JP3826945B2 - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法に係り、特にクロストークが生じないインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像形成装置として用いるインクジェットプリンタは、画像形成データに応じて圧力室のノズルからインクを吐出させて用紙に画像を形成する。
このインク吐出手段としては、電気信号に応じて変形するピエゾ素子などの圧電素子を用いたピエゾアクチュエータ方式のものがある。ピエゾアクチュエータ方式では圧力室の壁を圧電素子によって変形させて圧力室に圧力波を与え、圧力室のノズルからインクを吐出させるもので、低駆動エネルギーでも強い圧力波を発生できる特徴を有する。近年のインクジェットプリンタは高精度細密な画像形成を必要とし、単ノズル駆動時と多ノズル駆動時のインク滴飛翔特性の差を無くすこと、隣接する圧力室へのクロストークによるアクシデンタルドロップの発生を無くすことが必要とされる。この解決法として、圧電素子の圧力室の外側2辺又は3辺にひずみ吸収孔を形成してクロストークを防止する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開平10−329320号公報
特許文献1に記載された記録ヘッドでは、各ノズルに対応する圧電素子が隣接する圧電素子と一部で繋がっているため、クロストークを完全に除去しきれないという問題があった。また、特許文献1に記載された記録ヘッドでは、ひずみ吸収孔を形成してグリーンシートを多層に重ねて形成するので微小なひずみ吸収孔の位置決めが困難で生産性に劣る欠点がある。また、本件のような振動板と圧電体のバイモルフ効果を利用してインクを吐出させる方式のインクジェットプリンタヘッドにおいては、圧電体の横方向の変位を利用するため、全てが繋がった構造であると、隣接するノズルへの影響が大きいといった問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、クロストークを防止するとともに生産性に優れたインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の短軸方向長さが周辺部分よりも長い楕円形状を有していることを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の孔形状が周辺部分よりも大きくなるような配列で、大きさの異なるものが複数並んで配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、圧電素子のインク室外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成されているので、圧電ひずみによって生じる応力を圧電ひずみ吸収孔にて除去してクロストークを防止できる。
請求項に記載された本発明によれば、前記圧電素子が取り付けられている前記インク室の一部を形成する振動板には、圧電素子の圧電ひずみ吸収孔と対向する位置に、溝が形成されているので、圧電ひずみによって振動板に生じる応力をさらに緩和でき、クロストーク除去を促進できる。
請求項に記載された本発明によれば、振動板と圧電素子とは接着剤にて接合されるとともに、圧電ひずみ吸収孔を接着時における余剰接着剤の逃げ部としたので、あまった余剰接着剤が圧電ひずみ吸収孔に入り込み、振動板と圧電素子とで安定した接合が可能である。また、圧電ひずみ吸収孔によって接着剤の乾燥時間も短縮できる。
請求項5に記載の態様は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記圧電素子の上面には前記活性部に対応する個別電極が設けられており、前記圧電素子は前記個別電極の電極取り出し部を介して駆動回路と電気的に接続されることを特徴としている。
請求項6に記載された本発明は、インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録装置において、前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の短軸方向長さが周辺部分よりも長い楕円形状を有していることを特徴としている。
請求項7に記載された本発明は、インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録装置において、前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の孔形状が周辺部分よりも大きくなるような配列で、大きさの異なるものが複数並んで配置されていることを特徴とする。
請求項6又は7に記載された本発明によれば、圧電素子のインク室外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成されているので、インクジェット記録装置において、圧電ひずみによって生じる応力を圧電ひずみ吸収孔にて除去してクロストークを防止できる。
請求項8に記載の態様は、請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置において、前記圧電素子の上面には前記活性部に対応する個別電極が設けられており、前記圧電素子は前記個別電極の電極取り出し部を介して駆動回路と電気的に接続されることを特徴としている。
請求項に記載された本発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載されたインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、単一なグリーンシートの片面側にスクリーン印刷法にて共通電極を形成する工程と、前記グリーンシートの他面側にスクリーン印刷法にて個別電極を形成する工程と、前記グリーンシートを焼成する前に前記グリーンシートの前記個別電極の外周部分にプレス機にて圧電ひずみ吸収孔を形成する工程と、前記圧電ひずみ吸収孔が形成され前記グリーンシートを焼成してd31方向の変位を利用する圧電素子を形成する工程と、該圧電素子を振動板に貼付する工程と、を有することを特徴としている。
請求項に記載された本発明によれば、共通電極や個別電極の形成後、圧電ひずみ吸収孔を加工した後に振動板を貼り付けるため、形成加工時に生じやすい振動板のひずみや損傷などを防止でき、生産性を向上できる。
請求項10に記載の態様は、請求項9に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記圧電素子の上面には前記活性部に対応する個別電極が設けられており、前記個別電極の電極取り出し部を介して前記圧電素子と駆動回路を電気的に接続する工程を有することを特徴としている。
また、本明細書において「記録」とは、文字を含む広い意味で画像を形成する概念を表すものとする。また、「記録媒体」は、ヘッドによって画像が形成される媒体(被画像形成媒体、記録媒体、受像媒体、記録紙など呼ばれるもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含むものとする。
本発明によれば、クロストークを防止するとともに生産性を向上できる。
以下、添付図面に従って本発明に係るインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法の実施の形態について詳説する。図1は第1の実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法が適用される画像形成装置10の構成を模式的に示す側面図である。
画像形成装置10は、記録ヘッド12と、この記録ヘッド12に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送するベルト搬送部18と、記録紙16を供給する給紙部20と、画像形成済みの記録紙を外部に排出する排紙部22と、を備えている。
記録ヘッド12は、記録紙16の紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向に固定配置した、いわゆるフルライン型ヘッドで構成されている。記録紙16の搬送方向(矢印A)に沿って上流側からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した記録ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。これら各記録ヘッドには、不図示のノズルが形成され、記録紙16を搬送しつつノズルからそれぞれの色インクを記録紙16に吐出することにより記録紙16上にカラー画像などを形成する。記録ヘッド12の詳細については後述する。
給紙部20にはロール紙26が着脱自在にセットされている。給紙部20近傍には、ロール紙26から記録紙16を引き出す引き出しローラ21、21が設けられている。引き出しローラ21、21の少なくとも一つにはモータ(不図示)の動力が伝達され、引き出された記録紙16は図1上の右から左へと搬送される。符号24はローラ21、21間に設置された裁断用のカッターであり、このカッター24によってロール紙26から引き出された記録紙16は所望のサイズにカットされる。
ベルト搬送部18は、ローラ30、32、34、36間に無端状のベルト38が巻き掛けられた構造をなし、少なくとも記録ヘッド12に対向する部分が水平面をなすように構成されている。このベルト38は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有し、ベルト面にて記録紙16を吸着できる。ベルト38が巻かれているローラ30、32、34、36の少なくとも一つにはモータ(不図示)の動力が伝達され、ベルト38は図1上の反時計回り方向に駆動されて、ベルト38上に吸着された記録紙16は図1の右から左へと搬送される。
符号82は記録紙の位置および大きさなどを読み取る記録紙検出部、符号84は記録紙16へのインク吐出タイミング決定用の記録位置検出部、符号88は記録紙16の紙詰まりや次紙の供給タイミング決定用の記録紙終端検出部である。さらに、画像形成装置10にはこれら各検出部の検出結果をもとに画像形成装置10を統括して制御する不図示のシステムコントローラが設けられている。このシステムコントローラは中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路などから構成され、たとえば記録紙16搬送のための各モータの駆動信号や制御信号、記録ヘッド12の画像形成信号などを生成する。
次に、記録ヘッド12の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各記録ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、これらを代表して符号12によって各記録ヘッドを示すものとする。図2は記録ヘッド12の平面図であり、図3はその部分拡大断面図である。
記録ヘッド12は図3に示すように矩形板状に形成されたノズルプレート42、隔壁43、振動板44、共通電極46、圧電素子48、個別電極50などから構成されている。図3に示すようにノズルプレート42、複数の隔壁43、振動板44によって囲まれた空間部によって圧力室(インク室に相当)54が形成され、各圧力室54は図2の符号50に示す位置に千鳥でマトリックス状に配置されている。圧力室54は不図示のインク供給路と連通され、圧力室54内部にインクが供給される。
各圧力室54の底部に相当する位置のノズルプレート42には、ノズルプレート42下面と貫通されたノズル56が形成されている。また、各圧力室54の天面に圧力室54を塞ぐように取り付けられた振動板44は、その上面にグラウンドされた共通電極46を備えている。
共通電極46の上面には、ノズルプレート42と同様の矩形板状からなる単板の圧電素子板48が取り付けられ、この圧電素子48の上面における各圧力室54に対向する位置に個別電極50が配置されている。この個別電極50および共通電極46を介して圧電素子48に対して電界を図3の上下方向に印加すると、圧電素子48が横方向(d31モード)すなわち図3における矢印B方向に変形する。この圧電素子48は共通電極46を介して圧力室54の一部を形成する振動板44に取り付けられており、圧電素子48が横方向に変形すると、圧電素子48と振動板44が図3に示すように下方に撓み、圧力室54の体積を変化させて圧力室54に圧力波が付与される。
圧電素子48の個別電極外側4辺部分において、複数の圧電ひずみ吸収孔52が形成されている。圧電ひずみ吸収孔52は図2における紙面と直する方向に貫通して形成されている。
個別電極50に駆動電圧を印加すると、圧電素子48の変形に伴って振動板44が変形し(図3の2点鎖線)、圧力室54の体積を変化させて圧力室54に圧力波を付与し、これを受けてノズル56からインクが吐出される。記録ヘッド12には、画像形成装置10側に設けられて個別電極50に駆動電圧を印加する駆動回路と電気的接続を行なう図示しない接続基板が取り付けられている。
つぎに、上記の如く構成された記録ヘッド12の作用を説明する。
画像形成パターンに基づいて画像形成を行なうため、システムコントローラによって個別電極50に駆動回路から駆動電圧を印加させる。図3に示したように圧電素子48が横方向(図3における矢印B方向)に変形し、圧力室54の天面に相当する振動板44が圧力室54方向に向けて突出するように撓み(図3の2点鎖線)、圧力室54に圧力波が付与される。圧力波の付与に伴い、ノズル56を介して圧力室54からインクが吐出される。吐出されたインクは記録紙16の記録面に打滴されて、記録紙16上に画像が形成される。駆動電圧の印加が終了すると、上記変形した圧電素子48と振動板44が変形前の状態に復帰する。なお、この復帰にともない圧力室54にはインクが吐出した分とほぼ同量だけの新しいインクがインク供給路(図示せず)から供給される。このようなインク吐出動作が繰り返し行われ、搬送される記録紙16上に画像形成パターンに基づいた画像が形成される。
ここで、圧電素子48の横方向の変形に伴って、圧電素子48における個別電極50外側には内部応力が発生するが、これら内部応力は圧電ひずみ吸収孔52によって除去される。すなわち、振動板44とともにたわみ変形する圧電素子48の個別電極(活性部分)50の外周部分に圧電ひずみ吸収孔52が形成されているので、隣接する圧力室の圧電素子48へのクロストークを除去できる。
なお、図4に示すように圧電ひずみ吸収孔52は種々の形状や配置形態がある。たとえば本実施の形態で示した図4(a)に示すように圧電ひずみ吸収孔52aを個別電極50の外側4辺に配置したもの、図4(b)に示すように矩形形状の圧電ひずみ吸収孔52bを個別電極50の外側4辺部に配置したもの、図4(c)に示すように圧電ひずみ吸収孔52cを個別電極50の外側4辺部に千鳥配置したものがあげられる。また、図4(d)に示すように楕円形状の圧電ひずみ吸収孔52dを個別電極50の外側4辺部に形成配置したものや図4(e)に示すような大きさの異なる圧電ひずみ吸収孔52eを個別電極50の外側4辺に沿って形成配置したものがある。
ここで、本実施の形態における圧電素子48は1枚の単板にて構成されており、コストが安く加工も容易である。
つぎに、本実施の形態の記録ヘッド12に用いられる圧電素子48の製造方法を図5をもとに説明する。この工程は図5(a)から(e)までの順で進行する。
はじめに図5(a)において、グリーンシート60を基板62に仮着する。
図5(b)に示すようにグリーンシート60表面にスクリーン印刷法にて共通電極46を印刷する。
図5(c)に示すようにグリーンシート60の裏面にスクリーン印刷法にて個別電極50を印刷する。個別電極50の形成位置は、マトリクスに配置されたノズル56に対応する位置となるようにあらかじめ設定されている。
図5(d)に示すようにグリーンシート60にプレス機64にて圧電ひずみ吸収孔52を貫通形成する。
図5(e)に示すようにグリーンシート60を脱脂した後、焼成して1枚の圧電素子48が形成される。この後、振動板44(図3)に貼り付けて、本発明に係る圧電素子48の形成工程は終了する。
ここで、図6に示すように振動板44と圧電素子48とは、接着剤66にて接合される。この際には、圧電ひずみ吸収孔52は余剰接着剤66aの逃げ部とされ、図6に示すように余剰接着剤66aが圧電ひずみ吸収孔52に入り込み、振動板44と圧電素子48とで安定した接合が可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドについて、図7を用いて説明する。なお、図2、図3に示した第1の実施の形態と同一、類似の部材には同様の符号を付し、その詳細説明は省略する。
本実施の形態にかかる記録ヘッド100は図7(a)、(b)に示すように、圧電ひずみ吸収孔52と対向する位置に、振動板44に圧電ひずみ吸収用の溝102が形成されている。
上記の如く構成された記録ヘッド100によれば、圧電ひずみによって振動板44に生じる応力をさらに緩和でき、クロストーク除去を促進できる。
上述したような実施の形態に示したインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法の構成は、前記実施の形態に限定されるものではない。たとえば、図8に示すように記録ヘッド110のように圧電ひずみ吸収孔52が形成されていない部分に個別電極50の電極取出し部112をボールグリッドアレイなどで半田付けして設けてもよい。これにより、電極取出し部112を介して個別電極50からの電極を一括して取り出しできる。
さらに、個別電極50は焼成前にスクリーン印刷で形成する構成としたが、これに限らず焼成後にスパッタリングや蒸着などで取り付ける構成としてもよい。
本発明の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法が適用される画像形成装置を示す側面図 本発明の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドとしての記録ヘッドを示す平面図 本発明の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドとしての記録ヘッドの詳細構造を示す部分拡大断面図 本発明の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドとしての記録ヘッドにおける圧電ひずみ吸収孔の別実施の形態を示す平面図 本発明の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す説明図 本発明の別の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す詳細断面図 本発明の別の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す詳細平面図および断面図 本発明の別の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す詳細平面図
符号の説明
10…画像形成装置、12…記録ヘッド、16…記録紙、46…共通電極、48…圧電素子、50…個別電極、52…圧電ひずみ吸収孔、54…圧力室、56…ノズル、102…溝、112…電極取出し部

Claims (10)

  1. インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、
    前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、
    さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の短軸方向長さが周辺部分よりも長い楕円形状を有していることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、
    前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、
    さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の孔形状が周辺部分よりも大きくなるような配列で、大きさの異なるものが複数並んで配置されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記圧電素子が取り付けられている前記インク室の一部を形成する振動板には、前記圧電素子の圧電ひずみ吸収孔と対向する位置に、溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記振動板と圧電素子とは接着剤にて接合されるとともに、前記圧電ひずみ吸収孔を接着時における余剰接着剤の逃げ部としたことを特徴とする請求項3に記載されたインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記圧電素子の上面には前記活性部に対応する個別電極が設けられており、前記圧電素子は前記個別電極の電極取り出し部を介して駆動回路と電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録装置において、
    前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、
    前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、
    さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の短軸方向長さが周辺部分よりも長い楕円形状を有していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. インクが充填された複数のインク室が2次元マトリクス状に配置され、インク室の外側に設けられた圧電素子に電圧が印加されることにより、前記インク室を収縮させてインク室のノズルからインクを記録媒体に吐出させるインクジェット記録装置において、
    前記圧電素子はd31方向の変位を利用するとともに前記圧電素子の活性部の外周部分には、圧電素子を貫通してなる圧電ひずみ吸収孔が形成され、
    前記圧電ひずみ吸収孔は、前記圧電素子の活性部の全周囲を囲むように前記活性部の外側4辺部に沿って配置され、
    さらに、前記圧電ひずみ吸収孔は、前記4辺部における各辺の中央部分の孔形状が周辺部分よりも大きくなるような配列で、大きさの異なるものが複数並んで配置されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記圧電素子の上面には前記活性部に対応する個別電極が設けられており、前記圧電素子は前記個別電極の電極取り出し部を介して駆動回路と電気的に接続されることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 請求項1乃至5の何れか1項に記載されたインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
    単一なグリーンシートの片面側にスクリーン印刷法にて共通電極を形成する工程と、
    前記グリーンシートの他面側にスクリーン印刷法にて個別電極を形成する工程と、
    前記グリーンシートを焼成する前に前記グリーンシートの前記個別電極の外周部分にプレス機にて圧電ひずみ吸収孔を形成する工程と、
    前記圧電ひずみ吸収孔が形成された前記グリーンシートを焼成してd31方向の変位を利用する圧電素子を形成する工程と、
    該圧電素子を振動板に貼付する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 前記圧電素子の上面には前記活性部に対応する個別電極が設けられており、前記個別電極の電極取り出し部を介して前記圧電素子と駆動回路を電気的に接続する工程を有することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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