JP3823883B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体および写真焼付装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体および写真焼付装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像データによって表される画像がどのような画像であっても、良好なコントラストを再現できるように上記デジタル画像データを補正する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体および写真焼付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば写真フィルムを測光して得られる各コマごとのR(赤)・G(緑)・B(青)の画像データに基づいて画質の良好な画像を感光材料に焼き付けるため、コントラスト補正処理が行われている。このコントラスト補正処理とは、上記RGBの画像データに基づいて得られる輝度データYを変更することで、元の画像の明暗を補正することを言う。以下、従来のコントラスト補正処理について具体的に説明する。
【0003】
まず、写真フィルム(例えばネガフィルム)の任意のコマに光を照射して透過光をRGBごとにCCD(Charge Coupled Device )で取り込み、RGBの画像データに基づいて輝度データYを各画素ごとに求める。この輝度データYは、例えばRGBの画像データの平均値を求め、この平均値を昇順に並べたときに、上記写真フィルムに含まれる輝度情報0〜255の一部の範囲であるα〜β(α、βはともに正の整数)に対応して得られるものである。その後、このα〜βまでの輝度データYに対して濃度補正(ガンマ補正)を行い、出力値0〜255を得る。そして、図10に示すように、0〜255までの輝度データYとその度数との関係を示すヒストグラム(1)を作成する。
【0004】
次に、ヒストグラム(1)にて一番度数の多い階調を入力値aとして、傾き1(入力値=出力値)のコントラスト補正基準直線(2)に入力し、出力値bを得る。そして、出力値bをネガフィルムのガンマ曲線(3)にて変換して得られる値が、濃度変化の激しい区間c−dの中間値eあたりにくるように、ガンマ曲線(3)を上下方向にシフトさせる。
【0005】
なお、上記のガンマ曲線(3)は、写真フィルムに記録された画像を感光材料にきれいに焼き付けるために、用いる写真フィルムに応じた補正を行うためのものである。例えば、ネガフィルムとポジフィルムとでは、ガンマ曲線(3)の形状は異なっている。
【0006】
続いて、輝度データYの出力範囲が全てガンマ曲線(3)への入力範囲j〜kに収まるように、つまり、出力輝度データYが階調圧縮されるように、コントラスト補正基準直線(2)を入力値aと対応する点Pを中心にして傾け、コントラスト補正直線(4)を得る。
【0007】
実際にコントラストを補正するときは、ヒストグラム(1)の各階調の画像データ(輝度データY)をコントラスト補正直線(4)に入力し、このときの出力値をガンマ曲線(3)に入力する。これにより、例えば、ヒストグラム(1)における輝度データfは、矢印Aの経路をたどり、輝度データgに補正されることになる。
【0008】
このようにして補正された輝度データの情報を含むRGBの画像データに基づいて感光材料を露光することにより、感光材料上にコントラスト補正された画像が焼き付けられる。
【0009】
上記のようにガンマ曲線(3)の位置を設定することにより、輝度データYをコントラスト補正直線(4)およびガンマ曲線(3)に基づいて補正したときには、特に、ヒストグラム(1)にてaを中心とする比較的度数の多い区間に属する輝度データY同士の差が、ガンマ曲線(3)における濃度変化の激しい区間c−dによって広げられる。そのため、特に、この区間においては輝度差(濃度差)が確実に出るようになり、コントラストが強調されるようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の方法では、ガンマ補正をかける前に、コントラスト補正直線(4)を用いて輝度データYの全域を一律に補正(階調圧縮)するため、かえって画像全体の画質が劣化する場合がある。
【0011】
つまり、例えば、元の画像における中間調部の階調性が弱い(階調の変化があまりない)場合には、中間調部ではそのような階調をなるべく維持したまま、他の低輝度部や高輝度部のコントラストを補正することが望まれる。しかし、従来のような一律なコントラスト補正だと、中間調部のコントラストが強調されることにより、画像全体としての画質が劣化する。
【0012】
また、写真フィルムに記録された画像としては、例えば、逆光シーンや、ストロボシーンなど様々なシーンにて撮影された画像がある。したがって、各シーンごとにコントラストの良好な画像を得るためには、例えば、各シーンごとにコントラスト補正直線(4)の傾きを変化させることも考えられる。
【0013】
しかし、この場合、コントラスト補正直線(4)をどのくらい傾けるかを、各シーンごとに設定入力する必要があり、コントラスト補正に手間がかかる。また、設定入力を適切にできるか否かは、オペレータの経験に大きく依存しており、誰でも簡単に設定入力できるものではない。
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、元の画像の中間調部のコントラストをなるべく維持することによって画像全体の画質劣化を回避しながら、どのようなシーンの画像に対してもコントラスト補正を容易に行うことができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体および写真焼付装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、画像を構成する各画素の異なる色ごとの画像データに基づいて上記画像のコントラストを補正する画像処理装置であって、上記各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1輝度データ生成手段と、上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部 、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2輝度データ生成手段とを備え、上記第2輝度データ生成手段は、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更することを特徴としている。
【0016】
また、本発明に係る画像処理方法は、上記の課題を解決するために、画像を構成する各画素の異なる色ごとの画像データに基づいて上記画像のコントラストを補正する画像処理方法であって、上記各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1の工程と、上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2の工程とを有し、上記第2の工程では、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更することを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、第1輝度データ生成手段にて、各色ごと(例えばRGB)の画像データに基づいて、第1輝度データが各画素ごとに生成される。そして、第2輝度データ生成手段により、低輝度部および高輝度部のみ第1輝度データの変更された第2輝度データが生成される。このように、第1輝度データを変更することで、画像のコントラストが変更(補正)される。
【0018】
ここで、第2輝度データ生成手段は、低輝度部および高輝度部の第1輝度データのみを変更しているので、第2輝度データにおいては、中間調部の第1輝度データはそのまま維持され、中間調部の階調性がそのまま維持されることになる。これにより、元の画像において、中間調部の階調性が弱い(階調の変化があまりない)場合でも、中間調部の階調性がそのまま維持されることになり、コントラスト補正による画像全体の画質劣化を回避することができる。
【0019】
また、第2輝度データ生成手段により、低輝度部の第1輝度データは変更前よりも値が大きくなるように、高輝度部の第1輝度データは変更前よりも値が小さくなるように変更される。これにより、低輝度部および高輝度部では、階調が圧縮されることになり、低輝度部および高輝度部における階調性を向上させることができる。
【0020】
また、例えば、写真フィルムに記録された画像としては、様々な条件下で撮影された画像が想定される。しかし、これらの画像は、低輝度部、中間調部および高輝度部の少なくともいずれかに第1輝度データの度数が集中するものばかりである。
【0021】
しかし、本発明のように、低輝度部、中間調部、高輝度部ごとにコントラスト補正を管理することにより、低輝度部および高輝度部のみに対してコントラスト補正を行うという1種類の手法で、様々なシーンの画像のコントラスト補正にも対応することができる。その結果、各シーンごとに、オペレータの経験に基づく設定値を入力してコントラスト補正を行う必要がなく、コントラスト補正を行う本発明の画像処理装置を誰でも簡単に扱うことができる。
【0022】
なお、本発明で扱う画像としては、例えば写真フィルムに記録された画像を測光して得られるものであってもよいし、デジタルカメラで撮影した画像であってもよいし、コンピュータで扱う画像であってもよい。
【0023】
本発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記第2輝度データの所定範囲に対してガンマ補正を行うガンマ補正手段と、上記第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値および最大値に対応する値をそれぞれ指定入力するための入力手段とをさらに備え、上記第2輝度データ生成手段は、上記最小値から上記最大値までの第1輝度データに対応する第2輝度データがガンマ補正の対象となるように、低輝度部および高輝度部の第1輝度データを変更することを特徴としている。
【0024】
また、本発明に係る画像処理方法は、上記の課題を解決するために、上記第2輝度データの所定範囲に対してガンマ補正を行う第3の工程と、上記第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値および最大値に対応する値をそれぞれ指定入力する第4の工程とをさらに有し、上記第2の工程は、上記最小値から上記最大値までの第1輝度データに対応する第2輝度データがガンマ補正の対象となるように、低輝度部および高輝度部の第1輝度データを変更する工程であってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値および最大値に対応する値を入力手段からそれぞれ入力し、第2輝度データ生成手段が低輝度部および高輝度部の第1輝度データを変更することで、上記最小値から上記最大値までの第1輝度データに対応する第2輝度データをガンマ補正することが可能となる。したがって、入力手段による指定入力さえ適切に行えば、どのようなシーンで撮影された画像についても、ガンマ補正による画質の良好な画像を得ることができる。
【0026】
本発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記入力手段によって指定入力される値は、黒く潰れる画素数の許容値および白く飛ぶ画素数の許容値であることを特徴としている。
【0027】
ここで、黒く潰れる画素数の許容値とは、画素が黒く潰れても画質に影響を与えないような画素数の最大値を指し、例えば、全画素数に対する所定割合の画素数(全画素数の5%や3%の値)を想定することができる。また、白く飛ぶ画素数の許容値とは、画素が白く飛んでも画質に影響を与えないような画素数の最大値を指し、例えば、全画素数に対する所定割合の画素数(全画素数の5%や3%の値)を想定することができる。
【0028】
上記の構成によれば、入力手段によって、黒く潰れる画素数の許容値を入力すれば、第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値を容易に特定することができる。例えば、第1輝度データの取り得る値の最小値(例えば16ビットで0)からの画素数の総和が上記許容値となるような第1輝度データを、そのような最小値とすることができる。
【0029】
また、同じく入力手段によって、白く飛ぶ画素数の許容値を入力すると、第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最大値を容易に特定することができる。例えば、第1輝度データの取り得る値の最大値(例えば16ビットで65535)からの画素数の総和が上記許容値となるような第1輝度データを、そのような最大値とすることができる。
【0030】
本発明に係る画像処理プログラムは、上記の課題を解決するために、上述した本発明の画像処理方法による処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、上記画像処理プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明の画像処理方法を実現することができる。
【0032】
なお、本発明の画像処理プログラムは、以下のように表現することもできる。すなわち、本発明の画像処理プログラムは、画像を構成する各画素の異なる色ごとの画像データに基づいて上記画像のコントラストを補正する画像処理プログラムであって、上記各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1輝度データ生成手段と、上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2輝度データ生成手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであり、上記第2輝度データ生成手段は、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更する構成である。
【0033】
本発明に係る画像処理プログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、上述した本発明の画像処理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、上記記録媒体に記録された画像処理プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明の画像処理方法を実現することができる。
【0035】
本発明に係る写真焼付装置は、上記の課題を解決するために、上述した本発明の画像処理装置と、上記画像処理装置から出力される画像データに基づいて、感光材料を露光する露光手段とを備えていることを特徴としている。
【0036】
本発明の画像処理装置から出力される画像データには、低輝度部および高輝度部に対してのみコントラスト補正がされたデータが反映されている。したがって、このような画像データに基づいて、露光手段が感光材料を露光することにより、中間調部の階調性を損なわずして、低輝度部および高輝度部のコントラストが良好に補正された画像を感光材料上で再現することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0038】
本実施形態に係る写真焼付装置は、写真フィルムに記録されている画像を、感光材料としての印画紙上に焼き付けるものであり、図1に示すように、フィルムスキャナ1と、画像処理部2(画像処理装置)と、露光部3とを備えている。
【0039】
フィルムスキャナ1は、図2に示すように、写真フィルムに光を照射するスキャナ光源21と、上記写真フィルムを搬送するためのフィルムキャリア22と、スキャナ光源21から出射され、上記写真フィルムを透過する光を測光することによって上記写真フィルムに記録された画像を取り込むスキャナユニット23とで構成されている。
【0040】
スキャナ光源21は、光を出射するハロゲンランプ24と、熱線吸収フィルタ25と、調光フィルタ26と、ミラー27と、レンズボックス28とを、光の進行方向に沿ってこの順で備えている。また、スキャナユニット23は、スキャナレンズ(ズームレンズ)29と、ミラー30と、3板式のCCD(Charge Coupled Device) 31とを、光の進行方向に沿ってこの順で備えている。また、CCD31は、A/D(Analog to Digital )変換部32と接続されている。
【0041】
したがって、ハロゲンランプ24から出射された光は、熱線吸収フィルタ25にて熱線成分が除去されて調光フィルタ26に入射し、調光フィルタ26にて調光された後、ミラー27にて進行方向が変えられてレンズボックス28に入射する。レンズボックス28では、入射光がむらのない光に拡散され、この光がフィルムキャリア22にて支持されている写真フィルムに照射される。
【0042】
そして、写真フィルムを透過した光は、スキャナレンズ29にて、ミラー30を介してCCD31の受光面に入射できるような光に変換され後、ミラー30にて進行方向を変えられてCCD31の受光面に入射する。そして、CCD31は、各画素での受光量に応じたアナログの電気信号をRGBごとにA/D変換部32に送り、これらの信号がA/D変換部32にてデジタルの信号(画像データ)に変換される。これにより、写真フィルムに記録されている画像の各画素の画像データがRGBごとに得られることになる。これらの画像データは、画像処理部2に送られる。
【0043】
なお、フィルムスキャナ1にて得られる画像データは、写真フィルムに元々含まれる情報よりも取り得る値の範囲が狭いものとなっている。写真フィルムに含まれる情報は、例えば、0(黒)〜255(白)までの8ビットのデータ、0(黒)〜4095(白)までの12ビットのデータ、0(黒)〜65535(白)までの16ビットのデータなどを考えることができる。
【0044】
画像処理部2は、写真フィルムの1コマの画像を構成する各画素のRGBの画像データに基づいて、上記画像のコントラストや濃度を補正する処理を行うものである。つまり、画像処理部2は、フィルムスキャナ1から送られてきたRGBの画像データに基づいて、露光量の補正値をRGBごとに算出し、これらの情報を露光部3に送る。なお、画像処理部2の詳細な構成については後述する。
【0045】
画像処理部2は、写真焼付装置に組み込まれたマイクロプロセッサおよび/またはDSP(Digital Signal Processor)などによって構成されてもよいし、装置の外部に設けられたPC(Personal Computer) によって構成されてもよい。また、画像処理部2は、フィルムスキャナ1からの画像データを一時的に格納するメモリ(図示せず)を備えている。
【0046】
露光部3は、画像処理部2にて補正されたRGBのデジタル画像データに基づいて光変調素子の各画素を駆動することにより、印画紙を露光するものである。上記の光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LCS(液晶シャッタ)、LEDパネル、レーザー、FOCRT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRTが挙げられる。
【0047】
なお、露光部3は、画像処理部2にて算出されたRGBの補正値に基づく露光量でもって写真フィルムを介して感光材料を露光し、写真フィルムに記録された画像を印画紙に焼き付ける、いわゆるアナログ露光を行う構成であってもよい。この場合は、例えば調光フィルタを構成するY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の色フィルタの光路中への挿入量を変えることにより、露光量が調整される。
【0048】
次に、本発明の特徴である画像処理部2について説明する。画像処理部2は、図1に示すように、第1濃度補正部4と、輝度成分算出部5(第1輝度データ生成手段)と、入力部6(入力手段)と、コントラスト補正部7(第2輝度データ生成手段)と、ガンマ変換部8(ガンマ補正手段)と、第2濃度補正部9と、CC成分抽出部10と、YCC/RGB変換部11とを備えている。
【0049】
第1濃度補正部4は、フィルムスキャナ1から送られるRGBの画像データを、用いた写真フィルムの感度特性に応じた画像データに補正するものである。より具体的には、第1濃度補正部4は、図3に示すような入力値と出力値との関係を示す露光濃度特性曲線を用いてフィルムスキャナ1からの入力値を出力値に変換する。これにより、フィルムスキャナ1にて得られる画像データの明暗と、用いる写真フィルムに記録された画像の明暗とを合わせることができる。
【0050】
なお、第1濃度補正部4では、12ビットの入力値を16ビットの出力値に変換しているが、入力値および出力値はこのビット数に限定されるわけではない。
【0051】
輝度成分算出部5は、フィルムスキャナ1から第1濃度補正部4を介して得られるRGBの画像データに基づいて、画像の明暗を示す第1輝度データ(以下、輝度データY1 と記載する)を各画素ごとに算出し、輝度データY1 とその度数との関係を示すヒストグラム(入力情報度数分布曲線)を作成するものである。このとき、輝度データY1 は、例えば、
1 =0.299R+0.587G+0.114B
または、
1 =(R+G+B)/3
により算出される。なお、本実施形態では、上記前者の式を用いるものとする。
【0052】
また、上式によって算出された輝度データY1 は、昇順に並べたときに、写真フィルムに含まれる輝度情報(例えば0〜65535(16ビット))の一部の範囲であるα〜β(α、βはともに正の整数)となっている。そこで、輝度成分算出部5は、このαからβの輝度データY1 に対してガンマ補正を行うことにより、例えば0〜65535の輝度データY1 を得るようになっている。
【0053】
なお、写真フィルムに含まれる輝度情報は、0から255までの256階調(8ビット)や、0から4095までの4096階調(12ビット)であってもよい。いずれの場合でも、値が小さいほど濃度が濃く、値が大きいほど濃度が薄いことを示している。また、0〜65535までの輝度情報のどこを0とし、どこを65535とするのかは、例えば次に説明する入力部6からの入力により設定されてもよいし、デフォルトで自動的に設定されるようにしてもよい。
【0054】
入力部6は、コントラスト補正部7において、輝度データY1 の変更、すなわち、コントラスト補正を行う際の各種パラメータを設定入力するための操作部である。上記パラメータとしては、例えば、コントラスト補正の際に用いるコントラスト補正直線(後述する)において、低輝度部と中間調部、中間調部と高輝度部との境界(コントラスト補正を行う範囲と行わない範囲との境界)に対応する輝度データY3 (第3輝度データ)や、コントラスト補正部7にて得られる輝度データY2 がガンマ補正(後述する)の対象となるような輝度データY1 の最小値および最大値に対応する値などがある。
【0055】
コントラスト補正部7は、輝度成分算出部5にて算出された輝度データY1 の取り得る値の範囲(0〜65535)を低輝度部、中間調部、高輝度部に分けたときに、低輝度部および高輝度部に属する輝度データY1 のみを、入力部6によって設定入力されたパラメータに基づいて変更し、中間調部の輝度データY1 と合わせて輝度データY2 を生成する。
【0056】
より詳しくは、コントラスト補正部7は、上記パラメータに基づき、低輝度部では、入力値よりも出力値のほうが大きな値となるように輝度データY1 を変更する一方、高輝度部では、入力値よりも出力値のほうが小さな値となるように輝度データY1 を変更する。
これにより、低輝度部および高輝度部では、階調が圧縮されることになる。
【0057】
なお、輝度データY1 の低輝度部、中間調部、高輝度部は、例えば図6において、0〜c1 、c1 〜d1 、d1 〜65535の区間にそれぞれ対応している。
【0058】
ガンマ変換部8は、コントラスト補正部7にて生成された輝度データY2 の所定範囲に対して、用いる写真フィルムに応じた適切な明暗を感光材料上で出すためのガンマ補正を行うものである。より具体的には、ガンマ変換部8は、図4に示すような入力値と出力値との関係を示すガンマ曲線としての濃度特性曲線(ガンマ補正演算用LUT)を用い、コントラスト補正部7からの入力値(輝度データY2 )を出力値(輝度データY3 )に変換する。なお、図4は、写真フィルムがネガフィルムの場合のガンマ曲線を示している。このガンマ補正を行うことにより、写真フィルムの特性を考慮して、写真フィルムに応じた適切な明暗の画像を印画紙に焼き付けることができる。
【0059】
なお、ガンマ変換部8では、16ビットの入力値を8ビットの出力値に変換しているが、出力値はこのビット数に限定されるわけではなく、後述するYCC/RGB変換部11や露光部3にて扱うビット数であればよい。
【0060】
第2濃度補正部9は、フィルムスキャナ1から第1濃度補正部4を介して得られるRGBの画像データを、RGBの濃度が印画紙上で適切に再現されるようにそれぞれ補正するものであり、RGBの画像データに対して例えばガンマ変換部8と同様のガンマ補正を行う。
【0061】
CC成分抽出部10は、第2濃度補正部9にて補正されたRGBの画像データに基づいて輝度データYとカラー画像データC1・C2とを生成し、このうちカラー画像データC1・C2のみを抽出するものである。輝度データYとして、
Y=0.299R+0.587G+0.114B
を用いるならば、カラー画像データC1・C2は、以下の式で示される。
【0062】
C1=R−Y= 0.701R−0.587G−0.114B
C2=B−Y=−0.299R−0.587G+0.886B
YCC/RGB変換部11は、ガンマ変換部8にて得られる輝度データY3 と、CC成分抽出部10からのカラー画像信号C1・C2とに基づいて、以下の式によりRGB形式の画像データを生成する。
【0063】
R=C1+Y3
B=C2+Y3
G=(Y3 −0.299R−0.114B)/0.587
これらRGB形式の画像データは、YCC/RGB変換部11から露光部3に出力される。
【0064】
次に、上記構成の画像処理部2を備えた写真焼付装置の動作について説明する。なお、以下での説明の中で、輝度データとして用いるアルファベットの小文字は、0から65535までの正の整数とする。また、ここでは、写真フィルムとして、ネガフィルムを用いているものとする。
【0065】
フィルムスキャナ1にて読み取られたネガフィルムの任意のコマ画像の各画素ごとのRGBの画像データが画像処理部2の第1濃度補正部4に入力されると、第1濃度補正部4は、例えば図3に示した露光濃度補正曲線を用いて、RGBの入力画像データを出力画像データに変換し、輝度成分算出部5に出力する。
【0066】
輝度成分算出部5は、入力されたRGBの画像データに基づいて、輝度データY1 を上述した演算式により各画素ごとに算出する。そして、輝度成分算出部5は、輝度データY1 に対してガンマ補正を行うことにより、0〜65535の輝度データY1 を得た後、図5に示すように、算出した輝度データY1 とその度数との関係を示すヒストグラム(1)を作成する。このようなヒストグラム(1)を作成することにより、読み取った画像において、度数の多い輝度データを容易に把握することができる。
【0067】
なお、ヒストグラム(1)の形状は、読み取った画像に応じて異なるものであるが、本実施形態では、説明の理解がしやすいように、0から65535までの間のほぼ中間あたりの輝度データaのときに度数が最も多くなるような画像を考えているものとする。
【0068】
次に、コントラスト補正部7は、ヒストグラム(1)にて一番度数の多い輝度データaを、傾き1(入力値=出力値)のコントラスト補正基準直線(2)に入力し、出力値bを得る。そして、出力値bをネガフィルムのガンマ曲線(3)にて変換して得られる値が、濃度変化の激しい区間c−dの中間値eあたりにくるように、ガンマ曲線(3)を上下方向にシフトさせる。なお、c<dとする。
【0069】
ここで、上記のc、dは、入力部6により予め設定される値(輝度データY3 )である。より詳しくは、cは、低輝度部と中間調部との境界の輝度データc1 (輝度データY1 )に対応する値であり、dは、中間調部と高輝度部との境界の輝度データd1 (輝度データY1 )に対応する値である。したがって、0からcまでの輝度データY3 が低輝度部に、cからdまでの輝度データY3 が中間調部に、dから255までの輝度データY3 が高輝度部にそれぞれ対応する。
【0070】
続いて、コントラスト補正部7は、図6に示すように、コントラスト補正基準直線(2)を輝度データcに対応する点Pおよび輝度データdに対応する点Qを中心にして折り曲げ、コントラスト補正直線(4)を作成する。なお、このコントラスト補正直線(4)の作成の手法については後述する。
【0071】
このコントラスト補正直線(4)を用いて輝度データY1 を補正する場合、中間調部については、コントラスト補正直線(4)の傾きはコントラスト補正基準直線(2)と同じ『1』であるので、コントラスト補正直線(4)に入力される値がそのまま出力値として出力される。したがって、中間調部の輝度データY1 は変更されない。
【0072】
これに対して、低輝度部および高輝度部については、コントラスト補正直線(4)の傾きは図6のようにコントラスト補正基準直線(2)よりもなだらかになっているので、低輝度部についてはコントラスト補正直線(4)に入力される値よりも大きな値が出力値として出力され、高輝度部についてはコントラスト補正直線(4)に入力される値よりも小さな値が出力値として出力される。したがって、低輝度部および高輝度部については、結果的に、出力される輝度データY2 の範囲が狭められる、つまり階調圧縮されることになる。
【0073】
このようにして輝度データY1 が輝度データY2 に変更されると、ガンマ変換部8は、コントラスト補正部7から出力される輝度データY2 をガンマ曲線(3)に入力してガンマ変換し、ガンマ変換後の輝度データY3 を、YCC/RGB変換部11に送る。
【0074】
一方、上記の処理と並行して、フィルムスキャナ1にて得られるRGBの画像データは、第2濃度補正部9にも入力される。第2濃度補正部9では、RGBの画像データのそれぞれが、印画紙上でRGBの濃度が適切に出るようにガンマ補正がなされ、CC成分抽出部10に入力される。CC成分抽出部10では、補正後のRGBの画像データに基づいて、カラー画像データC1・C2が算出され、YCC/RGB変換部11に入力される。
【0075】
YCC/RGB変換部11では、ガンマ変換部8から送出される輝度データY3 と、CC成分抽出部10から送出されるカラー画像データC1・C2とに基づいてRGB形式の画像データが算出され、露光部3に送られることになる。露光部3は、上記RGBの画像データに基づいて印画紙を露光することにより、印画紙上にはコントラスト補正および濃度補正がなされた画像が焼き付けられる。
【0076】
次に、上述したコントラスト補正部7における処理の詳細について、コントラスト補正直線(4)を得る手法も含めて、図6を参照しながら図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
まず、低輝度部側については以下の通りである。すなわち、コントラスト補正部7は、ガンマ補正後の輝度データY3 の取り得る値のうち中間調部の最小値(低輝度部の最大値)cが得られるような輝度データY2 をコントラスト補正基準直線(2)からの出力値とする入力値(輝度データc1 )を算出する(S1)。そして、コントラスト補正部7は、ガンマ変換部8の出力最小値0が得られるような輝度データY2 をコントラスト補正基準直線(2)からの出力値とする入力値(輝度データf)を算出する(S2)。
【0078】
ここで、コントラスト補正基準直線(2)を用いて輝度データY1 を変更することを考えた場合、輝度データY1 が0からfの範囲内であれば、コントラスト補正基準直線(2)にて変換された後の輝度データY2 がガンマ曲線(3)への入力範囲に収まらない。このときは、ガンマ変換部8から出力最小値0として輝度データY3 が出力されることになり、このような輝度データY3 に対応する画素は黒く潰れることになる。画素が黒く潰れる輝度データY3 の数、つまり、0からfの範囲内にある輝度データY1 の数を、ここではSとする。
【0079】
次に、コントラスト補正部7は、輝度データY1 の最小値0からの度数の総和が、Sよりも小さいS’となるような輝度データgを算出する(S3)。このとき、S’は、あらかじめ入力部6により設定入力されているものとする。このS’は、ここでは黒く潰れる画素数の許容値を指しており、輝度データgに対応する値となっている。
【0080】
そして、コントラスト補正部7は、得られた輝度データc1 、f、gに基づいて、コントラスト補正直線(4)の低輝度部の直線傾斜値(Shad Gam)を以下の式により算出する(S4)。ただし、g<f<c1 である。
【0081】
Shad Gam = (c1 −f)/(c1 −g)
なお、Shad Gamが上式で示される理由は以下の通りである。図8は、低輝度部におけるコントラスト補正基準直線(2)とコントラスト補正直線(4)とを拡大して示している。コントラスト補正直線(4)の傾きは、同図のA/Bで示される。ここで、B=c1 −gであることは、同図から明らかである。一方、コントラスト補正基準直線(2)は傾き『1』の直線であるのでA=C=c1 −fである。したがって、Shad Gam=A/Bより、上述の式が得られることになる。
【0082】
一方、高輝度部側については以下の通りである。すなわち、コントラスト補正部7は、ガンマ補正後の輝度データY3 の取り得る値のうち中間調部の最大値(高輝度部の最小値)dが得られるような輝度データY2 をコントラスト補正基準直線(2)からの出力値とする入力値(輝度データd1 )を算出する(S5)。そして、コントラスト補正部7は、ガンマ変換部8の出力最大値255が得られるような輝度データY2 をコントラスト補正基準直線(2)からの出力値とする入力値(輝度データh)を算出する(S6)。
【0083】
ここで、コントラスト補正基準直線(2)を用いて輝度データY1 を変更することを考えた場合、輝度データY1 がhから65535までの範囲内であれば、コントラスト補正基準直線(2)にて変換された後の輝度データY2 がガンマ曲線(3)への入力範囲に収まらない。このときは、ガンマ変換部8から出力最大値255として輝度データY3 が出力されることになり、このような輝度データY3 に対応する画素は白く飛ぶことになる。画素が白く飛ぶ輝度データY3 の数、つまり、hから65535の範囲内にある輝度データY1 の数を、ここではHとする。
【0084】
次に、コントラスト補正部7は、輝度データY1 の最大値65535からの度数の総和が、Hよりも小さいH’となるような輝度データiを算出する(S7)。このとき、H’は、あらかじめ入力部6により設定入力されているものとする。このH’は、ここでは白く飛ぶ画素数の許容値を指しており、輝度データiに対応する値となっている。
【0085】
そして、コントラスト補正部7は、得られた輝度データd1 、h、iに基づいて、コントラスト補正直線(4)の高輝度部の直線傾斜値(High Gam)を以下の式により算出する(S8)。ただし、d1 <h<iである。
【0086】
High Gam = (h−d1 )/(i−d1
なお、High Gamが上式で示される理由は以下の通りである。図9は、高低輝度部におけるコントラスト補正基準直線(2)とコントラスト補正直線(4)とを拡大して示している。コントラスト補正直線(4)の傾きは、同図のD/Eで示される。ここで、E=i−d1 であることは、同図から明らかである。一方、コントラスト補正基準直線(2)は傾き『1』の直線であるのでD=F=h−d1 である。したがって、High Gam=D/Eより、上述の式が得られることになる。
【0087】
中間調部については、上述した通り、コントラスト補正直線(4)の傾きは、コントラスト補正基準直線(2)の傾きと同じ『1』である。したがって、低輝度部、中間調部、高輝度部の傾きがそれぞれ確定しているので、低輝度部、中間調部、高輝度部の全体にわたってコントラスト補正直線(4)を得ることができる。
【0088】
以上のように、本発明では、図6のコントラスト補正直線(4)を用いることにより、低輝度部および高輝度部の両領域に対してコントラスト補正を行う一方で、中間調部のコントラストをそのまま維持することができる。したがって、画像全体としてコントラストが補正されることがなくなるので、コントラスト補正後の画像の品質が劣化するのを確実に回避することができる。
【0089】
また、コントラスト補正部7は、低輝度部の輝度データY1 を変更前よりも値が大きくなるように変更する一方、高輝度部の輝度データY1 を変更前よりも値が小さくなるように変更するので、ガンマ補正の対象となる輝度データY2 に対応する輝度データY1 の範囲が変更前よりも広がるようになる。本実施形態では、上記輝度データY2 に対応する輝度データY1 の範囲が、変更前はf〜hであったのが、変更後はg〜iとなっており、変更前よりも広げられていることが分かる。これにより、輝度データY2 がガンマ補正の対象となるような輝度データY1 が増加するので、ガンマ補正を行って画像を再現するにあたり、輝度データY1 を有効活用することができる。その結果、元の画像に忠実な画像を再現することができる。
【0090】
また、本発明では、輝度データY2 がガンマ補正の対象から外れるような輝度データY1 の数が減少するので、黒く潰れる画素や白く飛ぶ画素の数を減少させると共に、これまで黒く潰れていた画素や白く飛んでいた画素において階調を出すことが可能となる。その結果、低輝度部および高輝度部における階調性を向上させることができる。
【0091】
また、写真フィルムに記録された画像としては、例えば、ストロボをたかずに撮影される通常のシーン、太陽光による逆光シーン、明るい背景が窓越しに見えるような室内での逆光シーン、暗い背景が窓越しに見えるような室内での逆光シーン、通常のストロボシーン、暗い背景が窓越しに見えるような室内でのストロボシーン、明るい背景が窓越しに見えるような室内でのストロボシーンなど、様々なものがある。しかし、これらのシーンで撮影された画像は、いずれも、低輝度部、中間調部および高輝度部の少なくともいずれかに輝度データY1 の度数が集中するものばかりである。
【0092】
例えば、通常のシーンでは、図6に示したように、中間調部(被写体)に度数のピークがくるようなヒストグラム(1)が得られる。太陽光による逆光シーンでは、中間調部(被写体)と高輝度部(背景)とに度数のピークが存在するようなヒストグラムが得られる。明るい背景が窓越しに見えるような室内での逆光シーンでは、低輝度部(被写体)と中間調部(室内)と高輝度部(背景)とに度数のピークが存在するようなヒストグラムが得られる。暗い背景が窓越しに見えるような室内での逆光シーンでは、低輝度部(背景)と中間調部(被写体)と高輝度部(室内)とに度数のピークが存在するようなヒストグラムが得られる。
【0093】
通常のストロボシーンでは、低輝度部(背景)と中間調部(被写体)とに度数のピークが存在するようなヒストグラムが得られる。暗い背景が窓越しに見えるような室内でのストロボシーンでは、低輝度部(背景)と中間調部(室内)と高輝度部(被写体)とに度数のピークが存在するようなヒストグラムが得られる。明るい背景が窓越しに見えるような室内でのストロボシーンでは、低輝度部(室内)と中間調部(被写体)と高輝度部(背景)とに度数のピークが存在するようなヒストグラムが得られる。
【0094】
したがって、本発明のように、低輝度部、中間調部、高輝度部ごとにコントラスト補正を管理することにより、低輝度部および高輝度部のみに対してコントラスト補正を行う(低輝度部および高輝度部を階調圧縮する)という1種類の手法で、様々なシーンの画像のコントラスト補正にも対応することができる。その結果、各シーンに共通して、例えば輝度データc・d、画素数S’・H’のような必要最低限の設定値さえ入力しておけば、各シーンごとに、しかも、オペレータの経験に基づくような設定値を入力しなくても、各シーン全てに対して、コントラスト補正部7が自動的にコントラスト補正を行うことになる。その結果、誰でも簡単に画像処理部2を扱うことができる。
【0095】
参考例
本発明の参考例について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0096】
本参考例の写真焼付装置は、図11に示すように、フィルムスキャナ1と、画像処理部2と、露光部3と、第1濃度補正部4と、輝度成分算出部5と、ガンマ変換部8と、第2濃度補正部9と、CC成分抽出部10と、YCC/RGB変換部11とを備えている。すなわち、実施の形態1の写真焼付装置に比べて、本参考例の写真焼付装置は、入力部6と、コントラスト補正部7とを含んでいない点において構成が異なる。
【0097】
また、本参考例では、輝度成分算出部5が、輝度データYを、
1 =(R+G+B)/3
に基づいて算出する。特に、本参考例の写真焼付装置では、輝度成分算出部5により算出された輝度データYを用いて、ガンマ補正を行うことが特徴となっており、これにより、ガンマ補正前後において階調性を維持することができるという効果を奏する。以下に、本参考例の写真焼付装置により得られる効果について説明する。
【0098】
なお、説明の便宜上、ガンマ曲線として、図12に示すような関数を設定する。図12に示す関数においては、αからβまでの入力値に対するガンマ曲線を、単調増加な一次関数として近似しただけである。また、ガンマ曲線への入力値として、2点[R,G,B]および[R,G,B]を考える(ただし、α<R,G,B,R,G<βであり、β<B2<xmax)。
【0099】
先ず、輝度成分算出部5により算出された輝度データYを用いないでガンマ補正を行った場合、つまり、RGB値をそのまま用いてガンマ補正を行った場合において、階調差がガンマ補正前後においてどのように表現されるかについて説明する。
【0100】
点[R,G,B]は、ガンマ補正が施されることにより、点[ymax・(R−α)/(β−α),ymax・(G−α)/(β−α),ymax・(B−α)/(β−α)]に補正される。一方、点[R,G,B]は、ガンマ補正が施されることにより、点[ymax・(R−α)/(β−α),ymax・(G−α)/(β−α),ymax]に補正される。
【0101】
したがって、ガンマ補正後の2つの点における階調差ΔY’は、
ΔY’=1/3{ymax・(R2-α)/(β-α)+ymax・(G2-α)/(β-α)+ymax−ymax・(R-α)/(β−α)−ymax・(G-α)/(β−α)−ymax・(B-α)/(β−α)}
=ymax{R2-α+G2-α+β-α−(R-α)−(G-α)−(B-α)}/(3β-3α)
=ymax{R2+G2+β−R−G−B}/(3β-3α)
として表されることになる。
【0102】
次に、輝度成分算出部5により算出された輝度データを用いてガンマ補正を行った場合において、階調差がガンマ補正前後においてどのように表現されるかについて説明する。
【0103】
先ず、輝度成分算出部5は、点[R,G,B]についての輝度データY”、および点[R,G,B]についての輝度データY”を、
”=(R+G+B)/3
”=(R+G+B)/3
として求める。
【0104】
これらの輝度データY”・Y”について、ガンマ補正を施した輝度データをそれぞれYg”・Yg”とすると、
Yg”=ymax・(R+G+B−3α)/(3β−3α)
Yg”=ymax・(R+G+B−3α)/(3β−3α)
となる。なお、(R+G+B)/3<βを満たすものとする。
【0105】
したがって、ガンマ補正後の2点間の階調差ΔY”は、
ΔY”=Yg”−Yg
=ymax・{R2+G2+B−R−G−B}/(3β-3α)
として表される。
【0106】
上記のようにして得られたΔY’、ΔY”を比較すると、ΔY”がΔY’よりもymax・(B−β)/(3β-3α)大きいことがわかる。これは、ガンマ曲線が、β以上の任意の入力値について、出力値をymaxとして一定の値しか出力しないことに起因している。
【0107】
しかしながら、輝度成分算出部5により輝度データを算出することにより、ガンマ補正前の輝度データを、ガンマ曲線における入力値の増加に応じて出力値が増加する部分に入力されるように設定することができる。すなわち、ガンマ補正前の輝度データの入力値が増加するにつれ、ガンマ補正後の輝度データの出力値が増加するように、ガンマ補正前の輝度データを設定することができる。
【0108】
したがって、輝度成分算出部5により算出された輝度データを用いてガンマ補正を行った場合のほうが、RGB値をそのまま用いてガンマ補正を行った場合よりも、ガンマ補正後の階調性を豊かに表現できるといえる。
【0109】
なお、以下に16ビットのデータを用いてガンマ補正前後の階調差を検討した結果について説明する。ただし、入力値、出力値は16ビットのデータであり、ガンマ曲線としては、図13に示すようなガンマ曲線を用いている。
【0110】
先ず、ガンマ曲線への入力値として点[R,G,B]=[20000,20000,20000]と、点[R,G,B]=[20000,20000,50000]との2点を考える。
【0111】
これら2点のRGB値に対してガンマ補正を行った場合、それぞれ[20000,20000,20000]と、[20000,20000,65535]とに変換される。
【0112】
したがって、ガンマ補正後の2つの点における階調差ΔY’は、
ΔY’=(20000+20000+65535)/3−(20000+20000+20000)/3
=35178−20000
=15178
として求められる。
【0113】
一方、輝度成分算出部5により算出された輝度データを用いてガンマ補正を行った場合について説明する。
【0114】
点[20000,20000,20000]についての輝度データY”、および点[20000,20000,50000]についての輝度データY”は、
”=(20000+20000+20000)/3=20000
”=(20000+20000+50000)/3=30000
として求める。
【0115】
これらの輝度データY”・Y”について、ガンマ補正を施した輝度データをそれぞれYg”・Yg”とすると、
Yg”=20000 Yg”=60000
となる。
【0116】
したがって、ガンマ補正後の2点間の階調差ΔY”は、
ΔY”=Yg”−Yg”=40000となる。
【0117】
上記のようにして得られたΔY’、ΔY”を比較し、ΔY”がΔY’よりも24822大きいことを確認した。このように、輝度成分算出部5により算出された輝度データを用いてガンマ補正を行った場合のほうが、RGB値をそのまま用いてガンマ補正を行った場合よりも、ガンマ補正後の階調性を豊かに表現できることを確認した。
【0118】
ところで、以上の実施の形態および参考例で説明した処理は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、画像処理部2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0119】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0120】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0121】
また、本発明においては、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0122】
なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0123】
なお、〔実施の形態1〕では、写真フィルムに記録された画像のRGB画像データに基づいてコントラスト補正を行う場合について説明したが、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオ等によって撮影された画像やコンピュータ画像のRGB画像データに基づいてコントラスト補正を行う場合でも、本発明を適用することができる。この場合、ガンマ変換部8によるガンマ補正は不要である。さらには、液晶プロジェクタのようにRGBの光をスクリーンに投影して画像を表示する場合でも、本発明のコントラスト補正方法を適用することができる。
【0124】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態および参考例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0125】
【発明の効果】
本発明に係る画像処理装置は、以上のように、各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1輝度データ生成手段と、上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2輝度データ生成手段とを備え、上記第2輝度データ生成手段は、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更する構成である。
【0126】
また、本発明に係る画像処理方法は、以上のように、各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1の工程と、上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2の工程とを有し、上記第2の工程では、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更する構成である。
【0127】
それゆえ、第2輝度データ生成手段は、低輝度部および高輝度部の第1輝度データのみを変更しているので、第2輝度データにおいては、第2中間調部の第1輝度データはそのまま維持され、中間調部の階調性がそのまま維持されることになる。これにより、元の画像において、中間調部の階調性が弱い(階調の変化があまりない)場合でも、中間調部の階調性がそのまま維持されることになり、コントラスト補正による画像全体の画質劣化を回避することができる。
【0128】
また、第2輝度データ生成手段により、低輝度部の第1輝度データは変更前よりも値が大きくなるように、高輝度部の第1輝度データは変更前よりも値が小さくなるように変更される。これにより、低輝度部および高輝度部では、階調が圧縮されることになり、低輝度部および高輝度部における階調性を向上させることができる。
【0129】
また、本発明のように、低輝度部、中間調部、高輝度部ごとにコントラスト補正を管理することにより、低輝度部および高輝度部のみに対してコントラスト補正を行うという1種類の手法で、様々なシーンの画像のコントラスト補正にも対応することができる。その結果、各シーンごとに、オペレータの経験に基づく設定値を入力してコントラスト補正を行う必要がなく、コントラスト補正を行う本発明の画像処理装置を誰でも簡単に扱うことができるという効果を併せて奏する。
【0130】
本発明に係る画像処理装置は、以上のように、上記第2輝度データの所定範囲に対してガンマ補正を行うガンマ補正手段と、上記第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値および最大値に対応する値をそれぞれ指定入力するための入力手段とをさらに備え、上記第2輝度データ生成手段は、上記最小値から上記最大値までの第1輝度データに対応する第2輝度データがガンマ補正の対象となるように、低輝度部および高輝度部の第1輝度データを変更する構成である。
【0131】
それゆえ、上記最小値から上記最大値までの第1輝度データに対応する第2輝度データをガンマ補正することが可能となる。したがって、入力手段による指定入力さえ適切に行えば、どのようなシーンで撮影された画像についても、ガンマ補正による画質の良好な画像を得ることができるという効果を奏する。
【0132】
本発明に係る画像処理装置は、以上のように、上記入力手段によって指定入力される値は、黒く潰れる画素数の許容値および白く飛ぶ画素数の許容値である構成である。
【0133】
それゆえ、入力手段によって入力される、黒く潰れる画素数の許容値および白く飛ぶ画素数の許容値をもとにして、第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値および最大値を容易に特定することができるという効果を奏する。
【0134】
本発明に係る画像処理プログラムは、以上のように、上述した本発明の画像処理方法による処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである構成である。
【0135】
それゆえ、上記画像処理プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明の画像処理方法を実現することができるという効果を奏する。
【0136】
本発明に係る画像処理プログラムを記録した記録媒体は、以上のように、上述した本発明の画像処理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなる構成である。
【0137】
それゆえ、上記記録媒体に記録された画像処理プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明の画像処理方法を実現することができるという効果を奏する。
【0138】
本発明に係る写真焼付装置は、以上のように、上述した本発明の画像処理装置と、上記画像処理装置から出力される画像データに基づいて、感光材料を露光する露光手段とを備えている構成である。
【0139】
それゆえ、本発明の画像処理装置から出力される画像データには、低輝度部および高輝度部に対してのみコントラスト補正がされたデータが反映されているので、このような画像データに基づいて、露光手段が感光材料を露光することにより、中間調部の階調性を損なわずして、低輝度部および高輝度部のコントラストが良好に補正された画像を感光材料上で再現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る写真焼付装置およびそれを構成する画像処理部の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】 上記写真焼付装置を構成するフィルムスキャナの概略の構成を示す説明図である。
【図3】 露光濃度特性曲線を示すグラフである。
【図4】 濃度特性曲線を示すグラフである。
【図5】 輝度データと度数との関係を示すヒストグラムと、コントラスト補正基準直線と、ガンマ曲線とを示すグラフである。
【図6】 上記ヒストグラムと、本発明におけるコントラスト補正処理に用いるコントラスト補正直線と、ガンマ曲線とを示すグラフである。
【図7】 上記コントラスト補正直線を得る動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】 上記コントラスト補正直線の低輝度部における傾きが求まる原理を説明するための説明図である。
【図9】 上記コントラスト補正直線の高輝度部における傾きが求まる原理を説明するための説明図である。
【図10】 従来のコントラスト補正方法を説明するための説明図である。
【図11】 本発明の参考例に係る写真焼付装置およびそれを構成する画像処理部の概略の構成を示すブロック図である。
【図12】 ガンマ曲線を近似した単調増加な一次関数を示すグラフである。
【図13】 ガンマ曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
2 画像処理部(画像処理装置)
3 露光部(露光手段)
5 輝度成分算出部(第1輝度データ生成手段)
6 入力部(入力手段)
7 コントラスト補正部(第2輝度データ生成手段)
8 ガンマ変換部(ガンマ補正手段)

Claims (7)

  1. 画像を構成する各画素の異なる色ごとの画像データに基づいて上記画像のコントラストを補正する画像処理装置であって、
    上記各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1輝度データ生成手段と、
    上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2輝度データ生成手段とを備え、
    上記第2輝度データ生成手段は、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更することを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記第2輝度データの所定範囲に対してガンマ補正を行うガンマ補正手段と、
    上記第2輝度データがガンマ補正の対象となるような第1輝度データの最小値および最大値に対応する値をそれぞれ指定入力するための入力手段とをさらに備え、
    上記第2輝度データ生成手段は、上記最小値から上記最大値までの第1輝度データに対応する第2輝度データがガンマ補正の対象となるように、低輝度部および高輝度部の第1輝度データを変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記入力手段によって指定入力される値は、黒く潰れる画素数の許容値および白く飛ぶ画素数の許容値であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 画像を構成する各画素の異なる色ごとの画像データに基づいて上記画像のコントラストを補正する画像処理方法であって、
    上記各色ごとの画像データに基づいて第1輝度データを各画素ごとに生成し、該第1輝度データとその度数との関係を示すヒストグラムを作成する第1の工程と、
    上記ヒストグラムにおいて最も度数が多い輝度データを、縦軸を入力値、横軸を出力値とする関数で表されるガンマ曲線に入力したときの出力値が、該ガンマ曲線において予め定められた第1中間調部の中間値あたりにくるように上記ガンマ曲線を縦軸方向に平行移動させたときに、上記第1中間調部の上限値及び下限値が出力されるときの入力値を、それぞれ上限値及び下限値とする第2中間調部を上記ヒストグラムに設定し、上記ヒストグラムにおいて、上記第2中間調部の上限値よりも輝度データが大きい領域を高輝度部、上記第2中間調部の下限値よりも輝度データが小さい領域を低輝度部として設定したときに、低輝度部および高輝度部に属する第1輝度データのみを変更し、第2中間調部の第1輝度データと合わせて第2輝度データを生成する第2の工程とを有し、
    上記第2の工程では、低輝度部の第1輝度データを変更前よりも大きな値となるように変更する一方、高輝度部の第1輝度データを変更前よりも小さな値となるように変更することを特徴とする画像処理方法。
  5. 請求項4に記載の画像処理方法による処理をコンピュータに実行させるためのプログラ ムであることを特徴とする画像処理プログラム。
  6. 請求項5に記載の画像処理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録して記録してなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。
  7. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置と、
    上記画像処理装置から出力される画像データに基づいて、感光材料を露光する露光手段とを備えていることを特徴とする写真焼付装置。
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