JP3826252B2 - ファンシュラウド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジン冷却用ラジエータ等に付設されるファンシュラウドの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の艤装ラインにおいて、ファンシュラウドが付設されたラジエータを、車体に搭載されたエンジンの車両前方に装着する場合、ラジエータは上方から車体に搭載する必要があるので、従来は図7に示されているように、ファンシュラウド1は、エンジンの前面に取り付けられた冷却ファン2の上方から左右側方にかけて、冷却ファン2全外周の3/5程度を占める円弧状のカバー上部3が本体4と一体成形されている一方、冷却ファン2の下方から左右側方にかけて、冷却ファン2全外周の2/5程度を占める円弧状のカバー下部5が本体4と別体に形成され、ラジエータの搭載時にはカバー下部5のない状態でファンシュラウド1がラジエータに付設されて、このラジエータを上方から車体に搭載することにより、ファンシュラウド1と冷却ファン2との干渉を回避し、その後、カバー上部3の左右下端とカバー下部5の左右上端とをそれぞれ連結して、カバー上部3及びカバー下部5が冷却ファン2の外周全体を囲むようにしている。
【0003】
しかしながら、この場合には、ファンシュラウド1が付設されたラジエータが車体に搭載されたとき、車体の下方からカバー下部5をカバー上部3に連結することはできるが、車体の上方からカバー下部5をカバー上部3に連結することは、カバー上部3が存在しているために両者の連結部分を目視しにくくて非常に困難であり、また、冷却ファン2の側方に近接して先に艤装されているインタークーラホース6等の部品によっても、カバー上部3に対するカバー下部5の連結に厳しい制約が加えられるので、ラジエータ等の艤装方法に大きな制限を受けるという問題があり、さらに、冷却ファン2やその周辺部品のメンテナンス作業時には、カバー上部3が邪魔となるためにファンシュラウド1を取り外す必要があるといった問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、車体に対するラジエータの搭載時に、ラジエータに付設されたファンシュラウドがエンジン側のファンと干渉することなく、しかも、上記ファンを囲むファンシュラウドのカバー部分をファンシュラウドの本体へ容易に取り付けることができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかるファンシュラウドは、ラジエータに取り付けられエンジン側のファンに向かって円形の開口が形成された本体と、上記開口に沿って上下にそれぞれ配置される円弧状のカバー上部及びカバー下部とを有し、上記開口の左右両端縁にそれぞれ軸方向へ延びる突部が上記本体と一体的に形成され、上記カバー上部の左右下端が上記突部の各上端にそれぞれ設けられた係止部に連結されると共に、上記カバー下部の左右上端が上記突部の各下端にそれぞれ設けられた係止部に連結されて、上記両突部と上記カバー上部と上記カバー下部とが上記ファンの外周全体を囲むように構成されている。
【0006】
従って、カバー上部及びカバー下部がファンシュラウドの本体に連結されない状態で、上記本体がラジエータに取り付けられ、そのラジエータが上方から車体に搭載される場合には、上記本体がエンジン側のファンと干渉することを容易に回避できる一方、ラジエータの搭載後、上記本体における左右突部の各下端に設けられた係止部にカバー下部の左右上端をそれぞれ連結してから、上記突部の各上端に設けられた係止部にカバー上部の左右下端をそれぞれ連結するようにすれば、エンジン側ファンの上方からでもカバー下部を上記本体へ容易に取り付けることができると共に、カバー上部も上記本体に何らの支障なく取り付けることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例について説明する。
図1及び図2において、車体に搭載されたポリポロピレン樹脂製ファンシュラウド10は、本体11と、円弧状のカバー上部12と、円弧状のカバー下部13とからなり、本体11は図示しないラジエータへの取付け部14が設けられていると共に、車体に搭載されたエンジンの前面における冷却ファン15側へ延びるように幅狭のフランジ16が設けられ、このフランジ16により円形の開口17が形成されている。
【0008】
また、本体11には開口17の左右両端縁にそれぞれ本体11の軸方向へ延びる突部18が一体成形されて、各突部18の上下端部にそれぞれ上下左右対称形に係止部19が設けられており、カバー上部12の左右下端及びカバー下部13の左右上端にはそれぞれ上下左右対称形に係止部20が設けられて、後記のように各係止部19及び各係止部20がそれぞれ係合し、左右の突部18、カバー上部12及びカバー下部13が開口17の外周に沿って配置され、冷却ファン15の外周全体を囲んでいる。
【0009】
図3〜図5に例示されているように、係止部19は、本体11の軸方向に延びる上下の溝21と、本体11の軸方向に延びて開口17の半径方向に可撓性のある抜け止め部22とを有し、抜け止め部22の端部には断面略L字状の操作部22aと孔23とが形成されている一方、係止部20はくぼみ20aと、本体11の軸方向に延びて上下の溝21にそれぞれ嵌合する上下の突起24と、開口17の半径方向に延びて孔23に挿入される突起25とを有しており、開口17の半径方向へ操作部22aを押して突起25を孔23から外し、くぼみ20aを利用して係止部20を本体11の軸方向へ押せば、係止部19及び係止部20の係合を簡単に外すことができるようになっている。
【0010】
また、図6に示されているように、本体11にはフランジ16の上下端縁にそれぞれ冷却ファン15側へ延びる板状突起26が設けられて、各突起26に丸孔27が形成され、他方、カバー上部12の上端及びカバー下部13の下端にはそれぞれ上下方向のピン28が一体成形されている。
なお、30、30は本体11の左右両側方に近接して先に艤装されているインタークーラホースである。
【0011】
従って、エンジンが既に搭載された車体に対し、ファンシュラウド10が付設された図示しないラジエータを搭載する場合には、ファンシュラウド10の本体11にカバー上部12及びカバー下部13が連結されていない状態で、本体11をラジエータに取り付けて、そのラジエータを上方から車体上へ下ろせば、本体11における左右の突部18は冷却ファン15の左右を支障なく通過できるので、上記ラジエータを車体の所定位置へ容易に固定することができる。
【0012】
その後、カバー下部13を適宜撓ませながら、本体11におけるフランジ16の内面と冷却ファン15の外周との間に沿ってカバー下部13を上方からすべり込ませ、冷却ファン15の下方に配置して車両前方へ少し変位させることにより、図3〜図5の場合と同様にして、カバー下部13の左右上端にそれぞれ設けられた係止部20の上下突起24を、左右突部18の下端部にそれぞれ設けられた係止部19の上下溝21内へそれぞれ嵌合させると共に、係止部19の抜け止め部22を適宜撓ませて、係止部20の突起25を抜け止め部22の孔23に挿入させ、また、カバー下部13下端のピン28を本体11の下端縁における板状突起26の丸孔27に嵌め込ませて、本体11にカバー下部13を取り付けることができる。
【0013】
次に、カバー上部12を適宜撓ませながら、カバー上部12を冷却ファン15の上方に配置して車両前方へ少し変位させることにより、図3〜図5に例示されているように、カバー上部12の左右下端にそれぞれ設けられた係止部20の上下突起24を、左右突部18の上端部にそれぞれ設けられた係止部19の上下溝21内へそれぞれ嵌合させると共に、係止部19の抜け止め部22を適宜撓ませて、係止部20の突起25を抜け止め部22の孔23に挿入させ、また、カバー上部12上端のピン28を本体11の上端縁における板状突起26の丸孔27に嵌め込ませて、本体11にカバー上部12を取り付けることができる。
【0014】
すなわち、本体11に対するカバー下部13の取付け時にはカバー上部12が外されており、かつ、カバー下部13を本体11の円形開口17内で移動させる際、周辺に配置されたインタークーラホース30等の部品が障害となることもないため、カバー下部13の取付けは本体11の上方からでも簡単に行うことができると共に、本体11に対するカバー上部12の取付けも本体11の上方から簡単に行うことができ、また、上記と逆の操作により本体11に対するカバー上部12及びカバー下部13の取付けを本体11の下方からでも簡単に行うことができ、あるいは、必要に応じてカバー上部12は上方から、カバー下部13は下方からそれぞれ取り付けることもでき、しかも、孔23及び突起25の係合と丸孔27及びピン28の嵌合とにより、いずれの場合もカバー上部12及びカバー下部13が本体11から抜け止めされているので、ファンシュラウド10を付設したラジエータの艤装作業を常に容易に行うことができるという大きな長所がある。
【0015】
また、カバー上部12及びカバー下部13はそれぞれ同一形状のものを上下対称的に使用することができるので、部品の共通化によりコストの軽減を容易に図ることができる実用的利点がある。
さらに、冷却ファン15やその周辺部品の調整、交換作業時には、カバー上部12及びカバー下部13を取り外せばよく、本体11やラジエータを取り外す必要は全くないため、従来と比較して作業性を格段に向上させることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明にかかるファンシュラウドにおいては、その本体が付設されたラジエータが上方から車体に搭載された後に、上記本体における左右突部の各下端に設けられた係止部にカバー下部の左右上端をそれぞれ連結してから、上記突部の各上端に設けられた係止部にカバー上部の左右下端をそれぞれ連結することにより、エンジン側ファンの上方からでもカバー下部を上記本体へ容易に取り付けることができると共に、カバー上部の取付けにも全く支障が生じないので、ファンシュラウドを付設したラジエータの艤装作業が非常に容易となる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における概略斜視図。
【図2】上記実施形態例の分解斜視図。
【図3】図1の III矢視拡大図。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図。
【図5】図3のV−V断面図。
【図6】上記実施形態例の一部分解斜視図。
【図7】従来装置の分解斜視図。
【符号の説明】
10 ファンシュラウド
11 本体
12 カバー上部
13 カバー下部
15 冷却ファン
18 突部
19、20 係止部
Claims (1)
- ラジエータに取り付けられエンジン側のファンに向かって円形の開口が形成された本体と、上記開口に沿って上下にそれぞれ配置される円弧状のカバー上部及びカバー下部とを有し、上記開口の左右両端縁にそれぞれ軸方向へ延びる突部が上記本体と一体的に形成され、上記カバー上部の左右下端が上記突部の各上端にそれぞれ設けられた係止部に連結されると共に、上記カバー下部の左右上端が上記突部の各下端にそれぞれ設けられた係止部に連結されて、上記両突部と上記カバー上部と上記カバー下部とが上記ファンの外周全体を囲むように構成されたファンシュラウド。
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JP03473499A JP3826252B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | ファンシュラウド |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=12422559
Family Applications (1)
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JP03473499A Expired - Lifetime JP3826252B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | ファンシュラウド |
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JP (1) | JP3826252B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6291918B2 (ja) * | 2014-03-07 | 2018-03-14 | スズキ株式会社 | 車両用インタクーラの配管構造 |
-
1999
- 1999-02-12 JP JP03473499A patent/JP3826252B2/ja not_active Expired - Lifetime
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