JP3397176B2 - 液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP3397176B2 JP18020499A JP18020499A JP3397176B2 JP 3397176 B2 JP3397176 B2 JP 3397176B2 JP 18020499 A JP18020499 A JP 18020499A JP 18020499 A JP18020499 A JP 18020499A JP 3397176 B2 JP3397176 B2 JP 3397176B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状エポキシ樹脂
組成物及びこの液状エポキシ樹脂組成物にて封止されて
なる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ICパッケージ等の半導体装置の
分野において、小型薄型化が進む中、リード端子数の増
加に対応するために、SOP(small outli
nepackage)やQFP(quad flat
package)に代表される周辺実装パッケージ(周
辺端子型パッケージ)から、BGA(ball gri
d array)を代表とするエリア実装パッケージ
(格子端子型パッケージ)に主流が移り変わりつつあ
る。このエリア実装パッケージを製造するにあたって
は、回路形成がなされた基板の片面における所定の箇所
に多数個取りで半導体チップを実装し、この半導体チッ
プを樹脂封止した後、基板を個片に切断する方法が採用
されてきている。このような小型薄型の半導体装置は、
例えばICカード等の実装部品として利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
な半導体装置の製造方法においては、封止樹脂の封止面
積が大幅に拡大されると共に基板の薄型化が進んでお
り、そのため半導体チップを樹脂封止するにあたり、リ
ードフレームの両面において封止樹脂を成形する周辺実
装パッケージの場合とは異なり、封止後の基板に反りが
発生しやすくなるものであった。この基板の反りは、基
板を個片に切断するにあたって正確な寸法に切断するこ
とが困難となったり、半導体装置をマザーボードに実装
するにあたって半導体装置とマザーボードとの接続信頼
性を確保することが困難になる等といった、後工程にお
ける作業性への悪影響の原因となるものであった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、硬化成形後の成形体に発生する内部応力が低く、
基板に実装された半導体チップを封止してもこの基板に
反りが発生することを抑制することができる液状エポキ
シ樹脂組成物及びこの液状エポキシ樹脂組成物にて封止
されてなる半導体装置を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
液状エポキシ樹脂組成物は、ナフタレン骨格型エポキシ
樹脂又はビフェニル骨格型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂
成分全量に対して5〜80重量%含有すると共に変性シ
リコーンオイル及びシリコーンパウダーからなるシリコ
ーン成分を含有して成ることを特徴とするものである。
【0006】またシリコーン成分の含有量を樹脂成分全
量に対して15〜60重量%として成ることを特徴とす
るものである。
【0007】
【0008】
【0009】また本発明の請求項に係る液状エポキシ
樹脂組成物は、請求項1の構成に加えて、硬化助剤とし
てイミダゾールを樹脂成分全量に対して8〜15重量%
含有すると共に、無機充填材の粒径を0.1〜20μm
として成ることを特徴とするものである。
【0010】また本発明の請求項に係る半導体装置
は、請求項1又は2に記載の液状エポキシ樹脂組成物に
て半導体を封止して成ることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。尚、本明細書中で液状エポキシ樹脂組成物の加熱
硬化成形物のことを硬化成形体ということがある。
【0012】本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、変性
シリコーンオイル及びシリコーンパウダーからなるシリ
コーン成分を含有するものであり、そのため液状エポキ
シ樹脂組成物の加熱硬化時及び硬化成形体の冷却時に発
生する内部応力を低減することができる。そのため硬化
成形体を封止樹脂として成形して基板に搭載された半導
体チップを封止することにより半導体装置を作製する場
合、液状エポキシ樹脂組成物の加熱硬化時及び硬化成形
体の冷却時における基板の反りの発生を低減することが
できる。しかもこの液状エポキシ樹脂組成物は低粘度で
硬化成形時の作業性が良好であり、かつ硬化成形体の基
板との接着性が良好なものとなる。
【0013】変性シリコーンオイルとしては、例えば
「信越シリコーンX22−2000」を用いることがで
きる。またシリコーンパウダーとはシリコーンゴム又は
シリコーン樹脂の粉体であり、例えば東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン株式会社製の商品名「トレフィスE−
500」を用いることができる。このシリコーン成分の
配合量は、樹脂成分全量に対して15〜60重量%とす
ることが、硬化成形体の成形時において発生する内部応
力を効果的に低減することができる点で好ましく、15
重量%に満たないと硬化成形体の弾性率が高くなって内
部応力を効果的に低減することが困難となり、また60
重量%を超えると硬化成形体の強度が低下するおそれが
ある。ここで樹脂成分全量とは、液状エポキシ樹脂組成
物中のエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化助剤の総量とす
る。またシリコーン成分中における変性シリコーンオイ
ルの割合は、65〜85重量%とすることが好ましく、
65重量%に満たないと液状エポキシ樹脂組成物の粘度
を低減することが困難となる場合があり、また85重量
%を超えると液状エポキシ樹脂組成物の粘度が低くなり
過ぎて実用上好ましくない場合がある。
【0014】またエポキシ樹脂成分としてナフタレン骨
格型エポキシ樹脂又はビフェニル骨格型エポキシ樹脂
を、エポキシ樹脂成分全量に対して5〜80重量%含有
するものである。そのため上記のシリコーン成分を含有
させても、液状エポキシ樹脂組成物の硬化成形体が良好
な耐温度サイクル性や耐吸湿半田性等の耐熱性を有する
ものとなり、更に、基板上に硬化成形体を半導体チップ
の封止樹脂として形成した場合の基板の反りを低減する
ことができる。ここでナフタレン骨格型エポキシ樹脂と
しては、例えば大日本インキ化学工業株式会社製の品番
「HP4032D」を用いることができる。またビフェ
ニル骨格型エポキシ樹脂としては例えば油化シェルエポ
キシ株式会社製の品番「YX4000H」を用いること
ができる。
【0015】また他のエポキシ樹脂成分としては、ビス
フェノールA型、F型、S型等のビスフェノール型エポ
キシ樹脂を配合することが好ましい。
【0016】また、このエポキシ樹脂成分の硬化剤とし
ては、例えばフェノールノボラック樹脂及びその誘導
体、クレゾールノボラック樹脂及びその誘導体、モノま
たはジヒドロキシナフタレンノボラック樹脂及びその誘
導体、フェノール類やナフトール類とp−キシレンの縮
合体、ジシクロペンタジエンとフェノールの共重合体等
のフェノール系硬化剤や、アミン系硬化剤や、酸無水物
等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いても、
2種類以上を併用してもよい。尚、フェノールノボラッ
ク樹脂を用いた場合、樹脂硬化物の吸湿率を低下するこ
とができて好ましい。その配合量としては、通常、エポ
キシ樹脂成分に対する当量比で0.1〜10の範囲で配
合される。
【0017】また、上記エポキシ樹脂成分の硬化助剤と
しては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジル
ジメチルアミン等の三級アミン化合物、2−メチルイミ
ダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−
フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミ
ダゾール等のイミダゾール、トリフェニルホスフィン、
トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン化合物等が挙
げられる。
【0018】また、樹脂成分に含有することができるシ
ランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のエポキシシランや、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミ
ノシラン等が挙げられる。
【0019】また、樹脂成分に含有することができる離
型剤としては、ステアリン酸、モンタン酸、パルミチン
酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸、その脂肪酸の
カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛
塩等の塩、その脂肪酸のアミド、リン酸エステル、ポリ
エチレン、ビスアマイド、カルボキシル基含有ポリオレ
フィン及び天然カルナバ等が挙げられる
【0020】また、樹脂成分に含有することができる着
色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン
等が挙げられる。また、樹脂成分に含有することができ
る界面活性剤としては例えば、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド等が挙げられる。また、樹脂成分に含有す
ることができる難燃剤としては、例えば、三酸化アンチ
モン、ハロゲン化合物、リン化合物等が挙げられる。
【0021】これらの硬化助剤、シランカップリング
剤、離型剤、着色剤、界面活性剤及び難燃剤等は2種類
以上を併用することもできる。
【0022】また、本発明で使用する無機充填材として
は特に限定するものではなく、例えば結晶シリカ、溶融
シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、窒化ケイ素、タルク、ケイ
酸カルシウム等が挙げられる。上記無機充填材は、単独
で用いても、2種類以上を併用してもよい。尚、無機充
填材として結晶シリカ又は溶融シリカ等のシリカを用い
た場合、樹脂硬化物の線膨張係数が小さくなり、半導体
素子の線膨張係数に近づくため好ましい。尚、無機充填
材を、樹脂成分と無機充填材の合計100重量部中に、
60〜95重量部含有する場合、樹脂硬化物の吸湿量が
低下し、吸湿ハンダ耐熱性が優れ好ましい。
【0023】ここで液状エポキシ樹脂組成物中に硬化助
剤としてイミダゾールを樹脂成分全量に対して8〜15
重量%の配合量で含有させると共に、無機充填材の粒径
を0.1〜20μmとなるようにすることが好ましい。
この場合、半導体素子上に液状エポキシ樹脂組成物
膜を容易に形成することができ、この液状エポキシ樹脂
組成物を100℃以下の温度にて加熱硬化することによ
り薄型の硬化成形体を容易に形成することができるもの
である。例えば100℃、1時間の加熱条件において充
分な硬化物特性を有する薄型の硬化成形体を得ることが
可能なものであり、この点においても硬化成形体をIC
カードに搭載される半導体装置の封止樹脂として好適に
用いることができる。すなわちICカードに搭載される
半導体装置を製造する場合、ICカードの厚みは一般的
には0.7mm程度であり、このICカードに搭載され
る半導体装置には、一般的には厚み0.15mm以下の
ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリイミド樹脂等を
樹脂成分として含む基板が用いられることとなる。その
ため封止樹脂を成形するにあたって高温で長時間加熱す
ると基板に反りやうねりが発生する場合があるが、本発
明においてはこの基板に半導体チップを搭載し樹脂封止
にて封止するにあたって、上記のような液状エポキシ樹
脂組成物にて封止樹脂の厚みを50μm以下に成形する
ことが可能となるものであり、100℃、1時間程度の
加熱条件で封止樹脂を成形することにより、このような
反りやうねりの発生を抑制することができるものであ
る。
【0024】また液状エポキシ樹脂組成物を、その硬化
成形体が、曲げ弾性率が0.5〜5GPaであり、単位
断面積あたりの限界曲げ応力で示される曲げ強度が20
〜40MPaであるものとして調製することが好まし
い。このように調製された液状エポキシ樹脂組成物で
は、硬化成形体に応力がかかって膨張されたり収縮され
たりしても、硬化成形体内の内部応力が緩和され、特に
線膨脹係数の小さいセラミック等からなる基板を用いて
半導体装置を作製する場合、その基板の厚みが0.3m
m以下の薄物であっても、封止樹脂の成形にあたっての
加熱・冷却過程において、基板の反りを低減することが
できる。またこのように作製される半導体装置のリフロ
ー工程等の半田付け工程において、封止樹脂にかかる熱
応力によるクラックの発生や封止樹脂と基板との剥離等
が抑制されるものであり、また耐温度サイクル性や耐吸
湿半田性に優れ、耐熱信頼性の高い半導体装置を得るこ
とができる。
【0025】また液状エポキシ樹脂組成物を、その硬化
成形体が、ガラス転移温度が120〜200℃であり、
線膨張係数が1.3×10-5〜1.8×10-5/℃であ
るものとして調製することも好ましい。このように調製
された液状エポキシ樹脂組成物では、特にガラス基材エ
ポキシ樹脂含浸基材(プリプレグ)からなる基板を用い
て半導体装置を作製する場合、硬化成形体からなる封止
樹脂と基板との間の熱的挙動、すなわちガラス転移温度
及び線膨脹係数の差異が小さくなり、基板の厚みが0.
3mm以下の薄物であっても、封止樹脂の成形にあたっ
ての加熱・冷却過程において、基板の反りを低減するこ
とができる。また耐温度サイクル性や耐吸湿半田性に優
れ、耐熱信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
【0026】液状エポキシ樹脂組成物を調製するにあた
っては、上記の各成分を所望の割合で配合したものを溶
解混合し、又は溶融混合した後3本ロール等で溶融混練
して液体状のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0027】液状エポキシ樹脂組成物の硬化成形体を封
止樹脂とする半導体装置の製造方法の例を説明する。
【0028】基板としては、セラミック、ガラス基材エ
ポキシ樹脂含浸基材(プリプレグ)、ポリエチレンテレ
フタレート製シート等の絶縁層に回路形成がなされた配
線基板が用いられる。このプリント配線基板上にICチ
ップ等の半導体チップをダイボンディングし、ワイヤボ
ンディング法等にて配線基板の回路と導通させる。ここ
で半導体チップは、シリコンウエハー等の基板にアルミ
ニウム等により回路形成し、更に抵抗、トランジスタ等
の回路素子を形成するなどして得られる。次に、配線基
板上の半導体チップ搭載部分に液状エポキシ樹脂組成物
にて封止樹脂を形成し、配線基板上に露出する回路、半
導体チップ、ワイヤ、及びこれらの接合部を電気的、機
械的に外部環境から保護すると共に、ユーザーが使い易
いようにする。封止樹脂の形成にあたっては、液状エポ
キシ樹脂組成物をディスペンサーを用いて塗布し、ある
いはメタルマスク等を用いて印刷したものを、オーブン
にて例えば100℃で1時間加熱することにり、硬化
成形することができる。またアフターキュアーが必要な
場合は、成形硬化後、例えば150℃で3時間加熱する
ものである。また配線基板の外面には半田ボールを形成
し、この半田ボールを、配線基板の回路と導通する外部
接続端子として形成する。
【0029】このようにして作製される半導体装置は、
特にICカードの内装部品として好適に用いられる。
【0030】また本発明に係る液状エポキシ樹脂組成物
は、上記のような半導体装置の封止樹脂の成形だけでな
く、液状エポキシ樹脂組成物を注型して種々の部品を作
製することができるものであり、これらの部品の信頼性
も向上することができる。従来は、金型等の注型容器の
容積が、例えば一辺が20mm以上と比較的大きい場合
や、注型容器が金属製である場合には、通常作業性を向
上するために、無機充填材の配合量を低減して粘度が低
減された樹脂組成物を用いていたが、この場合は硬化成
形体の線膨脹係数が高くなり、熱収縮が大きくなって注
型容器からの剥離やクラックが発生するものであった。
それに対して本発明に係る液状エポキシ樹脂組成物で
は、無機充填材の配合量を低減しなくても加熱硬化時及
び硬化成形体の冷却時に発生する内部応力が低減されて
いるので、注型容器からの剥離やクラックの発生が抑制
されるものであり、種々の成形部品の作製に好適に用い
ることができるものである。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0032】〔実施例1乃至6、比較例1、2〕各実施
例及び比較例において、表1に示す組成を有する液状エ
ポキシ樹脂組成物を、各成分を混合、撹拌することによ
り調製した。尚、表中の各成分の配合割合は、シリコー
ン成分については樹脂成分全量に対する配合重量割合を
重量%で示し、他の成分に関しては重量部で示した。
【0033】ここで表1中のビスフェノール型エポキシ
樹脂としては油化シェルエポキシ株式会社製の品番「8
40A」を、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂としては大
日本化学工業株式会社製の品番「HP4032D」を、
ビフェニル骨格型エポキシ樹脂としては油化シェルエポ
キシ株式会社製の品番「YX4000F」を用いた。
【0034】また硬化剤としては新日本理化株式会社製
の商品名「リカシッドHH」を、硬化助剤としては四国
化成工業株式会社製のイミダゾールを用いた。
【0035】また変性シリコーンオイルとしては「信越
シリコーンX22−2000」を、シリコーンパウダー
としては東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
の商品名「トレフィルE−500」を用いた。
【0036】また無機充填材としては、実施例1〜5及
び比較例1、2では粒径が0.1〜80μmの範囲のシ
リカ粉末を、実施例6においては粒径が0.1〜20μ
mの範囲のシリカ粉末を用いた。
【0037】一方、下記の基板a〜cの3種の基板を用
意し、各実施例及び比較例において、表1に示した、5
0×50×0.3mmの寸法の基板を用いた。
【0038】・基板a:ガラス基材エポキシ樹脂基板、
厚み0.3mm、線膨脹係数1.3〜1.8×10-5 ・基板b:アルミナ基板、厚み0.4mm、線膨脹係数
0.7〜1.1×10 -5 ・基板c:ポリエチレンテレフタレート(PET)基
板、厚み0.1mm、ガラス転移温度65〜85℃、軟
化点150℃ 上記の基板に回路形成を施して配線基板を作製した。
【0039】この配線基板及び液状エポキシ樹脂組成物
を用い、配線基板上に半導体素子を搭載した後、液状エ
ポキシ樹脂組成物をディスペンサーを用いて塗布したも
のを、オーブンにて100℃で1時間加熱した後、15
0℃で3時間3時間加熱することにより硬化成形し、基
板の寸法50×50mm、封止樹脂の寸法45×45×
0.5mmの半導体装置を作製した。
【0040】〔評価試験〕 (A)液状エポキシ樹脂組成物の評価 ・粘度:ブルックフィールド社製のB型粘度計を用い、
NO7フローターで25℃、20rpmの条件で測定し
た。
【0041】(B)封止樹脂(硬化成形体)の評価 ・曲げ弾性率:JIS K6911に準拠して測定し
た。
【0042】・曲げ強度:JIS K6911に準拠し
て測定した。
【0043】・ガラス転移温度:ディラトメーター法に
て測定した。
【0044】・線膨脹係数:ディラトメーター法にて測
定した。
【0045】(C)半導体装置の評価 ・基板反り:半導体装置の基板の裏面における対角線上
の平坦度を測定し、その最大高低差を基板反りとして評
価した。
【0046】・耐吸湿半田性:260℃の半田浴に30
秒間浸漬して基板と樹脂の剥離を観察し、剥離したもの
を不良として評価した。尚、通常半田工程を経ないPE
T基板を用いた実施例6に関しては、この評価を行わな
かった。
【0047】(D)総合判定 基板反りが100以下であり、耐吸湿半田性の不良率が
30%以下のものを「○」、この条件を満たさないもの
を「×」として評価した。
【0048】以上の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、実施例1乃至6
では、良好な粘度を有し、かつ比較例1、2の場合より
も基板の反りが低減し、また優れた吸湿半田耐熱性を有
するものであった。
【0051】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る液
状エポキシ樹脂組成物は、ナフタレン骨格型エポキシ樹
脂又はビフェニル骨格型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成
分全量に対して5〜80重量%含有すると共に変性シリ
コーンオイル及びシリコーンパウダーからなるシリコー
ン成分を含有するものであり、液状エポキシ樹脂組成物
の加熱硬化時及び硬化成形体の冷却時に発生する内部応
力を低減することができ、硬化成形体を封止樹脂として
成形して基板に搭載された半導体チップを封止すること
により半導体装置を作製する場合に、液状エポキシ樹脂
組成物の加熱硬化時及び硬化成形体の冷却時における基
板の反りの発生を低減することができるものであり、ま
たこの液状エポキシ樹脂組成物の粘度を低減して硬化成
形時の作業性を良好なもとすることができるものであ
り、また硬化成形体の基板との接着性を良好なものとす
ることができるものである。また良好な耐温度サイクル
性や耐吸湿半田性等の耐熱性を有する硬化成形体を得る
ことができ、半導体装置の耐熱信頼性を向上することが
できるものである。
【0052】またシリコーン成分の含有量を樹脂成分全
量に対して15〜60重量%としたものであり、液状エ
ポキシ樹脂組成物を薄膜状に塗布することが容易であ
り、この液状エポキシ樹脂組成物を加熱硬化することに
より封止樹脂を容易に薄型に成形することができるもの
であり、封止樹脂の加熱成形温度を低減して、薄型の基
板上に封止樹脂を成形する場合においての基板の反りの
発生を低減することができるものである。
【0053】
【0054】
【0055】また本発明の請求項に係る液状エポキシ
樹脂組成物は、請求項1又は2の構成に加えて、硬化助
剤としてイミダゾールを樹脂成分全量に対して8〜15
重量%含有すると共に、無機充填材の粒径を0.1〜2
0μmとしたものであり、低反り性を有する硬化成形体
を得ることができ、また硬化成形体を成形するにあたっ
ては、液状エポキシ樹脂組成物を低温加熱にて硬化する
ことにより、短時間で充分な硬化物特性を有する硬化成
形体を得ることができるものである。
【0056】また本発明の請求項に係る半導体装置
は、請求項1又は2に記載の液状エポキシ樹脂組成物に
て半導体を封止したものであり、基板の反りが低減され
ると共に耐熱信頼性の高い半導体装置を得ることができ
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−311159(JP,A) 特開 平8−208948(JP,A) 特開 平9−118738(JP,A) 特開 平11−217486(JP,A) 特開 平11−21420(JP,A) 特開 平9−137043(JP,A) 特開 平11−289033(JP,A) 特開 平5−262961(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/04 C08G 59/24 C08L 83/04 - 83/08 H01L 23/29

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレン骨格型エポキシ樹脂又はビフ
    ェニル骨格型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分全量に対
    して5〜80重量%含有すると共に変性シリコーンオイ
    ル及びシリコーンパウダーからなるシリコーン成分を含
    有し、シリコーン成分の含有量を樹脂成分全量に対して
    15〜60重量%として成ることを特徴とする液状エポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 硬化助剤としてイミダゾールを樹脂成分
    全量に対して8〜15重量%含有すると共に、無機充填
    材の粒径を0.1〜20μmとして成ることを特徴とす
    る請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の液状エポキシ樹
    脂組成物にて半導体を封止して成ることを特徴とする半
    導体装置。
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