JP5326870B2 - 積載重量変動量取得装置および積載重量変動量取得方法 - Google Patents

積載重量変動量取得装置および積載重量変動量取得方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両への積載重量が変化した場合に、その変化前後の積載重量変動量を取得する積載重量変動量取得装置および積載重量変動量取得方法に関するものである。
従来、特許文献1において、重量センサを備えなくても、走行中も常に既存のセンサだけで車両重量を検出することができる車両重量検出装置が提案されている。この装置では、車両が走行抵抗と車輪駆動力の釣り合いによって走行していて、走行抵抗が車両重量に依存することに基づき、車両重量を検出している。具体的には、車両の駆動力を制御するためのエンジントルクを用いた車輪運動方程式から走行抵抗を計算すると共に、微小時間ごとに変化する路面状況変動分を微小時間ごとに計算した走行抵抗の差を取ることにより消去し、車両重量の演算式を車両諸元に基づく固有の抵抗分のみとして演算された荷重をもとに積載重量を推定している。
実開平5−84834号公報
しかしながら、特許文献1に記載された積載重量の検出手法では、エンジントルク以外に制動トルクが加わったり、4輪にスリップが発生した時、さらには振動発生時や微小時間に路面変化が生じる場合などの外乱要因が発生した場合において、正確な積載重量を推定できないし、エンジントルク自体が時間と共に変動していくので、演算した積載重量そのものが正確ではなかった。このため、例えば横転抑制制御等の車両運動制御を行う場合に、正確な積載重量に基づいて的確な制御を行うことができなかった。
これに対し、積載重量の値そのものを演算するのではなく、積載重量の変動量を求めることにより、車両運動制御を行うことも考えられる。具体的には、積載重量が変化した可能性があると目される停車前後で同じエンジントルクが与えられた際の4輪の車輪速度から推定された車両前後方向の加速度を比較し、その偏差と予め定められた偏差と積載重量変動量の関係を示すマップから積載重量変動量を推定する手法が考えられる。すなわち、エンジントルク、車両総重量、車両の前後方向の加速度などは、車両前後方向の運動方程式にて示されるため、同じエンジントルクのときの停車前後の推定された加速度を比較することで、積載重量変動量を推定できる。
ところが、この方法では、積載重量が変動していなくても、停車後に勾配が変化した路面を走行する場合に、路面勾配変化を積載重量の変化と誤判定してしまう、または、エンジントルクが経年劣化により数値が変動しているのに計算式において変動以前の数値を使うことにより誤判定してしまうなど、路面勾配の変化などの外乱成分によって誤判定してしまう可能性がある。このため、路面勾配が変化する路面を停車前後に走行した場合のように、外乱成分の積載重量演算への悪影響を排除することが必要になるということが課題になるが、そのような課題を解決する提案はなされていなかった。
本発明は上記点に鑑みて、積載重量の値を直接演算するのではなく、積載重量の変動量を演算する場合において、路面勾配の変化等の外乱成分が積載重量の変動量の演算に与える影響を排除し、正確に積載重量の変動量が演算できる積載重量変動量取得装置および積載重量変動量取得方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、推定加速度演算手段(100)にて、車両の駆動力を制御するためのエンジントルクの項を式内に含む車輪の運動方程式によって、車両の前後方向の加速度の推定値である推定加速度を演算すると共に、センサ値演算手段(110)にて、車両に発生している前後方向の加速度を検出するための加速度センサ(3)のセンサ値を演算したのち、加速度比演算手段(140、160)にて、演算された推定加速度と演算されたセンサ値との比を演算し、さらに、偏差演算手段(170)にて、車両の停車前後における推定加速度とセンサ値との比の偏差を演算し、変動量取得手段(170)にて、予め定められた車両の停車前後における推定加速度とセンサ値との比の偏差と積載重量の変動量の関係を示すマップもしくは関係式を用いて、演算された偏差と対応する積載重量の変動量を取得することを特徴としている。
このように、積載重量が変動した可能性がある停車前後において推定加速度とセンサ値との比を比較し、その比の差に基づいて積載重量の変動量を求めている。すなわち、外乱成分を除去したパラメータとして推定加速度とセンサ値との比を利用し、これらの差に基づいて積載重量の変動量を取得している。このため、積載重量の値を直接演算するのではなく、積載重量の変動量を演算する場合において、路面勾配の変化等の外乱成分やエンジントルク等の経年劣化が積載重量の変動量の演算に与える影響を排除でき、正確に積載重量の変動量を演算することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、加速度比演算手段にて、推定加速度の絶対値が所定の閾値以上のときにのみ、推定加速度演算手段にて演算された推定加速度とセンサ値演算手段にて演算されたセンサ値との比を演算することを特徴としている。
加速度が小さい場合には、積載重量の変動に伴う推定加速度の変動が顕著にならない。このため、推定加速度の絶対値が所定の閾値以上のとき、つまり推定加速度の変動が顕著になるときにのみ積載重量変動量取得が行われるようにすることで、推定加速度の変動が小さいときにまで積載重量変動量取得が行われないようにできる。これにより、より的確な積載重量変動量取得を行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明では、加速度比演算手段にて、推定加速度の絶対値が所定の閾値のときに、推定加速度演算手段にて演算された推定加速度とセンサ値演算手段にて演算されたセンサ値との比を演算することを特徴としている。
このように、推定加速度の絶対値が所定の閾値となったときに推定加速度とセンサ値との比を演算するようにすれば、停車前後において、推定加速度の絶対値が同じ値になるという条件下での比が求められるため、より的確に積載重量の変動に起因する差が推定加速度とセンサ値の比として表されるようにできる。
請求項4に記載の発明では、車両が所定時間以上停車した経験があるか否かを判定する判定手段(120)を有し、判定手段にて車両が所定時間以上停車した経験があると判定されたときに、その判定前に加速度比演算手段にて演算された比を停車前の比とし、その判定後に加速度比演算手段にて演算された比を停車後の比として、偏差演算手段による偏差の演算を行うことを特徴としている。
このように、判定手段にて、車両が所定時間以上停車した経験がある場合に、その前後に加速度比演算手段により演算された比を停車前後の比とすることことができる。これにより、信号待ちなどのような単に停車した場合を除くことが可能となる。
以上、請求項1〜4では、本発明を積載重量変動量取得装置として把握した場合について説明したが、これらを請求項5に記載したように積載重量変動量取得方法として把握することもできる。このような方法により、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる積載重量変動取得装置のブロック構成を示した図である。 車両走行時の様子を示した模式図であり、(a)は、車体加速度b[m/s2]が発生している時の様子を示した図、(b)は、(a)の状態において1車輪に発生している各力の関係を示した図である。 積載重量変動取得処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる積載重量変動取得装置のブロック構成を示した図である。
図1に示すように、車両重量検出装置は、制御装置1にて構成されており、この制御装置1によって、車両への積載重量の変動を取得する。具体的には、制御装置1は、ブレーキ用の電子制御装置(ブレーキECU)などで構成されるもので、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成されている。そして、制御装置1に対して、エンジンECU2、車両の前後方向の加速度を検出するGセンサ3、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサ4およびマスタシリンダ(M/C)に発生させられたブレーキ液圧(M/C圧)を検出するM/C圧センサ5からの検出信号が入力されるようになっており、制御装置1は、これらから入力された各信号を用い、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種演算などを行うことで車両への積載重量の変動を取得する。
続いて、この制御装置1にて行われる積載重量変動取得処理の詳細について説明するが、それに先立って、本実施形態での積載重量変動取得方法の考え方について説明する。
積載重量の変動は、車両走行中には発生せず、停車して荷物等の積載を行った時などに発生する。ここで、停車前後で同じエンジントルクとなるときのGセンサ値を比較した場合、その前後で路面勾配が変化したりすると、上述したように、積載重量が変動していなくても、路面勾配変化などの外乱によるGセンサ値の変化を積載重量の変化と誤判定してしまう可能性がある。これは、停車前のGセンサ値に含まれる外乱成分と停車後のGセンサ値に含まれる外乱成分とが異なっているために生じる。
このため、本実施形態では、停車前と停車後それぞれに関して、Gセンサ値から路面勾配成分などの外乱成分を排除したパラメータを求め、そのパラメータを比較することにより、積載量変動を取得することができると言える。このようなパラメータとして、Gセンサ値と推定加速度(以下、推定Gという)との比が考えられる。すなわち、Gセンサ値には路面勾配成分などの外乱成分が含まれた値となっているが、同じように路面勾配の変化に応じて変動するエンジントルクに基づいて、エンジントルク変数を含んだ車輪運動方程式より演算される推定Gについても、路面勾配成分などの外乱成分が含まれた値となっている。
外乱成分としては、車輪の振動やスリップなどに起因する成分も含まれるが、このような成分もGセンサ値と推定Gの双方に含まれるため、Gセンサ値と推定Gの比を取ることにより、外乱成分を相殺することが可能となる。
したがって、Gセンサ値と推定Gの比を求めることで、外乱成分を除去したパラメータを求めることができる。そして、車両前後方向の加速度は、後述するように積載値0(空車という)での車両総重量や車両の駆動力を制御するためのエンジントルクなどの運動方程式によって表され、これに基づいて推定Gが演算されることから、推定Gは積載重量の変動に応じては変化しない。このため、車載前後において、値の変化するGセンサ値と値の変化しない推定Gの比が変化し、これらの比の偏差を求めれば、積載重量の変動を取得することできる。このようにすることで、Gセンサや、推定Gで使用するエンジントルク等の経年劣化などによる精度低下を防ぐことができ、正確に車載重量の変動を取得することができる。
ここで、推定Gについては、以下のように求めることができる。図2は、車両走行時の様子を示した模式図であり、図2(a)は、車体加速度b[m/s2]が発生している時の様子を示した図、図2(b)は、図2(a)の状態において1車輪に発生している各力の関係を示した図である。
まず、このときの各車輪(タイヤ)に掛かる空車時の重量をm[kg]とし、重力加速度をg[m/s2]とし、車輪加速度をa[m/s2]とする。車両総重量は、4輪それぞれに掛かる重量の総和となるため、図2(a)中に示したように4×mとなる。また、各車輪の垂直方向に掛かる力はm×g[N]となる。
このとき、車輪に対して加わっている力としては、タイヤ点に働く力F1と、路面との摩擦力(タイヤの反力)F2と、転がり抵抗F3とブレーキトルクF4が働いている。これらについては、下記の関係が成り立つ。ただし、ATトルク比は、オートマティック車両におけるトランスミッションのトルク比であり、ギア比は変速装置のギア位置ごとに決まっている値、デフ比はデファレンシャルにおけるギア比、伝達効率は駆動系全体での力の伝達効率を意味している。また、μはタイヤの動摩擦係数、μ’はブレーキパッドの摩擦係数、Nはブレーキパッドに掛かる力を表している。
(数1) F1=(エンジントルク×ATトルク比×ギア比×デフ比×伝達効率)÷タイヤ半径
(数2) F2=μ×m×g
(数3) F3=f×m×g
(数4) F4=(μ’×N)/タイヤ半径
これら各値のうち、エンジントルクやギア比を決めるためのギア位置などの変動値に関しては、エンジンECU2からデータを得ることにより入手でき、固定値に関しては、予めRAM等に記憶しておくか、エンジンECU2からそれに関するデータを得ることによって入手できる。
そして、タイヤとエンジンのイナーシャをI[kg・m2]、車輪の角加速度をω[G]で表すと、上記数式1〜4で示された各力が次式、すなわちエンジントルクの項F1を式内に含む車輪の運動方程式で表される。
(数5) F1−(F2+F3+F4)=I×ω÷タイヤ半径
この数式5に対して、上記数式1〜4を代入すると、数式6が得られる。これを摩擦係数μについての式に変換すると、数式7のように表すことができる。摩擦係数μは、摩擦力を車両総重量で割ったものである。一方、車両の駆動力は路面−タイヤ間摩擦力までしかタイヤの駆動には使われないものであるから、摩擦係数μは駆動力を車両総重量で割った値、すなわち車両前後方向の加速度と対応した値である。よって、数式7のμを計算することによって推定Gを演算することが可能となる。
Figure 0005326870
Figure 0005326870
また、この数式7を確認すると分かるように、推定Gを演算するために各車輪に掛かる重量mが用いられる。この重量mが空車時の車両総重量であることから、積載重量の変動に応じては推定Gは変動しないことになる。したがって、演算した推定Gは、積載重量の変動成分が含まれた値となる。そして、エンジントルクについては、路面勾配や車輪振動および車輪スリップなどの外乱成分を加味して設定されていることから、上述したように、演算した推定Gには外乱成分が含まれた値となっている。
なお、上記各数式において、車体加速度bを考慮に入れるべき部分があるが、車体加速度bが車輪加速度aと比較して無視してよいほど小さいと考え、車体加速度bを考慮に入れないで各数式を表してある。
以上の知見に基づいて、積載重量変動取得処理を行っている。図3は、制御装置1がROM等に記憶されたプログラムに従って実行する積載重量変動取得処理のフローチャートである。この図を参照して積載重量変動取得処理の詳細について説明する
制御装置1は、例えばイグニッションスイッチがオフからオンに投入されたとき、もしくは、車両が所定時間停車して積載重量が変動した可能性がある場合に、所定の演算周期毎に図3に示す積載重量変動取得処理を実行する。
まず、ステップ100では、エンジンECU2から送られる信号(データ)や車輪速度センサ4およびM/C圧センサ5からの検出信号を読み取り、これら各信号に基づいて推定Gを演算する。推定Gの演算手法については、上述した通りである。具体的には、この推定Gの演算に用いられる各種パラメータのうち、エンジントルク、ATトルク比、ギア比、デフ比、伝達効率などについては、エンジンECU2から入力される。車輪角加速度ωについては、車輪速度センサ4からの検出信号に基づいて検出される車輪速度を時間微分することにより演算している。パッドに掛かる力Nは、ホイールシリンダ圧(以下、W/C圧という)と対応した値となるが、M/C圧がW/C圧に相当する値となることから、パッドに掛かるNをM/C圧センサ5の検出信号から演算している。
次に、ステップ110では、Gセンサ値を演算する。具体的には、加速度センサ3の検出信号に基づいてGセンサ値を演算する。
そして、ステップ120に進み、所定時間以上停車経験があるか否かを判定する。つまり、積載重量が変動しているような可能性のある停車を行ったか否かを判定する。停車する毎に積載重量変動量取得を行っても良いが、信号待ちなどのような単に停車した場合を除くべく、所定時間以上の停車があったかを判定している。例えば、Gセンサ値が所定時間以上零のままであった場合、エンジントルクが走行状態からアイドリング状態に移行した後アイドリング状態のまま所定時間が経過した場合、ギア位置がパーキング位置になってから所定時間経過した場合、イグニッションスイッチが一旦オフに切り替えられた場合、車輪速度センサ4から演算される車輪速度(もしくはそれから演算される推定車体速度)が零になってから所定時間経過した場合に、その経験を示すフラグがセットされるようになっている。このため、そのフラグがセットされているか否かに基づいて、本ステップの判定が行われる。
なお、ここでは、エンジンECU2からの信号や加速度センサ3もしくは車輪速度センサ4からの検出信号に基づいて停車してから所定時間が経過したことを判定しているが、これはこれらの信号を用いることで他の信号を用いないで済むためである。勿論、他のセンサなどから得られる信号、例えばストップランプスイッチが所定時間オンされていた場合に、所定時間停車したと判定するようにしても良い。また、イグニッションスイッチのオンオフによって制御装置1の電源のオンオフが切り替えられる場合には、そのオンオフに基づいて、制御装置1で自動的に所定時間停車したと判定するようにしても良い。
このとき、所定時間以上停車していて積載重量変動の可能性があれば、ステップ120で肯定判定されてステップ130に進み、推定Gの絶対値である|推定G|が0.1Gであるか否かを判定する。ここでいう0.1Gとは、積載重量の変動量を取得するときの閾値である。すなわち、積載重量の変動量の取得については、所定時間停車して、積載重量が変動したと考えられる状態であれば、いつ行っても良いが、加速度が小さい場合には、積載重量の変動に伴う推定Gの変動が顕著にならない。このため、推定Gの変動が顕著になるときにのみ積載重量変動量取得が行われ、推定Gの変動が小さくて誤判定してしまうような場合にまで積載重量変動量取得が行われないように、閾値を設定している。このときの閾値を0.1よりも更に高い値に設定しても良いが、あまり閾値を高い値に設定すると、積載重量の変動量の取得頻度が少なくなるため、ある程度の頻度が得られるように0.1Gを閾値としている。また、±0.1G、すなわち|0.1G|とすることで、加速度および減速度の両方で積載重量の変動量の取得ができるようにし、取得頻度を多くしている。
この後、ステップ140に進み、積載重量変動後の推定GとGセンサ値との比として推定G/Gセンサ値を演算し、これを積載重量変動後のパラメータGaとして記憶しておく。
一方、所定時間以上停車しておらず積載重量変動の可能性がなければ、ステップ120で否定判定されてステップ150に進み、ステップ130と同様に、推定Gの絶対値である|推定G|が0.1Gであるか否かを判定する。そして、ステップ160に進み、積載重量変動前の推定GとGセンサ値との比として推定G/Gセンサ値を演算し、これを積載重量変動前のパラメータGbとして記憶しておく。
なお、ステップ130とステップ150において共に|推定G|が0.1Gである場合に、ステップ140やステップ160で推定GとGセンサ値の比が求められるようにしているが、必ずしも同じ値にしなければならない訳ではない。ただし、同じ値にすることで、|推定G|が0.1Gという同じ条件下での推定GとGセンサ値の比が求められるため、より的確に積載重量の変動に起因する差が推定GとGセンサ値の比として表れることになる。
そして、ステップ140を終了するとステップ170に進み、ステップ170において、ステップ140およびステップ160で記憶しておいた積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbに基づいて、積載重量変動量推定を行う。具体的には、積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差(Ga−Gb)を演算したのち、これらの差と積載重量の変動量との関係を示したマップもしくは関数式に基づいて積載重量の変動量を推定する。ここでは、図3中に示したように、予め実験などによって、積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差と積載重量の変動量の関係を示すマップを求めて記憶してある。このため、ステップ170では、演算した積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差に対応する積載重量の変動量をマップから判別することにより、積載重量の変動量を推定している。
具体的には、マップに示されるように、積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差の絶対値が大きくなるほど、積載重量の変動量の絶対値が大きくなるように、積載重量の変動量を設定してある。これは、積載重量が変動した場合に、その変動量が大きければ大きいほど推定Gに与える影響が大きくなるためであり、推定Gに与えられた影響が大きければ大きいほど積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差が大きくなるためである。また、積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差の符号として、正負の両方を想定しているが、これは荷物等の積み込みによって積載重量が増加する場合と、荷物等の積み下ろしによって車両重量が減少する場合があるためである。なお、ノイズ防止のために、積載重量変動後のパラメータGaと積載重量変動前のパラメータGbの差が小さい時にまで積載重量の変動量が推定されてしまわないように不感帯を設けてあり、その差がある程度大きい時にのみ変動量が求められるようにしてある。
このようにして、積載重量の変動量が検出されると、その後、ステップ180に進み、積載重量を演算する。具体的には、ステップ170で推定された積載重量の変動量を、それ以前に記憶されていた積載重量に対して足し合わせることによって、積載重量を更新する。例えば、車載が無い状態や積載重量の変動量が小〜大の場合のカウント値をそれぞれ所定値として決めておく。そして、車載が無い状態を初期値として、そこからステップ170で推定された積載重量の変動量に応じてカウントUPもしくはカウントDOWNしていき、そのカウント値に基づいて、車載が無い状態や積載重量の変動量が小〜大の場合のいずれであるか、つまり積載重量の変動量を取得することができる。
また、今回の周期に演算した積載重量変動後のパラメータGaを、今度は積載重量変動前のパラメータGbとして記憶し、次回の積載重量推定の際の積載重量変動前のパラメータGbとして用いる。さらに、積載重量変動後のパラメータGaについてはクリアする。これにより、次回の積載重量推定の際に新たに積載重量変動後のパラメータGaが求められるまでクリアされたままとなる。そして、所定時間以上停車した経験があることを示すフラグをリセットし、積載重量変動量取得処理を完了する。
以上説明したように、本実施形態の積載重量変動量取得装置によれば、積載重量が変動した可能性がある停車前後において推定GとGセンサ値との比を比較し、その比の差に基づいて積載重量の変動量を求めている。すなわち、外乱成分を除去したパラメータGa、Gbを利用し、これらの差に基づいて積載重量の変動量を取得している。このため、積載重量の値を直接演算するのではなく、積載重量の変動量を演算する場合において、路面勾配の変化等の外乱成分が積載重量の変動量の演算に与える影響を排除でき、正確に積載重量の変動量を演算することが可能となる。
なお、このようにして正確な積載重量の変動量を取得することができれば、取得した積載重量に基づいて、例えば横転抑制制御等を行うべく、制御信号を送ってブレーキ用アクチュエータ6を駆動することで、正確な積載重量の変動量に基づいた的確な制御を行うことが可能となる。
(他の実施形態)
(1)上記第1実施形態では、推定GとGセンサ値の比で表されるパラメータGa、Gbを推定G/Gセンサ値としているが、その逆数、つまりGセンサ値/推定Gとしても構わない。
(2)また、上記第1実施形態では、推定GとGセンサ値の比で表されるパラメータGa、Gbの差に対応する積載重量の変動量をカウントすることで、車載が無い状態や積載重量の変動量が小〜大の場合のいずれであるかを取得している。しかしながら、これも単なる一例を示したに過ぎず、積載量の有る無しや大小だけでなく、変動量の絶対量を取得することもできる。例えば、推定GとGセンサ値の比で表されるパラメータGa、Gbの差に対応する積載重量の変動量を絶対量で示し、変動量が更新される都度その絶対量を足し合わせることで、初期値からの積載重量の変動量の絶対量を取得することもできる。
(3)なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。すなわち、ステップ100の処理を実行する部分が推定加速度演算手段、ステップ110の処理を実行する部分がセンサ値演算手段、ステップ120の処理を実行する部分が判定手段、ステップ130、160の処理を実行する部分が加速度比演算手段、ステップ170の処理を実行する部分が偏差演算手段や変動量取得手段に相当する。
1…制御装置、2…舵角センサ、3…ヨーレート、
4…横加速度センサ、5…ブレーキ用アクチュエータ

Claims (5)

  1. 車両の駆動力を制御するためのエンジントルクの項を式内に含む車輪の運動方程式によって、前記車両の前後方向の加速度の推定値である推定加速度を演算する推定加速度演算手段(100)と、
    前記車両に発生している前後方向の加速度を検出するための加速度センサ(3)のセンサ値を演算するセンサ値演算手段(110)と、
    前記推定加速度演算手段にて演算された前記推定加速度と前記センサ値演算手段にて演算された前記センサ値との比を演算する加速度比演算手段(140、160)と、
    前記車両の停車前に前記加速度比演算手段にて演算された前記推定加速度と前記センサ値との比と、前記車両の停車後に前記加速度比演算手段にて演算された前記推定加速度と前記センサ値との比との偏差を演算する偏差演算手段(170)と、
    予め定められた前記車両の停車前後における前記推定加速度と前記センサ値との比の偏差と積載重量の変動量の関係を示すマップもしくは関係式を用いて、前記偏差演算手段にて演算された前記偏差と対応する前記積載重量の変動量を取得する変動量取得手段(170)と、を備えていることを特徴とする積載重量変動量取得装置。
  2. 前記加速度比演算手段は、前記推定加速度の絶対値が所定の閾値以上のときにのみ、前記推定加速度演算手段にて演算された前記推定加速度と前記センサ値演算手段にて演算された前記センサ値との比を演算することを特徴とする請求項1に記載の積載重量変動量取得装置。
  3. 前記加速度比演算手段は、前記推定加速度の絶対値が所定の閾値のときに、前記推定加速度演算手段にて演算された前記推定加速度と前記センサ値演算手段にて演算された前記センサ値との比を演算することを特徴とする請求項1に記載の積載重量変動量取得装置。
  4. 前記車両が所定時間以上停車した経験があるか否かを判定する判定手段(120)を有し、
    前記判定手段にて前記車両が所定時間以上停車した経験があると判定されたときに、その判定前に前記加速度比演算手段にて演算された前記比を前記停車前の比とし、その判定後に前記加速度比演算手段にて演算された前記比を前記停車後の比として、前記偏差演算手段による前記偏差の演算を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両重量変動量取得装置。
  5. 車両の駆動力を制御するためのエンジントルクの項を式内に含む車輪の運動方程式によって、前記車両の前後方向の加速度の推定値である推定加速度を演算する第1ステップと、
    前記車両に発生している前後方向の加速度を検出するための加速度センサのセンサ値を演算する第2ステップと、
    前記第1ステップで演算された前記推定加速度と前記第2ステップで演算された前記センサ値との比を演算する第3ステップと、
    前記車両の停車前に前記第3ステップで演算された前記推定加速度と前記センサ値との比と、前記車両の停車後に前記第3ステップで演算された前記推定加速度と前記センサ値との比との偏差を演算する第4ステップと、
    予め定められた前記車両の停車前後における前記推定加速度と前記センサ値との比の偏差と積載重量の変動量の関係を示すマップもしくは関係式を用いて、前記第4ステップで演算された前記偏差と対応する前記積載重量の変動量を取得する第5ステップと、を含むことを特徴とする積載重量変動量取得方法。
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