JP2015182253A - 液体吐出装置 - Google Patents

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上田 敏郎
Toshiro Ueda
敏郎 上田
清水 陽一郎
Yoichiro Shimizu
陽一郎 清水
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Abstract

【課題】複数のノズルのうち液体を排出させるノズル以外のノズルの液体メニスカスが破壊されるのを抑制する。
【解決手段】プリンタの制御装置は、吐出面とキャップとの接触状態において、吸引装置を制御し、複数の第1ノズルからインク受け部にインクを排出させる第1吸引パージ処理と、接触状態において、吸引装置を制御し、複数の第2ノズルからインク受け部にインクを排出させる第2吸引パージ処理とを実行し、第1吸引パージ処理においては、複数の第1個別流路の流路抵抗が複数の第2個別流路の流路抵抗よりも小さくなるように、圧電アクチュエータを制御し、第2吸引パージ処理においては、複数の第1個別流路の流路抵抗が複数の第2個別流路の流路抵抗よりも大きくなるように、圧電アクチュエータを制御する。
【選択図】図11

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、色毎に分けられた4つのノズル列をそれぞれ有する2つの記録ヘッド、及び、各インクタンクと接続され、当該各インクタンクからインクを各記録ヘッドに分配する流路が形成された流路部材を有する記録ヘッドユニットと、記録ヘッドユニットから色毎にインクを選択的に吸引するためのメンテナンスユニットとを含むインクジェットプリンタについて記載されている。このインクジェットプリンタの記録ヘッドユニットは、走査方向に往復移動可能なキャリッジに保持されており、印刷時にキャリッジと一体的に走査方向に移動しながらインクを吐出する。
特開2005−125635号公報
上記特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいては、例えば、記録ヘッドユニットを走査方向の一方にのみ移動させ用紙に印刷する第1印刷モードと、記録ヘッドユニットを走査方向の一方及び他方の両方に移動させ用紙に印刷する第2印刷モードとを実行可能である。第1印刷モードを実行する場合は、一方の記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させ、第2印刷モードを実行する場合は、両方の記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させる。第1印刷モードでは、一方の記録ヘッドからしかインクを吐出しないため、他方の記録ヘッドの複数のノズルのインクが乾燥しやすくなる。しかしながら、上記特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいては、色毎に複数のノズルをキャップなどで覆って、そのキャップ内の空間を負圧にすることでインクを吸引パージするため、一方の記録ヘッドの複数のノズルに形成されたインクメニスカスも破壊され、当該複数のノズルからもインクが排出される。このため、無駄にインクが消費される。
仮に、他方の記録ヘッドだけノズル列ごとに複数のノズルをキャップで覆い、ノズル列毎に吸引パージを行うと、他方の記録ヘッドと一方の記録ヘッドとが色毎にノズル同士が流路部材を介して連通しているため、他方の記録ヘッドに作用する吸引力が一方の記録ヘッド内のインクにも作用する。この結果、他方の記録ヘッドのノズルのインクメニスカスが破壊され、当該ノズルから気体が侵入する。
さらに、吸引パージに代えて、インクタンク側からインクを強制的に送って排出させる加圧パージを行う場合では、両方の記録ヘッドのインクに圧力が加えられるため、両記録ヘッドのノズルのインクメニスカスが破壊される。この結果、他方の記録ヘッドのみならず、一方の記録ヘッドからもインクが排出される。このため、無駄にインクが排出される。
そこで、本発明の目的は、複数のノズルのうち液体を排出させるノズル以外のノズルの液体メニスカスが破壊されるのを抑制することが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、一方向に配列された複数の第1ノズルと、前記一方向に配列され前記一方向と直交する方向に関して前記複数の第1ノズルと異なる位置に配置された複数の第2ノズルとが形成された吐出面、前記第1ノズルのそれぞれとつながり第1圧力室をそれぞれ含む複数の第1個別流路、前記第2ノズルのそれぞれとつながり第2圧力室をそれぞれ含む複数の第2個別流路、及び、前記複数の第1及び第2個別流路につながった共通流路を有する流路部材と、複数の前記第1及び第2圧力室の容積を個別に変化させることが可能な複数のアクチュエータを有するアクチュエータユニットとを含む液体吐出ヘッドと、前記吐出面に接触した状態で前記複数の第1ノズルを覆うことが可能な凹形状を有する第1液体受け部と、前記第1液体受け部につながる第1接続口とを有する第1キャップ部と、前記吐出面に接触した状態で前記複数の第2ノズルを覆うことが可能な凹形状を有する第2液体受け部と、前記第2液体受け部につながる第2接続口とを有する第2キャップ部と、前記第1及び第2キャップ部が前記吐出面に接触する接触状態と、前記吐出面から離れた離隔状態とを取り得るように、前記第1及び第2キャップ部と前記液体吐出ヘッドとの少なくともいずれか一方を移動させる移動機構と、前記複数の第1ノズル及び前記複数の第2ノズルから液体を排出させるパージ手段と、前記アクチュエータユニット、前記移動機構、及び、前記パージ手段を制御する制御手段とを備えている。そして、前記制御手段は、前記移動機構を制御して前記接触状態とした後、前記パージ手段を制御し、前記複数の第1ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を前記第1液体受け部に排出させる第1パージ処理と、前記移動機構を制御して前記接触状態とした後、前記パージ手段を制御し、前記複数の第2ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を前記第2液体受け部に排出させる第2パージ処理とを実行し、前記第1パージ処理においては、前記複数の第1個別流路の流路抵抗が前記複数の第2個別流路の流路抵抗よりも小さくなるように、前記アクチュエータユニットを制御し、前記第2パージ処理においては、前記複数の第1個別流路の流路抵抗が前記複数の第2個別流路の流路抵抗よりも大きくなるように、前記アクチュエータユニットを制御する。
これによると、第1パージ処理において、第1個別流路の流路抵抗が第2個別流路の流路抵抗よりも小さくなり、第2パージ処理において、第2個別流路の流路抵抗が第1個別流路の流路抵抗よりも小さくなる。このため、液体は、第1パージ処理において、第2個別流路よりも第1個別流路の方が流れやすくなり、第2パージ処理において、第1個別流路よりも第2個別流路の方が流れやすくなる。例えば、パージ手段で液体を供給する加圧パージを行う場合、及び、パージ手段で複数の第1及び第2ノズルから液体を吸引する吸引パージを行う場合のいずれにおいても、第1パージ処理においては、第2ノズルの液体メニスカスよりも第1ノズルの液体メニスカスが破壊されやすくなり、当該第1ノズルから液体が排出される。第2パージ処理においては、第1ノズルの液体メニスカスよりも第2ノズルの液体メニスカスが破壊されやすくなり、当該第2ノズルから液体が排出される。また、第1パージ処理において、パージ手段で複数の第1ノズルから液体を吸引する吸引パージを行う場合、第2個別流路の液体が第1個別流路に流れにくくなって第2ノズルの液体メニスカスが破壊されにくくなる。第2パージ処理において、パージ手段で複数の第2ノズルから液体を吸引する吸引パージを行う場合、第1個別流路の液体が第2個別流路に流れにくくなって第1ノズルの液体メニスカスが破壊されにくくなる。
このように液体を排出させるノズル以外のノズルの液体メニスカスが破壊されるのを抑制することが可能となり、無駄なインクの排出を抑制すること、液体を吸引しないノズルから気体が侵入するのを抑制することが可能となる。
本発明において、前記パージ手段は、吸引ポンプと、前記吸引ポンプと前記第1接続口とが連通された第1連通状態と、前記吸引ポンプと前記第2接続口とが連通された第2連通状態とを選択的にとることが可能な切換部とを有しており、前記制御手段は、前記第1パージ処理において、前記切換部を制御して前記第1連通状態とした後、前記吸引ポンプを制御し、前記第2パージ処理において、前記切換部を制御して前記第2連通状態とした後、前記吸引ポンプを制御することが好ましい。これにより、第1パージ処理において、複数の第1ノズルから液体を吸引し、第2パージ処理において、複数の第2ノズルから液体を吸引することが可能となり、各パージ処理において、液体を吸引しないノズルから気体が侵入するのを抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記第1パージ処理において、前記複数の第1圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも大きくし前記複数の第1個別流路の流路抵抗を小さくする第1動作、及び、前記複数の第2圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも小さくし前記複数の第2個別流路の流路抵抗を大きくする第2動作の少なくともいずれか一方を行うように、前記アクチュエータユニットを制御し、前記第2パージ処理において、前記複数の第2圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも大きくし前記複数の第2個別流路の流路抵抗を小さくする第3動作、及び、前記複数の第1圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも小さくし前記複数の第1個別流路の流路抵抗を大きくする第4動作の少なくともいずれか一方を行うように、前記アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、第1パージ処理において、確実に第2個別流路の液体が第1個別流路に流れにくくなり、第2パージ処理において、確実に第1個別流路の液体が第2個別流路に流れにくくなる。この結果、液体を吸引しないノズルの液体メニスカスが破壊されるのを抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記第1及び第2パージ処理において、前記アクチュエータユニットを駆動してから前記吸引ポンプを駆動するように、前記アクチュエータユニット及び前記吸引ポンプを制御することが好ましい。これにより、各パージ処理において、液体を吸引しないノズルから気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、第1吸引モードと、前記第1吸引モードにおけるよりも吸引力が大きい第2吸引モードとのいずれかで前記吸引ポンプを制御することが可能であり、前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第1吸引モードで制御する場合、前記複数の第1及び第2ノズルのうち液体が吸引されない複数のノズルにつながり、流路抵抗を大きくする複数の個別流路の数が、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御するときよりも少なくなるように、前記アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、第1吸引モードのときに、第2吸引モードのときよりも、制御されるアクチュエータの数を減少させることが可能となり、消費電力を少なくすることが可能となる。加えて、アクチュエータユニットにマイグレーションが生じるのを抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第1吸引モードで制御する場合、前記アクチュエータユニットを制御せず、前記第1パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御する場合、すべての前記第2個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御し、前記第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御する場合、すべての前記第1個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、第1吸引モードのときは消費電力を抑制し、第2吸引モードのときは液体を吸引しない吐出口から気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記共通流路は、前記複数の第1個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第1流路と、前記複数の第2個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第2流路と、前記一方向に関して前記第1及び第2流路の一方側の端部同士を接続する第3流路とを有しており、前記制御手段は、前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第1吸引モードで制御する場合、前記液体が吸引されない複数のノズルのうち、前記吐出面の前記一方向に関する中央よりも前記一方側にある複数のノズルにつながる複数の個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御し、前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御する場合、前記液体が吸引されない複数のノズルにつながるすべての個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、第1吸引モードのときは消費電力を抑制し、第2吸引モードのときは液体を吸引しない吐出口から気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記共通流路は、前記複数の第1個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第1流路と、前記複数の第2個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第2流路と、前記一方向に関して前記第1及び第2流路の一方側の端部同士を接続する第3流路とを有しており、前記制御手段は、前記第1パージ処理において、前記吐出面の前記一方向に関する中央よりも前記一方側にある複数の前記第2ノズルにつながる複数の前記第2個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御し、前記第2パージ処理において、前記吐出面の前記一方向に関する中央よりも前記一方側にある複数の前記第1ノズルにつながる複数の前記第1個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、各パージ処理において、制御されるアクチュエータの数が減少し、消費電力を少なくすることが可能となる。加えて、アクチュエータユニットにマイグレーションが生じるのを抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、印刷指令に基づいて、前記アクチュエータユニットに所定の電圧を印加して当該アクチュエータユニットを制御し、前記複数の第1及び第2ノズルから液体を吐出させる印刷処理をさらに実行し、前記第1及び第2パージ処理において、前記アクチュエータユニットに前記印刷処理におけるよりも高い電圧を印加して当該アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、第1パージ処理において、第1個別流路の流路抵抗が第2個別流路の流路抵抗よりもさらに小さくなり、第2パージ処理において、第2個別流路の流路抵抗が第1個別流路の流路抵抗よりもさらに小さくすることが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記吸引ポンプの駆動を停止するように、前記吸引ポンプを制御するポンプ停止処理と、前記ポンプ停止処理において前記吸引ポンプの駆動が停止されてから所定時間だけ前記接触状態のまま待機し、その後、前記離隔状態へと変更するように、前記移動機構を制御するアンキャッピング処理とをさらに実行し、前記アンキャッピング処理において、前記所定時間だけ前記接触状態のまま待機している間に、前記アクチュエータユニットの駆動を停止するように、前記アクチュエータユニットを制御することが好ましい。これにより、吸引ポンプの駆動が停止されてからアクチュエータユニットの駆動を停止するので、液体を吸引しないノズルから気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。
本発明の液体吐出装置によると、上述のように液体を排出させるノズル以外のノズルの液体メニスカスが破壊されるのを抑制することが可能となり、無駄なインクの排出を抑制すること、液体を吸引しないノズルから気体が侵入するのを抑制することが可能となる。
本実施形態に係るプリンタの概略的な平面図である。 インクジェットヘッドの上面図である。 図2のIII-III線断面図である。 ヘッド部の上面図である。 (a)は図4のA部拡大図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は図4のC−C線断面図である。 分配部材の水平断面図である。 (a)は図1に示すキャップの平面図であり、(b)は図1に示すキャップ、切換部、吸引ポンプの概略構成図である。 図1に示す制御装置のブロック図である。 ドライバICに出力される単位波形の模式図である。 (a)はキャップと吐出面との離隔状態を示す図であり、(b)はキャップと吐出面との接触状態を示す図である。 マニュアルパージのメンテナンス動作の手順を示すフローチャートである。 図11に示す第1吸引パージ処理のフローチャート図である。 図11に示す第2吸引パージ処理のフローチャート図である。 図11に示す第3吸引パージ処理のフローチャート図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(プリンタの概略構成)
図1に示すように、プリンタ1(液体吐出装置)は、プラテン2、キャリッジ3、インクジェットヘッド4(液体吐出ヘッド)、ホルダ5、給紙ローラ6、排紙ローラ7、キャップ装置8、吸引装置9(パージ手段)、及び、制御装置13(制御手段)等を含んでいる。尚、以下では、図1の紙面手前側をプリンタ1の「上方」、紙面向こう側をプリンタ1の「下方」と定義する。また、図1に示す前後方向及び左右方向を、プリンタ1の「前後方向」及び「左右方向」と定義する。以下、前後、左右、上下の各方向語を適宜使用して説明する。
プラテン2の上面には、被記録媒体である用紙Pが載置される。また、プラテン2の上方には、図1の左右方向(走査方向ともいう)に平行に延びる2本のガイドレール15,16が設けられている。
キャリッジ3は、2本のガイドレール15,16に取り付けられ、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール15,16に沿って走査方向に移動可能である。また、キャリッジ3には、駆動ベルト17が取り付けられている。駆動ベルト17は、2つのプーリ18,19に巻き掛けられた無端状のベルトである。プーリ18はキャリッジ駆動モータ14に連結されている。キャリッジ駆動モータ14によってプーリ18が回転駆動されることで駆動ベルト17が走行し、これにより、キャリッジ3が走査方向に往復移動することになる。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ3に搭載されている。インクジェットヘッド4は、ヘッド部20と、インク供給部21とを有する。また、ホルダ5には、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)をそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ30が取り外し可能に装着される。尚、以下の説明において、プリンタ1の構成要素のうち、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクにそれぞれ対応するものについては、その構成要素を示す符号の後に、どのインクに対応するかが分かるように、適宜、ブラックを示す“k”、イエローを示す“y”、シアンを示す“c”、マゼンタを示す“m”の何れかの記号を付す。例えば、インクカートリッジ30kとは、ブラックインクを貯留するインクカートリッジ30のことを指す。また、ブラックインクを除く、イエロー、シアン、マゼンタの3色のインクを、「カラーインク」と総称することもある。
ヘッド部20は、その下面に、4色のインクをそれぞれ吐出する、4種類のノズル47(図4参照)を有する。つまり、ヘッド部20の下面は、複数のノズル47からインクを吐出する吐出面20aとなっている(図3参照)。ヘッド部20の具体的な流路構造等については、後で詳述する。
インク供給部21は、ヘッド部20の上方に配置され、ヘッド部20に4色のインクを供給する。インク供給部21は、サブタンク31を有し、このサブタンク31には、ホルダ5に接続された4本のチューブ22が、チューブジョイント23を介して接続されている。尚、チューブジョイント23を介さずに、4本のチューブ22が、1本ずつ、サブタンク31に接続されてもよい。
給紙ローラ6と排紙ローラ7は、図示しないモータによってそれぞれ同期して回転駆動される。給紙ローラ6と排紙ローラ7は協働して、プラテン2に載置された用紙Pを図1の搬送方向(前方)に搬送する。そして、プリンタ1は、給紙ローラ6と排紙ローラ7によって用紙Pを搬送方向に搬送しつつ、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド4を走査方向に移動させながら、ヘッド部20の複数のノズル47からインクを吐出させることにより、用紙Pに所望の画像等を印刷する。
キャップ装置8は、プラテン2よりも走査方向一方側(右側)の位置に配置されている。このキャップ装置8は、キャップ25と、キャップ駆動機構26(図7参照)とを有している。キャリッジ3がプラテン2の右側に移動すると、キャップ25がヘッド部20の吐出面20aと対向する。この状態で、キャップ駆動機構26によってキャップ25が上昇することにより、ヘッド部20のすべてのノズル47がキャップ25によって覆われる。キャップ装置8の具体的な構成については、後述する。
吸引装置9は、吸引ポンプ10と、廃液タンク11と、切換部12とを有する。キャップ25は、切換部12を介して吸引ポンプ10に接続されており、キャップ25がヘッド部20の複数のノズル47を覆っている状態で、吸引ポンプ10によりキャップ25内を減圧することで、複数のノズル47からそれぞれインクを吸引して排出させる(吸引パージ)。この吸引パージ処理などの詳細については、後述する。
制御装置13は、プリンタ各部の動作を制御して、プリンタ1全体の動作を司る。制御装置13は、外部装置(プリンタ1と接続されたPC等)から供給された印刷指令(画像データなど)に基づいて、インクジェットヘッド4やキャリッジ駆動モータ14等を制御して、用紙Pに画像等を印刷させる。用紙Pに画像等を印刷する印刷動作を制御する。また、制御装置13は、インクジェットヘッド4、キャリッジ駆動モータ14、切換部12、吸引ポンプ10、カム駆動モータ26b等を制御して、吸引パージなどのメンテナンス動作を行う。
(インクジェットヘッドの詳細)
次に、インクジェットヘッド4の詳細な構成について説明する。インクジェットヘッド4は、図2及び図3に示すように、ヘッド部20と、このヘッド部20の上方に配置されたインク供給部21とを有する。尚、図3では、図面の簡略化のため、インク供給部21のサブタンク31のみ断面で示しており、ヘッド部20、及び、インク供給部21の分配部材32については、側面図で示している。
(ヘッド部の構成)
まず、ヘッド部20の構成について説明する。ヘッド部20は、図4及び図5に示すように、流路ユニット40と、圧電アクチュエータ41とを有する。
(流路ユニット)
図5(b)及び図5(c)に示すように、流路ユニット40は、5枚のプレート42〜46が積層された構造を有する。5枚のプレート42〜46のうちの最下層のプレート46は、複数のノズル47が形成されたノズルプレートである。一方、上側の残り4枚のプレート42〜45には、複数のノズル47に連通するマニホールド50や圧力室51等の流路が形成されている。
特に図4を参照して、ノズルプレート46に形成された複数のノズル47の配列について説明する。ノズルプレート46には、複数のノズル47が、搬送方向と平行な方向(一方向)に沿ってピッチPで配列されており、これら複数のノズル47は、走査方向に並ぶ合計8つのノズル群48を構成している。
8つのノズル群48は、ブラックインクを吐出する2つのノズル群48k1,48k2、イエローインクを吐出する2つのノズル群48y1,48y2、シアンインクを吐出する2つのノズル群48c1,48c2、及び、マゼンタインクを吐出する2つのノズル群48m1,48m2からなる。尚、同色のインクを吐出する2つのノズル群48(例えば、2つのノズル群48k1,48k2)の間では、ノズル配列方向におけるノズル47の位置が、各ノズル群48におけるピッチPの半分(P/2)だけずれている。
ブラックの2つのノズル群48k1,48k2は、走査方向における中央において隣接して配置されている。イエローの2つのノズル群48y1,48y2は、ブラックの2つのノズル群48k1,48k2の、走査方向における両側において、これら2つのノズル群48k1,48k2を挟むように配置されている。シアンの2つのノズル群48c1,48c2は、さらに両側に配置され、さらに、マゼンタの2つのノズル群48m1,48m2は、またさらに両側に配置されている。つまり、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のノズル群48の配置が左右対称となっている。
尚、ブラックインクを吐出する2つのノズル群48k1,48k2の左方にあるノズル群48y1,48c1,48m1を構成する複数のノズル47が、本発明の複数の第1ノズルを構成する。ブラックインクを吐出する2つのノズル群48k1,48k2の右方にあるノズル群48y2,48c2,48m2を構成する複数のノズル47が、本発明の複数の第2ノズルを構成する。
これにより、いわゆる双方向印刷において、キャリッジ3を走査方向一方側へ移動させるときと、走査方向他方側へ移動させるときで、左右それぞれ4つのノズル群48を使い分けることにより、キャリッジ3の移動方向にかかわらず、常に、用紙Pに4色のインクを同一の順序(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの順)で着弾させて1つのドットを形成することができる。つまり、上述のノズル配列とすることで、記録速度が速くなる双方向印刷を採用しつつも、各ドットの色目を同じにすることによって高い品質での画像等の記録が可能となる。
尚、ブラックのノズル群48kを挟んで左右に分かれて配置される3色のカラーのノズル群48m,48c,48yの配置は、図4のような左右対称の配置には限られず、適宜変更できる。例えば、ブラックのノズル群48kの左側と右側の両方において、ともに、左からマゼンタ→シアン→イエローの順で3色のノズル群48m,48c,48yが配置されてもよい。
次に、流路ユニット40の上側4枚のプレート42〜45に形成された、複数のノズル47に連通する流路構造について説明する。まず、図4に示すように、流路ユニット40の、搬送方向上流側の端部の上面には、走査方向に並ぶ7つの供給口49が形成されている。これらの供給口49には、後述するインク供給部21から4色のインクが供給される。7つの供給口49は、ブラックの供給口49k、イエローの2つの供給口49y1,49y2、シアンの2つの供給口49c1,49c2、マゼンタの2つの供給口49m1,49m2である。
7つの供給口49は、上述した4色のノズル群48の配置に対応した順で、走査方向に配列されている。詳細には、まず、ブラックの供給口49kは、走査方向における中央に配置されている。そして、このブラックの供給口49kから走査方向外側(左右両側)に向けて、それぞれ、イエローの供給口49y、シアンの供給口49c、マゼンタの供給口49mの順に、左右対称に配置されている。つまり、ブラックの供給口49kを走査方向において挟むように、イエローの2つの供給口49yが配置され、また、3つの供給口49k、49yを走査方向において挟むように、シアンの2つの供給口49cが配置され、さらに、5つの供給口49k、49y、49cを走査方向において挟むように、マゼンタの2つの供給口49mが配置されている。尚、ブラックの供給口49kは、2つのノズル群48k1,48k2にそれぞれブラックインクを供給する関係上、他の6つの供給口49よりも孔のサイズが大きくなっている。
また、流路ユニット40の内部には、それぞれ搬送方向に延在する7本のマニホールド50が形成されている。7本のマニホールド50は、それらの後端部において、7つの供給口49とそれぞれ接続されている。マニホールド50kには、供給口49kからブラックインクが供給される。マニホールド50y1,50y2には供給口49y1,49y2からイエローインクが供給される。マニホールド50c1,50c2には供給口49c1,49c2からシアンインクが供給される。さらに、マニホールド50m1,50m2には供給口49m1,49m2からマゼンタインクが供給される。尚、ブラックインクの流路に関して、他のインクの流路と同じく、2つのノズル群48k1,48k2にそれぞれ対応して供給口49kが2つ設けられ、また、マニホールド50kも2つ設けられてもよい。
ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のマニホールド50は、上述した4色のノズル群48と同様に、左右対称に配置されている。即ち、ブラックのマニホールド50kは、走査方向における中央に配置されている。イエローの2つのマニホールド50y1,50y2は、マニホールド50kの両側において、マニホールド50kを挟むように配置されている。シアンの2つのマニホールド50c1,50c2はそれらの両側に配置され、さらに、マゼンタの2つのマニホールド50m1,50m2はさらにそれらの両側に配置されている。
尚、ブラックのマニホールド50kの左方にある3つのマニホールド50y1,50c1,50m1が、本発明の第1流路を構成する。ブラックのマニホールド50kの右方にある3つのマニホールド50y2,50c2,50m2が、本発明の第2流路を構成する。
また、流路ユニット40は、複数のノズル47にそれぞれ対応した複数の圧力室51を有する。複数の圧力室51は、流路ユニット40の最上層に位置するプレート42に形成され、複数のノズル47にそれぞれ対応して平面的に配置されている。図4に示すように、圧力室51は、8つのノズル群48にそれぞれ対応して、マニホールド50の上方の位置において、搬送方向に沿って8列に配列されている。このように複数の圧力室51によって、8つの圧力室列58が構成されている。
より詳細には、2つの圧力室列58k1,k2を構成する圧力室51は、1つのマニホールド50kの上方に配置され、当該マニホールド50kに共通に連通している。圧力室列58y1を構成する圧力室51は、マニホールド50y1の上方に配置され、当該マニホールド50y1に連通している。圧力室列58y2を構成する圧力室51は、マニホールド50y2の上方に配置され、当該マニホールド50y2に連通している。圧力室列58c1を構成する圧力室51は、マニホールド50c1の上方に配置され、当該マニホールド50c1に連通している。圧力室列58c2を構成する圧力室51は、マニホールド50c2の上方に配置され、当該マニホールド50c2に連通している。圧力室列58m1を構成する圧力室51は、マニホールド50m1の上方に配置され、当該マニホールド50m1に連通している。圧力室列58m2を構成する圧力室51は、マニホールド50m2の上方に配置され、当該マニホールド50m2に連通している。このように圧力室列58k1,58k2がブラックインクに、圧力室列58y1,58y2がイエローインクに、圧力室列58c1,58c2がシアンインクに、圧力室列58m1,58m2がマゼンタインクに対応する。
尚、ブラックインクに対応する圧力室列58k1,58k2の左方にある圧力室列58y1,58c1,58m1を構成する複数の圧力室51が、本発明の複数の第1圧力室を構成する。ブラックインクに対応する圧力室列58k1,58k2の右方にある圧力室列58y2,58c2,58m2を構成する複数の圧力室51が、本発明の複数の第2圧力室を構成する。
以上より、図5(b)及び図5(c)に矢印で示すように、流路ユニット40内には、各マニホールド50から分岐して、圧力室51を経てノズル47に至る個別流路59が色毎に複数形成されている。図5(b)に示す複数の個別流路59y1,59c1,59m1は、図4中左側あるノズル群48y1,48c1,48m1を構成する複数のノズル47にそれぞれ連通し、これら個別流路59y1,59c1,59m1が本発明の第1個別流路を構成する。図5(c)に示す複数の個別流路59y2,59c2,59m2は、図4中右側あるノズル群48y2,48c2,48m2を構成する複数のノズル47にそれぞれ連通し、これら個別流路59y2,59c2,59m2が本発明の第2個別流路を構成する。
(圧電アクチュエータ)
圧電アクチュエータ41は、流路ユニット40の上面に、複数の圧力室51を覆うように接合されている。図4、図5に示すように、圧電アクチュエータ41は、振動板52と、2枚の圧電層53,54と、複数の個別電極55と、共通電極56とを有する。
振動板52は、インク透過性の低い材料、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成された薄板である。振動板52は、複数の圧力室51を覆うように、流路ユニット40の上面に接合されている。
2枚の圧電層53,54は、それぞれ、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなる。圧電層53,54は互いに積層された状態で、振動板52の上面に配置されている。
複数の個別電極55は、上層の圧電層53の上面に配置されている。より詳細には、図4、図5に示すように、各個別電極55は、圧電層53の上面の、圧力室51の中央部と対向する領域に配置されている。複数の個別電極55は、複数の圧力室51に対応して配列されており、合計8列の個別電極列を構成している。各個別電極55からは個別端子57が引き出されている。複数の個別端子57には、ドライバIC4aが実装された、図示しない配線部材が接続される。これにより、複数の個別電極55は、ドライバIC4aと電気的に接続される。各個別電極55には、ドライバIC4aによって、所定の駆動電位とグランド電位の何れか一方が選択的に印加される。
共通電極56は、2枚の圧電層53,54の間に配置されている。共通電極56は、圧電層53を挟んで、複数の個別電極55と共通に対向している。具体的な電気的接続構造の図示は省略するが、この共通電極56からも圧電層53の上面に接続端子が引き出され、複数の個別電極55と同様に、図示しない配線部材と接続されている。共通電極56は、配線部材に形成されたグランド配線と接続されることによって、共通電極56の電位は、常にグランド電位に維持されている。
尚、圧電層53の、個別電極55と共通電極56に挟まれた部分(活性部53aという)は、厚み方向(下向き)に分極されている。この活性部53aは、個別電極55と共通電極56の間に電位差が生じて、その厚み方向に電界が作用したときに、圧電変形(圧電歪)が生じる部分である。このように圧電アクチュエータ41には、各圧力室51の容積を個別に変化させることが可能な複数のアクチュエータ(活性部53a)が作り込まれている。
圧電アクチュエータ41の動作について説明する。ドライバIC4aから、ある個別電極55に対して駆動電位が印加されると、この個別電極55と共通電極56との間に電位差が生じる。このとき、圧電層53の活性部53aには、その厚み方向(下向き)に電界が作用し、その電界の方向は活性部53aの分極方向と一致する。そのため、活性部53aは面方向に収縮し、それに伴って、図5(b)中二点鎖線で示すように2枚の圧電層53,54に、圧力室51側に凸となるような撓みが生じる。インク滴の吐出には、この変形が利用される。具体的には、各アクチュエータは、予め凸状の変形状態にされている。吐出要求に対応して、アクチュエータは、変形を解放し、続くタイミングで再び変形状態に戻される。変形解放時に圧力室51へインクが供給され、変形復帰時に1つのインク滴が吐出されることになる。両タイミング間の時間間隔(パルス幅)は、AL(Acoustic Length)にほぼ等しく、各タイミングで生じる圧力波が吐出に好条件で重なる。なお、図5(b)に示す2つの二点鎖線のうち、上方に位置する二点鎖線がインク滴を吐出する際の変形に対応し、下方に位置する二点鎖線が流路抵抗を増加する際の変形に対応する。
(インク供給部の構成)
次に、インク供給部21について説明する。図2、図3に示すように、インク供給部21は、サブタンク31と、分配部材32とを有する。
サブタンク31は、合成樹脂等によって形成された、矩形の平面形状を有する部材である。このサブタンク31は、4色のインクがそれぞれ収容される4つのインク室61を有する。図2に示すように、各インク室61は、走査方向に長い矩形の平面形状を有する。4つのインク室61は、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの順に、搬送方向に沿って並べて配置されている。尚、4つのインク室61は、搬送方向下流側(前側)に位置するものほど、走査方向における長さが短くなっている。また、4つのインク室61は、搬送方向における長さは等しい。従って、4つのインク室61は、搬送方向下流側に位置するものほど、面積が小さくなっている。また、4つのインク室61はそれぞれ右側に寄せられており、それらの右端の走査方向における位置が揃っている。
サブタンク31の、4つのインク室61よりも前側の部分には、それぞれ搬送方向に延び、4つのインク室61にそれぞれ接続された4つのインク導入流路64が形成されている。また、サブタンク31の前端部の左半部上面には、チューブジョイント23が取り付けられている。4つのインク導入流路64は、チューブジョイント23、4本のチューブ22を介して、ホルダ5の4つのインクカートリッジ30とそれぞれ接続されている。
サブタンク31の下壁部には、4つのインク室61にそれぞれ連通する4つの流出孔62が形成されている。4つの流出孔62は、サブタンク31の、走査方向における中央部において、4つのインク室61の配列に従って前後に並んで配置されている。4つのインク室61内に収容されている4色のインクは、4つの流出孔62から、下方に配置されている後述の分配部材32に送られる。
尚、図3に示すように、上記のインク室61、インク導入流路64は、それぞれ、上方に開放された凹状の流路である。そして、前記凹状の流路を上方から共通に覆うように、サブタンク31の上壁部のほぼ全域に、合成樹脂フィルムなどからなる可撓性のダンパー膜34が設けられている。各インク室61がダンパー膜34によって上方から覆われることにより、各インク室61が、インクの圧力変動を減衰させるためのダンパー室を兼ねている。
図2、図3に示すように、分配部材32は、ヘッド部20とサブタンク31との間に配置された、平面視矩形状の部材である。この分配部材32は、連通部材35によってサブタンク31の流出孔62と接続されている。また、分配部材32は、連通部材36によってヘッド部20の供給口49とも接続されている。
図6に示すように、分配部材32の後端部には、ヘッド部20の7つの供給口49の直上の位置にそれぞれ配置され、走査方向に並ぶ7つのインク排出口66が形成されている。7つのインク排出口66は、ヘッド部20の7つのインク供給口49と、連通部材36を介してそれぞれ接続されている。
また、分配部材32は、サブタンク31の、4つのインク室61から流出孔62を介して送られてきた4色のインクを、ヘッド部20の7つの供給口49にそれぞれ供給する4つの接続流路67を有する。4つの接続流路67の各々は、サブタンク31の流出孔62に連通する連通孔68と、連通孔68とインク排出口66とを接続する供給流路69とを有する。4つの連通孔68は、分配部材32の走査方向中央部において、サブタンク31の4つの流出孔62の配列に対応して、前後方向に配列されている。
4つの連通孔68のうち、ブラックの連通孔68kは最も後方に位置しており、この連通孔68kから1つの供給流路69kが後方に延びている。前記1つの供給流路69kはブラックのインク排出口66kと接続されている。一方、イエローの連通孔68y、シアンの連通孔68c、マゼンタの連通孔68mの各々からは、2つの供給流路69が左右方向に延びている。また、各供給流路69は途中で折れ曲がって後方へ延びており、インク排出口66と接続される。即ち、イエローの2つの供給流路69y1,69y2は、イエローの2つのインク排出口66y1,66y2とそれぞれ接続される。同様に、シアンの2つの供給流路69c1,69c2は、シアンの2つのインク排出口66c1,66c2とそれぞれ接続され、マゼンタの2つの供給流路69m1,69m2は、マゼンタの2つの排出口66m1,66m2とそれぞれ接続される。
図6に示すように、上下方向から見て、同色のインクが供給される2つのインク供給口49にそれぞれインクを供給する、分配部材32内の流路の構造は、左右対称となっている。即ち、マゼンタの2つのインク供給口49m1,49m2(インク排出口66m1,66m2)を結ぶ線分L1と直交する直線L2上に、マゼンタの連通孔68mが配置されている。そして、マゼンタの2つの供給流路69m1,69m2は、直線L2に関して線対称な形状となっている。イエローとシアンの流路についても、マゼンタと同様の線対称な流路構造となっている。
また、図4中左側にあるノズル群48y1に属する複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59m1と、右側にあるノズル群48y2に属する複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59m2とが、接続流路67y及びマニホールド50y1,50y2を介してインク室61yと連通する。また、ノズル群48c1に属する複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59c1と、ノズル群48c2に属する複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59c2とが、接続流路67c及びマニホールド50c1,50c2を介してインク室61cと連通する。また、ノズル群48m1に属する複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59m1と、ノズル群48m2に属する複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59m2とが、接続流路67m及びマニホールド50m1,50m2を介してインク室61mと連通する。このような色毎の接続流路67と2つのマニホールド50とで、色毎の左右の複数のノズル47にそれぞれ連通する複数の個別流路59に繋がる共通流路が構成されている。尚、接続流路67y,67c,67mが、本発明の第3流路を構成する。また、流路ユニット40及び分配部材32が、本発明の流路部材を構成する。
(キャップ装置8の詳細)
次に、キャップ装置8の詳細な構成について説明する。キャップ装置8のキャップ25は、ゴム材料等からなり、図7に示すように、一体成型された底壁部71と、底壁部71の上面71aから突出したリップ部72とを有している。本実施形態においては、底壁部71もリップ部72もゴム材料から構成されているが、少なくともリップ部72が弾性材料から構成されておれば、ゴム以外の材料から構成されていてもよい。底壁部71は、矩形の板状に構成され、キャリッジ3を最も右側に移動させたときに、その上面71aが吐出面20aのすべてのノズル47と対向する。リップ部72は、2つの環状突起72a,72bと、走査方向に互いに平行に延在しこれら環状突起72a,72bを繋ぐ2つの突起72c,72dとを有する。これら底壁部71とリップ部72により、キャップ25には、上方に開口する凹形状を有する、3つのキャップ部81〜83が構成されている。
キャップ部(第1キャップ部)81は、インク受け部81aと、接続口81bとを有する。インク受け部(第1液体受け部)81aは、内底面71a1と、環状突起72aとを有する。内底面71a1は、上面71aの3つのノズル群48y1,48c1,48m1と対向する領域である。内底面71a1は、その周縁から上方に突出した環状突起72aによって囲まれている。これにより、インク受け部81aは、吐出面20aに接触した状態で3つのノズル群48y1,48c1,48m1を覆うことが可能な凹形状を有する。接続口81b(第1接続口)は、内底面71a1の搬送方向中央に形成されており、インク受け部81aにつながる。
キャップ部(第2キャップ部)82は、インク受け部82aと、接続口82bとを有する。インク受け部(第2液体受け部)82aは、内底面71a2と、環状突起72bとを有する。内底面71a2は、上面71aの3つのノズル群48y2,48c2,48m2と対向する領域であり、内底面71a1と同じ高さレベルに配置されている。内底面71a2は、その周縁から上方に突出した環状突起72bによって囲まれている。これにより、インク受け部82aは、吐出面20aに接触した状態で3つのノズル群48y2,48c2,48m2を覆うことが可能な凹形状を有する。このような環状突起72aと環状突起72bの配置は、左右対称となっている。接続口82b(第2接続口)は、内底面71a2の搬送方向中央に形成されており、インク受け部82aにつながる。
キャップ部83は、インク受け部83aと、接続口83bとを有する。インク受け部83aは、内底面71a3と、2つの突起72c,72dと、環状突起72aの搬送方向に延在する右側部分と、環状突起72bの搬送方向に延在する左側部分とを有する。内底面71a3は、上面71aの3つのノズル群48k1,48k2と対向する領域であり、内底面71a1と同じ高さレベルに配置されている。内底面71a3は、その周縁から上方に突出した突起72c,72d、環状突起72aの搬送方向に延在する右側部分及び環状突起72bの搬送方向に延在する左側部分によって囲まれている。これにより、インク受け部83aは、吐出面20aに接触した状態で2つのノズル群48k1,48k2を覆うことが可能な凹形状を有する。接続口83bは、内底面71a3の搬送方向中央に形成されており、インク受け部83aにつながる。
キャップ駆動機構26(移動機構)は、図7(b)に示すように、カム26aと、カム駆動モータ26bとを有している。カム26aは、外周面が底壁部71に当接するように配置されている。カム26aは、所定の輪郭を有し、カム駆動モータ26bにより回転駆動される。
図10(a)に示すように、吐出面20aがキャップ25と対向している状態で、カム26aが図7(b)に示す状態から反時計回りの方向に90°回転すると、カム26aの輪郭によってキャップ25が押し上げられる。こうして、図10(b)に示すように、リップ部72が吐出面20aから離隔する離隔状態から接触する接触状態となる。この接触状態においては、吐出面20aとキャップ部81とで囲まれる第1空間V1と、吐出面20aとキャップ部82とで囲まれる第2空間V2と、吐出面20aとキャップ部83とで囲まれる第3空間V3とが、外部に対して個別に密閉される。つまり、キャップ部81は3つのノズル群48y1,48c1,48m1を覆い、キャップ部82は3つのノズル群48y2,48c2,48m2を覆い、キャップ部83は2つのノズル群48k1,48k2を覆う。
一方、図10(b)に示す状態からカム26aを時計回りの方向に90°回転させると、図10(a)に示すように、カム26aの輪郭に応じてキャップ25が降下する。こうして、リップ部72が吐出面20から離れ、離隔状態となる。
ここで、キャップ駆動機構26は、例えば、駆動源を持たず、キャリッジ3が走査方向に沿ってキャップ25に近づいたときにキャリッジ3に押されることでキャップ25を上昇させ、キャリッジ3が走査方向に沿ってキャップ25から離れたときにキャリッジ3に押されなくなってキャップ25を降下させる(上昇前の位置に戻る)ものであってもよい。さらに、インクジェットヘッド4又はキャリッジ3だけを昇降させる移動機構であってもよいし、インクジェットヘッド4又はキャリッジ3及びキャップ25も昇降させる移動機構であってもよい。なお、このときのキャップ25の上昇及び降下は、各内底面71a1〜71a3と吐出面20aとが対向しているときに行われればよい。
(吸引装置の詳細)
次に、吸引装置9の詳細な構成について説明する。吸引装置9の切換部12は、図7(b)に示すように、3本のチューブ91〜93を介してキャップ25と接続されている。チューブ91は接続口81bと接続され、チューブ92は接続口82bと接続され、チューブ93は接続口83bと接続される。また、切換部12は、チューブ94を介して吸引ポンプ10と接続されている。これらチューブ91〜94は可撓性を有しているが、特に可撓性を有していなくてもよく、中空の配管部材であれば、どのようなものであってもよい。
切換部12は、吸引ポンプ10と3つの接続口81b,82b,83bのいずれかが連通する第1〜第3連通状態を選択的に取ることが可能に構成されている。第1連通状態は吸引ポンプ10と接続口81bとが連通し、第2連通状態は吸引ポンプ10と接続口82bとが連通し、第3連通状態は吸引ポンプ10と接続口83bとが連通する。なお、接続口81b,82b,83bは、吸引ポンプ10と連通する状態とされていないときは大気に連通しない遮断状態とされている。
吸引ポンプ10は、チューブポンプなどであり、図1に示すように、チューブ95を介して廃液タンク11に接続されている。廃液タンク11は、後述のメンテナンス動作によって排出されたインクを貯留する。
(制御装置の詳細)
制御装置13は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)104などを含む。ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各固定データや複数の単位波形データなどが記憶されている。つまり、ROM102は、波形記憶部152を含む。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。つまり、RAM103は、画像データ記憶部151を含む。ASIC104は、ヘッド制御回路153、搬送制御回路154、及び、メンテナンス制御回路155を含む。
なお、本実施形態では、1つのCPU101が各種制御に係る処理を行うが、これに限定されない。例えば、複数のCPUが各種制御に係る処理を分担する形態、ASICが各種制御に係る処理を行う形態、1又は複数のCPUと1又は複数のASICとが協働して各種制御に係る処理を行う形態、等であってもよい。
画像データ記憶部151は、外部装置からの画像データ(印刷指令)を記憶する。画像データは、各画素を形成する液量を示すドットデータの集合体であって、駆動データの形式を有している。ヘッド制御回路153は、画像データに基づいて、圧電アクチュエータ41を駆動する。具体的には、駆動データは、各印刷周期において各吐出口から吐出されるインク量が、例えば、3段階(小量、大量、なし)のいずれであるかを示している。ここで、「小量」は後述する吐出波形W1に対応し、「大量」は後述する吐出波形W2に対応し、「なし」は後述する非吐出波形W3(すべて図9参照)に対応する。なお、インク量は、小量と大量との間に中量が存在していてもよい。
波形記憶部152は、4つの単位波形を記憶している。本実施形態においては、吐出波形W1,W2と、非吐出波形W3と、抵抗増加波形Rとが用意されている(図9参照)。吐出波形W1,W2は、吐出信号生成用の単位波形であり、ノズル47からインクを吐出させる吐出信号が生成される。非吐出波形W3からは、インクを吐出させない非吐出信号が生成される。抵抗増加波形Rからは、ノズル47からインクを吐出させずに圧力室51の容積を小さくし流路抵抗を増加させるための抵抗増加信号が生成される。本実施形態においては、圧力室51の容積が小さくなると、圧力室51における縦断面積も小さくなり、圧力室51における流路抵抗が大きくなる。これら4つの単位波形は、いずれも1印刷周期分の時間的な長さを有している。なお、1印刷周期とは、走査方向の印刷解像度に対応する単位距離(最小ドット間隔)だけインクジェットヘッド4が走査方向に移動するのに要する時間に相当する。
吐出信号、非吐出信号は、上述の2つの吐出波形W1,W2と非吐出波形W3をドライバIC4aで増幅したもので、ローレベルがグランド電位に、ハイレベルが正の第1駆動電位(例えば28V)となっている。この吐出信号及び非吐出信号における第1駆動電位が個別電極55に供給されているときの圧電アクチュエータ41の変形は、図5(b)に示す2つの二点鎖線のうちの上方にある二点鎖線に対応する。抵抗増加信号は、上述の抵抗増加波形RをドライバIC4aで増幅したもので、ローレベルがグランド電位に、ハイレベルが正の第2駆動電位(例えば、30V)となっている。この抵抗増加信号における第2駆動電位が個別電極55に供給されているときの圧電アクチュエータ41の変形は、図5(b)に示す2つの二点鎖線のうちの下方にある二点鎖線に対応する。このように抵抗増加信号における第2駆動電位は、吐出信号及び非吐出信号における第1駆動電位よりも大きい。このため、圧力室51の容積は、個別電極55に吐出信号及び非吐出信号が供給されるときよりも抵抗増加信号が供給される方が小さくなる。換言すると、圧力室51の容積が小さくなる分だけ圧力室51の縦断面積も小さくなり、当該圧力室51の流路抵抗が大きくなる。係る増幅は、印刷周期毎に個別電極55毎に行われ、吐出選択信号及び抵抗増加選択信号(後述)に基づいて、4つの単位波形から1個の増幅対象波形が選択される。また、本実施形態においては、第1駆動電位用の電源と、第2駆動電位用の電源とが設けられているが、1つの電源と当該電源からの電位を第1駆動電位と第2駆動電位とに変更可能な変圧部とを有していてもよい。
ヘッド制御回路153は、記憶された駆動データに基づいて、キャリッジ駆動モータ14を制御するとともに、吐出選択信号をドライバIC4aに出力する。吐出選択信号は、印刷周期毎に出力される。ドライバIC4aからは、ハイレベルが第1駆動電位の波形(W1〜W3)が、吐出選択信号により1つ選ばれて、吐出信号又は非吐出信号として個別電極55に出力される。
また、ヘッド制御回路153は、メンテナンス動作中に、抵抗増加選択信号をドライバIC4aに出力する。メンテナンス動作中では、抵抗増加選択信号が連続的に出力される。信号は、印刷周期で出力され、所定時間だけ継続される。ここでいう所定時間は、後述の第1及び第2パージ処理において吸引ポンプ10が駆動される直前から、当該吸引ポンプの駆動が停止された後であってアンキャッピング処理が行われるまでである。メンテナンス動作中は、ヘッド制御回路153が、メンテナンス制御回路155と協働して機能する。
搬送制御回路153は、印刷指令に基づいて、用紙Pが搬送方向に沿って所定速度で搬送されるように、給紙ローラ6及び排紙ローラ7の各動作を制御する。
メンテナンス制御回路155は、メンテナンス指令に基づいて、インクジェットヘッド4、キャリッジ駆動モータ14、カム駆動モータ26b、切換部12、及び、吸引ポンプ10を制御し、メンテナンス動作を実行する。
(印刷動作)
続いて、制御装置13が実行する印刷動作の制御内容について説明する。制御装置13は、画像データ(印刷指令)を受信すると、ヘッド制御回路153及び搬送制御回路154を制御して、用紙Pの搬送と、インクジェットヘッド4の走査方向への移動及びこれに同期したインク吐出を始める。このとき、ヘッド制御回路153は、吐出選択信号をドライバIC4aに出力する。ドライバIC4aからは、吐出選択信号に応じた信号(吐出信号又は非吐出信号)が個別電極55に出力される。そして、画像データ記憶部151の画像データに基づいて、用紙Pへの印刷動作が行われる。制御装置13は、当該画像データに係る記録が終了すると、次の印刷指令の入力を待つ。この後の待機時間が所定時間に達すると、キャッピング動作(メンテナンス動作の一部)が実行される。
(メンテナンス動作)
次に、プリンタ1におけるメンテナンス動作について、図10〜図14を参照しつつ以下に説明する。プリンタ1では、例えば印刷動作において、吐出面20aの左方領域に存在する3つのノズル群48y1,48c1,48m1、吐出面20aの右方領域に存在する3つのノズル群48y2,48c2,48m2、吐出面20aの中央領域に存在する2つのノズル群48k1,48k2のいずれかから、ほとんどインクを吐出しない印刷があると、当該インクを吐出しない領域のノズル群48を構成するノズル47内のインクが増粘してしまい、インク吐出不良が生じることがある。そこで、プリンタ1では、ユーザによるプリンタ1の図示しない操作パネル等の操作により出力されたメンテナンス信号に基づいて、3つの領域(左方、右方、中央)のノズル群48のいずれかからインクを排出するマニュアルパージなどのメンテナンス動作が行われる。なお、マニュアルパージには、弱パージと、強パージとがあり、強パージは弱パージでインクの吐出不良が回復できない場合などに行われる。なお、メンテナンス信号は、制御装置13が、印刷指令に基づく吐出履歴が所定条件に達したときに自動的に出力してもよい。ここでいう所定条件とは、マニュアルパージを実行するための条件であり、例えば、インク吐出が実行されていない期間が所定期間であるか否かを判定するための条件である。そして、この条件を満たすノズルが存在すると、当該ノズル47を含む領域において、マニュアルパージを実行するメンテナンス信号を出力する。このときのマニュアルパージの弱パージ又は強パージの選択は、また別の条件を設定すればよい。
(マニュアルパージ)
制御装置13は、メンテナンス信号を受信すると(ステップS1)、第1吸引パージ処理であるか否かを判定する(ステップS2)。第1吸引パージ処理(本発明の第1パージ処理)は、左方領域にある3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47からインクを排出するパージ処理である。ステップS2において、メンテナンス信号が第1吸引パージ処理を示す信号であると、第1吸引パージ処理が実行される(ステップS3)。
(第1吸引パージ処理)
第1吸引パージ処理においては、図12に示すように、メンテナンス制御回路155がキャリッジ駆動モータ14及びカム駆動モータ26bを制御し、吐出面20aとキャップ25とをキャッピングする(ステップF1)。より詳細には、図10(a)に示すように、インクジェットヘッド4とキャップ25とを対向させる。この後、図10(b)に示すように、吐出面20aとキャップ25とを離隔状態から接触状態とする。こうして、吐出面20aとキャップ25とをキャッピングする。この後、メンテナンス制御回路155は、切換部12を制御し、吸引ポンプ10と接続口81bとが連通する第1連通状態とする(ステップF2)。これにより、吸引ポンプ10が駆動されると、第1空間V1の圧力だけが低下し、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47に吸引力が作用する。
メンテナンス制御回路155は、メンテナンス信号が第1吸引モードであるか否かを判定し(ステップF3)、第1吸引モードである場合はステップF4に進み、第2吸引モードである場合はステップF5に進む。第1吸引モードは、弱パージを実行するときの吸引ポンプ10の駆動モードを示す。第2吸引モードは、強パージを実行するときの吸引ポンプ10の駆動モードを示し、第1吸引モードにおけるよりも吸引ポンプ10の回転速度が大きい。吸引ポンプ10の回転速度が大きい方が、吐出面20aとキャップ25とで囲まれる空間(第1空間V1、第2空間V2、第3空間V3のいずれか)の圧力低下が大きくなり、当該空間と連通するノズル47に対する吸引力が大きくなる。
(弱パージ)
ステップF4においては、メンテナンス制御回路155が、所定の第1回転速度、すなわち、第1吸引モードで吸引ポンプ10を駆動するように、吸引ポンプ10を制御する。第1吸引モードでの吸引力は、インクを排出させるノズル47(ここでは、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47)のインクメニスカスを破壊するほどの大きさの吸引力であるが、弱パージであるため、比較的小さい吸引力である。このときの吸引力として作用する負圧力は、圧電アクチュエータ41を駆動していない状態において、インクを排出するノズル47からインクを排出しないノズル47(ここでは3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47)までの流路抵抗によってその影響が小さくなり、当該インクを排出しないノズル47のインクメニスカスを破壊しないため、個別流路59y2,59c2,59m2から個別流路59y1,59c1,59m1にインクが流れない。つまり、インクカートリッジ30y,30c,30mのインクが、各連通孔68y,68c,68m、供給流路69y1,69c1,69m1、排出口66y1,66c1,66m1を介して3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47側に流れ、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されない。このため、本実施形態におけるヘッド制御回路153は、圧電アクチュエータ1を制御しない。つまり、すべての個別電極55に抵抗増加信号を供給しない。こうして、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47だけから、インクがインク受け部81aに排出される弱パージが実行される。
(強パージ)
一方、ステップF5においては、次のステップF6において吸引ポンプ10が第2吸引モードで駆動されるため、ヘッド制御回路153が、3つの圧力室列58y2,58c2,58m2を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に抵抗増加信号を供給するため、抵抗増加選択信号をドライバIC4aに供給する。なお、抵抗増加信号の供給は、吸引ポンプ10の駆動が行われている間は継続される。これにより、当該圧力室51の容積が小さくなり、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりも大きくなる(本発明の第2動作)。次に、ステップF6においては、メンテナンス制御回路155が、第1回転速度よりも大きい所定の第2回転速度、すなわち、第2吸引モードで吸引ポンプ10を駆動するように、吸引ポンプ10を制御する。第2吸引モードでの吸引力は、インクを排出させるノズル47のインクメニスカスを簡単に破壊するほどの大きさの吸引力であり、強パージあるため、比較的大きな吸引力である。このときの吸引力として作用する負圧力は、圧電アクチュエータ41を駆動していない状態において、インクを排出するノズル47からインクを排出しないノズル47までの流路抵抗によってその影響が小さくなったとしても、当該インクを排出しないノズル47のインクメニスカスを破壊するほどの大きさである。このようなノズル47に作用する吸引力が大きくなる前(吸引ポンプ10が駆動される前)に、ステップF5で個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が大きくされているため、第2吸引モードによる負圧力の影響が小さくなり、インクを排出しないノズル47(3つのノズル群48y2,48c2,48m2)のインクメニスカスが破壊されなくなる。このため、個別流路59y2,59c2,59m2から個別流路59y1,59c1,59m1にインクが流れない。つまり、インクカートリッジ30y,30c,30mのインクが、各連通孔68y,68c,68m、供給流路69y1,69c1,69m1、排出口66y1,66c1,66m1を介して3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47側に流れ、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されない。こうして、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47だけから、インクがインク受け部81aに排出される強パージが実行される。
(第2吸引パージ処理)
ステップS2において、メンテナンス信号が第1吸引パージ処理を示す信号以外であると、ステップS4に進む。ステップS4において、メンテナンス信号が第2吸引パージ処理を示す信号であると、第2吸引パージ処理が実行される(ステップS5)。第2吸引パージ処理(本発明の第2パージ処理)は、右方領域にある3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47からインクを排出するパージ処理である。第2吸引パージ処理においては、図13に示すように、メンテナンス制御回路155がキャリッジ駆動モータ14及びカム駆動モータ26bを制御し、ステップF1と同様に、吐出面20aとキャップ25とをキャッピングする(ステップG1)。この後、メンテナンス制御回路155は、切換部12を制御し、吸引ポンプ10と接続口82bとが連通する第2連通状態とする(ステップG2)。これにより、吸引ポンプ10が駆動されると、第2空間V2の圧力だけが低下し、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47に吸引力が作用する。
メンテナンス制御回路155は、メンテナンス信号が第1吸引モードであるか否かを判定し(ステップG3)、第1吸引モードである場合はステップG4に進み、第2吸引モードである場合はステップG5に進む。
(弱パージ)
ステップG4においては、メンテナンス制御回路155が、ステップF4と同様に、第1吸引モードで吸引ポンプ10を駆動するように、吸引ポンプ10を制御する。第1吸引モードでの吸引力は、インクを排出させるノズル47(ここでは、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47)のインクメニスカスを破壊するほどの大きさの吸引力であるが、弱パージであるため、比較的小さい吸引力である。このときの吸引力として作用する負圧力は、ステップF4のときと同様に、ノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスを破壊しないため、個別流路59y1,59c1,59m1から個別流路59y2,59c2,59m2にインクが流れない。つまり、インクカートリッジ30y,30c,30mのインクが、各連通孔68y,68c,68m、供給流路69y2,69c2,69m2、排出口66y2,66c2,66m2を介して3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47側に流れ、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されない。このため、本実施形態におけるヘッド制御回路153は、圧電アクチュエータ1を制御しない。つまり、すべての個別電極55に抵抗増加信号を供給しない。こうして、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47だけから、インクがインク受け部82aに排出される弱パージが実行される。
(強パージ)
一方、ステップG5においては、次のステップG6において吸引ポンプ10が第2吸引モードで駆動されるため、ヘッド制御回路153が、3つの圧力室列58y1,58c1,58m1を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に抵抗増加信号を供給するため、抵抗増加選択信号をドライバIC4aに供給する。なお、抵抗増加信号の供給は、吸引ポンプ10の駆動が行われている間は継続される。これにより、当該圧力室51の容積が小さくなり、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりも大きくなる(本発明の第4動作)。次に、ステップG6においては、メンテナンス制御回路155が、ステップF6と同様に、第2吸引モードで吸引ポンプ10を駆動するように、吸引ポンプ10を制御する。第2吸引モードでの吸引力は、インクを排出させるノズル47のインクメニスカスを簡単に破壊するほどの大きさの吸引力であり、強パージであるため、比較的大きな吸引力である。このときの吸引力として作用する負圧力は、ステップF6のときと同様に、ノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスを破壊するほどの大きさである。このようなノズル47に作用する吸引力が大きくなる前に、ステップG5で個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が大きくされているため、第2吸引モードによる負圧力の影響が小さくなり、インクを排出しないノズル47(3つのノズル群48y1,48c1,48m1)のインクメニスカスが破壊されなくなる。このため、個別流路59y1,59c1,59m1から個別流路59y2,59c2,59m2にインクが流れない。つまり、インクカートリッジ30y,30c,30mのインクが、各連通孔68y,68c,68m、供給流路69y2,69c2,69m2、排出口66y2,66c2,66m2を介して3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47側に流れ、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されない。こうして、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47だけから、インクがインク受け部82aに排出される強パージが実行される。
(第3吸引パージ処理)
ステップS4において、メンテナンス信号が第3吸引パージ処理を示す信号であると、第3吸引パージ処理が実行される(ステップS6)。第3吸引パージ処理は、中央領域にある2つのノズル群48k1,48k2を構成するノズル47からインクを排出するパージ処理である。第3吸引パージ処理においては、図14に示すように、メンテナンス制御回路155がキャリッジ駆動モータ14及びカム駆動モータ26bを制御し、ステップF1と同様に、吐出面20aとキャップ25とをキャッピングする(ステップH1)。この後、メンテナンス制御回路155は、切換部12を制御し、吸引ポンプ10と接続口83bとが連通する第3連通状態とする(ステップH2)。これにより、吸引ポンプ10が駆動されると、第3空間V3の圧力だけが低下し、3つのノズル群48k1,48k2を構成するノズル47に吸引力が作用する。
メンテナンス制御回路155は、メンテナンス信号が第1吸引モードであるか否かを判定し(ステップH3)、第1吸引モードである場合はステップH4に進み、第2吸引モードである場合はステップH5に進む。
(弱パージ)
ステップG4においては、メンテナンス制御回路155が、ステップF4と同様に、第1吸引モードで吸引ポンプ10を駆動するように、吸引ポンプ10を制御する。こうして、2つのノズル群48k1,48k2を構成するノズル47だけから、インクがインク受け部83aに排出される弱パージが実行される。
(強パージ)
ステップH5においては、メンテナンス制御回路155が、ステップF6と同様に、第2吸引モードで吸引ポンプ10を駆動するように、吸引ポンプ10を制御する。こうして、2つのノズル群48k1,48k2を構成するノズル47だけから、インクがインク受け部83aに排出される強パージが実行される。
ステップS3、ステップS5及びステップS6の処理が終了すると、ステップS7に進む。ステップS7においては、メンテナンス制御回路155が、吸引ポンプ10の駆動を停止するように、吸引ポンプ10を制御する(吸引ポンプ停止処理)。
次に、ステップS8において、キャップ25を吐出面20aから離隔するアンキャッピング処理が行われる。このとき、メンテナンス制御回路155は、吸引ポンプ10の駆動を停止してから所定の待機時間だけ、キャップ25が吐出面20aに接触した接触状態のまま待機する。これにより、圧力を低下させていた空間(第1〜第3空間V1〜V3のいずれか)の圧力が大気圧近傍まで戻る。こうして、ノズル47からのインク排出が停止する。その後、メンテナンス制御回路155は、カム駆動モータ26bを制御し、図10(a)に示すように、吐出面20aとキャップ25とを接触状態から離隔状態とする(アンキャッピング)。このとき、ヘッド制御回路153は、抵抗増加選択信号の供給を行っている場合、待機時間中に、ドライバIC4aへの抵抗増加選択信号の供給を停止する。つまり、個別電極55への抵抗増加信号の供給が停止され、圧力室51の容積が駆動前の状態に戻る。このように圧電アクチュエータ41の駆動が吸引ポンプ10の駆動が停止されてから行われるので、インクを排出しないノズル47から気体が侵入するのを抑制することが可能となる。こうして、上述のマニュアルパージが終了する。
この後、キャップ25内(すなわち、インク受け部81a,82a,83a)に排出されたインクが吸引ポンプ10で吸引され、廃液タンク11に排出される。そして、図示しないワイパなどの払拭機構により吐出面20aが払拭される。こうして、メンテナンス動作が終了する。
以上に述べたように、本実施形態によるプリンタ1によると、第1吸引パージ処理の第2吸引モードにおいて、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりも小さくなり、第2吸引パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりも小さくなる。このため、インクは、第1吸引パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2よりも個別流路59y1,59c1,59m1の方が流れやすくなり、第2吸引パージ処理において、個別流路59y1,59c1,59m1よりも個別流路59y2,59c2,59m2の方が流れやすくなる。この結果、第1吸引パージ処理においては、個別流路59y2,59c2,59m2のインクが個別流路59y1,59c1,59m1に流れにくくなって3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されにくくなる。第2吸引パージ処理においては、個別流路59y1,59c1,59m1のインクが個別流路59y2,59c2,59m2に流れにくくなって3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されにくくなる。このようにインクを排出させるノズル47以外のノズル47のインクメニスカスが破壊されるのを抑制することが可能となり、インクを吸引しないノズル47から気体が侵入するのを抑制することが可能となる。
プリンタ1が、吸引ポンプ10及び切換部12を有し、制御装置13が切換部12を制御して、第1吸引パージ処理において切換部12が第1連通状態をとり、第2吸引パージ処理において切換部12が第2連通状態をとる。これにより、第1吸引パージ処理において、3つのノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47からインクを吸引し、第2吸引パージ処理において、3つのノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47からインクを吸引することが可能となる。このため、各吸引パージ処理において、インクを吸引しないノズル47から気体が侵入するのを抑制することが可能となる。
制御装置13は、第1吸引パージ処理において、圧電アクチュエータ41が駆動されていないときよりも個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗を大きくし、第2吸引パージ処理において、圧電アクチュエータ41が駆動されていないときよりも個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗を大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御する。これにより、第1吸引パージ処理において、確実に個別流路59y2,59c2,59m2のインクが個別流路59y1,59c1,59m1に流れにくくなり、第2吸引パージ処理において、確実に個別流路59y1,59c1,59m1のインクが個別流路59y2,59c2,59m2に流れにくくなる。この結果、インクを吸引しないノズル47のインクメニスカスが破壊されるのを抑制することが可能となる。
変形例として、第1吸引パージ処理において、抵抗増加信号を供給する構成に代えて、3つの圧力室列58y1,58c1,58m1を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に、抵抗増加信号とは逆電位の抵抗減少信号を供給してもよい。つまり、波形記憶部152が、抵抗増加波形Rと同様な電位変化のない一定な波形である抵抗減少波形を記憶し、当該抵抗減少波形をドライバIC4aで増幅(ハイレベルがグランド電位、ローレベルが負の駆動電位(例えば−30V))することで抵抗減少信号としてもよい。本変形例においては、当該負の駆動電位用の電源をさらに有しているが、1つの電源と当該電源からの電位を第1駆動電位と負の駆動電位とに変更可能な変圧部とを有していてもよい。このような抵抗減少信号が個別電極55に供給されると、活性部53aには、厚み方向(上向き)に電界が作用し、活性部53aが面方向に伸張する。このため、2枚の圧電層53,54に、圧力室51側に凹となるような撓みが生じる。つまり、個別電極55に抵抗増加信号を供給したときとは、逆方向に圧電アクチュエータ41の当該個別電極55と対向する部分が変位する。こうして、圧力室51の容積が、圧電アクチュエータ41が駆動されていないときよりも大きくなり、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が小さくなる(本発明の第1動作)。この場合でも、第1吸引パージ処理においては、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりも小さくなるため、上述の実施形態と同様な効果を得ることが可能となる。なお、3つの圧力室列58y1,58c1,58m1を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に、抵抗減少信号を供給する制御は、3つの圧力室列58y2,58c2,58m2を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に抵抗増加信号を供給する制御と同時に行われてもよい。こうすることで、第1吸引パージ処理において、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりもさらに小さくなるため、上述の実施形態と同様な効果を効果的に得ることが可能となる。
加えて、第2吸引パージ処理において、抵抗増加信号を供給する構成に代えて、3つの圧力室列58y2,58c2,58m2を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に、上述の抵抗減少信号を供給してもよい。これにおいても、圧力室51の容積が、圧電アクチュエータ41が駆動されていないときよりも大きくなり、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が小さくなる(本発明の第3動作)。これにより、第2吸引パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりも小さくなるため、上述の実施形態と同様な効果を得ることが可能となる。なお、3つの圧力室列58y2,58c2,58m2を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に、抵抗減少信号を供給する制御は、3つの圧力室列58y1,58c1,58m1を構成するすべての圧力室51に対応する個別電極55に抵抗増加信号を供給する制御と同時に行われてもよい。こうすることで、第2吸引パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりもさらに小さくなるため、上述の実施形態と同様な効果を効果的に得ることが可能となる。
制御装置13は、第1及び第2吸引パージ処理において、圧電アクチュエータ41を駆動してから吸引ポンプ10を駆動するように、圧電アクチュエータ41及び吸引ポンプ10を制御する。これにより、各吸引パージ処理において、インクを吸引しないノズル47から気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。
制御装置13は、第1及び第2吸引パージ処理において、吸引ポンプ10を第1吸引モードで制御する場合、圧電アクチュエータ41を制御せず、第1吸引パージ処理において、吸引ポンプ10を第2吸引モードで制御する場合、すべての個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりも大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御し、第2吸引パージ処理において、吸引ポンプ10を第2吸引モードで制御する場合、すべての個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりも大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御する。これにより、第1吸引モードのときに、第2吸引モードのときよりも、制御されるアクチュエータの数を減少させることが可能となり、消費電力を少なくすることが可能となる。また、第1吸引モードのときは消費電力を抑制し、第2吸引モードのときはインクを吸引しないノズル47から気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。加えて、圧電アクチュエータ41にマイグレーションが生じるのを抑制することが可能となる。
制御装置13は、第1及び第2吸引パージ処理において、圧電アクチュエータ41に印刷動作におけるよりも高い電圧を印加して圧電アクチュエータ41を制御する。これにより、第1吸引パージ処理において、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりもさらに小さくなり、第2吸引パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりもさらに小さくすることが可能となる。
また、別の変形例として、制御装置13は、第1及び第2吸引パージ処理において、吸引ポンプ10を第1吸引モードで制御する場合、インクが吸引されない複数のノズル47のうち、吐出面20aの搬送方向(一方向)に関する中央よりも後方側(一方側)にある複数のノズル47につながる個別流路59の流路抵抗を大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御してもよい。これにより、搬送方向に関して供給口49から比較的近い位置でマニホールド50に接続される個別流路59の流路抵抗を大きくすることが可能となる。つまり、吐出面20aの搬送方向の中央よりも後方にある複数のノズル47につながる個別流路59であって、吐出面20aの搬送方向の中央よりも前方にある複数のノズル47につながる個別流路59よりも流路抵抗が小さい個別流路59の流路抵抗を効果的に大きくすることができる。このため、第1吸引モードにおいても、インクが吸引されないノズル47のインクメニスカスが破壊されるのを抑制することができる。加えて、制御装置13は、第1及び第2吸引パージ処理において、吸引ポンプ10を第2吸引モードで制御する場合、インクが吸引されない複数のノズル47につながるすべての個別流路59の流路抵抗を大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御することが好ましい。なお、個別流路59の流路抵抗を大きくする方法としては、上述の実施形態と同様に、圧力室51の容積を小さくすることで行えばよい。これにより、第1吸引モードのときは消費電力を抑制し、第2吸引モードのときはインクを吸引しないノズル47から気体が侵入するのをより抑制することが可能となる。
さらに別の変形例として、上述の実施形態、及び、変形例において第1吸引モード及び第2吸引モードがなくてもよい。つまり、第1〜第3吸引パージ処理において、吸引ポンプ10は同じ回転速度で駆動される。この場合、例えば、制御装置13は、第1吸引パージ処理において、吐出面20aの搬送方向に関する中央よりも後方側にある複数のノズル47(ノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47)につながる複数の個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗を大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御してもよい。加えて、制御装置13は、第2吸引パージ処理において、吐出面20aの搬送方向に関する中央よりも後方側にある複数のノズル47(ノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47)につながる複数の個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗を大きくするように、圧電アクチュエータ41を制御することが好ましい。なお、個別流路59の流路抵抗を大きくする方法としては、上述の実施形態と同様に、圧力室51の容積を小さくすることで行えばよい。これにおいても、搬送方向に関して供給口49から比較的近い位置でマニホールド50に接続される個別流路59の流路抵抗を大きくすることが可能となる。つまり、吐出面20aの搬送方向の中央よりも後方にある複数のノズル47につながる個別流路59であって、吐出面20aの搬送方向の中央よりも前方にある複数のノズル47につながる個別流路59よりも流路抵抗が小さい個別流路59の流路抵抗を効果的に大きくすることができる。このため、各吸引パージ処理において、インクが吸引されないノズル47のインクメニスカスが破壊されるのを抑制することができるとともに、制御されるアクチュエータの数が減少し、消費電力を少なくすることが可能となる。加えて、圧電アクチュエータ41にマイグレーションが生じるのを抑制することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態及び変形例においては、ノズル47に吸引力を作用させる吸引パージ処理を行っていたが、例えば、各チューブ22の途中部位に加圧ポンプをそれぞれ設け、当該加圧ポンプを駆動し、インクジェットヘッド4にインクを供給することでノズル47からインクをパージさせてもよい。このような加圧パージを行う際も、上述の第1及び第2吸引パージ処理のときと同様に、制御装置13が圧電アクチュエータ41を制御し、インクを排出しないノズル47につながる個別流路59の流路抵抗を圧力室51の容積を小さくすることで大きくし、インクを排出するノズル47につながる個別流路59の流路抵抗がインクを排出しないノズル47につながる個別流路59の流路抵抗よりも小さくすればよい。こうすれば、上述の実施形態と同様に、第1加圧パージ処理において、個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗が個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗よりも小さくなり、第2加圧パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2の流路抵抗が個別流路59y1,59c1,59m1の流路抵抗よりも小さくなる。このため、インクは、第1加圧パージ処理において、個別流路59y2,59c2,59m2よりも個別流路59y1,59c1,59m1の方が流れやすくなり、第2加圧パージ処理において、個別流路59y1,59c1,59m1よりも個別流路59y2,59c2,59m2の方が流れやすくなる。この結果、第1加圧パージ処理においては、ノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47のインクメニスカスよりもノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されやすくなり、ノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47からインクが排出される。第2加圧パージ処理においては、ノズル群48y1,48c1,48m1を構成するノズル47のインクメニスカスよりもノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47のインクメニスカスが破壊されやすくなり、ノズル群48y2,48c2,48m2を構成するノズル47からインクが排出される。このようにインクを排出させるノズル47以外のノズル47のインクメニスカスが破壊されるのを抑制することが可能となり、無駄なインクの排出を抑制することが可能となる。
また、切換部12を設けず、各インク受け部81a,82a,83aとそれぞれ連通可能な3つの吸引ポンプを設けてもよい。また、各吸引パージ処理において、吸引ポンプ10を駆動してから圧電アクチュエータ41を駆動してもよい。また、各吸引パージ処理における圧電アクチュエータ41の駆動は、吸引ポンプ10を駆動している間だけでもよい。また、抵抗増加信号の電位が吐出信号及び非吐出信号の電位と同じ大きさであってもよい。このとき、非吐出波形W3を抵抗増加波形Rとして採用してもよい。また、3つのキャップ部81〜83が一体的に形成されているが個別に形成されていてもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出することによって印刷を行うインクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したがこれには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出する、インクジェットプリンタ以外の液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。また、本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能である。また、上述の実施形態においては、電界を加えることによって歪みが発生する圧電材料の性質を利用した圧電アクチュエータを採用したが、これに代えて、電荷同士の間に働くクーロン力で動作する静電アクチュエータを採用してもよい。つまり、振動板52を静電気力によって変形させ、圧力室51の容積を個別に変化させることが可能なアクチュエータユニットであればよい。
1 プリンタ(液体吐出装置)
4 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
9 吸引装置(パージ手段)
10 吸引ポンプ
12 切換部
13 制御装置(制御手段)
20a 吐出面
25 キャップ
26 キャップ駆動機構(移動機構)
47 ノズル(第1ノズル、第2ノズル)
50y1,50c1,50m1 マニホールド(第1流路)
50y2,50c2,50m2 マニホールド(第2流路)
51 圧力室(第1圧力室、第2圧力室)
59y1,59c1,59m1 個別流路(第1個別流路)
59y2,59c2,59m2 個別流路(第2個別流路)
67y,67c,67m 接続流路(第3流路)
81 キャップ部(第1キャップ部)
81a インク受け部(第1液体受け部)
81b 接続口(第1接続口)
82 キャップ部(第2キャップ部)
82a インク受け部(第2液体受け部)
82b 接続口(第2接続口)

Claims (10)

  1. 一方向に配列された複数の第1ノズルと、前記一方向に配列され前記一方向と直交する方向に関して前記複数の第1ノズルと異なる位置に配置された複数の第2ノズルとが形成された吐出面、前記第1ノズルのそれぞれとつながり第1圧力室をそれぞれ含む複数の第1個別流路、前記第2ノズルのそれぞれとつながり第2圧力室をそれぞれ含む複数の第2個別流路、及び、前記複数の第1及び第2個別流路につながった共通流路を有する流路部材と、複数の前記第1及び第2圧力室の容積を個別に変化させることが可能な複数のアクチュエータを有するアクチュエータユニットとを含む液体吐出ヘッドと、
    前記吐出面に接触した状態で前記複数の第1ノズルを覆うことが可能な凹形状を有する第1液体受け部と、前記第1液体受け部につながる第1接続口とを有する第1キャップ部と、
    前記吐出面に接触した状態で前記複数の第2ノズルを覆うことが可能な凹形状を有する第2液体受け部と、前記第2液体受け部につながる第2接続口とを有する第2キャップ部と、
    前記第1及び第2キャップ部が前記吐出面に接触する接触状態と、前記吐出面から離れた離隔状態とを取り得るように、前記第1及び第2キャップ部と前記液体吐出ヘッドとの少なくともいずれか一方を移動させる移動機構と、
    前記複数の第1ノズル及び前記複数の第2ノズルから液体を排出させるパージ手段と、
    前記アクチュエータユニット、前記移動機構、及び、前記パージ手段を制御する制御手段とを備えており、
    前記制御手段は、
    前記移動機構を制御して前記接触状態とした後、前記パージ手段を制御し、前記複数の第1ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を前記第1液体受け部に排出させる第1パージ処理と、
    前記移動機構を制御して前記接触状態とした後、前記パージ手段を制御し、前記複数の第2ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を前記第2液体受け部に排出させる第2パージ処理とを実行し、
    前記第1パージ処理においては、前記複数の第1個別流路の流路抵抗が前記複数の第2個別流路の流路抵抗よりも小さくなるように、前記アクチュエータユニットを制御し、
    前記第2パージ処理においては、前記複数の第1個別流路の流路抵抗が前記複数の第2個別流路の流路抵抗よりも大きくなるように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記パージ手段は、吸引ポンプと、前記吸引ポンプと前記第1接続口とが連通された第1連通状態と、前記吸引ポンプと前記第2接続口とが連通された第2連通状態とを選択的にとることが可能な切換部とを有しており、
    前記制御手段は、前記第1パージ処理において、前記切換部を制御して前記第1連通状態とした後、前記吸引ポンプを制御し、前記第2パージ処理において、前記切換部を制御して前記第2連通状態とした後、前記吸引ポンプを制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記第1パージ処理において、前記複数の第1圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも大きくし前記複数の第1個別流路の流路抵抗を小さくする第1動作、及び、前記複数の第2圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも小さくし前記複数の第2個別流路の流路抵抗を大きくする第2動作の少なくともいずれか一方を行うように、前記アクチュエータユニットを制御し、
    前記第2パージ処理において、前記複数の第2圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも大きくし前記複数の第2個別流路の流路抵抗を小さくする第3動作、及び、前記複数の第1圧力室の容積を前記アクチュエータユニットが駆動されていないときよりも小さくし前記複数の第1個別流路の流路抵抗を大きくする第4動作の少なくともいずれか一方を行うように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1及び第2パージ処理において、前記アクチュエータユニットを駆動してから前記吸引ポンプを駆動するように、前記アクチュエータユニット及び前記吸引ポンプを制御することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御手段は、
    第1吸引モードと、前記第1吸引モードにおけるよりも吸引力が大きい第2吸引モードとのいずれかで前記吸引ポンプを制御することが可能であり、
    前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第1吸引モードで制御する場合、前記複数の第1及び第2ノズルのうち液体が吸引されない複数のノズルにつながり、流路抵抗を大きくする複数の個別流路の数が、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御するときよりも少なくなるように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第1吸引モードで制御する場合、前記アクチュエータユニットを制御せず、
    前記第1パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御する場合、すべての前記第2個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御し、
    前記第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御する場合、すべての前記第1個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記共通流路は、前記複数の第1個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第1流路と、前記複数の第2個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第2流路と、前記一方向に関して前記第1及び第2流路の一方側の端部同士を接続する第3流路とを有しており、
    前記制御手段は、
    前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第1吸引モードで制御する場合、前記液体が吸引されない複数のノズルのうち、前記吐出面の前記一方向に関する中央よりも前記一方側にある複数のノズルにつながる複数の個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御し、
    前記第1及び第2パージ処理において、前記吸引ポンプを前記第2吸引モードで制御する場合、前記液体が吸引されない複数のノズルにつながるすべての個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  8. 前記共通流路は、前記複数の第1個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第1流路と、前記複数の第2個別流路につながり前記一方向に沿って延在する第2流路と、前記一方向に関して前記第1及び第2流路の一方側の端部同士を接続する第3流路とを有しており、
    前記制御手段は、
    前記第1パージ処理において、前記吐出面の前記一方向に関する中央よりも前記一方側にある複数の前記第2ノズルにつながる複数の前記第2個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御し、
    前記第2パージ処理において、前記吐出面の前記一方向に関する中央よりも前記一方側にある複数の前記第1ノズルにつながる複数の前記第1個別流路の流路抵抗を大きくするように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御手段は、
    印刷指令に基づいて、前記アクチュエータユニットに所定の電圧を印加して当該アクチュエータユニットを制御し、前記複数の第1及び第2ノズルから液体を吐出させる印刷処理をさらに実行し、
    前記第1及び第2パージ処理において、前記アクチュエータユニットに前記印刷処理におけるよりも高い電圧を印加して当該アクチュエータユニットを制御することを特徴する請求項2〜8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記吸引ポンプの駆動を停止するように、前記吸引ポンプを制御するポンプ停止処理と、
    前記ポンプ停止処理において前記吸引ポンプの駆動が停止されてから所定時間だけ前記接触状態のまま待機し、その後、前記離隔状態へと変更するように、前記移動機構を制御するアンキャッピング処理とをさらに実行し、
    前記アンキャッピング処理において、前記所定時間だけ前記接触状態のまま待機している間に、前記アクチュエータユニットの駆動を停止するように、前記アクチュエータユニットを制御することを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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