JP3828577B2 - フィルムを選択的に架橋するための組成物及び方法並びにそれから得られる改良されたフィルム物品 - Google Patents

フィルムを選択的に架橋するための組成物及び方法並びにそれから得られる改良されたフィルム物品 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に、多層フィルムの少なくとも1個の層内に含有された主題組成物を有する多層フィルムに、増強した架橋効率を与えることができるポリマー組成物、このフィルムの該少なくとも1個の層内で増強した架橋を与えるための該フィルムの処理方法及び得られる架橋フィルム生成物並びに該架橋フィルム生成物から製造された物品に関する。
本発明は特に、食品を包装するために使用されるものを含む軟質包装フィルムの製造のために有用である。
ポリマーの物理的特性を架橋によって変えることができることは、長い間知られている。架橋を制御することによって、用途に依存して、ポリマーの物理的特性に於ける多数の望ましい変化を誘導することができる。例えば、ポリオレフィンについて、軟化温度が上昇し、同様に強靭性、衝撃強度並びに溶媒及びグリースによる攻撃に対する耐性が増強する。更に、架橋ポリマーが延伸されて配向を誘導すると、この材料は、未架橋の同等物サンプルよりも大きい程度の熱収縮特性を有するであろう。しかしながら、これらの同じ物理的特性は、未架橋の原材料を架橋した材料で単に置き換えることを試みた場合には、生成物の製造の困難を呈するであろう。このことは特に、材料の薄い層を製造するために押出、被覆又はスプレーに依存する製造方法に於いて当てはまる。
例えば、軟化温度又は粘度が上昇すると、ポリマーは所定の形式の装置の使用可能範囲から完全に外れるであろう。より高い軟化温度は、より高い製造温度を必要とし、この高い製造温度はフィルム又は皮膜のその他の有用な成分を劣化させるであろう。より高い粘度は、材料をスプレー若しくは押し出すことが困難であること又は得られた皮膜の厚さが望ましくないほど高いことを意味する。ポリマーを架橋することによって得られる物理的特性に於ける変化の幾つかは、「ポリエチレン及びジエンコポリマーの光開始架橋(Photoinitiated Cross−Linking of Polyethylenes and Diene Copolymers)」、B.Ranby、ACS Symposium Series、1990年、第417巻、第140−150頁並びに「低密度ポリエチレンの光開始架橋I:反応及び速度論(Photoinitiated Crosslinking of Low Density Polyethylene I: Reaction and Kinetics)」、Y.Qing,X.Wenying及びB.Ranby、Polymer and Eng.Sci.、1991年11月、第31巻、第22号で検討されている。
架橋ポリオレフィン材料の工業的製造について、種々の方法が知られている。これらには、ガンマ−及び加速電子ビーム照射(e−ビーム)のような高エネルギーイオン化照射並びに過酸化物、シラン及び標的ポリマーと組み合わせることができる二官能性化合物、モノマー及びオリゴマーのような化学的架橋剤を使用することが含まれる。
化学的に架橋したポリマーに一般的に付随する問題点の一つは、架橋を起こすことができる試薬が通常、それが包装物品(例えば、フィルム)に成形される前に、組成物の中に導入されることである。そうして、例えば、押出により、最初のフィルムを成形する間に通常遭遇する上昇した温度及び/又は圧力条件下で、架橋が起こるであろう。ポリマー材料が、フィルム等々へのその加工の前又は間に架橋されることによって、加工工程は遥かに高いエネルギーを必要とし、許容できない特性を有する生成物を製造するかもしれず又は或る例では全く実用的でない。
種々のパーティは、ポリマー組成物を架橋する手段として高エネルギー照射を使用することを開示している。例えば、Rosenthalによるドイツ特許公開第P1629772.6号には、比較的厚い(500ミクロン)ポリエチレンフィルムを、5メガラドの線量で250ミクロンの浸透深さで電子ビームにより照射し、次いで20ミクロンの厚さまで延伸して、異なった特性を有する側面(フィルムの主表面に隣接する材料)を有するフィルムを製造できることが開示されている。この場合に、処理した側面は約160℃の融点を有すると言われ、一方、未処理の側面は115℃の融点を有すると言われていた。Rosenthalは、UV、ガンマ線又はX線を使用し、塩素化芳香族又は脂肪族化合物のような光開始剤を使用して、架橋を達成できることを教示している。引用された例には、テトラクロロエチレン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン及び1,2,4−トリクロロベンゼンが含まれている。このような塩素化芳香族物質は、毒性の観点から、特に食品包装用に望ましくない。
ヨーロッパ特許出願第0549372A1号には、アルケニルシランと少なくとも2個の不飽和二重結合を有するオレフィンとのコポリマーから製造した成形物品を、炭化水素溶媒中の触媒の溶液の中に浸漬し、次いでこの物品を2時間80℃で加熱することにより、この物品の表面を架橋させる方法が開示されている。
ヨーロッパ特許出願第0490854A2号には、ポリエチレンをUV光で架橋させるための連続方法が教示されている。架橋は、ポリエチレンが溶融状態で、窒素雰囲気下にある、ポリエチレンの押出の間に起こる。この方法では、ベンゾフェノン又はベンゾフェノン誘導体及びシアヌル酸トリアリル(TAC)又はイソシアヌル酸トリアリル(TAIC)のような光開始剤が使用される。TAC及びTAICのような架橋助剤は当該技術分野でよく知られているが、これらはまた、非常に毒性であり、食品包装用に適しておらず、そして費用がかかり不便である不活性雰囲気を使用することが必要であると教示されている。
1988年4月12日付けでKellenらに発行された米国特許第4,737,559号は、包帯用の感圧接着剤に関する。この出願には、このような接着剤は時間の経過と共に接着強度が増加するが、p−アクリルオキシベンゾフェノンと共に架橋モノマーを添加し、続いてUV放射線に露出すると、除去したとき残留物が少なくて、皮膚表面に調和する良好な能力、適当な初期接着及び限定された接着増強を有する接着剤が得られることが開示されている。
Polymer、1993年、第34巻(12)、第2585−91頁に、Geddeらは、低分子量の1,2−ポリブタジエン及び過酸化物を使用するポリエチレンの熱架橋を記載している。熱架橋は、押出及び/又は成形工程の間の固有の不安定性のために限定された応用性を有する。このような方法は常に、加工性と早期架橋の量との間のある程度のかね合いを受ける。
Polymer Science,Ser.A、1994年、第36巻(5)、第608−14頁に、Zamotaevらは、ベンゾフェノン及び二官能性アクリレートを使用するポリプロピレン及び低密度ポリエチレンのUV架橋を記載している。
Reza Kenkyu、1993年、第21巻(9)、第974−80頁に、Uedaらは、光開始剤としてベンゾフェノン又は4−クロロベンゾフェノンを使用するエキシマーレーザーによるポリエチレンの架橋を記載している。このエキシマーレーザーは、それが小面積(10×20mm)に合焦させることを必要とし、非常に高価であるので、実用的ではない放射線源である。更に、この場合には、長い照射時間及び高い放射線量が必要であった。
上記参照した教示のそれぞれ及びその他には、照射を使用してポリマーフィルムを架橋させる手段が開示されているが、特に、フィルムを包装物品として使用することを意図するとき、多くの問題点が、得られる架橋生成物に付随する。2個の主表面及び約50ミル以下の厚さを有するフィルムのような、1個又は2個以上のポリマー層から形成された包装材料が、密閉した包装物を形成するために使用されてきた。例えば、この包装材料は、熱密封性を与えるために適している少なくとも1個の層(通常、表面層)を有するフィルムであってよい。熱密封される能力は、その軟化温度又は溶融温度付近に加熱したとき、材料の流れる能力に依存する。他方、内部層又はコア層は、強度、強靭性、収縮特性等々を与えるために存在するであろう。
製造の間に、このようなフィルムは、ときどき、フィルム包装材料を形成するポリマー材料を架橋するために、電子ビーム放射線又はその他の放射線のような放射線に曝露される。このような方法は、フィルムを形成する異なった層を区別しない。それで、照射を適用したとき、それは、フィルムの他の層に所望の有益な効果を与えながら、1個又は2個以上の層に悪影響を与えるかもしれない。例えば、高速包装装置に付すときポリオレフィンフィルムの外側層の所望の熱密封性を与えるために、ある種の表面特性を有することが望ましい。しかしながら、コア層特性を向上させるためにこのようなフィルムに照射を適用するとき、この放射線はフィルムの熱密封性に無差別に悪影響を与える。更に、その意図する目的のためのシーラント層の性能は、架橋が誘導されるとき一般的に低下する。これは、シーラント材料の架橋度が高くなるほど、所定の加工温度でその流れる能力が低下するためである。それで、得られる包装材料は、弱い、ときには欠陥のあるシールを示す。
(照射が架橋の方法である場合)フィルム全体を曝露させる照射の線量を低下させるとき、シーラント材料への悪影響を軽減させることができるかもしれない。しかしながら、このようにしたとき、(例えば、強靭性、改良された光学性又は製造の際のより大きい加工性を与えるための)架橋から利益を受ける他の層は、十分に性能を発揮しないであろう。それで、加工者は、熱密封性を弱くさせることと強靭性及び加工性のようなフィルムの他の所望の特性との間のかね合いに直面する。
更に、ポリ(二塩化ビニリデン)(PVDC)及びポリ(プロピレン)(PP)並びにその構造内に第三級炭素を有するその他のポリマーのようなある種の樹脂は、イオン化放射線に曝露したとき劣化することがよく知られている。それで、このような方法による架橋に付随する物理的特性に於ける改良は、このような材料を含有するフィルムに於いて必ずしも実現できるわけではない。
良好な熱密封性並びに加工性及び強靭性特性を得るための照射架橋に付随する問題をバランスさせることに加えて、この問題を更に複雑にする二つの技術的パラメーターが存在する。その第一は、シーラント層に典型的に使用される材料(例えば、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(「EVA」)等々)は、フィルムの内部層の一部として典型的に使用される材料(例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等々のようなエチレン/α−オレフィンコポリマー)よりも、所定の照射線量でより高い程度まで架橋する傾向があることである。換言すると、架橋が望ましいポリマー層は、架橋が必要でないフィルムの層よりも本来架橋を受け難いであろう。
第二の要因は、チューブ状フィルムがチューブの片側から照射に曝露され、他方が「マルチパス」構成(“multipass”setup)である照射方法に於いて、チューブ状フィルムの形状及び照射の物理的性質が、表面層(例えば、シーラント材料)が内部層又はコア層よりも多く放射線を吸収することである。それで、好ましいアプローチはシーラント層の架橋を最小にすることであるが、多くの典型的な照射方法の傾向は、シーラント材料の架橋を少なくではなく多く起こすことである。
高電圧照射によって起こされる無差別架橋を克服するために、米国特許第4,863,768号(Ishioら)には、フィルム断面(厚さ)を横断する放射線の減衰を与えるためにフィルムを低電圧照射することが教示されている。しかしながら、この方法は、商業的規模でこの技術を使用するために必要な装置に於ける顕著な財政的投資、各層で達成される架橋度に関する固有の予言不可能性並びにシーラント/コア/シーラント配置を有するフィルムのためのこの技術の非適用性を含むある種の欠陥を有している。
更に他の提案された解決は、架橋増強剤を典型的に液体又は粉末の形態で使用することである。例には、過酸化物のような低分子量(LMW)化合物並びにマレイン酸ジアリル、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート及び1、6−ヘキサンジオールジアクリレートのような不飽和エステルが含まれる。これらの材料は、押出の間の液体及び粉末の取り扱いの困難性、規制事情(これらの材料の多くのものについての食品法遵守(compliance)の欠落)、五感問題及び典型的な押出グレードポリマーとの劣った相溶性を含む幾つかの実際的な問題を持ち出す。特に過酸化物は、本来、熱的に不安定である。使用するとき、これらは押出機内でポリマーの架橋を開始するかもしれない。含まれる反応速度論は、押出工程を制御困難にする。押出速度及び全体工程条件は、最終フィルム特性の変動を避けるために厳格に制御しなくてはならない。
フィルムの特定の層又は層群の架橋効率(即ち、放射線の単位線量での架橋度)を、有効且つ商業的に許容できる方法で、好ましくは連続方法で、選択的に増強させるための手段を有することが非常に望まれている。更に、一般的にある種のイオン化放射線、特に電子ビーム放射線によって分解すると考えられているポリマー(例えば、ポリプロピレン、PVDC等々)から構成されたフィルムの1個又は2個以上の層を架橋させるための手段を提供することが非常に望まれている。なお更に、照射によってポリマーフィルムを架橋させて、包装用途で使用するために適しているきれいで透明なフィルム製品を提供できることが望まれている。
発明の要約
本発明は、ポリマーフィルムの架橋効率を選択的に増強させるための手段、更に特に、多層フィルムの或る層又は層群に関して増強された架橋を達成するための手段を提供する。本発明は更に、化学線照射(例えば、紫外線又は電子ビーム放射線)を使用してポリマーフィルムの少なくとも1個の層の選択的架橋を達成するための手段、なお更に、得られたフィルムが、通常このような処理に付随する分解効果を示すことなく、ポリプロピレン、PVDC及びその他のポリマーを含有するフィルム上で、所望の架橋が起こることを可能にする手段を提供する。
特に、本発明は、架橋が望まれる少なくとも1個の層を有する多層フィルムであって、該層が、(i)(a)少なくとも1種のポリエンモノマー、(b)少なくとも1種のC2〜C20オレフィンモノマー及び任意に(c)上記の(a)及び(b)とは異なった1種若しくは2種以上の追加の共重合性モノマーからなるモノマーから形成されたコポリマー又はその代わりに(ii)(a)少なくとも1種のポリエンモノマーから誘導された単位を有する少なくとも1種のポリマー;並びに(b)少なくとも1種のC2〜C20オレフィンモノマー及び任意にこのポリマー混合物のための上記の(a)及び(b)とは異なった少なくとも1種の追加の共重合性モノマーから誘導された単位を有する少なくとも1種のポリマーから構成されたポリマー混合物から構成されたPCE組成物を含有する多層フィルムに指向している。好ましくは、この組成物には更に、特に適用される放射線が紫外線であるとき、光開始剤が含有される。PCE組成物を有する層(群)は、他の層よりも高い架橋度を有する、フィルムの架橋層になる。主題PCE組成物は、フィルムの層を形成するために単独で使用することができるか又は架橋が望まれるフィルムの層を提供するために1種又は2種以上のポリマーとブレンドすることができる。
本発明は更に、少なくとも1個の選択された架橋層を有するフィルムの形成方法に指向している。この方法は、その中に主題架橋増強剤(enhancer)組成物を含有する、フィルムの厚さの少なくとも1個の層を有するポリマーフィルムを形成し、そしてこのフィルムを化学線放射線に付す(例えば、電子ビーム又は紫外線照射)ことからなる。
本発明はなお更に、架橋したポリマー組成物からなるフィルム厚さの少なくとも1個の第一層及び第一層のものよりも低い程度まで架橋されたポリマー組成物からなるフィルムの厚さの少なくとも1個の第二層を有する多層フィルム生成物に指向している。このフィルム生成物は、前記の方法に従って形成される。
本発明はなお更に、包装材料から形成され、物品を有することができる又は実際に物品を有する空洞を有する包装物であって、包装材料が、その少なくとも1個の層内に当該架橋増強剤組成物を有する当該単一又は多層フィルムから構成され、該少なくとも1個の層のポリマー材料の架橋を起こすために、包装材料が照射に付される包装物に指向している。
上記の発明を以下に十分に説明する。
【図面の簡単な説明】
図1は、溶融状態照射架橋方法の概略線図である。この方法に於いて、円錐形二軸スクリュー押出機(1)は、ダイリップギャップ(3)を有するフラットシートダイ(2)に取り付けられている。ヒュージョン・システムズ(Fusion Systems)UVランプ(4)(Hバルブを備える)のような照射源が、ダイリップギャップ(3)に又はその近くに、押し出されたフィルム(5)がランプ(4)の焦点を確実に通過するような方式で配置されている。照射されたフィルム(6)は、冷却ロール(7)を越えて引き取られ、冷却される。得られたフィルムはピンチロール(8)を通して引き取られ、巻き取りリール(9)に巻かれる。
図2は、本発明の多層フィルムの一部として使用するために適したフィルムの概略断面図である。
図3〜8は、本発明のフィルムの別の態様の概略断面図である。
図9〜12は、本発明のフィルムを他のフィルムに対して比較した棒グラフである。
発明の説明
本発明は、食品及びその他の製品等々を包装するために適した改良された多層フィルムを提供するための、新規な組成物及びこれの使用方法に指向している。本発明によって形成されたフィルムの少なくとも1個の層は、該少なくとも1個の層を、フィルム中に存在する他の層の望ましい特性に悪影響を与えることなく、増強剤組成物の不存在下で生じるよりも高い程度まで架橋させることができることを与える、ポリマー架橋増強剤(PCE)組成物からなる。
本発明は、(i)(a)ポリエンモノマー、(b)少なくとも1種のC2〜C20オレフィン系モノマー及び任意に(c)上記の(a)及び(b)とは異なった少なくとも1種の追加の共重合性モノマーから誘導される単位からなるコポリマー又はその代わりに(ii)ポリエンモノマー(a)からなるモノマーから形成されるポリマー並びに少なくとも1種のC2〜C20オレフィンモノマー(b)及び任意に組成物(ii)の上記の(a)及び(b)とは異なった少なくとも1種の追加の共重合性モノマーからなるモノマーから形成されるポリマーの混合物からなるポリマー架橋増強組成物を提供する。更に、本発明のPCE組成物には好ましくは更に、特にフィルムの意図する照射が紫外線によるものであるとき、光開始剤化合物が含有されている。
本明細書に於いて及び明細書に付属する請求の範囲に於いて、本発明を説明し且つ定義する際の助けとするために、下記の用語を以下に定義する。
「フィルム」は、長さ及び幅寸法を有し、それらの間に厚さを有する2個の主表面を有する、シート、積層物、不織ウエブ若しくは織ウエブ等々又はこれらの組合せを意味する。このフィルムは、フィルムの長さ及び幅寸法を実質的に伸ばす、少なくとも2種の異なった組成物から構成される2個以上の層(積層、プライ)から構成することができる。フィルムの厚さは、包装物を形成するための約50ミル以下の全ての適当な厚さであってよく、通常約20ミル以下、好ましくは約15ミル以下、更に好ましくは約10ミル以下、最も好ましくは0.1〜8ミルである。
「層」又は「プライ」は、本明細書に於いて、部材がフィルムの長さ及び幅を伸ばし、別個の組成物から構成される、フィルムの厚さの全て又は部分を形成する部材を意味する。
「架橋した」又は「架橋」は、本明細書に於いて、フィルムの層内で、2個又は3個以上のポリマーの分子鎖の間の直接的又は間接的(幾つかの化学構造的実体を介して)な化学的結合の形成を意味する。架橋度は典型的に、同じ種類の未架橋組成物に対する、ASTM D−1238に従って測定したメルトフローインデックスに於ける変化によって示される。より高い架橋度は典型的に、ASTM D−2765に従って測定したゲル分率で報告され、1パーセント(1%)ゲルより大きい値は、幾らかの架橋度を示す。
「ポリエン」は、本明細書に於いて、Hawleyの要約化学用辞書(Condensed Chemical Dictionary)、第12版、第932頁に定義されているように、鎖中に少なくとも4個の炭素原子を含有し、少なくとも2個の二重結合を有する全ての不飽和脂肪族又は脂環式化合物からなるモノマーを意味する。用語「少なくとも2個の二重結合」は、炭素−炭素二重結合を意味する。カルボニルのような、炭素と炭素以外の元素との1個又は2個以上の結合又は二重結合が、任意にポリエン中に存在していてもよい。
「置換」は、本明細書に於いて、分子の構造内で、1種の原子又は原子の群が、他の原子又は原子の群で置き換わる、化学反応の結果を意味する。これは特に、アルキル、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン又はその他の化学的置換基による、水素−炭素単位の水素原子の置換を指す。
「ポリマー」は、本明細書に於いて、多数の単純な分子のお互いの結合(union)によって形成された分子を意味する。ポリマーを与えるために結合する単純な分子はモノマーとして知られており、それらの結合は重合と呼ばれる。ポリマーは、ホモポリマーを与えるために全てが同様であるか又はときには特にコポリマー、ターポリマー、テトラポリマー等と呼ばれるコポリマーを与えるために2種若しくは3種以上の種々のモノマーであってよいモノマーの結合からなっていてよい。
「流動性」は、本明細書に於いて、熱及び/又は圧力の影響の下で流れるための、フィルム又は層の能力を意味する。この用語は、特に、それ自身又は幾つかの他の材料に対してシールすることができるフィルム又は層に関して使用される。流動性は典型的に、ASTM D−1238の手順に従って便利に測定されるメルトフローインデックス(MFI)として報告される。流動性は、架橋のレベルを示すための代替の手段であり、材料の架橋度が高くなるにつれて、そのMFIは低下する。
「紫外」又は「UV」は、170〜400nmの範囲内の波長又は複数の波長の放射線を意味する。
「イオン化放射線」は、イオンを発生することができる高エネルギー放射線を意味し、電子ビーム放射線、ガンマ線及びX線を含む。
「E−ビーム」は、バンデグラーフ発生器、電子加速器又はX線によって発生される電子ビームのイオン化放射線を意味する。
「PCE」は、ポリマー架橋増強剤を意味し、本発明の組成物及びその成分を指す。
「AUPO」は、本明細書に於いて、その中にコモノマー単位の高度のランダム分布を有するように、少なくとも1種の単一部位触媒(single−site catalyst)、好ましくはメタロセン触媒として知られている少なくとも1種の触媒を使用する接触重合によって形成される先端(advanced)不飽和ポリオレフィン型のPCEコポリマーを意味する。
本発明のPCE組成物は、(a)少なくとも1種のポリエンモノマー、(b)少なくとも1種のC2〜C20オレフィン系モノマー及び任意に(c)上記の(a)及び(b)以外の少なくとも1種の共重合性モノマーから誘導されるモノマー単位で形成されるコポリマーからなる組成物(i)から構成することができる。更に、本発明のPCE組成物には、光開始剤として作用するために適した化合物が含有されていてよく、この化合物はPCEコポリマーとブレンドされる。
PCEコポリマーのモノマー(a)は、ポリエンから選択される。このようなポリエンの例は、下記のものによって例示されるが、これらに限定されない。5−エチリデン−2−ノルボルネン(「ENB」)、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(「VNB」)、5−メチレン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン(「HD」)、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、5−エチル−1,6−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、1,9−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン−1,8−ノナジエン、1,13−テトラデカジエン、1,4−ドデカジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキセン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1−アリル−3−ビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキセン(「VCH」)、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、ジビニルベンゼン及びビニルイソプロペニルベンゼン。これらは、ポリマー架橋増強剤のポリエン成分として、単独で又はお互いの組合せで使用することができる。好ましいポリエンは、ブタジエン、ENB、VNB、HD、DCPD及びVCHであり、特にAUPOの一部として好ましいのはENB及びVNBであり、最も好ましいのはVNBである。
このモノマー(群)は、単位の少なくとも幾らかがエチレン性不飽和を保持している、PCEコポリマーの単位を形成することができなくてはならない。
PCEコポリマーのモノマー(群)(b)は、2〜20個の炭素原子のオレフィンのような少なくとも1種のC2〜C20オレフィン系モノマーである。このようなモノマー(b)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチルヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンによって例示されるが、これらに限定されない。典型的に、モノマー(b)はC2〜C8−オレフィンであり、最も典型的にエチレン又はプロピレンである。
PCEコポリマーには任意に、上記の(a)又は(b)モノマー以外であるモノマーから選択される少なくとも1種の第三モノマー(c)が含有されていてよい。このようなモノマー(c)は、スチレン又はスチレン誘導体等々のようなビニル芳香族、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等々のようなシクロオレフィンモノマー、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル及びアクリル酸ブチル等々のような不飽和エステル、アクリル酸若しくはメタクリル酸のような不飽和酸又はこれらの酸塩等々並びにポリ塩化ビニルのようなポリハロゲン化ビニルによって例示されるが、これらに限定されない。
本発明のPCEコポリマーは、好ましくは0.8〜1.0g/ccの25℃での密度を有する。
PCE組成物(i)に使用するとき、PCEコポリマーは一般的に、0.01〜40モル%、好ましくは0.1〜10モル%のポリエン含有量を有するであろう。PCEコポリマーの残り(少なくとも1種のC2〜C20オレフィン系モノマー(群)(b)並びに全ての第三の又は追加のモノマー(群)(c))は、ポリマー架橋増強剤の99.99〜60モル%、例えば、99.9〜90モル%を形成するであろう。このコポリマーの重量平均分子量(Mw)は、少なくとも約20,000ダルトン、好ましくは少なくとも約10,000〜1,000,000でなくてはならない。全ての希釈ポリマーとの相溶性、使用される放射線に関する反応性の程度等々を含む種々の要因が、特定の最終用途のための最適組成を決定するであろう。特定のPCEコポリマーのための最適組成は、小実験によって容易に決定することができる。
本発明のPCEコポリマーは、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーターポリマー(EPDM)(但し、ジエンモノマーは、最も一般的に、ENB、HD、DCPD又はVCHから選択される)によって例示されるが、これに限定されない。
PCE組成物には更に、光開始剤化合物が含有されていてよい。このような化合物は、実質的に均一な組成物を与えるためにPCEコポリマーとブレンドされる。照射の形態として紫外線が意図されるとき、架橋効率、即ち、放射線の単位線量当たりの架橋度を増加させるために、PCE組成物には好ましくは光開始剤が含有されていなくてはならない。照射の形態としてEビームが意図されるとき、PCE組成物には任意に光開始剤が含有されていてよい。Eビーム放射線は、光開始剤の不存在下で架橋が容易に起こるので、通常、光開始剤を付随しないが、このような光開始剤化合物を含有する本発明のPCE組成物を使用するとき、架橋効率が増加し、それで運転者は、より少量のPCE組成物を使用することができ、より高い架橋度を達成することができ、より低い線量の電子ビーム放射線を利用することができ又はこれらの組合せが可能であることが、予想外に見出された。
適当な光開始剤には、ベンゾフェノン、オルト−又はパラ−メトキシベンゾフェノン、ジメチルベンゾフェノン、ジメトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o−メトキシ−アセトフェノン、アセナフテンキノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニル−ブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、3−o−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセチルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4′−メトキシアセトフェノン、α−テトラロン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルフェナントレン、10−チオキサンテノン、3−アセチルフェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,5−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、7−H−ベンズ[デ]アントラセン−7−オン、ベンゾインテトラヒドロフィラニルエーテル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1′−アセトナフトン、2′−アセナフトン、アセナフトン及び2,3−ブタンジオン、ベンズ[ア]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジエトキシ−アセトフェノン、α,α−ジブトキシアセトフェノン、アントラキノン、イソプロピルチオキサントン等々が含まれるが、これらに限定されない。ポリマー開始剤には、ポリ(エチレン/一酸化炭素)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ポリメチルビニルケトン及びポリビニルアリールケトンが含まれる。それによって一般的により速く、一層効率的な架橋が得られるので、UV照射と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい。
市販されている好ましい光開始剤には、ベンゾフェノン、アントロン、キサントン及びその他、即ち、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(登録商標イルガキュア(IrgacureTM)651)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(登録商標イルガキュア184)及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(登録商標イルガキュア907)を含む、チバ・ガイギー社(Ciba−Geigy Corp.)からの光開始剤の登録商標イルガキュアシリーズが含まれる。最も好ましい光開始剤は、良好な架橋効率を得るために、配合された樹脂からの低い移行並びに押出温度での低い蒸気圧及びポリマー又はポリマーブレンド物中の十分な溶解度を有するであろう。多くのよく知られた光開始剤の蒸気圧及び溶解性又はポリマー相溶性は、光開始剤を誘導化すると容易に改良することができる。誘導化光開始剤には、例えば、4−フェニルベンゾフェノン、4−アリルオキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシベンゾフェノン等々のようなベンゾフェノンのより高い分子量誘導体が含まれる。この光開始剤は、本明細書で以下に記載するように、PCEコポリマー又はポリマー希釈剤に共有結合させることができる。それ故、最も好ましい光開始剤は、包装構造物から実質的に非移行性であろう。
光開始剤は、PCE組成物を含有する層の約0.1〜3重量パーセント、好ましくは1〜2重量パーセントの濃度で添加される。光開始剤がポリマーに結合している場合には、このポリマーは典型的に、PCE組成物を含有する層の0.1〜3重量パーセントの光開始剤を与えるようなレベルで添加されるであろう。
本発明の他の態様に於いて、PCE組成物は、ポリエン(a)から誘導された単位を有する少なくとも1種のポリマー;並びにC2〜C20オレフィン系モノマー(群)(b)単独又はモノマー(群)(c)(それぞれ、前記した)と一緒から誘導された単位を有する少なくとも1種のポリマーの混合物から構成されていてよい。例えば、1,000〜1,000,000、好ましくは1,000〜200,000の分子量(Mw)を有する、1,2−ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンコポリマー等々を、少なくとも1種のモノマー(b)及び任意に少なくとも1種のモノマー(c)から形成される第二ポリマーと組み合わせて使用することができる。この説明及び本明細書に付属する請求の範囲の定義された発明の目的のために、用語「PCEコポリマー」はまた、他の方法で特に記載されていない限り、本明細書に記載されたようなポリマーの混合物も指す。同じこのようなポリマーが、約5重量パーセント以下でポリオレフィンと実質的に相溶性であるという事実に鑑みて、得られるフィルムの層中でより均一な架橋の分布になる良好な分布を容易に得ることができる。
PCEコポリマーが上記のようなポリマー混合物(ii)からなるとき、この混合物は一般的に、混合物(ii)基準で0.01〜40重量パーセント、好ましくは約0.1〜10重量パーセントのポリエンからなるポリマーのものであり、モノマー(群)(b)及び任意に(c)のポリマーは、ポリマー混合物(ii)の残りを構成するであろう。この混合物の好ましいポリエンは、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー及びスチレン−イソプレンコポリマーである。
PCEコポリマーは、例えば、バナジウムをベースとするもののような、チーグラー−ナッタ遷移金属触媒を使用する公知の重合方法によって形成することができる。しかしながら、得られるコポリマーは、PCEポリマー分子全体に均一に分布した不飽和を有することが好ましい。即ち、このコポリマーは、お互いから本質的に分離している不飽和部位を含有することが好ましい。従来の重合方法は、(ブロックで)お互いに隣接した多重の同一単位を含有して、ポリマー分子内で不飽和のランダム性の小さい分布を有するポリマーになる傾向がある。
PCEコポリマーの好ましい組はPCEコポリマー(i)であり、これらの中で最も好ましいものは、コモノマーの超ランダム分布を有するポリマー材料を提供するために、少なくとも1種の単一部位触媒、好ましくは少なくとも1種のメタロセン触媒によって生成されるものである。単一部位触媒は、単一種類の活性中心を含有する触媒として定義される。単一部位触媒からの得られたポリマーは、狭い分子量分布を示し、しばしば3より小さい多分散度(Mw/Mn)及び狭い組成分布を有する。メタロセン触媒は、少なくとも1個のπ結合したシクロペンタジエニル単位(又は置換シクロペンタジエニル単位)、最も頻繁に2個のπ結合したシクロペンタジエニル単位又は置換単位を有する有機金属化合物として定義される。これには、インデニル若しくはフルオレニル又はそれらの誘導体のような他のC5π結合単位が含まれる。これらの物質はしばしば、より高い位置規則性、ある場合には、従来通り製造されたPCEコポリマーのような、従来通り製造されたコポリマーよりも高い立体規則性を示す。本発明の開示の目的のために、このようなPCEコポリマーを、先進不飽和ポリ(オレフィン)(以下、「AUPO」)と言う。
AUPOは、狭い分子量分布を有し、従来通り調製されたPCEコポリマーよりも少ない触媒残渣を有する、より化学的に均一な形態で調製される。それでこれらは、本発明による包装応用、特に食品包装のためのフィルムを形成する上で有利である。これらはまた、現在のコポリマー技術に、有用性及び範囲に於いて優れた物理的特性を提供する。
AUPOは、PCEコポリマー(i)について前記したことと組成が同一であるコポリマーとして説明することができる。しかしながら、これらは、少なくとも1種の単一部位触媒、好ましくはメタロセン触媒を使用することを含む、それらが調製される方法に於いて異なっている。従来使用されてきた典型的なポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン又は1,4−ヘキサジエンのような高度に置換されたポリエンに限定される。より反応性のポリエンはしばしば、それらが早期に架橋してゲル化に至り、材料を加工することが困難になる傾向を有するので、(例えば、従来のEPDM技術に於いて使用される)バナジウムベースの触媒系を用いて使用することができない。架橋及び他のポリマー変性/グラフト化反応を容易にするために、より反応性のポリエンを含有するAUPOを調製できることが非常に望ましい。このような材料は、(過酸化物、シラン又は硫黄のような)化学薬品により又はイオン化若しくは非イオン化放射線方法によって架橋させることができる。
これらのAUPO材料を使用することによって得られる第一の改良は、それらが、同じ種類の従来のPCEコポリマーよりも、架橋の所定のレベルまで架橋するために必要な少ないエネルギーを必要とし、架橋に於ける大きい多様性を与えることである。AUPOは、所定のエネルギーレベルで、飽和樹脂よりも実質的に高い程度まで架橋する。この改良は、改良された架橋効率に至るポリマー主鎖に沿ったポリエン成分の改良された分布に大きく依存している。
AUPO樹脂による第二の改良には、架橋で完結する、より少ない鎖開裂を与えるバナジウムベース触媒を越える改良された位置選択性が含まれる。
同じ種類の従来のPCEコポリマーを越えたAUPOの第三の改良には、樹脂の酸化及び光安定性が含まれる。これは、より低い黄色度指数を有する不飽和樹脂に至る。
従来のPCEコポリマーを越えたAUPOの第四の改良は、フィルム及び層を形成するためのより大きい加工の容易性である。
AUPOは、そのより高い架橋効率に基づいて、増強された配向性、強靭性、耐破壊性、耐引裂性、衝撃、引張強度及び/又は伸びを提供し、それで多層フィルム、袋及び積層物に於けるコア層及び/又は濫用層(abuse layer)の形成で補助するためのものとして適している。これらは、二塩化ビニリデンコポリマー及びポリプロピレンのようなイオン化放射線感受性樹脂を、実質的な分解を伴わず、改良された五感品質で使用することができるように、現在使用されている材料よりも低い放射線(例えば、電子ビーム)で選択的に架橋させることができる。
AUPOはまた、改良されたグラフト化反応及び減少した連鎖移動性のために、(無定形EPDM樹脂を含む)従来のPCEコポリマーを使用するブレンド物と比較して、改良された物理的特性を有する比較的良好なブレンド物を提供する。例えば、高温で明らかな溶解性を示すが、冷却すると層分離を示す2種又はそれ以上のポリマーのブレンド物の溶融架橋は、成分の一つが架橋及び/又はグラフト化し、そうして相偏析する傾向を低下させる場合に改良することができ、そうして老化特性を改良する。これは、これらの材料から製造された最終フィルムに於ける改良された光学性質になり得る。樹脂密度及び屈折率のより近い合致が存在し得るので、ブレンド物特性に於ける改良を達成することもでき、減少した黄色度も提供される。改良された光学性質及び物理的特性を有するAUPOを含有する多成分ブレンド物を、このようにして製造することができる。
AUPOは、ブレンド物から製造されたフィルムの物理的特性、例えば、光沢、曇り及び透明度のような光学的特性を最適化するために、他の樹脂とのこれらの材料のブレンド物を適合させるために、それらの分子量及び結晶化度に関して選択することができる。この適合の程度は、更に従来通り製造したPCEコポリマーでは可能ではない。
AUPOはまた、顕著な収縮特性、即ち、従来のエチレン/α−オレフィンコポリマーと比較して、より高い自由収縮、より低い収縮温度及び改良された配向性を提供する。
メタロセン触媒を使用してこれらの材料を製造する方法は、Welbornらによる国際特許出願第WO88/04674号(その教示を、全部記載されているかのように参考として本明細書に取り込まれる)に開示されている。AUPOの典型的な例は、それらがメタロセンのような単一部位触媒方法を使用して調製された以外は、前記のこれらのコポリマーである。これらには、エチレン−プロピレン−ポリエンモノマーのターポリマー、エチレン−ブテン−ポリエンモノマーのターポリマー、エチレン−ヘキセン−ポリエンモノマーのターポリマー、エチレン−ヘプテン−ポリエンモノマーのターポリマー、エチレン−オクテン−ポリエンモノマーのターポリマー、エチレン−4−メチル−1−ペンテン−ポリエンモノマーのターポリマー、エチレン−ノルボルネン−ポリエンモノマーのターポリマー及びエチレン−スチレン−ポリエンモノマーのターポリマー(但し、ジエンは、ENB、VNB、HD、DCPD、VCH、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン又はDVBから選択される)が含まれるが、これらに限定されない。
好ましいAUPO樹脂には、反応押出機又は反応器等々のような、早過ぎる架橋又はゲル化のない高度に反応性のビニル基が含有されている。好ましいジエンには、5−ビニル−2−ノルボルネンが含まれる。オレフィンと5−ビニル−2−ノルボルネンとの不飽和PCEコポリマーは、Cp2ZrCl2のような単純なメタロセン触媒を使用して、早期架橋無しに製造することができる。この場合に、環式オレフィン系基は、次の架橋又は変性/グラフト化反応のために利用できる側鎖ビニル基を残して重合される。1,7−オクタジエン及び1,9−デカジエンのようなα,ω−ジエン並びにビニル基の一つに対してαにアルキル置換基を含有する他の非環式ジエンも好ましい。このような非環式ジエンの例は、3−メチル−1,5−ヘキサジエン及び3−メチル−1,7−オクタジエンである。ビニル不飽和材料は、改良された物理的特性を有するフィルム、袋又は積層物に至る顕著な架橋特性を示す。
好ましいAUPO樹脂は、0.8〜1.0g/cc、0.84〜0.96g/cc、0.86〜0.94g/cc、0.88〜0.92g/cc及び0.89〜0.91g/ccのような密度を有する、単一部位触媒化ポリマー材料からなる。これらの記載した範囲の何れかの中に入る全ての密度値も、ここに含まれる。
本発明のPCE組成物は単独で使用して、フィルムの少なくとも1個の層を与えることができるか又は増強した架橋が望まれる少なくとも1個の層を形成するために適した1種又は2種以上の希釈ポリマーと一緒に使用することができる。希釈ポリマー(群)と組み合わせる(前記のように、PCEコポリマー単独としての又は更に光開始剤と一緒の)PCE組成物の量は、目標層を形成する組成物の約0.1〜99.9重量パーセントであってよい。正確な量は、望まれる架橋度、主題PCE組成物の相溶性及び特別の例で使用される希釈ポリマーに依存するであろう。それで、0.1〜99.9重量パーセントの重量パーセントの全ての値及び範囲は、本発明の教示の一部を構成する。
この希釈ポリマーは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンを含むポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン/プロピレンコポリマー、ポリスチレンコポリマー、エチレン/アクリレート又はアルカクリレート(alkacrylate)コポリマー、エチレン/アクリル酸又はアルカクリル酸(alkacrylicacid)コポリマー及びイオノマー、エチレン/酢酸ビニル等々並びにこれらの混合物のような、オレフィンのホモポリマー及びコポリマーによって例示されるが、これらに限定されない。
架橋は、PCEコポリマーの分子間で起こってよい。更に、PCEコポリマーは、希釈ポリマーの分子又は分子の断片と架橋又は反応してよい。例えば、架橋は第一PCEコポリマー分子と第二PCEコポリマー分子との間で形成されてよく又は架橋は第一PCEコポリマー分子、第二PCEコポリマー分子及び第三PCEコポリマーの間で起こってもよい。架橋はまた、少なくとも1種のPCEコポリマーと希釈ポリマー分子又はこのような分子の断片との間で起こってもよい。希釈ポリマー分子は、他の分子との架橋に加入するための部位として適している残留エチレン性不飽和を有してよい。イオン化照射の際にポリマー分子の開裂を受けるかもしれない、ポリプロピレンなどのような第三級炭素−水素結合を有するポリマーの場合に、主題PCEコポリマーが存在すると開裂が抑制され、それ自体で又はPCEコポリマーの一部として形成されるポリマー断片を再結合する手段が起こる及び/又は与えられることが見出された。それで、ある種のポリマーのイオン化照射に一般的に付随する開裂の分解効果が、実質的に減少する。
このPCE組成物は好ましくは、通常20〜25℃の間である環境温度で固体である。このPCEコポリマーを、希釈ポリマーと一緒に使用される組成物中に使用するとき、メルトフローインデックス(MFI)は、ポリマー希釈剤を含有するPCEコポリマーのレオロジー又は存在する場合にはフィルムの他の層の材料と相容性があるように選択される。約5,000グラム/モル以下の低い重量平均分子量(LMW)のPCEコポリマーは、それらが取り扱いに於いて困難性を示すために、このような低分子量化合物を希釈ポリマーと配合して、層のマトリックスを形成するために必要であるかもしれない余分の工程のために、そして架橋が遅延した場合に、これらの低分子量材料が押出後にフィルムを通してブルーミング又は移動する傾向を有するためにあまり好ましくない。PCE組成物が、これも典型的にペレット形状で与えられる(エチレン性ポリマーのような)他のポリマー原材料と容易にブレンドされるように、固体ペレットとしてPCE組成物を提供することが好ましい。それで、これらの材料は、フィルム構造物を形成するために使用される押出機又はその他の装置に供給する前に予備ブレンドすることができる。ポリマー架橋増強剤組成物は好ましくは、照射の前及び後で低い黄色度指数を有し、良好な五感特性(即ち、食品に異臭又は異風味を与えない)を有していなくてはならない。
固体PCEコポリマーのメルトフローインデックス(MFI)は、ASTM D−1238により2.16kg/190℃で0.01〜100dg/分でなくてはならないが、より高いMFI材料を使用することができる。このようなMFIポリマーは典型的に包装応用で使用されるので、好ましいMFIは0.1〜20dg/分、更に好ましくは0.1〜10dg/分である(ASTM D−1238、条件E)。
本発明のPCEコポリマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは少なくとも10,000ダルトン、更に好ましくは少なくとも15,000、20,000、40,000又は60,000ダルトンである。このMnは通常、10,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜200,000ダルトン、例えば、20,000〜100,000、30,000〜80,000、40,000〜70,000及び50,000〜60,000ダルトン(グラム/モル)である。
PCEコポリマーの重量平均分子量(Mw)は、少なくとも約10,000ダルトン、好ましくは少なくとも20,000ダルトンでなくてはならない。好ましいMwは、20,000〜1,000,000ダルトン、例えば、30,000〜350,000、50,000〜250,000、70,000〜170,000、更に好ましくは90,000〜130,000ダルトンであってよい。
PCEコポリマーの粘度平均分子量(Mv)は、20,000〜1,000,000、好ましくは30,000〜350,000、例えば、50,000〜250,000、75,000〜150,000、更に好ましくは90,000〜125,000ダルトンであってよい。例えば、当該フィルムが食品接触最終用途を有するとき、少なくとも120,000ダルトンのMvが、現在の米国食品法(FDA)規則に従う目的のために好ましい。
PCEコポリマーは無定形であってよいが、このコポリマーは半結晶性であることが好ましい。それで、本発明に於いてPCEコポリマーとして使用されるAUPOは、0から約70%以上までの範囲内の結晶化度を有していてよく、例えば、主要モノマー(b)としてプロピレンを含有する材料について0.001%〜45%の範囲、主要モノマー(b)としてエチレンを含有する材料について0.001%〜70%の範囲を有していてよい。本発明の開示の目的のために、結晶化度は、従来のX線回折法によって決定されるような、形成された結晶の分率として定義される。
従来のポリオレフィンは典型的に、その分子構造内に一定の数の二重結合を有する。本発明のPCEコポリマーは、主として存在するポリエンのために、この「バックグラウンド」又はベースライン不飽和への追加の不飽和に寄与する。低すぎるポリエン含有量(コポリマー中のポリエンのパーセント、ポリエンモノマー自体の不飽和パーセント、存在する酸化防止剤の量並びにPCE組成物及び存在する場合希釈ポリマーのブレンド物中のPCEコポリマーのパーセントを考慮に入れる)は、不十分な架橋増強になり得る。PCEコポリマーには、コポリマー分子の100,000個の炭素原子当たり少なくとも10個の炭素−炭素エチレン性二重結合(C=C)が含有されることが好ましい。エチレン性二重結合の数は、100,000個の炭素原子当たり10〜33,333個の二重結合の範囲であってよく、約20〜約1000個が好ましい。開示された特定の範囲内の全ての数値及び範囲は、参照して本明細書に含められることが理解される。それで、PCEコポリマーは、ポリエンが存在するために、ポリエンを含有しない類似のポリマーよりも多くの二重結合を層の組成物に与えるであろう。最も望ましい不飽和は、ビニル不飽和(末端又は側鎖不飽和とも呼ばれる)であるが、内部二重結合を使用することもできる。このようなポリマーには、ポリマー末端基によって表わされるものよりも顕著に高いレベルで不飽和が含有されるであろうし、また、マトリックス内の不飽和の均一な分布によって特徴付けられる(即ち、ランダムコポリマー)。このようなポリマーの不飽和は、赤外(IR)分光法によって最も容易に特徴付けられる。
高すぎるポリエン含有量(再び、コポリマー中のポリエンのパーセント、ポリエンモノマー自体の不飽和パーセント並びにPCE組成物及び存在する場合希釈ポリマーのパーセントを考慮に入れる)は、十分に厳しい場合は、配向安定性(配向フィルムが製造される場合)に影響を与え得る押出ゲル又は含有物になり得、気泡破壊にもなり得る。フィルムが破壊を起こすほど十分に厳しくない場合でも、最終フィルムの光学性質(光沢、透明性、曇り)は、このような含有物によって悪影響を受け得る。光学性質が重要である包装用途について、このことは商業的に許容できないフィルムを意味する。それで、層組成物中に存在する100,000個の炭素原子当たり10〜約10,000個、好ましくは20〜1,000個のエチレン性二重結合を与える範囲内の、PCEコポリマーのポリエン含有量を有することが好ましい。
例えば、PCEコポリマーとして有用なポリエンの代表的基についての不飽和の計算されたレベル(100,000炭素原子当たりのC=C結合の数)は、以下にここで表1に示される。
Figure 0003828577
表1に示される不飽和の値は、(1)エチレンおよびプロピレンは、PCEコポリマー中の2つの他のモノマーであり、そして(2)エチレン対プロピレンの重量比は、3:1であると考えられる。
本発明は、そのフィルムの他のいかなる層にも逆に影響を及ぼさずに、所望の程度の架橋のフィルムの特定の層または複数の層のポリマー材料を供する手段を提供する。イオン化照射により、例えばポリプロピレン・ジクロライド、ビニリデンコポリマー等のとき特にEビーム照射のように正常に不利に影響を受ける樹脂を有する多層フィルムの所望とされる架橋の標的層を提供するのに有用である。このようなポリマーは、10から100キログレイの線量のE−ビーム照射にさらされた場合、鎖分断および結果の減成を起こす傾向にある。本発明のPCE組成物は、層または層のブレンド成分として使用する場合、減成産物および正常に直面した結果を最小限にするか、または実質的に削除しながら、所望のレベルの架橋およびそれに関連した特性を予期せずに与えることが分かった。
本発明のフィルムは、同時押出、積層、押出コーティング、またはコロナ結合を含めたあらゆる従来の手段によって製造でき、照射および所望により配向されうる。上の段階は、当業者に知られるとおり、様々の順番および/または繰返しで行うことができる。フィルムの目的の層を形成するのに使用されるべき材料は、例えば、当業界でよく知られている手段で任意の種々の混合部分で、単または二軸押出機を使用してフィルム形成押出段階の間に、PCE組成物を希釈剤ポリマー(所望であれば)と混合することによって形成されうる。いくつかの例では、フィルム形成押出段階の前に材料をプレコンパウンディングすることが好ましい。照射は、あらゆる従来の手段によって行うことができる。照射工程では、フィルムを、紫外線、コロナ放電、プラズマ、X線、ガンマ線、ベータ線のような化学線処理、または照射材料の分子間の架橋を含め、電子ビーム照射のような高速電子線処理にかける。
ポリマーフィルムのイオン化照射は、Bornsteinらの米国特許第4,064,296号に開示される。その教示は、全体にここに資料によって組込まれる。イオン化照射の線量は、百万ラッズは「MR」で表されるメガラッドとしても知られている照射単位「ラッド」という用語に、または当業者に知られているとおり1MRで表される10キログレイである照射単位キログレイ(kGy)という用語に一般に該当する。高速電子線の適切な照射量は、5および200kGy、好ましくは20と150kGyの間、そしてさらに好ましくは30と120kGy、例えば40と90kGyの範囲内である。好ましくは、照射は、電子加速器によって行われ、そして線量のレベルは、標準線量測定法によって測定される。ファンデグラフまたは共鳴変換器のような他の加速器を使用することができる。照射は、全てのイオン化照射に使用できるので、加速器からの電子に限定されない。本発明に使用するための好ましいフィルムの記載から見られるとおり、最も好ましい量の照射は、フィルムおよびその最終用途に依存し、そして正確な線量は、当業者によって容易に決定される。
代替的に、フィルムは、紫外線照射で照射されうる。この具体例で、PCE組成物は、ここで上に記載された少なくとも1つの光開始剤を含むのが好ましい。照射は、170から400ナノメーター(nm)の波長の照射を放出する能力のある源から放出されるべきである。照射量は、少なくとも1cm2当たり0.1ジュール、そして好ましくは1cm2当たり0.5から10ジュール、最も好ましくは1cm2当たり0.5から約5ジュールであるべきである。特定の用途のために必要とされる線量は、フィルムの層の配置、層の組成、照射されるべきフィルムの温度および使用される特定波長に依存する。架橋が、あらゆる特定の設定の条件を生じさせるのに必要とされる線量は、技師によって決定されうる。
フィルムがランプの焦点を通過するために、ダイリップに、およびそのそばに配置する能力があり、一方で架橋されるべき層は依然として溶融状態である全てのUV源が、使用できる。
本発明の別の具体例では、押出で架橋される必要はないが、ある後の時期に、加工の適切な時点で、そして一般的に他の加工段階と共に架橋できる。この具体例では、架橋は、室温または全体としてそのフィルムの融点未満である温度に上昇させて行うことができる。例えば、異なる融点を示す層を有するフィルムは、2つの融点の間の温度まで加熱し、そしてその後照射することができる。架橋の効果は、より低い融点でいっそう増強され、その結果、押出段階の回数および位置に架橋段階を繋ぐことなしに、溶融相架橋にいくらかの利益を生じさせる。
ここに記載されるとおり本発明は、多層熱可塑性フィルムを製造するための改良法および材料に関するが、しかし当業者は、それがカップ、ボトルおよびトレイのような様々な形態で熱可塑性対象物に使用できることを充分に認識する。さらに、本発明によるフィルムまたはコーティングは、他のポリマー材料、紙、ガラス、シリカおよび金属並びに、天然および合成繊維から作られた繊維を含めた様々な物質に使用できる。
照射フィルムでの架橋の量の一般的な測定法は、ゲル含有量またはゲル含有率(%)である。沸騰トルエンまたは沸騰キシレンのような適切な溶媒に不溶なポリマーの重量分率は、ゲル%として示され、そしてこれは、架橋の程度の指標である。±0.1mgまで秤量した0.4から0.5グラムのサンプルをセルロースまたはテフロン製の抽出シンブルに取ることによって測定される。約100mlの溶媒を、銅のカバーを伴ったブロック−スズ・コンデンサーおよび硼珪酸ガラスサイホンカップ付き400mlのエルレンマイヤーフラスコに注ぎ入れる。3から6の沸石(カーボランダムまたは同等物)をフラスコに加える。その後フラスコをホットプレート上に載せ、シンブルをサイホンカップに載せ、そしてサイホンカップとコンデンサーをフラスコ内に配置した。トルエンを沸騰させ、そして熱を調節して、1秒当たり2滴と4滴の間の還流速度を生じる。材料を21時間還流する。その後、シンブルをピンセットで取除く。サンプルを、少なくとも2時間フード下で空気乾燥させる。サンプルを、50℃、25から30インチの水銀真空下で、加熱した真空オーブン中に移し、そしてサンプルをそのオーブンで24時間乾燥させる。ゲルを化学天秤で秤量する。ゲル含有率(%)は、式:
Figure 0003828577
によって算出する。サンプルを、二回、21時間抽出して、全ての可溶性部分が完全に溶解を呈する。二回目の抽出のゲルが3(絶対)%より大きく、第一回目の抽出より低い場合、次の抽出が行われる。
照射フィルムでの架橋の量の代替的測定法は、「流動性」である。流動性の値が低いと、架橋の程度が高いことを意味する。
以下は、図面の詳細な記載である。
図1は、溶融状態の照射架橋工程の略図である。この工程では、円筒型二軸押出機(1)が、ダイリップ間隙(3)を有する平面シート状ダイ(2)に付けられる。Fusion SystemsのUVランプ(4)(Hバルブを備えた)のような照射源は、押出フィルム(5)がランプ(4)の焦点を通過することを保証するような方法で、ダイリップ間隙(3)に、またはの傍に配置される。照射フィルム(6)は、冷却ロール(7)の上で引き伸ばし、そして冷却する。得られるフィルムをピンチロール(8)を通して引き伸ばし、そして巻取りリール(9)に巻取る。
図2は、示された照射量で架橋の増強を提供する本発明のPCE組成物を含む層11を例示する。そのような層は、多層フィルムを提供する他の層と一緒にすることができる。
図3は、層11および12を有する多層フィルムを示す。層12は、ポリオレフィンのような任意のポリマー材料、さらに好ましくはエチレン/アルファ−オレフィンのようなエチレン性ポリマー、またはエチレン/酢酸ビニルコポリマーのようなエチレン/不飽和エステルコポリマー、およびエチレン/アクリル酸アリルコポリマー、並びにポリアミドまたはポリエステルから形成できる熱密封性層である。層11は、上述のとおりである。
図4は、層11、12および13を有する多層フィルムを示す。層13は、包装用途のフィルムの外側の層として有用である酷使に耐性のある層である。この層は、ポリオレフィンのような全てのポリマー材料、さらに好ましくはエチレン/アルファ−オレフィンのようなエチレン性ポリマー、または、エチレン/不飽和エステルコポリマー、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等によって形成できる。層11および12は、上述のとおりである。
図5は、層11、12、13および14を有する多層フィルムである。層14は、そのような材料が、層11、12および13の任意のまたは全ての層の間の積層内結合の強度を有益に確保するかまたは増強する、フィルム中の接着層である。図4は示されるとおり、本発明のフィルム中の層14の特定の配置は、例示のみのためである。このような接着剤は、酸または酸無水物−グラフトポリオレフィンのようなポリマーでありうる。代わりに、層13は、多層フィルム10と別の層との積層が意図される任意の適切な種類、例えばポリウレタン接着剤の従来の接着剤または粘着剤を現わすことができる。残りの層は、上述の通りである。
図6は、層11、12、13、14および15を有する多層フィルムを示す。層15は、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ビニリデンジクロライド/塩化ビニルコポリマー、ビニリデンジクロライド/アクリル酸メチルコポリマー、ポリエステル、またはポリアミド等のような酸素バリヤー材料を包含する。残りの層は、上述の通りである。
図7は、層11、12、13、14、15および16を有する多層フィルムを示す。層16は、全体的なフィルムに対する塊状、収縮性、靭性、またはある種の他の機能または特性に寄与するコアまたは内部層を包含する。層16は、他の層について開示された任意のポリマーを包含しうる。残りの層は、上述のとおりである。
図8は、層11、12、13、14、15、16および17を有する多層フィルムを示す。層17は、このような材料が、積層間の結合強度を確保または増強する上で有益である
場合に、接着層を包含する。このような接着剤は、図4に関してすでに記述されている。残りの層は、上述のとおりである。
本発明は、様々な層を様々な濃度で含むポリマー組成物に架橋するのに使用できる。例えば、酷使に耐性のある層(13)および/または内部層(16)は、シーラント層(12)よりいっそう大きな範囲に架橋できる。これは、各標的層に含まれるPCE組成物の量を変化させることによって達成されてもよい。
図9から12は、架橋増強剤を有しない他の対照フィルムに対する本発明の単層フィルムを比較する棒グラフである。これらのグラフは、実施例に関して以下に詳細に記載される。
本発明は、フィルムの1つまたはそれ以上の層の架橋含有率を増強するのに使用できる。そのフィルムは、2つの主要な表面、および一方の主要な表面から他方のものに伸びる厚みを有する。フィルムの厚みは、nは、1から、上の値Z(2またそれ以上の任意の正の整数であり、通常2から14、好ましくは2から12の値でありうる)の正の整数であるn層から構成される。フィルムは、増強された架橋が望まれるx層(標的層)(ここでxは、1から上の値(Z−1)の整数である)を有する。標的層は、任意の層、または一方または両方のフィルムの主要な表面を供する層または主要な表面(コア層)から隔てられた任意の層またはそれらの組合せを含めたフィルムの層の組合せであってよい。層の選択は、架橋が、フィルムと、他の層を破壊する原因となることなしに望まれる層の配置によって指令され、その結果、改良されたフィルム製品を提供する。
本発明は、以下に示される実施例を参照することによってさらに理解される。これらの実施例は、例示の目的のみに示されるものであって、ここに記載されるか、またはここに添付される請求項によって定義される本発明を制限することを意図しない。全ての部およびパーセンテージは、特記しない限り重量による。
表2、2Aおよび2Bは、実施例に使用される材料を同定する。以降の表は、これらの材料で製造されたフィルムを記述する。
Figure 0003828577
*PE1=LLDPE、0.920g/ccの密度および約6.5重量%の1−オクテン含有率を示すエチレン/1−オクテンコポリマー。
PE2=0.901g/ccの密度および約12.5重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE3=0.898g/ccの密度および約13重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE4=0.8965g/ccの密度および約14重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE5=0.91g/ccの密度および約10重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE6=0.900g/ccの密度および約13重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE7=0.901g/ccの密度および約12.5重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE8=0.896g/ccの密度および約14重量%の1−オクテン含有率を示す単独部位、分岐エチレン/1−オクテンコポリマー。
PE9=LLDPE、0.920g/ccの密度および約6.5重量%の1−オクテン含有率を示すエチレン/1−オクテンコポリマー。
PE10=LMDPE、0.935g/ccの密度および約2.5重量%の1−オクテン含有率を示すエチレン/1−オクテンコポリマー。
EV1=15重量%の酢酸ビニルコモノマーを示すエチレン酢酸ビニルコポリマー。
EV2=9重量%の酢酸ビニルコモノマーを示すエチレン酢酸ビニルコポリマー。
EV3=28重量%の酢酸ビニルコモノマーを示すエチレン酢酸ビニルコポリマー。
EV4=3.3重量%の酢酸ビニルコモノマーを示すエチレン酢酸ビニルコポリマー。
OB1=8.5重量%のアクリル酸メチルコモノマーを示す96重量%ビニリデンジクロライド/アクリル酸メチルコポリマー、2重量%エポキシ化大豆油、および2重量%アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル三元コポリマー。
OB2=エチレン/ビニルアルコールコポリマー(44モル%エチレン)。
PA1=ナイロン6,12コポリマー。
EM1=20重量%アクリル酸メチルコモノマーを示すエチレン/アクリル酸メチルコポリマー。
AB1=89.8重量%低密度ポリエチレン(エクソンLD203.48)+10重量%合成不定形シリカ(Davison Chemicalから得られるシロイドTM74X6500)+0.2重量%ステアリン酸カルシウム
AB2=約82重量%低密度ポリエチレン(エクソンLD203.48)+10重量%合成不定形シリカ(Davison Chemicalから得られるシロイドTM74X6500)+0.2重量%ステアリン酸カルシウム+少量の顔料
AD1=無水グラフトポリオレフィンブレンド。
Figure 0003828577
架橋増強剤コポリマー(CE1からCE20)は、以下の表2Bに列記される組成物および特性を示すEPDM樹脂型PCEコポリマーであった。
Figure 0003828577
a ASTM D−3900によって測定されたモノマー含有率。
b 230℃/21.6kgでのASTM D−1238によって測定されたMFI。
c 230℃/10.0kgでのASTM D−1238によって測定されたMFI。
*ENB=5−エチリデン−2−ノルボルネン
**HD=1,4−ヘキサジエン
ASTM1646に従ってムーニー粘度を測定した。この手順で、ムーニー粘度は、ゴム化合物の相対的粘度について剪断の回数および温度の影響を測定するのに使用される。「ムーニー単位」(1MU=0.833N・m)におけるローターのトルクは、一般的に、広範な最低値を経過して、4または8分間かけて記録され、そしてその最低値がムーニー粘度として記録される。
特定の材料は、フィルム構造のいくつかを形成するために一緒にブレンドされ、そしてこれらのブレンドは、以下のとおり同定される。
PEB1=90部PE1+10部AB1。
PEB2=92.5部EV2+7.5部PE1。
PEB3=90部PE6+10部PE1。
PEB4=85部PE7+15部PE1。
PEB5=75部PE6+25部PE1。
PEB6=75部PE7+25部PE1。
CEB1=90部PE2+10部CE3。
CEB2=90部PE2+10部CE2。
CEB3=70部PE2+20部PE1+10部CE2。
CEB4=60部PE2+30部PE1+10部CE2。
CEB4=60部PE2+30部PE1+10部CE3。
PCEコポリマーのいくつかは、分子量および分子量分布を決定するためにさらに分析された。分析の結果は、表3に表す。
Figure 0003828577
ポリマー架橋増強剤のいくつかも、様々なASTM D−1238条件でメルトフロー指数を決定するために分析され、そしてトーヨーセイキ密度計でヘプタン変換を用いて密度を(室温で)測定した。これらの分析の結果は以下の表4に表す。
Figure 0003828577
実施例1−16
本発明による16の単層フィルムは、押出キャストした。その後、各フィルムは、所与の電力設定(ビーム電流)で、E−ビーム照射単位で、電子ビーム照射に暴露された。電力設定を調節することによって、受けた線量を直接変化させることができる。したがって、ビーム電流は、受けた線量に実質的に直接比例する。工程は、各フィルムの追加のサンプルで、しかし別の電力設定(異なる照射量)で2回繰返された。同じ方法で製造されたこれらのフィルムおよび2つの比較フィルム(比較AおよびB)の組成物は、以下の表5および6に示される。各フィルムは、約12ミルの厚みを有する。
Figure 0003828577
Figure 0003828577
図9および10は、受けた線量(KGyで)対、各フィルムサンプルについて測定されたゲル含有率を表す棒グラフを提供する。図面中での数字は、それぞれのサンプルに対応する。ゲル%で測定されるとおり、架橋効率(各棒の頂部で示される値)におけるかなりの改良は、LLDPEの対照フィルムに比較した場合の本発明のフィルムによって得られる。
実施例17−28
7つの3層フィルムおよび1つの対照フィルム(比較BB)を、同時押出キャストして、基質を製造した。各々の場合に、基質は、約50kGyの線量で、照射単位で電子ビーム照射にさらした。基質を照射した後、同時押出コーティング法によって、4つの追加の層を基質に添えた。その後、生じた7層フィルムを常套の従来のインフレート法によって配向させて、架橋熱収縮性フィルムを製造した。これらのフィルムの組成は、以下の表7に示される。配向前に、実施例17のフィルムの各層の厚み(ミルで)を測定し、そして
Figure 0003828577
として決定した。配向後、実施例17のフィルムの最終の厚みは、2.7ミルであった。
同様の方法で、配向の前に、実施例18から23および比較BBのフィルムの各層の厚み(ミルで)を測定し、そして
Figure 0003828577
として決定した。
配向後、実施例18から23のフィルムの最終の厚みは、2.2ミルであった。
各フィルムで、層1は、典型的な包装用途について、食品または製品接触層およびシーラント層を形成するのが好ましい。フィルムの各層の組成は、以下の表7に示される。二重のスラッシュ(//)は、基質が押出被覆層に接着されていることを示す。
Figure 0003828577
いくつかのフィルム配合および比較BBは、照射単位でのE−ビーム照射の4つの異なる線量レベルで再実行して、照射のレベルの関数としてゲル含有率を評価した。表7Aは、KGyでの受けた線量対、これらの選択フィルムについて測定されたゲル含有率を示す。ゲル含有率は、基質について測定された各実施例におけるものであった(層1から3)。
Figure 0003828577
実施例24−29
6つの単層フィルムを押出キャストし、そしてその後電子ビーム照射に、付与された電力設定(ビーム電流)で、E−ビーム照射単位で暴露した。その工程を、各フィルムの追加のサンプルに、しかし2つの異なる電力設定で繰返した。同様の手順で製造されたこれらのフィルム、および3つの比較フィルム(比較A、BおよびC)の組成は、表8および9に示される。表8のサンプルに関して図11は、そして表9のサンプルに関して図12は、受けた線量(kGyで)対、各フィルムサンプルについて測定されたゲル含有率をグラフで示す。
Figure 0003828577
Figure 0003828577
図11および12の棒グラフは、実施例の比較A、BおよびCの比較フィルムより本発明のフィルムについての架橋効率が高くなることを明確に示す。
代表的な先進不飽和ポリ(オレフィン)(AUPO’s)の調製および特徴づけ
実施例30
ここに以下に表10および11に列記された重合物は、それぞれ、50℃および50psigエチレンまたは75℃および60psigエチレンのいずれかで、乾燥、ガス抜きしたトルエン中のビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロライド(Cp2ZrCl2)およびメチルアルミノキサン(MAO)を用いて、オーバーヘッド螺旋羽根車を具備した2Lのステンレス鋼オートクレーブ反応器で行われた。反応器をトルエン(300から1300g)、1−ヘキセン(50から200g)またはノルボルネン(10−100g)、ジエン(0.1から20g)、およびMAO(10重量%AIを含有する2から20gのMAO/トルエン溶液)にかけ、そして50℃および50psigまたは75℃および60psigのいずれかで、エチレンで飽和させた。メタロセン触媒(10mLトルエン中の0.1から3mgのCp2ZrCl2)を反応器に添加することによって、重合を開始させ、そして重合を0.5から2時間続けさせた。反応器を素早く換気し、そして内容物をメタノールに排出し、濾過し、そして乾燥させた。表10および11は、出発材料の量とタイプ、この手順によって製造されたポリマーの量とタイプを示す。ここにある「E」は、エチレンを意味し、ここで「H」は、1−ヘキセンを意味し、そしてここで「NB」は、ノルボルネンを意味する。A−1からA−8は、上述の手段にしたがって、8つの重合反応のそれぞれで製造されたポリマーを表す。
Figure 0003828577
Figure 0003828577
上で記載されたAUPO’sは、1分当たり10℃で示差走査熱量計(DSC)による単独の溶融吸熱量によって示されるとおり組成的に純粋であり、そしてゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により多分散性を示すことが分かった。表12は、三元ポリマーの特性を要約する。
Figure 0003828577
本発明の幅をさらに示すために、VNB(2つの別々の濃度で)を有するこれらのモノマーに基づく不飽和三元ポリマーと同様に、エチレンとノルボルネンのコポリマーも調製した。エチレン−ノルボルネンコポリマーを、バッフルとオーバーヘッドタービン型攪拌器を備えた20ガロンのジャケット付ステンレス鋼オートクレーブで調製した。反応器に、0.2重量%MAOを含有する48.1kgのトルエン、4.2kgのノルボルネン溶液(トルエン中65重量%)を入れ、そして75℃に加熱し、そして60spigエチレンに加圧した。系が平衡になった後、総量38mgのCp2ZrCl2とエチレンを添加することによって重合を開始し、そしてエチレンを必要に応じて供給した。重合は、4.25時間続けさせた。その後、100mLのメタノールを添加することによって終了させた。反応器を換気し、内容物を排出し、そしてメタノールに沈殿させ、そしてポリマーを濾過し、真空オーブンで乾燥させた。7.1kgのポリマーを単離した。ポリマー(A9)は、75℃のTmで、1.7dg/分のMFI(190℃および2.16kg)を示した。炭素−13NMRによって、ポリマーは、10モル%NBを含有することが見出され、そして微細構造は、環開放なしに挿入されたNBモノマーを有する付加重合に一致した。不飽和E−NB三元ポリマーA−7およびA−8についての反応条件は、表11に列記し、そしてこれらの材料A−7、A−8およびA−9の特性は、表13に列記される。
Figure 0003828577
上に列記された樹脂は、電子ビーム照射にさらす前に、0%ゲルを含むことが分かった。架橋増強剤としてのAUPO’sの利用性をさらに調査するために、上記材料(10%不飽和樹脂)を含有するブレンドを、LLDPE(ダウ・ケミカル・コーポレーション(Dow Chemical Co.)のダウレックス(Dowlex)2045.14)、6.5重量%オクテン(0.920g/cc、1.0dg/分)を用いバーブレンダー混合チャンバーで調製した。これらのブレンド類は、
PEB7=90%PE9+10%CE5
PEB8=90%PE9+10%A5
PEB9=90%PE9+10%A6
PEB10=90%A10+10%CE5
であった。AUPO樹脂およびそれらのブレンド類における電子ビーム照射の効果は、表14に示される。データは、VNBが、ENBより架橋を促進する点でさらに効果的なジエンであり、そして高レベルの架橋が、これらのAUPO’sを単独に、または他の樹脂での架橋を改良する架橋増強剤として用いて達成できたことを明かに示す。ブレンドの成分としてのAUPO樹脂は、基材樹脂より低い線量でより高いゲル含有率を示すLLDPEの架橋を増強したことも明確に示す。
Figure 0003828577
表14は、AUPO型PCEコポリマー(A1−A5)が、高度に架橋したフィルムを生じ、そして他の樹脂に架橋(PEB8およびPEB9)を増強するためにそれら自身に使用できることを示す。
Figure 0003828577
表15は、E−NBコポリマーの増強架橋が、本発明のPECコポリマーにブレンドすることにより、またはジエンモノマーで共重合化することによって達成できることを明かに示す。ジエンのレベルは、架橋を増強できる限界を決定する。
例えば米国特許第3,741,253号(Braxら)、第3,891,008号(D’Entremont)、第4,048,428号(Baird)および第4,284,458号(Schirmer)(全ての文献は、それらの全てここで参考として取り込まれる)に記載されるとおり、目的のPCE組成物を含有する少なくとも1つの層で形成され、そして上で記載され、そして上で実施例1−30によって例示されたとおり照射されたフィルムは、新鮮な赤身の肉、薫製され加工された肉、豚肉、チーズ、家禽等を包装する袋を製造するのに特に有用である。しかし、そのフィルムは他の用途にも使用できる。例えば、フィルムは、食品および非食品の物品を包装する包装用途に収縮フィルムとして使用できる。本発明が有益に使用できるフィルムは、例えば米国特許第4,551,380号および第4,643,943号(両方ともSchoenbergによる)に記載され、そして両方とも、それらの全てにここに参考として取り込まれる。さらに、本発明は、例えば第4064296号(Bornsteinら)、第4724185号(Shah)、第4839235号(Shah)および第5004647号(Shah)(全ては、それらの全体でここに参考として取り込まれる)に記載されるとおり、酸素、湿潤性、または臭いのバリヤーの機能性を示すフィルムで使用できる。
実施例31−34
4つの酸素バリヤーフィルムは、本発明のPCEコポリマー(実施例31および34)並びに比較対照フィルム(化合物D)の層で形成された。各々は、層構造:
A/B/C/D/C/B/A
を有した。
これらのフィルムは、層の同時押出によって作製され、そして各フィルムを、照射し、そして配向させた。少量の無水珪酸アルミニウム(アンチブロック)およびモノ−およびジグリセライド/プロピレングリコール(アンチフォグ)を、2つの外側の層の樹脂ブレンドにコンパウンディングし、そのためコンパウンディング後、添加剤は、全てのコンパウンディングされたブレンドの約6%をしめた。
化合物Dのフィルムは、組成的にそして構造的に以下に示されるとおりであった。
Figure 0003828577
実施例31および32のフィルムは、2番目および6番目の層(「B」層)が90%PE10+10%CE3を包含すること以外は、化合物Dについて上で示されたのと同じ一般式を有した。
実施例33および34のフィルムは、3番目および4番目の層(「C」層)が90%AD1+10%CE3を包含すること以外は、化合物Dについて上で示されたのと同じ一般式を有した。
これらの実施例のE−ビーム照射単位の電力設定およびMFIを構成するデータは、ここに以下に表16で示される。
Figure 0003828577
表16のデータを検討すると、本発明の2つの利点を示す。
第一に、データは、実施例32のB層に10%の架橋増強剤が存在する以外は同じ組成および構造(化合物Dおよび実施例32)を有する2つのフィルムが、同じ線量で照射されたが、非常に様々なMFI値を示すことを示す。実施例32のMFI値が低いのは、架橋増強剤の存在の結果として実施例32の架橋が増加することに反映される。本発明の説明で指摘されるとおり、架橋は、配向性フィルムを製造するときの加工性を改良する。
第二に、データは、化合物Dについての15.0の電力設定より高いのと比較して、実施例31のフィルムがわずか12.2mAの電力設定で照射された場合でさえ、実施例31のB層に10%の架橋増強剤が存在する以外は同じ組成および構造(化合物Dおよび実施例31)を有する2つのフィルムが、ほとんど同じMFI(6.3対6.4)を示したことを示す。一方で、この明細書の説明の部分で指摘されるとおり、高濃度の架橋は、一般にシーリング層の性能を減退する。押出テープが暴露される照射の電力設定を下げることによって、シーラントの流動性は、酷く影響をおよぼされることが少なく、そしてシーラントは、性能がよくなる。
実施例35
本発明によって形成されたフィルムは、例えば米国特許第4,755,403号(Ferguson)に記載されるとおりパッチとの連結としてまたは連結で使用するために調製したが、その教示は、その全体で参考として取り込まれる。実施例のパッチを製造し、配合:
Figure 0003828577
を示した。
このパッチ材料は、//界面でそれ自身に自己結合したチューブ状パッチであった。それを同時押出し、そして98キログレイの線量で照射した。配向後のパッチの厚みは、4.5ミルであった。パッチフィルムを配向し、そして熱収縮性にした。この材料は、単独で、または袋または他のフィルムのためのパッチとして使用できる。
比較の目的で、チューブ状パッチフィルムは、本発明の上の実施例のパッチと同様の方法で同時押出によって形成された。そのフィルムも、98キログレイでE−ビームで照射され、そして伸縮させることによって配向され、厚さ4.5ミルになった。この対照フィルムの場合に、層構造は、
Figure 0003828577
であった。
2つのパッチ材料を、ゲル含有率について測定し、そして実施例のフィルムが55.0%のゲル含有率を示すのに対して、比較フィルムは、わずか46.5%のゲル含有率を示すことが測定された。
実施例36
外側の層がUV照射によって架橋されているフィルムを形成した。そのフィルムは、第二の層と組合せた不飽和ブロックコポリマーを含有した。バーブレンダー混合チャンバーで、そのポリマーをコンパウンディングし、圧縮して、圧縮フィルムサンプルまたはプラークを製造し、そして固形状態で、室温で低強度のUV源(Amergraphのランプ、一過性UVA出力)に10分間暴露した。10分で、Amergraphの照射計量計の測定は、365nmで1600mJ/sq・cmであった。
不飽和ポリマー添加剤
ブレンドは、9重量%酢酸ビニルを示す96重量%のエチレン/酢酸ビニル樹脂(EVA9)および29重量%の不飽和ポリマーおよび2重量%のベンゾフェノンであった。不飽和ポリマーは、Shellから入手可能な線状スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロックコポリマーであるKraton▲R▼D1107(サンプルA);Shellから入手可能な線状スチレン−ブタジエン−スチレン三元コポリマーであるKratonD1102(サンプルB);およびFirestone(オハイオ州、アクロン)から入手可能なスチレン−ブタジエンブロックポリマーであるStereon▲R▼840(サンプルC)であった。ゲル含有率は、上述のとおり分析した。
Figure 0003828577
際立ったゲル濃度を生じる唯一の不飽和ブロックコポリマーは、サンプルAであるスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであった。しかし、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーは、これらの条件下では、際立ったゲル含有率を生じなかった。
比較例
比較の目的で、化学的に架橋したポリマー組成物を形成し、そして上述のサンプルAと同じ方法でUV照射にかけた。EVA9樹脂を、開始剤として2重量パーセントのトリアリルシアヌレート(TAC)および2重量パーセントのベンゾフェノンと一緒にコンパウンディングした。形成された材料は、「サンプルG」と標識した。このサンプルGのゲル含有率は、26%であり、したがって、サンプルAのものと同様の架橋であった。
サンプルAおよびGを、多層試験フィルムでの押出に選択した。サンプルGは、TACの吹き出しおよびブリード(1つの成分の分離、そのため押出物の表面に選択的に現れる)のために押出すことが困難であることが分かった。サンプルを得るために、9%酢酸ビニルを有する50重量パーセントのエチレン/酢酸ビニルを添加した。比較すると、サンプルAは、吹き出しを示さなかった。
さらに、以下のとおり多層を有するフィルムを形成した。15%酢酸ビニルを示すEVA−9樹脂およびエチレン/酢酸ビニル樹脂(EVA15)を二層環状テープとして同時押出し、電気的に架橋し、そして冷却した。その後、さらに3つの層、サラン/PVDCバリヤー層ブレンド、および28%酢酸ビニル層を示すエチレン/酢酸ビニル、およびサンプルAまたはGの樹脂の層を同時押出することによって、テープを被覆した。サラン/PVDC層を、EVA15層と接触させ、そしてサンプル樹脂を外側に配置した。テープを、メリーランド州、ロックビル(Rockville,MD)のFusion Systems,Inc.から得たランプを使用してUV照射した。線量は、450および900mJ/平方cmであった。その後、テープを横断方向に約3倍、そして縦方向に約4倍のラッキング比で二軸配向(伸縮)した。その後、外側層のゲル含有率を測定したが、それを以下に記録する。サンプルAから得たゲル含有率は、サンプルGから得たより高かった。サンプルAから得たフィルムは試験され、そしてシーリング工程の間フィルム「ピックオフ(牽制)」の傾向がないことを示し、素晴らしいグリース耐性および優れた光学性を示した。
Figure 0003828577
これらの実施例は、架橋ネットワークを生成するUV系を例示する。生じたフィルムの線量は、塗布したシール離層を除去し、グリース耐性を増し、そしてなお優れた光学性を維持することができる。これらの結果は、本PCE組成物を示すフィルムが、化学的に架橋されたフィルムより際立ってよい性能を示すことも示している。
実施例37
ベンゾフェノンを、穏やかに加温しながら、低分子量の1,2−ポリブタジエン(1,2−PBD)に溶解させた。その液体をLLDPEのペレットに注ぎ、そして最終的にタンブル混合によって分配して、PCE組成物を提供した。最終組成物は、5重量%の1,2−PBDおよび1重量%のベンゾフェノンであった。図1の装置を使用して混合物を押出し、そして照射した。ランプをダイリップの上に直接配置した。線状押出比率を、押出機のrpmと取込み速度の組合せを変化させることによって変化させた。生じたフィルムのゲル含有率を、上述のとおり測定した。結果は、以下に表19に記録される。
Figure 0003828577
これらのデータは、有用なゲル含有率は、この工程によるポリエチレンで達成できることを示す。これらのデータは、1,2−ポリブタジエンが、架橋助剤としてTACと同じくらい有効であることも示す。さらに、高ゲル含有率は、比較的厚物のフィルムでも達成できる。これらのフィルムは、UVの不在下で0%のゲル含有率を示した。
実施例38
この実施例は、LLDPEポリマーがエチレン−プロピレンコポリマー(3.1%エチレンを示す)で置換された以外は、実施例37と全く同様に行われた。
Figure 0003828577
これらのデータは、有用な架橋が、プロピレンコポリマーでのこの方法によって得られたことを示す。
実施例39
実施例37に記載されたのと同じ装置および方法を、1,2−PBDポリマーを、IR分析によって末端のビニル不飽和の形態で、100,000炭素原子当たり430C≡Cを示すエチレン/オクテン/ポリエンで構成されるデベロップメンタルLLDPEコポリマーと交換すること以外はこの実施例でも使用した。1%ベンゾフェノンを添加して、このPCE組成物は、2および3フィート/分の間のリニアー比率で押出し、そしてUV照射に照射した場合、90%のゲル含有率を示した。再度、UV照射の不在下でゲル含有率はなかった。
実施例40
この実施例で、化学的に架橋された材料を本発明のものに比較して成分を溶融ブレンドすることによって、バーブレンダー混合チャンバーで2つの配合物を調製した。第一の配合は、1%トリアリルシアヌレート(TAC)および1%ベンゾフェノンを有する市販のLLDPE(Attane4201)だった。第二のものは、上で実施例39に記載された1%ベンゾフェノンを有するデベロップメンタル不飽和LLDPEコポリマーだった。コンベヤーベルトに載せた10インチのFusion Systemsランプ(H−バルブ)を、上の配合の圧縮フィルム(15−20ミル厚)を室温(UV線量が365nmで測定)で照射するのに使用した。以下の結果を得た:
Figure 0003828577
これらのデータは、高度の架橋が、固体状態で、TACを有する化学系について得られなかったが、しかし、PCEコポリマー(デベロップメンタル不飽和LLDPE)では、比較的低線量のVU照射で、固体状態で高度の架橋が得られたことを示す。先の実施例と組合せた場合、これらのデータは、さらに、溶融状態で照射をした場合、付与された系についてのさらに高いゲル含有率でさえ、得ることができることを示す。
実施例41
この実施例で、PCEコポリマーをグラフトによって調製した。バーブレンダー混合チャンバーに、エチレン−アクリル酸アルキル−無水マレイン酸三元ポリマー(Lotader3200、AtoChem Inc.)を溶融コンパウンディングし、そして5重量%ヒドロキシル末端1,2−PBD(Nisso−PB▲R▼、G−3000,Nippon Soda Co.,Ltd.)で反応させた。グラフトコポリマーを形成するために、1%ベンゾフェノンを、溶融ブレンドを行うことによってさらに組込んだ。圧縮フィルムを、上述のとおり、0.8J/cm2(365nmで測定した)のUV線量まで室温で照射した。これは、23重量%のゲル含有率になる。対照的に、未照射フィルムは、1,2−PBDの二官能特性の結果として0.8重量%のゲル含有率を示した。
実施例42
この実施例では、成分を溶融ブレンドすることによって、バーブレンダー混合チャンバーで2つの配合物を調製した。第一の配合物は、1%の4−アリルオキシベンゾフェノンと混合したデベロップメンタル不飽和LLDPEのPCEコポリマーであった。第二のものは、1%の4,4’−ジアリルオキシベンゾフェノンを有する同じデベロップメンタル不飽和LLDPEであった。ベルトコンベヤーに載せた10インチのFusion Systemのランプ(H−バルブ)を使用して、室温(UV線量を365nmで測定した)で上の配合物(15−20ミル厚)の圧縮フィルムを照射した(UV線量は、365nmで測定した)。以下の結果を得た:
Figure 0003828577
これらのデータは、ポリエチレン−ポリエンコポリマーについて固体状態でさえ有用な架橋を得ることができること、および置換ベンゾフェノンから有用な架橋を得ることができることを示す。
実施例43
低分子量1,2−ポリブタジエン(1,2−PBD)とベンゾフェノンとの混合物で、EVA−9のペレットをコーティングして、PCE組成物を形成した。コーティングの前に穏やかに加温しながら、ベンゾフェノンを1,2−PBDに溶解させた。最終組成物は、5重量%の1,2−PBDおよび1重量%のベンゾフェノンであった。図1の二軸押出機を使用して、混合物を押出し、そしてペレット化した。生じるペレットを、6”平面シートダイのリップに積載された図1のUVランプを有するランドキャッスル微細押出機に供給した。リニヤー押出比率は、押出機のrpmと取出速度の組合せを変化させることによって変化させた。生じたフィルムのゲル含有率は、上述のとおり測定した。以下の結果を得た:
Figure 0003828577
これらのデータは、EVA−9を含むPCE組成物が、高いゲル含有率にUV架橋することができることを明かに示す。
実施例44
上で記載されたランドキャッスル微細押出機を使用して、同様の形態で照射された3層フィルムを製造した。構造体の表皮層は、5重量%の1,2−ポリブタジエン(1,2−PBD)および1重量%ベンゾフェノンを有するLLDPEのブレンドのPCE組成物であった。上述のとおり同時押出する前に、表皮層ブレンドは、コンパウンディングした。構造体のコア層は、LLDPE(Dowlex 3010)であった。層ゲージのおよその比率は、押出rpmに基づいて1:1:1であった。
Figure 0003828577
これらのデータは、多層フィルムの表皮層が、UV照射によって実質的に架橋できることを明らかに示す。
実施例45
実施例43に記載されたランドキャッスル微細押出機は、実施例8でのように照射された3層フィルムを調製するのに使用した。この構造体の表皮層は、LLDPE(Dowlex3010、ダウ・ケミカル)であった。構造体のコア層は、5%の1,2−PBD(Nisso PB▲R▼、B−1000、ニッポンソーダ株式会社)と1%アクリル化ベンゾフェノン誘導体(Ebecryl▲R▼P−36、UCB Radcure Inc.)を有するLLDPE(Dowlex2045.03、ダウ・ケミカル)のブレンドで構成されるPCE組成物であり、実施例7に記載されたとおり同時押出より前に、コンパウンディングした。層ゲージのおよその比率は、押出機rpmに基づいて1:1:1であった。
Figure 0003828577
これらのデータは、多層フィルムの内部層が、これらの添加剤および装置を用いてUVによって実質的に架橋できることを明かに示す。

Claims (37)

  1. (i−1)(a)少なくとも1つのポリエンモノマー、及び(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマーから誘導されたポリマー単位を有するコポリマー、又は
    (i−2)(a)少なくとも1つのポリエンモノマー、(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマー及び(c)(a)若しくは(b)以外の少なくとも1つの共重合性モノマーから誘導されたポリマー単位を有するコポリマー、又は
    (ii−1)(a)少なくとも1つのポリエンモノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマー並びに(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマーから構成されたポリマー混合物、又は
    (ii−2)(a)少なくとも1つのポリエンモノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマー並びに(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマー及び(a)若しくは(b)以外の少なくとも1つの共重合性モノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマーから構成されたポリマー混合物、
    からなるポリマー架橋増強剤(以下、PCEという)組成物(ただし、上記ポリエンモノマーがペンタシクロペンタデカジエン誘導体又はシクロペンタジエン−アセナフチレン付加物である場合を除く)を含有する少なくとも1個の層を有し、
    PCE組成物を含有する該層の少なくとも1個が、フィルムの内部層であり、
    フィルムの主表面を形成する少なくとも1個の層が熱密封性であり、
    PCE組成物で形成された該少なくとも1個の層のそれぞれが、該フィルムの少なくとも1個の他の層よりも大きい程度まで架橋されている、同時押出しされかつ架橋された多層フィルム。
  2. PCE組成物がPCE組成物(i−1)又は(i−2)である請求項1に記載のフィルム。
  3. PCE組成物がPCE組成物(ii−1)又は(ii−2)である請求項1に記載のフィルム。
  4. PCE組成物が更に希釈ポリマーからなる請求項1に記載のフィルム。
  5. PCE組成物のポリエンが、該PCE組成物を有する層中に含有される100,000個の炭素原子当たり10〜25,000個の炭素−炭素二重結合を与えるために十分な量で存在する、請求項1に記載のフィルム。
  6. PCEコポリマー(i−1)又は(i−2)が、少なくとも10,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有する、請求項2に記載のフィルム。
  7. PCEコポリマー(ii−1)又は(ii−2)が、少なくとも1,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有する、請求項3に記載のフィルム。
  8. PCE組成物がコポリマー(i−1)又は(i−2)からなり、該コポリマーが少なくとも1種の単一部位触媒を使用する接触重合によって形成される先端不飽和ポリオレフィン型のPCEコポリマー(以下、AUPOコポリマーという)である請求項1に記載のフィルム。
  9. コポリマーが、エチレン/プロピレン/ポリエンコポリマーである請求項2に記載のフィルム。
  10. コポリマーが、エチレン/プロピレン/ポリエンコポリマーである請求項4に記載のフィルム。
  11. コポリマーが、エチレン/プロピレン/ポリエンコポリマーである請求項8に記載のフィルム。
  12. PCE組成物が更に光開始剤化合物からなる請求項2に記載のフィルム。
  13. PCE組成物が更に光開始剤化合物からなる請求項3に記載のフィルム。
  14. PCE組成物が更に光開始剤化合物からなる請求項4に記載のフィルム。
  15. 光開始剤化合物が、PCE組成物を有する層の0.1〜3重量パーセントで存在する請求項12に記載のフィルム。
  16. 光開始剤化合物が、PCE組成物を有する層の0.1〜3重量パーセントで存在する請求項13に記載のフィルム。
  17. 光開始剤化合物が、PCE組成物を有する層の0.1〜3重量パーセントで存在する請求項14に記載のフィルム。
  18. ポリエンモノマーが非共役ポリエンからなる請求項1に記載のフィルム。
  19. ポリエンモノマーが置換ポリエンからなる請求項1に記載のフィルム。
  20. ポリエンモノマーがビニル不飽和を有するポリエンからなる請求項1に記載のフィルム。
  21. ポリエンモノマーがジエンからなる請求項1に記載のフィルム。
  22. PCEコポリマーが単一部位触媒化不飽和ポリマー材料からなり、ポリエンモノマーがビニル不飽和を有するポリエンからなる、請求項8に記載のフィルム。
  23. PCEコポリマーが半結晶性材料からなる請求項1に記載のフィルム。
  24. ポリエンモノマーが、5−エチリデン−2−ノルボルネン(「ENB」)、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(「VNB」)、5−メチレン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン(「HD」)、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、5−エチル−1,6−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、1,9−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン−1,8−ノナジエン、1,13−テトラデカジエン、1,4−ドデカジエン、シクロオクタジエン、4−ビニルシクロヘキセン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキセン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1−アリル−3−ビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキセン(「VCH」)、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、ジビニルベンゼン及びビニルイソプロペニルベンゼンからなる群から選択される、請求項1に記載のフィルム。
  25. 2〜C20オレフィン系モノマーが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチルヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンからなる群から選択される、請求項1に記載のフィルム。
  26. 追加のモノマー(c)が、ビニル芳香族、シクロオレフィンモノマー、不飽和エステル、不飽和酸及び不飽和酸の塩からなる群から選択される、請求項1に記載のフィルム。
  27. PCEコポリマー(i−1)又は(i−2)が、少なくとも20,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有する、請求項6に記載のフィルム。
  28. PCEコポリマーのコポリマーが、0.8〜1.0g/ccの25℃での密度を有する請求項1に記載のフィルム。
  29. PCE組成物(ii−1)又は(ii−2)の第二ポリマーが、ポリエチレン、エチレン/オレフィンコポリマー、プロピレン/オレフィンコポリマー、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ二塩化ビニリデン、ポリブテン、エチレン/酸コポリマー及びエチレン/エステルコポリマーからなる群から選択される、請求項3に記載のフィルム。
  30. 複数の層を有し、該層の少なくとも1個が、少なくとも1個の他の層に対して増強した架橋度を有するように選択されるフィルムの形成方法であって、
    A.該少なくとも1個の層が、
    (i−1)(a)少なくとも1つのポリエンモノマー及び(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマーから誘導されたポリマー単位からなるコポリマー、又は
    (i−2)(a)少なくとも1つのポリエンモノマー、(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマー及び(c)(a)若しくは(b)以外の少なくとも1つの共重合性モノマーから誘導されたポリマー単位を有するコポリマー、又は
    (ii−1)(a)少なくとも1つのポリエンモノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマー並びに(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマーから構成されたポリマー混合物、又は
    (ii−2)(a)少なくとも1つのポリエンモノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマー並びに(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマー及び(a)若しくは(b)以外の少なくとも1つの共重合性モノマーから誘導されたポリマー単位からなる少なくとも1つのポリマーから構成されたポリマー混合物、
    からなるPCE組成物(ただし、上記ポリエンモノマーがペンタシクロペンタデカジエン誘導体又はシクロペンタジエン−アセナフチレン付加物である場合を除く)を含有し、
    PCE組成物を含有する該層の少なくとも1個が、フィルムの内部層であり、
    フィルムの主表面を形成する少なくとも1個の層が熱密封性である、
    同時押出しされ、架橋されたフィルムを形成する工程、並びに
    B.このフィルムを化学線放射線に付す工程
    からなる方法。
  31. 放射線が、イオン化放射線又は紫外線から選択される請求項30に記載の方法。
  32. 複数の層を有し、該層の少なくとも1個が、少なくとも1個の他の層に対して増強した架橋度を有するように選択されるフィルムの形成方法であって、
    A.該少なくとも1個の層が、
    (i−1)(a)少なくとも1つのポリエンモノマー及び(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマーから誘導されたポリマー単位を有するコポリマー、又は
    (i−2)(a)少なくとも1つのポリエンモノマー、(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマー及び(c)(a)若しくは(b)以外の少なくとも1つの共重合性モノマーから誘導されたポリマー単位を有するコポリマー、又は
    (ii−1)(a)少なくとも1つのポリエンモノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマー並びに(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマーから誘導されたポリマー単位からなる少なくとも1つのポリマーから構成されたポリマー混合物、又は
    (ii−2)(a)少なくとも1つのポリエンモノマーから誘導されたポリマー単位を有する少なくとも1つのポリマー並びに(b)少なくとも1つのC2〜C20オレフィン系モノマー及び(a)若しくは(b)以外の少なくとも1つの共重合性モノマーから誘導されたポリマー単位からなる少なくとも1つのポリマーから構成されたポリマー混合物、
    からなるPCE組成物(ただし、上記ポリエンモノマーがペンタシクロペンタデカジエン誘導体又はシクロペンタジエン−アセナフチレン付加物である場合を除く)を含有し、
    PCE組成物を含有する該層の少なくとも1個が、フィルムの内部層であり、
    フィルムの主表面を形成する少なくとも1個の層が熱密封性である、
    同時押出しされ、架橋されたフィルムを形成する工程、並びに
    B.このフィルムを化学線放射線に付す工程、
    からなり、
    形成されたフィルムが、請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17に記載のものである方法。
  33. フィルムが、照射の間に環境温度より高い温度にある請求項32に記載の方法。
  34. PCE組成物を有する層が溶融状態である請求項32に記載の方法。
  35. フィルムが紫外線に付され、PCE組成物が更に光開始化合物からなる請求項32に記載の方法。
  36. フィルムが電子ビーム放射線又はイオン化照射に付される請求項32に記載の方法。
  37. 物品を収容するために適した空洞を取り囲むか又は物品を収容するフィルムからなり、フィルムが請求項1に記載のフィルムから選択される包装物。
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