【0037】
さらに、この発明の無限軌道用滑り止め金具の装着方法によれば、泥路や積雪、凍結路等の道路状況に応じて必要となる滑り止め機能に応じて、任意の数量の滑り止め金具を無限軌道の履帯に必要な間隔毎に装着することができると共に、その装着作業は、履帯踏面外周の任意に選択した谷型凹条部の左右縁部夫々に一対の鈎金具部を掛着した上、固定金具部を緊張状に調節して固定機構を固定することによって迅速且つ簡便に装着することが可能であり、また取り外し作業も同様に簡単、速やかに取り外すことができ、しかも固定機構に一体に組み込まれた突起部は、度重なる使用によって磨耗や破損を生じて滑り止めもしくは連結固定の機能を損ねた場合にも、対象となる部品のみを容易に交換することが可能であり、無端軌道への脱着作業および保守整備作業を効率的に実施することができるという秀れた効果を発揮するものである。
【0038】
特に、図1の実施例に説明した無限軌道用滑り止め金具1は、上記した特徴に加え、一対の鈎金具部2,2間に、一本の鋼索31と、固定機構4を形成するU字型ボルト41、挟着板42および固定ナット45,45とからなる固定金具部3を設けた簡素な構造とすることにより、軽量化して運搬や脱着作業の負担を軽減することができる上、磨耗や破損に際しても鋼索31やU字型ボルト41、固定ナット45,45の交換のみで済ませることができるので、簡便かつ経済的な保守管理ができる。また、図4に示す無限軌道用滑り止め金具1によっても略同様の効果を得ることができるものとなる。
【0039】
図5中に示す無限軌道用滑り止め金具1は、帯型雄金具32と帯型雌金具33とを重ね合わせた状態に連結した構造とすることにより、索条31を使用して接続した場合に比較し、さらに高い耐久強度を確保することができる上、突起部5,5,5を形成するボルト46,46,46が、短冊状平板に形成された帯型雄金具32および帯型雌金具33によって谷型凹条部63底部に比較的強く立設するよう支持されるので、鋼索31を使用した場合に比較して滑り止めの効果を高めたものとすることができ、図6に示す無限軌道用滑り止め金具1のように、先端縁が波形爪状に形成されてなる板型の突起部5を帯型雌金具33に一体に形成したものとすれば、さらに強い滑り止め効果が得られるものとなる。
【0040】
叙述の如く、この発明の無限軌道用滑り止め金具、およびその装着方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの滑り止め具に比較して、構造も簡素で比較的廉価に製造可能である上、部品点数を少なくすると共に、突起部を兼ねた固定機構を組み立てるようにして無限軌道に装着する構造としたことから、磨耗や破損による部品交換も日常的な作業によって迅速且つ簡便に行うことができるため、脱着作業および保守管理の作業効率を格段に向上させて経費節減を確実に達成できるものであり、建設機械や除雪車両等を使用する建設業界や道路管理業界において高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の無限軌道用滑り止め金具、およびその装着方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】 無限軌道用滑り止め金具の構造を示す斜視図である。
【図2】 無限軌道用滑り止め金具の装着状態を示す斜視図である。
【図3】 無限軌道用滑り止め金具を装着した車両を示す斜視図である。
【図4】 固定金具部を変更した無限軌道用滑り止め金具を示す斜視図である。
【図5】 固定金具部を帯型に変更した滑り止め金具を示す斜視図である。
【図6】 突起部を変更した無限軌道用滑り止め金具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 滑り止め金具
2 鈎金具部
21 同 連結部(連結環部)
22 同 鈎型係合部
3 固定金具部
31 同 連結索条(鋼索)
32 同 帯型雄金具
33 同 帯型雌金具
4 固定機構
41 同 U字型ボルト
42 同 挟着板
43 同 装着孔
44 同 圧接面
45 同 固定ナット
46 同 ボルト
47 同 長孔
5 突起部
6 無限軌道
61 同 履帯
62 同 山型凸条部
63 同 谷型凹条部

Claims (9)

  1. 基端側が連結環部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、双方の連結環部に所定長1本の連結索条の対応する端部を挿通し、鈎金具部間中央側に向けて折り返し状に束ね合わせ、少なくとも連結索条両端部の束ね合わせ部分の各一箇所を、滑り止め用の突起部が一体に組み込まれた固定機構によって挟持状に緊締可能とした固定金具部を設けてなるものとしたことにより、互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能となるようにしたことを特徴とする無限軌道用滑り止め金具。
  2. 基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、一方の連結部に所定長1本の連結索条の一端を連結し、他方の連結部に所定長1本の他の連結索条の他端を連結して、2本の連結索条の中途部を平行状に束ね合わせると共に、少なくとも連結索条の束ね合わせ範囲の複数適所を、滑り止め用の突起部が一体に組み込まれた固定機構によって挟持状に緊締可能とした固定金具部を設けてなるものとしたことにより、互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能となるようにしたことを特徴とする無限軌道用滑り止め金具。
  3. 基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、一方の連結部に所定長であってその軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具の一端を連結すると共に、他方の連結部に所定長であってその軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具の他端を連結して、該帯型雌金具の対応する長孔に挿着した帯型雄金具の各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成した固定金具部を設けてなるものとしたことにより、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能とした上、固定金具部固定機構に点在状に突出する各ボルト部の夫々が滑り止め用の突起部を形成したものとすることを特徴とする無限軌道用滑り止め金具。
  4. 基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように配した上、一対の鈎金具部間に、一方の連結部に所定長であってその軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具の一端を連結すると共に、他方の連結部に所定長であってその軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具の他端を連結して、該帯型雌金具の対応する長孔に挿着した帯型雄金具の各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成した上、これら帯型雄金具および/または帯型雌金具の外周縁部や上面等の適所に適宜形状の滑り止め用の突起部を一体に、もしくは着脱可能に形成した固定金具部を設けてなるものとしたことにより、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔が自在に変更可能で、且つ所望する離反間隔において固定可能としたことを特徴とする無限軌道用滑り止め金具。
  5. 固定機構が、連結索条を挿通可能な間隔を隔てた二又状であって両端側が所定長の平行なボルトに形成されてなるU字型ボルトに、一対の平行なボルト部間に跨り状に装着して、各ボルト部軸心方向に進退移動自在、且つU字型ボルトに挿通された連結索条を、そのU字状二又状部との間に挟み込み可能な挟着板を設けた上、各ボルト部先端側から挟着板を仮固定可能とする固定ナットを螺着してなり、装着時には一対の平行なボルト部の先端側露出部分が、滑り止め用の突起部を形成するものとなる、請求項1または2何れか記載の無限軌道用滑り止め金具。
  6. 無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結環部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、所定長1本の連結索条の端部を対応する双方の連結環部に夫々挿通して鈎金具部間中央側に折り返し、互いの鈎型係合部の離反間隔を履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節した後に、少なくとも連結索条両端部の束ね合わせ部分の各一箇所を、固定機構によって挟持状に緊締することにより、固定機構に一体に組み込まれてなる滑り止め用の突起部を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとするよう装着することを特徴とする請求項1記載の無限軌道用滑り止め金具の装着方法。
  7. 無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、所定長1本の連結索条の一端を一方の連結部に連結し、所定長1本の他の連結索条の他端を他方の連結部に連結して、互いの鈎型係合部の離反間隔を履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節した後に、2本の連結索条の中途部を平行状に束ね合わせると共に、少なくとも連結索条の束ね合わせ範囲の複数適所を、固定機構によって挟持状に緊締することにより、固定機構に一体に組み込まれてなる滑り止め用の突起部を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとするよう装着することを特徴とする請求項2記載の無限軌道用滑り止め金具の装着方法。
  8. 無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、一方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具、および、他方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具を、互いに一直線上に重ね合わせて、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔を、履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節すると共に、該帯型雌金具の対応する長孔に帯型雄金具の各ボルト部を挿着した後に、各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成して締結固定させることにより、互いの鈎型係合部の離反間隔を自在に変更し、且つ所望する離反間隔において固定した上、固定金具部固定機構に点在状に突出する各ボルト部の夫々を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとするよう装着することを特徴とする請求項3記載の無限軌道用滑り止め金具の装着方法。
  9. 無限軌道の履帯外周踏面の適宜選択された谷型凹条部左右縁部の夫々に対して基端側が連結部、先端側が鈎型係合部に形成された一対の鈎金具部を、互いの鈎型係合部が略同一直線上で外側となるように掛着配置させた上、一対の鈎金具部間に設けた固定金具部の、一方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交状に突出するボルトを所定間隔毎に点在するよう突設した帯型雄金具、および、他方の連結部に連結された所定長であって軸心に略直交する方向に貫通した長孔を所定間隔毎に点在するよう穿孔した帯型雌金具を、互いに一直線上に重ね合わせて、各ボルト部と長孔の挿着位置の選択および長孔内でのボルト部の移動によって互いの鈎型係合部の離反間隔を、履帯左右幅間に締結可能とする所望の離反間隔に調節すると共に、該帯型雌金具の対応する長孔に帯型雄金具の各ボルト部を挿着した後に、各ボルト部の先端側から、夫々固定ナットを螺着して固定機構を形成して締結固定させることにより、互いの鈎型係合部の離反間隔を自在に変更し、且つ所望する離反間隔において固定した上、これら帯型雄金具および/または帯型雌金具の外周縁部や上面等の適所に一体形成された滑り止め用の突起部を、履帯外周踏面の山型凸条部よりも外側に突出させたものとするよう装着することを特徴とする請求項4記載の無限軌道用滑り止め金具の装着方法。
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