JP5507162B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Description
電気二重層キャパシタは、通常、活性炭等から作られた1対の正極と負極の分極性電極を電解質イオンを含む溶液または電解質ゲル中でセパレータを介して対向させた構造からなっている。
そして、キャパシタ素子と外部電極の接続安定性維持、温度変化による変形や通電によるキャパシタ素子の変形(電圧の印加時の分極性電極における電界方向の体膨張)に伴う電気特性の変動を低減させることを目的として素子の形状を安定化させるため、電解質によって腐食しない樹脂製の、剛性の高いバネ状の押圧板または楔状の部材が内部に設置された電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献1、2参照)。
また、内部に中空構造を有する炭素繊維を膨張時のクッション材としての機能を付与した電極材料として用い、キャパシタ素子の変形を緩和した電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献3参照)。
さらに、キャパシタ素子および電極となる端子を導電性の材料で固着した後、箱状のケース材の内部に仮固定しケース内部をガラス、セラミック又は絶縁性樹脂で封止することにより成形された電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献4参照)。
さらにまた、電極の膨張を機械的に抑制するのではなく、石油生コークスをアルカリ賦活することにより、充電時に電極膨張率の小さい活性炭を電極材料として用い、キャパシタ素子の変形を緩和した電気二重層キャパシタが提案されている(特許文献5参照)。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、金属製のケースで外装することなく、特定の物性を有する樹脂組成物を用いることにより、キャパシタ素子と電極端子との導電が確実になり、接続安定性に優れた電気二重層キャパシタを提供することにある。
すなわち、本発明は以下、
(1)電解質ゲルまたは電解液、分極性電極、集電電極、および外部電極を積層した積層体の一対とセパレータからなり、電極端子を外部電極に連結してなる電気二重層キャパシタ素子において、電極端子以外を1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含み、70℃におけるゲルタイムが300秒以内の樹脂組成物を70〜100℃で加熱硬化してなる、70℃における曲げ弾性率が6〜30GPaであり、ガラス転移点が50℃以上である成形体で封止してなる電気二重層キャパシタ、
(2)前記樹脂組成物が1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填剤を主成分とし、無機充填剤が樹脂組成物全体の50〜90質量%である上記(1)に記載の電気二重層キャパシタ、
(3)前記樹脂組成物が、さらにシランカップリング剤を含む上記(1)または(2)に記載の電気二重層キャパシタ、
(4)前記無機充填剤が数平均粒径5〜40μmの球状溶融シリカである上記(2)に記載の電気二重層キャパシタ、
(5)前記樹脂組成物が1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂100質量部に対して硬化剤として脂肪族アミンを20〜50質量部含む上記(2)〜(4)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
(6)前記樹脂組成物の70℃における初期混合粘度が50Pa・s以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ、
(7)前記樹脂組成物のDSC測定における反応ピーク温度(昇温速度:10℃/分)が100℃以下である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ、
(8)ガラス転移点が70〜130℃である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ、
(9)二重層キャパシタ素子を成形型に設置し注入孔から前記樹脂組成物を注入し、次いで、加圧下70〜100℃で加熱硬化させ、さらに成形型から取り出して後硬化させてなる上記(1)〜(8)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタおよび
(10)金属製のケースで外装することなく、前記樹脂組成物を用いて一体成形されてなる上記(1)〜(9)のいずれかに記載の電気二重層キャパシタを提供する。
図1は本発明の電気二重層キャパシタを製造(成形)する際の状況を示す模式図であり、1および2は成形型、3はキャパシタ素子(A)、4および5は電極端子、6は樹脂組成物の成形体(C)、7は外部電極(B)である。図2はキャパシタ素子の構造の一例を示す模式図であり、8は分極性電極、9は電解質ゲルまたは電解液、10は集電電極、11はセパレータ、12はガスケットである。
図1における成形型1および2は、通常、耐熱性および耐食性を有するステンレス鋼等の金属または耐熱性および耐食性樹脂であるポリイミドなどから加工されたものを用いるのが好ましい。
キャパシタ素子3は、基本的には図2に示されるような構成部材からなっており、セパレータ11の両側に電解質ゲルまたは電解液9、分極性電極8、集電電極10の順に積層された構造を有していてもよいし、セパレータ11の両側に分極性電極8、集電電極10、電解質ゲルまたは電解液9の順に積層された構造を有していてもよい。
また、分極性電極8と電解質ゲルまたは電解液9は9が8の内部に含浸されて一体となったものでもよい。
分極性電極8には、通常、活性炭繊維布が用いられ、具体的にはメソフェーズピッチ、石油や石炭の蒸留ピッチ、コークス、化学合成ピッチ等を熱処理して得られる黒鉛質の炭素材料からなる活性炭繊維布、フェノール樹脂繊維(ノボロイド繊維)を炭化賦活して得られるような活性炭繊維布等が好ましく用いられる。
分極性電極8を集電電極10に積層した厚さは、30μm〜0.5mmであることが好ましく、厚さが厚いほど、セパレーター11や集電電極10の静電容量あたりの使用量が少なくて済み、結果としてキャパシタのコストを下げることができるが、内部抵抗は大きくなってしまう。分極性電極の水分含有率は、好ましくは0.01質量%未満、より好ましくは0.003質量%未満である。
電解質の濃度としては、0.5モル/リットル(M/L)〜5M/Lが好ましい。特に好ましくは1M/L〜2.5M/Lである。電解質濃度を0.5M/L以上とすることにより静電容量が低下するのを防止する。電解質濃度を5M/L以下とすることにより安定性が低下するのを防止する。
セパレータ11としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、スルホン化ポリプロピレンのようなポリオフィレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリアセタール等の耐薬品性および耐熱性を有する高分子微多孔質フィルムやガラス繊維不織布等公知の絶縁性材料が用いられる。
セパレータ11の厚さは、10〜200μm程度、好ましくは15〜25μm程度である。10μm以上とすることにより加工上必要な強度を確保し、200μm以下とすることによりキャパシタの容積密度を上げることができる。
図2におけるガスケット12は電解質ゲルまたは電解液が外部に漏洩しないようにするためのパッキング材である。
いずれの構造のものにおいても、外部電極7は集電電極10に直接接触させて取り付けられなければならない。そして、外部電極7には外部に導電させるための電極端子5が取り付けられていなければならない。
本発明の主題は、電気二重層キャパシタを構成する部品の組み合わせ等には関係なく、全体を特定の物性を有する樹脂組成物で封止成形して各構成部品の接触を密にして導電を確実に行ない、接続安定性に優れた電気二重層キャパシタを提供することにある。
樹脂組成物の成形体(C)は絶縁材料として使用される熱硬化性樹脂を基本組成とし、樹脂組成物の70℃におけるゲルタイムは300秒以内であり、樹脂組成物の硬化物からなる成形体(C)の70℃における曲げ弾性率は6〜30GPa、同ガラス転移点は50℃以上である。
70℃におけるゲルタイムは、好ましくは250秒以内である。ゲルタイムを300秒以内とすることにより、成形時間を短縮することができ、生産性が向上する。ゲルタイムの下限は60秒程度である。
70℃における曲げ弾性率は、好ましくは6〜30GPaである。曲げ弾性率を6GPa以上とすることにより、キャパシタ素子を封入した成形体の膨張を抑えることができ、30GPa以下であれば無機充填剤を過剰に添加することによる成形性の低下を防ぐことができる。
ガラス転移点を50℃以上とすることにより、キャパシタ素子を封入した成形体の膨張を抑えることができる。ガラス転移点は、好ましくは70℃以上であり、ガラス転移点の上限は130℃程度である。
上記の材料の中で、多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられ、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する、硬化可能な多官能エポキシ樹脂であればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、または脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの多官能エポキシ樹脂は塩素イオンやナトリウムイオンの少ないものが好ましく、単独または2種類以上混合して用いることができる。
上記の多官能エポキシ樹脂の他、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られる多官能エポキシ樹脂、スピロ環含有多官能エポキシ樹脂等を適宜併用することができる。
硬化剤の具体例としては、脂肪族アミンや芳香族のようなアミン類、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のような酸無水物、ノボラックフェノール樹脂、クレゾールノボラックフェノール樹脂のようなフェノール樹脂、ジシアンジアミド、イミダゾール、アルミニウムキレート、BF3のようなルイス酸のアミン錯体などが挙げられる。これらの硬化剤は単独で使用することができるし、硬化を阻害しない範囲において2種以上を混合して使用することもできる。硬化剤とともに硬化促進剤を使用することもできる。
例えば、好ましい熱硬化性樹脂である多官能エポキシ樹脂の硬化剤としては、特にアミン類が好ましい。
硬化剤の添加量は熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは20〜50質量部、より好ましくは30〜50質量部である。硬化剤の添加量を20質量部以上とすることにより、樹脂組成物の70℃におけるゲルタイムを300秒以下にコントロールすることができる。50質量部以下とすることにより、成形物の70℃における曲げ弾性率を6〜30GPaとすることができ、かつ、ガラス転移点を50℃以上とすることができる。
無機充填剤の添加量は樹脂組成物中、好ましくは50〜90質量%である。無機充填剤の添加量をこのような範囲とすることにより、70℃における曲げ弾性率を6〜30GPaとすることができ、結果として電気特性の経時変化を小さくすることができる。無機充填剤の添加量が90質量%を超えると樹脂組成物の流動性が悪くなり、成形物に樹脂の未充填部分が生じて電気特性の経時変化が著しく大となるので、好ましくない。
無機充填剤の添加量は、より好ましくは60〜90質量%である。
無機充填剤は数平均粒径5〜40μmであることが好ましい。
無機充填剤の数平均粒径を5μm以上とすることにより、無機充填剤を多量に充填することができ、40μm以下とすることにより、無機充填剤の沈降を防止することができる。
シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミン系シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランのようなイソシアナト系シランカップリング剤が例示できる。
シランカップリング剤の添加量は熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.5〜3質量部程度である。シランカップリング剤の添加量をこのような範囲とすることにより、70℃における曲げ弾性率を6〜30GPaとすることができ、結果として電気特性の経時変化を小さくすることができる。
上記のようにして調製した樹脂組成物の70℃における初期混合粘度は50Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは30Pa・s以下である。50Pa・s以下であることにより、成形時の作業性がよくなる。
また、樹脂組成物の25℃における粘度倍増時間は2分以上であることが好ましい。2分以上であることにより、成形時の作業時間を確保することができる。
さらに、DSC測定における反応ピーク温度(昇温速度:10℃/分)が100℃以下であることが好ましい。100℃以下であることにより、電解質ゲルまたは電解液内の水分を沸点以下に維持することができる。
まず、電解質ゲルまたは電解液9、分極性電極8、集電電極10の順で積層する。
この積層体を2個作製し、次いで、セパレータ11の両側に電解質ゲルまたは電解液9が接触するように2個の積層体を配置し、4箇所の端面にガスケット12をとりつけることにより図2に示す二重層キャパシタ素子を作製する。集電電極10には事前に外部電極7と電極端子5を取り付けておく。
次いで、作製された二重層キャパシタ素子を図1に示すような成形型1および2に設置し、注入孔から膨張性樹脂組成物を注入し、次いで加圧下、加熱硬化させる。
加熱硬化は70〜100℃で10分程度行うのが好ましい。さらに成形型から取り出して必要に応じて後硬化させることが好ましい。
〔実施例1〕
分極性電極層の一方の面に電解質ゲルの層、他の面に集電電極、外部電極および電極端子を取り付けた積層体2個を作製した。次いで、セパレータ(厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンフィルム)の両面に前記2個の積層体の電解質ゲル層側をそれぞれ取り付けて、周囲をガスケットにより固定してキャパシタ素子を作製した。
次いで、上記キャパシタ素子を13個重ねて一体化(厚さ約1.3mm)したもの(図3に示す)を、図1に示すように2個の成形型の中に配置し、キャパシタ素子と成形型との間の空間に脂組成物を注入して90℃で10分間加熱硬化させた。次いで、2個の成形型を取り外して得られた成形体をさらに90℃で60分間加熱して後硬化させることにより、電極端子以外の部分を樹脂組成物で封止成形された電気二重層キャパシタを作製した。
樹脂組成物は、別途下記のように調製した。
熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂〔ダウケミカル社製、DER383〕100質量部、硬化剤として脂肪族ポリアミン〔HD1103−TP、大都産業社製〕30質量部、充填材として球状溶融シリカ〔FB−959、電気化学工業社製〕250質量部、シランカップリング剤〔日本ユニカー社製、A−187〕1質量部、添加剤として消泡剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(表1中ではMPM)社製〕0.1質量部をヘンシェルミキサーを用いて混合し、樹脂組成物を調製し、後に示す物性を測定した。
熱硬化性樹脂等を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
球状溶融シリカとしてE−2〔龍森社製、平均粒径8μm〕を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
多官能エポキシ樹脂として、m−アミノフェノール型エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン社製、jER630〕を100質量部使用し、充填剤と硬化剤の量を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
球状溶融シリカの量を表1に示すように変更し、硬化剤として表1に示すものを50質量部使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
ステンレス箔で外装された市販の電気二重層キャパシタを使用した以外は実施例1と同様に後で示す電気特性の評価を行なった。
球状溶融シリカおよびシランカップリング剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された比較用の電気二重層キャパシタを作製し、後で示す電気特性の評価を行なった。
多官能エポキシ樹脂として、m−アミノフェノール型エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン社製、jER630〕を100質量部使用し、球状溶融シリカの量を100質量部とした以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された比較用の電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
球状溶融シリカの量を300質量部とし、硬化剤として脂肪族アミン〔ハンツマン社製の脂肪族アミン、D−400〕を55質量部使用し、硬化促進剤としてハンツマン社製、ACC399を20質量部使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された比較用の電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
シランカップリング剤を使用せず、球状溶融シリカの量を250質量部とし、硬化剤として脂肪族アミン〔大都産業社製の脂肪族アミン、HD−5000〕を20質量部使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された比較用の電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
球状溶融シリカを1300質量部使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物で封止成形された比較用の電気二重層キャパシタを作製し、後で示す評価を行なった。
(1)70℃ゲルタイム
JISC2105で規定された試験管法により下記のようにして測定した。
樹脂組成物のサンプル2gを気泡が混入しないように試験管に流し込み、70℃加温下、ガラス棒で毎秒1回、上下に撹拌し、試験管がガラス棒から自重で落下しなくなるまでの時間(秒)を測定した。
(2)70℃における曲げ弾性率
70℃、5時間で硬化させたサンプルを作製し、DMS熱分析装置(セイコーインスツルメント社製の固体熱弾性測定装置)に入れて測定した。
(3)ガラス転移温度
70℃、5時間で硬化させたサンプルをTMA熱分析装置(セイコーインスツルメント社製の熱機械的分析装置)に入れて測定し、変曲点の中点から求めた。
(4)70℃における初期混合粘度
E型粘度計(3°コーン使用、回転数2.5rpm)を使用し、樹脂組成物0.7gの70℃における粘度を測定した。
(5)粘度倍増時間
上記初期粘度が何分後に2倍になるかを測定した。
(6)DSC測定における反応ピーク温度
硬化前の樹脂組成物をDSC熱分析装置(セイコーインスツルメント社製の示差走査熱量分析装置)を用いて、昇温速度10℃/分で測定した。
実施例1〜5で得られた電気二重層キャパシタ、参考例1で使用した市販の電気二重層キャパシタ及び比較例1〜5で得られた比較用の電気二重層キャパシタを用いて、LCRメーター(ヒューレット・パッカード社製、HP4284A)を用いて1kHz、4.5Vにおける、初期(25℃)および70℃で1000時間経過後の等価直列抵抗(ESR)を測定し、それぞれの結果を表1に示した。
2:成形型
3:キャパシタ素子
4:電極端子
5:電極端子
6:樹脂組成物の成形体
7:外部電極
8:分極性電極
9:電解質ゲルまたは電解液
10:集電電極
11:セパレータ
12:ガスケット
Claims (10)
- 電解質ゲルまたは電解液、分極性電極、集電電極、および外部電極を積層した積層体の一対とセパレータからなり、電極端子を外部電極に連結してなる電気二重層キャパシタ素子において、電極端子以外を1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含み、70℃におけるゲルタイムが300秒以内の樹脂組成物を70〜100℃で加熱硬化してなる、70℃における曲げ弾性率が6〜30GPaであり、ガラス転移点が50℃以上である成形体で封止してなる電気二重層キャパシタ。
- 前記樹脂組成物が1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填剤を主成分とし、無機充填剤が前記樹脂組成物全体の50〜90質量%である請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記樹脂組成物が、さらにシランカップリング剤を含む請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記無機充填剤が数平均粒径5〜40μmの球状溶融シリカである請求項2に記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記樹脂組成物が1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂100質量部に対して硬化剤として脂肪族アミンを20〜50質量部含む請求項2〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記樹脂組成物の70℃における初期混合粘度が50Pa・s以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記樹脂組成物のDSC測定における反応ピーク温度(昇温速度:10℃/分)が100℃以下である請求項1〜6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
- ガラス転移点が70〜130℃である請求項1〜7のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
- 二重層キャパシタ素子を成形型に設置し注入孔から前記樹脂組成物を注入し、次いで、加圧下70〜100℃で加熱硬化させ、さらに成形型から取り出して後硬化させてなる請求項1〜8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
- 金属製のケースで外装することなく、前記樹脂組成物を用いて一体成形されてなる請求項1〜9のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
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