JP2009008614A - 車速算出装置及び車速算出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】二輪車の車速を高精度に算出する車速算出装置及び車速算出システムを提供する。
【解決手段】二輪車の車速SPDを算出するECU10(車速算出装置)において、
二輪車のタイヤの回転速度NWを算出する回転速度算出手段(S100)と、タイヤの径方向寸法に関連する径寸法情報(サスペンションのストローク量)を取得する径寸法取得手段(S40)と、回転速度算出手段により算出された回転速度NW、及び径寸法取得手段により取得された径寸法情報StFr,StRrに基づき車速SPDを算出する車速算出手段(S120)と、を備える。これによれば、タイヤの径方向の圧縮潰れ量を加味して車速SPDが算出されるので、二輪車の車速を高精度に算出できる。
【選択図】 図2
【解決手段】二輪車の車速SPDを算出するECU10(車速算出装置)において、
二輪車のタイヤの回転速度NWを算出する回転速度算出手段(S100)と、タイヤの径方向寸法に関連する径寸法情報(サスペンションのストローク量)を取得する径寸法取得手段(S40)と、回転速度算出手段により算出された回転速度NW、及び径寸法取得手段により取得された径寸法情報StFr,StRrに基づき車速SPDを算出する車速算出手段(S120)と、を備える。これによれば、タイヤの径方向の圧縮潰れ量を加味して車速SPDが算出されるので、二輪車の車速を高精度に算出できる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、二輪車の車速を算出する車速算出装置及び車速算出システムに関する。
従来より、二輪車のタイヤの回転速度を検出する回転速度検出センサを設け、該センサから出力される検出値に基づき二輪車のタイヤの回転速度NWを算出し、算出した回転速度NWに、予め設定されたタイヤ半径の値Rを乗じて車速SPDを算出するECU(電子制御装置)が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第2628780号公報
ところで、近年では、二輪車のエンジン(内燃機関)制御や各種アクチュエータを電子制御に依存する傾向にある。例えば、スロットルバルブを駆動する電動モータを電子制御する場合や、ステアリングの回動を抑制する力をステアリングに付与するステアリングダンパにおいてその回動抑制力を電子制御する場合、路面から受ける衝撃を吸収するサスペンションにおいてその減衰力を電子制御する場合等が挙げられる。そして、このような電子制御では、車速SPDをパラメータにして制御する場合が多く、算出車速SPDに高い精度が要求されるようになってきている。
そして、このような高精度の車速SPDを算出することを本発明者が検討した結果、従来のECUでは、タイヤの径方向の圧縮潰れ量を加味していないことに起因して車速SPDに誤差が生じているとの知見を得た。
つまり、厳密には、走行中のタイヤは径方向に圧縮して潰れた状態になっており、走行状態によってその潰れ量は変化する。例えば、二輪車がブレーキにより減速している場合にはタイヤの潰れ量は大きくなる。そして、潰れ量が変化すると、タイヤ半径の値Rは実際には変化するため、タイヤの外周長が変化して実際の車速も変化する。これに対し、このような潰れ量を加味していない従来の車速算出装置では、潰れ量が大きければ実際の車速よりも算出した車速SPDは大きくなってしまい、誤差が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、二輪車の車速を高精度に算出する車速算出装置及び車速算出システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、二輪車の車速を算出する車速算出装置において、前記二輪車のタイヤの回転速度を算出する回転速度算出手段と、前記タイヤの径方向寸法に関連する径寸法情報を取得する径寸法取得手段と、前記回転速度算出手段により算出された回転速度、及び前記径寸法取得手段により取得された前記径寸法情報に基づき前記車速を算出する車速算出手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、二輪車の車速は、タイヤの回転速度に加え、タイヤの径方向寸法に関連する径寸法情報に基づき算出される。よって、タイヤの径方向の圧縮潰れ等により径方向寸法が変化し、その結果タイヤの外周長が変化した場合でも、その変化を加味して車速が算出されるので、算出した車速と実際の車速との誤差を低減でき、二輪車の車速を高精度に算出できる。
ここで、タイヤ荷重と潰れ量との相関関係は強く、タイヤの径方向にかかる荷重が大きいほど前記潰れ量は大きくなる。この点に着目し、請求項2記載の発明では、前記径寸法情報は、前記タイヤの径方向にかかる荷重に関連した情報であり、前記車速算出手段は、前記タイヤの径方向にかかる荷重が大きいほど前記車速を小さい値に算出することを特徴とする。よって、潰れ量が大きいほど車速を小さく算出することを、容易に実現できる。
また、ストローク量とタイヤ荷重との相関関係は強く、サスペンションのストローク量が大きいほど前記タイヤ荷重は大きくなる。この点に着目し、請求項3記載の発明では、前記車速算出手段は、前記タイヤが路面から受ける衝撃を吸収するサスペンションのストローク量が大きいほど前記車速を小さい値に算出することを特徴とする。よって、タイヤ荷重が大きいほど車速を小さく算出することを、容易に実現できる。
ところで、回転速度が大きいほどタイヤの遠心力も大きくなり、その遠心力によりタイヤは径方向に膨張変形し、その結果タイヤの外周長が長くなる。この点を鑑み、請求項4記載の発明では、前記回転速度算出手段により検出された回転速度が大きいほど、前記径寸法取得手段により取得した前記タイヤの径方向寸法を大きい値に補正することを特徴とする。よって、二輪車の車速をより一層高精度に算出できる。
ここで、例えば、急加速運転時には前輪タイヤが路面から浮いた走行状態(所謂、ウイリー状態)になる場合があり、このような場合において、前輪タイヤの回転速度検出値を用いると、正確な車速を算出することができない。また、例えば、急ブレーキ時には後輪タイヤが路面に対してスリップした走行状態(所謂、リアロック状態)になる場合があり、このような場合において、後輪タイヤの回転速度検出値を用いると、正確な車速を算出することができない。
この点を鑑み請求項5,6記載の発明では、前記回転速度算出手段には、前記二輪車の前輪タイヤの回転速度検出値及び後輪タイヤの回転速度検出値の両検出値が入力され、前記回転速度算出手段は、前記前輪タイヤの径方向にかかる荷重及び前記後輪タイヤの径方向にかかる荷重に基づき、前記両検出値のいずれを用いるかを選択し、前記選択した検出値に基づき前記回転速度を算出することを特徴とする。
これによれば、前輪タイヤの回転速度検出値及び後輪タイヤの回転速度検出値のいずれを用いて車速を算出するかを、前輪タイヤの荷重及び後輪タイヤの荷重に基づき選択するので、両荷重に基づき信頼性の高い検出値を用いることができる。よって、上述の如くウイリー状態やリアロック状態の場合でも正確な車速を算出することができる。
請求項7記載の発明では、前記前輪タイヤにかかる荷重が第1所定値以上である場合には、前記回転速度算出手段は前記前輪タイヤの検出値を選択することを特徴とする。このように、前輪タイヤにかかる荷重が第1所定値以上である場合には、上述したリアロック状態である可能性が高いので、このような場合に前輪タイヤの検出値を選択する本発明によれば、リアロック状態の場合でも正確な車速を算出することができる。
請求項8記載の発明では、前記前輪タイヤにかかる荷重が第2所定値以下である場合には、前記回転速度算出手段は前記後輪タイヤの検出値を選択することを特徴とする。このように、前輪タイヤにかかる荷重が第2所定値以下である場合には、上述したウイリー状態である可能性が高いので、このような場合に後輪タイヤの検出値を選択する本発明によれば、ウイリー状態の場合でも正確な車速を算出することができる。
請求項9記載の発明では、前記回転速度算出手段には、回転する前記タイヤの所定回転角毎に発生するパルス信号が入力され、前記回転速度算出手段は、前記パルス信号のパルス間隔に基づき前記回転速度を算出することを特徴とする。
そのため、実際の車速の変化が算出値に反映されるまでに要する時間は、パルスの発生から次のパルスの発生までの時間(パルス間隔)となる。よって、所定時間(例えば1.5秒)あたりのパルス数をカウントし、そのカウント数に基づき回転速度を算出する場合に比べて、実際の車速の変化が算出値に反映されるまでのタイムラグが小さくなる。そして、上述の各発明は、タイヤの径寸法変化を加味して車速を算出することにより実際の車速との誤差低減を図るものであるが、このようなタイヤの径寸法変化は前記所定時間に比べて極めて短時間で生じる現象である。よって、上述の如くタイムラグを小さくできる本発明によれば上述の誤差低減の効果を好適に発揮できる。
請求項10記載の発明は、上記発明に係る車速算出装置と、二輪車のタイヤの回転速度を検出する回転速度検出センサ、及び前記タイヤの径方向にかかる荷重を検出するタイヤ荷重検出センサの少なくとも一方のセンサと、を備えることを特徴とする車速算出システムである。このように、上述の車速算出装置を備えた車速算出システムにおいても、上述した各種効果が同様に発揮される。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車速算出装置としてのECU10(電子制御ユニット)と、ECU10による車速算出対象となる二輪車20と、車速算出に用いる各種センサと、を示す構成図である。なお、図1では、二輪車20の内燃機関、燃料タンク、カウル等の図示を省略している。
二輪車20の前輪タイヤ21f及び後輪タイヤ21rのそれぞれのホイール21aには、ホイール21a(タイヤ21f,21r)の回転速度を検出する速度センサ31f,31r(回転速度検出センサ)が取り付けられている。速度センサ31f,31rは、ホイール21aを支持する回転軸(図示せず)とともに回転するロータ部(図示せず)と、ロータに等ピッチで形成された複数の溝に対向して配置されたピックアップ部とから構成されている。ピックアップ部から出力される交流電圧のアナログ信号は、ECU10に入力され、ECU10に設けられた入力処理回路11aにより、回転するロータ部の所定回転角毎に立ち上がるパルス信号に変換される。なお、前記所定回転角は、前記溝が形成されたピッチに相当する。そして、変換されたパルス信号は、ECU10に設けられたマイクロコンピュータ11に入力される。
二輪車20の車体22には、タイヤ21f,21r及びホイール21aを懸架するとともに路面から受ける衝撃を吸収する、前輪用サスペンション機構及び後輪用サスペンション機構が備えられている。各々のサスペンション機構は、サスペンション23f,23r及びショックアブソーバ24f,24rを備えて構成されている。そして、サスペンション23f,23rは、例えばコイルばねにより構成される。また、ショックアブソーバ24f,24rは、例えば油圧又は空気圧シリンダにより構成され、路面から受ける衝撃に対して減衰力を発揮させる。
両サスペンション23f,23rには、サスペンション23f,23rのストローク量(タイヤの径方向寸法に関連する径寸法情報)を検出するストロークセンサ32f,32r(タイヤ荷重検出センサ)が取り付けられている。ストロークセンサ32f,32rには周知の接触式センサを用いてもよいし、光学式又は磁気式の非接触センサを用いてもよい。
因みに、本実施形態ではストローク量に応じて電圧を出力する接触式センサを用いており、サスペンション23f,23rが伸びるほど低い電圧を出力し、ストローク量が小さいとする。一方、サスペンション23f,23rが縮むほど高い電圧を出力し、ストローク量が大きいとする。ストロークセンサ32f,32rから出力されるアナログ信号は、ECU10に入力され、ECU10に設けられた入力処理回路(図示せず)によりデジタル信号に変換された後、マイクロコンピュータ11に入力される。
次に、ECU10のマイクロコンピュータ11により実行される車速算出処理の手順を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図2に示す処理は、イグニッションスイッチがオン操作されたことをトリガとして起動し、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では先ず、ステップS10において、前輪用速度センサ31fの検出値に基づく前記パルス信号と、後輪用速度センサ31rの検出値に基づく前記パルス信号と、を読み取る。
次に、ステップS20において、両パルス信号のパルス間隔に基づき、両速度センサ31f,31rからECU10に至るまでの電気系統に断線、短絡等の異常が発生しているか否かを判定するフェール判定を行う。具体的には、両速度信号NFr,NRrがパルス無しの状態が継続しているか否かに基づき判定すればよい。但し、例えば、タイヤ21f,21rがロックした運転状態や停車状態などのように、運転状態によってはパルス無しの状態が継続することが正常である場合もある。そこで、ギアポジション位置やクラッチ状態に基づき前記ロック運転状態や停車状態でない条件のもと、上記フェール判定を行うことが望ましい。
ステップS20にて、異常が発生しているとのフェール判定(S20:YES)がなされた場合には、ステップS30において乗員に異常を報知する等のフェール処理を実行する。一方、ステップS20にて異常が発生していないと判定(S20:NO)されれば、ステップS40に進み、前輪用ストロークセンサ32fからの検出値を読み取り、前輪用サスペンション23fのストローク量StFrを算出する。また、後輪用ストロークセンサ32rからの検出値を読み取り、後輪用サスペンション23rのストローク量StRrを算出する。
続くステップS50では、前輪ストローク量StFrが第1所定値α(α>0)以上であるか否かを判定し、StFr≧αであると判定(S50:YES)された場合には、ステップS60に進み、リアロック状態であると判定して、前輪用速度センサ31f及び後輪用速度センサ31rのうち前輪用速度センサ31fの検出値を選択する。
一方、StFr≧αでないと判定(S50:NO)された場合には、ステップS70において前輪ストローク量StFrが第2所定値β(β>0,β<α)以下であるか否かを判定する。StFr≦βであると判定(S70:YES)された場合には、ステップS80に進み、ウイリー状態であると判定して、前輪用速度センサ31f及び後輪用速度センサ31rのうち後輪用速度センサ31rの検出値を選択する。
なお、StFr≦βでないと判定(S70:NO)された場合には、予め設定された通常時用の速度センサを選択する。この通常時用速度センサの設定は、ステップS60にて前輪用速度センサ31fが選択される頻度と、ステップS80にて後輪用速度センサ31rが選択される頻度とを比較し、選択される頻度の高いセンサに設定するのが望ましい。本実施形態では、後輪用速度センサ31rを通常時用速度センサとして設定している。
ステップS60,S80,S90にていずれかの速度センサが選択された後、ステップS100において、選択した速度センサの検出値に基づき、選択した側のタイヤ21f,21rについてのホイール回転速度NWを算出する。具体的には、速度センサ31f,31rからの出力を変換してなる上記パルス信号のパルス間隔t(図1参照)に基づきホイール回転速度NWを算出する。例えば、ロータに等ピッチで形成された複数の溝の数がn個の場合、1/(t×n×60)が回転速度NW(rpm)となる。
続くステップS110では、算出されたホイール回転速度NW及び選択した側のストローク量に基づきタイヤ径補正値Kを算出する。算出方法は後に詳述する。次に、ステップS120において、回転速度NW、タイヤ半径の値R及びタイヤ径補正値Kに基づき車速SPDを算出する。前記タイヤ半径の値Rは、タイヤ21f,21rに車体22及び乗員等の荷重がかかっていない静的な状態における値のことである。換言すれば、サスペンション23f,23rが自然長の状態におけるタイヤ21f,21rの半径値である。
従って、タイヤ21f,21rがこのような静的な状態であれば、車速SPDは、ホイール回転速度NWにタイヤ外周長(2πR)を乗じて得られた値となる。しかしながら、タイヤ21f,21rに車体22及び乗員等の荷重がかかるとタイヤ21f,21rが径方向に圧縮して潰れた状態となる。さらに、走行状態によってその潰れ量は変化する。例えば、二輪車20がブレーキにより減速している場合にはタイヤ21f,21rの潰れ量は大きくなる。このように、実際には、タイヤ潰れ量変化にともないタイヤ外周長が変化するので、タイヤ半径の値Rが変化し、実際の車速は変化する。
これに対し、本実施形態では、静的状態におけるタイヤ半径の値Rを、タイヤ径補正値Kを乗じることで補正している。換言すれば、ホイール回転速度NWに2πRを乗じて得られた値を車速基本値とした場合に、その車速基本値にタイヤ径補正値Kを乗じることで補正している。
次に、ステップS110におけるタイヤ径補正値Kの算出方法について説明する。
タイヤ径補正値Kは、タイヤ21f,21rの径方向の圧縮潰れ量が大きいほど小さい値に算出される。そして、当該潰れ量は、タイヤ21f,21rの径方向にかかる荷重(以下、タイヤ荷重と呼ぶ)が大きいほど大きくなるとみなされる。そして、タイヤ荷重が大きくなるほど、サスペンション23f,23rが縮んでストローク量StFr,StRrが大きくなるので、ストローク量StFr,StRrが大きいほど圧縮潰れ量が大きいとみなしてタイヤ径補正値Kを小さい値に算出する。具体例として、ストローク量StFr,StRrと外径比Aとの関係を示す図3(a)のマップを用いて、選択した側のストローク量に基づき外径比Aを算出する。
また、回転速度NWが大きいほどタイヤ21f,21rの遠心力が増大し、その結果、タイヤ21f,21rが径方向に膨張変形する。そこで、前記潰れ量は、回転速度NWが大きいほど小さくなるとみなされる。よって、回転速度NWが大きいほど圧縮潰れ量が小さいとみなしてタイヤ径補正値Kを大きい値に算出する。具体例として、ホイール回転速度NWと外径比Bとの関係を示す図3(b)のマップを用いて、ホイール回転速度NWに基づき外径比Bを算出する。
なお、図3(a)(b)に示す2つのマップをマイクロコンピュータ11に予め記憶させておき、外径比A及び外径比Bに基づきタイヤ径補正値Kを算出してもよいし、前記2つのマップを合成してなる図3(c)のマップをマイクロコンピュータ11に予め記憶させておき、図3(c)の1つのマップを用いて、選択した側のストローク量及びホイール回転速度NWに基づきタイヤ径補正値Kを直接算出してもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)タイヤ21f,21rの径方向の圧縮潰れ量が大きいほどタイヤ径補正値Kを小さくして、ホイール回転速度NWに2πRを乗じて得られた車速基本値を小さくするよう補正するので、算出した車速SPDと実際の車速との誤差を低減でき、二輪車20の車速を高精度に算出できる。
(2)タイヤ荷重が大きいほど潰れ量が大きいとみなしてタイヤ径補正値Kを小さくし、車速基本値を小さくするよう補正するので、潰れ量が大きいほど基本値を小さくするよう補正することを、容易に実現できる。
(3)サスペンション23f,23rのストローク量StFr,StRrが大きいほどタイヤ荷重は大きくなり、ストローク量StFr,StRrとタイヤ荷重との相関関係は強い。この点に着目し、本実施形態では、ストローク量StFr,StRrが大きいほど、タイヤ荷重が大きいとみなして基本値を小さくするよう補正するので、タイヤ荷重が大きいほど基本値を小さくするよう補正することを、容易に実現できる。
(4)回転速度NWが大きいほどタイヤ21f,21rの遠心力が増大し、その結果、タイヤ21f,21rが径方向に膨張変形する。この点に着目し、本実施形態では、回転速度NWが大きいほど潰れ量が小さいとみなして基本値を大きい値に補正するので、車速SPDをより一層高精度に算出できる。
(5)前輪及び後輪の両方に対して速度センサ31f,31fを備え、前輪に対するタイヤ荷重及び後輪に対するタイヤ荷重に基づき両速度センサ31f,31fによる検出値のいずれを用いるかを選択する。具体的には、前輪ストローク量StFrが第1所定値α以上である場合にはリアロック状態であると判定して、前輪用速度センサ31fの検出値を選択する。また、前輪ストローク量StFrが第2所定値β以下である場合にはウイリー状態であると判定して、後輪用速度センサ31rの検出値を選択する。よって、両タイヤ荷重に基づき信頼性の高い検出値を用いることができる。
(6)ホイール回転速度NWを算出するにあたり、速度センサ31f,31rからの出力を変換してなるパルス信号のパルス間隔tに基づき算出するので、所定時間あたりのパルス数をカウントしてそのカウント数に基づき回転速度を算出する場合に比べて、実際の車速の変化が車速SPD算出値に反映されるまでのタイムラグを小さくできる。よって、上述の誤差低減の効果を好適に発揮できる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。また、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。また、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態ではタイヤ21f,21rの圧縮潰れ量の代替値としてサスペンション23f,23rのストローク量StFr,StRrを用いているが、他の物理量を用いてもよく、例えば、タイヤ21f,21rの空気圧や、ショックアブソーバ24f,24rの油圧又は空気圧を用いてもよい。また、車体22のスポーク部等に歪ゲージを貼り付け、歪ゲージにより得られる歪変形量を潰れ量の代替値として用いてもよい。
・タイヤ21f,21rの空気圧が少ないほど潰れ量が大きくなることに着目し、上記タイヤ径補正値Kを算出するにあたり、タイヤ21f,21rの空気圧が少ないほど大きい値となるように算出してもよい。
・上記実施形態では、ホイール回転速度NWに基づき車速基本値を算出し、算出した車速基本値をタイヤ径補正値Kにより補正することで車速SPDを算出しているが、補正という手順を廃止して、ホイール回転速度NW、静的状態におけるタイヤ半径の値R、潰れ量に基づき車速SPDを算出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、前輪及び後輪の両方に対して速度センサ31f,31fを備えているが、本発明の実施にあたり、いずれか一方の速度センサを廃止してもよい。但し、その場合には、図2中のステップS50〜S90の処理を廃止することとなる。
・本発明の実施にあたり、車速基本値をタイヤ径補正値Kにより補正することを廃止してもよい。つまり、図2中のステップS110の処理を廃止するとともに、ステップS120の処理における車速SPD算出式からタイヤ径補正値Kの項を削除して、ホイール回転速度NW、及び選択された側のストローク量StFr,StRrに基づき、直接車速を算出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、前輪ストローク量StFrが第1所定値α以上である場合に、リアロック状態であると判定して前輪用速度センサ31fの検出値を選択しているが、後輪ストローク量StRrが第3所定値以下である場合に、リアロック状態であると判定して前輪用速度センサ31fの検出値を選択するようにしてもよい。
・上記実施形態では、前輪ストローク量StFrが第2所定値β以下である場合に、ウイリー状態であると判定して後輪用速度センサ31rの検出値を選択しているが、後輪ストローク量StRrが第4所定値以上である場合に、ウイリー状態であると判定して後輪用速度センサ31rの検出値を選択するようにしてもよい。
・或いは、前輪ストローク量StFrと後輪ストローク量StRrとの差に基づいて、いずれの検出値を選択するかを判断するようにしてもよい。また、フロントブレーキ及びリアブレーキのいずれのブレーキが操作されているかに基づいて、いずれの検出値を選択するかを判断するようにしてもよい。
10…ECU(車速算出装置)、11…マイクロコンピュータ(回転速度算出手段、車速算出手段)、20…二輪車、S40…径寸法取得手段、S100…回転速度算出手段、S120…車速算出手段。
Claims (10)
- 二輪車の車速を算出する車速算出装置において、
前記二輪車のタイヤの回転速度を算出する回転速度算出手段と、
前記タイヤの径方向寸法に関連する径寸法情報を取得する径寸法取得手段と、
前記回転速度算出手段により算出された回転速度、及び前記径寸法取得手段により取得された前記径寸法情報に基づき前記車速を算出する車速算出手段と、
を備えることを特徴とする車速算出装置。 - 前記径寸法情報は、前記タイヤの径方向にかかる荷重に関連した情報であり、
前記車速算出手段は、前記タイヤの径方向にかかる荷重が大きいほど前記車速を小さい値に算出することを特徴とする請求項1に記載の車速算出装置。 - 前記車速算出手段は、前記タイヤが路面から受ける衝撃を吸収するサスペンションのストローク量が大きいほど前記車速を小さい値に算出することを特徴とする請求項2に記載の車速算出装置。
- 前記回転速度算出手段により検出された回転速度が大きいほど、前記径寸法取得手段により取得した前記タイヤの径方向寸法を大きい値に補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車速算出装置。
- 前記回転速度算出手段には、前記二輪車の前輪タイヤの回転速度検出値及び後輪タイヤの回転速度検出値の両検出値が入力され、
前記回転速度算出手段は、前記前輪タイヤの径方向にかかる荷重及び前記後輪タイヤの径方向にかかる荷重に基づき、前記両検出値のいずれを用いるかを選択し、前記選択した検出値に基づき前記回転速度を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車速算出装置。 - 二輪車の車速を算出する車速算出装置において、
前記二輪車の前輪タイヤの回転速度検出値及び後輪タイヤの回転速度検出値の両検出値が入力され、前記両検出値のいずれかを用いて前記二輪車のタイヤの回転速度を算出する回転速度算出手段と、
前記回転速度算出手段により算出された回転速度に基づき前記車速を算出する車速算出手段と、
を備え、
前記回転速度算出手段は、前記前輪タイヤの径方向にかかる荷重及び前記後輪タイヤの径方向にかかる荷重に基づき、前記両検出値のいずれを用いるかを選択することを特徴とする車速算出装置。 - 前記前輪タイヤにかかる荷重が第1所定値以上である場合には、前記回転速度算出手段は前記前輪タイヤの検出値を選択することを特徴とする請求項5又は6に記載の車速算出装置。
- 前記前輪タイヤにかかる荷重が第2所定値以下である場合には、前記回転速度算出手段は前記後輪タイヤの検出値を選択することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の車速算出装置。
- 前記回転速度算出手段には、回転する前記タイヤの所定回転角毎に発生するパルス信号が入力され、
前記回転速度算出手段は、前記パルス信号のパルス間隔に基づき前記回転速度を算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車速算出装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の車速算出装置と、
二輪車のタイヤの回転速度を検出する回転速度検出センサ、及び前記タイヤの径方向にかかる荷重を検出するタイヤ荷重検出センサの少なくとも一方のセンサと、
を備えることを特徴とする車速算出システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007172381A JP2009008614A (ja) | 2007-06-29 | 2007-06-29 | 車速算出装置及び車速算出システム |
Applications Claiming Priority (1)
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