JP3826269B2 - タイヤ空気圧検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両における車輪のタイヤの空気圧をそのタイヤの動荷重半径に着目して検出する技術に関するものであり、特に、その検出の精度を向上させる技術の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両における車輪のタイヤの空気圧が変化すればそのタイヤの動荷重半径が変化し、その変化は、そのタイヤの角速度である車輪速度に現れる。このような現象を利用することにより、タイヤの空気圧をそのタイヤの動荷重半径に着目して検出する技術が既に存在する。
【0003】
各車輪のタイヤの動荷重半径の、そのタイヤの空気圧に対する感度が、当該車両における各車輪の装着位置によって異なる場合がある。その原因としては、車両側の事情、すなわち、車両から各車輪のタイヤに上下方向に作用する荷重である車輪荷重が各車輪の装着位置によって異なることが考えられる。図15にグラフで例示するように、車輪荷重Wが大きいほど、タイヤ空気圧Pに対する動荷重半径rの感度が鈍感になる。
【0004】
車輪荷重が各車輪の装着位置によって異なる原因としては、車両重量の前輪および後輪への配分である前後配分の違いがある。
【0005】
例えば、前輪駆動式車両FFについては、前輪の方が後輪より車輪荷重が大きくなるように車両重量の前後配分が行われる傾向が強い。そのため、前輪の方が後輪より、動荷重半径の感度が鈍い傾向が強い。
【0006】
これに対し、後輪駆動式車両FRについては、前輪と後輪とに均等に車両重量が配分される傾向が強い。そのため、前輪と後輪との間において動荷重半径の感度が互いに等しい傾向が強い。しかし、後輪の方が前輪より車輪荷重が大きくなるように車両重量の前後配分が行われる場合もある。この場合には、後輪の方が前輪より、動荷重半径の感度が鈍い。
【0007】
また、動荷重半径の感度が車輪の装着位置によって異なる別の原因としては、タイヤ側の事情、すなわち、タイヤの形状(例えば、タイヤの扁平率に起因する)、タイヤの設定空気圧、タイヤの剛性(例えば、タイヤの構造に起因する)等が車輪の装着位置によって異なることが考えられる。以下、具体的に説明する。
【0008】
タイヤの扁平率が前輪と後輪とで互いに異なるようにタイヤの仕様が設定される場合がある。この場合には、扁平率が低いほど(同じタイヤ幅に対してタイヤ高さが低いほど)動荷重半径の感度が敏感になるという傾向がある。また、タイヤの設定空気圧が前輪と後輪とで互いに異なるようにタイヤの仕様が設定される場合もある。この場合には、タイヤの設定空気圧が高いほど動荷重半径の感度が敏感になるという傾向がある。
【0009】
特開平10−151919号公報には、動荷重半径の感度が車輪の装着位置に依存するという性質が存在するにもかかわらず、タイヤの空気圧を正確に検出するための技術が開示されている。
【0010】
この技術は、動荷重半径を反映した動荷重半径反映値が、車両における複数の車輪の全体に対して1つのみ定義されるとともに、その動荷重半径反映値が、それら複数の車輪の車輪速度の合成値として算出されることを前提として、各車輪ごとに予め用意された補正係数により各車輪速度を補正して動荷重半径反映値を算出するというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、動荷重半径rとタイヤ空気圧Pと車速Vとの間に成立する関係について研究し、その結果、次のような知見を得た。
【0012】
図16ないし図18には、3種類のタイヤにつき、タイヤ空気圧PがΔPだけ低下する前後で車速Vと動荷重半径rとの関係が変化する様子がグラフでそれぞれ例示されている。
【0013】
図16に示す種類のタイヤは、動荷重半径rがタイヤ空気圧Pには依存するが車速Vには依存しないという性質を有する種類のタイヤである。
【0014】
これに対し、図17に示す種類のタイヤは、動荷重半径rがタイヤ空気圧Pにも車速Vにも依存するが、タイヤ空気圧Pに対する動荷重半径rの感度、すなわち、タイヤ空気圧Pの低下に伴う動荷重半径rの減少量が車速Vに依存しないという性質を有する種類のタイヤである。
【0015】
また、図18に示す種類のタイヤは、動荷重半径rがタイヤ空気圧Pにも車速Vにも依存し、さらに、タイヤ空気圧Pに対する動荷重半径rの感度が車速Vに依存するという性質を有する種類のタイヤである。
【0016】
ここで、車輪の装着位置の如何にかかわらず、タイヤ空気圧が同じであれば動荷重半径反映値も同じになるように車輪速度を補正して動荷重半径反映値を算出する手法を考察すると、図16に示す種類のタイヤと、図17に示す種類のタイヤとについては、車輪速度の補正値を車輪の装着位置に応じて決定すれば足り、車速をも考慮することは不要である。
【0017】
これに対し、図18に示す種類のタイヤについては、車輪速度の補正値を車輪の装着位置に応じて決定するのみでは足りず、車速にも応じて決定することが必要である。
【0018】
このような知見に基づき、本発明は、車輪のタイヤの、空気圧に対する動荷重半径の感度がその車輪の車両における装着位置のみならず車速にも依存するという性質を有する種類のタイヤの空気圧を車輪の装着位置および車速の如何にかかわらず精度よく検出することを課題としてなされたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明によって下記各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつかおよびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
(1) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成された車輪が装着された車両に設けられ、前記タイヤの空気圧を推定によって検出する装置であって、
前記車輪の角速度を車輪速度として検出する車輪速度センサと、
その検出された車輪速度に基づき、前記タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値を算出し、その算出された動荷重半径反映値を用いて前記空気圧を推定する推定器と、
を含み、
前記推定器、前記車両における前記車輪の装着位置と前記車両の走行速度である車速に関連する車速関連値に応じた補正値により前記車輪速度の検出値を補正し、前記動荷重半径反映値の算出を行うものであり、
当該推定器は、前記車速が増加するにつれて、前記補正値により補正された後の前記車輪速度が増加するように、その補正値を決定する決定手段を含み、
前記車輪が、前記車両の動力源により駆動される駆動車輪と、駆動されずに転動させられる転動車輪と、を含み、前記補正値が、それら駆動車輪と転動車輪とに関連してそれぞれ設けられており、前記決定手段が、前記車速が同じである状態において、前記駆動車輪に関連する前記補正値により補正された後の前記車輪速度の方が、前記転動車輪に関連する前記補正値により補正された後の前記車輪速度より大きくなるように、それら補正値を決定するものであるタイヤ空気圧検出装置。
【0020】
この装置においては、車両における車輪の装着位置に応じた補正値により車輪速度の検出値が補正されるとともに、その補正値が、車速関連連に基づいて決定される。
【0021】
車速が大きいほど車輪速度が大きく、そのため、タイヤのトレッド部に作用する遠心力も大きい。その遠心力が大きいほど、トレッド部をタイヤの半径外側に張り出させる力、すなわち、リフトさせる力が大きくなる。
【0022】
車速に起因するトレッド部のリフトが発生すると、タイヤ空気圧が同じであっても、車輪速度が減少してしまう。そのため、トレッド部のリフトにもかかわらず動荷重半径反映値を正確に算出するためには、車輪速度をそれが増加するように補正して動荷重半径反映値を算出することが必要である。
【0023】
このような知見に基づき、本項に係る装置においては、車輪速度の補正値が、車速が増加するにつれて、その補正値により補正された後の車輪速度が増加するように決定される。
【0024】
したがって、この装置によれば、車速に起因するトレッド部のリフトが発生するにもかかわらずタイヤ空気圧を正確に検出することが容易となる。
【0025】
本項において「補正値により補正された後の車輪速度が増加する」とは、その車輪速度が絶対的に増加することを意味するように解釈したり、その車輪速度が、他の車輪の車輪速度が補正により減少させられる結果、その減少させられた車輪速度に対して相対的に増加することを意味するように解釈することが可能である。
【0026】
車速が大きいほど、車両が走行するために打つ勝たなければならない空気抵抗が増加し、そのため、車両の駆動車輪に作用させることが必要である駆動力も増加する。
【0027】
その駆動力を増加させるために、一般には、駆動車輪の路面に対するスリップ量が、車速が小さい場合におけるより増加させられる。
【0028】
しかし、本発明者の研究によれば、タイヤ空気圧が低い場合には、タイヤが変形し易いことが原因で、タイヤが路面に接触する接地面積が、タイヤ空気圧が高い場合より増加する。一方、タイヤの接地面積が大きいほど、そのタイヤに発生可能な駆動力が大きい。したがって、タイヤ空気圧が低い場合には、タイヤのスリップ量の増加に依存することなく、大きな駆動力を発生させ得る。
【0029】
そして、タイヤ空気圧が低い場合にも、高い場合と同様に、車速が増加するにつれて駆動車輪のスリップ量が増加するが、その増加量はタイヤ空気圧が高い場合より少ない。したがって、タイヤ空気圧が低い場合には、駆動車輪においては、転動車輪におけるより、車輪速度が減少して、動荷重半径の計算値が実際値より増加する傾向が強い。
【0030】
ここに、動荷重半径の計算値が実際値より増加する傾向は、タイヤ空気圧が低下して実際の動荷重半径が減少しているにもかかわらず、計算上の動荷重半径がそれほど顕著に減少しない傾向を意味している。そして、この傾向は、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度が低下する傾向を意味している。
【0031】
このような知見に基づき、本項に係る装置においては、車輪速度の補正値が、車速が同じである状態において、駆動車輪に関連する補正値により補正された後の車輪速度の方が、転動車輪に関連する補正値により補正された後の車輪速度より大きくなるように決定される。
【0032】
したがって、この装置によれば、スリップ量の変化特性が駆動車輪と転動車輪とで互いに異なるにもかからわず、動荷重半径反映値を精度よく算出することが容易となる。
【0033】
左右前輪と左右後輪とを備えた車両が駆動車輪と転動車輪とを含むように構成される場合には、一般に、それら左右前輪と左右後輪との一方が駆動車輪、他方が転動車輪に割り当てられる。
【0034】
したがって、本項における「駆動車輪に関連する補正値」と「転動車輪に関連する補正値」とはいずれも、結局、車両における各車輪の装着位置に応じた補正値を意味することとなる。
【0035】
したがって、この装置によれば、車輪の装着位置と車速との双方を考慮して動荷重半径反映値が算出可能となるため、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度が車輪の装着位置のみならず車速にも依存するという性質を有する種類のタイヤの空気圧を車輪の装着位置および車速の如何にかかわらず精度よく検出することが容易となる。
【0036】
本項および下記の各項において「補正値により車輪速度の検出値を補正する」とは、当該車輪の車輪速度の検出値を直接に補正することを意味するように解釈したり、別の車輪の車輪速度の検出値を補正することによって当該車輪速度の検出値を間接に補正することを意味するように解釈することが可能である。
【0037】
さらに、本項および下記の各項において「補正値により車輪速度の検出値を補正する」とは、その車輪速度の検出値を直接に補正することを意味するように解釈したり、動荷重半径反映値の暫定値(補正前の値)を補正することによって当該車輪速度の検出値を間接に補正することを意味するように解釈することが可能である。
【0038】
本項および下記の各項において「補正値」は、同じ車両において、車輪に作用する車輪荷重(例えば、車輪に垂直に作用する接地荷重)が大きい側の車輪についての車輪速度の検出値が絶対的に、または、車輪荷重が小さい側の車輪についての車輪速度の検出値に対して相対的に増加する値として決定することが可能である。車輪荷重が大きいほど、同じ車輪についての動荷重半径の感度が低下するが、この感度低下は、同じ車輪の車輪速度の検出値を絶対的にまたは相対的に増加させることにより、実際に現れることが抑制されるからである。
【0039】
本項および下記の各項において「車速関連値」としては、例えば、車速そのものを選んだり、車輪速度を選んだり、車両において運転者によりその車両を加速するために操作される加速操作部材の操作量を選んだりすることが可能である。
【0040】
本項および下記の各項において「空気圧の検出」は、空気圧の絶対値を検出することを意味するように解釈したり、空気圧の、しきい値に対する相対値(すなわち、変化量)を検出することを意味するように解釈したり、空気圧がしき値に対して高いか低いかという状態を検出することを意味するように解釈することが可能である。このような解釈は「空気圧の推定」という用語についても同様である。
(2) 前記車輪速度センサが、前記駆動車輪と前記転動車輪に関連してそれぞれ設けられた複数の車輪速度センサを含む(1)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
(3) 前記推定器が、前記動荷重半径反映値を前記駆動車輪と前記転動車輪の全体に対して1つ、各車輪ごとに前記各車輪速度センサによりそれぞれ検出された複数の車輪速度の合成値として算出する算出手段を含む(2)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0041】
前記(2)項に係る装置は、車両が駆動車輪と転動車輪を有する場合に、各車輪ごとに動荷重半径反映値を算出する態様で実施することが可能であるが、本項におけるように、動荷重半径反映値を複数の車輪の全体に対して1つ、それら複数の車輪の車輪速度の合成値として算出する態様で実施することも可能である。
(4) 前記算出手段が、前記動荷重半径反映値の算出に用いる算出式における前記車輪速度の前記複数の車輪間の大小関係を調整するために前記補正値を用いるものである(3)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0042】
この装置によれば、上記補正値を用いることにより、動荷重半径反映値の算出式における車輪速度の複数の車輪間の大小関係が調整され、それにより、動荷重半径反映値のタイヤ空気圧の変化に対する感度が車輪の装着位置にも車速にも依存することが抑制される。
【0043】
本項において「車輪速度の駆動車輪と転動車輪の車輪間の大小関係」は、例えば、複数の車輪間の差として定義したり、比として定義することが可能である。
(5) 前記駆動車輪と前記転動車輪が、前記車両の前後左右にそれぞれ装着された左右の前輪と左右の後輪とを含み、
前記複数の車輪速度センサが、それら左右の前輪と左右の後輪とに関連してそれぞれ設けられている(4)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
(6) 前記算出手段が、前記車輪速度の前記左右前輪間の比である左右前輪間比と、前記車輪速度の前記左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式におけるそれら左右前輪間比と左右後輪間比との比を調整するために前記補正値を用いるものである(5)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0044】
この装置によれば、各車輪のタイヤの動荷重半径の、タイヤ空気圧に対する感度(個別感度)が前輪と後輪との間において互いに異なる場合に、総合的な動荷重半径反映値のタイヤ空気圧に対する感度(総合感度)が車輪の装着位置にも車速にも依存することが抑制される。
(7) 前記算出手段が、前記車輪速度の前記左右前輪間の比である左右前輪間比と、前記車輪速度の前記左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式におけるそれら左右前輪間比と左右後輪間比とを個々に調整するために前記補正値を用いるものである(5)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0045】
この装置によれば、各車輪のタイヤの動荷重半径の、タイヤ空気圧に対する感度(個別感度)が左輪と右輪との間において互いに異なる場合に、総合的な動荷重半径反映値のタイヤ空気圧に対する感度(総合感度)が車輪の装着位置にも車速にも依存することが抑制される。
(8) 前記算出手段が、前記車輪速度の前記左右前輪間の比である左右前輪間比と、前記車輪速度の前記左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式における前記車輪速度の前記車輪間の比を調整するために前記補正値を用いるものである(5)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0046】
この装置によれば、各車輪のタイヤの動荷重半径の、タイヤ空気圧に対する感度(個別感度)が複数の車輪間において互いに異なる場合に、総合的な動荷重半径反映値のタイヤ空気圧に対する感度(総合感度)が車輪の装着位置にも車速にも依存することが抑制される。
(9) 前記算出手段が、前記車両において対角位置にある2つの対角車輪対の一方に関する前記車輪速度の和と、他方の対角車輪対に関する前記車輪速度の和との差またはその差に相当する値を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式における前記車輪速度の前記車輪間の比を調整するために前記補正値を用いるものである(5)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0047】
この装置によれば、前記(8)項に係る装置と同様に、各車輪のタイヤの動荷重半径の、タイヤ空気圧に対する感度(個別感度)が複数の車輪間において互いに異なる場合に、総合的な動荷重半径反映値のタイヤ空気圧に対する感度(総合感度)が車輪の装着位置にも車速にも依存することが抑制される。
【0048】
本項において「差に相当する値」は、例えば、車輪速度の左右前輪間の差と左右後輪間の差との差として定義することが可能である。
【0049】
(10) 前記推定器が、前記算出された動荷重半径反映値と、しきい値との比較によって前記空気圧が異常であるか否かを判定する判定手段を含む(1)ないし(9)項のいずれかに記載のタイヤ空気圧判定装置。
(11) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成された車輪が装着された車両に設けられ、前記タイヤの空気圧が異常であるか否かを判定する装置であって、前記車輪の角速度を車輪速度として検出する車輪速度センサと、その検出された車輪速度に基づき、前記タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値を算出し、その算出された動荷重半径反映値と、しきい値との比較によって前記空気圧が異常であるか否かを判定する判定器とを含み、かつ、その判定器が、前記車両における前記車輪の装着位置と前記車両の走行速度である車速に関連する車速関連値との一方である第1パラメータに応じた補正値により前記しきい値を補正するとともに、その補正値を、前記車輪の装着位置と前記車速関連値との他方である第2パラメータに基づいて決定し、かつ、前記補正されたしきい値と前記算出された動荷重半径反映値との比較によって前記空気圧が異常であるか否かを判定するものであるタイヤ空気圧判定装置
【0050】
この装置によれば、前記(1)項に係る装置と同様な原理に従い、2つのパラメータによる補正が、車輪速度に対してではなく、動荷重半径反映値と比較されるべきしきい値に対して行われ、それにより、タイヤ空気圧の判定結果が、車輪の装着位置および車速に依存することが抑制される。
(12) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成された車輪が装着された車両に設けられ、前記タイヤの空気圧を推定によって検出する装置であって、前記車輪の角速度を車輪速度として検出する車輪速度センサと、その検出された車輪速度に基づき、前記タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値を算出し、その算出された動荷重半径反映値を用いて前記空気圧を推定する推定器とを含み、かつ、その推定器が、前記車両から前記車輪に上下方向に作用する荷重である車輪荷重に基づく補正値により前記車輪速度の検出値を補正することにより、前記動荷重半径反映値の算出を行うものであるタイヤ空気圧検出装置。
【0051】
車両における車輪の装着位置に基づいて車輪速度の補正値を決定することは、車輪の装着位置に応じて車輪荷重が異なるという事実に着目すれば、車輪荷重に基づいて車輪速度の補正値を決定することにつながる。
【0052】
したがって、前記(1)ないし(10)項のいずれかに係る装置の各実施形態は、本項に係る装置の各実施形態でもある。
【0053】
しかし、車輪荷重は、車輪の装着位置以外の要因によっても変化する。その一例は、車両に積載される荷重の重さや分布である。例えば、車両が乗用車である場合には、車輪荷重が、前輪においては、運転者のみが乗車する空車時と、定員の乗員が乗車する定積時とでそれほど変化しないが、後輪においては、定積時の方が空車時より増加する。したがって、そのような車輪荷重の変化に付随し、各車輪ごとの動荷重半径の、タイヤ空気圧の変化に対する感度も変化する。
【0054】
これに対し、本項に係る装置によれば、固定的な車両重量配分のみならず、変動的な車両重量配分にも依存しないように動荷重半径反映値を算出することが容易となる。
(13) さらに、前記車輪荷重を検出する車輪荷重センサを含み、かつ、前記推定器が、その車輪荷重センサにより検出された車輪荷重に基づき、前記補正値を決定する決定手段を含む(12)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
(14) さらに、前記車両の車体の路面からの高さを検出する車高センサを含み、かつ、
前記推定器が、その車高センサにより検出された車高に基づき、前記補正値を決定する決定手段を含む(12)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0055】
車輪荷重と車高との間には、一般に、車輪荷重が大きいほど、車高が低いという関係が成立する。
【0056】
この事実を利用することにより、本項に係る装置においては、車高センサにより検出された車高に基づき、前記(12)項における補正値が決定される。
(15) さらに、前記車両において運転者によりその車両を加速するために操作される加速操作部材の操作量を加速操作量として検出する加速操作量センサと、
前記車両に前後方向に作用する加速度を前後加速度として検出する加速度センサと
を含み、かつ、前記推定器が、前記加速操作量センサにより検出された加速操作量と、その加速操作量と実質的に同じ時期に前記加速度センサにより検出された前後加速度との関係に基づき、前記補正値を決定する決定手段を含む(12)項に記載のタイヤ空気圧検出装置。
【0057】
車両の駆動力と、その車両に前後方向に発生する前後加速度と、その車両の総重量との間には、一般に、駆動力が前後加速度と総重量との積に等しいという関係が成立する。したがって、駆動力と前後加速度とが判明すれば、総重量を取得可能である。一方、駆動力は、車両において運転者によりその車両を加速するために操作される加速操作部材の操作量である加速操作量として検出可能である。
【0058】
したがって、互いに実質的に同じ時期に取得された加速操作量と前後加速度とから、そのときにおける車両の総重量を取得することが可能である。一方、一定の条件のもとでは、車両の総重量から車輪荷重を取得することも可能である。
【0059】
それらの知見に基づき、本項に係る装置においては、加速操作量と、それと実質的に同じ時期に検出された前後加速度との関係に基づき、前記(12)項における補正値が決定される。
(16) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成された車輪が装着された車両に設けられ、前記タイヤの空気圧を推定によって検出する装置であって、
前記車輪の角速度を車輪速度として検出する車輪速度センサと、
その検出された車輪速度に基づき、前記タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値を算出し、その算出された動荷重半径反映値を用いて前記空気圧を推定する推定器と
を含み、かつ、その推定器が、前記空気圧に対する前記動荷重半径反映値の感度が、前記車輪に作用する車輪荷重と前記車両の走行速度である車速とに依存する傾向を抑制するための補正値を、前記車両における前記車輪の装着位置と前記車速に関連する車速関連値とに応じて取得し、その取得された補正値により前記車輪速度の検出値を補正し、その補正された検出値に基づいて前記動荷重半径反映値を算出するものであるタイヤ空気圧検出装置。
【0060】
この装置によれば、車輪の装着位置と車速との双方を考慮し、タイヤ空気圧に対する動荷重半径反映値の感度が車輪荷重と車速とに依存する傾向が抑制されるように動荷重半径反映値が算出可能となる。
【0061】
よって、この装置によれば、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度が車輪荷重のみならず車速にも依存するという性質を有する種類のタイヤの空気圧を車輪荷重および車速の如何にかかわらず精度よく検出することが容易となる。
(17) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成された車輪が装着された車両に設けられ、前記タイヤの空気圧が異常であるか否かを判定する装置であって、
前記車輪の角速度を車輪速度として検出する車輪速度センサと、
その検出された車輪速度に基づき、前記タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値を算出し、その算出された動荷重半径反映値と、しきい値との比較によって前記空気圧が異常であるか否かを判定する判定器と
を含み、かつ、その判定器が、前記車両における前記車輪の装着位置と前記車両の走行速度である車速に関連する車速関連値とに応じて前記しきい値を、前記空気圧に対する前記動荷重半径反映値の感度が、前記車輪に作用する車輪荷重と前記車速とに依存する傾向を反映する値として決定するものであるタイヤ空気圧判定装置。
【0062】
この装置においては、タイヤ空気圧に対する動荷重半径反映値の感度が車輪荷重と車速とに依存する傾向を反映するように、動荷重半径反映値と比較されるべきしきい値が、車両における車輪の装着位置と車速に関連する車速関連値とに応じて決定される。
【0063】
したがって、この装置によれば、タイヤ空気圧の判定結果を、動荷重半径反映値の感度が車輪荷重と車速とに依存する傾向が抑制された状態で算出された動荷重半径反映値のもとに仮定的に取得されるタイヤ空気圧の判定結果に近づくように取得することが可能となる。
【0064】
よって、この装置によれば、タイヤ空気圧の判定結果が、車輪荷重および車速に依存することが抑制される。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0067】
図1には、本発明の第1実施形態に従うタイヤ異常判定装置のハードウエア構成がブロック図で概念的に示されている。このタイヤ異常判定装置は車両に搭載されている。
【0068】
その車両は、それの前後左右にそれぞれ車輪を備えている。図1において「FL」は左前輪、「FR」は右前輪、「RL」は左後輪、「RR」は右後輪をそれぞれ意味している。車輪の総数は4個である。
【0069】
その車両は前輪駆動式であり、左右前輪が駆動車輪、左右後輪が転動車輪とされている。また、左右前輪に作用する車輪荷重の方が、左右後輪に作用する車輪荷重より大きいように、車両重量の前後配分が設定されている。
【0070】
各車輪は、よく知られているように、金属製のホイールに装着されたゴム製のタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成されている。
【0071】
図1に示すように、このタイヤ異常判定装置は、各車輪ごとに車輪速度センサ10を備えている。各車輪速度センサ10は、よく知られているように、各車輪の角速度を車輪速度として検出するセンサである。具体的には、車輪速度センサ10は、電磁ピックアップであり、車輪と共に回転するロータの外周に形成された多数の歯の通過に応じて周期的に変化する電圧信号を出力する。
【0072】
それら4個の車輪速度センサ10は、図1に示すように、判定器20に電気的に接続されている。この判定器20は、コンピュータ22を主体とし、それら4個の車輪速度センサ10の出力信号に基づき、複数の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在しているか否かを判定する装置である。
【0073】
なお付言すれば、以下の説明においては、タイヤの異常という用語を、タイヤ空気圧が異常に低いことを意味する用語として使用する。
【0074】
図2には、コンピュータ22のハードウエア構成がブロック図で概念的に示されている。コンピュータ22は、よく知られているように、CPU30(プロセッサの一例)とROM32(メモリの一例)とRAM34(メモリの一例)とがバス36により互いに接続されて構成されている。
【0075】
ROM32には、図2に示すように、タイヤ異常判定プログラムおよび車速推定プログラムを始めとし、各種プログラムが予め記憶されている。
【0076】
車速推定プログラムは、よく知られているように、複数の車輪速度センサ10によりそれぞれ検出された複数の車輪速度に基づいて車速を推定するために実行されるプログラムである。
【0077】
タイヤ異常判定プログラムは、車両における複数のタイヤの中に、異常であるタイヤが存在しているか否かを判定するために実行されるプログラムである。このタイヤ異常判定プログラムの詳細は後に説明する。
【0078】
図1に示すように、判定器20には、さらに、警報器40も接続されている。警報器40は、複数の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在していることを車両の運転者に視覚的にまたは聴覚的に告知するために作動させられる。
【0079】
この警報器40は、情報を視覚的に告知する形式として構成する場合、専用のランプとして構成したり、同じ表示位置において複数の異なる情報を選択的に表示するマルチディスプレイとして構成することが可能である。
【0080】
ここで、前記タイヤ異常判定プログラムの内容を詳細に説明する。
【0081】
このタイヤ異常判定プログラムにおいては、車輪速度センサ10により検出された車輪速度に基づき、タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値αが算出され、その算出された動荷重半径反映値αを用いることにより、複数の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪存在しているか否かが判定される。
【0082】
本実施形態においては、その動荷重半径反映値αが、複数の車輪の全体に対して1つ、各車輪ごとに各車輪速度センサ10によりそれぞれ検出された複数の車輪速度の合成値として算出される。
【0083】
さらに、本実施形態においては、動荷重半径反映値αが、基本的には、車輪速度の左右前輪間の比である左右前輪間比と、車輪速度の左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて算出される。
【0084】
動荷重半径反映値αは、従来、次式により算出されていた。
【0085】
α=(VFR/VFL)−(VRR/VRL
ただし、
FR:右前輪の車輪速度
FL:左前輪の車輪速度
RR:右後輪の車輪速度
RL:左後輪の車輪速度
図3には、車輪荷重が前輪より小さい後輪につき、タイヤ空気圧Pが設定空気圧P0から一定値ΔPだけ低下した場合に、ある低速走行時には動荷重半径rがΔr1だけ減少するのに対し、ある高速走行時には動荷重半径rがΔr2だけ減少することがグラフで表されている。
【0086】
これに対し、図4には、車輪荷重が後輪より大きい前輪につき、タイヤ空気圧Pが設定空気圧P0からΔPだけ低下した場合に、ある低速走行時には動荷重半径rがΔr3だけ減少するのに対し、ある高速走行時には動荷重半径rがΔr4だけ減少することがグラフで表されている。
【0087】
図3および図4を参照すると、ある低速走行時には、減少量Δr1がΔr3より大きく、かつ、ある高速走行時には、減少量Δr2がΔr4より大きいことを窺うことができる。このことは、タイヤ空気圧Pに対する動荷重半径rの感度が、低速走行時であるか高速走行時であるかを問わず、後輪の方が前輪より敏感であることを意味する。
【0088】
このように前後輪間に感度差が存在することを考慮しないで、動荷重半径反映値αを算出すると、タイヤ空気圧Pが低下した車輪が前輪であるか後輪であるかにより、動荷重半径反映値αの算出値が異なってしまう。以下、このことを具体的に説明する。
【0089】
この説明のために、前述の車両の前輪のみにおいてタイヤ空気圧がΔPだけ低下した場合と、同じ車両の後輪のみにおいてタイヤ空気圧がΔPだけ低下した場合とをそれぞれ想定する。図5には、タイヤ空気圧Pと動荷重半径反映値αとの関係が、前者の場合については実線グラフ、後者の場合については破線グラフでそれぞれ示されている。
【0090】
なお付言すれば、タイヤ空気圧が設定空気圧P0から低下した場合には、動荷重半径反映値αの符号が正である領域でそれの絶対値が増加する場合と、負である領域でそれの絶対値が増加する場合とがあるが、図5には、正である領域でそれの絶対値が増加する場合のみが代表的に示されている。
【0091】
図5から明らかなように、タイヤ空気圧Pに対する動荷重半径反映値αの感度は、前輪においては鈍感であるのに対して、後輪においては敏感である。
【0092】
本実施形態においては、タイヤ空気圧Pが低下したことを検出するために動荷重半径反映値αにしきい値αthが設定される。このしきい値αthは、前輪と後輪とに共通に設定されるが、前述の従来の算出式を用いる場合には、動荷重半径反映値αがしきい値αthを超えたときの実際のタイヤ空気圧Pが前後輪間で互いに一致しない。タイヤ空気圧Pが設定空気圧P0から低下し始めると、後輪についてはその事実が早く検出されるのに対し、前輪については遅く検出されることになる。
【0093】
ところで、一般に、動荷重半径反映値αにしきい値αthを設定する際には、図6に示すように、タイヤ空気圧Pが設定空気圧P0より低いある値P1を下回らない限り、タイヤ空気圧が異常であると判定されないという要求と、タイヤ空気圧Pがある値P2(値P1より低い値)を下回ったならば必ず、タイヤ空気圧が異常であると判定されるという要求とが一緒に満たされるようにされる。
【0094】
それらの要求が満たされるようにしきい値αthを設定する場合には、感度が鈍感である場合、すなわち、前輪のみにおいてタイヤ空気圧が低下した場合の動荷重半径反映値αを基準にする手法と、感度が敏感である場合、すなわち、後輪のみにおいてタイヤ空気圧が低下した場合の動荷重半径反映値αを基準にする手法とが考えられる。
【0095】
前者の手法を採用する場合には、図6に示すように、しきい値αthが低めのしきい値αth1として設定されることになるが、このしきい値αth1を用いると、後輪のみにおいてタイヤ空気圧が低下した場合には、後輪のタイヤ空気圧が値P1より高い状況においてタイヤ空気圧が異常であるとの検出が誤って行われてしまう可能性がある。誤検出の可能性があるのである。
【0096】
これに対して、後者の手法を採用する場合には、図6に示すように、しきい値αthが高めのしきい値αth2として設定されることになるが、このしきい値αth2を用いると、前輪のみにおいてタイヤ空気圧が低下した場合には、前輪のタイヤ空気圧が値P2より低い状況においてタイヤ空気圧が異常であることが検出されない可能性がある。不検出の可能性があるのである。
【0097】
そこで、本実施形態においては、動荷重半径反映値αの算出式における車輪速度の複数の車輪間の大小関係を調整するために、補正値kが用いられる。
【0098】
さらに、本実施形態においては、その補正値kが、動荷重半径反映値αの算出式における左右前輪間比と左右後輪間比との比を調整するために用いられる。
【0099】
この補正値kが用いられた、動荷重半径反映値αの算出式を次式に示す。
【0100】
α=(VFR/VFL)−(VRR/VRL)×k+(k−1)
この算出式においては、補正値kが、1を除く正の値として設定される。この補正値kは、左右後輪間比(VRR/VRL)の方を左右前輪間比(VFR/VFL)より、動荷重半径反映値αへの寄与度を高めたい場合には、1より大きな値に設定され、これに対し、左右前輪間比(VFR/VFL)を左右後輪間比(VRR/VRL)より、動荷重半径反映値αへの寄与度を高めたい場合には、1より小さな値に設定される。
【0101】
この補正値kは、左右前輪間比(VFR/VFL)と左右後輪間比(VRR/VRL)とに同じ影響を及ぼすものではなく、互いに異なる影響を及ぼす。したがって、この補正値kは、車輪が前輪であるか後輪であるかに応じて決定される値であるということができる。
【0102】
本実施形態においては、動荷重半径rの感度が前輪においては低く、後輪においては高いから、補正値kが1より小さい値として設定されることになる。
【0103】
なお付言すれば、上述の算出式においては、(k−1)なる項が設けられている。この項は、補正値kの存在にもかかわらず、左右前輪間比(VFR/VFL)も左右後輪間比(VRR/VRL)も1である場合には必ず、動荷重半径反映値αが0となることを保証するために設けられている。
【0104】
この補正値kを用いれば、図7にグラフで示すように、感度が鈍感である場合、すなわち、前輪のみにおいてタイヤ空気圧が低下した場合の動荷重半径反映値αが、後輪のみにおいてタイヤ空気圧が低下した場合の動荷重半径反映値αに十分に接近することになる。
【0105】
したがって、図7に示すように、前輪のみにおいてタイヤ空気圧Pが低下したために動荷重半径反映値αがしきい値αthを下回るときのタイヤ空気圧P3と、後輪のみにおいてタイヤ空気圧Pが低下したために動荷重半径反映値αがしきい値αthを下回るときのタイヤ空気圧P4とが、そのタイヤ空気圧Pの低下が生じた車輪が前輪であるか後輪であるかにかかわらず、十分に互いに一致することになる。
【0106】
なお付言すれば、上述の算出式においては、補正値kが左右後輪間比(VRR/VRL)に掛け算されるとともに、左右前輪間比(VFR/VFL)も左右後輪間比(VRR/VRL)も1である場合に必ず動荷重半径反映値αが0となることを保証するために(k−1)なる項が設けられているが、補正値kを左右前輪間比(VFR/VFL)に掛け算するとともに、左右前輪間比(VFR/VFL)も左右後輪間比(VRR/VRL)も1である場合に必ず動荷重半径反映値αが0となることを保証するために(1−k)なる項を設けるようにして本発明を実施することが可能である。
【0107】
ただし、この場合には、例えば、左右前輪間比(VFR/VFL)を左右後輪間比(VRR/VRL)より、動荷重半径反映値αへの寄与度を高めたい場合には、補正値kが1より大きな値に設定されることとなる。
【0108】
ここで、図3および図4を再び参照すると、後輪につき、車速Vが上昇することに伴う動荷重半径rの減少量Δrの減少量が車速Vの上昇につれて減少する。具体的には、Δr1の方がΔr2より大きい。同様に、前輪につき、車速Vが上昇することに伴う動荷重半径rの減少量Δrの減少量が車速Vの上昇につれて減少する。具体的には、Δr3の方がΔr4より大きい。
【0109】
このことは、本実施形態においては、タイヤが、タイヤ空気圧Pに対する動荷重半径rの感度が、車輪の装着位置のみならず車速Vにも依存するという性質を有する種類のタイヤであることを示している。
【0110】
そのため、前述の補正値kを車速Vとは無関係に固定値として設定したのでは、動荷重半径反映値αを十分には高い精度で算出することができない。
【0111】
また、一般に、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度については、車速の上昇に伴う減少が、車輪荷重が小さい場合の方が大きい場合より顕著である。以下、このことを具体的に説明する。
【0112】
図8には、タイヤ空気圧PがΔPだけ低下する前後で、車速Vに対する動荷重半径rの変化量Δrが互いに異なる様子が、車輪荷重Wが大きい場合と小さい場合とについてそれぞれグラフで示されている。図8から明らかなように、車輪荷重Wが小さい場合の方が、大きい場合より、車速Vの上昇に伴う上記変化量Δrの減少量が大きい。このことは、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度の、車速の上昇に伴う減少が、車輪荷重が小さい場合の方が大きい場合より顕著であることを示している。
【0113】
本実施形態においては、後輪の方が前輪より車輪荷重が小さい。よって、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度の、車速の上昇に伴う減少が、後輪の方が前輪より顕著である。
【0114】
そこで、本実施形態においては、前述の補正値k(車輪速度の左右後輪間比に乗じられる値)の基準値k0、すなわち、車速Vが0であるときに採用される値が、前輪における動荷重半径の感度を増加させるために、1より小さな値とされる。
【0115】
さらに、本実施形態においては、補正値kが、車速Vの上昇につれて後輪における動荷重半径の感度の減少が顕著化することに対して動荷重半径反映値αを補償するために、図9に示すように、車速Vの上昇につれて、基準値k0から増加するように決定される。
【0116】
図10には、前記タイヤ異常判定プログラムの内容がフローチャートで概念的に表されている。
【0117】
このタイヤ異常判定プログラムは繰返し実行される。各回の実行時には、まず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても同じとする。)において、各車輪の車輪速度を表す信号が4個の車輪速度センサ10からそれぞれ取り込まれ、その取り込まれた各信号に基づき、各車輪ごとに車輪速度が演算される。
【0118】
次に、S2において、4個の車輪についてそれぞれ演算された4個の車輪速度に基づき、車両が現在走行している道路が悪路であるか否かが判定される。具体的には、例えば、それら4個の車輪速度間に設定状態以上の不一致があるか否かが判定され、ある場合には車両が悪路を走行していると判定される。
【0119】
今回は、車両が悪路を走行していると仮定すれば、S2の判定がYESとなり、直ちに、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。これに対し、今回は、車両が悪路を走行してはいないと仮定すれば、S2の判定がNOとなり、S3に移行する。
【0120】
このS3においては、車両が旋回中であるか否かが判定される。この判定は、例えば、左右前輪または左右後輪についてそれぞれ演算された2個の車輪速度を左右輪の車輪速度として用いることによって行われる。具体的には、例えば、それら左右輪の車輪速度間に設定状態以上の不一致があるか否かが判定され、ある場合には車両が旋回中であると判定される。
【0121】
今回は、車両が旋回中であると仮定すれば、S3の判定がYESとなり、S4において、各車輪について演算された車輪速度が、車両旋回による影響を受けないように補正される。
【0122】
具体的には、例えば、車両の旋回状態(車両の旋回半径および旋回方向を含む。)に関連付けて、車両旋回によって各車輪の車輪速度に現れる影響を実験または計算により予め取得しておき、それら旋回状態と影響との関係であってROM32に予め記憶されたものに従い、各車輪について演算された車輪速度が補正される。このS4の実行が終了すれば、S5に移行する。
【0123】
これに対し、今回は、車両が旋回中ではないと仮定すれば、S3の判定がNOとなり、S4がスキップされてS5に移行する。
【0124】
いずれの場合にも、このS5においては、車両が加減速中であるか否かが判定される。車両加速中には駆動車輪のスリップ率が増加し、車両制動中には制動車輪のスリップ率が増加し、いずれの場合にも、それら車輪について演算された車輪速度をそのまま用いて動荷重半径反映値αを算出したのでは、その算出の精度を確保することが困難であるからである。
【0125】
このS5の判定は、例えば、左右前輪の一方について演算された車輪速度と、左右後輪の一方について演算された車輪速度とを、前後輪の車輪速度として用いることによって行われる。具体的には、例えば、それら前後輪の車輪速度間に設定状態以上の不一致があるか否かが判定され、ある場合には車両が加減速中であると判定される。
【0126】
なお付言すれば、このS5は、車両の運転者によるブレーキ操作が検出されたり、各車輪のブレーキが自動的に制御されるブレーキ制御が検出されたことに応答して、車両が加減速中であると判定するようにして実行することが可能である。
【0127】
今回は、車両が加減速中であると仮定すれば、S5の判定がYESとなり、直ちに、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。これに対し、今回は、車両が加減速中ではないと仮定すれば、S5の判定がNOとなり、S6に移行する。
【0128】
なお付言すれば、本実施形態においては、S5において車両が加減速中であると判定されると、直ちに、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了するようになっているが、S5において車両が加減速中であると判定された場合には、各車輪について演算された車輪速度を、車両加減速による影響が排除されるように補正し、その後にS6に移行するように、このタイヤ異常判定プログラムを変更してコンピュータ22に実行させることが可能である。
【0129】
S6においては、前記車速推定プログラムの実行により推定されてRAM34にストアされた車速が読み込まれる。
【0130】
その後、S7において、その読み込まれた車速に応じ、かつ、図9に示す関係であってROM32に予め記憶されたものに従い、今回の補正値kが決定される。
【0131】
続いて、S8において、その決定された補正値kと、S1において演算された4個の車輪速度とを前述の算出式に代入することにより、今回の動荷重半径反映値αが算出される。
【0132】
その後、S9において、その算出された動荷重半径反映値αの絶対値が前述のしきい値αthより大きいか否かが判定される。今回は、動荷重半径反映値αの絶対値がしきい値αthより大きいと仮定すれば、S9の判定がYESとなる。今回の判定結果は、4個の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在することを意味する。
【0133】
したがって、その後、S10において、警報器40をONにするための信号がその警報器40に対して出力される。以上で、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。
【0134】
これに対して、今回は、動荷重半径反映値αの絶対値がしきい値αthより大きくはないと仮定すれば、S9の判定がNOとなる。今回の判定結果は、4個の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在しないことを意味する。
【0135】
したがって、その後、S11において、警報器40をOFFにするための信号がその警報器40に対して出力される。以上で、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。
【0136】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、タイヤ異常判定装置が前記(1)または(19)項に係る「タイヤ空気圧検出装置」の一例を構成し、判定器20が同項における「推定器」の一例を構成し、車速Vが同項における「車速関連値」の一例を構成し、車輪が前輪であるか後輪であるかというこ
とが同項における「車輪の装着位置」の一例を構成し、その車輪の装着位置が同項における「第1パラメータ」の一例を構成し、車速Vが同項における「第2パラメータ」の一例を構成しているのである。
【0137】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図10におけるS8を実行する部分が前記(3)ないし(6)項のいずれかにおける「算出手段」の一例を構成しているのである。
【0138】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図10におけるS9を実行する部分が前記(13)項における「判定手段」の一例を構成しているのである。
【0139】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、車輪の装着位置および車速という2つのパラメータの双方が考慮されて同じ補正値が決定されるため、それら2つのパラメータを個々に考慮して補正値を個々に決定する場合に比較し、動荷重半径反映値の算出が容易となり、その算出に必要な時間の短縮も容易となる。
【0140】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態とタイヤ異常判定プログラムの内容が部分的に相違するのみで、他の要素については共通するため、共通する要素については説明を省略し、相違する要素についてのみ説明する。
【0141】
図11には、本実施形態におけるタイヤ異常判定プログラムの内容がフローチャートで概念的に表されているが、これについては後に詳述する。
【0142】
第1実施形態においては、補正値が、左右後輪間比(VRR/VRL)に乗じられる補正値kとして定義されているが、本実施形態においては、各車輪の車輪速度に乗じられる4個の補正値a,b,cおよびdとして定義されている。
【0143】
本実施形態においては、動荷重半径反映値αが次の算出式によって算出される。
【0144】
α=(VFR×a/VFL×b)−(VRR×c/VRL×d)−(a/b−c/d)この算出式においては、補正値a,b,cおよびdはそれぞれ、右前輪、左前輪、右後輪および左後輪に応じて決定される。各補正値a,b,c,dは、対応する各車輪の車輪速度を他の車輪の車輪速度より、動荷重半径反映値αへの寄与度を増加させたいほど、大きな値として決定される。それら補正値a,b,c,dはいずれも、正の値として決定される。
【0145】
したがって、本実施形態においては、動荷重半径反映値αの算出式における車輪速度の4個の車輪間の大小関係を調整するために、4個の補正値a,b,c,dが用いられる。
【0146】
よって、本実施形態においては、それら4個の補正値a,b,c,dが、動荷重半径反映値αの算出式における車輪速度の左右前輪間の比と左右後輪間の比を調整するために用いられていると考えることも、それら左右前輪間の比と左右後輪間の比とを個々に調整するために用いられていると考えることもできる。
【0147】
前述のように、本実施形態に従うタイヤ異常判定装置が搭載される車両は、前輪において後輪におけるより、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度が鈍感である。
【0148】
したがって、本実施形態においては、左右前輪用の補正値a,bの方が、左右後輪用の補正値c,dより大きく設定される。
【0149】
また、左右前輪間において動荷重半径の感度に差がある場合には、補正値a,bが互いに異なる値を有するように設定されるし、同様に、左右後輪間において動荷重半径の感度に差がある場合には、補正値c,dが互いに異なる値を有するように設定される。
【0150】
なお付言すれば、上述の算出式においては、(a/b−c/d)なる項が設けられている。この項は、補正値a,b,c,dの存在にもかかわらず、左右前輪間比(VFR/VFL)も左右後輪間比(VRR/VRL)も1である場合には必ず、動荷重半径反映値αが0となることを保証するために設けられている。
【0151】
本実施形態においては、左右前輪は駆動車輪であり、左右後輪は転動車輪である。一方、前述のように、タイヤ空気圧が低い場合には、駆動車輪において転動車輪におけるより、路面に対するスリップ率が低くなり、車輪速度が減少する傾向がある。この傾向は、動荷重半径の計算値が実際値より増加する傾向を意味しており、ひいては、タイヤ空気圧に対する動荷重半径の感度が低下する傾向を意味している。
【0152】
そこで、本実施形態においては、前述の、車速Vの上昇に伴うタイヤのトレッド部のリフトに対する補償を行うために、いずれの補正値a,b,c,dも、図12および図13にグラフで表されているように、車速Vの上昇につれて増加するように決定される。
【0153】
なお付言すれば、図12においては、補正値aの基準値a0と、補正値cの基準値c0とが互いに一致するように表されているが、この一致は説明の便宜上行われているにすぎない。このことは図13についても同様である。
【0154】
さらに、本実施形態においては、図12に示すように、同じ車速Vのもと、駆動車輪である右前輪用の補正値aが、転動車輪である右後輪用の補正値cより大きい値として決定される。同様に、図13に示すように、同じ車速Vのもと、駆動車輪である左前輪用の補正値bが、転動車輪である左後輪用の補正値dより大きい値として決定される。このような、各補正値a,b,c,dと車速Vとの関係は、ROM32に予め記憶されている。
【0155】
ここで、本実施形態におけるタイヤ異常判定プログラムの内容を詳細に説明する。ただし、このタイヤ異常判定プログラムは、第1実施形態におけるタイヤ異常判定プログラムと共通するステップが多い。そのため、共通するステップについては簡単に説明し、異なるステップについてのみ詳細に説明する。
【0156】
このタイヤ異常判定プログラムの各回の実行時には、S31ないしS36が図10におけるS1ないしS6と同様にして実行される。
【0157】
その後、S37において、S36において読み込まれた車速Vに応じ、かつ、各補正値a,b,c,dと車速Vとの関係であってROM32に予め記憶されたものに従い、今回の各補正値a,b,c,dが決定される。
【0158】
続いて、S38において、その決定された補正値a,b,c,dと、S31において4個の車輪についてそれぞれ演算された4個の車輪速度とが上述の算出式に代入され、それにより、今回の動荷重半径反映値αが算出される。
【0159】
その後、S39ないしS41が、図10におけるS9ないしS11と同様にして実行される。
【0160】
以上で、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。
【0161】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、タイヤ異常判定装置が前記(1)または(19)項に係る「タイヤ空気圧検出装置」の一例を構成し、判定器20が同項における「推定器」の一例を構成し、車速Vが同項における「車速関連値」の一例を構成し、車輪が右前輪であるか左前輪であるか右後
輪であるか左後輪であるかということが同項における「車輪の装着位置」の一例を構成し、その車輪の装着位置が同項における「第1パラメータ」の一例を構成し、車速Vが同項における「第2パラメータ」の一例を構成しているのである。
【0162】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図11におけるS38を実行する部分が前記(3)ないし(8)項のいずれかにおける「算出手段」の一例を構成しているのである。
【0163】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図11におけるS37を実行する部分が前記(11)項における「決定手段」の一例を構成しているのである。
【0164】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図11におけるS39を実行する部分が前記(13)項における「判定手段」の一例を構成しているのである。
【0165】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第2実施形態とタイヤ異常判定プログラムの内容が部分的に相違するのみで、他の要素については共通するため、共通する要素については説明を省略し、相違する要素についてのみ説明する。
【0166】
第2実施形態においては、動荷重半径反映値が、車輪速度の、左右前輪間の比と左右後輪間の比との差を用いて算出される動荷重半径反映値αとして定義されている。
【0167】
これに対し、本実施形態においては、動荷重半径反映値が、車両において対角位置にある2つの対角車輪対の一方に関する車輪速度の和と、他方の対角車輪対に関する車輪速度の和との差を用いて算出される動荷重半径反映値δとして定義されている。一方の対角車輪対は、右前輪と左後輪との組合せであり、他方の対角車輪対は、左前輪と右後輪との組合せである。
【0168】
ただし、本実施形態においては、第2実施形態におけると同様に、補正値が、各車輪の車輪速度に乗じられる4個の補正値a,b,cおよびdとして定義されている。それら補正値a,b,cおよびdは、第2実施形態におけると同様にして、各車輪の装着位置と車速Vとに応じて決定される。
【0169】
本実施形態においては、動荷重半径反映値δが次の算出式によって算出される。
【0170】
δ=((VFR×a+VRL×c)/2−(VFL×b+VRR×d)/2)/(VFR+VFL+VRR+VRL)/4
この算出式においては、補正値a,b,cおよびdは、
a+c−b−d=0
なる式が成立するように決定される。これは、補正値a,b,c,dの存在にもかかわらず、4個の車輪間で車輪速度が互いに一致する場合には必ず、動荷重半径反映値δが0となることを保証するためである。
【0171】
図14には、本実施形態におけるタイヤ異常判定プログラムの内容がフローチャートで概念的に表されている。
【0172】
このタイヤ異常判定プログラムの各回の実行時には、S51ないしS56が図11におけるS31ないしS36と同様にして実行される。
【0173】
その後、S57において、S56において読み込まれた車速Vに応じ、かつ、各補正値a,b,c,dと車速Vとの関係であってROM32に予め記憶されたものに従い、今回の各補正値a,b,c,dが決定される。
【0174】
続いて、S58において、その決定された補正値a,b,c,dと、S51において4個の車輪についてそれぞれ演算された4個の車輪速度とが上述の算出式に代入され、それにより、今回の動荷重半径反映値δが算出される。
【0175】
その後、S59において、その算出された動荷重半径反映値δの絶対値が、前述のしきい値αthと同様にして設定されたしきい値δthより大きいか否かが判定される。今回は、動荷重半径反映値δの絶対値がしきい値δthより大きいと仮定すれば、S59の判定がYESとなる。今回の判定結果は、4個の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在することを意味する。
【0176】
したがって、その後、S60において、警報器40をONにするための信号がその警報器40に対して出力される。以上で、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。
【0177】
これに対して、今回は、動荷重半径反映値δの絶対値がしきい値δthより大きくはないと仮定すれば、S59の判定がNOとなる。今回の判定結果は、4個の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在しないことを意味する。
【0178】
したがって、その後、S61において、警報器40をOFFにするための信号がその警報器40に対して出力される。以上で、このタイヤ異常判定プログラムの一回の実行が終了する。
【0179】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、タイヤ異常判定装置が前記(1)または(19)項に係る「タイヤ空気圧検出装置」の一例を構成し、判定器20が同項における「推定器」の一例を構成し、車速Vが同項における「車速関連値」の一例を構成し、車輪が右前輪であるか左前輪であるか右後
輪であるか左後輪であるかということが同項における「車輪の装着位置」の一例を構成し、その車輪の装着位置が同項における「第1パラメータ」の一例を構成し、車速Vが同項における「第2パラメータ」の一例を構成しているのである。
【0180】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図14におけるS58を実行する部分が前記(3)ないし(5)項および(9)項のいずれかにおける「算出手段」の一例を構成しているのである。
【0181】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図14におけるS57を実行する部分が前記(11)項における「決定手段」の一例を構成しているのである。
【0182】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22のうち図14におけるS59を実行する部分が前記(13)項における「判定手段」の一例を構成しているのである。
【0183】
なお付言すれば、本実施形態においては、動荷重半径反映値が基本的には、一方の対角車輪対についての車輪速度の和と、他方の対角車輪対についての車輪速度の和との差として算出されるようになっているが、例えば、左右前輪についての車輪速度の差と、左右後輪についての車輪速度の差との差として算出するようにして本発明を実施することが可能である。
【0184】
さらに付言すれば、以上説明したいくつかの実施形態においては、補正値kまたは補正値a,b,c,dを例えば、次のようにして予め決定することが可能である。
【0185】
すなわち、車両の出荷前の段階において、車両の4個の車輪のうちの1個の車輪のみについてタイヤ空気圧を、警報すべき設定圧まで実際に低下させることをそれら4個の車輪について順に行われるとともに、各車輪ごとにそのようなタイヤ空気圧の低下がわれるごとに、車両が走行させられる。各回の走行中には
、動荷重半径反映値αまたはδが測定される。
【0186】
そして、その測定値が、タイヤ空気圧が前輪側のみにおいて低下した場合と、後輪側のみにおいて低下した場合とで互いに比較され、その比較された測定値同士が互いに一致するように、補正値kまたは補正値a,b,c,dが決定されるのである。
【0187】
このような決定は、補正値kまたは補正値a,b,c,dが、同じ種類に属する複数の車両については、互いに共通する固定値として定義される状態で行うことが可能である。しかし、同じ種類に属する複数の車両であっても、車両特性やタイヤ特性のバリエーションやばらつきがあることを考慮し、車両ごとに補正値kまたは補正値a,b,c,dを決定し、それを車両ごとに、その車両のコンピュータ22のROM32に設けられたEEEPROM等、電子的消去・書込み可能ROMに記憶させることも可能である。
【0188】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1ないし第3実施形態とタイヤ異常判定プログラムの内容が部分的に相違するのみで、他のソフトウエア要素と全体のハードウエア要素とについては共通するため、共通する要素については説明を省略し、相違する要素についてのみ説明する。
【0189】
第1ないし第3実施形態においてはいずれも、動荷重半径反映値αまたはδの算出に用いられる車輪速度が直接に補正されることによって動荷重半径反映値αまたはδが間接に補正されるようになっている。
【0190】
これに対し、本実施形態においては、コンピュータ22により、タイヤ空気圧が異常であるか否かを判定するために動荷重半径反映値αまたはδと比較されるべきしきい値が、第1ないし第3実施形態におけるに準じて補正される。動荷重半径反映値αまたはδは、補正値kも補正値a,b,c,dも用いることなく算出される。
【0191】
本実施形態においては、例えば、前輪のタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定するために動荷重半径反映値αまたはδと比較すべきしきい値と、後輪のタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定するために動荷重半径反映値αまたはδと比較すべきしきい値とがそれぞれ、動荷重半径反映値αまたはδの感度の前後輪間の違いを考慮せずに、互いに独立した前輪用のしきい値および後輪用のしきい値として設定される。後輪用のしきい値は暫定値として設定される。
【0192】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22により、前輪用のしきい値が、車速に応じて定められた係数で補正され、その補正値と等しくなるように後輪用のしきい値の最終値が決定される。
【0193】
したがって、本実施形態においては、判定器20が前記(14)または(20)項における「判定器」の一例を構成しているのである。
【0194】
次に、本発明の第5実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1ないし第3実施形態とタイヤ異常判定プログラムの内容が部分的に相違するのみで、他のソフトウエア要素と全体のハードウエア要素とについては共通するため、共通する要素については説明を省略し、相違する要素についてのみ説明する。
【0195】
本実施形態においては、動荷重半径反映値αまたはδと比較されるべきしきい値が、車両における各車輪の装着位置と車速とに応じて決定される。このしきい値は、タイヤ空気圧に対する動荷重半径反映値αまたはδの感度が、各車輪に作用する車輪荷重と車速とに依存する傾向を反映する値として決定される。
【0196】
具体的には、本実施形態においては、車輪の装着位置と車速としきい値との間に予め定められた関係が、関数式、マップ等の形態で、コンピュータ22のROM32に予め記憶されている。その関係は、タイヤ空気圧の判定結果が、動荷重半径反映値αまたはδの感度が車輪荷重と車速とに依存する傾向が抑制された状態で算出された動荷重半径反映値αまたはδのもとに仮定的に取得されるタイヤ空気圧の判定結果に近づくように取得されるように設定されている。
【0197】
さらに、本実施形態においては、コンピュータ22により、車両走行中、4個の車輪がそれぞれ順にタイヤ空気圧の判定対象とされ、今回の判定対象である車輪の装着位置と、車速そのものまたはそれに関連する物理量とが検出される。そして、それら検出値に対応するしきい値が、上記関係に従って決定される。
【0198】
その後、本実施形態においては、コンピュータ22により、そのようにして決定されたしきい値と、補正値kも補正値a,b,c,dも用いることなく算出された動荷重半径反映値αまたはδとが互いに比較され、その結果に基づき、4個の車輪の中にタイヤ空気圧が異常である車輪が少なくとも1個存在するか否かが判定される。
【0199】
したがって、本実施形態においては、判定器20が前記(14)または(20)項における「判定器」の一例を構成しているのである。
【0200】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[課題を解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に従うタイヤ異常判定装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】タイヤの動荷重半径rと車速Vとタイヤ空気圧Pとの間に成立する一般的な関係を車輪荷重が小さい場合について説明するためのグラフである。
【図4】タイヤの動荷重半径rと車速Vとタイヤ空気圧Pとの間に成立する一般的な関係を車輪荷重が大きい場合について説明するためのグラフである。
【図5】従来の算出式により算出される動荷重半径反映値αを説明するためのグラフである。
【図6】従来の算出式により算出される動荷重半径反映値αを説明するための別のグラフである。
【図7】第1実施形態による効果を説明するためのグラフである。
【図8】タイヤの動荷重半径rと車速Vとタイヤ空気圧Pと車輪荷重Wとの間に一般的に成立する関係を説明するためのグラフである。
【図9】第1実施形態における補正値kと車速Vとの関係を説明するためのグラフである。
【図10】図2におけるタイヤ異常判定プログラムの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に従うタイヤ異常判定装置のコンピュータ22により実行されるタイヤ異常判定プログラムの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図12】第2実施形態における補正値a,cと車速Vとの関係を説明するためのグラフである。
【図13】第2実施形態における補正値b,dと車速Vとの関係を説明するためのグラフである。
【図14】本発明の第3実施形態に従うタイヤ異常判定装置のコンピュータ22により実行されるタイヤ異常判定プログラムの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図15】タイヤの動荷重半径rとタイヤ空気圧Pと車輪荷重Wとの間に一般的に成立する関係を説明するためのグラフである。
【図16】ある種類のタイヤにつき、タイヤの動荷重半径rと車速Vとタイヤ空気圧Pとの間に成立する関係を説明するためのグラフである。
【図17】別の種類のタイヤにつき、タイヤの動荷重半径rと車速Vとタイヤ空気圧Pとの間に成立する関係を説明するためのグラフである。
【図18】さらに別の種類のタイヤにつき、タイヤの動荷重半径rと車速Vとタイヤ空気圧Pとの間に成立する関係を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
10 車輪速度センサ
20 判定器
22 コンピュータ

Claims (10)

  1. ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成された車輪が装着された車両に設けられ、前記タイヤの空気圧を推定によって検出する装置であって、
    前記車輪の角速度を車輪速度として検出する車輪速度センサと、
    その検出された車輪速度に基づき、前記タイヤの動荷重半径を反映する動荷重半径反映値を算出し、その算出された動荷重半径反映値を用いて前記空気圧を推定する推定器と、
    を含み、
    前記推定器、前記車両における前記車輪の装着位置と前記車両の走行速度である車速に関連する車速関連値に応じた補正値により前記車輪速度の検出値を補正し、前記動荷重半径反映値の算出を行うものであり、
    当該推定器は、前記車速が増加するにつれて、前記補正値により補正された後の前記車輪速度が増加するように、その補正値を決定する決定手段を含み、
    前記車輪が、前記車両の動力源により駆動される駆動車輪と、駆動されずに転動させられる転動車輪と、を含み、前記補正値が、それら駆動車輪と転動車輪とに関連してそれぞれ設けられており、前記決定手段が、前記車速が同じである状態において、前記駆動車輪に関連する前記補正値により補正された後の前記車輪速度の方が、前記転動車輪に関連する前記補正値により補正された後の前記車輪速度より大きくなるように、それら補正値を決定するものであるタイヤ空気圧検出装置。
  2. 記車輪速度センサが、前記駆動車輪と前記転動車輪に関連してそれぞれ設けられた複数の車輪速度センサを含む請求項1に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  3. 前記推定器が、前記動荷重半径反映値を前記駆動車輪と前記転動車輪の全体に対して1つ、各車輪ごとに前記各車輪速度センサによりそれぞれ検出された複数の車輪速度の合成値として算出する算出手段を含む請求項2に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  4. 前記算出手段が、前記動荷重半径反映値の算出に用いる算出式における前記車輪速度の複数の車輪間の大小関係を調整するために前記補正値を用いるものである請求項3に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  5. 前記駆動車輪と前記転動車輪が、前記車両の前後左右にそれぞれ装着された左右の前輪と左右の後輪とを含み、
    前記複数の車輪速度センサが、それら左右の前輪と左右の後輪とに関連してそれぞれ設けられている請求項4に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  6. 前記算出手段が、前記車輪速度の前記左右前輪間の比である左右前輪間比と、前記車輪速度の前記左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式におけるそれら左右前輪間比と左右後輪間比との比を調整するために前記補正値を用いるものである請求項5に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  7. 前記算出手段が、前記車輪速度の前記左右前輪間の比である左右前輪間比と、前記車輪速度の前記左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式におけるそれら左右前輪間比と左右後輪間比とを個々に調整するために前記補正値を用いるものである請求項5に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  8. 前記算出手段が、前記車輪速度の前記左右前輪間の比である左右前輪間比と、前記車輪速度の前記左右後輪間の比である左右後輪間比との差を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式における前記車輪速度の前記車輪間の比を調整するために前記補正値を用いるものである請求項5に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  9. 前記算出手段が、前記車両において対角位置にある2つの対角車輪対の一方に関する前記車輪速度の和と、他方の対角車輪対に関する前記車輪速度の和との差またはその差に相当する値を用いて前記動荷重半径反映値を算出するとともに、その動荷重半径反映値の算出に用いる算出式における前記車輪速度の前記車輪間の比を調整するために前記補正値を用いるものである請求項5に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  10. 前記推定器が、前記算出された動荷重半径反映値と、しきい値との比較によって前記空気圧が異常であるか否かを判定する判定手段を含む請求項1ないしのいずれかに記載のタイヤ空気圧判定装置。
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