JP6667305B2 - 液圧センサオフセット補正方法及び車両用制御装置 - Google Patents

液圧センサオフセット補正方法及び車両用制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、液圧センサオフセット補正方法及び車両用制御装置に関し、特にブレーキ液圧センサ検出値のオフセットを補正する液圧センサオフセット補正方法及び車両用制御装置に適用して好適なものである。
自動車両に装備される油圧式のブレーキ装置においては、ブレーキマスタシリンダの液圧値が運転者のブレーキ操作の有無やブレーキ力の推定に用いられており、その検出値の信頼性及び安定性が車両の信頼性及び安定性に大きな影響を与える。よって如何に精度の高い検出値を得るかが重要な問題であり、従来から様々な手法や装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
ところで、ブレーキマスタシリンダの液圧検出には、例えば歪みゲージタイプや静電容量タイプのセンサが用いられる。これらはその製造ばらつきにより生ずる検出値の誤差や温度特性の不均一さがあり、センサ出力値には不可避的にいわゆるオフセット誤差を含む。よってブレーキ制御処理に用いるにあたっては、このオフセット誤差を確実に排除することが求められる。
このようなオフセット誤差に対する対策としては、まずオフセット誤差の値を把握する必要がある。通常、オフセット誤差はブレーキ操作が行われていない状態において液圧センサから出力される値であるため、この値を取得するにはブレーキ操作が行われていない状態にあることが前提となる。そのため従来、例えばいわゆるブレーキ・スイッチのオフ状態を検出し、その検出がなされた場合、ブレーキ操作が行われていないとして液圧センサの出力を取得し、これをオフセット誤差として、液圧センサの出力を補正する方法がある。
特開2003−160046号公報
しかしながら、上述の従来の方法の場合、ブレーキ・スイッチが備えられていることが前提であるため、ブレーキ・スイッチが装備されてないオートバイなどの車両やブレーキ・スイッチが装備されていても、そのオン・オフ状態の検出が困難な回路構成の車両には適用できず、汎用性が十分ではないという問題がある。
またブレーキ・スイッチが装備されているとしても、ブレーキ・スイッチのオン・オフ状態と液圧センサの出力レベルとをこれらの故障検出に用いている場合には、故障検出の精度低下につながるという問題もある。
さらに車輪速センサ等の車両速度を検出するセンサの検出値の微分値によって加速中か否かを判定し、加速中であると判定された場合には、加速中にはブレーキ操作は行われないはずであるとの前提の下、ブレーキ操作の有無を判定して、先に述べたように、その際の液圧センサ値をオフセット誤差とする方法もある。
しかしながら、実際には坂道で加速中となる場合やブレーキ操作中であっても駆動力の影響により加速中となる場合もあり、上述の方法も必ずしも十分な信頼性のある方法とは言えない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、ブレーキ・スイッチなどの電子部品の動作に頼ることなく、ブレーキ操作がなされていない状態を検出すると共にブレーキ・マスタシリンダの液圧検出センサのオフセット誤差を確実に取得し、信頼性の高い液圧センサの出力値の補正を可能とする液圧センサオフセット補正方法及び車両用制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る液圧センサオフセット補正方法は、ブレーキマスタシリンダの液圧を検出する液圧センサのオフセット誤差を補正する液圧センサオフセット補正方法であって、車両の動作状態が処理開始に適した状態か否かを判定する第1のステップと、前記車両の状態が処理開始に適した状態にあると判定された場合に、駆動トルクが零で、かつ、前後加速度センサにより取得された車体加速度が零か否かを判定する第2のステップと、駆動トルクが零で、かつ、車体加速度が零と判定された場合に、前記液圧センサの出力値をオフセット誤差として取得する第3のステップと、前記オフセット誤差に基づいて前記液圧センサの出力値を補正する第4のステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ブレーキ力と駆動トルクの間に成立する運動方程式を基にブレーキ操作が無いことを判断できるようにしたので、従来と異なり、電子部品の動作に依拠することなく、ブレーキマスタシリンダの液圧検出のための液圧センサのオフセット誤差を確実に取得し、液圧センサに含まれるオフセット誤差を除去した本来の検出値をブレーキ制御やエンジン制御に供することができ、より信頼性の高い車両用制御装置を提供することができるという効果を得ることができる。
本実施の形態における車両用制御装置の主要部構成図である。 図1に示された車両用制御装置において実行される液圧センサオフセット補正処理における学習処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 図1に示された車両用制御装置において実行される液圧センサオフセット補正処理における補正処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 ブレーキ操作の無い状態の検出の基本となる本発明の実施の形態におけるエンジントルクとブレーキ力との相関関係を表したグラフである。 車両が平坦地を走行する場合のブレーキ力とエンジントルクの変化を説明する模式図である。 車両が坂道の上り下りを一定速度で走行する場合のブレーキ力とエンジントルクの変化を説明する模式図である。 車両が坂道の上り下りを慣性運転で走行する場合のブレーキ力とエンジントルクの変化を説明する模式図である。
以下、本実施の形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお以下に説明する部材及び配置は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1は、例えば自動四輪車に搭載される本実施の形態における車両用制御装置101の主要部の構成例を示す。この車両用制御装置101は、エンジン制御ユニット(ENG−ECU)51と、ブレーキ制御ユニット(BR−ECU)52とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる車両用制御装置101は、エンジン制御処理や後述する本発明の実施の形態における液圧センサオフセット処理等を実行するものである。
エンジン制御ユニット51及びブレーキ制御ユニット52は共に、マイクロコンピュータ(図示省略)を中心にRAMやROM等の記憶素子(図示省略)を主たる構成要素として構成される。
エンジン制御ユニット51は、前後加速度センサ7の検出信号の他、エンジン回転数、アクセル開度、外気温度、大気圧などの各種の図示されないセンサによる各種検出信号等が入力され、エンジンの動作制御処理等を実行する。
ブレーキ制御ユニット52は、油圧ユニット(H/U)53を介して前輪1及び後輪2に対するブレーキ制御やアンチロックブレーキ制御が実行可能に構成される。
油圧ユニット53は、前輪1及び後輪2にそれぞれ設けられた前輪ホイールシリンダ3及び後輪ホイールシリンダ4のブレーキ圧を制御するもので、油圧式のブレーキ力を発生するための従来同様の構成を有してなるものである。
この油圧ユニット53は、ブレーキペダル(図示省略)の操作に応じてブレーキ液圧をホイールシリンダ3及び4に伝達するための油圧回路を備えると共に、ブレーキ液の流通を制御するための複数の電磁弁(図示省略)が設けられている。
ブレーキ制御ユニット52は、前輪1及び後輪2の車輪回転速度を検出する車輪速度センサ5a及び5bの検出信号が入力されると共に、ブレーキマスタシリンダ(図示省略)の液圧を検出するマスタ液圧センサ6の検出信号に代表される油圧ユニット53内に適宜設けられた複数の液圧センサ(図示省略)の検出信号が入力される。
そしてブレーキ制御ユニット52は、上述の入力信号に基づいて、上述の電磁弁(図示省略)の通電制御を実行し、必要なブレーキ制御を行えるように構成される。なおブレーキ制御ユニット52とエンジン制御ユニット51との間においては、それぞれの制御処理に必要なデータ等が相互に授受される。
次にブレーキ制御ユニット52において実行される本発明の実施の形態における液圧センサオフセット補正処理について、図2〜図7を参照しつつ説明する。
最初に本実施の形態における液圧センサオフセット補正処理について概括的に説明する。本実施の形態における液圧センサオフセット補正処理は、車両の走行において成立する運動方程式(詳細は後述)に基づいてブレーキ操作がなされていない状態を検出すると共に、その時のマスタ液圧センサ6の出力信号をオフセット誤差として検出し、そのオフセット誤差により、以後、マスタ液圧センサ6の検出値の補正を行い正しいブレーキマスタシリンダの液圧をブレーキ制御等に供するものである。
次に本実施の形態における液圧センサオフセット補正処理における学習処理について、図2及び図4を参照しつつ具体的に説明する。
ブレーキ制御ユニット52による処理が開始されると、最初に、車両の動作状態が以後の学習処理を開始する条件を満たした状態にある否かが判定される(図2のステップS102参照)。
マスタ液圧センサ6のオフセット誤差を取得し、学習値として逐次更新してゆくためには、後述するように駆動トルクが零で、かつ、慣性前後加速度(車体加速度)が零であることが必要である。信頼性の高いオフセット誤差を確実に取得するためには、車両の動作状態がオフセット誤差取得に適した安定な状態にあることが必要である。
そのためステップS102においては、以後の学習処理を開始するために車両動作が駆動トルクが零で、かつ、慣性前後加速度が零であると確定するに十分安定した状態にあるか否かを予め定められた条件により判定するものとしている。
具体的な条件の一つとしては、車両速度の信頼性の低下が予想される場合ではないことである。車両速度の信頼性の低下が予想される場合には、学習処理を開始するに適していないとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
ここで、車両速度の信頼性の低下が予想される場合とは、例えば車両速度の変化が異常な場合、すなわち車両速度を検出するセンサ故障の可能性が高いと判断される場合である。
また学習処理開始の条件の一つとして、車両が極端な低速状態にない場合を挙げることができる。車両が極端な低速状態にある場合とは、具体的には回転センサ(図示省略)の出力パルス数が不足している状態である。このような状態においては、正確な車速が算出できないため、学習処理を開始するに適していないとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、大きな舵角が検出されていないことである。これは、本発明を二輪車に適用する場合の条件であるが、大きな舵角が検出された場合は二輪車の動作モデルから大きく乖離するため、車両の動作状態が不適正な状態となる可能性が高く、学習処理の実行に適さないためである。
また学習処理開始の条件の一つとして、急加減速、急舵角状態に無いことを挙げることができる。このような状態は、車両の動作状態が過渡的な状態にあり、信頼性のあるオフセット誤差を取得することができないため、ステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、前後慣性加速度値の信頼性の低下が予想される場合ではないことを挙げることができる。ここで、前後慣性加速度値(車体加速度)は、前後加速度センサ7によって検出される値である。
前後慣性加速度値の信頼性の低下が予想される場合には、学習処理を開始するに適していないとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
ここで、前後慣性加速度値の信頼性の低下が予想される場合とは、例えば前後加速度センサ7に基づく車体加速度が異常な変化を示しセンサ故障の可能性が高いと判断される場合等である。
また学習処理開始の条件の一つとして、前後加速度センサ7の値や車軸の加減速が過大(急傾斜の状態)でないことを挙げることができる。前後加速度センサ7の値や車軸の加減速が過大な場合には、車両の動作状態が学習処理を開始するに適した安定した状態ではないとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、走行抵抗が過大でないことを挙げることができる。走行抵抗が過大となる場合とは、操舵角が大きく過大な転がり抵抗が生ずるような場合や、速度過大により過大な空気抵抗が生ずる場合である。大きな操舵角や、速度過大が検出された場合には、走行抵抗が過大となるとして、学習処理を開始するに適した安定した状態ではないためステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、エンジントルクの信頼性の低下が予想される場合にないことを挙げることができる。エンジントルクの信頼性の低下が予想される場合とは、例えば、何らかの原因によりエンジントルクが目標とする値とならず低下している場合等である。このような状態においては、学習処理を開始するに適した安定した状態ではないためステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、エンジン回転数が過大な値でないことを挙げることができる。エンジン回転数が過大な場合は、車両の動作状態が学習処理を開始するに適した安定した状態ではないとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、エンジン制御が過渡的な状態にないことを挙げることができる。エンジン制御が過渡的な状態とは、例えば、エンジン回転数がアイドリン状態から増加されているような場合等である。エンジン制御が過渡的な状態を招く要素としては、上述のようなアイドリング状態からのエンジン回転数の増大のみならず種々あるので、複数の要素を予め定めておき、それらのいずれかが検出された場合には、エンジン制御が過渡的な状態にあるとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、エンジントルクから駆動トルクへの伝達が過渡的な状態、又は、不完全な状態にないことを挙げることができる。エンジントルクから駆動トルクへの伝達の状態は、エンジン制御ユニット51において従来同様実行されるエンジン制御処理において、それぞれの値が演算算出されてエンジン制御に供されるため、その値を参照することで、エンジントルクから駆動トルクへの伝達が過渡的な状態、又は、不完全な状態にあるか否かを判定することが可能である。
そしてエンジントルクから駆動トルクへの伝達が過渡的な状態、又は、不完全な状態にあると判定された場合には、学習処理に適した状態ではないとしてステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また学習処理開始の条件の一つとして、トランスミッション変速中でないことを挙げることができる。トランスミッション変速中は、車両の動作状態として安定な状態ではないため、ステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
また、学習処理開始の条件の一つとして、トルクコンバータ(図示省略)における回転差が過大でないことを挙げることができる。トルクコンバータ(図示省略)における回転差は、エンジン制御ユニット51において実行されるエンジン制御処理のなかで検出されているものであるので、その値を参照し、所定の回転差が生じているか否かを判定することが可能である。トルクコンバータ(図示省略)における回転差が過大である場合には、車両の動作状態として安定な状態ではないため、ステップS104以降の処理を実行しないとするのが好適である。
ステップS102においては、上述の各条件が全て充足された場合にステップS104以降の処理へ進むようにしても良いが、これに限定される必要はなく、例えば上述した条件のうち、予め選択した複数の条件が充足された場合にステップS104以降の処理へ進むようにしても良い。この場合、いずれの条件を選択するかは、車両の具体的な仕様等を考慮し、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて定めるのが好適である。
ステップS102において、学習処理を開始する条件が充足されていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS104において、駆動トルクが零であるか否かが判定される。ここで、駆動トルクが零であるとは、エンジントルクが零、又は、クラッチ(図示省略)が非締結状態にある場合である。
エンジントルクは、エンジン制御ユニット51において従来同様に実行されエンジン制御処理において演算算出されるものであるので、エンジントルクが零か否かの判定のために新たに算出する必要はなく、エンジン制御処理において算出された値を流用すれば足りるものである。
ステップS104において駆動トルクは零であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS106の処理へ進む一方、駆動トルクは零ではないと判定された場合(NOの場合)には、学習処理を行う状態ではないとして一連の処理は終了されることとなる。
ステップS106においては、車体加速度(慣性前後加速度)が零か否かが判定される。なお車体加速度(慣性前後加速度)は、前後加速度センサ(Gセンサ)7によって検出される値である。
車体加速度が零と判定された場合(YESの場合)には、ブレーキ操作が行われていない状態であるとしてステップS108の処理へ進む一方、車体加速度は零ではないと判定された場合(NOの場合)には、学習処理を行う状態ではないとして一連の処理は終了されることとなる。
ここで、駆動トルクが零で、かつ、車体加速度が零の場合に、ブレーキ操作がなされていないと判断される根拠について以下に説明する。まずブレーキ操作がなされていない状態とは、言い換えれば、車両に対する外力が零の状態である。運動方程式を用いて、車両に作用する外力は、下記する式1により表すことができる。
[外力]=[車体加速度]×[車体質量]・・・式1
この式1は、下記する式2に書き換えることができる。
[ブレーキ力]+[駆動力]=[車体加速度]×[車体質量]・・・式2
ここで、外力が零とは、車体加速度がほぼ零で、かつ、駆動力がほぼ零の場合であるので、この条件を上記式2に適用すると、式2は下記する式3に書き換えることができる。
ここで、エンジントルクがほぼ零の場合、変速機のギア比を無視できるため、駆動力もほぼ零とすることができるため、下記する式3のように表すことができる。
[ブレーキ力]+[零]≒[零]×[車体質量]・・・式3
その結果、[ブレーキ力]≒零が導かれる。
すなわち、[車体加速度≒0]で、かつ、[駆動力≒0]の場合は[ブレーキ力≒0]であると言うことができる。
ここで、車体加速度は、前後加速度センサ(Gセンサ)7で検出される値である。傾斜路面では重力が外力として作用するが慣性センサの値を参照することにより傾斜路での加速度は制動力、駆動力が無い場合は0m/sとなる。このことから傾斜路面上での重力を外力とは扱わないものとする。
なお駆動力≒0は、エンジントルクに代えて、クラッチ(図示省略)が締結されていない状態として検出することも可能である。
本発明は、上述のように運動方程式を出発点として導かれたものである。そして、式3からは、車体加速度≒0の場合に学習処理及び後述する補正処理を実行するため、搭乗人数や貨物重量により車両質量が変わっても学習処理及び補正処理に何ら影響が及ばないということが言える。
まず、駆動力は、下記する式4によって求められる。
[駆動力]=2×[エンジントルク]×[ギア比]/R・・・式4
なお、式4において”R”は、タイヤ直径である。
この式4は、さらに下記するように展開できる。
[駆動力]=2×[エンジントルク]×π×R×[エンジン回転数]/(60×車速)/R=2π×[エンジントルク]×[エンジン回転数]/(60×[車速])・・・式5
さらに、この式5において、2π×[エンジン回転数]/(60×[車速])をKとおくと、下記する式6に整理される。
[駆動力]=K×[エンジントルク]・・・式6
一方、ブレーキ力は、先の式2に基づいて下記する式7のように表すことができる。
[ブレー力]=M×[車体加速度]−[エンジントルク]×2π×[エンジン回転数]/(60×[車速])・・・式7
なお、式7において”M”は、車体質量である。
この式7において、[車体加速度]を”a”と書き換え、また、2π×[エンジン回転数]/(60×[車速])を”K”と書き換えて式7を簡素化すると下記する式8のように表すことができる。
[ブレーキ力]=M×a−K×[エンジントルク]・・・式8
またブレーキ力は、先の式2に基づいて下記する式9のように表すこともできる。
[ブレーキ力]=M×[車体加速度]−[駆動力]=M×a−[駆動力]・・・式9
上述の式8及び式9は、第1項のM×aの値をある値に固定すると一次関数と見ることができる。
図4には、式8における第1項の”a”を、+α、0、−αに固定した場合のグラフ例が示されており、以下、同図について説明する。
まず図4において、ブレーキ力は減速時のみ有効であることから負の値を採るものとしており、ブレーキ力が大きくなることは負の値が大となることを意味する。
図4に例示された3本の実線は、式8におけるKを同一の値とし、a=+α、a=0、a=−αとしたそれぞれの場合における式8を表したものである。
この例の場合、a=0の場合に、[エンジントルク]が零であれば、[ブレーキ力]が零、すなわちブレーキ操作がなされていないことを示している。
ここで、再び、図2の説明に戻ることとする。ステップS108においては、ステップS106の判定結果から上述のようにブレーキ操作がなされていないとして、マスタ液圧センサ6の検出値がブレーキ制御ユニット52に読み込まれる。
次いで、ステップS110においては、ステップS108で読み込まれたマスタ液圧センサ6の出力値がオフセット誤差の学習値として、ブレーキ制御ユニット52の予め確保された適宜な記憶領域に記憶され、直近に記憶された学習値更新が行われる。
マスタ液圧センサ6の出力は、ブレーキ操作がなされていない状態においては、本来、理想的には零であるが、実際には、ブレーキ操作がなされていない状態にあっても出力は零にはならない場合がある。ここではこのブレーキ操作がなされていない状態におけるマスタ液圧センサ6の出力を”オフセット誤差”と称する。
次に、図3を参照しつつ液圧センサ出力値補正処理について説明する。この一連の処理は、ブレーキ制御処理等に供するためにマスタ液圧センサ6の検出値が取得される度毎に実施されるものである。
ブレーキ制御ユニット52により処理が開始されると、マスタ液圧センサ6の検出信号が新たに取得されたか否かが判定される(図3のステップS202参照)。
そしてマスタ液圧センサ6の検出信号が取得されていないと判定された場合(NOの場合)は、補正を行う必要がないため一連の処理が終了される一方、マスタ液圧センサ6の検出信号が新たに取得されたと判定された場合(YESの場合)は、ステップS204の処理へ進む。
ステップS204においては、液圧補正が行われる。すなわち、ステップS202において新たに取得されたマスタ液圧センサ6の検出値から、先に図2を参照しつつ説明した処理により取得されたオフセット誤差の学習値が減算され、その減算結果が現時点における正しいブレーキマスタシリンダ液圧とされ、ブレーキ制御処理等の必要な処理に供される。
次に、代表的な車両の走行状態におけるエンジントルクとブレーキ圧の変化について図5〜図7を参照しつつ説明する。
最初に図5を参照しつつ車両が平地を走行する場合のエンジントルクとブレーキ圧の変化例について説明する。車両がある初速で走行を開始し、アクセル(図示を省略)を踏むことなく走行した場合、エンジントルク及びブレーキ圧は共に零である(図5の区間(S1)参照)。
その後、ブレーキ操作により減速を行った場合、その間、エンジントルクは零のままであるが、ブレーキ圧は零ではなくなる(図5(S2)の区間参照)。そしてブレーキ操作を停止すると、ブレーキ圧は再び零となる(図5の区間(S3)参照)。
さらにその後、加速を行うとエンジントルク及びブレーキ圧共に零ではなくなり(図5(S4)の区間参照)、加速を停止し惰行運転状態となるとエンジントルク及びブレーキ圧は共に再び零の状態となる(図5の区間(S5)参照)。
この図5に示された走行例においては、区間(S1)、区間(S3)、及び、区間(S5)において、ブレーキ操作がなされていないとして先に説明した液圧センサオフセット補正処理の実行が可能である。
次に、図6を参照しつつ車両が坂道を定速走行する場合のエンジントルクとブレーキ圧の変化例について説明する。車両がある初速で走行を開始し、その後、アクセル(図示を省略)を踏むことなく走行した場合、エンジントルク及びブレーキ圧共に零である(図6の区間(S1)参照)。
その後、登坂状態となり、定速走行を維持するため、アクセル(図示省略)を踏むとエンジントルクが零ではなくなる。また、定速とするためにブレーキ操作がなされることがあり、ブレーキ圧も零ではなくなる(図6の区間(S2)参照)。
坂道を上りきり、平坦地となり、アクセル操作及びブレーキ操作を止めると、エンジントルク及びブレーキ圧共に零の状態となる(図6の区間(S3)参照)。
その後、坂道を下る際にはエンジントルクは零のままであるが、定速走行のためにブレーキ操作がなされるとブレーキ圧は零ではなくなる(図6の区間(S4)参照)。そして、平坦地に戻り、惰行運転状態となるとブレーキ圧はエンジントルクと共に零の状態となる(図6の区間(S5)参照)。
この図6に示された走行例においては、区間(S1)、区間(S3)、及び、区間(S5)において、ブレーキ操作がなされていないとして先に説明した液圧センサオフセット補正処理の実行が可能である。
次に、図7を参照しつつ車両が坂道を惰行走行する場合のエンジントルクとブレーキ圧の変化例について説明する。車両がある初速で走行を開始し、その後アクセル操作及びブレーキ操作を共に行うことなく惰行走行を行うと、その間、エンジントルク及びブレーキ圧共に零である(図7参照)。
また惰行運転のため、坂道の上り下りを除いて車体加速度(前後慣性加速度)は零の状態が維持される(図7参照)。この図7に示された走行例においては、全区間(S1)〜(S5)において、ブレーキ操作がなされていないとして先に説明した液圧センサオフセット補正処理の実行が可能である。
なお上述した本発明の実施の形態においては、ブレーキ制御ユニット52において液圧センサオフセット補正処理が実行されるとして説明したが、必ずしもブレーキ制御ユニット52における実行に限定される必要ははく、例えば、エンジン制御ユニット51などにおいて実行されるようにしても良いものである。
電子部品の動作に基づくことなくブレーキ装置に用いられる液圧センサのオフセット誤差の確実な取得が所望される車両用制御装置に適用できる。
6…マスタ液圧センサ
7…前後加速度センサ
51…エンジン制御ユニット
52…ブレーキ制御ユニット
101…車両用制御装置

Claims (4)

  1. ブレーキマスタシリンダの液圧を検出する液圧センサ(6)のオフセット誤差を補正する液圧センサオフセット補正方法であって、
    車両の動作状態が処理開始に適した状態か否かを判定する第1のステップと、
    前記車両の状態が処理開始に適した状態にあると判定された場合に、駆動トルクが零で、かつ、前後加速度センサにより取得された車体加速度が零か否かを判定する第2のステップと、
    駆動トルクが零で、かつ、車体加速度が零と判定された場合に、前記液圧センサ(6)の出力値をオフセット誤差として取得する第3のステップと、
    前記オフセット誤差に基づいて前記液圧センサ(6)の出力値を補正する第4のステップとを備える
    ことを特徴とする液圧センサオフセット補正方法。
  2. 前記第3のステップにおいて、
    新たなオフセット誤差が取得される度毎に、直近に取得された前記オフセット誤差に代えて前記新たなオフセット誤差を学習値として記憶して学習値の更新を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の液圧センサオフセット補正方法。
  3. 前記第4のステップにおいて、
    前記駆動トルク及び前記車体加速度が共に零以外の状態において取得された前記液圧センサ(6)の出力値に対して前記オフセット誤差を加算、又は、減算する補正を施し、その補正結果を補正された液圧センサ(6)の出力値とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の液圧センサオフセット補正方法。
  4. ブレーキマスタシリンダの液圧を検出する液圧センサ(6)の出力信号に基づいてブレーキ力の制御を行うブレーキ制御ユニット(52)を備える車両制御装置(101)であって、
    前記ブレーキ制御ユニット(52)は、
    車両の動作状態が処理開始に適した状態か否かを判定し、
    前記車両の状態が処理開始に適した状態にあると判定された場合に、駆動トルクが零で、かつ、前後加速度センサにより取得された車体加速度が零か否かを判定し、
    前記駆動トルクが零で、かつ、車体加速度が零であると判定された場合に、前記液圧センサ(6)の出力値をオフセット誤差として取得し、
    前記オフセット誤差に基づいて前記液圧センサ(6)の出力値を補正する
    ことを特徴とする車両用制御装置。
JP2016017560A 2016-02-01 2016-02-01 液圧センサオフセット補正方法及び車両用制御装置 Expired - Fee Related JP6667305B2 (ja)

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