JPH1013680A - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法および画像処理装置

Info

Publication number
JPH1013680A
JPH1013680A JP8157200A JP15720096A JPH1013680A JP H1013680 A JPH1013680 A JP H1013680A JP 8157200 A JP8157200 A JP 8157200A JP 15720096 A JP15720096 A JP 15720096A JP H1013680 A JPH1013680 A JP H1013680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
image information
processing
dark
image processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8157200A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamaguchi
口 博 司 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8157200A priority Critical patent/JPH1013680A/ja
Priority to DE69737984T priority patent/DE69737984T2/de
Priority to EP97109327A priority patent/EP0813336B1/en
Priority to US08/873,032 priority patent/US6674544B2/en
Publication of JPH1013680A publication Critical patent/JPH1013680A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Color, Gradation (AREA)
  • Projection-Type Copiers In General (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光電的に読み取られた画像情報を画像処理する
に際し、オーバー/アンダー露光、逆光やストロボ撮影
等、フィルムに撮影された画像の状態に応じた適切な画
像情報処理を行って、原稿となるフィルム画像の状態に
よらず、高画質な画像が再生された適正な仕上りプリン
トを安定して得ることができる画像処理方法、およびこ
れを実施する画像処理装置を提供する。 【解決手段】画像情報から画像状態を判別し、画像情報
および判別した画像状態に応じて、画像の中間濃度部分
は変化させず、画像の低濃度部分および/または高濃度
部分をそれぞれ独立に非線形に圧縮もしくは伸張するた
めの処理条件を設定し、この処理条件に応じた画像処理
を施して出力画像情報を生成することにより、前記課題
を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真焼付装置や画
像記録装置等に利用される、画像読取装置によって光電
的に読み取られた画像情報を画像処理して、画像記録装
置による画像記録のための画像情報とする画像処理の技
術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】現在、ネガフィルム、リバーサルフィル
ム等の写真フィルム(以下、フィルムとする)に撮影さ
れた画像の印画紙等の感光材料への焼き付けは、フィル
ムの画像を感光材料に投影して感光材料を面露光する、
いわゆる直接露光によって行われている。これに対し、
近年では、デジタル露光を利用する焼付装置、すなわ
ち、フィルムに記録された画像情報を光電的に読み取っ
て、種々の画像処理を施して記録用のデジタル画像情報
とし、この画像情報に応じて変調した記録光によって感
光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、現像処理
してプリントとするデジタルフォトプリンタの開発が進
んでいる。
【0003】デジタルフォトプリンタでは、フィルムを
光電的に読み取り、信号処理によって色濃度補正が行わ
れて露光条件が決定されるため、1画像当たりの露光に
かかる時間は短時間であり、また、露光時間も画像サイ
ズに応じて一定であるため、従来の面露光に比して迅速
な焼き付を行うことができる。しかも、画像合成や画像
分割等の編集や、色/濃度調整等の画像処理も自由に行
うことができ、用途に応じて自由に編集、画像処理を施
した仕上りプリントを出力できる。また、仕上りプリン
ト画像を画像情報としてフロッピーディスク等の記録媒
体に保存できるので、焼増し等の際に、原稿となるフィ
ルムを用意する必要がなく、かつ再度露光条件を決定す
る必要がないので迅速かつ簡易に作業を行うことができ
る。さらに、従来の直接露光によるプリントでは、分解
能、色/濃度再現性等の点で、フィルム等に記録されて
いる画像をすべて再生することはできないが、デジタル
フォトプリンタによればフィルムに記録されている画像
(濃度情報)をほぼ100%再生したプリントが出力可
能である。
【0004】このようなデジタルフォトプリンタは、基
本的に、フィルムに記録された画像を光電的に読み取る
画像読取装置、読み取った画像を画像処理して画像記録
の露光条件を決定する画像処理(セットアップ)装置、
および決定された露光条件に従って感光材料を走査露光
して現像処理を施す画像記録装置より構成される。ま
た、本出願人は、このようなデジタルフォトプリンタを
実現するための画像読取装置や方法を各種発明し、特開
平6−217091号、同6−233052号、同6−
245062号の各公報でこれを提案し、また、同公報
でデジタルフォトプリンタの装置概要を開示している。
【0005】デジタルフォトプリンタに用いられる画像
読取装置では、光源から射出された読取光をフィルムに
入射して、フィルムに撮影された画像を担持する投影光
を得て、この投影光を結像レンズによってCCDセンサ
等のイメージセンサに結像して光電変換することにより
画像を読み取り、必要に応じて各種の画像処理を施した
後に、フィルムの画像情報(画像データ信号)として画
像処理装置に送る。画像処理装置は、供給された画像情
報に応じた画像処理条件を設定して、出力するディスプ
レイに画像を表示して、必要に応じてオペレータによる
検定および画像処理条件の調整が行われた後、設定され
た画像処理を画像情報に施し、画像記録のための出力画
像情報(露光条件)として画像記録装置に送る。画像記
録装置では、例えば、光ビーム走査露光を利用する装置
であれば、画像処理装置から送られた画像情報に応じて
光ビームを変調して、この光ビームを主走査方向に偏向
すると共に、主走査方向と直交する副走査方向に感光材
料(印画紙)を搬送することにより、画像を担持する光
ビームによって感光材料を露光(焼付け)して潜像を形
成し、次いで、感光材料に応じた現像処理等を施して、
フィルムに撮影された画像が再生された仕上りプリント
(写真)とする。
【0006】ところで、フィルムに撮影された画像の撮
影条件は一定ではなく、ストロボ撮影や逆光シーン等、
明暗(濃度)の差が大きい場合すなわち画像のダイナミ
ックレンジが非常に広い場合も多々ある。このようなフ
ィルム画像を通常の方法で露光して仕上りプリントを作
成すると、明部(ハイライト)もしくは暗部(シャド
ー)のいずれかの画像がつぶれてしまう場合がある。例
えば、人物を逆光で撮影した場合、人物が好適な画像と
なるように露光を行うと、空のような明るい部分は白く
飛んでしまい、逆に、空が好適な画像となるように露光
を行うと、人物が黒くつぶれてしまう。そのため、従来
の面露光による焼付装置では、明暗の大きなフィルム画
像を原画として感光材料の露光を行う場合には、いわゆ
る覆い焼きが行われている。
【0007】覆い焼きとは、中間濃度の部分には通常の
露光を行い、画像がとびそうな明部は露光量を増加し、
また、画像がつぶれそうな暗部の露光量を低減すること
により、フィルムに撮影された画像の大きな明暗を補正
し、画面全体に渡って適正な画像が再生された仕上りプ
リントを得る技術である。従来の直接露光による装置で
は、露光光路中に遮光板やNDフィルタ等を挿入して露
光を行う方法、露光光源の光量を部分的に変更する方
法、フィルムに撮影された画像の明暗を反転したモノク
ロフィルムを作成して、これを重ねて露光を行う方法等
により、フィルムに撮影された画像に応じて露光量を部
分的に変更して覆い焼きが行われている。
【0008】これに対して、デジタルフォトプリンタで
覆い焼きを行う場合には、光ビームの光路中に覆い焼き
のためのフィルタ等を挿入して露光を行うのは極めて困
難であるので、画像情報処理によって、画像の飛びそう
な部分の露光量を向上し、また、画像がつぶれそうな部
分の露光量を低減することにより、覆い焼きと同等の効
果を得ることが考えられる。また、デジタルフォトプリ
ンタによれば、覆い焼きのみならず、画像情報処理によ
って仕上りプリントの画質を比較的広い範囲で調整する
ことが可能である。そのため、このような覆い焼き効果
のみならず、フィルムに撮影された画像のの状態に関わ
らず、高画質な画像が再生された仕上りプリントを安定
して作成できるデジタルフォトプリンタを実現可能とす
る画像処理方法や装置の実現が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光電
的に読み取られた画像情報を画像処理して、画像記録の
ための画像情報とする、前述のデジタルフォトプリンタ
等に利用される画像処理方法および装置であって、オー
バー/アンダー、逆光やストロボ撮影等、フィルムに撮
影された画像の状態を判別し、それに応じて、覆い焼き
等の適切な画像情報処理を行って、原稿となるフィルム
画像の状態によらず、高画質な画像が再生された適正な
仕上りプリントを安定して得ることができる画像処理方
法、およびこれを実施する画像処理装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の画像処理方法は、画像読取装置によって光
電的に読み取られた画像情報を画像処理して、画像記録
を行うための出力画像情報とする画像処理方法であっ
て、画像情報から画像状態を判別し、前記画像情報およ
び判別した画像状態に応じて、画像の中間濃度部分は変
化させず、画像の低濃度部分および/または高濃度部分
をそれぞれ独立に非線形に圧縮もしくは伸張するための
処理条件を設定し、この処理条件に応じた画像処理を施
して出力画像情報を生成することを特徴とする画像処理
方法を提供する。
【0011】また、本発明の画像処理装置は、前記本発
明の画像処理方法を実施するものであって、画像読取装
置によって光電的に読み取られた画像情報に画像処理を
施し、画像記録を行うための出力画像情報とする画像処
理装置であって、画像情報から画像状態を判別する判別
手段と、画像情報および判別結果から、画像の中間濃度
部分は変化させず、画像の暗部および/または明部をそ
れぞれ独立に非線形に圧縮もしくは伸張する処理条件を
設定する設定手段と、前記設定手段で設定された処理条
件に応じた処理を施して出力画像情報を得る処理手段と
を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0012】また、前記本発明の画像処理装置におい
て、前記画像情報のダイナミックレンジに応じて、前記
出力画像情報が所定の画像再生領域内になるように前記
処理条件が設定されるのが好ましい。
【0013】また、前記本発明の画像処理装置におい
て、画像状態の判別の結果、画像情報は明部の頻度が高
いと判別した場合には、暗部を強く圧縮するように前記
処理条件を設定し、逆に画像情報は暗部の頻度が高いと
判断した場合には、明部を強く圧縮するように前記処理
条件を設定するのが好ましい。
【0014】さらに、前記本発明の画像処理装置におい
て、画像情報源がネガフィルムであって、前記画像状態
の判別の結果、前記原稿となるネガフィルムがアンダー
ネガもしくはオーバーネガであった場合には、画像の明
部および/または暗部をそれぞれ独立に非線形に伸張す
るように前記処理条件を設定するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像処理方法およ
び画像処理装置について、添付の図面に示される好適実
施例を基に詳細に説明する。
【0016】図1に、本発明の画像処理方法を実施する
本発明の画像処理装置の概略図を示す。図1に示される
画像処理装置(以下、処理装置とする)10は、画像読
取装置(以下、読取装置とする)22によって読み取ら
れた画像情報を処理して、図2に示される画像記録装置
(以下、記録装置とする)24による画像記録に応じた
出力画像情報として、記録装置24に出力するものであ
り、読取装置22、処理装置10および記録装置24に
よって、前述のデジタルフォトプリンタが構成される。
【0017】本発明の処理装置10に画像情報を供給す
る読取装置22は、フィルムAに撮影された画像を光電
的に読み取る装置であって、光源26と、可変絞り28
と、フィルムAに撮影された画像をR(赤)、G(緑)
およびB(青)の三原色に分解するためのR、Gおよび
Bの3枚の色フィルタを有し、回転して任意の色フィル
タを光路に作用できる色フィルタ板30と、フィルムA
に入射する読取光をフィルムAの面方向で均一にするた
めの拡散ボックス32と、結像レンズ34と、フィルム
に撮影された画像を1枚(1コマ)読み取るエリアセン
サであるCCDセンサ36と、アンプ38と、A/D変
換器40と、信号をlog変換して濃度信号とするLU
T(ルックアップテーブル)42とを有して構成され
る。
【0018】このような読取装置22においては、光源
26から射出され、絞り28によって光量調整され、色
フィルタ板30を通過して色調整され、拡散ボックス3
2で拡散された読取光がフィルムAに入射して、透過す
ることにより、フィルムAに撮影された画像を担持する
投影光を得る。この投影光は、結像レンズ34によって
CCDセンサ36の受光面に結像され、CCDセンサ3
6によって光電的に読み取られる。CCDセンサ36か
らの出力信号は、アンプ38で増幅され、A/D変換器
40によってデジタル信号化され、LUT42で濃度信
号とされ、フィルムAに撮影された画像の画像情報とし
て本発明の処理装置10に送られる。読取装置22で
は、このような画像読取を、色フィルタ板28のR、G
およびBの色フィルタを順次挿入して3回行うことによ
り、フィルムAに撮影された画像をR、GおよびBの3
原色に分解して読み取る。
【0019】ここで、図示例のデジタルフォトプリンタ
においては、出力のための画像情報を得るための画像読
取(本スキャン)に先立ち、低解像度で画像を粗に読み
取るプレスキャンを行う。処理装置10は、プレスキャ
ンで得られた画像情報から各種の画像処理条件を設定
(セットアップ)し、この画像処理条件に応じて本スキ
ャンの画像情報を画像処理して、記録装置24による画
像記録ための出力画像情報とする。プレスキャンと本ス
キャンにおける画像読取方法は、基本的に同様である。
ただし、プレスキャンの際には、CCDで読み取られた
画像は、処理装置10のプレスキャンメモリ12(およ
び本スキャンメモリ14)に接続されるダイミングコン
トローラ11による制御で画素が間引され、解像度の低
い粗な画像情報とされて処理装置10において画像処理
される。
【0020】このような読取装置22から画像を供給
(入力)される本発明の処理装置10は、プレスキャン
メモリ12と、本スキャンメモリ14と、表示画像処理
部16と、本スキャン画像処理部18と、モニタ20
と、画像処理条件設定部21(以下、条件設定部21と
する)とを有して構成される。また、プレスキャンメモ
リ12および本スキャンメモリ14には、画像情報の画
素毎の読み出しを制御するダイミングコントローラ11
が接続される。
【0021】読取装置22によるプレスキャンの画像情
報はプレスキャンメモリ12に、本スキャンの画像情報
は本スキャンメモリ14にそれぞれ送られ、記憶され
る。プレスキャンメモリ12および本スキャンメモリ1
4は、基本的に同様の構成を有するものであり、共に、
読取装置22から供給されたR画像情報、G画像情報お
よびB画像情報を、それぞれ記憶する3つのフレームメ
モリを有して構成される。なお、必要に応じて、プレス
キャンメモリ12と本スキャンメモリ14の記録容量を
異なるものとしてもよい。
【0022】プレスキャンメモリ12に記憶された画像
情報は表示画像処理部16および条件設定部21に、本
スキャンメモリ14に記憶された画像情報は本スキャン
画像処理部18に、それぞれ読み出される。
【0023】条件設定部21は、セットアップ(処理条
件設定)部44と、キー補正部46と、パラメータ統合
部48とを有する。セットアップ部44は、基礎となる
画像処理条件を設定する部分で、CPU等を有して構成
され、プレスキャンメモリ12に記憶された画像情報か
ら、濃度ヒストグラムの作成、最高濃度および最低濃度
の算出等を行って、マトリクス演算、画像処理アルゴリ
ズム、画像処理テーブル等を用いた公知の方法で、色/
濃度処理条件等の画像処理条件の設定、より具体的に
は、各種の変換テーブル、補正テーブル、処理テーブル
等を作成し、あるいは調整する。これらのテーブルにつ
いては、後に個々の処理部(LUT)の欄で詳細に説明
する。
【0024】キー補正部46は、図3に示される調整キ
ー50によるオペレータのキー入力に応じて、画像処理
条件の補正量を演算する。図示例の調整キー50では、
一例として、全体濃度(D)、シアン(C)濃度、マゼ
ンタ濃度(M)、イエロー(Y)濃度、階調(γ)、明
部(ハイライト側α light)、および暗部(シャドー側
α dark)を、それぞれ調整することができる。オペレ
ータは、後述するモニタ20に表示された画像を見なが
ら検定を行い、必要に応じて各パラメータの(+)キー
および(−)キーの押圧して、所望の状態に画像を調整
し、すなわち画像処理条件の調整を行う。それぞれの補
正量は、キーの押圧回数に応じて調整される。なお、オ
ペレータによる調整は、このようなキー操作以外にも、
モニタ20に調整キー50に対応する表示を行い、マウ
スやキーボード操作で調整を行う方法であってもよい。
【0025】パラメータ統合部48は、セットアップ部
44によって設定された画像処理条件と、キー補正部4
6による補正量とを統合して、最終的に設定された画像
処理条件とする。従って、調整キー50による入力が無
い場合には、ここで最終的に設定される画像処理条件
は、セットアップ部44によって設定された画像処理条
件となる。また、パラメータ統合部48は、画像処理条
件を統合・設定すると、表示画像処理部16および本ス
キャン画像処理部18の所定部位(LUT)に送って設
定し、各画像情報は、この画像処理条件に応じた処理を
施される。従って、調整キー50からの入力があり、先
にパラメータ統合部48で設定された画像処理条件が変
更されると、これに応じてモニタ20の画像も変化す
る。
【0026】表示画像処理部16は、プレスキャンメモ
リ12に記憶されたプレスキャン画像情報を読み出し、
条件設定部21で設定された画像処理条件に応じた各種
の画像処理を施し、モニタ20表示用の画像情報とする
部位で、第2LUT52、第1マトリクス演算器(MT
X)54、第2MTX56、ローパスフィルタ(LP
F)58、第3LUT60、第4LUT62、信号変換
器64および加算器66を有して構成される。一方、本
スキャン画像処理部18は、本スキャンメモリ14に記
憶された本スキャン画像情報を読み出し、条件設定部2
1で設定された画像処理条件に応じて所定の画像処理を
施し、記録装置24による画像記録のための出力画像情
報とする部位で、第2LUT70、第1MTX72、第
2MTX74、LPF76、第3LUT78、第4LU
T80を有して構成される。
【0027】上記説明から明らかなように、両画像処理
部はほぼ同様の構成を有し、また、両画像処理部におい
て行われる画像処理は、画素数(解像度)が異なる以外
は、画像処理条件および処理方法等、基本的に同じよう
に行われる。すなわち、図示例の処理装置10において
は、モニタ20に出力画像情報(記録装置24で記録さ
れる画像)と同様の画像が表示されるので、オペレータ
は、記録装置24が記録する画像と同様の画像を見て、
確認を行いながら各種の操作を行うことができ、不適性
プリントの生成を大幅に防止することができる。以下、
本スキャン画像処理部18を代表例として両画像処理部
を説明する。
【0028】第2LUT70(第2LUT52)は、本
スキャンメモリ14(プレスキャンメモリ12)に記憶
された画像情報を読み出し、グレイバランスの調整、明
るさ補正および階調補正を行うもので、それぞれの補正
や調整を行うためのテーブルがカスケード接続されて構
成されている。第2LUT52の各補正(調整)テーブ
ルは、前述の条件設定部21のパラメータ統合部48で
設定され、あるいは調整される。
【0029】図4に第2LUT70に設定されるテーブ
ルの一例を示す。図4(a)はグレイバランスの調整テ
ーブルで、セットアップ部44は、算出された最高濃度
および最低濃度から、公知の方法でグレイバランスを取
ってこの調整テーブルを作成する。また、前述の調整キ
ー50からの入力があった場合には、補正キー補正部4
6で補正量が算出され、パラメータ統合部48でこの補
正量とセットアップ部44が作成した調整テーブルとが
統合され、調整テーブルのR、GおよびBの各テーブル
の傾きが変化する。図4(b)は明るさ補正の補正テー
ブルで、セットアップ部44は、作成した濃度ヒストグ
ラムや最高濃度および最低濃度から、公知のセットアッ
プアルゴリズムを用いて、この補正テーブルを作成す
る。また、この補正テーブルは、グレイバランスの調整
テーブルと同様に、前述の調整キー50の濃度(D)キ
ーの入力によって図4(b)に示されるように調整され
る。図4(c)は階調の補正テーブルで、セットアップ
部44は、作成した濃度ヒストグラムや最高濃度および
最低濃度から、公知のセットアップアルゴリズムを用い
て、この補正テーブルを作成する。また、この補正テー
ブルは、グレイバランスの調整テーブルと同様に、前述
の調整キー50の階調(γ)キーの入力によって図4
(c)に示されるように調整される。
【0030】第1MTX72(第1MTX54)は、第
2LUT70で処理された画像情報の色補正を行うもの
で、得られる出力画像(情報)が適切な色に仕上がるよ
うに、フィルムAの分光特性や感光材料(印画紙)Zの
分光特性、現像処理の特性等に応じて設定されたマトリ
クス演算を行い、色補正を行う。
【0031】第1MTX72で処理された画像情報は、
加算器82と、覆い焼きや(中間階調を保持したダイナ
ミックレンジの圧縮)や、原稿となるフィルム画像のア
ンダー/オーバー露光の補正(中間階調を保持したダイ
ナミックレンジの伸張)等の画像処理を行うための画像
情報を生成するための第2MTX74(第2MTX5
6)とに送られる。なお、覆い焼き等の処理を施さない
場合は、第1MTX72と後述する第4LUT80(第
1MTX54と第4LUT62)とがバイパスして接続
され、処理用の画像情報の生成は行われない。また、こ
れらの処理の有無は、オペレータの入力によるモード選
択、条件設定部21での演算結果から判断する方法等で
設定すればよい。
【0032】第2MTX74(第2MTX56)は、第
1MTX72から送られるR、GおよびBの画像情報か
ら、読み取った画像の明暗画像情報を生成する。明暗画
像情報の生成方法としては、R、GおよびBの画像情報
の平均値の3分の1を取る方法、YIQ規定を用いてカ
ラー画像情報を明暗画像情報に変換する方法等が例示さ
れる。YIQ規定を用いて明暗画像情報を得る方法とし
ては、例えば、下記式により、YIQ規定のY成分のみ
を、R、GおよびBの画像情報から算出する方法が例示
される。 Y=0.3R+0.59G+0.11B
【0033】LPF76(LPF58)は、第2MTX
74で生成された明暗画像情報をローパスフィルタで処
理して、低周波数成分を取り出すことにより、明暗画像
を2次元的にボカして、読み取った画像のボケ画像情報
を得るものである。なお、第2MTX74と第3LUT
78との間にはバイパスが形成されており、原稿となる
フィルムの画像がオーバー露光およびアンダー露光の場
合には、基本的にこのLPF76による処理を行わず、
前記第2MTX74で生成された明暗画像情報を次ぎの
第3LUT78に送る。このLPF76に用いるLPF
としては、ボケ画像生成に通常用いられるFIR(Finit
e Impulse Respones) 型のローパスフィルタを用いても
よいが、小型の回路で大きく画像をボカしたボケ画像情
報を生成できる点で、IIR(InfiniteImpulse Respone
s) 型のローパスフィルタを用いるのが好ましい。図5
にIIR型のローパスフィルタの一例を示す。図示例の
ローパスフィルタは、順方向に加算器が配置され、フィ
ードバック方向に遅延回路が配置されている構成を有す
るものである。
【0034】ここで、前述のように、プレスキャン画像
情報と本スキャン画像情報とでは画像の解像度が異なる
ので、同じローパスフィルタを用いて処理を行うと、モ
ニタ20に表示される画像と仕上りプリントに再現され
る画像とが異なるものになってしまう。そのため、プレ
スキャン画像情報を処理するLPF58と、本スキャン
画像情報を処理するLPF76とで、解像度に応じて周
波数特性を変える必要がある。具体的には、解像度比率
分だけモニタ20の表示に用いるボケ画像情報のボカシ
量を少なくすればよく、解像度比率をm、LPF58の
カットオフ周波数をfc(p) 、LPF76のカットオフ
周波数をfc(f) とすると、 fc(p) ≒mfc(f) となるようにローパスフィルタを設計すればよい。
【0035】LPF58で生成されたボケ画像情報(あ
るいは、第2MTX74で生成された明暗画像情報)
は、第3LUT78(第3LUT60)に送られ、ダイ
ナミックレンジ圧縮(伸張)テーブルによって処理され
る。
【0036】フィルムAに撮影可能な画像の濃度領域
は、仕上りプリントにおける再現域よりも広いのが通常
であり、例えば、逆光シーンやストロボ撮影では、仕上
りプリントの再現域を大きく超えた濃度範囲の画像が撮
影される場合もある。また、フィルムAの露光状態は常
に適正な訳ではなく、いわゆる、アンダー/オーバー露
光のものも多数存在する。図6に、読み取られたネガフ
ィルムの画像情報からセットアップ部44で作成された
濃度ヒストグラムの一例を示す。仕上りプリントにおけ
る再現域が点線で示される濃度領域である場合、a〜c
に示される画像では、全画素を仕上りプリントに再現す
ることはできず、再現域を超える高濃度部(読み取りの
信号強度弱)すなわち暗部の画素はつぶれて黒くなり
(仕上りプリントでは明部がとぶ)、逆に、再現域を超
える低濃度部すなわち明部の画素は白くとんでしまう
(仕上りプリントでは暗部がつぶれる)。そのため、画
像情報を全て再現した画像を得るためには、画像情報の
ダイナミックレンジを圧縮して、仕上りプリントの再現
域に対応させる必要がある。つまり、従来の直接露光に
よる覆い焼きと同様の効果を付与するように、中間濃度
部分の階調を変化させずに明部および暗部の濃度を調整
して、ダイナミックレンジを圧縮するように画像情報を
処理する必要がある。
【0037】一方、原稿となるフィルムAの画像がオー
バー露光の場合には、暗部側が全体的に黒く(仕上りプ
リントでは明部に濃度が乗って白の抜けが悪くなる)メ
リハリのない画像に成りがちである。逆にアンダー露光
の場合には、明部側の濃度が上り(仕上りプリントでは
暗部の濃度が下がり黒の締まりが悪くなる)やはりメリ
ハリのない画像に成りがちである。そのため、この際に
高画質な画像を得るためには、階調を立ててコントラス
トを上げる必要があり、仕上りプリントの再現域内で、
中間濃度部分の階調を変化させずに、オーバー露光の場
合には暗部の階調を立て、アンダー露光の場合には、明
部の階調を立てる必要がある。つまりアンダー/オーバ
ー露光を修正する際には、逆にダイナミックレンジを伸
張する必要がある。
【0038】図示例の処理装置10では、第1MTX7
2で処理された主となる画像情報に、この第3LUT6
0においてダイナミックレンジ圧縮(伸張)テーブルで
処理された前記ボケ画像情報(もしくは前記明暗画像情
報)を加算することにより、主となる画像情報のダイナ
ミックレンジを非線形に圧縮して覆い焼き効果を付与
し、あるいは主となる画像情報の階調を非線形に立てて
オーバー/アンダーの補正を行い、出力画像情報のダイ
ナミックレンジおよび明部/暗部の階調や濃度を適正な
ものとして、高画質な画像が再現された仕上りプリント
を得られる出力画像情報とする。すなわち、第3LUT
60のダイナミックレンジ圧縮(伸張)テーブルとは、
主となる画像情報情報のダイナミックレンジ等を適切に
せしめる処理用画像情報を得るために、前記ボケ画像情
報あるいは明暗画像情報の画像処理を行うテーブルで、
プレスキャン画像情報を用いて、画像の状態を判別し、
この判別結果およびプレスキャン画像情報からセットア
ップ部44によって作成される。
【0039】覆い焼き効果を付与するためのダイナミッ
クレンジ圧縮テーブル(以下、圧縮テーブルとする)
は、基本的に、主たる画像情報の明部および暗部を独立
に非線形で圧縮して、出力画像情報のダイナミックレン
ジが図6に示される濃度ヒストグラムのプリント再現域
となるようにするものであり、一例として下記のように
作成される。
【0040】セットアップ部44は、まず、読み取られ
たプレスキャン画像情報から、明部および暗部の圧縮率
を自動設定(オートセットアップ)する。すなわち、セ
ットアップ部44には、図7(a)に示される明部を圧
縮するための基本テーブルglight と、図7(b)に示
される暗部を圧縮するための基本テーブルgdarkとが記
憶されており、A×glight によって明部の圧縮テーブ
ルが、B×gdarkによって暗部の圧縮テーブルが、それ
ぞれ設定される。すなわち、オートセットアップにおけ
る圧縮率fautoは、下記式、 fauto=A×glight +B×gdark で決定される。ここで、係数AおよびBは、0≦A≦
1、0≦B≦1であって、判別されたフィルム画像の状
態、具体的には、明部および暗部の頻度や、濃度ヒスト
グラムの最大濃度および最小濃度、画像特徴量、平均濃
度等に応じて適宜決定され、明部および暗部の圧縮テー
ブルが設定される。
【0041】すなわち、例えば、図6に一点鎖線で示さ
れるヒストグラムbの画像の場合、暗部の頻度が高く、
夜間のストロボ撮影等の画像と判別することができる。
このような画像の場合には、明部側の圧縮率を大きく、
すなわち、glight に掛かる係数Aを大きく設定する。
夜間のストロボ撮影等では、通常、主被写体がヒストグ
ラムの明部側にあるため、明るくとんだような画像にな
りがちであるが、このような処理を施すことにより、主
被写体の濃度(明るさ)を適正にすることができる。逆
に、図6に二点鎖線で示されるヒストグラムcの画像の
場合、明部の頻度が高く、雪中のシーンや逆光シーンの
画像であると判別することができる。このような画像場
合には、暗部側の圧縮率を大きく、すなわち、gdark
掛かる係数Bを大きく設定する。逆光シーン等では、通
常、主被写体がヒストグラムの暗部側にあり、暗い画像
になりがちであるが、このような処理を施すことによ
り、主被写体を明るくして、高画質な画像とすることが
できる。また、濃度ヒストグラムの最大濃度および最小
濃度がプリントの再現域から大幅に外れている場合、す
べての画像を良好に再現するためには、明部および暗部
共に圧縮率を大きくする必要がある。
【0042】係数AおよびBの決定方法としては、たと
えば、図6の濃度ヒストグラムにおいて、プリント再現
域から明部側に外れる濃度領域の広さをa、同暗部側に
外れる濃度領域の広さをb(図6に、共にaのヒストグ
ラムで例示する)とした際に、図8(a)に示されるよ
うな、明部側に外れる濃度領域aと係数Aとの関係を示
すテーブル、および図8(b)に示されるような、暗部
側に外れる濃度領域bと係数Bとの関係を示すテーブル
とを用意しておき、これを用いてAおよびBを決定する
方法が例示される。
【0043】あるいは、図9(a)に示されるような、
暗部側の頻度(累積%=X%)と係数Aとの関係を示す
テーブル、および図9(b)に示されるような、明部側
の頻度(累積%=Y%)と係数Bとの関係を示すテーブ
ルとを用意しておき、また、作成した濃度ヒストグラム
から、図10に示されるような濃度の累積ヒストグラム
を作成し、暗部側のプリント再現限界Pおよび明部側の
プリント再現限界Qから、累積ヒストグラムを用いて暗
部の累積%および明部の累積%を算出し、図9に示され
るテーブルを用いて係数AおよびBを決定する方法も例
示される。
【0044】また、本発明においては、これ以外にも、
図8および図9に示されるテーブルから係数AおよびB
を算出し、それぞれの係数AおよびBの平均を取って係
数AおよびBを決定する方法や、図8および図9に示さ
れるテーブルから係数AおよびBを算出し、両係数Aお
よびBのうち大きい方を係数AおよびBとして決定する
方法も好適に例示される。さらに、作成した濃度ヒスト
グラムから、図8および図9に示されるいずれのテーブ
ルを用いるかを選択して、係数AおよびBを決定しても
よい。
【0045】オートセットアップによるfautoは、基本
的に以上のように決定されるが、さらに、調整キー50
による入力(調整)がある場合には、キー補正部46に
よって、以下に示されるfkey が設定され、パラメータ
統合部48で両者が統合される。すなわち、全体の圧縮
率ftotal は、両者の加算である ftotal =fauto+fkey で設定される。調整キー50による入力がない場合に
は、fkey は0になるので、セットアップ部によるオー
トセットアップで設定されたfautoがftotal となる。
この、調整キー50を用いた圧縮率の調整では、全体の
圧縮率を調整する圧縮テーブルf(α)、明部の圧縮率
を調整する圧縮テーブルflight ( αlight )、および
暗部の圧縮率を調整する圧縮テーブルfdark(αdark)
を、それぞれ独立かつ任意に設定して、各領域の圧縮率
を調整することができる。すなわち、f key は、下記
式、 fkey =f(α)+flight ( αlight ) +fdark(α
dark) で設定される。
【0046】まず、画像情報全体の圧縮率を決定する圧
縮テーブルf(α)は、基本的に下記の様にして設定さ
れる。キー補正部46には、例えば、図11に示される
ような関数が設定されており、画像情報のダイナミック
レンジ(DR)から、圧縮率αを算出する。この関数で
は、ダイナミックレンジが閾値DRthよりも小さい場合
には圧縮率αが0になっており、ダイナミックレンジが
小さい画像の場合には、ダイナミックレンジの圧縮処理
を行わないようになっている。これは、ダイナミックレ
ンジが小さい画像に圧縮処理を施すと、画像のコントラ
ストが小さくなり、逆に画質低下を招くからである。ま
た、本発明者らの検討で、画像中に存在する電灯等、ス
ポット的な最明部の画像は、ダイナミックレンジ圧縮処
理によって階調を出すよりも仕上りプリント上の最低濃
度に飛ばしたほうが良好な画像が得られることが分かっ
ている。そのため、図11に示される関数では、ダイナ
ミックレンジが閾値DRmax よりも大きくなっても、そ
れ以上は圧縮率αは大きくならないように設定されてい
る。
【0047】例えば、調整キー50によってγキーが押
されると、キー補正部46は、図11に示される関数か
ら圧縮率αを読み出し、この圧縮率αを用い、図12
(a)に示されるような、全体的な圧縮テーブルf
(α)を作成する。このテーブルは、ある信号値を基準
値Y0 すなわち横軸(出力0)との交点として、傾きが
圧縮率αとなる単純減少関数である。この基準値Y0
基準濃度であって、主被写体等の画像の中心となる濃度
に応じて適宜設定すればよい。例えば、人物が主被写体
である場合には、肌色と略同一の濃度であるプリント濃
度で0.5〜0.7の間が例示され、好ましくは0.6
程度である。また、例えばγキーの押圧等によって、圧
縮テーブルf(α)による圧縮率を調整することも可能
である。
【0048】一方、調整キー50の明部の調整キー(α
light)が押圧されると、キー補正部46は、入力され
た調整量(押圧回数)から明部の圧縮率αlight を設定
して、明部の圧縮テーブルflight ( αlight ) を作成
する。明部の圧縮テーブルflight ( αlight ) は、図
12(b)に示されるように、前記基準値Y0 より明部
側において横軸(出力0)よりも下方(マイナス側)と
なる減少関数で、直線部分の傾きが、明部の圧縮率α
light となる関数である。なお、基準値Y0 よりも暗部
側の出力は0である。さらに、調整キー50の暗部の調
整キー(α dark)が押圧されると、キー補正部46は、
入力された調整量から暗部の圧縮率αdarkを設定して、
暗部の圧縮テーブルfdark(αdark) を作成する。暗部
の圧縮テーブルfdark(αdark) は、図12(c)に示
されるように、前記基準値Y0 より暗部側において横軸
よりも上方となる減少関数で、直線部分の傾きが、暗部
の圧縮率αdarkとなる関数である。なお、基準値Y0
りも明部側の出力は0である。なお、オートセットアッ
プによる圧縮率が高すぎると判断した場合には、調整キ
ー50によって圧縮率を小さくすることも可能である。
【0049】このように、基準値Y0 を固定して、明部
および暗部の圧縮率を独立で設定することにより、ダイ
ナミックレンジ圧縮が中間濃度部分の階調に変化を与え
ることなく、明部および暗部のみを調整してダイナミッ
クレンジ圧縮を行うことができる。しかも、ダイナミッ
クレンジ圧縮による画像全体の明るさ変化も防止できる
ので、前述の第2LUT70による明るさ補正を独立し
たものとでき、画像処理条件の設定を容易にすることが
できる。
【0050】なお、flight ( αlight ) とfdark(α
dark) が、図12(d)および(e)に示されるような
関数となってしまった場合には、点Pおよび点Qでγが
不連続になることによるアーチファクトが出てしまうの
で、前述の図12(b)および(c)に示されるよう
に、微分係数が滑らかになるような関数として、アーチ
ファクトが出ないようにするのが好ましい。この点に関
しては、特開平3−222577号公報に詳述されてい
る。
【0051】図示例の処理装置10においては、基本的
に、fkey はfautoに加算されるものであるが、必要に
応じて、オートセットアップを行わず(fautoをキャン
セルして)、fkey のみで各領域の圧縮率を設定できる
ように構成されている。
【0052】前述のように、原稿となるフィルムの画像
がアンダー/オーバー露光である場合には、これを修正
するために、アンダー露光の場合は暗部の階調を立て、
オーバー露光の場合には明部の階調を立てる。すなわ
ち、画像がアンダー/オーバー露光である場合には、判
別結果に応じて以下に示されるようなダイナミックレン
ジ伸張テーブル(以下、伸張テーブルとする)を設定
し、逆にダイナミックレンジを伸張する。なお、画像が
アンダー/オーバー露光であることを判別する方法には
特に限定はなく、濃度ヒストグラムから得られる画像特
徴量、平均濃度、最高濃度や最低濃度等から判別する公
知の方法によればよい。
【0053】セットアップ部44には、図13(a)に
示されるような、アンダー補正を行うための基本テーブ
ルqunder と、図13(b)に示されるような、オーバ
ー補正を行うための基本テーブルqoverとが記憶されて
おり、A×qunder によってアンダー補正のためのダイ
ナミックレンジ伸張テーブル(以下、伸張テーブルとす
る)が、B×qoverによってオーバー補正のための伸張
テーブルが、それぞれ設定される。すなわち、オートセ
ットアップにおける伸張率qautoは、下記式、 qauto=A×qunder +B×qover で決定される。ここで、係数AおよびBは、0≦A≦
1、0≦B≦1であって、判別されたフィルム画像の状
態、具体的には、濃度ヒストグラムの最小濃度とフィル
ムベース濃度との差、明部、および暗部の頻度や、濃度
ヒストグラムの最大濃度および最小濃度、画像特徴量、
平均濃度等に応じて適宜決定され、アンダーおよびオー
バー補正を行うための、張テーブルが設定される。
【0054】アンダー補正の伸張テーブルの基本テーブ
ルqunder は、図13(a)に示されるように、前述の
圧縮テーブルと同様にして決めた基準点Y0 より暗部側
において横軸より下方(マイナス)となる増加関数で、
最暗部における出力が最も小さく、明部側に行くに従っ
て、増加量が小さくなりつつ出力が増加する関数であ
る。なお、基準点Y0 より明部側の出力は0である。一
方、オーバー補正の伸張テーブルの基本テーブルqover
は、図13(b)に示されるように、同様の基準点Y0
より明部側において横軸より上方(プラス)となる増加
関数で、基準点Y0 より明部側に行くに従って、出力の
増加量が大きくなる関数である。なお、基準点Y0 より
暗部側の出力は0である。
【0055】係数AおよびBの設定方法としては、例え
ば、図14に示されるような、濃度ヒストグラムの最小
濃度(Dmin ) とフィルムベース濃度との差に対する、
係数AおよびBを示すテーブルを作成しておき、これを
用いて係数AおよびBを決定する方法が例示される。な
お、前記伸張テーブルの基本テーブル、および図14に
示されるテーブルは、基本的に、出力画像情報(フィル
ム画像)が仕上りプリントの再現域内となるように設定
される。
【0056】また、前述の圧縮テーブルと同様、キー操
作等によって伸張率を調整することが可能で、例えば、
圧縮調整キー50の明部の調整キー(α light)や暗部
の圧縮率の調整キー(α dark)を押圧することにより、
前記係数AおよびBを変更して、伸張率を調整する。ま
た、この調整で、オートセットアップで設定した伸張率
を小さくすることもできる。
【0057】このような伸張テーブルで処理する画像情
報としては、前記ダイナミックレンジ圧縮と同様にLP
F76によって生成したボケ画像情報であっても良い
が、基本的には、LUT78による処理を行わず、第2
MTX74で生成した明暗画像情報を処理する。すなわ
ち、本発明は、フィルムの画像状態に応じて、画像を構
成する周波数成分を適応してダイナミックレンジの調整
を行うものであり、前述のように、ダイナミックレンジ
の圧縮は、LPF76を通過した低周波数成分のみに適
応して圧縮を行い、ダイナミックレンジの伸張は、基本
的に全周波数成分に適応して伸張を行い、仕上りプリン
トの用途等に応じて、必要に応じてLPF76を通過し
た低周波数成分のみに適応して伸張を行う。
【0058】原稿がアンダー/オーバー画像である際に
は、前述のようにダイナミックレンジを伸張して、階調
を立ててコントラストを高くする必要があるが、コント
ラスト低下の原因は原稿となるフィルムの特性にも依存
する場合が多い。そのため、画像の低周波数成分から高
周波数成分まで全周波数成分にわたってコントラストを
上げるのが好ましく、すなわち、全周波数成分に対応し
てダイナミックレンジを伸張するのが好ましい。図示例
の装置においては、原稿がアンダー/オーバー画像であ
る場合は、通常は、第2MTX74で生成した明暗画像
情報を第3LUT78の伸張テーブルで処理して、この
明暗画像情報を用いて主たる画像情報を処理することに
より、全周波数成分にわたってコントラストを上げてい
る。一方、原稿がアンダー/オーバー画像である際に、
ボケ画像情報を生成して伸張テーブルによる処理を行
い、これを用いて主たる画像情報を処理すると、いわゆ
るソフトフォーカスを掛けたような画像となり、シャー
プさは若干低下するものの、荒さの目立たない画像とな
る。従って、原稿がアンダー/オーバー画像である場合
に、ボケ画像情報と明暗画像情報のいずれを用いるか
は、仕上りプリントの用途等に応じて適宜決定すればよ
い。
【0059】図示例の装置においては、第2MTX74
と第3LUT78とをバイパスすることにより、全周波
数成分の伸張をおこなっているが、本発明において、全
周波数成分に適応して伸張を行う方法は、これに限定は
されない。例えば、第1MTX72に伸張テーブルを設
定して、生成した主たる画像情報を伸張テーブルで処理
してダイナミックレンジを伸張してもよく、あるいは、
後の第4LUT80に伸張テーブルを設定して同様の処
理を行ってもよい。第2MTX74で生成した明暗画像
情報を用いる場合は、Y成分となっているため、彩度は
変化しないあるいは低下する傾向にあり、第1MTX7
2等で生成した主たる画像情報のダイナミックレンジを
直接伸張する場合には、RGB領域での処理であるの
で、彩度が向上する傾向にある。いずれの構成も好適に
利用可能であり、例えば、読取装置22で主に読み取る
フィルムの特性や、記録装置24で主に用いられる感光
材料の特性等に応じて、適宜決定すればよい。
【0060】このようにしてLUT78で処理されたボ
ケ画像情報あるいは明暗画像情報は、加算器82(加算
器66)に送られる。加算器82では、第1MTX72
によって処理されて直接加算器82に送られた主たる画
像情報とボケ画像情報(明暗画像情報)とを加算する。
これにより、主たる画像情報のダイナミックレンジを圧
縮して面露光による覆い焼きを行ったのと同等の効果を
付与し、あるいは、主たる画像情報のダイナミックレン
ジを伸張してアンダー/オーバー露光の修正を行う。
【0061】より詳細には、圧縮テーブルで処理された
ボケ画像情報は、明部がマイナスで、暗部がプラスの画
像情報となる。従って、第1MTX54によって処理さ
れた主たる画像情報に、このボケ画像情報を加算するこ
とにより、主たる画像情報の明部は小さく、暗部は嵩挙
げされ、すなわち画像情報のダイナミックレンジが圧縮
される。一方、図13(a)に示されるアンダー補正用
の伸張テーブルで処理された明暗画像情報(ボケ画像情
報)は、暗部がマイナスで基準点より明部側は0の画像
情報となるので、主たる画像情報に、この明暗(ボケ)
画像情報を加算することにより、主たる画像情報の暗部
が小さくなって伸張され、暗部の階調が立つ。さらに、
図13(b)に示されるオーバー補正用の伸張テーブル
で処理された明暗画像情報(ボケ画像情報)は、明部が
プラスで基準点より暗部側は0の画像情報となるので、
この明暗(ボケ)画像情報を加算することにより、主た
る画像情報の明部が嵩挙げされて伸張され、明部の階調
が立つ。なお、いずれの場合も、基準点Y0 を固定して
明部および暗部の圧縮・伸張を行っているので、中間濃
度の階調(濃度)が大きく変動することはない。
【0062】第4LUT80(第4LUT62)は、加
算器82による加算で得られた画像情報を、最終的な出
力媒体の特性に応じた出力画像情報に変換する階調変換
テーブルである。すなわち、第4LUT62は、プレス
キャン画像情報をモニタ20への表示に応じた画像情報
に、第4LUT80は、本スキャン画像情報を感光材料
Zの発色に、それぞれ好適に対応する画像情報となるよ
うに階調変換するものである。
【0063】以上の各画像処理におけるビット(bit) 数
であるが、ビット数は、画像の階調分解能の決定する重
要な要素であり、階調分解能が低いと、偽輪郭が発生し
てしまう。本発明の処理装置10では、全ての処理を8
ビット演算で行ってもよいが、例えば、第4LUT80
(62)で階調を立てる変換を行った場合、第3LUT
78(60)の出力の1digit が拡大され、出力画像で
偽輪郭が視認されてしまう場合がある。そのため、第3
LUT78(60)からの出力を10ビットとし、第1
MTX72(54)から加算器82に送られる信号を1
0ビットに変換する等、第3LUT78の出力を10ビ
ット以上にすることにより、偽輪郭の発生を防止するこ
とができる。
【0064】このようにして、第4LUT62から出力
されたプレスキャン画像情報は、信号変換器64によっ
てモニタ20に対応する信号に変換され、さらに、D/
A変換器86によってD/A変換されて、モニタ20に
表示される。ここで、モニタ20に表示される画像と、
記録装置24に送られて再生される仕上りプリントの画
像は、各種の画像処理や覆い焼きの処理として、同様の
処理が施されたものであり、従って、モニタ20には、
仕上りプリントの画像と同様の画像が表示される。
【0065】オペレータはモニタ20に表示された画像
を見て検定を行い、必要に応じて、調整キー50の各キ
ーを押圧して、全体濃度、C濃度、M濃度、Y濃度、階
調、明部の調整、および暗部の調整を行い、仕上りプリ
ントに記録される画像の調整を行うことができる。明部
および暗部の調整は、圧縮(伸張)テーブルの明部およ
び暗部の圧縮率(伸張率)等の調整で行われるのは前述
のとおりである。オペレータによる調整キー50のキー
入力は、キー補正部46に送られ、画像処理条件の補正
量とされ、パラメータ統合部21おいて、この補正量と
セットアップ部44が設定した画像処理条件とが統合さ
れて、キー補正後の新たな画像処理条件が設定される。
すなわち、前述の第2LUT70(52)の各補正テー
ブル、第3LUT78(60)の圧縮(伸張)テーブ
ル、ならびに第4LUT80(62)および第4LUT
80における階調変換テーブルは、調整キー50による
キー入力によって調整あるいは再設定され、また、これ
に応じて、モニタ20に表示される画像も変化する。
【0066】一方、本スキャン画像処理部18の第4L
UT80における処理が終了して、仕上りプリントの画
像記録に応じた画像情報とされた本スキャン画像情報
は、出力画像情報として記録装置24のドライバ88に
送られる。
【0067】記録装置24は、本スキャン画像処理部1
8から転送された仕上りプリントを得るための出力画像
情報に応じて、光ビーム走査によって感光材料Zを走査
露光して、露光を終了した感光材料Zを現像処理して仕
上りプリントPとして出力するものであって、AOMを
駆動するドライバ88と、画像露光部90と、現像部9
2とを有するものである。
【0068】本スキャン画像処理部18より出力された
出力画像情報は、ドライバ88に転送され、D/A変換
される。ドライバ88は、D/A変換した画像情報に応
じて光ビームを変調するように、画像露光部90の音響
光学変調器(AOM)94を駆動する。
【0069】一方、画像露光部90は、光ビーム走査に
よって感光材料Zを走査露光して、前記画像情報の画像
を感光材料Zに記録するもので、図2に概念的に示され
るように、感光材料Zに形成されるR感光層の露光に対
応する狭帯波長域の光ビームを射出する光源96R、以
下同様にG感光層の露光に対応する光源96G、および
B感光層の露光に対応する光源96Bの各光ビームの光
源、各光源より射出された光ビームを、それぞれ記録画
像に応じて変調するAOM94R、94Gおよび94
B、光偏向器としてのポリゴンミラー98、fθレンズ
100と、感光材料Zの副走査搬送手段を有する。
【0070】光源96(96R、96G、96B)より
射出され、互いに相異なる角度で進行する各光ビーム
は、それぞれに対応するAOM94(94R、94G、
94B)に入射する。各AOM94には、ドライバ88
より記録画像に応じたR、GおよびBそれぞれの駆動信
号が転送されており、入射した光ビームを記録画像に応
じて強度変調する。
【0071】AOM94によって変調された各光ビーム
は、ポリゴンミラー98の略同一点に入射して反射さ
れ、主走査方向(図中矢印x方向)に偏向され、次いで
fθレンズ94によって所定の走査位置zに所定のビー
ム形状で結像するように調整され、感光材料Zに入射す
る。なお、画像露光部90には、必要に応じて光ビーム
の整形手段や面倒れ補正光学系が配置されていてもよ
い。
【0072】一方、感光材料Zはロール状に巻回されて
遮光された状態で所定位置に装填されている。このよう
な感光材料Zは引き出しローラ(図示省略)に引き出さ
れ、副走査手段を構成する走査位置zを挟んで配置され
る搬送ローラ対102aおよび102bによって、走査
位置zに保持されつつ主走査方向と直交する副走査方向
(図中矢印y方向)に副走査搬送される。光ビームは主
走査方向に偏向されているので、副走査方向に搬送され
る感光材料Zは光ビームによって全面を2次元的に走査
露光され、感光材料Zに本スキャン画像処理部18より
転送された画像情報の画像(潜像)が記録される。
【0073】露光を終了した感光材料Zは、次いで搬送
ローラ対104によって現像部92に搬入され、現像処
理を施され仕上りプリントPとされる。ここで、例えば
感光材料Zが銀塩写真感光材料であれば、現像部92は
発色現像槽106、漂白定着槽108、水洗槽110
a、110b、110cおよび110d、乾燥部および
カッタ(図示省略)等より構成され、感光材料Zはそれ
ぞれの処理槽において所定の処理を施され、乾燥された
後、カッタによってプリント1枚に対応する所定長に切
断され、仕上りプリントPとして出力される。
【0074】以下、本発明の画像処理装置10を利用す
る、図1および図2に示されるデジタルフォトプリンタ
の作用について、簡単に説明する。装置が立ち上げら
れ、光源26の光量が安定し、絞り28の開放基準値の
設定、現像部92の温度調整等の所定の作業が終了した
後、原画となるフィルムAが所定位置に装填され、プリ
ント作成開始の指示が出されると、まず、フィルムAの
画像を低解像度で粗に読み取るプレスキャンが開始され
る。プレスキャンが開始されると、光源26から射出さ
れ、絞り28で光量調整され、色フィルタ板30を通過
して色調整(例えばG光)され、拡散ボックス32で拡
散された読取光がフィルムAを通過することで、フィル
ムAのG画像を担持する投影光となり、結像レンズ34
によってCCDセンサ36に結像され、光電的に読み取
られる。CCDセンサ36からの出力信号は、アンプ3
8で増幅され、A/D変換器40によってデジタル信号
化され、LUT42で濃度信号とされ、プレスキャンメ
モリ12のG画像用フレームメモリに記憶される。
【0075】次いで、色フィルタ板30が切り替えられ
て、Rフィルタが光路に作用して、同様にしてR画像が
読み取られてプレスキャンメモリ12のR画像用フレー
ムメモリに記憶され、同様にB画像が読み取られてプレ
スキャンメモリ12のB画像用フレームメモリに記憶さ
れ、プレスキャンが終了する。
【0076】プレスキャンが終了すると、読取装置22
では本スキャンが開始され、同様に、色フィルタ板30
の切換により、フィルムAに撮影された画像のG画像、
R画像およびB画像が順次、高解像度で読み取られ、本
スキャンメモリ14のそれぞれの色の画像が対応するフ
レームメモリに記憶される。
【0077】一方、条件設定部21のセットアップ部4
4は、プレスキャンが終了した時点で、プレスキャンメ
モリ12からプレスキャン画像情報を読み出し、濃度ヒ
ストグラムの作成や最高濃度および最低濃度の算出等を
行って、例えば、覆い焼きを行う場合であれば、第2L
UT70および52のグレイバランス調整テーブル、明
るさ補正テーブルおよび階調補正テーブル、第3LUT
78および60の圧縮テーブル、第4LUT80および
62の階調変換テーブルを作成して画像処理条件を設定
し、パラメータ統合部48に出力する。パラメータ統合
部48は、送られた画像処理条件を、プレスキャン画像
処理部16および本スキャン画像処理部18の前記各L
UTに転送し、画像処理用のテーブルとして設定する。
【0078】画像処理条件が設定されると、表示画像処
理部16の第2LUT52がプレスキャンメモリ12か
らプレスキャン画像情報を読み出し、設定された各テー
ブルによる処理を行い、次いで、第1MTX54で色補
正が施される。第1MTX54で処理された画像情報
は、加算器66および第2MTX56に送られる。第2
MTX56は、送られた画像情報から読み取った画像の
明暗画像情報を生成し、この明暗画像情報は、LPF7
6によってボケ画像情報とされ、さらに、第3LUTに
おいて圧縮テーブルで処理され、覆い焼き用のボケ画像
情報として加算器66に送られる。加算器66では、第
1MTX54で処理された主たる画像情報と、ボケ画像
情報とが加算され、主たる画像情報のダイナミックレン
ジが圧縮されて、モニタ20表示用の画像情報が生成さ
れる。
【0079】加算器66から出力された画像情報は、L
UT62においてモニタ20による表示に応じた画像と
なるように階調変換され、信号変換器64によってモニ
タ20による表示に応じた信号に変換され、D/A変換
器86でアナログ信号とされて、モニタ20に表示され
る。
【0080】オペレータは、モニタ20に表示された画
像を見て検定を行い、必要に応じて調整キー50を用い
て各種の調整を行う。調整キー50による入力がある
と、キー補正部46で画像処理条件の補正量が演算され
て、パラメータ統合部48によって、この補正量とセッ
トアップ部44が設定した画像処理条件とが統合され
て、画像処理条件が再設定あるいは変更され、表示画像
処理部16および本スキャン画像処理部18の各LUT
に設定されるテーブルがそれに応じて変更され、モニタ
20の画像が変化する。オペレータが画像が適正である
と判断すると(検定OK)、出力の指示が出され、本ス
キャン画像処理部18の第2LUTが本スキャンメモリ
14から本スキャン画像情報を読み出す。
【0081】以下、前述のプレスキャン画像情報と同様
に、本スキャン画像情報は、第2LUT70に設定され
た各テーブルによってグレイバランス調整、明るさ補正
および階調補正を行われ、次いで、第1MTX72で色
補正が施される。第1MTX54で処理された画像情報
は、加算器82と第2MTX74とに送られる。第2M
TX74は、送られた画像情報から明暗画像情報を生成
し、この明暗画像情報は、LPF76によってボケ画像
情報とされ、さらに、第3LUT78において圧縮テー
ブルで処理され、覆い焼き用のボケ画像情報として加算
器82に送られる。加算器82では、第1MTX72で
処理された主たる画像情報と、ボケ画像情報とが加算さ
れ、主たる画像情報のダイナミックレンジが圧縮され
て、さらに第4LUT80で階調変換されて、画像記録
に応じた出力画像情報として記録装置24のドライバ8
8に送られる。なお、上記検定は必ずしも行われる必要
はなく、例えば、フルオートモード等を設定して、検定
なしでプリント作成を行うように構成してもよい。この
場合には、例えば、セットアップ部44が画像処理条件
を設定し、パラメータ統合部48が各LUTにこの画像
処理条件を設定した時点で、第2LUT70が本スキャ
ン画像情報を読み出しを開始し、画像処理を行う。
【0082】記録装置24が出力画像情報を受けると、
各光源96から光ビームが射出され、この光ビームがド
ライバ88によって記録画像に応じて駆動される各AO
M94によって記録画像に応じて変調され、ポリゴンミ
ラー98によって主走査方向に変更され、fθレンズ1
00を経て、副走査方向に搬送される感光材料Aを2次
元的に走査露光して潜像を形成する。露光された感光材
料Aは、発色現像槽106、漂白定着槽108、水洗槽
110で所定の処理を施され、乾燥された後、カッタに
よってプリント1枚に対応する所定長に切断され、仕上
りプリントPとして出力される。
【0083】以上、本発明の画像処理方法および画像処
理装置について詳細に説明したが、本発明は上述の例に
限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て、各種の改良や変更等を行ってもよいのはもちろんで
ある。
【0084】
【発明の効果】以上、詳細に発明したように、本発明の
画像処理方法、およびこれを実行する本発明の画像処理
装置によれば、光電的に読み取られた画像情報を画像処
理して、画像記録のための出力画像情報とする画像処理
において、原稿画像の状態を判別して、それに応じた適
正な画像情報のダイナミックレンジ圧縮処理あるいは伸
張処理を行うことができ、覆い焼き効果の付与やアンダ
ー/オーバー露光の修正を好適におこなった画像情報と
して、高画質な画像が再生された適正な仕上りプリント
を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一例およびこの画像処
理装置に画像情報を供給する画像読取装置の一例を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示される画像処理装置が画像情報を出力
する画像記録装置の概念図である。
【図3】図1に示される画像処理装置に接続される調整
キーの一例の概念図である。
【図4】図1に示される画像処理装置の第2LUTに設
定されるテーブルで、(a)はグレイバランス調整テー
ブルを、(b)は明るさ補正テーブルを、(c)は階調
補正テーブルを、それぞれ示す。
【図5】図1に示される画像処理装置に用いられるII
R型のローパスフィルタの一例を示す回路図である。
【図6】図1に示される画像処理装置で処理される濃度
ヒストグラムの一例である。
【図7】(A)および(B)は、ダイナミックレンジ圧
縮テーブルを作成するための基本テーブルの一例を、そ
れぞれ示す。
【図8】(A)は図7(A)に示される基本テーブルに
掛かる係数を決定するためのテーブルの一例を、(B)
は図7(B)に示される基本テーブルに掛かる係数を決
定するためのテーブルの一例を、それぞれ示す。
【図9】(A)は図7(A)に示される基本テーブルに
掛かる係数を決定するためのテーブルの別の例を、
(B)は図7(B)に示される基本テーブルに掛かる係
数を決定するためのテーブルの別の例を、それぞれ示
す。
【図10】図1に示される画像処理装置で処理される濃
度の累積ヒストグラムの一例である。
【図11】全体の圧縮率を決定する関数を示すグラフで
ある。
【図12】(a)、(b)、(c)、(d)および
(e)は、図1に示される画像処理装置のダイナミック
レンジ圧縮テーブルの一例をそれぞれ示す。
【図13】(a)および(b)は、図1に示される画像
処理装置のダイナミックレンジ伸張テーブルを作成する
ための基本テーブルの一例を、それぞれ示す。
【図14】図13に示される基本テーブルに掛かる係数
を決定するためのテーブルの一例である。
【符号の説明】
10 画像処理装置 12 プレスキャンメモリ 14 本スキャンメモリ 16 表示画像処理部 18 本スキャン画像処理部 20 モニタ 21 条件設定部 22 (画像)読取装置 24 (画像)記録装置 26,96 光源 28 可変絞り 30 色フィルタ板 32 拡散ボックス 34 結像レンズ 36 CCDセンサ 38 アンプ 40 A/D変換器 42 LUT(ルックアップテーブル) 44 セットアップ部 46 キー補正部 48 パラメータ統合部 50 調整キー 52,70 第2LUT(ルックアップテーブル) 54,72 第1MTX(マトリクス) 56,74 第2MTX(マトリクス) 58,76 LPF(ローパスフィルタ) 60,78 第3LUT(ルックアップテーブル) 62,80 第4LUT(ルックアップテーブル) 64 信号変換器 66,82 加算器 86 D/A変換器 88 ドライバ 90 画像露光部 92 現像部 94 AOM(音響光学変調器) 98 ポリゴンミラー 100 Fθレンズ 102,104 搬送ローラ対 106 発色現像槽 108 漂白定着槽 110 水洗槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像読取装置によって光電的に読み取られ
    た画像情報を画像処理して、画像記録を行うための出力
    画像情報とする画像処理方法であって、 画像情報から画像状態を判別し、前記画像情報および判
    別した画像状態に応じて、画像の中間濃度部分は変化さ
    せず、画像の低濃度部分および/または高濃度部分をそ
    れぞれ独立に非線形に圧縮もしくは伸張するための処理
    条件を設定し、この処理条件に応じた画像処理を施して
    出力画像情報を生成することを特徴とする画像処理方
    法。
  2. 【請求項2】画像読取装置によって光電的に読み取られ
    た画像情報に画像処理を施し、画像記録を行うための出
    力画像情報とする画像処理装置であって、 画像情報から画像状態を判別する判別手段と、 画像情報および判別結果から、画像の中間濃度部分は変
    化させず、画像の暗部および/または明部をそれぞれ独
    立に非線形に圧縮もしくは伸張する処理条件を設定する
    設定手段と、 前記設定手段で設定された処理条件に応じた処理を施し
    て出力画像情報を得る処理手段とを有することを特徴と
    する画像処理装置。
  3. 【請求項3】前記画像情報のダイナミックレンジに応じ
    て、前記出力画像情報が所定の画像再生領域内になるよ
    うに前記処理条件が設定される請求項2に記載の画像処
    理装置。
  4. 【請求項4】画像状態の判別の結果、画像情報は明部の
    頻度が高いと判別した場合には、暗部を強く圧縮するよ
    うに前記処理条件を設定し、逆に画像情報は暗部の頻度
    が高いと判断した場合には、明部を強く圧縮するように
    前記処理条件を設定する請求項2または3に記載の画像
    処理装置。
  5. 【請求項5】画像情報源がネガフィルムであって、前記
    画像状態の判別の結果、前記原稿となるネガフィルムが
    アンダーネガもしくはオーバーネガであった場合には、
    画像の明部および/または暗部をそれぞれ独立に非線形
    に伸張するように前記処理条件を設定する請求項2また
    は3に記載の画像処理装置。
JP8157200A 1996-06-12 1996-06-18 画像処理方法および画像処理装置 Pending JPH1013680A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8157200A JPH1013680A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 画像処理方法および画像処理装置
DE69737984T DE69737984T2 (de) 1996-06-12 1997-06-09 Bildverarbeitungsverfahren und -gerät
EP97109327A EP0813336B1 (en) 1996-06-12 1997-06-09 Image processing method and apparatus
US08/873,032 US6674544B2 (en) 1996-06-12 1997-06-11 Image processing method and apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8157200A JPH1013680A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 画像処理方法および画像処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1013680A true JPH1013680A (ja) 1998-01-16

Family

ID=15644399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8157200A Pending JPH1013680A (ja) 1996-06-12 1996-06-18 画像処理方法および画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1013680A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7173732B2 (en) 2001-03-30 2007-02-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image processing method
US7245325B2 (en) 2000-03-17 2007-07-17 Fujifilm Corporation Photographing device with light quantity adjustment
US7580168B2 (en) 2004-06-04 2009-08-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Density-adjusting device that changes the gamma characteristics of regions of a copied image based on a difference value to a set of monotonous gamma correction curves
US7613338B2 (en) 2004-06-03 2009-11-03 Canon Kabushiki Kaisha Image processing method and apparatus, program, and storage medium
JP2010161798A (ja) * 1998-11-16 2010-07-22 Seiko Epson Corp 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161798A (ja) * 1998-11-16 2010-07-22 Seiko Epson Corp 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2011018354A (ja) * 1998-11-16 2011-01-27 Seiko Epson Corp 画像修整プログラムを記録した媒体、画像修整装置および画像修整方法
US7245325B2 (en) 2000-03-17 2007-07-17 Fujifilm Corporation Photographing device with light quantity adjustment
US7173732B2 (en) 2001-03-30 2007-02-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image processing method
US7613338B2 (en) 2004-06-03 2009-11-03 Canon Kabushiki Kaisha Image processing method and apparatus, program, and storage medium
US7580168B2 (en) 2004-06-04 2009-08-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Density-adjusting device that changes the gamma characteristics of regions of a copied image based on a difference value to a set of monotonous gamma correction curves

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6674544B2 (en) Image processing method and apparatus
JP4081219B2 (ja) 画像処理方法及び画像処理装置
EP0772342B1 (en) Image reproducing method and apparatus
US5905817A (en) Image reproducing method and apparatus using dynamic range compression based on an unsharp signal generated by IIR filter
US6603878B1 (en) Image processing method
US6603886B1 (en) Image processing method and system
JP3913356B2 (ja) 画像処理方法
US6459500B1 (en) Image processing apparatus
US6694052B1 (en) Image reproducing method and apparatus
JPH11191871A (ja) 画像処理装置
JP3408770B2 (ja) 画像処理装置
JPH1013680A (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JP3939428B2 (ja) 画像処理方法および装置
JP2001222710A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
US20020012126A1 (en) Image processing method and apparatus
JPH1153535A (ja) 画像再生方法および装置
JPH1013673A (ja) デジタル画像信号処理方法および装置
JP2001245153A (ja) 画像処理方法および装置
JPH09214766A (ja) 画像再生方法および装置
JP3578556B2 (ja) 画像再生方法および装置
JP3715033B2 (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JPH11353477A (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびこれを行うソフトウエアを記録した記録媒体
JPH1013679A (ja) 画像再生方法および装置
JPH1013667A (ja) 画像再生方法および装置
JPH11243493A (ja) 画像処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051227