JP3826025B2 - ピースマット固定構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロアカーペットが敷設され、また座席を前後方向にスライドさせるための座席スライドレールがある乗物の室内床面において、座席スライドレール周りに配設されたピースマットの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば自動車室内の床面は自動車のフロアパネル(鋼板)を自動車用フロアカーペット(内装材)で被覆することにより装飾されている。フロアカーペットはフロアパネルを保護し、また防音材の機能も果たすものである。この種の自動車用フロアカーペットは、タフトカーペットやニードルパンチカーペット等の、パイルを立設したカーペットに熱可塑性樹脂の裏打ちを施し、自動車のフロアパネルに沿う形状に成形してなる。必要に応じて、カーペットの裏面、フロアパネルとの間にはフェルト等の緩衝材を配する。
【0003】
一般に自動車用フロアカーペットの素材密度(フロアカーペットのパイル密度)は、自動車の床面全体にわたって均一に設定されるが、自動車用フロアカーペットの利用態様(自動車の所有者)によっては、フロアカーペットの特定部位が、他の部位に比較して極端に汚れたり、パイルが磨耗したりする事態を生じることがありうる。
【0004】
例えばセダン型の自動車では、前席(運転席、助手席)の足下は他の部位に比べて、乗員の乗降りが多くなり汚れたり磨耗したりしやすく、バン型の自動車では、後席の足下にも汚れたり磨耗しやすい部位を生じる。
【0005】
このような、フロアカーペットの局部的な汚れや磨耗に対して、床面を保護するため、フロアカーペット上に利用者が選択的に載置するピースマットが販売されている。
【0006】
この種のピースマットは、フロアカーペット上に部分的に載置され、比較的小面積のものであるために、乗員の乗降りにより水平向きの力を受けると、その載置位置がずれてしまうことがある。このため、従来、各種のピースマットの位置ずれ防止構造が提案されてきた。
【0007】
1つには、ピースマットの裏面にスパイクピンを形成し、このスパイクピンがフロアカーペットに刺さって、摩擦力が増すことで、ピースマットの位置ずれを防止する方法がある。また、フロアパネルやシートレール等にピースマットの端縁を係合して位置ずれを防止する例もある。
【0008】
近年、バン、ワゴン等の形式の自動車において、セカンドシート(二列目座席)や、サードシート(三列目座席)を自動車内で大きく前後に動かせるようにして、自動車室内の有効利用を図ることが多くなっている。このためにセカンドシート、サードシートの下には大型のスライドレールが自動車の前後方向に平行に設けられており、ピースマットにおいても、このスライドレール周りを隙間なく、位置ずれなく配設する構造が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、ピースマットの位置ずれ防止構造は、大きな位置ずれに対して一時的に抗することができるが、座席スライドレール周りのような、僅かな位置ずれも許されない部位に関しては、しだいにピースマットの配設位置がずれて、座席スライドレールに重なったり、座席スライドレール周りに隙間を生じるものであった。
【0010】
また、セカンドシートやサードシートを座席スライドレールの前端もしくは後端に動かした後の室内において、座席スライドレールがフロアカーペットの面と段差をもって残っており、自動車室内の居住性を高めることができないでいた。しかし、従来、この段差を確実になくすピースマットの配設構造について省みられていなかった。
【0011】
また、米国特許明細書第5765900号にも、座席スライドレールを備えた車両に対するピースマットの配設構造が記載されている。図6はこの米国特許明細書に記載のピースマット配設構造を示す。この例では、ピースマット90には、座席(スライドレール)取付け位置に対応して開口91〜94が形成されているが、ピースマットの配設のためには、フロントシート95およびリアシート96をいったん床面から取り外す必要がある構造になっており、利用者が選択的に載置するという、日本の自動車市場でのピースマットの利用態様には合わない。
【0012】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、フロアカーペットが敷設され、例えば座席を自動車の前後方向に移動できる座席スライドレールが設けられた自動車の室内床面において、フロアカーペットの上面に選択的に敷設されるピースマットを、座席スライドレール周りに位置ずれすることなく、正確に、見栄えよく敷設し固定する、ピースマットの固定構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、床面の内装材と、前記内装材より上に上表面が出ている状態で所定の方向に延びる長尺部品とが設けられた乗物の室内床面において、前記内装材上に部分的に載置したピースマットを固定するピースマット固定構造であって、前記ピースマットには前記長尺部品を入れる少なくとも1つのスリットが前記ピースマットの端縁から切り込まれており、前記スリットに前記長尺部品を入れる形に、前記ピースマットが前記長尺部品の周りに配設され、かつ、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部が、前記長尺部品の端部に固着されて前記床面に平行に延びる支持片の係合孔に係合する固定手段によって固定されたことを特徴とする。
【0014】
このような発明では、乗物の室内床面の内装材上に利用者が選択的に載置するピースマットには、前記ピースマットの端縁から切れ込みを入れて形成した、前記長尺部品を入れる少なくとも1つのスリットがあって、前記長尺部品を前記ピースマットのスリットに入れるとともに、前記ピースマットにおけるスリットの切れ込み端部を、前記長尺部品の端部に固着された支持片に係合する固定手段によって固定したため、ピースマットを長尺部品の周りに隙間無く配設できるとともに、ピースマットの長尺部品周りにおける位置ずれを防止する効果が大幅に向上する。
【0015】
また、ピースマットに対して、内装材と係合して位置ずれを防止する特別の係合手段を設ける必要がなくなり、軽量化が図れる。
【0016】
さらに、前記長尺部品を入れるピースマットのスリットは、前記ピースマットの端縁から切れ込みを入れて形成したものなので、長尺部品上に所定の部品が装着されていても、ピースマットの着脱が可能である。
【0017】
本発明の、より好ましい態様としては、前記固定手段が、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片を覆う大きさを有する本体部と、前記本体部から延びる脚と、前記脚の先端に形成された係合爪とを有し、前記固定手段の脚を、前記長尺部品の周りに配設された前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部と、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片の係合孔とに貫通させ、かつ前記脚の先端の前記係合爪を前記支持片に係合することにより、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部が前記長尺部品の端部に固着された前記支持片に対して固定されているとよい。
【0018】
そして、前記ピースマットの上表面および前記固定手段の本体部の上表面が、前記長尺部品の上表面と同一面になる高さに位置していることが好ましい。このように構成すると、室内床面の見栄えがよくなる。
【0019】
また、前記ピースマットが、基布にパイル糸を立毛形成してなる立毛調ピースマットであって、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部のパイル糸が、前記切れ込み端部以外の部位のパイル糸に比較して、低い高さに処理されていることが好ましい。この場合、前記切れ込み端部のパイル糸を熱潰し処理することが適用できる。このように構成すると、基布にパイル糸を立毛形成してなる立毛調ピースマットにおけるスリットの切れ込み端部を、固定部材によって長尺部品の端縁に固定する場合、反力が少なくなるので、固定部材の脚先端の係合爪を長尺部品の端縁に係合しやすくなる。
【0020】
また、前記ピースマットの少なくとも一端縁に沿ってある幅でパイル糸が熱潰し処理されており、このパイル糸が熱潰し処理されたピースマットの端縁が、室内の床面とこの床面から立ち上がる立壁との境界部に形成した凹部に差し込まれていることが好ましい。このように構成すると、ピースマットの端縁の切り口が凹部内に隠れるため、ピースマットの端縁の仕上げ処理を簡略しながら、室内床面の見栄えを向上させることができる。また、ピースマットの端縁のパイル糸を熱潰し処理することにより、凹部にピースマットの端縁を差し込みやすくなるとともに、この端縁からの糸のもつれを防止することができる。
【0021】
さらに、上記のようなピースマット固定構造は、前記長尺部品が、座席を所定の方向にスライドさせるための座席スライドレールであるものに適用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態によるピースマット配設構造をもつ自動車室内の床面の様子を示す。但し、この図からは便宜上、座席を省略して示す。
【0024】
図1において、内装材であるフロアカーペット60、60’がそれぞれ自動車室内のフロント側とリア側のフロアパネル(鋼板)上に敷設されていて、フロアパネルを隙間なく被覆している。
【0025】
フロアカーペット60、60’は、従来からこの用途に用いられているもので、例えばポリエステルスパンボンドの基布にポリエステルのパイルをタフト(植毛)したタフトカーペットである。フロアカーペット60、60’の裏面には例えばポリエチレン樹脂の熱可塑性樹脂の裏打ちが施されており、裏打ちを加熱、可塑化することによって所望の形状に成形することが可能である。図1の場合、フロントのフロアカーペット60のみ、敷設位置のフロアパネルに合わせて立体的に成形されており、リアのフロアカーペット60’は成形することなくフロントのフロアカーペット60の後端に接合縁69で接合されている。
【0026】
フロアカーペット60、60’の敷設にあたり、必要に応じてフロアカーペット60、60’とフロアパネルの間に各種の緩衝材を配して床面の平坦化を図り、また防音性の向上を図る。フロアカーペット60、60’の外周は、床面の形状に合わせトリミングされ、不図示の係合具によってフロアパネルに係合されている。
【0027】
フロント、リアのフロアカーペット60、60’にはそれぞれ複数の開口64、65が形成されている。これらの開口は座席をフロアパネルに固定するのに用いられる。
【0028】
このうち、フロアカーペット60には、前部の左右座席を取り付けるために、それぞれ4つの開口64が形成される。これに対して自動車の後部ではフロアパネルに、座席をスライド可能にするために自動車の前後方向に延びる長尺部品である座席スライドレール20が固定されている。座席スライドレール20は座席のスライド量を多く確保し、また様々な座席配置を可能にするように配設されれば、図面に示す配置に限られない。
【0029】
リアのフロアカーペット60’には、座席スライドレール20を通すための複数の長孔(開口)65が形成されている。つまり、各座席スライドレール20はフロアパネルの形成面に対して凸の状態に存在し、フロアカーペット60’に形成された各長孔65(開口)を抜けて、自動車室内の床面に露出している。
【0030】
このようなリアのフロアカーペット60’上にはピースマット10、10’が自動車のフロント側およびリア側に並べて敷設されている。フロントのピースマット10とリアのピースマット10’にはそれぞれスリット11、11’が、ピースマット10,10’どうしの突き合わせ面19側の端部から切り込まれており、ピースマット10、10’がフロアカーペット60’上に正しく敷設された状態で座席スライドレール20がスリット11、11’を通って室内床面に現れる。
【0031】
ピースマットの敷設に関しては、ピースマット10、10’にそれぞれ形成されたスリット11、11’に座席スライドレール20を入れながら、自動車の前後から座席スライドレール20を挟む形に座席スライドレール20の周りを隙間無く覆い、フロアカーペット60’上に敷設される。前後のピースマット10、10’どうしの突き合わせ面19は、不図示のホックにより係脱可能に係合される。
【0032】
座席スライドレール20の前後の端縁は、見栄えと安全のために樹脂製のエンドキャップ40を嵌めて被覆保護している。とりわけ、エンドキャップ40は座席スライドレール20の端縁の被覆保護に限らず、座席スライドレール20の端縁に対してピースマット10、10’を位置ずれ防止のために係り止めている。
【0033】
図2は、図1に示した座席スライドレール20とエンドキャップ40を用いてのピースマット10の位置ずれ防止構造を示す分解斜視図である。この図はピースマット10’において同じである。
【0034】
座席スライドレール20の上面には図2に示すように、レール溝25が座席スライドレール20の長手方向に沿って延びている。レール溝25は溝の開口が上向きになるように鋼板を折曲げ加工して形成される。レール溝25内に不図示の座席の脚を係合させることにより、座席がレール溝25に沿って自動車の前後方向にスライド移動可能になっている。
【0035】
座席スライドレール20の一端縁(先端)26に、ピースマット10のスリット10の切れ込み端部12を重ね置くためのブラケット30が固着される。この固着されたブラケット30は、床面に垂直な本体部31と、本体部31の上端から床面に平行に延びるピースマット支持片35と、ピースマット支持片35とは逆方向に本体部31の下端から床面に平行に延びる固着片32と、ピースマット支持片35とは逆方向に本体部31の左右端から床面に平行に延びる左右支持片34とを有する。
【0036】
ピースマット支持片35にはエンドキャップ40を係合するための第1の係合孔36が形成されている。固着片32に固着孔33が形成されており、座席スライドレール20の一端縁(先端)26に形成されたブラケット固着孔27に対応する。
【0037】
ブラケット30の固着にあたっては、ブラケット30の固着片32および左右支持片34を座席スライドレール20の一端縁(先端)26から挿入し、固着片32の固着孔33と座席スライドレール20のブラケット固着孔27を重ね合わせ、螺着具37によって両者を螺着することで、ブラケット30が座席スライドレール20の先端に固着される。このように固着されると、ブラケット30のピースマット支持片35は座席スライドレール20の先端から出っ張った状態になるが、このとき、ピースマット支持片35を構成する面が座席スライドレール20の上壁23(上面)より低い位置にあるのが好ましい。
【0038】
また、端縁26にブラケット30を固着した座席スライドレール20の上方からピースマット10が配される。ピースマット10は、基布にパイル糸15を立毛成形してなるものであり、座席スライドレール20をちょうど入れる幅のスリット11が切り込み形成されている。このスリット11に座席スライドレール20を入れる形に、座席スライドレール20の周りにピースマット10が配設される。
【0039】
また、スリット11の切れ込み端部12上のパイル糸16は、ピースマット10の一般部のパイル糸15に比較して低いパイル高さに処理されている。このパイル高さの処理は、エンドキャップ40の装着性を向上させるためにエンドキャップ40の外形相当になされるものであり、たとえば、ウェルド、レーザ照射、振動溶着等の熱潰し処理が適当である。
【0040】
さらに、スリット11の切れ込み端部12には、座席スライドレール20に固着されたブラケット30の第1の係合孔36に対応する第2の係合孔13が形成されている。
【0041】
エンドキャップ40はピースマット10におけるスリット11の切れ込み端部12を座席スライドレール20の端縁26に固定する樹脂製の固定手段であって、座席スライドレール20の端縁26のブラケット30のピースマット支持片35を覆う大きさを有する本体部41と、第1の係合孔36および第2の係合孔13に挿入するために本体部41から下方に延びる脚42と、脚42の先端に可撓性に形成された係合爪43とを有している。
【0042】
ピースマット10の固定に際しては、座席スライドレール20に固着されたブラケット30の第1の係合孔36と、ピースマット10の切れ込み端部12の第2の係合孔13とを合わせ重ねた後、エンドキャップ40の係合爪43を内側に撓めながらエンドキャップ40の脚42を第1、第2の係合孔36、13に挿入し、係合爪43をブラケット30のピースマット支持片35の裏面に係合させる。すなわち、エンドキャップ40の装着によってピースマット10の切れ込み端部12がブラケット30のピースマット支持片35に対して押圧された状態で固定される。
【0043】
図3は、図1のA−A線断面図であり、座席スライドレールの一般部(端縁以外の部分)の縦断面を示す。この図はピースマット10’においても同じである。
【0044】
この図に示すように、凹凸を有する自動車のフロアパネル50(鋼板)の上方に、緩衝材70(フェルト、ウレタンフォームなど)を介してフロアカーペット60’が敷設されている。フロアカーペット60’は、基布61と、基布61にタフトされたパイル糸62と、基布61の裏面の熱可塑性樹脂の裏打ち63とから構成される。フロアカーペット60’のさらに上には、ピースマット10が部分的に配設されてフロアカーペット60’を著しい汚損や磨耗から保護している。ピースマット10は、基布14に熱可塑性のパイル糸15を立毛形成してなる。
【0045】
フロアパネル50に固定された座席スライドレール20は、フロアカーペット60’に形成された開口65および、ピースマット10のスリット11を抜け出ている。座席スライドレール20は、下壁21と左右の側壁22と上壁23(縁壁24)とによって上の開いたレール溝形状に形成されている。
【0046】
座席スライドレール20の上表面20aは床面に達している。好ましくは、座席スライドレール20の上表面20aは、ピースマット10の上表面10aと同一面になる高さに位置している。また、座席スライドレール20の左右の側壁22の外側は、フロアカーペット60’とピースマット10が隙間なく隣接している。
【0047】
図4は、図1のB−B線断面図であり、座席スライドレール20の一端縁のエンドキャップ40に対する縦断面を示す。この図はピースマット10’においても同じである。
【0048】
図4において、座席スライドレールの端縁におけるピースマット支持片35の第1の係合孔36とピースマット10の切れ込み端部12の第2の係合孔13とにそれぞれ、エンドキャップ40の脚42を挿通することで、ピースマット10の切れ込み端部12は、ブラケット30のピースマット支持片35に押圧された状態で固定されている。
【0049】
この際、切れ込み端部12のパイル糸16が熱潰し処理されて、他の一般部より低いパイル高さに処理されていると、エンドキャップ40をブラケット30に嵌める際の反力が少なくなるため、エンドキャップ40を嵌めやすくなる。
【0050】
また、エンドキャップ40の上表面40aが、座席スライドレール20の上表面20aおよび、ピースマット10の一般部の上表面10aと同一面になる高さに位置していると、室内床面の見栄えが良くなる。
【0051】
図5は、図1のC−C線断面図であり、自動車室内の床面とこの床面から立ち上がる立壁との境界部付近の縦断面を示す。この図はピースマット10においても同じである。
【0052】
図5に示すように、自動車室内のフロアパネル50と、フロアパネル50から立ち上がる立壁である、不図示のサイドパネルに敷設されたサイドトリム71との境界部において、凹部72がフロアパネル50の縁部とサイドトリム71の下端部とにより形成されている。この凹部72はサイドトリム71の下端部を外側にL状に折り曲げて作られる。
【0053】
凹部72の溝幅は、フロアカーペット60’とピースマット10’を重ねた厚さよりも少し短い寸法に設定されている。
【0054】
サイドトリム71とフロアパネル50により形成された凹部72には、フロアカーペット60’の端縁と、フロアカーペット60’上のピースマット10’の端縁とが重ねられた状態で差し込まれている。
【0055】
特に、ピースマット10’の端縁のパイル糸17は凹部72の溝の奥行きに相当する幅で熱潰し処理されている。
【0056】
これにより、フロアカーペット60’およびピースマット10’の端縁の切り口面が被覆されるために、これらの端縁の仕上げ処理を簡略しながら、室内床面の見栄えを向上させることができる。また、ピースマット10’の端縁のパイル糸17を熱潰し処理することにより、ピースマット10’を凹部72に差し込みやすくなるとともに、ピースマット10’端縁からの糸のほつれを防止することができる。
【0057】
なお、本明細書では、自動車用の座席を前後方向にスライドさせるための座席スライドレールが設けられた自動車の室内床面を例にとって説明したが、本発明の用途は自動車に限定されないものである。すなわち、床面の内装材と、この内装材より上に上表面が出ている状態で所定の方向に延びる長尺部品とが設けられた乗物の室内床面において、床面を保護するためのピースマットを、長尺部品周りに位置ずれなく配設する用途であれば、いかなる用途にも適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、床面の内装材と、前記内装材より上に上表面が出ている状態で所定の方向に延びる長尺部品(例えば座席を所定の方向にスライドさせるための座席スライドレール)とが設けられた乗物(例えば自動車)の室内床面において、前記内装材上に利用者が選択的に載置するピースマットには、前記ピースマットの端縁から切れ込みを入れて形成した、前記長尺部品を入れる少なくとも1つのスリットがあって、前記長尺部品を前記ピースマットのスリットに入れるとともに、前記ピースマットにおけるスリットの切れ込み端部を、前記長尺部品の端部に固着された支持片に係合する固定手段によって固定したことにより、ピースマットを長尺部品の周りに隙間無く配設できるとともに、ピースマットの長尺部品周りにおける位置ずれを防止する効果が大幅に向上する。
【0059】
また、ピースマットに対して、内装材と係合して位置ずれを防止する特別の係合手段を設ける必要がなくなり、軽量化が図れる。
【0060】
さらに、前記長尺部品を入れるピースマットのスリットは、前記ピースマットの端縁から切れ込みを入れて形成したものなので、長尺部品上に所定の部品が装着されていても、ピースマットの着脱が可能である。
【0061】
また、本発明のピースマット固定構造は、記固定手段が、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片を覆う大きさを有する本体部と、前記本体部から延びる脚と、前記脚の先端に形成された係合爪とを有し、前記固定手段の脚を、前記長尺部品の周りに配設された前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部と、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片の係合孔とに貫通させ、かつ前記脚の先端の前記係合爪を前記支持片に係合することにより、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部を前記長尺部品の端部に固着された前記支持片に対して固定できるので、上記と同様の効果を奏する。
【0062】
そして、前記ピースマットの上表面および前記固定手段の本体部の上表面を、前記長尺部品の上表面と同一面になる高さに位置させることにより、室内床面の見栄えがよくなる。
【0063】
また、前記ピースマットが、基布にパイル糸を立毛形成してなる立毛調ピースマットであって、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部のパイル糸が、前記切れ込み端部以外の部位のパイル糸に比較して、低い高さに処理されていることにより、立毛調ピースマットにおけるスリットの切れ込み端部を、固定部材によって長尺部品の端縁に固定する場合、反力が少なくなるので、固定部材の脚先端の係合爪を長尺部品の端縁に係合しやすくなる。
【0064】
また、前記ピースマットの少なくとも一端縁に沿ってある幅でパイル糸が熱潰し処理されており、このパイル糸が熱潰し処理されたピースマットの端縁が、室内の床面とこの床面から立ち上がる立壁との境界部に形成した凹部に差し込まれていることにより、ピースマットの端縁の切り口が凹部内に隠れるため、ピースマットの端縁の仕上げ処理を簡略しながら、室内床面の見栄えを向上させることができる。また、ピースマットの端縁のパイル糸を熱潰し処理することにより、凹部にピースマットの端縁を差し込みやすくなるとともに、この端縁からの糸のもつれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるピースマット配設構造をもつ自動車室内の床面の様子を示す図である。
【図2】図1に示した座席スライドレールとエンドキャップを用いてのピースマットの位置ずれ防止構造を示す分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図であり、座席スライドレールの一般部(端縁以外の部分)の縦断面を示す。
【図4】図1のB−B線断面図であり、座席スライドレールの一端縁のエンドキャップに沿った縦断面を示す。
【図5】図1のC−C線断面図であり、自動車室内の床面とこの床面から立ち上がる立壁との境界部付近の縦断面を示す。
【図6】従来のピースマットの配設構造を示す図である。
【符号の説明】
1 自動車の室内床面
10 フロントのピースマット
10’ リアのピースマット
10a 上表面
11、11’ 凹溝
12 凹頂部
13 第2の係合孔
14 基布
15、16、17 パイル糸
19 突き合わせ面
20 座席スライドレール
20a 上表面
21 下壁
22 側壁
23 スライドレールの上壁
24 縁壁
25 レール溝
26 スライドレールの一端縁
27 固着孔
30 ブラケット
31 本体部
32 固着片
33 固着孔
34 左右支持片
35 ピースマット支持片
36 第1の係合孔
37 螺着具
40 エンドキャップ
40a 上表面
41 本体部
42 脚
43 係合爪
50 フロアパネル(鋼板)
60 フロントのフロアカーペット
60’ リアのフロアカーペット
61 基布
62 パイル糸
63 裏打ち
64、65 開口
69 接合縁
70 緩衝材
71 サイドパネルに敷設されたサイドトリム
72 凹部

Claims (9)

  1. 床面の内装材と、前記内装材より上に上表面が出ている状態で所定の方向に延びる長尺部品とが設けられた乗物の室内床面において、前記内装材上に部分的に載置したピースマットを固定するピースマット固定構造であって、
    前記ピースマットには前記長尺部品を入れる少なくとも1つのスリットが前記ピースマットの端縁から切り込まれており、前記スリットに前記長尺部品を入れる形に、前記ピースマットが前記長尺部品の周りに配設され、かつ、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部が、前記長尺部品の端部に固着されて前記床面に平行に延びる支持片の係合孔に係合する固定手段によって固定されたことを特徴とするピースマット固定構造。
  2. 前記支持片は前記長尺部品の端部から出っ張った状態に固着されていることを特徴とする請求項1に記載のピースマット固定構造。
  3. 前記固定手段は、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片を覆う大きさを有することを特徴とする請求項1または2に記載のピースマット固定構造。
  4. 前記固定手段が、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片を覆う大きさを有する本体部と、前記本体部から延びる脚と、前記脚の先端に形成された係合爪とを有し、
    前記固定手段の脚を、前記長尺部品の周りに配設された前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部と、前記長尺部品の端部に固着された前記支持片の係合孔とに貫通させ、かつ前記脚の先端の前記係合爪を前記支持片に係合することにより、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部が前記長尺部品の端部に固着された前記支持片に対して固定された、請求項1記載のピースマット固定構造。
  5. 前記ピースマットの上表面および前記固定手段の本体部の上表面が、前記長尺部品の上表面と同一面になる高さに位置している、請求項記載のピースマット固定構造。
  6. 前記ピースマットが、基布にパイル糸を立毛形成してなる立毛調ピースマットであって、前記ピースマットにおける前記スリットの切れ込み端部のパイル糸が、前記切れ込み端部以外の部位のパイル糸に比較して、低い高さに処理されている、請求項またはに記載のピースマット固定構造。
  7. 前記切れ込み端部のパイル糸が熱潰し処理されている、請求項記載のピースマット固定構造。
  8. 前記ピースマットの少なくとも一端縁に沿ってある幅でパイル糸が熱潰し処理されており、このパイル糸が熱潰し処理されたピースマットの端縁が、室内の床面とこの床面から立ち上がる立壁との境界部に形成した凹部に差し込まれている、請求項またはに記載のピースマット固定構造。
  9. 前記長尺部品が、座席を所定の方向にスライドさせるための座席スライドレールである、請求項1〜のいずれか1項に記載のピースマット固定構造。
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