JP3829003B2 - 圧力調整弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械において旋回等の慣性の大きな負荷を操作するための油圧装置に使用し得る圧力調整弁に係り、特に作動時のショックを充分に低減することができると共に安定性に優れた圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の圧力調整弁として、調圧用圧縮ばねの一端をポペットに当接すると共に、他端を規定ストローク内で摺動自在なピストンの一端面に当接させ、前記ピストンの背圧室へ高圧室の圧油を導入することにより、圧力調整弁の作動圧力を漸次上昇させ、前記ピストンがストッパ部に当接した位置で、作動圧力が一定となるように構成し、前記高圧室の圧油を圧力補償付きの流量制御弁を介して前記ピストン背圧室へ導入するよう構成することによって、コンパクトな構造でかつ圧力上昇過程でのショックを大幅に軽減することができるように構成した圧力調整弁が提案されている(実公平4−51272号公報)。
【0003】
この提案に係る圧力調整弁は、図4および図5に示す構成からなる。すなわち、図4および図5において、参照符号10はハウジング、12は高圧室、14は低圧室、16はシート、18はスリーブ、20は圧縮ばね、22はピストン、24はキャップをそれぞれ示す。
【0004】
前記シート16は、スリーブ18の一端側に取付けられ、その一端部が、ハウジング10に設けたねじ部10aに対して螺着したスリーブ18によって、ハウジング10の高圧室12と低圧室14とを液密的に分離するように低圧室14の一側面に押圧形成されている。また、前記シート16の他端部には、圧縮ばね20の弾撥力を受けているポペット26が当接配置されている。そして、前記圧縮ばね20の他端は、ピストン22に設けた座面で支持されると共に、この圧縮ばね20の弾撥力によりキャップ24の内端面にピストン22を押圧当接させている。
【0005】
また、前記ピストン22の一部には段差部22aを設け、この段差部22aが、スリーブ18の内径部に摺動自在かつ液密的に支持されると共に、前記段差部22aが、スリーブ18のストッパ部18aと所要の間隙Gの範囲内で、軸方向に摺動可能に構成されている。
【0006】
しかるに、前記ピストン22の内径部には、圧力補償付きの流量制御弁として圧力補償スプール28が摺動自在に設けられ、この圧力補償スプール28とピストン22における内径部の閉端部側との間に圧縮ばね30を設けると共に、圧力補償スプール28には固定絞りとしての固定オリフィス32および横穴33を設ける。そして、前記ピストン22の内径部には溝34を設け、この溝34が油路34aを経てピストン背圧室36へ連通するように構成されている。
【0007】
このように構成された圧力調整弁は、例えば高圧室12内の圧力が上昇すると、ポペット26のシート16に当接する部分の直径をd1 とする断面積A1 と、ポペット26と一体的に形成されたロッド部26aの直径をd2 とする断面積A2 との面積差(A1 −A2 )に応じた圧油がポペット26に作用して、ポペット26は圧縮ばね20の弾撥力に打ち勝って図示の右方へ移動することにより、高圧室12の圧油が低圧室14へ流出しようとする。
【0008】
ところが、建設機械の旋回等の大きな慣性の負荷を、油圧的に制動するような場合においては、高圧室12の圧力は極めて短時間で上昇しようとする。そして、この高圧室12の圧力上昇は、ポペット26のロッド部26aに形成される油路26bが比較的大きい管路のため、油室38までは時間的に同時伝達されるが、ピストン22の内径部と圧力補償スプール28とによって形成される油室40へは、圧力補償スプール28に設けた固定オリフィス32を介してのみ連通しているので、油室40内の圧力上昇には時間遅れが生じる。
【0009】
すなわち、油室38内の圧力は、油室40内の圧力に比較して、圧力上昇の時間遅れによる分だけ高くなるので、この差圧による押圧力が圧縮ばね30の弾撥力に打ち勝って、圧力補償スプール28を油室40の方向すなわち図示の右方へ移動させ、この差圧による押圧力と圧縮ばね30の弾撥力とが釣り合った位置でバランスする。従って、圧力補償スプール28に設けた横穴33のピストン22の内径部の溝34に対する開度が、図5に示すように小さくなり、油室38および油室40の圧油は、固定オリフィス32および横穴33と溝34とにより形成される絞られた通路すなわち可変オリフィス35を経て、ピストン背圧室36へ流入することになる。
【0010】
そこで、ピストン背圧室36内の圧力上昇は、高圧室12内の圧力上昇に比較して、さらに遅れが生じると共に、ピストン背圧室36内への圧油の流入率は、時間的に一定であるので、ポペット26は圧縮ばね20の初期設定圧力、すなわちピストン22の右端がキャップ24の内側面に当接した位置で、作動し始める。このようにして、高圧室12の圧油が、油路26b、オリフィス32、可変オリフィス35を経てピストン背圧室36へ流入するに従い、ピストン22はその断面積が比較的に大きいために圧縮ばね20の弾撥力に打ち勝って、徐々に図示の左方へ移動し、ピストン22の段差部22aがスリーブ18のストッパ部18aに当接した位置で停止する。そして、高圧室12側の圧力が、なお高まり続ける場合には、ポペット26がピストン背圧室36の押圧力に打ち勝って押し開かれ、高圧室12の圧油が低圧室14へ流入し得るように構成されている。
【0011】
このように、ピストン背圧室36へ圧油が流れ、ポペット26が開くまでには、相当の時間遅れがあり、作動圧力はゆっくりと昇圧することになる。従って、この過程での高圧室12の圧力上昇は、例えば建設機械の旋回体等を油圧制動する場合には、圧力上昇過程で徐々に減速し得るので、極めてスムーズな制動を行うことができる。また、圧力上昇が極めて円滑であり、最終作動圧力を従来より高く設定しても、慣性体の停止時におけるショックが少なく、しかも短時間で制御することができ、機械の作業能率も向上することができるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の圧力調整弁においては、なお改善されるべき種々の問題が残されている。
【0013】
すなわち、図4において、ピストン22の内径部に、液密的かつ摺動自在に支持された圧力補償スプール28は、圧縮ばね30により図示の左方へ押圧するように保持されているが、高圧室12の圧力が上昇する過程で、この圧力が油室38へ伝達されると、圧力補償スプール28に設けられた固定オリフィス32の前後(油室38と油室40)での圧力降下により、圧力補償スプール28は圧縮ばね30の弾撥力に抗して図示の右方へ移動する。この場合、例えば図5に示す位置でバランスすることを考えると、圧力補償スプール28の移動の過程では、高圧室12の圧力が、初期設定値(図4に示すピストン22の移動可能範囲Gの初期位置すなわち右端位置にあって、圧縮ばね20のポペット26に対する荷重が最小の時)を越えた場合、ポペット26も圧縮ばね20の弾撥力に抗して図示の右方へ移動する。しかし、圧力補償スプール28に対するばね30の弾撥力は非常に弱いため、圧力補償スプール28は、高圧室12の昇圧の過程の比較的初期の段階で、ポペット26に比較すれば非常に短時間で、図4に示す位置から図5に示す位置、すなわち油室40内の油圧力と圧縮ばね30の弾撥力との和が、油室38の油圧力とバランスする位置へ、移動させることができる。
【0014】
しかるに、前記従来の圧力調整弁において、圧縮ばね20の荷重は、ポペット26に対する有効高圧作用面積を、ポペット26のシート16に当接する部分の直径をd1 とする断面積A1 と、ポペット26のロッド部26aの直径をd2 とする断面積A2 との面積差とし、かつこれらに作用する圧力は、ほぼ同圧として設定してある。また、高圧室12と油室38との間の油路26bには、ポペット26の先端に固定絞りとしての固定オリフィス26cが設けられている。
【0015】
そして、前記圧縮ばね30の弾撥力は非常に弱いために、高圧室12の圧力が急上昇した場合、この圧力は前記固定オリフィス26cを経て油室38へ流入し、これが圧力補償スプール28の油室38に面した面に作用し、このスプール28を、図示の右方へそのバランスする位置まで移動させようとする。
【0016】
しかしながら、この時の前記圧力補償スプール28の移動速度は、油室40からピストン背圧室36への通路(33、34、34a)すなわち可変オリフィス35が大きく開口しており、しかも絞り作用がないため、ピストン背圧室36内の圧油は、ピストン22とスリーブ18との摺動面の微小隙間から低圧室14側への微小漏れ等により、その間の圧油の移動が容易となっているので、非常に速くなり、油室38の圧力が高圧室12内の圧力に比較し、瞬時にかなり低下する。
【0017】
従って、高圧室12内の圧力が急上昇した場合の昇圧過程では、この圧力調整弁によれば、圧縮ばね20の最小荷重で定まる最低作動圧力よりもさらに低い圧力で、瞬時に一旦作動し、圧力補償スプール28が、図5に示すバランスする位置まで移動した後、ほぼ初期設定作動圧力に復帰する。すなわち、作動初期に作動圧力が不安定になる惧れがあり、この結果、この作動初期の不安定さに起因して、圧力調整弁が最終設定圧に到達した作動中においても、その振幅が大きくなる等の不具合およびこれに起因する異常振動音が発生する場合がある。
【0018】
そこで、本発明者等は、鋭意研究ならび検討を重ねた結果、高圧室の圧油の圧力が設定値に達した際にポペットによる開弁動作を行って高圧室の圧油を低圧室に排出するよう構成した圧力調整弁において、前記高圧室の圧油を前記ポペットと一体的に構成したロッド部内に設けた油路を経て前記ポペットの背面よりばねを介して弾力的に保持するばね座室に導くと共に、このばね座室に可動ピストンを液密的かつ摺動自在に設け、前記高圧室の昇圧の過程で前記ばねの弾力に抗して前記可動ピストンを所定ストローク量移動させてその作動圧力を昇圧させ、前記可動ピストンが所定ストローク移動した後にストッパ部に当接して設定圧を定めるよう構成すると共に、前記ロッド部内から前記ばね座室への圧油の流入通路には、前記可動ピストンの内径部に前記ポペットと同軸上に固定オリフィスを有する可動スプールを摺動自在かつ液密的に設けると共に前記可動スプールと前記可動ピストンとの相対移動によって流量調整を行う可変オリフィスを設けた構成とした場合、前記可動ピストンはスリーブ内に嵌装されたガイドの内径部に前記ポペットと相反する方向に圧縮ばねを介して弾力的に移動し摺動自在かつ液密的に設ける可動ピストンからなると共に、この可動ピストンの内径部に可動スプールを摺動自在かつ液密的に設け、前記可動ピストンと前記可動スプールとの相対移動によって形成される可変オリフィスの最大開口面積を、前記可動スプールに設けた固定オリフィスの開口面積以下に設定することにより、従来技術において発生することがあった作動時の不安定現象を完全に除去することができると共に、非常に安定した動作を行うと共に異常音等の発生のない静寂な動作を行う圧力調整弁を得ることができることを突き止めた。
【0019】
従って、本発明の目的は、建設機械の旋回のような大きな慣性負荷を制御する場合でも、従来の圧力調整弁に見られるような作動初期の不安定現象を解消し、作動時のショックを非常に小さくして安定性に優れた圧力調整弁を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る圧力調整弁は、高圧室の圧油の圧力が設定値に達した際にポペットによる開弁動作を行って高圧室の圧油を低圧室に排出するよう構成し、前記高圧室の圧油を前記ポペットと一体的に構成したロッド部内に設けた油路を経て前記ポペットの背面よりばねを介して弾力的に保持するばね座室に導くと共に、このばね座室に可動ピストンを液密的かつ摺動自在に設け、前記高圧室の昇圧の過程で前記ばねの弾力に抗して前記可動ピストンを所定ストローク量移動させてその作動圧力を昇圧させ、前記可動ピストンが所定ストローク移動した後にストッパ部に当接して設定圧を定めるよう構成し、前記ロッド部内から前記ばね座室への圧油の流入通路には、前記可動ピストンの内径部に前記ポペットと同軸上に固定オリフィスを有する可動スプールを摺動自在かつ液密的に設けると共に前記可動スプールと前記可動ピストンとの相対移動によって流量調整を行う可変オリフィスを設けてなる圧力調整弁において、前記可動ピストンはスリーブ内に嵌装されたガイドの内径部に前記ポペットと相反する方向に圧縮ばねを介して弾力的に移動し摺動自在かつ液密的に設ける可動ピストンからなると共に、この可動ピストンの内径部に可動スプールを摺動自在かつ液密的に設け、前記可動ピストンと前記可動スプールとの相対移動によって形成される可変オリフィスの最大開口面積を、前記可動スプールに設けた固定オリフィスの開口面積以下に設定することを特徴とする。
【0021】
この場合、前記可動ピストンに内径段差部を設けると共に、可動スプールの外径の一端に鍔部を設け、前記可動スプールを弾力的に支持するばねにより前記鍔部を前記可動ピストンの内径段差部に当接させ、この当接した位置における可動ピストンと可動スプールとで形成される可変オリフィスの開口面積を、最大開口面積として設定するように構成することができる。
【0022】
また、前記可動スプールに設けた固定オリフィスと可変オリフィスとの間には、さらに別の固定オリフィスを前記可動スプールに設けた構成とすることもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る圧力調整弁の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図4および図5に示す従来の圧力調整弁と同一の構成部分については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図1は、本発明に係る圧力調整弁の一実施例を示すものである。すなわち、図1において、圧力調整弁は、ハウジング10において、高圧室12と低圧室14とを遮断するように、スリーブ18を介してハウジング10に取付けられている。そして、前記スリーブ18の先端には、シート16の一端がハウジング10の穴端に液密的にスリーブ18の一端により押圧保持されており、このシート16にはポペット26が直径をd1 とする断面積で接している。
【0025】
前記ポペット26の他端には、圧縮ばね20の一端が当接配置され、この圧縮ばね20の他端は、可動ピストン23の第2の段差部23bに係止した座金42を介して可動ピストン23により支持されている。この可動ピストン23は、スリーブ18内に嵌装されたガイド44の内径部に摺動自在かつ液密的に支持されており、その閉塞側端部に液密的かつ着脱可能に取着されたプラグ56のフランジ内側に設けた座金とガイド44の一端であってストッパ部44aを形成する該一端との間に当接保持させた圧縮ばね46を収納するばね座室48を、その外周部に形成することにより、可動ピストンとして機能すると共に、その第1の段差部23aがガイド44の上記ストッパ部44aに当接するまでの間隙Lを、圧縮ばね46を圧縮しつつ図示の左方へ移動できるように構成されている。
【0026】
また、前記ポペット26には、ロッド部26aが一体的に設けてあり、高圧室12の圧油はロッド部26a内に設けた油路26bと固定絞りとしての固定オリフィス26dを経て油室38へ導かれている。ロッド部26aは、その後端部を可動ピストン23の内径部に液密的かつ摺動自在に支持されている。
【0027】
一方、圧力補償スプールとしての可動スプール28は、可動ピストン23の内径部に摺動自在かつ液密的に支持されており、しかも圧縮ばね30によって、図2に示すように、前記可動スプール28の鍔部29が、可動ピストン23の内径段差部23cに当接する位置で支持されている。また、前記可動スプール28の油室40は、前記油室38と固定絞りとしての固定オリフィス32を介して接続されている。さらに、前記可動ピストン23の外周部に形成されたばね座室48に対し、可動ピストン23に設けた横穴50と可動スプール28に設けた溝52の溝端53によって形成される可変オリフィス54および可動スプール28に設けた横穴通路55を介して接続されている。
【0028】
しかるに、本実施例の圧力調整弁においては、前記可変オリフィス54を形成する可動ピストン23の横穴50と、可動スプール28の溝52および横穴通路55とにおいて、前記可変オリフィス54の最大開口面積を、前記可動スプール28に設けた固定オリフィス32の開口面積以下となるように設定する。
【0029】
次に、図1および図2に基づいて、本実施例における圧力調整弁の作動について説明する。
【0030】
図1において、シート16に当接するポペット26の直径をd1とする断面積A1は、ポペット26のロッド部26aの直径をd2とする断面積A2より大きく設定してあり、断面積A2に作用する油圧力と、断面積A1に作用する油圧力との差が、圧縮ばね20の設定荷重を越えた時に、ポペット26は図示の右方へ移動し、断面積A1の部分が開口して、高圧室12の圧油を低圧室14へ流入させる。この過程で、高圧室12の圧油は、ポペット26のロッド部26aの油路26bおよびオリフィス26dを経て油室38へ流入し、さらに固定オリフィス32を経て油室40へ流入する。
さらに、油室40へ流入した圧油は、可変オリフィス54、横穴50を経てばね座室48に至り、プラグ56の背面側すなわち、図1のキャップ24左端面側に流入してプラグ56および可動ピストン23を間隙Lだけ左行させるので、可動ピストン23の第1の段差部23aはガイド44のストッパ部44aに当接する。
【0031】
しかるに、圧油が油室38から油室40へ流入する際、固定オリフィス32で圧力降下が生じ、すなわち油室38の圧力が油室40の圧力に比較して高くなるので、この差圧による力が圧縮ばね30の弾撥力に打ち勝って、可動スプール28を図示の右方に移動させようとするが、可変オリフィス54の開度が、図示の初期位置において既に開度が小さい場合には、高圧室12の圧力が瞬時に上昇し、これが固定オリフィス26dを経て油室38へ流入して、可動スプール28を図示の右方へ移動させようとする。
【0032】
しかし、油室40内の圧油は、可変オリフィス54のみを介してばね座室48へ流出し、かつ可変オリフィス54は、適切に絞られているので、すなわちその最大開口面積が前記可動スプール28に設けた固定オリフィス32の開口面積以下に設定されているので、高圧室12の圧力が瞬時に上昇しても、可動スプール28はそのバランスする位置まで適切な移動速度で移動させることができ、油室38の圧力が瞬時に低下することはない。従って、本実施例による圧力調整弁は、非常に安定した動作をするものとなる。
【0033】
なお、前記可変オリフィス54の開口面積を適切に設定する場合、例えば図3の(a)に示すように、可動スプール28に設けた溝52の溝幅に対し、比較的に大径の横穴50aを可動ピストン23に設けると共に、可動スプール28には、前記溝52と連通する比較的に小径の横穴通路55bを、可動スプール28に設けた固定オリフィス32の開口面積以下の開口面積とした固定オリフィスとして設定し、可変オリフィス54としての最大開口面積が、前記横穴通路55bによって規制されるように構成することができる。
【0034】
また、代案として、図3の(b)に示すように、可動スプール28に設けた溝52の溝幅に対し、比較的に大径の横穴通路55aを設けると共に、可動ピストン23には、前記溝52の溝幅に対して比較的に小径の横穴50bとし、可変オリフィス54としての最大開口面積が、前記可動スプール28に設けた固定オリフィス32の開口面積以下の開口面積となるように設定することもできる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可能である。
【0036】
【発明の効果】
前述したように、本発明に係る圧力調整弁は、高圧室の圧油の圧力が設定値に達した際にポペットによる開弁動作を行って高圧室の圧油を低圧室に排出するよう構成し、前記高圧室の圧油を前記ポペットと一体的に構成したロッド部内に設けた油路を経て前記ポペットの背面よりばねを介して弾力的に保持するばね座室に導くと共に、このばね座室に可動ピストンを液密的かつ摺動自在に設け、前記高圧室の昇圧の過程で前記ばねの弾力に抗して前記可動ピストンを所定ストローク量移動させてその作動圧力を昇圧させ、前記可動ピストンが所定ストローク移動した後にストッパ部に当接して設定圧を定めるよう構成し、前記ロッド部内から前記ばね座室への圧油の流入通路には、前記可動ピストンの内径部に前記ポペットと同軸上に固定オリフィスを有する可動スプールを摺動自在かつ液密的に設けると共に前記可動スプールと前記可動ピストンとの相対移動によって流量調整を行う可変オリフィスを設けてなる圧力調整弁において、前記可動ピストンはスリーブ内に嵌装されたガイドの内径部に前記ポペットと相反する方向に圧縮ばねを介して弾力的に移動し摺動自在かつ液密的に設ける可動ピストンからなると共に、この可動ピストンの内径部に可動スプールを摺動自在かつ液密的に設け、前記可動ピストンと前記可動スプールとの相対移動によって形成される可変オリフィスの最大開口面積を、前記可動スプールに設けた固定オリフィスの開口面積以下に設定する構成としたことにより、従来技術において発生することがあった作動時の不安定現象を完全に除去することができると共に、非常に安定した動作を行うと共に異常音等の発生のない静寂な動作を行う圧力調整弁を提供することができ、本発明に係る圧力調整弁を適用した建設機械は、非常に安定した操作を達成することができる等、多くの優れた利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力調整弁の一実施例を示す概略側面断面図である。
【図2】図1に示す圧力調整弁の要部拡大概略側面断面図である。
【図3】(a)および(b)は図1に示す圧力調整弁における可動スプールと可動ピストンとの間に形成する可変オリフィスのそれぞれ異なる構成例を示す要部拡大概略側面断面図である。
【図4】従来の圧力調整弁の構成を示す概略側面断面図である。
【図5】図4に示す従来の圧力調整弁の作動状態を示す概略側面断面図である。
【符号の説明】
10 ハウジング
10a ねじ部
12 高圧室
14 低圧室
16 シート
18 スリーブ
18a ストッパ部
20 圧縮ばね
22 ピストン
22a 段差部
23 可動ピストン
23a 第1の段差部
23b 第2の段差部
24 キャップ
26 ポペット
26a ロッド部
26b 油路
26c 固定オリフィス
26d 固定オリフィス
28 可動スプール(圧力補償スプール)
29 鍔部
30 圧縮ばね
32 固定オリフィス
38 油室
40 油室
42 座金
44 ガイド
44a ストッパ部
46 圧縮ばね
48 ばね座室
50 横穴
50a 大径の横穴
50b 小径の横穴
52 溝
53 溝端
54 可変オリフィス
55 横穴通路
55a 大径の横穴通路
55b 小径の横穴通路
56 プラグ
Claims (1)
- 高圧室の圧油の圧力が設定値に達した際にポペットによる開弁動作を行って高圧室の圧油を低圧室に排出するよう構成し、前記高圧室の圧油を前記ポペットと一体的に構成したロッド部内に設けた油路を経て前記ポペットの背面よりばねを介して弾力的に保持するばね座室に導くと共に、このばね座室に可動ピストンを液密的かつ摺動自在に設け、前記高圧室の昇圧の過程で前記ばねの弾力に抗して前記可動ピストンを所定ストローク量移動させてその作動圧力を昇圧させ、前記可動ピストンが所定ストローク移動した後にストッパ部に当接して設定圧を定めるよう構成し、前記ロッド部内から前記ばね座室への圧油の流入通路には、前記可動ピストンの内径部に前記ポペットと同軸上に固定オリフィスを有する可動スプールを摺動自在かつ液密的に設けると共に前記可動スプールと前記可動ピストンとの相対移動によって流量調整を行う可変オリフィスを設けてなる圧力調整弁において、前記可動ピストンはスリーブ内に嵌装されたガイドの内径部に前記ポペットと相反する方向に圧縮ばねを介して弾力的に移動し摺動自在かつ液密的に設ける可動ピストンからなると共に、この可動ピストンの内径部に可動スプールを摺動自在かつ液密的に設け、前記可動ピストンと前記可動スプールとの相対移動によって形成される可変オリフィスの最大開口面積を、前記可動スプールに設けた固定オリフィスの開口面積以下に設定することを特徴とする圧力調整弁。
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