JP3826745B2 - コンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物及びコンデンサ装置 - Google Patents

コンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物及びコンデンサ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンタルチップ等のコンデンサ素子を封止するために用いられるコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて封止したコンデンサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサは、様々な電子機器に使用される電子部品であり、特にチップタイプのコンデンサは、小型・薄型であるため、現在多方面にわたって使用されている。そして、かかるコンデンサは、誘電体の材質によって、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、フィルムコンデンサ等に分類される。このうちタンタルコンデンサは、粉末タンタルの焼結体の表面を陽極酸化して得られるものであり、具体的には、タンタル酸化被膜(Ta25)を誘電体とし、この一方の側にタンタル(Ta)で陽極を形成すると共に他方の側に二酸化マンガン(MnO2)で陰極を形成することによって、コンデンサ素子が形成され、これを熱硬化性樹脂を主成分とする封止材を用いて封止することによって、コンデンサ装置が作製されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のコンデンサ素子の封止材としては、これまで、汎用タイプのエポキシ樹脂を含む組成物が多く使用されてきた。そして、従来はこのような封止材に対しては、種々の特性に要求される水準は高いものではなかった。
【0004】
しかし、コンデンサ装置の用途が、デジタル家電、通信機器部品、車載等の分野に拡大されるに伴い、コンデンサ装置自体の小型・薄型化などに拍車がかかり、従来の特性では満足できないようになってきた。
【0005】
すなわち、小型・薄型化を推進するにあたって、コンデンサ装置において封止材の肉厚の薄い部分では100μm程度にしなければならない場合があり、封止材に対して、成形性、耐湿性、吸湿後リフロー時耐クラック性などの特性については厳しい要求がされるに至った。
【0006】
一方、コンデンサ素子の陰極材料を、従来の二酸化マンガン(MnO2)から導電率が約100倍の導電性高分子に代えることにより、低インピーダンスの実現が可能となる、いわゆる機能性高分子コンデンサが開発されている。しかし、かかるコンデンサにあっては、陰極の導電性高分子は、非常に柔らかいものであって外的要因の影響を受け易いため、つまり、ストレスを受け易いため、傷付いたり変形したりしてコンデンサの特性が低下するという問題が生じる。従って、封止材に対しては、その特性の点でさらに厳しい要求がされるものである。
【0007】
また、コンデンサ装置をプリント配線板などに実装する際に使用される半田としては、環境問題に配慮する観点から、最近では鉛を含まない、いわゆる鉛フリー半田が使用されている。ところが、鉛フリー半田を使用すると、通常の半田よりもリフロー温度が上昇する場合があるため、コンデンサ素子を封止する封止材に対しては、耐湿性や吸湿後のリフロー時耐クラック性のさらなる向上が要求されるものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形性、耐湿性、吸湿後リフロー時耐クラック性に優れていると共に、コンデンサの特性を高く得ることができるコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物及びコンデンサ装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と充填材を含有するコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物において、充填材として、全充填材の70質量%以上が球状シリカであり、粒径64μm以上の充填材が全充填材の5質量%以下で、粒径100μm以上の充填材が全充填材の0.1質量%以下であるものを用いると共に、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が10Pa・s以下であることを特徴とするものである。
また請求項1の発明は、エポキシ樹脂として、下記の式(1)で示されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用いて成ることを特徴とするものである。
【化3】
Figure 0003826745
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1において、硬化物の線膨張係数が1.2×10-5/℃以下であることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3の発明は、エポキシ樹脂と充填材を含有するコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物において、充填材として、全充填材の90質量%以上が球状シリカであり、粒径64μm以上の充填材が全充填材の5質量%以下で、粒径100μm以上の充填材が全充填材の0.1質量%以下であるものを用いると共に、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が5Pa・s以下であり、かつ、硬化物の線膨張係数が1.2×10-5/℃以下であることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項の発明は、エポキシ樹脂として、下記の式(1)で示されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0013】
【化4】
Figure 0003826745
【0014】
また請求項に係るコンデンサ装置は、請求項1乃至のいずれかに記載のコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物を用いてコンデンサ素子を封止して成ることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
本発明においてコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物(以下、単に「エポキシ樹脂組成物」ともいう)を調製するためのエポキシ樹脂としては、例えば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの各種多官能エポキシ樹脂を用いることができる。
【0017】
ただし、エポキシ樹脂として、上記の式(1)で示されるエポキシ樹脂を、すなわち、式(1)で示される骨格を有するエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用いる。このようにすると、コンデンサ素子に対するエポキシ樹脂組成物の接着力が増大して密着性を高く得ることができると共に、エポキシ樹脂組成物の吸湿率を低減させることができ、リフロー加熱の際のクラック発生を防止することができるものである。さらに、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させて成形性を向上させる利点もある。ここで、エポキシ樹脂の全体が、式(1)で示されるエポキシ樹脂のみで占められていてもよい。一方、式(1)で示されるエポキシ樹脂の配合量が50質量%未満であると、密着性を高く得たり吸湿率を低減させたりすることができない場合があり、耐湿性が低下するおそれがある。
【0018】
また、本発明において充填材としては、以下のようなものを用いる必要がある。すなわち、充填材全量に対して70質量%以上が球状シリカであるものを用いる必要がある。このように、充填材の大部分が、歪な形状を有するものではなく球体に近いもので占められていると、特にいわゆる機能性高分子コンデンサにおいて、陰極の導電性高分子に与えるストレスを低減することができて、コンデンサ素子のESR(等価直列抵抗)が大きく変動するなどの悪影響が出るのを防止することができるものである。ここに、ESR(等価直列抵抗)とは、コンデンサ装置が充電と放電を繰り返す際の電気の出し入れ易さを示す目安となるものであり、小さい程良好である。また、球状シリカを採用することにより、流動性が確保されて成形性を高めることができると共に、後述する線膨張係数(α1)の低減が可能となり、耐湿性や吸湿後リフロー時耐クラック性を高めることができるものである。逆に、球状シリカの配合量が充填材全量に対して70質量%未満であると、コンデンサ装置のESR(等価直列抵抗)が大きくなり、充放電を繰り返す際に発熱量が増大するものである。好ましくは、充填材としては、充填材全量に対して90質量%以上が球状シリカであるものを用いるのがよい。このようにすると、ESR(等価直列抵抗)を著しく小さくすることができて、高周波数化に対応するのが容易となる。ここで、充填材の全体が、球状シリカのみで占められていてもよい。なお、球状シリカ以外のシリカとしては、例えば、破砕シリカがある。
【0019】
さらに、本発明の充填材としては、上記の条件に加えて、以下のような粒度分布を有するものを用いる必要がある。すなわち、充填材の全量に対して、粒径64μm以上の充填材が5質量%以下存在し、かつ、粒径100μm以上の充填材が0.1質量%以下存在するような粒度分布を有することが必要である。かかる粒度分布を有する充填材を用いると、コンデンサ装置のESR(等価直列抵抗)を小さくして高周波数化に容易に対応することができると共に、LC(Leakage Current:漏れ電流)を小さくして信頼性を向上することができるものである。しかし、粒径64μm以上の充填材が5.0質量%を超えて存在すると、上記のようなコンデンサ装置の特性を良好に得るのが不可能となるものである。しかも、粒径64μm以上の充填材が5.0質量%以下存在しても、粒径100μm以上の充填材が0.1質量%を超えて存在すると、上記のようなコンデンサ装置の特性を良好に得るのが不可能となるものである。なお、本発明において、粒径64μm以上の充填材の含有率の実質上の下限は0質量%であり、このため、粒径100μm以上の充填材の含有率の実質上の下限も0質量%となる。
【0020】
そして、上述したような条件を満たすものであれば、充填材としては、特に限定されるものではないが、例えば、後述する線膨張係数(α1)を低減するのに最も効果的であるという理由から、溶融シリカを用いるのが好ましい。また、充填材の配合量は、エポキシ樹脂組成物全量に対して70〜90質量%であることが好ましい。
【0021】
本発明に係るコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂及び充填材を含有するものであるが、必要に応じて以下のような成分を配合することもできる。
【0022】
すなわち硬化剤として、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等の各種多価フェノール化合物を用いることができる。
【0023】
また硬化助剤として、リン系、イミダゾール系、アミン系のもの等を用いることができる。
【0024】
また離型材として、カルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン等を用いることができる。
【0025】
さらに上記の成分の他に、シランカップリング剤、難燃剤、シリコーン可撓性付与剤等を添加することもできる。
【0026】
本発明に係るコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂及び充填材を配合し、さらに必要に応じてその他の成分を配合し、これをミキサーやブレンダー等で均一に混合した後に、ニーダーやロールで加熱混練することによって調製することができるものである。また、この混練物を必要に応じて冷却固化し、粉砕して粉状等にして使用するようにしてもよい。
【0027】
上記のようにして調製したエポキシ樹脂組成物にあって、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度は10Pa・s以下である。ここに、高化式フローテスターとは、加熱シリンダー内に入れた試験材料を一定荷重をかけたプランジャーでオリフィスから押し出し、このときのプランジャーの降下速度を拡大記録する定荷重式オリフィス押出し型フローテスターの一種であり、高分子学会の提案によるものをいう。そして、エポキシ樹脂組成物は、コンデンサ素子を封止する際に、コンデンサ素子の表面を流動するが、成形温度に略等しい温度(175℃)における溶融粘度が上記のように10Pa・sと低ければ、このエポキシ樹脂組成物がコンデンサ素子に与える影響、例えば、上述した機能性高分子コンデンサにおいて、非常に柔らかい導電性高分子で形成された陰極に与えるストレスを低減することができるものである。従って、コンデンサ素子のESR(等価直列抵抗)やLC(漏れ電流)などの特性を損なうことなく、コンデンサ装置を作製することができる。しかし、175℃における溶融粘度が10Pa・sを超えると、流動性が悪化して成形性が低下するものであり、また流動促進のために注入圧力を上げると、これによってコンデンサ素子に与える影響が増大し、作製されるコンデンサ装置の特性が低下してしまうものである。
【0028】
好ましくは、エポキシ樹脂組成物にあって、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度は5Pa・s以下である。かかるエポキシ樹脂組成物を用いると、流動性が極めて良好となるため、成形性を高く得ることができると共に、コンデンサ素子に与える影響を著しく低下させることができるものであり、より確実にコンデンサ装置の特性劣化を防止し、信頼性を高く得ることができるものである。なお、175℃における溶融粘度の実質上の下限は1Pa・sである。
【0029】
さらに、上記のエポキシ樹脂組成物にあって、硬化物の線膨張係数(α1)は1.2×10-5/℃以下であるのが好ましい。この理由は、コンデンサ素子の表面を覆うエポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させたり、リフロー加熱によってコンデンサ装置をプリント配線板などに実装したりする際に、エポキシ樹脂組成物の成形収縮によってコンデンサ素子の表面に作用する剪断応力などのストレスを低減することができるためである。従って、コンデンサ素子が傷を受けたり変形したりすることがなくなり、ESR(等価直列抵抗)やLC(漏れ電流)などの電気的な特性の劣化を防止し、信頼性の高いコンデンサ装置を得ることができるものである。しかし、硬化物の線膨張係数(α1)が1.2×10-5/℃を超えるものは、耐湿性や吸湿後リフロー時耐クラック性が低下するおそれがある。ちなみに、硬化物の線膨張係数(α1)が1.2×10-5/℃以下であっても、上述した球状シリカが充填材全量に対して90質量%未満であれば、175℃における溶融粘度を5Pa・sにするのは困難となる。また、硬化物の線膨張係数(α1)は、エポキシ樹脂組成物における充填材の配合量を増加させたり、充填材の形状を球体に近付けたりすることによって、可能な限り小さくするのが好ましいが、実質上の下限は0.8×10-5/℃である。
【0030】
そして、上記のエポキシ樹脂組成物を用いてコンデンサ素子を封止成形することによって、コンデンサ装置を作製することができる。例えば、タンタル酸化被膜(Ta25)を誘電体としたコンデンサ素子をトランスファー成形金型にセットし、トランスファー成形を行うことによって、コンデンサ素子をエポキシ樹脂組成物による成形品(パッケージ)に封止したコンデンサ装置を作製することができるものである。しかも、本発明に係るコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物は、一方の電極が柔らかい導電性高分子で形成された、いわゆる機能性高分子コンデンサを作製するにあたって、特に好適に用いることができるものである。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0032】
エポキシ樹脂として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である住友化学工業(株)製「EOCN195XL−3」及び「EOCN195XL−15」、式(1)で示されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂である日本化薬(株)製「XD1000−2L」、ビフェニル型エポキシ樹脂である油化シェルエポキシ(株)製「YX−4000H」を用いた。
【0033】
また硬化剤として、フェノールノボラック樹脂である明和化成(株)製「H−4」及び三井化学(株)製「VR9305」を用いた。
【0034】
また難燃剤として、ブロム化エポキシ樹脂である住友化学工業(株)製「ESB400T」及び三酸化アンチモンを用いた。
【0035】
また離型材として、カルナバワックスを用い、着色剤として、カーボンブラックを用い、硬化助剤として、2−フェニルイミダゾール(2PZ)を用いた。
【0036】
そして充填材として、表1に示すものを用いた。すなわち、破砕シリカである(株)龍森製「MCF−200」((B)とする)、(株)龍森製「ZA−30」((D)とする)及び(株)龍森製「RD−8」((E)とする)と、球状シリカである電気化学工業(株)製「FB−60」((A)とする)及び電気化学工業(株)製「FB−875FC」((C)とする)を用いた。いずれのシリカもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで処理して用いた。
【0037】
【表1】
Figure 0003826745
【0038】
次に、各成分を表2に示す配合量で配合し、これをブレンダーで3分間混合して均一化した後、100℃に加熱したロールで10分間混練し、冷却後、粉砕機で所定粒度に粉砕して、コンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物からなる粒状の成形材料を得た。
【0039】
このようにして得た実施例1〜及び比較例1〜11の成形材料について、175℃でのゲルタイム、スパイラルフロー及び溶融粘度を測定した。溶融粘度の測定には高化式フローテスターを用いた。結果を表2に示す。
【0040】
(線膨張係数(α1))
上記の実施例1〜及び比較例1〜11の成形材料を用いてトランスファー成形した。成形条件は、成形温度175±5℃、注入スピード8秒、注入圧力7MPa、キュアータイム90秒であり、成形後に175℃で6時間アフターキュアーすることによって、大きさ(直径5mm、高さ30mmの円柱)の成形品を得た。この成形品の線膨張係数(α1)をディラトメーターにて測定した。結果を表2に示す。
【0041】
(吸湿率)
線膨張係数(α1)の場合と同様にして成形品を得た。そして、この成形品を温度85℃、湿度85%RHの雰囲気に72時間放置した後、吸湿率を測定した。結果を表2に示す。
【0042】
(プリン密着性)
実施例1〜及び比較例1〜11の成形材料について以下のようにして密着性を評価した。すなわち、上記の成形材料を用いて、成形温度175±5℃、注入スピード8秒、注入圧力7MPa、キュアータイム90秒として、25mm角の銅(Cu)製の平板2上に、直径11.3mm、高さ10.0mmのプリン型成形品1をトランスファー成形により図1のように作製した。成形後に175℃で6時間アフターキュアーした。そして、このプリン型成形品1と平板2との剪断密着強度を測定した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003826745
【0044】
(LC特性及びESR特性)
陰極をMnOで形成したタンタルチップを実施例1〜及び比較例1〜11の成形材料を用いて封止し、電気特性評価用のタンタルチップコンデンサのパッケージを得た。一方、陰極を導電性高分子で形成したタンタルチップを上記の成形材料を用いて封止し、電気特性評価用の機能性高分子タンタルチップコンデンサのパッケージを得た。そして、それぞれのパッケージについて、JIS C 5101−1に基づいてLC特性とESR特性の試験を行った。判定基準を以下のようにして結果を表3に示す。
「○」…規格内で変動少ない
「△」…規格内で変動大きい
「×」…規格外で変動大きい
(耐リフロー性)
実施例1〜及び比較例1〜11の成形材料を用いて、外形15mm×19mm×厚み2.4mmの80ピンQFP用の金型にトランスファー成形した。成形条件は、成形温度175±5℃、注入スピード8秒、注入圧力7MPa、キュアータイム90秒であり、成形後に175℃で6時間アフターキュアーすることによって、性能評価用のパッケージを得た。
【0045】
このパッケージを温度85℃、湿度85%RHの雰囲気に168時間放置して吸湿させた後、IRリフロー(EIAJ規格)を行い、パッケージクラックの有無を観察した。表3において分母に観察したパッケージの個数を、分子にクラックが発生したパッケージの個数を示す。
【0046】
(耐湿信頼性)
上記のリフロー処理したパッケージを温度133℃、湿度100%RHの雰囲気に500時間放置した後、オープン不良の発生を検査した。表3において分母に検査したパッケージの個数を、分子にオープン不良が発生したパッケージの個数を示す。
【0047】
【表3】
Figure 0003826745
【0048】
表2及び表3にみられるように、各実施例のものは概ね、成形性、耐湿性、吸湿後リフロー時耐クラック性に優れていることが確認される。コンデンサの特性に関しては全ての実施例について優れた評価が得られた。
【0049】
これに対し、比較例1,3,4のものは所定の粒度分布を有する球状シリカが配合されておらず、また、比較例2のものは溶融粘度が高すぎ、さらに、いずれの比較例のものも線膨張係数(α1)が大き過ぎるので、コンデンサ装置の特性を高く得られないことが確認される。
【0050】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と充填材を含有するコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物において、充填材として、全充填材の70質量%以上が球状シリカであり、粒径64μm以上の充填材が全充填材の5質量%以下で、粒径100μm以上の充填材が全充填材の0.1質量%以下であるものを用いると共に、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が10Pa・s以下であるので、流動性が確保されて成形性を高めることができ、封止成形時においてコンデンサ素子に与える影響を低減し、コンデンサ素子の特性を損なうことがなくなると共に、耐湿性や吸湿後リフロー時耐クラック性に優れたコンデンサ装置を作製することができるものである。
また請求項1の発明は、エポキシ樹脂として、上記の式(1)で示されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用いているので、エポキシ樹脂組成物の接着力が増大して密着性を高く得ることができると共に、エポキシ樹脂組成物の吸湿率を低減させることができ、リフロー加熱の際のクラック発生を防止することができるものである。
【0051】
また請求項2の発明は、線膨張係数が1.2×10-5/℃以下であるので、エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させる際に、成形収縮によってコンデンサ素子の表面に作用する剪断応力などのストレスを低減することができ、コンデンサ素子の電気的な特性の劣化を防止し、信頼性の高いコンデンサ装置を得ることができるものである。
【0052】
また請求項3の発明は、エポキシ樹脂と充填材を含有するコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物において、充填材として、全充填材の90質量%以上が球状シリカであり、粒径64μm以上の充填材が全充填材の5質量%以下で、粒径100μm以上の充填材が全充填材の0.1質量%以下であるものを用いると共に、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が5Pa・s以下であり、かつ、線膨張係数が1.2×10-5/℃以下であるので、流動性が確保されて成形性を高めることができ、封止成形時においてコンデンサ素子に与える影響を低減し、コンデンサ素子の特性劣化を防止することができるのはもちろん、エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させる際に、成形収縮によってコンデンサ素子の表面に作用する剪断応力などのストレスを低減することができ、耐湿性や吸湿後リフロー時耐クラック性に優れた信頼性の高いコンデンサ装置を一層確実に得ることができるものである。
【0053】
また請求項の発明は、エポキシ樹脂として、上記の式(1)で示されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用いているので、エポキシ樹脂組成物の接着力が増大して密着性を高く得ることができると共に、エポキシ樹脂組成物の吸湿率を低減させることができ、リフロー加熱の際のクラック発生を防止することができるものである。
【0054】
また請求項に係るコンデンサ装置は、請求項1乃至のいずれかに記載のコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物を用いてコンデンサ素子を封止しているので、ESR(等価直列抵抗)やLC(漏れ電流)などの電気的な特性に優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】密着性を評価するためのプリン型成形品を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂と充填材を含有するコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として、下記の式(1)で示されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用い、充填材として、全充填材の70質量%以上が球状シリカであり、粒径64μm以上の充填材が全充填材の5質量%以下で、粒径100μm以上の充填材が全充填材の0.1質量%以下であるものを用いると共に、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が10Pa・s以下であることを特徴とするコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003826745
  2. 硬化物の線膨張係数が1.2×10−5/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂と充填材を含有するコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として、下記の式(1)で示されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対して50質量%以上含有したものを用い、充填材として、全充填材の90質量%以上が球状シリカであり、粒径64μm以上の充填材が全充填材の5質量%以下で、粒径100μm以上の充填材が全充填材の0.1質量%以下であるものを用いると共に、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が5Pa・s以下であり、かつ、硬化物の線膨張係数が1.2×10−5/℃以下であることを特徴とするコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003826745
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物を用いてコンデンサ素子を封止して成ることを特徴とするコンデンサ装置。
JP2001226688A 2001-07-26 2001-07-26 コンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物及びコンデンサ装置 Expired - Fee Related JP3826745B2 (ja)

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