JP3826841B2 - 印刷用塗被紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用塗被紙に関し、特に、白色度、不透明度に優れ、且つ褪色し難い印刷用塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷用塗被紙は一般に原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設けて製造され、塗工量や製造方式などの違いによってキャストコート紙やアート紙、コート紙、微塗工紙等に分類される。これらの印刷用塗被紙は、多色印刷物としてポスターやカタログ、パンフレット、チラシ等の商業印刷物や、書籍、雑誌等の出版物などで主に使用されている。近年、ビジュアル化、カラー化、高級化が進展し、外観や画質の良い印刷用塗被紙の需要が増大している。特に原稿の色調、例えばパソコンやゲーム機等の画面などの色調を忠実に再現することが強く要望されるようになっている。このような色調を再現するためには、印刷用塗被紙が高い白色度を有していること、白色度の長期保存性に優れていることが重要である。
【0003】
印刷用塗被紙の白色度を高める方法には、二つのアプローチがある。一つ目は、塗被層に配合する顔料に白色度の高いものを使用する方法である。白色度の高い顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、二酸化チタンなどがある。これらを多用すれば白色度の向上効果が得られるが、これらを多量に配合すると、光沢度が得られ難く、また、光沢を得るために、これら顔料を微粒化したり、アラゴナイト系針状軽質炭酸カルシウムなどを多用すると塗被層の表面強度が低下するなどの難点がある。また、表面強度を改善する目的で接着剤を増配すると、接着剤が塗被層の透明度を高め、その結果、白色度の向上効果が減少する。
二つ目は、塗被層に蛍光増白剤を配合する方法で、確かに白色度は向上するが、耐光性が劣っており、非常に褪色し易い欠点がある。特に古紙パルプや高収率パルプを配合した原紙に塗被層を設けた印刷用塗被紙の場合、この現象が顕著に見られる。さらに白色度を上げる目的で、蛍光増白剤の配合量を増やしても、蛍光増白剤の持つ色合いにより蛍光増白効果が頭打ちとなり、十分な効果が得られない。
このように従来の技術では、高白色度で褪色性に優れた印刷用塗被紙が得られていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、高白色度と高不透明度を満足させ、しかも蛍光増白剤を使用して白色度を高めた際の欠点である褪色のし易さを抑える方法について鋭意検討した。 その結果、特定の蛍光増白剤と特定量の炭酸カルシウムを組み合わせることで褪色性に優れる高白色・高不透明度の印刷用塗被紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を含有する下塗り塗被層と上塗り塗被層の少なくとも2層有する印刷用塗被紙において、下塗り塗被層と上塗り塗被層の双方に、340ないし400nmの光波長に吸収ピークを有し、且つスルホン酸基を6個有するスチルベン系蛍光増白剤を顔料成分に対し0.1重量%以上含有せしめ、かつ下塗り塗被層の顔料成分として炭酸カルシウムを50重量%以上配合し、さらに上塗り塗被層の顔料成分として炭酸カルシウムを40重量%以上配合し、上塗り塗被層(最上層)に含まれる炭酸カルシウムの50重量%以上を軽質炭酸カルシウムとしたことを特徴とする印刷用塗被紙である
なお、本発明の印刷用塗被紙は、原紙の両面に塗被層を有する塗被紙のみならず、原紙の片面のみに塗被層を有する塗被紙をも包含するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、顔料と接着剤からなる塗被層を原紙上に片面あたり層以上有する印刷用塗被紙において高白色度、高不透明度で、且つ褪色性に優れる印刷用塗被紙の開発について検討を重ねた。 その結果、塗被層に340ないし400nmの光波長に吸収ピークがあり、且つスルホン酸基を6個有するスチルベン系蛍光増白剤を含有させ、且つ塗被紙を構成する顔料成分に炭酸カルシウムを一定量以上配合することで本発明の所望の効果が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、原紙上に片面あたり少なくとも2層の塗被層を有する印刷用塗被紙においては、前記スチルベン系蛍光増白剤を下塗り塗被層(最上層に接する層)および上塗り塗被層(最上層)のいずれにも顔料成分に対し0.1重量%以上含有せしめ、下塗り塗被層の顔料成分として炭酸カルシウムを50重量%以上配合し、上塗り塗被層の顔料成分として炭酸カルシウムを40重量%以上配合することを特徴とする。
なお、炭酸カルシウムの配合量の上限は、本発明において特に限定するものでなく、塗被紙の目標品質に応じて適宜選択すればよい。しかしながら、本発明の効果を得るには、炭酸カルシウムの配合量を多くすることが望ましく、配合量の上限はグロス系塗被紙であれば80重量%以下、マット系やダル系塗被紙の場合では100重量%以下に設定されるものである。
【0008】
本発明で使用する炭酸カルシウムの種類は特に限定されるものでなく、紡錘状あるいは米粒状、針状、柱状、立方状、球状、板状などの軽質炭酸カルシウムや、湿式もしくは乾式で粉砕した重質炭酸カルシウムのいずれを用いることも可能である。しかしながら、本発明の所望の効果をより得るためには、最上塗被層に配合する炭酸カルシウムの50重量%以上、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上が紡錘状、米粒状、針状、あるいは柱状などの軽質炭酸カルシウムであることが必要である
【0009】
上記の炭酸カルシウムと共に用いて高白色度、耐褪色性を向上させることができる340ないし400nmの光波長に吸収ピークがあり、且つスルホン酸基を6個有するスチルベン系蛍光増白剤の具体例としては、例えばC.I. Fluorescent Brightner264やC.I. Fluorescent Brightner87、C.I. Fluorescent Brightner18などの4,4’−ビス(1,3,5−トリアジニルアミノ)スチルベンー2,2’−ジスルホン酸誘導体が挙げられる。なお、一般には、スルホン基はナトリウム等の塩の形で使用されるが、6個全てのスルホン基が塩である必要はない。かかる蛍光増白剤をより具体的に例示すると、2,2’−〔ビニレンビス[(3−スルホネート−4,1−フェニレン)イミノ−[6−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]〕ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)の六ナトリウム塩(C.I. Fluorescent Brightner264)の他、4,4’−ビス〔4−[3−アセチルアミノ−4−(4,8−ジスルホ−2−ナフチルアゾ)]アニリノ−6−(3−カルボキシピリジニオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−ジスルホスチルベン−ジヒドロキシドの六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−[3−〔1−(2−クロロ−5−スルホフェニル)−5−ヒドロキシ−3−メチル−4−ピラゾリルアゾ〕−4−スルホアニリノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸の六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔6−[N−(2−シアノエチル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]アミノ]−4−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸の六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔4−(ジエチルアミノ)−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸=ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、四塩、五塩又は六塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、四塩、五塩又は六塩)、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(7−フェニルアゾ−8−ヒドロキシ−2,5−ジスルホ−1−ナフチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(一塩、二塩、三塩、四塩、五塩、又は六塩)などを挙げることができる。これらの蛍光増白剤は1種類もしくは複数のものを併用することが可能である。
【0010】
本発明では、上記特定の蛍光増白剤を、各塗被層に顔料成分に対し0.1重量%以上、好ましくは0.2〜3.0重量%、より好ましくは0.3〜2.0重量%の割合で配合するものである。
炭酸カルシウムとこれらのスチルベン系蛍光増白剤を組み合わせることで本発明の所望の効果が得られる理由については必ずしも明らかではないが、かかるスチルベン系蛍光増白剤には白色度を高めるだけでなく、一部の紫外線を吸収して褪色を抑える効果を有しているが、これと一定量の炭酸カルシウムを組み合わせることで、その効果が一層高められ、炭酸カルシウムの有する高白色度、高不透明度の特性と相まって、高白色度、高不透明度で褪色性にも優れた塗被紙が得られるものと推測される。
このような効果は、古紙由来の再生パルプや、高収率パルプなどの褪色し易いパルプ成分を含有する原紙、特にこれらのパルプ成分を2重量%以上配合した原紙に本発明の塗被層を塗被したときに遺憾なく発揮され、白色度、不透明度、耐褪色性がより一層改善された印刷用塗被紙が得られる。
【0011】
本発明で使用するスチルベン系蛍光増白剤は、片面当り2層以上の塗被層を設けた塗被紙においては、最上層だけでなく、最上層以外の塗被層、所謂下塗り層にも使用すると本発明の所望とする効果をより一層発揮することができ、好ましく用いられる。そのときのスチルベン系蛍光増白剤の配合量は、顔料成分に対し0.1重量%以上、好ましくは0.2〜3.0重量%、より好ましくは0.3〜2.0重量%の範囲が望ましい。また、例えば塗被層を3層以上で構成する場合には、下塗り層と原紙との間に設けられる塗被層中にも同様にスチルベン系蛍光増白剤を配合することもできる。
最上層以外の塗被層に配合される炭酸カルシウムは、最上層のように顔料配合量が塗被紙品質へ影響し難いことから、できる限り多く配合することが望ましく、具体的には顔料成分の50重量%以上、好ましくは60〜100重量%の範囲で使用される。
【0012】
上記のスチルベン系蛍光増白剤および炭酸カルシウムの他に本発明の塗被層を構成する成分としては、例えば顔料成分としてカオリン、デラミネーテッドカオリン、タルク、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、中空有機顔料、多孔質微粒子等のプラスチックピグメント等の塗工紙製造分野で従来から使用されている各種顔料の一種以上を適宜組合わせて使用することができる。
【0013】
さらに、顔料成分と一緒に使用される接着剤としては特に限定されるものではなく、例えばカゼインや大豆蛋白等の蛋白質類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体や共重合体をカルボキシル基等の官能基含有単量体により官能基変性したアルカリ溶解性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド樹脂類、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系の接着剤、陽性化澱粉、酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用として知られる各種の接着剤が、単独あるいは併用して用いられる。
なお、接着剤の配合量は、特に限定されるものでなく、塗被紙の品質に応じて適宜調節されるものであるが、塗被層中の全顔料100重量部に対し、固形分対比で2〜50重量部、通常は5〜35重量部の範囲で調節される。
【0014】
また、塗被層中には、上述の蛍光増白剤や顔料や接着剤の他に、助剤としてポリオレフィン樹脂、脂肪酸エマルジョン、脂肪酸塩エマルジョン、ワックスエマルジョンなどの滑剤、アルカリ増粘型のアクリルエマルジョン、ポリアクリル酸塩などの保水剤、ポリアクリル酸ナトリウムやリン酸系などの分散剤、各種耐水化剤、印刷適性向上剤、消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、防腐剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0015】
本発明で使用する原紙としては、パルプに木材チップを原料とするクラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等の化学パルプ、セミケミカルパルプ、ケミメカニカルパルプ等の半化学パルプ、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、あるいは楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材繊維パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプなどを用い、これらの少なくとも1種、あるいは2種以上が適宜混合して使用される。前記の化学パルプを製造する際の漂白方法についても特に限定するものではないが、漂白工程で塩素ガスような分子状塩素を使用しないで漂白したECFパルプ、さらには二酸化塩素のような塩素系化合物をも使用しないで漂白したTCFパルプが、環境保全の観点から好ましく使用される。
この他、填料として重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ホワイトカーボン、無定形シリカ、二酸化チタン等が用いられる。
また、通常の酸性や中性抄紙用で使用される抄紙用薬品、例えば、ロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸等のサイズ剤、サイズ定着剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、耐水化剤、消泡剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、染料等が必要に応じて添加される。
上記材料を適宜混合した紙料を長網マシンや丸網マシン、長網と丸網のコンビネーションマシンあるいはツインワイヤーマシン、オントップツインワイヤーマシン等の各種抄紙機で抄紙して得られた一般に米坪30〜400g/m2程度の原紙が支持体として使用される。
【0016】
また、上記の原紙は、必要に応じてブレードメタリングサイズプレスやロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、2本ロールサイズプレス等で澱粉やポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の接着剤からなる表面処理剤を塗布したり、顔料と接着剤からなる顔料塗被組成物を予備塗工したりすることができる。また、上記の表面処理剤の他に抄紙分野で通常使用される表面サイズ剤や、消泡剤、防腐剤、増粘剤、導電剤として炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、塩化ナトリウム等の塩類等を適宜併用することも可能である。さらに、上記の表面処理剤中に前記スチルベン系蛍光増白剤を添加することも勿論可能である。
【0017】
原紙への顔料塗被層の塗工量としては、特に限定されるものではないが、片面あたり固形分として2〜50g/m2、好ましくは3〜30g/m2程度の範囲で調節することが望ましい。因みに2g/m2未満の場合には、本発明の所望とする効果が得られ難くなる。
また、塗被層を2層構成とする場合には、下塗り塗被層の塗工量を片面当り固形分として1〜30g/m2程度、好ましくは3〜20g/m の範囲で調節し、上塗り塗被層の塗工量を片面当り固形分として2〜50g/m2、好ましくは3〜30g/m2程度の範囲で調節することが望ましい。
【0018】
上記材料をもって構成される塗工液は、一般に固形分濃度を40〜70重量%程度に調製した後、通常の塗工紙製造分野で使用される公知公用の塗工装置、例えばエアーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ゲートロールコーター、サイズプレスコーター、ビルブレードコーター、あるいはブラシコーター等のコーターヘッドを1つ以上有するオンマシンあるいはオフマシンコーター、さらにはウェットキャストやリウェットキャスト、ゲル化キャスト方式のキャストコーターによって、原紙上に一層以上塗工される。
【0019】
なお、原紙上に塗被された塗被組成物の乾燥方法としては、従来から使用されている蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、高周波加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、レーザー加熱、電子線加熱等の各種乾燥方式が適宜使用できる。かくして得られた塗被紙は、必要に応じてソフトカレンダーやスーパーカレンダー等に通紙して平滑化処理をすることも可能である。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はそれらに限定されるものではない。特に断わらない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0027】
実施例
カオリン(商品名:UW−90/エンゲルハード社製)60部、重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90/ファイマテック社製)20部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS/奥多摩工業社製)20部からなる顔料成分に分散剤(商品名:アロンT−40/東亞合成社製)0.2部(固形分)を加えてコーレス分散機にて分散し、さらに接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスSN−307/日本エイアンドエル社製)10部(固形分)および酸化変性澱粉(商品名:エースA/王子コンスターチ社製)2部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−105/クラレ製)0.5部、スチルベン系蛍光増白剤(C.I.Fluorescent Brightener264、商品名:ブランコファーBSU/バイエル社製)0.2部(固形分)を加えて固形分濃度60%の上塗り用塗料組成物を得た。
また、カオリン(商品名:HT−GAS/エンゲルハード社製)20部、重質炭酸カルシウム80部からなる顔料成分に分散剤(商品名:アロンT−40/東亞合成社製)0.2部(固形分)を加えてコーレス分散機にて分散し、さらに接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスSN−307/日本エイアンドエル社製)5部(固形分)および酸化変性澱粉(商品名:エースA/王子コンスターチ社製)5部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−105/クラレ製)0.5部、スチルベン系蛍光増白剤(C.I.Fluorescent Brightener264、商品名:ブランコファーBSU/バイエル社製)0.2部(固形分)を加えて固形分濃度60%の下塗り用塗料組成物を得た。
米坪50g/m2の上質原紙の上へ下塗り用塗料組成物を片面あたり乾燥重量で9g/m2となるようにブレードコーターで両面を塗被、乾燥し、さらに、その上へ上塗り塗料組成物を片面当たり9g/m2となるように両面に塗被、乾燥した後、スーパーカレンダーで光沢度が75%となるように平滑化処理を行い、印刷用塗被紙を得た。
【0028】
実施例
実施例において、上塗り用塗料組成物の顔料成分をカオリン50部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム40部とし、スチルベン系蛍光増白剤を1.0部とし、下塗り用塗料組成物の顔料成分を重質炭酸カルシウム100部とした以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0029】
実施例
実施例において、上塗り用塗料組成物の顔料成分をカオリン40部、軽質炭酸カルシウム30部、重質炭酸カルシウム25部、プラスチックピグメント(HP−91/ロームアンドハース社製)5部とし、スチルベン系蛍光増白剤を2.5部、ポリビニルアルコールを0部とし、また、下塗り用塗料組成物の顔料成分を重質炭酸カルシウム100部、スチルベン系蛍光増白剤を2.5部とした以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0030】
実施例
実施例において、上塗り用塗料組成物の顔料成分をカオリン50部、軽質炭酸カルシウム30部、重質炭酸カルシウム20部とし、スチルベン系蛍光増白剤を1.0部とし、下塗り用塗料組成物の顔料成分を重質炭酸カルシウム100部、スチルベン系蛍光増白剤を1.0部とし、スーパーカレンダーによる平滑化処理で光沢度が35%となるように調節した以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0031】
実施例
実施例において、パルプ成分にGPを10%使用した原紙を用いたことを除いて実施例と同様の方法で印刷用塗被紙を得た。
【0038】
比較例
実施例において、スチルベン系蛍光増白剤としてスルホン酸基を4個有するスチルベン系蛍光増白剤(商品名:Z−ACN/バイエル社製)を用いた以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0039】
比較例
実施例において、スチルベン系蛍光増白剤を比較例1で使用したものへ変更した以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0040】
比較例
実施例において、スチルベン系蛍光増白剤を比較例1で使用したものへ変更した以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0041】
比較例
実施例において、スチルベン系蛍光増白剤を比較例1で使用したものへ変更した以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0042】
比較例
実施例において、スチルベン系蛍光増白剤を比較例1で使用したものへ変更した以外は実施例と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0043】
上記実施例1〜および比較例1〜で得た印刷用塗被紙を下記の方法で評価し、得られた結果を表1に示した。
〔白色度〕
印刷用塗被紙表面の白色度は、JIS P−8148(1993)に従って評価した。
〔不透明度〕
印刷用塗被紙の不透明度は、JIS P−8138(1976)に従って評価した。
〔褪色性〕
褪色性は、105℃の熱風乾燥機に印刷用塗被紙を3時間放置後の白色度を測定し、熱処理前後の白色度の差を褪色性として表した。
【0044】
【表1】
Figure 0003826841
【0045】
【発明の効果】
表1の結果から明らかなように、本発明の印刷用塗被紙は、白色度や不透明度に優れ、しかも褪色し難い塗被紙であった。

Claims (1)

  1. 原紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を含有する下塗り塗被層と上塗り塗被層の少なくとも2層を有する印刷用塗被紙において、下塗り塗被層に、340ないし400nmの光波長に吸収ピークを有し、且つスルホン酸基を6個有するスチルベン系蛍光増白剤を顔料成分に対し0.1重量%以上含有せしめ、かつ顔料成分として炭酸カルシウムを50重量%以上配合し、さらに上塗り塗被層に、前記スチルベン系蛍光増白剤を顔料成分に対し0.1重量%以上含有せしめ、かつ顔料成分として炭酸カルシウムを40重量%以上配合し、上塗り塗被層に含まれる炭酸カルシウムの50重量%以上が軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする印刷用塗被紙。
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