JP2009178895A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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隆一郎 梅田
Ryuji Kato
龍二 加藤
Hisayoshi Sakurai
久喜 櫻井
Tomoyuki Kubo
智幸 久保
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Abstract

【課題】印刷媒体の幅方向全域に画像等を印刷する縁無し印刷が可能なインクジェットプリンタにおいて、遊休状態となりやすいノズルを極力減らすこと。
【解決手段】インクジェットプリンタは、ライン型の第1ヘッド2と、印刷用紙Pの幅方向に沿って往復移動可能なシリアル型の第2ヘッド3とを備えている。また、第1ヘッド2の複数の第1ノズルの前記幅方向配列長さは、印刷用紙Pの幅よりも短く、且つ、複数の第1ノズルは印刷用紙Pの幅方向中央部と対向するように配置されている。そして、印刷用紙Pの幅方向中央部の第1領域A1に対して、第1ヘッド2の複数の第1ノズルからインクの液滴を噴射させるとともに、第1領域A1よりも幅方向両端側に位置する第2領域A2に対しては、第2ヘッド3の第2ノズルからインクの液滴を噴射させるように構成されている。
【選択図】図14

Description

本発明は、印刷媒体にインクの液滴を噴射して画像等を印刷するインクジェットプリンタに関する。
従来から、印刷媒体の縁部を含めた全面に画像を印刷する、いわゆる、縁無し印刷が可能な、インクジェットプリンタが知られている。
例えば、特許文献1に記載のインクジェットプリンタは、印刷媒体の幅方向(搬送方向と直交する方向)に配列された多数のノズルを有するライン型ヘッドを備えており、このライン型ヘッドから印刷媒体の幅方向全域に対して液滴を噴射させることにより、印刷媒体に縁無し印刷を行うことが可能に構成されている。
特開2005−88303号公報
しかし、一般的に、印刷媒体に縁無し印刷を行う頻度は、縁部の印刷を行わない通常の印刷と比較するとそれほど高くない。そのため、ライン型ヘッドに設けられている多数のノズルのうち、印刷媒体の幅方向両端部と対向する位置して、縁無し印刷以外の通常印刷を行う際にはほとんど使用されないノズルは、使用頻度が低く、遊休状態が長くなりがちなノズルとなってしまう。このような使用頻度の低いノズルの存在は、製造コスト低減、及び、ヘッドの小型化の観点からはあまり好ましいものではない。
また、遊休状態が長く続くノズルにおいては、インクの液滴の噴射が長期間行われないため、液滴噴射の頻度が高い他のノズルと比べて、乾燥によるインクの粘度増大(インク増粘)が生じやすい。そのため、インク増粘に起因する、液滴の噴射不能や噴射方向曲がりなどの噴射不良が発生しやすく、この点からも、遊休状態が長くなりがちなノズルをできるだけ減らすことが好ましい。
本発明の目的は、印刷媒体の幅方向全域に画像等を印刷する縁無し印刷が可能なインクジェットプリンタにおいて、遊休状態となりやすいノズルを極力減らすことである。
第1の発明のインクジェットプリンタは、所定の搬送方向に沿って搬送される印刷媒体にインクの液滴を噴射して、前記印刷媒体の幅方向の全域にわたって印刷することが可能なインクジェットプリンタであって、
前記幅方向に沿って配列された複数の第1液滴噴射ノズルを有するライン型の第1ヘッドと、第2液滴噴射ノズルを有するとともに、前記幅方向に沿って往復移動可能なシリアル型の第2ヘッドと、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドのインク噴射動作をそれぞれ制御する制御手段とを備え、
前記第1ヘッドの前記複数の第1液滴噴射ノズルの前記幅方向配列長さは、前記印刷媒体の幅よりも短く、且つ、前記複数の第1液滴噴射ノズルは前記印刷媒体の幅方向中央部と対向するように配置され、
前記第2ヘッドは、前記印刷媒体と対向する位置から、前記印刷媒体の幅方向両端のうちの少なくとも一端を越えて外側の位置まで移動可能に構成され、
前記制御手段は、前記印刷媒体の幅方向中央部の第1領域に対して、前記第1ヘッドの複数の第1液滴噴射ノズルからインクの液滴を噴射させるとともに、前記印刷媒体の、前記第1領域よりも幅方向両端側に位置する第2領域に対しては、前記第2ヘッドの第2液滴噴射ノズルからインクの液滴を噴射させることを特徴とするものである。
ライン型の第1ヘッドの複数の第1液滴噴射ノズルは、印刷媒体の幅方向中央部にあって、印刷される頻度の高い第1領域のみと対向している。言い換えれば、縁無し印刷時にのみ印刷される、第1領域よりも幅方向両端側の第2領域と対向する位置には、第1液滴噴射ノズルは設けられていない。しかし、本発明のインクジェットプリンタは、このライン型の第1ヘッドと、印刷媒体の幅方向に往復移動可能なシリアル型の第2ヘッドとを併用することによって、縁無し印刷を実行することが可能となっている。即ち、印刷媒体に縁無し印刷を行う必要がある場合には、印刷媒体の中央部領域である第1領域に対しては、ライン型の第1ヘッドの第1液滴噴射ノズルからインクを噴射させ、印刷媒体の端部領域である第2領域に対しては、シリアル型の第2ヘッドの第2液滴噴射ヘッドのみからインクを噴射させる。この構成によれば、ライン型の第1ヘッドに、印刷媒体の幅方向両端側の第2領域を印刷するためのノズルを設けずとも、縁無し印刷を行うことが可能となるため、第1ヘッドにおいて遊休状態になりがちなノズルを極力減らすことができる。
尚、本発明において、第1ヘッドにより印刷される「印刷媒体の幅方向中央部の第1領域」とは、幅方向両端部の第2領域を除いた領域を指しており、印刷媒体の幅方向に関する中心点を含む、厳密な意味での中央部領域に限られるものではない。従って、第1ヘッドの第1噴射ノズルが、前記幅方向中心点を含まない、幅方向の何れか一方側の領域のみと対向するように配置されている形態も、本発明には含まれる。
第2の発明のインクジェットプリンタは、前記第1の発明において、前記第1ヘッドが有する、前記第1液滴噴射ノズルを含む全ノズルの、前記幅方向に関する配列長さが、前記印刷媒体の幅よりも短くなっていることを特徴とするものである。
第1ヘッドの全ノズル(実際に液滴を噴射する第1液滴噴射ノズルはもちろんのこと、第1液滴噴射ノズルの上流側インク流路から第1液滴噴射ノズルをバイパスして、ゴミや気泡を外部に排出するためのダミーノズルがある場合には、このダミーノズルを含めた全ノズル)の配列長さが、印刷媒体の幅よりも短くなっているため、第1ヘッドの、印刷媒体幅方向に関する長さを短くすることができ、プリンタの小型化が可能になる。
第3の発明のインクジェットプリンタは、前記第1又は第2の発明において、前記制御手段は、前記第1領域と前記第2領域の境界領域に対しては、前記第1ヘッドの前記第1液滴噴射ノズルと前記第2ヘッドの前記第2液滴噴射ノズルから、所定の液滴量比でインクの液滴をそれぞれ噴射させることを特徴とするものである。
このように、第1領域と第2領域の境界領域に対して、第1ヘッドと第2ヘッドの両方から、適当な液適量比でそれぞれ液滴を噴射させることで、第1領域と第2領域の境界を目立たなくさせることが可能となる。
第4の発明のインクジェットプリンタは、前記第3の発明において、前記制御手段は、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドのそれぞれについて、前記境界領域の印刷時には、前記第1領域又は前記第2領域を印刷する時よりも解像度の低い、低解像度印刷を行わせることを特徴とするものである。
第1ヘッドと第2ヘッドの両方を用いて境界領域の印刷を行うときに、第1ヘッドと第2ヘッドのそれぞれについて、第1領域や第2領域を印刷するときよりも低い解像度の印刷を行わせることで、第1領域と第2領域の境界を目立たなくさせることができる。
第5の発明のインクジェットプリンタは、前記第3の発明において、前記制御手段は、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドのそれぞれについて、前記境界領域の印刷時には、前記第1領域又は前記第2領域を印刷する時よりも噴射される液滴の体積が小さい、低濃度印刷を行わせることを特徴とするものである。
第1ヘッドと第2ヘッドの両方を用いて境界領域の印刷を行うときに、第1ヘッドと第2ヘッドのそれぞれについて、第1領域や第2領域を印刷するときよりも、液滴体積の小さい低濃度印刷を行わせることで、第1領域と第2領域の境界を目立たなくさせることができる。
第6の発明のインクジェットヘッドは、前記第3〜第5の何れかの発明において、前記制御手段は、前記第1領域に対して、前記第1ヘッドの前記第1液滴噴射ノズルに加えて、前記第2ヘッドの前記第2液滴噴射ノズルからもインクの液滴を噴射させ、
前記第1領域を印刷する場合の前記第2ヘッドの前記第1ヘッドに対する液滴量比は、前記境界領域を印刷する場合と比べて小さいことを特徴とするものである。
シリアル型の第2ヘッドに、印刷媒体の中央部領域である第1領域に対しても液滴を噴射させることで、印刷速度を上げることができる。また、第1領域を印刷する際の第2ヘッドの第1ヘッドに対する液適量比が、第1領域と第2領域の間の境界領域と比べて小さくなっていることから、第1領域、境界領域、第2領域の順に、第2ヘッドの噴射液滴量が段階的に増えていくことになり、第1領域と第2領域の境界が一層目立たなくなる。
本発明によれば、印刷媒体に縁無し印刷を行う必要がある場合には、印刷媒体の中央部領域である第1領域に対しては、ライン型の第1ヘッドの第1液滴噴射ノズルからインクを噴射させ、印刷媒体の端部領域である第2領域に対しては、シリアル型の第2ヘッドの第2液滴噴射ヘッドのみからインクを噴射させる。この構成によれば、ライン型の第1ヘッドに、印刷媒体の幅方向両端側の第2領域を印刷するためのノズルを設けずとも、縁無し印刷を行うことが可能となるため、第1ヘッドにおいて遊休状態になりがちなノズルを極力減らすことができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態のインクジェットプリンタは、所定方向に搬送される印刷用紙(印刷媒体)の幅方向(搬送方向と直交する方向)の全域に画像等を印刷する、いわゆる、縁無し印刷が可能に構成されたプリンタである。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略側面図、図2は、図1のインクジェットプリンタ1の平面図である。尚、図2においては、図1に示されているローラ13,14,15等の図示は省略されている。
(インクジェットプリンタの全体構成)
図1、図2に示すように、本実施形態のインクジェットプリンタ1(以下では、単に、プリンタ1と称する)は、4つの固定ライン型の第1ヘッド2a〜2dと、シリアル型の第2ヘッド3と、4種類(4色)のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ4a〜4dと、第1ヘッド2と第2ヘッド3の下側の用紙搬送経路8(図1に一点鎖線で示す)に沿って印刷用紙Pを搬送する用紙搬送機構5と、第1ヘッド2及び第2ヘッド3のメンテナンスを行うためのメンテナンス機構6と、プリンタ1の全体制御を司る制御装置7(図12参照)等を備えている。
固定ライン型の第1ヘッド2は、その下面において印刷用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向(主走査方向:図1の紙面垂直方向、図2の左右方向)に沿って配列された、多数の第1ノズル55(第1液滴噴射ノズル:図6、図7参照)からなるノズル列を有する。さらに、この第1ヘッド2は、所定の液滴噴射位置において位置決め固定された状態で、多数の第1ノズル55から印刷用紙Pに対して液滴を噴射するように構成されている。具体的には、後述する第1キャップ部材17によってキャッピングされているとき以外は、印刷中及び印刷待機中も含めて常に所定の液滴噴射位置に位置決め固定されるように構成してもよいし、また、液滴噴射位置として取りえる位置を複数有し、一枚の印刷用紙Pに対して印刷している間は常に同じ液滴噴射位置に位置決め固定され、印刷用紙Pが新たなものに替わる際に他の液滴噴射位置に変更できるように構成してもよい。また、4つの第1ヘッド2a〜2dは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックの4色のインクを第1ノズル55から噴射するように構成されており、これら4つの第1ヘッド2a〜2dは、搬送方向(副走査方向)に並べて配置されている。第1ヘッド2の具体的な構造については後ほど詳細に説明する。
尚、各々の第1ヘッド2は、印刷用紙Pの幅方向両端部と対向する位置に第1ノズル55を備えておらず、その結果、第1ヘッド2の全ノズルの、印刷用紙Pの幅方向(主走査方向)に関する配列長さ(ノズル列長さ)は、印刷用紙Pの幅よりも小さくなっている。つまり、第1ヘッド2の多数の第1ノズル55は、印刷用紙Pの幅方向中央部(幅方向両端部を除いた部分)のみと対向しており、この第1ヘッド2は、印刷用紙Pの幅方向両端部を除いた、中央領域を印刷するためのヘッドと位置づけられている。
4つの第1ヘッド2a〜2dよりも搬送方向上流側の位置には、2本のガイド軸21,22に沿って用紙幅方向(主走査方向)に移動可能なキャリッジ9が配置され、このキャリッジ9にシリアル型の第2ヘッド3が搭載されている。そして、キャリッジ9が、キャリッジ駆動モータ125(図12参照)により駆動されることで、第2ヘッド3はキャリッジ9と一体的に、用紙搬送経路8に沿って搬送される印刷用紙Pと対向する位置から、印刷用紙Pの幅方向両端を越えて外側の位置まで移動可能に構成されている。
また、第2ヘッド3は、その下面において印刷用紙Pの搬送方向に沿って配列された複数の第2ノズル100(第2液滴噴射ノズル)からなる4列のノズル列101(図9〜図11参照)を有し、これら4列の第2ノズル100の列は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックの4色のインクを噴射する。この第2ヘッド2についても、具体的な構造については後ほど詳細に説明する。
尚、先に述べたように、第1ヘッド2の第1ノズル55は、印刷用紙Pの幅方向中央部のみと対向しており、第1ヘッド2は印刷用紙Pの幅方向両端部を印刷できるようには構成されていない。一方、第2ヘッド3は、印刷用紙Pと対向する領域からその幅方向両端を越えて外側の位置まで移動できるように構成されていることから、第1ヘッド2によって印刷される中央領域よりもさらに幅方向両端側の領域に対して、第2ヘッド3は液滴を噴射して画像等を印刷することが可能である。
4つのインクカートリッジ4a〜4dには、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及び、ブラックの4色のインクが貯留されており、これら4つのインクカートリッジ4a〜4dは、プリンタ本体の底面1aに固定的に設けられたホルダ20に、それぞれ着脱可能に装着される。
また、4つのインクカートリッジ4a〜4dと4つの第1ヘッド2a〜2dは、チューブ10及び分岐チューブ11で接続されている。また、4つのインクカートリッジ4a〜4dと第2ヘッド3は、チューブ10及び分岐チューブ12で接続されている。尚、図1、図2においては、第1ヘッド2に連なる分岐チューブ11と、第2ヘッド3に連なる分岐チューブ12が、インクカートリッジ4に接続されたチューブ10の末端からそれぞれ分岐した構成が示されているが、チューブ11とチューブ12が、それぞれ独立して、インクカートリッジ4に接続された構成であってもよい。
用紙搬送機構5は、給紙ローラ13と、メインローラ14と、拍車ローラ15と、これらのローラ13,14,15をそれぞれ駆動する駆動モータ122,123,124(図12参照)等を備えており、用紙搬送経路8に沿って印刷用紙Pを搬送する。即ち、給紙ローラ13によって、積み重ねられた印刷用紙Pの中から1枚を取り出し、取り出された印刷用紙Pをメインローラ14と押えローラ16との協働によって第1ヘッド2と第2ヘッドへ搬送し、さらに、第1ヘッド2と第2ヘッド3により画像等が印刷された後の印刷用紙Pを拍車ローラ15によって排出するように構成されている。
図2に示すように、メンテナンス機構6は、第1ヘッド2に装着される第1キャップ部材17と、第2ヘッド3に装着される第2キャップ部材18と、第1キャップ部材17と第2キャップ部材18にそれぞれ接続された吸引ポンプ19等を備えている。そして、このメンテナンス機構6は、第1ヘッド2及び第2ヘッド3の下面(液滴噴射面)を第1キャップ部材17及び第2キャップ部材18でそれぞれ覆うことにより、液滴を噴射しない待機状態における、両ヘッドのノズルにおけるインクの乾燥を防止する。また、万が一、何れかのヘッドのノズルに噴射異常が生じたときには、吸引ポンプ19によりノズルからインクを吸引する吸引パージを行って、そのヘッドの液滴噴射性能を回復させる。
(第1ヘッドの構造)
次に、固定ライン型の第1ヘッド2の構造について詳細に説明する。尚、4つの第1ヘッド2a〜2dの構造は全て同一であるため、以下では、1つの第1ヘッド2についてそれぞれ説明する。図3は第1ヘッド2の正面図、図4は図3の第1ヘッド2の鉛直断面図である。
図3、図4に示すように、第1ヘッド2は、インク導入部32を有するリザーバユニット30と、このリザーバユニット30の下面に接合されて一体化されるとともに、複数の第1ノズル55(図6、図7参照)を有するヘッド本体31とで構成されている。
まず、リザーバユニット30について説明する。図3、図4に示すように、リザーバユニット30は、用紙幅方向(主走査方向)に長尺な4枚のプレート34〜37の積層体である。一番上のプレート34の長手方向両端部には、インク導入部32が設けられており、このインク導入部32はチューブ10,11(図1,図2参照)を介してインクカートリッジ4と接続される。
図4に示すように、プレート34にはインク導入部32に連通する貫通孔40が形成されている。また、上から2枚目のプレート35には、貫通孔40を介してインク導入部32に連なり、インク中の塵や気泡等を取り除くためのフィルタ42が収容されたフィルタ収容空間43が形成されている。また、上から3枚目のプレート36には、その長手方向(主走査方向)に関してほぼ全域に延在し、インクカートリッジ4から供給されたインクを一時的に貯留するインクリザーバ45が形成されている。このインクリザーバ45は、すぐ上のプレート35に形成されたフィルタ収容空間43と連通している。さらに、一番下のプレート37には、インクリザーバ45とヘッド本体31とを連通させる複数のインク供給孔46が形成されている。
従って、インクカートリッジ4から第1ヘッド2に供給されたインクは、インク導入部32から貫通孔40及びフィルタ収容空間43を介してインクリザーバ45に導入される。そして、インクリザーバ45内のインクは、複数のインク供給孔46からヘッド本体31へ供給される。
次に、第1ヘッド2のヘッド本体31について説明する。図5は、ヘッド本体31の平面図である。図6は、図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図6では説明の都合上、アクチュエータユニット51の下方にあって破線で描くべき圧力室56、アパーチャ57及び第1ノズル55を実線で描いている。図7は、図6に示すVII-VII線に沿った部分断面図である。図8(a)はアクチュエータユニット51の拡大断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示されている個別電極73の平面図である。
図5に示すように、ヘッド本体31は、第1ノズル55や圧力室56を含むインク流路が形成された流路ユニット50と、この流路ユニット50の上面50aに固定されて、圧力室56内のインクに圧力を付与する4つのアクチュエータユニット51を含んでいる。
流路ユニット50は、前述したリザーバユニット30(図3,図4参照)とほぼ同じ平面形状を有する直方体形状に形成されている。流路ユニット50の上面50aには、リザーバユニット30の複数のインク供給孔46(図4参照)に対応した、複数(本実施形態では10個)のインク供給口52が開口している。流路ユニット50の内部には、インク供給口52に連通するマニホールド流路53及びマニホールド流路53から分岐した副マニホールド流路54が形成されている。
また、流路ユニット50の下面は、図6及び図7に示すように多数の第1ノズル55が、主走査方向と主走査方向に交差する方向の2方向に沿ってマトリクス状に配列された、液滴噴射面となっている。尚、先にも述べたように、第1ノズル55の主走査方向(印刷用紙Pの幅方向)に関する配列長さは、印刷用紙Pの幅よりも短くなっており、第1ノズル55は、印刷用紙Pの幅方向中央部のみと対向するようになっている(図2参照)。また、圧力室56も、流路ユニット50のアクチュエータユニット51が固定される面である、上面50aにおいて第1ノズル55と同様マトリクス状に多数配列されている。
次に、流路ユニット50の具体的な構造について説明する。図7に示すように、流路ユニット50は、図中上から順に、キャビティプレート60、ベースプレート61、アパーチャプレート62、サプライプレート63、マニホールドプレート64、65、66、カバープレート67、及び、ノズルプレート68、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。
キャビティプレート60には、インク供給口52(図5参照)に対応する貫通孔、及び、略菱形の圧力室56が多数形成されている。ベースプレート61には、各圧力室56について圧力室56とアパーチャ57との連絡孔及び圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口52とマニホールド流路53との連絡孔(図示せず)が形成されている。
アパーチャプレート62には、各圧力室56についてアパーチャ57となる貫通孔及び圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口52とマニホールド流路53との連絡孔(図示せず)が形成されている。サプライプレート63には、各圧力室56についてアパーチャ57と副マニホールド流路54との連絡孔及び圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されていると共に、インク供給口52とマニホールド流路53との連絡孔(図示せず)が形成されている。
マニホールドプレート64、65、66には、各圧力室56について圧力室56とノズル55との連絡孔、及び、積層時に互いに連結してマニホールド流路53及び副マニホールド流路54となる貫通孔が形成されている。カバープレート67には、各圧力室56について圧力室56と第1ノズル55との連絡孔が形成されている。ノズルプレート68には、各圧力室56について第1ノズル55が形成されている。
これらプレート60〜68が互いに位置合わせされた状態で積層されることによって、流路ユニット50内に、マニホールド流路53及び副マニホールド流路54と、副マニホールド流路54の出口から圧力室56を経て第1ノズル55に至る多数の個別インク流路58が形成される。
従って、リザーバユニット30からインク供給口52を介して流路ユニット50内に供給されたインクは、マニホールド流路53から副マニホールド流路54に分配される。さらに、副マニホールド流路54内のインクは、多数の個別インク流路58にそれぞれ流れ込み、各個別インク流路58において、絞り流路として機能するアパーチャ57及び圧力室56を介して第1ノズル55に至る。
次に、アクチュエータユニット51について説明する。図5に示すように、4つのアクチュエータユニット51は、それぞれ台形の平面形状を有し、インク供給口52を避けるよう千鳥状に配置されている。さらに、各アクチュエータユニット51の平行対向辺は流路ユニット50の長手方向に沿っており、隣接するアクチュエータユニット51の斜辺同士は流路ユニット50の幅方向(副走査方向)に関して互いにオーバーラップしている。
図8(a)に示すように、アクチュエータユニット51は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックス材料からなる3枚の圧電シート70、71、72を有する。3枚の圧電シート70,71,72のうち、最上層の圧電シート70はその厚み方向に分極されている。
また、この圧電シート70上における圧力室56に対向する位置には、個別電極73が形成されている。最上層の圧電シート70とその下側の圧電シート71との間にはシート全面に形成された共通電極75が介在している。図8(b)に示すように、個別電極73は、圧力室56と相似な略菱形の平面形状を有する。略菱形の個別電極73における鋭角部の一方は延出され、その先端には個別電極73と電気的に接続された円形のランド74が設けられている。
共通電極75はすべての圧力室56に対応する領域において等しくグランド電位に保たれている。一方、個別電極73は、選択的に電位を制御することができるよう、各ランド74とヘッドドライバ76(図12参照)の各端子とが図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)を介して接続されている。
ここで、以上の構成を有するアクチュエータユニット51の作用について述べる。個別電極73を共通電極75と異なる電位にして圧電シート70に対してその分極方向に電界を印加すると、厚み方向に分極された圧電シート70における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。また、図8(a)に示すように、圧電シート70〜72は圧力室56を区画するキャビティプレート60の表面に固定されている。そのため、圧電シート70における電界印加部分とその下方の圧電シート71、72との間で面方向への歪みに差が生じると、圧電シート70〜72全体が圧力室56側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室56の容積が減少することになるから、圧力室56内のインクに圧力(噴射エネルギー)が付与され、第1ノズル55からインクの液滴が噴射される。
(第2ヘッドの構造)
次に、シリアル型の第2ヘッド3の構造について詳細に説明する。図9は、図1の第2ヘッド3の上面図、図10は図9の部分拡大図、図11は図10のXI-XI線断面図である。ただし、図面を分かりやすくするため、図9においては図10では示されている圧力室94及び貫通孔95,96,99の図示を省略するとともに、第2ノズル100を図10よりも大きく図示している。
図9〜図11に示すように、第2ヘッド3は、第2ノズル100、及び、圧力室94を含むインク流路が形成された流路ユニット80と、流路ユニット80の上面に配置されたアクチュエータユニット81を備えている。
流路ユニット80は、ステンレス鋼等の金属材料で形成された、キャビティプレート90、ベースプレート91、及び、マニホールドプレート92と、合成樹脂材料からなるノズルプレート93を備えており、これら4枚のプレート90〜93は積層状態で接合されている。
ノズルプレート93には、複数の第2ノズル100が形成されている。複数の第2ノズル100は、搬送方向(図9の上下方向)に沿って配列されてノズル列101を構成しており、このようなノズル列101が主走査方向(図8の左右方向)に4本並べて配置されている。これら4本のノズル列101に属する第2ノズル100からは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のインクがそれぞれ噴射される。
図10、図11に示すように、キャビティプレート90には、複数の第2ノズル100に対応して複数の圧力室94が形成されている。圧力室94は主走査方向を長手方向とする略楕円の平面形状を有し、平面視で圧力室94の右端部が第2ノズル100と重なるように配置されている。また、ベースプレート91には、平面視で圧力室94の長手方向の両端部に重なる位置に、それぞれ貫通孔95,96が形成されている。
マニホールドプレート92には、4本のノズル列101にそれぞれ対応する4本のマニホールド流路97が形成されている。図9〜図11に示すように、各マニホールド流路97は、対応する第2ノズル100のノズル列101の左側の位置において搬送方向に延在し、さらに、平面視で、対応する圧力室94の略左半分と重なっている。また、図9に示すように、4本のマニホールド流路97の一端部(搬送方向上流側の端部:図9における上端部)は、最上層のキャビティプレート90に形成された4つのインク供給口98にそれぞれ連通している。これら4つのインク供給口98はチューブ12を介してインクカートリッジ4(図1、図2参照)と接続されており、4つのインクカートリッジ4a〜4dのインクがインク供給口98からマニホールド流路97に供給される。また、マニホールドプレート92には、平面視で、ベースプレートの貫通孔96とノズルプレート93の第2ノズル100の両方と重なる位置に、貫通孔99が形成されている。
そして、図11に示すように、流路ユニット80内において、インク供給口98に連なるマニホールド流路97が貫通孔95を介して圧力室94に連通し、圧力室94はさらに貫通孔96、99を介して第2ノズル100に連通している。つまり、流路ユニット80には、マニホールド流路97の出口から圧力室94を経て第2ノズル100に至る複数の個別インク流路が形成されている。
アクチュエータユニット81は、振動板110、圧電層111及び複数の個別電極112を有している。振動板110は金属材料などの導電性材料からなり、複数の圧力室94を覆うようにキャビティプレート90の上面に接合されている。また、導電性を有する振動板110は、後述するように圧電層111の複数の個別電極112との間に配置された部分に電界を作用させるための共通電極を兼ねており、ヘッドドライバ116(図12参照)のグランド配線に接続されて常にグランド電位に保持されている。
圧電層111は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であり、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックス材料からなり、振動板110の上面に複数の圧力室94にまたがって連続的に配置されている。また、圧電層111は予めその厚み方向に分極されている。
複数の個別電極112は、圧電層111の上面に複数の圧力室94に対応して設けられている。個別電極112は、圧力室94よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、平面視で、圧力室94の略中央部に重なる位置に配置されている。また個別電極112の長手方向における一端部(図10の左端部)は、平面視で圧力室94と重ならない位置まで左方に延びており、その先端部がランド112aとなっている。ランド112aには、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC)等の配線部材を介してヘッドドライバが接続される。そして、ヘッドドライバから複数の個別電極112に対して、所定の駆動電位とグランド電位の何れか一方の電位が選択的に付与される。
以上の構成を有するアクチュエータユニット81の作用について説明する。ヘッドドライバ116により複数の個別電極112の何れかに所定の駆動電位が付与されると、駆動電位が付与された個別電極112とグランド電位に保持された共通電極としての振動板110との間に電位差が発生し、圧電層111の個別電極112と振動板110とに挟まれた部分に厚み方向の電界が発生する。ここで、圧電層111の分極方向が電界方向と同じである場合には、圧電層111は厚み方向に伸びて面方向に収縮する。そして、この圧電層111の収縮変形に伴って、振動板110の圧力室94と対向する部分が圧力室94側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室94の容積が減少することから、その内部のインクの圧力が上昇し、圧力室94に連通する第2ノズル100からインクの液滴が吐出される。
次に、制御装置7を中心とするプリンタ1の電気的構成について、図12のブロック図を参照して説明する。図12に示される制御装置7(制御手段)は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等で構成されている。
また、図12に示すように、制御装置7は、印刷用紙Pへの印刷を制御する印刷制御部120と、メンテナンス機構6に、第1ヘッド2及び第2ヘッド3の噴射性能回復のための吸引パージなど、メンテナンスを行わせるメンテナンス制御部121を備えている。尚、印刷制御部120及びメンテナンス制御部121の機能は、制御装置7のROMに記憶された各種制御プログラムがCPUによって実行されることにより実現される。
以下、プリンタ1の印刷動作を制御する印刷制御部120についてさらに詳細に説明する。印刷制御部120は、PC等の入力装置130から入力されたデータに基づいて、第1ヘッド2のヘッドドライバ76と第2ヘッド3のヘッドドライバ116、及び、用紙搬送機構5に含まれる、印刷用紙Pを搬送するローラ13,14,15をそれぞれ制御する駆動モータ122,123,124等を制御する。これにより、用紙搬送機構5に印刷用紙Pを所定の搬送速度で搬送させながら、第1ヘッド2と第2ヘッド3に印刷用紙Pに向けてインクの液滴を噴射させ、印刷用紙Pへの画像等の印刷を行う。
ところで、本実施形態では、印刷制御部120は、印刷用紙Pの縁部を除いた中央領域に対してのみ画像等の印刷を行う通常印刷モードと、印刷用紙Pの縁部を含む全領域に対して画像等の印刷を行う縁無し印刷モードの、2つのモードの何れか一方を選択して、第1ヘッド2及び第2ヘッド3に印刷動作を実行させるように構成されている。
(通常印刷モード)
まず、通常印刷モードが選択されたときのプリンタ1の印刷動作について説明する。図13(a)は通常印刷モードが選択されたときのプリンタ1の印刷動作を示す図であり、(b)は、通常印刷がなされた印刷用紙Pを示す図である。
入力装置130から、通常印刷モードの印刷要求がなされた場合には、入力装置130から入力された印刷データに基づいて、印刷制御部120は、固定ライン型の第1ヘッド2のヘッドドライバ76を制御し、第1ヘッド2の多数の第1ノズル55からそれぞれ液滴を噴射させる。
ここで、図13(a)に示すように、第1ヘッド2の第1ノズル55は、印刷用紙Pの幅方向中央部の第1領域A1のみと対向しており、この第1領域A1よりも幅方向両端側に位置する第2領域A2には対向していない。そのため、第1ヘッド2の第1ノズル55から液滴が噴射されることによって、印刷用紙Pの第1領域A1にのみ画像等が印刷されることになる。また、印刷制御部120は、印刷用紙Pの搬送方向に関する両端部に液滴が噴射されないように、搬送速度に応じて第1ヘッド2からの液滴噴射タイミングを適切に制御する。これにより、通常印刷モードが選択されたときには、図13(b)に示すように、印刷用紙Pの中央部にのみ液滴が噴射されて、図13にハッチングで示されるように画像等が印刷される一方、印刷用紙Pの縁部には液滴が噴射されない。
尚、上の説明では、通常印刷モード選択時に、第1ヘッド2のみから印刷用紙Pに対して液滴を噴射させているが、より高精細な画像を形成する必要がある場合や印刷速度を高めたい場合などには、印刷制御部120が、シリアル型の第2ヘッド3のヘッドドライバ116をも制御して、第1ヘッド2だけでなく、第2ヘッド3からも印刷用紙Pの中央部に液滴を噴射させて画像等を形成するように構成されてもよい。
(縁無し印刷モード)
次に、縁無し印刷モードが選択されたときのプリンタ1の印刷動作について説明する。図14(a)は、縁無し印刷モードが選択されたときのプリンタ1の印刷動作を示す図であり、(b)は、縁無し印刷がなされた印刷用紙Pを示す図である。
入力装置130から、縁無し印刷モードの印刷要求がなされた場合には、印刷制御部120は、まず、搬送方向上流側に位置する第2ヘッド3に印刷動作を行わせる。即ち、入力装置130から入力された印刷データに基づいて、印刷制御部120は、キャリッジ9を駆動するキャリッジ駆動モータ125と、キャリッジ9に搭載された第2ヘッド3を駆動するヘッドドライバ116を制御する。そして、図14(a)に示すように、キャリッジ9と共に第2ヘッド3を用紙幅方向に移動させつつ、この第2ヘッド3が印刷用紙Pの幅方向両端部(第2領域A2)と対向する位置に来たときに、第2ノズル100から印刷用紙Pへ向けて液滴を噴射させる。これにより、図14(a),(b)にハッチングで示されるように、まず、印刷用紙Pの幅方向両端部の第2領域A2に、画像等の一部が印刷される。
次に、印刷制御部120は、搬送方向下流側に位置する第1ヘッド2のヘッドドライバ76を制御して、この第1ヘッド2の多数の第1ノズル55から、印刷用紙Pに対して液滴を噴射させる。このとき、図14(a)に示すように、第1ヘッド2の多数の第1ノズル55は、印刷用紙Pの幅方向中央部の第1領域A1のみと対向していることから、第1ノズル55から噴射された液滴は第1領域A1にのみ着弾して、図14(a),(b)にハッチングで示されるように第1領域A1に画像等が形成される。
このように、縁無し印刷モードが選択されたときには、印刷用紙Pの幅方向中央部の第1領域A1に対しては、ライン型の第1ヘッド2を用いて印刷を行い、印刷用紙Pの幅方向両端部の第2領域A2に対してはシリアル型の第2ヘッド3を用いて印刷する。このように、ライン型の第1ヘッド2だけでなくシリアル型の第2ヘッド3も使用して、縁無し印刷を行うようにすれば、ライン型の第1ヘッド2の幅方向両端位置に、縁無し印刷時以外にあまり使用されないために使用頻度が低く、遊休状態が長くなりがちなノズルを設ける必要がなくなる。
このような遊休状態の長いノズルは、液滴を噴射しない期間が長くなることから、液滴噴射の頻度が高い他のノズルと比べて、乾燥によるインクの粘度増大(インク増粘)が生じやすくなり、噴射不能や噴射曲がりなどの噴射不良が発生しやすい。また、このようなノズルの噴射不良を解消するには、メンテナンス機構6の吸引ポンプ19による吸引パージを行って増粘インクをノズルから排出する必要があるが、頻繁に吸引パージを行うことになると、吸引パージ時に捨てられるインク量が多くなってしまう。従って、上述のような遊休状態が長くなりがちなノズルを極力減らすことによって、噴射不良の発生を抑制し、また、吸引パージの回数を減らすことができるという効果が得られる。
また、幅方向両端側に位置する、遊休状態となりやすいノズルを省略して、第1ヘッド2の第1ノズル55の配列長さを印刷用紙Pの幅より短くすることで、第1ヘッド2全体の長さを短くすることができ、プリンタ1の小型化が可能となる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の効果を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]印刷用紙Pの幅方向中央部の第1領域A1と幅方向両端部の第2領域A2との間の、境界領域A3に対しては、ライン型の第1ヘッド2とシリアル型の第2ヘッド3の両方から液滴を噴射させてもよい。
例えば、図15(a)に示すように、第1ヘッド2の多数の第1ノズル55が対向する印刷用紙Pの第1領域A1に、これら第1ノズル55からそれぞれ液滴を噴射させる。その上で、シリアル型の第2ヘッド3には、幅方向両端部に位置する第2領域A2だけでなく、第2領域A2に隣接する境界領域A3においても、印刷用紙Pに対して第2ノズル100から液滴を噴射させる。このように、第1領域A1と第2領域A2の間の境界領域A3に対して、第1ヘッド2と第2ヘッド3からそれぞれ所定の液滴量比で液滴を噴射させることにより、第1ヘッド2により印刷される第1領域A1と第2ヘッド3により印刷される第2領域A2の間の境界を、目立たなくすることが可能となる。
2つのヘッド2,3の両方によって境界領域A3を印刷する場合の具体例を以下に挙げる。例えば、制御装置7の印刷制御部120が、第1ヘッド2と第2ヘッド3のそれぞれについて、境界領域A3の印刷を実行させる時には、第1領域A1又は第2領域A2を印刷する時と比べて解像度の低い、低解像度印刷を行わせるように構成されていてもよい。言い換えれば、第1ヘッド2と第2ヘッド3により形成されるドットを用紙幅方向に関して間引きながら境界領域A3を印刷させる。
例えば、境界領域A3の印刷時に、第1ヘッド2と第2ヘッド3により形成されるドットの幅方向に関する密度(即ち、幅方向に関する解像度)をそれぞれ半分に設定するとともに、第1ヘッド2により形成されたドットと第2ヘッド3により形成されたドットが、幅方向に交互に並ぶように、印刷制御部120が、両ヘッドのヘッドドライバ76,116をそれぞれ制御する。この場合には、第1ヘッド2と第2ヘッド3から境界領域A3に対して液滴が幅方向に交互に噴射されて、両ヘッド2,3からそれぞれ噴射された2種類の液滴が拡散されることで、第1領域A1と第2領域A2の間の境界が目立たなくなる。また、境界領域A3の濃度が第1領域A1や第2領域A2と比べて高くなることもないため、にじみも防止される。
あるいは、制御装置7の印刷制御部120が、第1ヘッド2と第2ヘッド3のそれぞれについて、境界領域A3の印刷を実行させる時には、第1領域A1又は第2領域A2を印刷する時と比べて、噴射される液滴の体積が小さい、低濃度印刷を行わせるように構成されていてもよい。
例えば、境界領域A3の印刷時に、第1ヘッド2と第2ヘッド3から噴射させる液滴の体積を、第1領域A1や第2領域A2を印刷する時の半分の体積に設定する。このように、両ヘッド2,3から境界領域A3に対してそれぞれ小さな液滴が噴射されることで、第1領域A1と第2領域A2の間の境界が目立たなくなる。また、2つのヘッド2,3の両方によって印刷された境界領域A3の濃度が第1領域A1や第2領域A2に対して高くなることもなく、にじみも防止される。
2]印刷制御部120が、印刷用紙Pの幅方向中央部の第1領域A1に対して、ライン型の第1ヘッド2の第1ノズル55だけでなく、シリアル型の第2ヘッド3の第2ノズル100からもインクの液滴を噴射させるように構成されていてもよい。このように、印刷用紙Pの幅方向全域(第1領域と第2領域の両方)にわたって、第2ヘッド3に液滴を噴射させることで、印刷速度をさらに高めることが可能となる。
このとき、さらに、印刷制御部120は、第1領域A1を印刷する場合における、第2ヘッド3の第1ヘッド2に対する液滴量比を、境界領域A3を印刷する場合と比べて、小さく設定することが好ましい。つまり、幅方向に移動しながら液滴を噴射する第2ヘッド3の噴射液適量を、第1領域A1<境界領域A3<第2領域A2の順に段階的に増加させることが好ましい。これにより、主に第1ヘッド2により印刷される第1領域A1と、第2ヘッド3のみによって印刷される第2領域A2の境界が、一層目立たなくなる。
3]前記実施形態では、ライン型の第1ヘッド2がシリアル型の第2ヘッド3よりも搬送方向下流側に配置されていたが、第1ヘッド2が第2ヘッド3よりも搬送方向上流側に配置され、縁無し印刷モード選択時には、ライン型の第1ヘッド2が第2ヘッド3よりも先に印刷動作を行うように構成されていてもよい。
4]図16に示すように、同じ色のインクを噴射する第1ヘッド2が幅方向に複数(図では2つ)並べられ、これら複数の第1ヘッド2により、1枚の印刷用紙Pの第1領域A1に画像等を印刷するように構成されていてもよい。
5]第1ヘッド2の第1ノズル55が対向する第1領域A1は、少なくとも幅方向両端部を除く領域であればよいのであって、前記実施形態のように、印刷用紙Pの幅方向に関する中心点を含む、厳密な意味での中央部領域である必要は必ずしもない。従って、図17に示すように、ライン型の第1ヘッド2が、印刷用紙Pの前記幅方向中心点を含まない、幅方向一方側(図17の左側)の領域のみと対向する位置に配置され、残りの他方側(図17の右側)の領域はシリアル型の第2ヘッド3を用いて印刷するように構成されていてもよい。この形態は、例えば、幅方向のサイズの異なる2種類以上の印刷用紙Pに対して、通常印刷モードと縁無し印刷モードを選択可能とする場合に採用され得る。
6]ライン型の第1ヘッド2に、液滴噴射用の第1ノズル55とは別に、インク流路内のゴミや気泡を、第1ノズル55をバイパスして吸引ポンプ19で排出するためなどの目的で、液滴噴射には使用しないダミーノズル(例えば、特開2003−226010号公報参照)が設けられてもよい。この場合でも、少なくとも液滴を噴射する第1ノズル55については、縁無し印刷モードでしか使用されない遊休状態が長くなりがちなノズルを減らす目的で、前記実施形態と同様、印刷用紙Pの幅方向両端部と対向する位置には設けられない。
一方、ダミーノズルは第1ノズル55と違って液滴を噴射するものではないことから、印刷用紙Pの幅方向両端側の第2領域と対向する位置に配置されても特に支障はない。但し、第1ヘッド2の長手方向(印刷用紙Pの幅方向)に関する長さを短くしてヘッドの小型化を図るという観点からは、液滴噴射用の第1ノズル55とダミーノズルとを含む、第1ヘッド2の全ノズルの幅方向に関する配列長さが、印刷用紙Pの幅よりも短くなっていることが好ましい。
7]前記実施形態では、シリアル型の第2ヘッド3を搭載するキャリッジ9が一つ設けられ、このキャリッジ9を印刷用紙Pの幅方向両端を越えて外側の位置まで移動できるように構成することで、一つの第2ヘッド3によって印刷用紙Pの両端側の領域にそれぞれ液滴を噴射できるように構成していたが、第2ヘッド3を搭載するキャリッジ9を2つ設け、一方の第2ヘッド3によって印刷用紙Pの一端側の領域に液滴を噴射し、他方の第2ヘッド3によって印刷用紙Pの他端側の領域に液滴を噴射するように構成してもよい。これによれば、縁なし印刷の際に両端の印刷を並行して行えるため、印刷速度を速めることができる。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成を示す側面図である。 図1のプリンタの平面図である。 第1ヘッドの正面図である。 図3の第1ヘッドの鉛直断面図である。 第1ヘッドのヘッド本体の平面図である。 図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図6に示すVII-VII線に沿った部分断面図である。 (a)はアクチュエータユニットの拡大断面図であり、(b)は(a)に示されている個別電極の平面図である。 第2ヘッドの平面図である。 図9の部分拡大図である。 図10のXI-XI線断面図である。 プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 (a)は通常印刷モードが選択されたときのプリンタの印刷動作を示す図であり、(b)は、通常印刷がなされた印刷用紙を示す図である。 (a)は縁無し印刷モードが選択されたときのプリンタの印刷動作を示す図であり、(b)は、縁無し印刷がなされた印刷用紙を示す図である。 (a)は、変更形態に係るプリンタの、縁無し印刷モードが選択されたときの印刷動作を示す図であり、(b)は縁無し印刷がなされた印刷用紙を示す図である。 別の変更形態に係るプリンタのヘッド構成を示す図である。 さらに別の変更形態に係るプリンタのヘッド構成を示す図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
2 第1ヘッド
3 第2ヘッド
7 制御装置
55 第1ノズル
100 第2ノズル
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 境界領域
P 印刷用紙

Claims (6)

  1. 所定の搬送方向に沿って搬送される印刷媒体にインクの液滴を噴射して、前記印刷媒体の幅方向の全域にわたって印刷することが可能なインクジェットプリンタであって、
    前記幅方向に沿って配列された複数の第1液滴噴射ノズルを有するライン型の第1ヘッドと、
    第2液滴噴射ノズルを有するとともに、前記幅方向に沿って往復移動可能なシリアル型の第2ヘッドと、
    前記第1ヘッドと前記第2ヘッドのインク噴射動作をそれぞれ制御する制御手段とを備え、
    前記第1ヘッドの前記複数の第1液滴噴射ノズルの前記幅方向配列長さは、前記印刷媒体の幅よりも短く、且つ、前記複数の第1液滴噴射ノズルは前記印刷媒体の幅方向中央部と対向するように配置され、
    前記第2ヘッドは、前記印刷媒体と対向する位置から、前記印刷媒体の幅方向両端のうちの少なくとも一端を越えて外側の位置まで移動可能に構成され、
    前記制御手段は、前記印刷媒体の幅方向中央部の第1領域に対して、前記第1ヘッドの複数の第1液滴噴射ノズルからインクの液滴を噴射させるとともに、
    前記印刷媒体の、前記第1領域よりも幅方向両端側に位置する第2領域に対しては、前記第2ヘッドの第2液滴噴射ノズルからインクの液滴を噴射させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記第1ヘッドが有する、前記第1液滴噴射ノズルを含む全ノズルの、前記幅方向に関する配列長さが、前記印刷媒体の幅よりも短くなっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記制御手段は、前記第1領域と前記第2領域の境界領域に対しては、前記第1ヘッドの前記第1液滴噴射ノズルと前記第2ヘッドの前記第2液滴噴射ノズルから、所定の液滴量比でインクの液滴をそれぞれ噴射させることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記制御手段は、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドのそれぞれについて、前記境界領域の印刷時には、前記第1領域又は前記第2領域を印刷する時よりも解像度の低い、低解像度印刷を行わせることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記制御手段は、前記第1ヘッドと前記第2ヘッドのそれぞれについて、前記境界領域の印刷時には、前記第1領域又は前記第2領域を印刷する時よりも噴射される液滴の体積が小さい、低濃度印刷を行わせることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記制御手段は、前記第1領域に対して、前記第1ヘッドの前記第1液滴噴射ノズルに加えて、前記第2ヘッドの前記第2液滴噴射ノズルからもインクの液滴を噴射させ、
    前記第1領域を印刷する場合の前記第2ヘッドの前記第1ヘッドに対する液滴量比は、前記境界領域を印刷する場合と比べて小さいことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
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