JP5167839B2 - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
従来から、液滴噴射装置として、所定の方向に搬送される印刷媒体に対してインクの液滴を噴射するインクジェットヘッドを備え、印刷媒体に画像等を記録するインクジェットプリンタが知られている。
ところで、このインクジェットプリンタに採用されるインクジェットヘッドとしては、大きく分けて2種類のヘッドが存在する。1つは、搬送方向と直交する印刷媒体の幅方向に沿って配列された多数のノズルを有し、所定位置に固定された状態で前記多数のノズルから搬送されてくる印刷媒体に向けて液滴を噴射する、いわゆる、ライン型のヘッドである(例えば、特許文献1参照)。もう1つは、印刷媒体の幅方向に往復移動しながらノズルから印刷媒体に向けて液滴を噴射する、いわゆる、シリアル型のヘッドである(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−169839号公報 特開2006−205621号公報
ライン型ヘッドは、印刷媒体の幅方向に沿って配列された多数のノズルから、印刷媒体に対して多数の液滴を同時に噴射して、広い領域を一度に印刷することができるため、印刷速度はかなり速い。しかし、このライン型ヘッドにおいては、幅方向に関する解像度が、この幅方向に配列されたノズルの間隔によって定まってしまう。そのため、ライン型ヘッドは、一般的に、高解像度(高精細)の印刷には不向きである。
一方、シリアル型ヘッドは、幅方向に関する走査速度とノズルの液滴噴射タイミングを制御することで、印刷媒体の幅方向に関して高い解像度で画像等を印刷することが可能である。しかし、広い領域に画像等を印刷するのに多くのパス(走査方向の移動)が必要になるため、ライン型ヘッドと比べると印刷速度がかなり遅いという欠点がある。
本発明の目的は、ライン型ヘッドとシリアル型ヘッドの両方を併用することにより、高い処理速度(印刷速度)と高精細な液滴噴射の両方を実現可能な、液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明の液滴噴射装置は、液滴が噴射される対象である被噴射体を、所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送方向と交差した方向に沿って配列されるとともに、それぞれ前記被噴射体に向けて液滴を噴射する複数の第1ノズルを有する、ライン型の第1液滴噴射ヘッドと、前記被噴射体に向けて液滴を噴射する第2ノズルを有し、前記搬送方向と交差した所定の走査方向に沿って往復移動可能なシリアル型の第2液滴噴射ヘッドと、前記搬送手段、前記第1液滴噴射ヘッド、及び、前記第2液滴噴射ヘッドをそれぞれ制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記搬送手段により前記被噴射体を前記搬送方向に搬送させつつ、前記第1液滴噴射ヘッドの前記複数の第1ノズルから前記被噴射体に液滴を噴射させる第1噴射動作と、前記搬送手段による前記被噴射体の搬送を停止させた状態で、前記第2液滴噴射ヘッドを前記走査方向に移動させつつ、その前記第2ノズルから前記被噴射体に液滴を噴射させる第2噴射動作と、を実行可能であり、
前記制御手段は、前記第1噴射動作の開始時及び/又は終了時の、前記被噴射体の搬送速度が増加又は減少する搬送速度変化期間においても、予め定められた前記搬送速度の特性に基づいて噴射周波数を制御しながら、前記第1液滴噴射ヘッドに前記被噴射体への液滴噴射を行わせ、
さらに、前記制御手段は、前記第2液滴噴射ヘッドの前記走査方向における加速期間中には、同時に、前記搬送手段を制御して前記被噴射体の搬送速度を減少させ、前記第2液滴噴射ヘッドの前記走査方向における減速期間中には、同時に、前記搬送手段を制御して前記被噴射体の搬送速度を増加させることを特徴とするものである。
本発明の液滴噴射装置は、搬送方向と交差した方向に沿って配列された複数の第1ノズルを有する、ライン型の第1液滴噴射ヘッドと、搬送方向と交差した所定の走査方向に移動しながら第2ノズルから被噴射体に対して液滴を噴射する、シリアル型の第2液滴噴射ヘッドの、2種類のヘッドを備えている。そして、搬送手段による被噴射体の搬送中に、ライン型の第1液滴噴射ヘッドから液滴を噴射する第1噴射動作と、搬送手段による搬送が停止している状態で、シリアル型の第2液滴噴射ヘッドから液滴を噴射する第2噴射動作を実行可能である。このように、1つの被噴射体に対して、広い領域に対して高速で液滴を噴射することが可能なライン型の第1液滴噴射ヘッドと、走査方向に関して高精細な液滴噴射が可能なシリアル型の第2液滴噴射ヘッドの両方を使用することで、高い処理速度と高精細な液滴噴射の両方を実現することが可能となる。
また、被噴射体の搬送速度が変化する、搬送速度変化期間(搬送速度の加減速期間)においても、ライン型の第1液滴噴射ヘッドから、噴射周波数を適切に制御しながら液滴を噴射させることで、第1噴射動作に要する時間を短縮できる。また、ライン型の第1液滴噴射ヘッドの待機時間(液滴を噴射しない時間)が短くなるため、第1ノズルにおけるインクの乾燥を抑制できる。
また、第2噴射動作時に、シリアル型の第2液滴噴射ヘッドは、被噴射体と対向する領域において走査方向に一定の速度で移動している最中に液滴を噴射することから、第2液滴噴射ヘッドの走査方向に関する加減速期間においては、被噴射体の搬送方向に関する加減速を同時に行っても、搬送方向に関する着弾位置ズレなどの不具合は生じない。このように、第2液滴噴射ヘッドの走査方向に関する加減速と、被噴射体の搬送方向に関する加減速を同時に行うことにより、交互に実行される第1噴射動作と第2噴射動作の間の時間が短くなり、1つの被噴射体に対する処理時間が一層短縮される。
第2の発明の液滴噴射装置は、前記第3の発明において、前記制御手段は、前記第2液滴噴射ヘッドの前記加速期間に合わせて前記搬送速度が減少する搬送速度減速期間の終期と、前記第2液滴噴射ヘッドの前記減速期間に合わせて前記搬送速度が増加する搬送速度増加期間の初期の、少なくとも一方の期間においては、前記第1液滴噴射ヘッドに前記被噴射体への液滴噴射を行わせるとともに、前記第2液滴噴射ヘッドにも前記被噴射体への液滴噴射を行わせる、第3噴射動作を実行させることを特徴とするものである。
シリアル型の第2液滴噴射ヘッドの加減速と、被噴射体の搬送方向に関する加減速とを同時に行う際に、さらに、第1液滴噴射ヘッドと第2液滴噴射ヘッドの両方から液滴を噴射することができれば、処理時間の一層の短縮が可能となる。しかし、第1液滴噴射ヘッドについては、搬送速度変化期間においては噴射周波数を制御することで、搬送方向に関する着弾位置ズレを防止できるものの、走査方向に移動しながら液滴を噴射する第2液滴噴射ヘッドについては、搬送方向に関する着弾位置ズレを防止できない。
しかしながら、搬送手段により搬送される被噴射体の搬送速度特性は、一般的に、搬送速度の減速期間の終期と加速期間の初期においては搬送速度の変化度合が非常に小さく、ほとんど0である。従って、このような期間に第2液滴噴射ヘッドから液滴を噴射させても、搬送方向の着弾位置ズレはほとんど生じない。そこで、搬送速度変化期間の中でも、速度がほとんど0で変化しない期間においては、第1液滴噴射ヘッドだけでなく、第2液滴噴射ヘッドからも液滴を噴射させることが可能である。
本発明によれば、1つの被噴射体に対して、広い領域に対して高速で液滴を噴射することが可能なライン型の第1液滴噴射ヘッドと、走査方向に関して高精細な液滴噴射が可能なシリアル型の第2液滴噴射ヘッドの両方を使用することで、高い処理速度と高精細な液滴噴射の両方を実現することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略側面図、図2は、図1のインクジェットプリンタ1の平面図である。尚、図2においては、図1に示されているローラ13,14,15等の図示は省略されている。
(インクジェットプリンタの全体構成)
図1、図2に示すように、本実施形態のインクジェットプリンタ1(以下では、単に、プリンタ1と称する)は、4つの固定ライン型の第1ヘッド2a〜2d(第1液滴噴射ヘッド)と、シリアル型の第2ヘッド3(第2液滴噴射ヘッド)と、4種類(4色)のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ4a〜4dと、第1ヘッド2と第2ヘッド3の下側の用紙搬送経路8(図1に一点鎖線で示す)に沿って印刷用紙P(被噴射体)を搬送する用紙搬送機構5(搬送手段)と、第1ヘッド2及び第2ヘッド3のメンテナンスを行うためのメンテナンス機構6と、プリンタ1の全体制御を司る制御装置7(図12参照)等を備えている。
固定ライン型の第1ヘッド2は、その下面において印刷用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向(主走査方向:図1の紙面垂直方向、図2の左右方向)に沿って、用紙幅全域にわたって配列された、多数の第1ノズル55(図6、図7参照)を有する。さらに、この第1ヘッド2は、所定の液滴噴射位置において位置決め固定された状態で、多数の第1ノズル55から印刷用紙Pに対して液滴を噴射するように構成されている。具体的には、後述する第1キャップ部材17によってキャッピングされているとき以外は、印刷中及び印刷待機中も含めて常に所定の液滴噴射位置に位置決め固定されるように構成してもよいし、また、液滴噴射位置として取りえる位置を複数有し、一枚の印刷用紙Pに対して印刷している間は常に同じ液滴噴射位置に位置決め固定され、印刷用紙Pが新たなものに替わる際に他の液滴噴射位置に変更できるように構成してもよい。また、4つの第1ヘッド2a〜2dは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックの4色のインクを第1ノズル55から噴射するように構成されており、これら4つの第1ヘッド2a〜2dは、搬送方向(副走査方向)に並べて配置されている。第1ヘッド2の具体的な構造については後ほど詳細に説明する。
4つの第1ヘッド2a〜2dよりも搬送方向上流側の位置には、2本のガイド軸21,22に沿って用紙幅方向(主走査方向)に移動可能なキャリッジ9が配置され、このキャリッジ9にシリアル型の第2ヘッド3が搭載されている。そして、キャリッジ9が、キャリッジ駆動モータ125(図12参照)により駆動されることで、第2ヘッド3はキャリッジ9と一体的に、用紙搬送経路8に沿って搬送される印刷用紙Pと対向する領域において、用紙幅方向に往復移動可能に構成されている。
また、第2ヘッド3は、その下面において印刷用紙Pの搬送方向に沿って配列された複数の第2ノズル100からなる4列のノズル列101(図9〜図11参照)を有し、これら4列のノズル列101は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックの4色のインクを噴射する。この第2ヘッド2についても、具体的な構造については後ほど詳細に説明する。
4つのインクカートリッジ4a〜4dには、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックの4色のインクが貯留されており、これら4つのインクカートリッジ4a〜4dは、プリンタ本体の底面1aに固定的に設けられたホルダ20に、それぞれ着脱可能に装着される。
また、4つのインクカートリッジ4a〜4dと4つの第1ヘッド2a〜2dは、チューブ10及び分岐チューブ11で接続されている。また、4つのインクカートリッジ4a〜4dと第2ヘッド3は、チューブ10及び分岐チューブ12で接続されている。尚、図1、図2においては、第1ヘッド2に連なる分岐チューブ11と、第2ヘッド3に連なる分岐チューブ12が、インクカートリッジ4に接続されたチューブ10の末端からそれぞれ分岐した構成が示されているが、チューブ11とチューブ12が、それぞれ独立して、インクカートリッジ4に接続された構成であってもよい。
用紙搬送機構5は、給紙ローラ13と、メインローラ14と、拍車ローラ15と、これらのローラ13,14,15をそれぞれ駆動する駆動モータ122,123,124(図12参照)等を備えており、用紙搬送経路8に沿って印刷用紙Pを搬送する。即ち、給紙ローラ13によって、積み重ねられた印刷用紙Pの中から1枚を取り出し、取り出された印刷用紙Pをメインローラ14と押えローラ16との協働によって第1ヘッド2と第2ヘッドへ搬送し、さらに、第1ヘッド2と第2ヘッド3により画像等が印刷された後の印刷用紙Pを拍車ローラ15によって排出するように構成されている。
図2に示すように、メンテナンス機構6は、第1ヘッド2に装着される第1キャップ部材17と、第2ヘッド3に装着される第2キャップ部材18と、第1キャップ部材17と第2キャップ部材18にそれぞれ接続された吸引ポンプ19等を備えている。そして、このメンテナンス機構6は、第1ヘッド2及び第2ヘッド3の下面(液滴噴射面)を第1キャップ部材17及び第2キャップ部材18でそれぞれ覆うことにより、液滴を噴射しない待機状態における、両ヘッドのノズルにおけるインクの乾燥を防止する。また、万が一、何れかのヘッドのノズルに噴射異常が生じたときには、吸引ポンプ19によりノズルからインクを吸引する吸引パージを行って、そのヘッドの液滴噴射性能を回復させる。
(第1ヘッドの構造)
次に、固定ライン型の第1ヘッド2の構造について詳細に説明する。尚、4つの第1ヘッド2a〜2dの構造は全て同一であるため、以下では、1つの第1ヘッド2についてそれぞれ説明する。図3は第1ヘッド2の正面図、図4は図3の第1ヘッド2の鉛直断面図である。
図3、図4に示すように、第1ヘッド2は、インク導入部32を有するリザーバユニット30と、このリザーバユニット30の下面に接合されて一体化されるとともに、複数の第1ノズル55(図6、図7参照)を有するヘッド本体31とで構成されている。
まず、リザーバユニット30について説明する。図3、図4に示すように、リザーバユニット30は、用紙幅方向(主走査方向)に長尺な4枚のプレート34〜37の積層体である。一番上のプレート34の長手方向両端部には、インク導入部32が設けられており、このインク導入部32はチューブ10,11(図1、図2参照)を介してインクカートリッジ4と接続される。
図4に示すように、プレート34にはインク導入部32に連通する貫通孔40が形成されている。また、上から2枚目のプレート35には、貫通孔40を介してインク導入部32に連なり、インク中の塵や気泡等を取り除くためのフィルタ42が収容されたフィルタ収容空間43が形成されている。また、上から3枚目のプレート36には、その長手方向(主走査方向)に関してほぼ全域に延在し、インクカートリッジ4から供給されたインクを一時的に貯留するインクリザーバ45が形成されている。このインクリザーバ45は、すぐ上のプレート35に形成されたフィルタ収容空間43と連通している。さらに、一番下のプレート37には、インクリザーバ45とヘッド本体31とを連通させる複数のインク供給孔46が形成されている。
従って、インクカートリッジ4から第1ヘッド2に供給されたインクは、インク導入部32から貫通孔40及びフィルタ収容空間43を介してインクリザーバ45に導入される。そして、インクリザーバ45内のインクは、複数のインク供給孔46からヘッド本体31へ供給される。
次に、第1ヘッド2のヘッド本体31について説明する。図5は、ヘッド本体31の平面図である。図6は、図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。尚、図6では説明の都合上、アクチュエータユニット51の下方にあって破線で描くべき圧力室56、アパーチャ57及び第1ノズル55を実線で描いている。図7は、図6に示すVII-VII線に沿った部分断面図である。図8(a)はアクチュエータユニット51の拡大断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示されている個別電極73の平面図である。
図5に示すように、ヘッド本体31は、第1ノズル55や圧力室56を含むインク流路が形成された流路ユニット50と、この流路ユニット50の上面50aに固定されて、圧力室56内のインクに圧力を付与する4つのアクチュエータユニット51を含んでいる。
流路ユニット50は、前述したリザーバユニット30(図3,図4参照)とほぼ同じ平面形状を有する直方体形状に形成されている。流路ユニット50の上面50aには、リザーバユニット30の複数のインク供給孔46(図4参照)に対応した、複数(本実施形態では10個)のインク供給口52が開口している。流路ユニット50の内部には、インク供給口52に連通するマニホールド流路53及びマニホールド流路53から分岐した副マニホールド流路54が形成されている。
また、流路ユニット50の下面は、図6及び図7に示すように多数の第1ノズル55が、主走査方向と主走査方向に交差する方向の2方向に沿ってマトリクス状に配列された、液滴噴射面となっている。また、圧力室56も、流路ユニット50のアクチュエータユニット51が固定される面である、上面50aにおいて第1ノズル55と同様マトリクス状に多数配列されている。
次に、流路ユニット50の具体的な構造について説明する。図7に示すように、流路ユニット50は、図中上から順に、キャビティプレート60、ベースプレート61、アパーチャプレート62、サプライプレート63、マニホールドプレート64,65,66、カバープレート67、及び、ノズルプレート68、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。
キャビティプレート60には、インク供給口52(図5参照)に対応する貫通孔、及び、略菱形の圧力室56が多数形成されている。ベースプレート61には、各圧力室56について圧力室56とアパーチャ57との連絡孔及び圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口52とマニホールド流路53との連絡孔(図示せず)が形成されている。
アパーチャプレート62には、各圧力室56についてアパーチャ57となる貫通孔及び圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口52とマニホールド流路53との連絡孔(図示せず)が形成されている。サプライプレート63には、各圧力室56についてアパーチャ57と副マニホールド流路54との連絡孔及び圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口52とマニホールド流路53との連絡孔(図示せず)が形成されている。
マニホールドプレート64,65,66には、各圧力室56について圧力室56とノズル55との連絡孔、及び、積層時に互いに連結してマニホールド流路53及び副マニホールド流路54となる貫通孔が形成されている。カバープレート67には、各圧力室56について圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されている。ノズルプレート68には、各圧力室56について第1ノズル55が形成されている。
これらプレート60〜68が互いに位置合わせされた状態で積層されることによって、流路ユニット50内に、マニホールド流路53及び副マニホールド流路54と、副マニホールド流路54の出口から圧力室56を経て第1ノズル55に至る多数の個別インク流路58が形成される。
従って、リザーバユニット30からインク供給口52を介して流路ユニット50内に供給されたインクは、マニホールド流路53から副マニホールド流路54に分配される。さらに、副マニホールド流路54内のインクは、多数の個別インク流路58にそれぞれ流れ込み、各個別インク流路58において、絞り流路として機能するアパーチャ57及び圧力室56を介して第1ノズル55に至る。
次に、アクチュエータユニット51について説明する。図5に示すように、4つのアクチュエータユニット51は、それぞれ台形の平面形状を有し、インク供給口52を避けるよう千鳥状に配置されている。さらに、各アクチュエータユニット51の平行対向辺は流路ユニット50の長手方向に沿っており、隣接するアクチュエータユニット51の斜辺同士は流路ユニット50の幅方向(副走査方向)に関して互いにオーバーラップしている。
図8(a)に示すように、アクチュエータユニット51は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックス材料からなる3枚の圧電シート70,71,72を有する。3枚の圧電シート70,71,72のうち、最上層の圧電シート70はその厚み方向に分極されている。
また、この圧電シート70上における圧力室56に対向する位置には、個別電極73が形成されている。最上層の圧電シート70とその下側の圧電シート71との間にはシート全面に形成された共通電極75が介在している。図8(b)に示すように、個別電極73は、圧力室56と相似な略菱形の平面形状を有する。略菱形の個別電極73における鋭角部の一方は延出され、その先端には個別電極73と電気的に接続された円形のランド74が設けられている。
共通電極75はすべての圧力室56に対応する領域において等しくグランド電位に保たれている。一方、個別電極73は、その電位を制御することができるように、各ランド74とヘッドドライバ76(図12参照)の各端子とが図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)を介して接続されている。
ここで、以上の構成を有するアクチュエータユニット51の作用について述べる。個別電極73を共通電極75と異なる電位にして圧電シート70に対してその分極方向に電界を印加すると、厚み方向に分極された圧電シート70における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。また、図8(a)に示すように、圧電シート70〜72は圧力室56を区画するキャビティプレート60の表面に固定されている。そのため、圧電シート70における電界印加部分とその下方の圧電シート71,72との間で面方向への歪みに差が生じると、圧電シート70〜72全体が圧力室56側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室56の容積が減少することになるから、圧力室56内のインクに圧力(噴射エネルギー)が付与され、第1ノズル55からインクの液滴が噴射される。
(第2ヘッドの構造)
次に、シリアル型の第2ヘッド3の構造について詳細に説明する。図9は、図1の第2ヘッド3の上面図、図10は図9の部分拡大図、図11は図10のXI-XI線断面図である。ただし、図面を分かりやすくするため、図9においては図10では示されている圧力室94及び貫通孔95,96,99の図示を省略するとともに、第2ノズル100を図10よりも大きく図示している。
図9〜図11に示すように、第2ヘッド3は、第2ノズル100、及び、圧力室94を含むインク流路が形成された流路ユニット80と、流路ユニット80の上面に配置されたアクチュエータユニット81を備えている。
流路ユニット80は、ステンレス鋼等の金属材料で形成された、キャビティプレート90、ベースプレート91、及び、マニホールドプレート92と、合成樹脂材料からなるノズルプレート93を備えており、これら4枚のプレート90〜93は積層状態で接合されている。
ノズルプレート93には、複数の第2ノズル100が形成されている。複数の第2ノズル100は、搬送方向(図9の上下方向)に沿って配列されてノズル列101を構成しており、このようなノズル列101が主走査方向(図8の左右方向)に4本並べて配置されている。これら4本のノズル列101に属する第2ノズル100からは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のインクがそれぞれ噴射される。
図10、図11に示すように、キャビティプレート90には、複数の第2ノズル100に対応して複数の圧力室94が形成されている。圧力室94は主走査方向を長手方向とする略楕円の平面形状を有し、平面視で圧力室94の右端部が第2ノズル100と重なるように配置されている。また、ベースプレート91には、平面視で圧力室94の長手方向の両端部に重なる位置に、それぞれ貫通孔95,96が形成されている。
マニホールドプレート92には、4本のノズル列101にそれぞれ対応する4本のマニホールド流路97が形成されている。図9〜図11に示すように、各マニホールド流路97は、対応する第2ノズル100のノズル列101の左側の位置において搬送方向に延在し、さらに、平面視で、対応する圧力室94の略左半分と重なっている。また、図9に示すように、4本のマニホールド流路97の一端部(搬送方向上流側の端部:図9における上端部)は、最上層のキャビティプレート90に形成された4つのインク供給口98にそれぞれ連通している。これら4つのインク供給口98はチューブ12を介してインクカートリッジ4(図1、図2参照)と接続されており、4つのインクカートリッジ4a〜4dのインクがインク供給口98からマニホールド流路97に供給される。また、マニホールドプレート92には、平面視で、ベースプレート91の貫通孔96とノズルプレート93の第2ノズル100の両方と重なる位置に、貫通孔99が形成されている。
そして、図11に示すように、流路ユニット80内において、インク供給口98に連なるマニホールド流路97が貫通孔95を介して圧力室94に連通し、圧力室94はさらに貫通孔96、99を介して第2ノズル100に連通している。つまり、流路ユニット80には、マニホールド流路97の出口から圧力室94を経て第2ノズル100に至る複数の個別インク流路が形成されている。
アクチュエータユニット81は、振動板110、圧電層111及び複数の個別電極112を有している。振動板110は金属材料などの導電性材料からなり、複数の圧力室94を覆うようにキャビティプレート90の上面に接合されている。また、導電性を有する振動板110は、後述するように、この振動板110と複数の個別電極112との間に位置する圧電層111の部分に、厚み方向の電界を作用させるための共通電極を兼ねており、ヘッドドライバ116(図12参照)のグランド配線に接続されて常にグランド電位に保持されている。
圧電層111は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であり、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックス材料からなり、振動板110の上面に複数の圧力室94にまたがって連続的に配置されている。また、圧電層111は予めその厚み方向に分極されている。
複数の個別電極112は、圧電層111の上面に複数の圧力室94に対応して設けられている。個別電極112は、圧力室94よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、平面視で、圧力室94の略中央部に重なる位置に配置されている。また個別電極112の長手方向における一端部(図10の左端部)は、平面視で圧力室94と重ならない位置まで左方に延びており、その先端部がランド112aとなっている。ランド112aには、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC)等の配線部材を介してヘッドドライバ116が接続される。そして、ヘッドドライバ116から複数の個別電極112に対して、所定の駆動電位とグランド電位の何れか一方の電位が選択的に付与される。
以上の構成を有するアクチュエータユニット81の作用について説明する。ヘッドドライバ116により複数の個別電極112の何れかに所定の駆動電位が付与されると、駆動電位が付与された個別電極112とグランド電位に保持された共通電極としての振動板110との間に電位差が発生し、圧電層111の個別電極112と振動板110とに挟まれた部分に厚み方向の電界が発生する。ここで、圧電層111の分極方向が電界方向と同じである場合には、圧電層111は厚み方向に伸びて面方向に収縮する。そして、この圧電層111の収縮変形に伴って、振動板110の圧力室94と対向する部分が圧力室94側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室94の容積が減少することから、その内部のインクの圧力が上昇し、圧力室94に連通する第2ノズル100からインクの液滴が吐出される。
次に、制御装置7を中心とするプリンタ1の電気的構成について、図12のブロック図を参照して説明する。図12に示される制御装置7(制御手段)は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等で構成されている。
また、図12に示すように、制御装置7は、第1ヘッド2及び第2ヘッド3による印刷動作を制御する印刷制御部120と、吸引ポンプ19を含むメンテナンス機構6に、第1ヘッド2及び第2ヘッド3の噴射性能回復のための吸引パージなど、メンテナンスを行わせるメンテナンス制御部121を備えている。尚、印刷制御部120及びメンテナンス制御部121の機能は、制御装置7のROMに記憶された各種制御プログラムがCPUによって実行されることにより実現される。
以下、プリンタ1の印刷動作を制御する印刷制御部120についてさらに詳細に説明する。印刷制御部120は、PC等の入力装置130から入力されたデータに基づいて、第1ヘッド2のヘッドドライバ76と第2ヘッド3のヘッドドライバ116、及び、印刷用紙Pを搬送するローラ13,14,15をそれぞれ駆動する駆動モータ122,123,124等を制御する。この印刷制御部120の制御が行われることによって、プリンタ1は、用紙搬送機構5により印刷用紙Pを搬送方向へ搬送するとともに、この印刷用紙Pに対して第1ヘッド2から液滴を噴射させる第1噴射動作(ライン印字)と、第2ヘッドから液滴を噴射させる第2噴射動作(シリアル印字)とを交互に実行して、印刷用紙Pへの画像等の印刷を行うように構成されている。
図13は、1枚の印刷用紙Pに対して行われる、シリアル印字、キャリッジ動作、ライン印字、及び、用紙搬送動作のタイムチャートである。図13に示すように、まず、給紙ローラ13によって用紙搬送経路8に給紙が行われた後、印刷用紙Pの搬送が一旦停止した状態で、キャリッジ9が走査方向に移動しながら、このキャリッジ9に搭載されたシリアル型の第2ヘッド3から印刷用紙Pに向けて液滴が噴射される(シリアル印字)。次に、メインローラ14により印刷用紙Pの搬送が再開され、搬送方向に搬送される印刷用紙Pに向けてライン型の第1ヘッド2から液滴が噴射される(ライン印字)。このように、シリアル印字とライン印字を交互に繰り返して行うことで、1枚の印刷用紙Pに所望の画像や文字が形成される。
以上のように、プリンタ1は、高速印字が可能なライン型の第1ヘッド2と、走査方向に関して高い解像度の印字が可能なシリアル型の第2ヘッド3の両方を使用することで、高い印字速度と高精細な印字の両方を実現することが可能である。例えば、ライン型の第1ヘッド2からは、用紙幅方向(主走査方向)に関して、第1ノズル55の配列間隔に対応した、比較的低い解像度の印字を高速で行う。一方、シリアル型の第2ヘッド3からは、第1ヘッド2により用紙幅方向に形成されたドットの間を埋めるように液滴を噴射させる。つまり、ライン型の第1ヘッド2による印字だけでは低くなってしまう、走査方向の解像度を高めるように、シリアル型の第2ヘッド3によって第1ヘッド2を補完することで、用紙幅方向(主走査方向)に関して高精細な印字を実現することができる。
(第1噴射動作(ライン印字))
まず、ライン型の第1ヘッド2による第1噴射動作(ライン印字)について具体的に説明する。この第1噴射動作を実行する場合には、印刷制御部120は、図13に示すように、メインローラ14に印刷用紙Pを搬送方向に搬送させながら、第1ヘッド2の、用紙幅方向に配列された多数の第1ノズル55から印刷用紙Pに向けて液滴を噴射させる。
図13に示すように、印刷制御部120は、印刷用紙Pの搬送速度が一定となる定速期間(T4〜T5)だけでなく、第1噴射動作(ライン印字)の開始時と終了時における、印刷用紙Pの搬送速度が増加又は減少する搬送速度変化期間(図13の加速期間(T3〜T4)と減速期間(T5〜T6))においても、第1ヘッド2に印刷用紙Pへの液滴噴射を行わせるようになっている。但し、搬送速度定速期間(T4〜T5)と搬送速度変化期間(T3〜T4、及び、T5〜T6)とで、ライン印字の印字モードが異なっている。
印刷用紙Pの搬送速度が定速となる期間(T4〜T5)においては、印刷制御部120は、第1ノズル55の各々から一定の噴射周波数で液滴を噴射させる(第1印字モード)。これにより、搬送方向に関して液滴の着弾間隔が等間隔(搬送方向解像度が一定)となる。尚、噴射周波数とは、具体的には、ヘッドドライバ76からアクチュエータユニット51の各個別電極73(図8参照)に送られる、駆動信号の周波数である。
一方、第1噴射動作の開始時と終了時の、搬送速度が増加又は減少する搬送速度変化期間(T3〜T4、及び、T5〜T6)においては、印刷制御部120は、搬送方向に関する液滴の着弾間隔が等間隔(搬送方向解像度が一定)になるように、予め定められた搬送速度の特性に基づいて第1ヘッド2の噴射周波数を制御しながら、液滴を噴射させる(第2印字モード)。
図14は、印刷用紙Pを搬送するメインローラ14の駆動モータ123の駆動特性(搬送速度特性)を示す図である。図14に示すように、駆動モータ123の駆動特性は、加速期間と減速期間の両方において、初期(期間A及び期間D)と終期(期間C及び期間F)では、速度変化(速度勾配)は小さく、一方、中期(期間B及び期間E)では、速度変化が非常に大きくなっている。つまり、中期において、速度が急激に増加又は減少するようになっている。尚、この搬送速度特性における、期間A〜Fの長さや期間A〜Fにおける速度勾配の大きさ等のパラメータは、モータ123の駆動回路を制御することにより、必要に応じて適宜変更可能である。
この搬送速度特性を示す情報は、制御装置7のROMに予め格納されている。そして、印刷制御部120は、ROMから読み出した搬送速度特性の情報から、搬送速度変化期間における噴射周波数を決定する。搬送方向の解像度(ドット間隔)とは、搬送速度に、1つのドットを形成する周期(いわゆる印字周期、噴射周波数の逆数に比例)を乗じた値であることから、図14の搬送速度特性と、要求される搬送方向に関する解像度とから、噴射周波数を逆算することができる。そして、搬送速度が時間とともに増加していく加速期間においては、搬送速度の増加に応じて噴射周波数は徐々に高くなるように設定され、逆に、搬送速度が時間とともに減少していく減速期間においては、搬送速度の減少に応じて噴射周波数は徐々に低くなるように設定される。
このように、搬送速度が一定となる定速期間だけでなく、この定速期間の前後の、搬送速度変化期間(加減速期間)においても、ライン型の第1ヘッド2から、噴射周波数を適切に制御しながら液滴を噴射させることで、第1噴射動作(ライン印字)に要する時間を短縮することができる。また、ライン型の第1ヘッド2の待機時間(液滴を噴射しない時間)が短くなるため、第1ノズル55におけるインクの乾燥を抑制できるという利点もある。尚、図13では、加速期間(T3〜T4)と減速期間(T5〜T6)の両方において、第2印字モードでのライン印字が行われているが、何れか一方の期間のみライン印字が行われてもよい。
(第2噴射動作(シリアル印字))
次に、シリアル型の第2ヘッド3による第2噴射動作(シリアル印字)について説明する。この第2噴射動作を実行する場合には、印刷制御部120は、図13に示すように、メインローラ14による印刷用紙Pの搬送を停止させた状態で、キャリッジ駆動モータ125によって第2ヘッド3をキャリッジ9とともに走査方向に移動させつつ、その第2ノズル100から印刷用紙Pに向けて液滴を噴射させる。
シリアル型の第2ヘッド3が、キャリッジ9とともに走査方向(用紙幅方向)に移動しながら液滴を噴射している最中に、印刷用紙Pが搬送方向に搬送されると、搬送方向に関して液滴の着弾位置ズレが生じることから、この第2噴射動作は、印刷用紙Pの搬送が停止された状態で行われる。
また、第2ヘッド3は、印刷用紙Pと対向する領域において、走査方向に一定の速度でキャリッジ9とともに移動している期間(T2〜T3)においてのみ、液滴を噴射する。つまり、キャリッジ9(第2ヘッド3)の走査方向に関する加速期間(T5〜T6)及び減速期間(T3〜T4)においては、第2ヘッド3から液滴が噴射されないため、これらの期間に、前述した第1噴射動作の開始時及び終了時に実行される、印刷用紙Pの搬送速度の加減速を同時に行っても、搬送方向に関する着弾位置ズレ等の不具合は特に生じない。
そこで、第1噴射動作と第2噴射動作を続けて実行することができるように、印刷制御部120は、第2ヘッド3の走査速度の加減速と、印刷用紙Pの搬送速度の加減速とを同時に行わせる。即ち、第2噴射動作の開始時の、第2ヘッド3の走査方向における加速期間(T5〜T6)においては、メインローラ14による印刷用紙Pの搬送速度を減少させる。また、第2噴射動作の終了時の、第2ヘッド3の走査速度における減速期間(T3〜T4)においては、同時に、メインローラ14による印刷用紙Pの搬送速度を増加させる。
先の第1噴射動作の説明において述べたように、搬送速度の加減速期間(搬送速度変化期間)においては、噴射周波数を制御しながら第1ヘッド2から液滴を噴射させる。従って、第2ヘッド3の走査速度の加減速期間と印刷用紙Pの搬送速度の加減速期間とを、T3〜T4及びT5〜T6の期間でオーバーラップさせることで、第1ヘッド2による第1噴射動作(ライン印字)と第2ヘッド3による第2噴射動作(シリアル印字)を、時間間隔を空けることなく、交互に実行することが可能となり、1枚の印刷用紙Pを印刷するのに要する時間を短縮することができる。
尚、以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、ライン型の第1ヘッド2とシリアル型の第2ヘッド3の両方を使用して印刷を行うことが可能に構成されたものであるが、第1ヘッド2と第2ヘッド3の一方のみを用いて印刷用紙Pに印刷を行うことも、勿論可能である。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(変更形態1)
前述した実施形態では、シリアル型の第2ヘッド3の走査速度の加減速期間と、印刷用紙Pの搬送速度変化期間がオーバーラップしている(図13のT3〜T4及びT5〜T6の期間)。このような期間において、さらに、第1ヘッド2と第2ヘッド3の両方から液滴を噴射することができれば、印刷に要する時間を一層短縮することが可能となる。しかし、先にも述べたように、ライン型の第1ヘッド2については、搬送速度が変化する期間においては噴射周波数を制御することで、搬送方向に関する着弾位置ズレを防止できるものの、用紙幅方向に移動しながら液滴を噴射するシリアル型の第2ヘッド3については、搬送方向に関する着弾位置ズレを防止することはできない。そのため、前記実施形態では、用紙搬送の開始期間及び終了期間でもある、オーバーラップ期間(T3〜T4及びT5〜T6)においては、第2ヘッド3からの液滴噴射は行われていなかった。
しかし、図14に示すように、印刷用紙Pを搬送する駆動モータ123の駆動特性(搬送速度特性)は、搬送速度の加速期間の初期(期間A)及び減速期間の終期(期間F)においては、中期(期間B及び期間E)に比べて速度変化が非常に小さく、搬送速度はほとんど0である。そのため、このような期間に第2ヘッド3から液滴を噴射させた場合には、搬送方向の着弾位置ズレは、実際にはほとんど生じない。
そこで、図15に示すように、第2ヘッド3(キャリッジ9)の加速期間に合わせて搬送速度が減少する、搬送速度減速期間(図15のT7〜T9)のうちの終期(T8〜T9)と、第2ヘッド3の減速期間に合わせて搬送速度が増加する搬送速度増加期間(T4〜T6)のうちの初期(T4〜T5)の、少なくとも一方の期間においては、ライン型の第1ヘッド2だけでなく、シリアル型の第2ヘッド3からも、印刷用紙Pへの液滴噴射を行わせることが可能である。このように、一部期間において2つのヘッドの両方から液滴を噴射させることで、印刷時間を一層短縮することができるようになる。
また、制御装置7の印刷制御部120が、メインローラ14を駆動する駆動モータ123の駆動回路を制御して、図14に示す搬送速度特性のパラメータ(期間A〜Fの長さや期間A〜Fにおける速度勾配の大きさ等)を変更できるように構成されている場合には、搬送速度変化期間中にできるだけ長い時間シリアル印字ができるようにするために、搬送速度が0に近い期間Aと期間Fの時間を長くしつつ、他の期間は短くすることが好ましい。
(変更形態2)
図16に示すように、第2ヘッド3の走査速度の加減速期間と、印刷用紙Pの搬送速度変化期間の、オーバーラップ期間(T3〜T4及びT5〜T6)において、第1ヘッド2からの液滴噴射(ライン印字)を行わないようにしてもよい。この場合には、第1ヘッド2の噴射周波数を制御する必要がなくなり、制御構成が簡素化される。なお、この場合には、第1ヘッド2による印刷は、印刷用紙Pの搬送方向において無印刷領域が間欠的に現れるものとなるため、第2ヘッド3によってその無印刷領域を印刷するように制御することが望ましい。
(変更形態3)
図17に示すように、第2ヘッド3の走査速度の加減速期間(T3〜T4及びT7〜T8)と、印刷用紙Pの搬送速度変化期間(T4〜T5及びT6〜T7)とを、オーバーラップさせないようにしてもよい。この変更形態3では、前記実施形態と比べると、ライン印字とシリアル印字の両方とも行われない期間が長くなるため、印刷時間は少しかかることになるが、それでも、高速印字が可能なライン型の第1ヘッド2と、走査方向に関して高い解像度の印字が可能なシリアル型の第2ヘッド3の両方を使用することで、本願の目的である、高い印字速度と高精細な印字の両方を実現することが可能である。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、印刷用紙にインクを噴射して画像等を記録する、インクジェットプリンタ用のインクジェットヘッドに適用したものであるが、本発明の適用対象は、このような用途に使用されるものに限られない。即ち、基板表面に導電性の液体を噴射して導電パターンを形成する装置など、インク以外の様々な種類の液体をその用途に応じて対象に噴射する、種々の液滴噴射装置に本発明を適用することが可能である。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成を示す側面図である。 図1のプリンタの平面図である。 第1ヘッドの正面図である。 図3の第1ヘッドの鉛直断面図である。 第1ヘッドのヘッド本体の平面図である。 図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図6に示すVII-VII線に沿った部分断面図である。 (a)はアクチュエータユニットの拡大断面図であり、(b)は(a)に示されている個別電極の平面図である。 第2ヘッドの平面図である。 図9の部分拡大図である。 図10のXI-XI線断面図である。 プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 1枚の印刷用紙に対して行われる、シリアル印字、キャリッジ動作、ライン印字、及び、用紙搬送動作のタイムチャートである。 印刷用紙を搬送するメインローラの駆動モータの駆動特性(搬送速度特性)を示す図である。 変更形態1の、シリアル印字、キャリッジ動作、ライン印字、及び、用紙搬送動作のタイムチャートである。 変更形態2の、シリアル印字、キャリッジ動作、ライン印字、及び、用紙搬送動作のタイムチャートである。 変更形態3の、シリアル印字、キャリッジ動作、ライン印字、及び、用紙搬送動作のタイムチャートである。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
2 第1ヘッド
3 第2ヘッド
5 用紙搬送機構
7 制御装置
55 第1ノズル
100 第2ノズル

Claims (2)

  1. 液滴が噴射される対象である被噴射体を、所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送方向と交差した方向に沿って配列されるとともに、それぞれ前記被噴射体に向けて液滴を噴射する複数の第1ノズルを有する、ライン型の第1液滴噴射ヘッドと、
    前記被噴射体に向けて液滴を噴射する第2ノズルを有し、前記搬送方向と交差した所定の走査方向に沿って往復移動可能なシリアル型の第2液滴噴射ヘッドと、
    前記搬送手段、前記第1液滴噴射ヘッド、及び、前記第2液滴噴射ヘッドをそれぞれ制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記搬送手段により前記被噴射体を前記搬送方向に搬送させつつ、前記第1液滴噴射ヘッドの前記複数の第1ノズルから前記被噴射体に液滴を噴射させる第1噴射動作と、
    前記搬送手段による前記被噴射体の搬送を停止させた状態で、前記第2液滴噴射ヘッドを前記走査方向に移動させつつ、その前記第2ノズルから前記被噴射体に液滴を噴射させる第2噴射動作と、
    を実行可能であり、
    前記制御手段は、
    前記第1噴射動作の開始時及び/又は終了時の、前記被噴射体の搬送速度が増加又は減少する搬送速度変化期間においても、予め定められた前記搬送速度の特性に基づいて噴射周波数を制御しながら、前記第1液滴噴射ヘッドに前記被噴射体への液滴噴射を行わせ、
    さらに、前記制御手段は、
    前記第2液滴噴射ヘッドの前記走査方向における加速期間中には、同時に、前記搬送手段を制御して前記被噴射体の搬送速度を減少させ、
    前記第2液滴噴射ヘッドの前記走査方向における減速期間中には、同時に、前記搬送手段を制御して前記被噴射体の搬送速度を増加させることを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記第2液滴噴射ヘッドの前記加速期間に合わせて前記搬送速度が減少する搬送速度減速期間の終期と、前記第2液滴噴射ヘッドの前記減速期間に合わせて前記搬送速度が増加する搬送速度増加期間の初期の、少なくとも一方の期間においては、
    前記第1液滴噴射ヘッドに前記被噴射体への液滴噴射を行わせるとともに、前記第2液滴噴射ヘッドにも前記被噴射体への液滴噴射を行わせる、第3噴射動作を実行させることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
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