JP2005072399A - アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材 - Google Patents

アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005072399A
JP2005072399A JP2003302208A JP2003302208A JP2005072399A JP 2005072399 A JP2005072399 A JP 2005072399A JP 2003302208 A JP2003302208 A JP 2003302208A JP 2003302208 A JP2003302208 A JP 2003302208A JP 2005072399 A JP2005072399 A JP 2005072399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic capacitor
aluminum electrolytic
linear expansion
epoxy resin
sealing material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003302208A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuzo Hara
竜三 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2003302208A priority Critical patent/JP2005072399A/ja
Publication of JP2005072399A publication Critical patent/JP2005072399A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 成形時の熱履歴によるストレス等の外的要因の影響を低減するとともに吸湿率等の他の特性を維持したアルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材を提供する。
【解決手段】 アルミ電解コンデンサ装置は、アルミ電解コンデンサ素子をエポキシ樹脂封止材で封止成形して形成される。前記封止材はエポキシ樹脂組成物と無機充填材とを当該無機充填材の含有率が前記封止材全体の73wt%以上となるよう含有している。前記無機充填材の40%以上は0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xであり、樹脂硬化後の前記封止材の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)である。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサの封止用に用いられるエポキシ樹脂封止材に関するものである。
コンデンサは、様々な電子機器に使用される電子部品であり、誘電体の材質によってセラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、フィルムコンデンサ等に分類される。一般にコンデンサは熱硬化樹脂を主成分とする封止材を用いて封止成形することで素子部分が保護されている。この封止材としては、エポキシ樹脂組成物にシリカ等の無機充填材を高充填で分散させたものが一般に用いられている。近年、コンデンサの用途はデジタル家電、通信機器部品、車載等の分野に拡大されてきており、それに伴いコンデンサは小型化・薄型化されてきている。そして、かかるコンデンサの小型化・薄型化が進むにつれてコンデンサの素子部分を保護する封止材の特性に対してもより高い性能が要求されるようになってきており、この要求に応えるべく封止材の開発が鋭意行われてきた。
例えば、先行技術として特開2003−41095号公報には、成形性、耐湿性、吸湿後リフロー時耐クラック性に優れていると共に、コンデンサの特性を高く得ることができるコンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物が提案されている。このものでは比較的粒径の小さい球状シリカを充填材として用いて封止材の溶融粘度を小さくすることで成形性を高め、封止成形時においてコンデンサ素子に与える影響を低減している。また、封止材硬化物の線膨張係数を1.2×10-5(/℃)以下まで小さくすることで成形時の熱履歴に伴う膨張・収縮を抑え、コンデンサの素子表面に作用するストレスを低減している。このストレスが存在するとクラック等が発生しやすくなるなどしてコンデンサ特性に悪影響を及ぼすからである。
ところで、コンデンサの分類の一つとしてアルミ電解コンデンサがある。このアルミ電解コンデンサは、他のコンデンサと比較して静電容量が大きくとれると共に比較的安価である等の長所があるが、電極箔にアルミニウム(線膨張係数:2.3×10-5/℃)を採用しているため、これに依存してコンデンサ素子の線膨張係数は他のコンデンサと比べて大きい。従来、成形時の熱履歴に伴うストレスを低減するためには封止材硬化物の線膨張係数を出来るだけ小さくすることが一般に良いとされてきたが、このアルミ電解コンデンサの用途に限ってはコンデンサ素子の線膨張係数が比較的大きいという事情から、封止材硬化物の線膨張係数を出来るだけ小さくすることが必ずしも成形時の熱履歴に伴うストレスを低減することにならない、ということを本願発明者は見出した。すなわち、封止材硬化物の線膨張係数をアルミニウムの線膨張係数(2.3×10-5/℃)を大きく下回るまで小さくし過ぎると、コンデンサ素子と封止材との線膨張係数のギャップが逆に大きくなってしまうからである。
従来、コンデンサ封止用の封止材では充填材としてシリカを用いるのが一般的であったが、シリカの線膨張係数は非常に小さいため(例えば溶融シリカの線膨張係数は0.05×10-5/℃)、従来の配合系の封止材ではシリカ充填材を高含有率(封止材全体に対して70wt%を超える含有率)にすると封止材全体の線膨張係数が下がりすぎてしまう傾向にある。一方、シリカ充填材の含有率を低くすることで封止材全体の線膨張係数を適切な大きさに調整可能だが、その分、樹脂比率が多くなって吸湿率が大きくなり好ましくない。従って、アルミ電解コンデンサの用途においてこれら特性の両立を図ることが望まれる。
更に近年では、アルミ電解コンデンサにおいて陰極材料に導電性高分子を使用したタイプのものが用いられるようになってきているが、この導電性高分子を使用したタイプは素子が非常に柔らかいものであるため、成形時の熱履歴によるストレス等の外的要因の影響を受けやすい。また、最近では環境問題に配慮する観点から、鉛を含まない、いわゆる鉛フリー半田が使用されているが、鉛フリー半田は通常の半田よりもリフロー温度が上昇する場合があるため、コンデンサをプリント配線板などに実装する際における熱履歴の影響も大きくなる傾向にある。これらの観点からも、アルミ電解コンデンサの用途において成形時の熱履歴によるストレス等の外的要因の影響を低減することが望まれる。
特開2003−41095号公報
本願発明は、前記背景技術の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形時の熱履歴によるストレス等の外的要因の影響を低減するとともに吸湿率等の他の特性を維持したアルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明では以下の構成を備えたアルミ電解コンデンサ装置を提供する。すなわち、本発明に係るアルミ電解コンデンサ装置は、アルミ電解コンデンサ素子をエポキシ樹脂封止材で封止成形して形成される。前記封止材はエポキシ樹脂組成物と無機充填材とを当該無機充填材の含有率が前記封止材全体の73wt%以上となるよう含有している。前記無機充填材の40%以上は0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xであり、樹脂硬化後の前記封止材の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)である。
また前記課題を解決するために、本発明では以下の構成を備えたアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材も提供する。すなわち、本発明に係るエポキシ樹脂封止材は、アルミ電解コンデンサ素子を封止成形するのに用いられる封止材であって、エポキシ樹脂組成物と無機充填材とを当該無機充填材の含有率が当該封止材全体の73wt%以上となるよう含有している。前記無機充填材の40%以上は0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xであり、樹脂硬化後の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)となるよう調製されている。
本発明に係るアルミ電解コンデンサ装置によると、前記封止材において前記無機充填材が前記封止材全体の73wt%以上という高い含有率であることから、十分低いレベルの吸湿率特性を達成できる。しかも前記封止材はこの様に前記無機充填材が高い含有率であるにかかわらず、前記無機充填材の40%以上において0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xを用いていることで、樹脂硬化後の前記封止材の線膨張係数を2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)というようにアルミニウムの線膨張係数(2.3×10-5/℃)に近い値としている。これにより、前記アルミ電解コンデンサ素子と封止材硬化物との線膨張係数の差が小さくなり、封止成形時や半田リフロー等の熱履歴による膨張・収縮に起因したストレス等の外部要因の影響が低減される。
また、本発明に係るアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材によると、前記無機充填材が前記封止材全体の73wt%以上という高い含有率であることから、当該封止材を用いて封止成形して得られたコンデンサ装置では十分低いレベルの吸湿率特性を達成できる。しかも当該封止材はこの様に前記無機充填材が高い含有率であるにかかわらず、前記無機充填材の40%以上において0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xを用いていることで、樹脂硬化後の前記封止材の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)というようにアルミニウムの線膨張係数(2.3×10-5/℃)に近い値になるよう調製しているので、当該封止材を用いて封止成形して得られたアルミ電解コンデンサ装置では、コンデンサ素子と封止材硬化物との線膨張係数の差が小さくてすみ、封止成形時や半田リフロー等の熱履歴による膨張・収縮に起因したストレス等の外部要因の影響を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は当該実施形態において説明する封止材を用いて作成されたアルミ電解コンデンサ装置の一例を示している。図示の如く、この例ではアルミ電解コンデンサ素子1は素子本体11とこの素子本体11の端面から延出した2本のリード12から構成されており、リード12が外部に突き出るようにして素子本体11の表面をエポキシ樹脂封止材2の硬化物が被覆している。このコンデンサ装置においては、エポキシ樹脂封止材2を用いて封止成形する際、或いはリード12をプリント基板等に実装する際に加熱下に置かれることになるため、このときの熱履歴によりアルミ電解コンデンサ素子1及びそれを被覆する封止材2の硬化物には膨張・収縮するが、下記に詳述するよう、エポキシ樹脂封止材2は硬化物の線膨張係数をコンデンサ素子1のそれに近い値となるよう設計しているので、両者の線膨張係数の差は小さくなり、ストレス等の外部要因の影響を低減できるものとなっている。なお、ここではリードタイプのアルミ電解コンデンサ装置を例示したが、本発明は特定のコンデンサの実装形式に限定されず、例えば面実装タイプのコンデンサ装置等にも適用できる。
当該実施形態において用いられるエポキシ樹脂封止材について説明する。当該エポキシ樹脂封止材は、エポキシ樹脂組成物と無機充填材とを当該無機充填材が高含有率となるよう配合調製し、分散混合させることで得られる。
まず前記エポキシ樹脂組成物について説明する。当該エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤を主成分として、必要に応じて適宜、硬化促進剤(硬化助剤)、離型剤、難燃剤、着色剤、カップリング剤等を加えて配合調整される。ここで使用されるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂などの各種多官能エポキシ樹脂を用いることができる。また硬化剤としては、特に限定されず上記エポキシ樹脂の硬化剤として公知のものが使用でき、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等の各種多価フェノール化合物を用いることができる。
また硬化促進剤としては、リン系、イミダゾール系、アミン系のもの等を用いることができる。また離型材として、カルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン等を用いることができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤等を利用できる。難燃剤としては、ブロム化エポキシや三酸化アンチモン等のように公知のものが使用できる。その他、カーボンブラック等の着色剤やシリコーン可撓性付与剤等を必要に応じて使用しても良い。
つぎに前記無機充填剤について説明する。該実施形態において、前記無機充填剤は前記封止材中に該封止材全体に対して73wt%以上の高い含有率となるよう前記エポキシ樹脂組成物と配合される。このように前記無機充填剤を73wt%以上の高含有率とすることで、前記封止材中における樹脂成分比率が小さくなるため当該封止材の封止成形品における吸湿率を十分低いレベルに抑えることができる。また、このように前記無機充填剤を高含有率とすることで当該封止材の硬化物における線膨張係数を低減させるのに前記無機充填材が果たす寄与度が大きくなるため、後で詳述する充填材Xを使用することによって前記封止材硬化物の線膨張係数をアルミニウムのそれに近い範囲(2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃))に調製し易くなる。これに対して前記無機充填剤の含有量が73wt%未満の場合、吸湿率が大きく且つ線膨張係数が大きいエポキシ樹脂成分の比率が大きくなるため、成形品における吸湿率が大きくなるとともに、前記封止材硬化物の線膨張係数も十分低いレベルまで低減させ難くなる。なお、前記無機充填剤の含有率の上限は特に厳密に制約されるものではないが、あまり多すぎると前記封止材の溶融粘度が上昇して成形性を低下させるので、良好な成形性が得られる範囲内でその上限を設けると良い。この上限の目安としては封止材全体に対して90wt%あたりが好ましい。
前記無機充填材は、その配合量を100としたときの重量比率において40%以上は0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xが使用される。但し、この充填材Xの配合量は、前記封止材の硬化後の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)となるよう適宜調製されなければならない。その際、前記無機充填材として、前記充填材X以外の他の充填材と併用する場合には、それら併用系において前記無機充填材が前記封止材に配合したときにどの程度まで線膨張係数を低減させるかをある程度想定しながら、調製を行うと良い。前記充填材Xとしては、例えばアルミナ(線膨張係数0.8×10-5/℃)や窒化珪素Si34(線膨張係数0.3×10-5/℃)等が好ましく使用できる。
前記無機充填材として前記充填材X以外の他の充填材と併用する場合、他の充填材は充填材Xよりも線膨張係数が小さいものを使用するのが好ましく、例えば結晶シリカや溶融シリカといったシリカ充填材を用いると良い。シリカはその線膨張係数が非常に小さいので、シリカと充填材Xとを組み合わせて用いると、両者の配合比率を適宜調製すれば、シリカに前記封止材全体の線膨張係数をある程度低いレベルまで低減させるのに先導的な役割を果たさせる一方、充填材Xによって過度に線膨張係数が低減するのを防止するとともにアルミニウムの線膨張係数に近い範囲(2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃))に導く役割を果たさせることができる。
このように該実施形態では、前記エポキシ樹脂封止材において73wt%以上という高い含有率で前記無機充填材を用いると共に、当該無機充填材の40%以上を線膨張係数が0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の充填材Xとしていることで、前記封止材の硬化後のものについて低吸湿性を実現すると同時にアルミニウムの線膨張係数に近づけたものとすることができる。ここで、前記無機充填材に含有させる充填材の種類として、充填材Xの代わりに当該充填材Xよりも大きい線膨張係数(α1>0.9×10-5/℃)を有する充填材を使用すると、同配合量で比較したとき前記封止材全体の線膨張係数が大きくなってしまうので、前記無機充填材を配合総量を増やすのに制約とになり、前記無機充填材を高含有率化する観点から好ましくない。一方、充填材Xの代わりに線膨張係数が0.2×10-5/℃未満の充填材を用いると、前記無機充填材を高い含有率で使用するとき前記封止材全体の線膨張係数を下げすぎてしまうことになり、これを避けようとすると前記無機充填材の含有率が制約を受けることになるので好ましくない。このように充填材Xは無機充填材を73wt%以上の高含有率とする条件下において前記封止材全体の線膨張係数をアルミニウムの線膨張係数近くに設計するのに、非常に大きな自由度が確保できるものである。
該実施形態においては、上述の如く前記エポキシ樹脂封止材の硬化後の線膨張係数が(2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃))の範囲となるよう各配合材料の配合量が適宜設計される。そして前記封止材の硬化後の線膨張係数がこの範囲内であれば、アルミ電解コンデンサ素子を当該封止材で封止成形したとき、コンデンサ素子と封止材硬化物の線膨張係数の差が小さくて済むため、封止成形時や半田リフロー時の熱履歴のよるストレス発生を良好なレベルまで低減できる。したがって、このストレスに起因すると思われるコンデンサ素子のESR(等価直列抵抗)特性の悪化やLC(LeakageCurrent:漏れ電流)特性の悪化を防止できる。すなわち、アルミ電解コンデンサ素子の表面を覆うエポキシ樹脂封止材を加熱して硬化させたりリフロー加熱によってアルミ電解コンデンサ装置をプリント配線板などに実装したりする際に、エポキシ樹脂封止材の成形収縮によってコンデンサ素子の表面に作用する剪断応力などのストレスを低減することができるためである。従って、コンデンサ素子が傷を受けたり変形したり
することがなくなり、ESR (等価直列抵抗)やLC(漏れ電流)などの電気的な特性の劣化を防止し、信頼性の高いコンデンサ装置を得ることができるものである。特に、アルミ電解コンデンサ素子が、電極が柔らかい導電性高分子で形成された、いわゆる機能性高分子コンデンサである場合、非常に柔らかい導電性高分子の陰極に与えるストレスを低減することができるので有用である。なお、ESR (等価直列抵抗)とは、コンデンサ装置が充電と放電を繰り返す際の電気の出し入れ易さを示す目安となるものであり、小さい程良好である。またLCを小さくすると信頼性を向上することができるものである。これに対し、封止材硬化後の線膨張係数は前記範囲外(2.0×10-5/℃未満または3.0×10-5/℃より大)の場合、ESR特性やLC特性に悪影響が出る恐れがあるため好ましくない。
該実施形態において前記エポキシ樹脂封止材を配合調製する方法としては、前記エポキシ樹脂組成物の配合材料と前記無機充填材とをミキサーやブレンダー等で均一に混合した後に、ニーダーやロールで加熱混練することによって調製する方法があげられる。この混練物は必要に応じて冷却固化し、粉砕して粉状等にして使用するようにしてもよい。
そして、前記のように調製したエポキシ樹脂封止材組成物を用いてアルミ電解コンデンサ素子を封止成形することによって、アルミ電解コンデンサ装置を作製することができる。エイ系方法の一例を挙げると、コンデンサ素子をトランスファー成形金型にセットし、トランスファー成形を行うことによって、コンデンサ素子をエポキシ樹脂封止材による成形品(パッケージ)に封止したコンデンサ装置を作製することができるものである。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明する。まず当該実施例において使用した配合材料について説明する。
エポキシ樹脂として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である住友化学工業(株)製「EOCN195XL−3」及び「EOCN195XL−15」を用いた。また硬化剤として、フェノールノボラック樹脂である明和化成(株)製「H−4」を用いた。また難燃剤として、ブロム化エポキシ樹脂である住友化学工業(株)製「ESB400T 」及び三酸化アンチモンを用いた。また離型材としてカルナバワックスを用い、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた。さらに着色剤としてカーボンブラックを用い、硬化促進剤として、2−フェニルイミダゾール2PZ )を用いた。そして無機充填材としてシリカ充填材(電気化学工業(株)製「FB−820」)、アルミナ(昭和電工(株)製「AS30」)、窒化珪素(電気化学工業(株)製「FNF2」)を用いた。
これら配合材料の配合を適宜変更して、実施例1乃至6および比較例1乃至8のエポキシ樹脂封止材をそれぞれ調製した。これらの各配合ついては(表1)に示した通りである。これらの配合調製にあたっては、各配合材料を合わせてミキサーブレンダーで3分間混合して均一化した後、100℃に加熱したロールで10分間混練し、冷却後、粉砕機で所定粒度に粉砕して、エポキシ樹脂封止材からなる粒状の成形材料を得た。
<性能評価>
(線膨張係数(α1 ))
このようにして得た実施例1乃至6及び比較例1乃至8の成形材料について、トランスファー成形した。成形条件は、成形温度175±5℃、注入スピード15秒、注入圧力7MPa、キュアータイム180秒であり、成形後に175 ℃で6時間アフターキュアーすることによって、形状が直径5mm、高さ30mmの円柱)の試験片を得た。この試験片の線膨張係数(α1 )をキュラストメーターにて測定した。結果を配合と共に表1に示す。
(吸湿率)
線膨張係数(α1)の場合と同様にして得た試験片について、温度85℃、湿度85%RHの雰囲気に72時間放置した後、吸湿率を測定した。結果を表1に示す。
(曲げ強度、曲げ弾性率)
線膨張係数(α1)の場合と同様にして得た試験片について、JIS K6911に従い、オートグラフにて測定した。結果を表1に示す。
(プリン密着性)
実施例1乃至6及び比較例1乃至8の成形材料について、以下のようにして密着性を評価した。すなわち、上記の成形材料を用いて、成形温度175±5℃、注入スピード15秒、注入圧力7MPa、キュアータイム180秒として、25mm角のアルミ製の平板3上に、直径11.3mm、高さ10.0mmのプリン型試験片4をトランスファー成形により図2のように作製した。成形後に175℃で6 時間アフターキュアーした。そして、このプリン型試験片4 と平板3との剪断密着強度を測定した。結果を表1に示す。
(LC特性及びESR特性)
アルミ電解コンデンサ素子を実施例1〜6及び比較例1〜8の成形材料を用いて封止し、電気特性評価用のコンデンサ・パッケージを得た。そして、このパッケージについて、JIS C5101−1に準じてLC 特性とESR 特性の試験を行った。このときの判定基準は以下のようにした。結果を表1に示す。
「○」:規格内で変動少ない
「△」:規格内で変動大きい
「×」:規格外で変動大きい
Figure 2005072399
(表1)に見られるように、実施例1乃至6においては、封止材硬化物の線膨張係数が全て2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)の範囲に収まっており、吸湿率、曲げ強度、曲げ弾性率、プリン密着性の何れも良好な結果であるのに加え、LC特性とESR特性についても良好な結果が得られている。
一方、比較例についてみてみると、シリカ充填材を単独で用いている比較例1,3,7について、比較例1は線膨張係数がアルミに近い値が得られているものの、充填材含有率が70%と少ないため吸湿性とESR特性が悪く、比較例3は充填材含有率が80%と多いもののシリカ単独であるために線膨張係数が低すぎ、吸湿後のLC特性が悪く、比較例7についても充填材含有率が75%と十分であるののシリカ単独であるために比較例3ほどではないが線膨張係数が低すぎ、吸湿後のLC特性が悪い結果となっている。また、アルミナ単独の比較例2は、充填材含有量が少ないため線膨張係数が大きく、吸湿性およびLC特性とESR特性が悪い結果となっている。さらにアルミナや窒化珪素とシリカを併用している比較例4,5,6,8について、比較例4は比較例2と同様に充填材含有量が少ないため線膨張係数が大きく、吸湿性およびLC特性とESR特性が悪い結果となっており、比較例5や比較例6は充填材含有率が75%と十分であるののアルミナや窒化珪素の使用量が充填材全体の40%以下なので線膨張係数がやや低く、吸湿後のLC特性が良くない。比較例8については、充填材含有率が72%と若干少ないことから、ESR特性がやや良くない結果となっている。
以上のような実施例と較例の結果から、本発明においては、アルミ電解コンデンサ装置において、形時の熱履歴によるストレス等の外的要因の影響を低減するとともに吸湿率等の他の特性を維持することに効果があることを確認できた。
本発明の一実施形態であるアルミ電解コンデンサ装置を示す正面図である。 本発明の実施例において密着性を評価するためのプリン型試験片を示すものであって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
符号の説明
1 アルミ電解コンデンサ素子
2 封止材
11 素子本体
12 リード

Claims (5)

  1. アルミ電解コンデンサ素子をエポキシ樹脂封止材で封止成形して形成されたアルミ電解コンデンサ装置であって、前記封止材はエポキシ樹脂組成物と無機充填材とを当該無機充填材の含有率が前記封止材全体の73wt%以上となるよう含有し、前記無機充填材の40%以上は0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xであり、樹脂硬化後の前記封止材の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)であることを特徴とするアルミ電解コンデンサ装置。
  2. 前記充填材Xとしてアルミナが用いられていることを特徴とする請求項1記載のアルミ電解コンデンサ装置。
  3. 前記充填材Xとして窒化珪素が用いられていることを特徴とする請求項1又は2記載のアルミ電解コンデンサ装置。
  4. 前記無機充填材のうち前記充填材X以外はシリカが用いられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ装置。
  5. アルミ電解コンデンサ素子を封止成形するのに用いられる封止材であって、エポキシ樹脂組成物と無機充填材とを当該無機充填材の含有率が当該封止材全体の73wt%以上となるよう含有し、前記無機充填材の40%以上は0.2×10-5乃至0.9×10-5(/℃)の線膨張係数を有する充填材Xであり、樹脂硬化後の線膨張係数が2.0×10-5乃至3.0×10-5(/℃)となるよう調製されていることを特徴とするアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材。
JP2003302208A 2003-08-26 2003-08-26 アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材 Pending JP2005072399A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302208A JP2005072399A (ja) 2003-08-26 2003-08-26 アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302208A JP2005072399A (ja) 2003-08-26 2003-08-26 アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005072399A true JP2005072399A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34406538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003302208A Pending JP2005072399A (ja) 2003-08-26 2003-08-26 アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005072399A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014034076A1 (ja) * 2012-08-29 2014-03-06 三洋電機株式会社 固体電解コンデンサ
JP2020500426A (ja) * 2016-11-15 2020-01-09 エイブイエックス コーポレイション 固体電解キャパシタ用のケーシング材料
US11810728B2 (en) 2019-03-05 2023-11-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electrolytic capacitor

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014034076A1 (ja) * 2012-08-29 2014-03-06 三洋電機株式会社 固体電解コンデンサ
US9576744B2 (en) 2012-08-29 2017-02-21 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Solid electrolytic capacitor
JP2020500426A (ja) * 2016-11-15 2020-01-09 エイブイエックス コーポレイション 固体電解キャパシタ用のケーシング材料
JP7071354B2 (ja) 2016-11-15 2022-05-18 キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション 固体電解キャパシタ用のケーシング材料
US11810728B2 (en) 2019-03-05 2023-11-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electrolytic capacitor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3826898B2 (ja) 電子部品の製造方法及び半導体装置
JP4736506B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4622221B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH08157561A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2005072399A (ja) アルミ電解コンデンサ装置およびアルミ電解コンデンサ封止用エポキシ樹脂封止材
JP3397176B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4760785B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3004463B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH01105562A (ja) 樹脂封止型半導体装置
JP3826745B2 (ja) コンデンサ封止用エポキシ樹脂組成物及びコンデンサ装置
JP3003887B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JPH09169891A (ja) 封止材用エポキシ樹脂組成物、その製造方法及び無機充填材
JP2991850B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2963260B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2002309067A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP5226957B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH1135797A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP5102095B2 (ja) 圧縮成形用半導体封止エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2008156403A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3093051B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH11199754A (ja) 半導体装置
JP4270059B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物及び半導体装置
JP3417283B2 (ja) 封止用のエポキシ樹脂組成物および半導体装置封止方法
KR100504604B1 (ko) 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물
JPH09129786A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060425

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090318

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090324

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090525

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090630

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02