JP3578556B2 - 画像再生方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真や印刷物等の反射原稿、ネガフイルム、リバーサルフイルム等の透過原稿に担持されるカラー画像から得られる画像信号を可視像として表示するための画像再生方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネガフイルム、リバーサルフイルム等の写真フイルム(以下、フイルムとする)や印刷物等に記録された画像情報を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像情報とし、この画像情報に応じて変調した記録光によって印画紙等の感光材料を走査露光してプリントするデジタルフォトプリンタの開発が進んでいる。
【0003】
デジタルフォトプリンタは、複数画像の合成や画像の分割等の編集や、文字と画像との編集等のプリント画像のレイアウトや、色/濃度調整、変倍率、輪郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことができ、用途に応じて自由に編集および画像処理したプリントを出力することができる。また、従来の面露光によるプリントでは、感光材料の再現可能濃度域の制約のため、フイルム等に記録されている画像濃度情報をすべて再生することはできないが、デジタルフォトプリンタによればフイルムに記録されている画像濃度情報をほぼ100 %再生したプリントが出力可能である。
【0004】
このようなデジタルフォトプリンタは基本的に、フイルム等の原稿に記録された画像を読み取る読取手段、読み取った画像を画像処理して後の露光条件を決定し、決定された露光条件に従って感光材料を走査露光して現像処理を施したり、モニタに表示したりする画像再生手段より構成される。
【0005】
フイルム等に記録された画像の読取装置においては、例えばスリット走査による読取りでは、1次元方向に延在するスリット状の読取光をフイルムに照射するとともに、フイルムをこの1次元方向と略直交する方向に移動(あるいは読取光と光電変換素子とを移動)することにより、フイルムを2次元的に走査する。フイルムを透過したフイルム画像を担持する透過光は、CCDラインセンサ等の光電変換素子の受光面上に結像して、光電変換されて読み取られる。読み取られた光量データは増幅され、A/D変換によりデジタル信号とされ、各CCD素子による特性のバラツキの補正、濃度変換、倍率変換等の各種の画像処理が施されて、再生手段に転送される。
【0006】
再生手段においては、転送された画像情報を、例えばCRT等のディスプレイに可視像として再生する。オぺレータは、再現画像を見て、必要であればこの再生画像に階調補正や色/濃度補正等の補正をさらに加え(セットアップ条件の設定)、再生画像が仕上りプリントとして合格(検定OK)であれば、記録用の画像情報として現像手段やモニタに転送する。
【0007】
画像再生装置においては、ラスタースキャン(光ビーム走査)による画像記録を利用するものであれば、感光材料に形成される3原色の感光層、例えばR、GおよびBの3色の露光に対応する3種の光ビームを、記録用の画像情報に応じて変調して主走査方向(前記1次元方向に対応)に偏向すると共に、この主走査方向と略直交する方向に、感光材料を副走査搬送する(偏向された光ビームと感光材料とを相対的に副走査する)ことにより、記録画像に応じて変調された光ビームによって感光材料を2次元的に走査露光して、読み取ったフイルムの画像を感光材料に記録する。
【0008】
露光済の感光材料は、次いで感光材料に応じた現像処理、例えば銀塩写真感光材料であれば、発色・現像→漂白・定着→水洗→乾燥等の現像処理が施され、仕上りプリントとして出力される。
【0009】
このような感光材料が記録できる被写体の輝度レンジは比較的広いが、感光材料は最大濃度が制限されているため、通常のプリント方法では輝度差が大きいシーンのプリントは明るい部分(明部)あるいは暗い部分(暗部)のどちらかがつぶれてしまう傾向がある。例えば、人物を逆光で撮影したような場合、人物が明瞭となるようにプリントすると、空のような明るい部分は白くとんでしまい、空のような明るい部分が明瞭となるようにすると人物が黒くなってつぶれてしまう。この問題を解決するために、覆い焼きやマスキングプリントというような方法が用いられている。
【0010】
覆い焼きはシーンの中の中間的な濃度の領域には通常の露光を与え、プリント上で白くとびそうな領域に穴あき遮蔽板を使って選択的に長時間露光を与えたり、プリント上で黒くつぶれそうな領域には遮蔽板を用いて選択的に露光時間を短くすることにより、個々の被写体のコントラストは維持し、かつ明部・暗部のつぶれのないプリントを得るというものである。このように局部的に露光時間を制御する遮蔽板として、原画フイルムのネガポジを反転したボケ像を写真的に作成したものを用いて、原画フイルムとボケ画像フイルムとを重ねてプリントを行う方法が提案されている。
【0011】
また、写真原画の照明光源の明るさを部分的に変化させることにより、覆い焼きと同様の効果を得ることができるマスキングプリント方法も提案されている(例えば特開昭58−66929号、特開昭64−35542号、特公昭64−10819号)。
【0012】
特開昭58−66929号には、CRTを照明光源にして、メモリスキャンにより原画を測光してカラー原画のボケマスクデータを作成し、露光モードにおいてはこのボケマスクデータによりCRTの発生を制御して、原画が確実に感光材料のコントラスト再現限界に記録されるようにコントラストの制御を行う装置が記載されている。
【0013】
また、特開昭64−35542号には、CRTを照明光源とし、原画を測光する光路と感光材料に露光する光路とを切り換え可能にしておき、再生される画像の階調補正と彩度補正を行うための露光時のCRTの輝度制御信号を原画の測光データに基づいて作成するとともに、再生画像をモニタに表示するための信号を生成し、これを観察してCRTからの光量を制御して所望とする再生画像が得られるようにした装置が記載されている。
【0014】
さらに、特公昭64−10819号には、均一な面光源と原画との間に液晶のような光の透過率を部分的に変化させることができるマトリクスデバイスを配置し、原画の測光データに基づいてこの液晶の透過率を制御して再生画像のコントラストを調整することができるようにした装置が記載されている。
【0015】
一方、再生時のグレーバランスを補正するために、原画上の各色毎に濃度値の最大、最小値が再生画像上でそれぞれ予め設定された一定の値になるように変換する方法が提案されている(特開平6−242521号)。この方法は階調の制御をフイルムのコマごとに行うことができるため、輝度差が大きいシーンでは画像全体の階調を軟調化してシーンの輝度レンジが感光材料のダイナミックレンジ内に収まるようにして明部および暗部のつぶれをなくすようにしたものである。
【0016】
しかしながら、上述した覆い焼きやマスキングプリントを行う方法においては、再生される画像に関係なく用意される遮蔽板を操作するために、極めて高度な技術を必要とし、またボケ像フイルムを作成するためには非常に手間がかかり、プリント効率が極めて低くなってしまう。
【0017】
また、上述した特開昭58−66929号、特開昭64−35542号、特公昭64−10819号においては、ある程度大きな構造物のコントラストは照明光源の輝度分布により調整することにより再生することはできる。しかしながら、再生画像の局所的な構造は原画フイルムの投影像に対応しているため、エッジ部も含めた色再現を自由にコントロールすることができない、エッジの鮮鋭度を自由にコントロールできない、あるいは原画のオーバー、アンダー部などの階調を自由にコントロールできないなどの欠点がある。
【0018】
さらに特開昭58−66929号、特開昭64−35542号、特公昭64−10819号のそれぞれに記載された装置においては、測光および露光のための処理がシーケンシャルに行われるため処理能力が遅く、また測光時と露光時とで原画の移動量がずれた場合にプリントされる像が乱れるという問題がある。また、液晶を用いる特公昭64−10819号においては、液晶の透過率は最大30%程度であるため露光時間が長くなってしまう。さらに、CRTの管面はガラスで覆われておりガラスの内側が光るようになっているものである。このためCRTの管面にフイルムを密着させてもCRTの光っている面とフイルムとの間には実質的に隙間ができることとなる。このため測光データを表示する特開昭64−35542号においては、測光時にCRT発光面とフイルム面との間の隙間により、測光結像系にボケが生じて鮮明なモニタ画像を得ることができないという問題がある。
【0019】
また、特開平6−242521号においては、明部および暗部のつぶれをなくすことはできるものの、個々の被写体のコントラストが弱くなり、めりはりのないプリント像になってしまうという問題がある。
【0020】
このため、カラー画像中の空間周波数が低い構造物のみを表すボケ画像信号をデジタル画像信号から減算することにより差信号を得、得られた差信号に対し、濃度、彩度および/または階調を変化させる処理を施し、この処理が施された差信号を可視像として再生手段に再生することにより、原画像全体のコントラストが強い場合であっても、画像全体のコントラストを弱め、かつ画像中の明部および暗部内の細かなコントラストを残し、明部および暗部の双方の画像がつぶれることをなくした画像再生方法が提案されている(特開平2−226375号、特願平7−165965号)。
【0021】
しかしながら、このような画像再生方法においては、画像全体のダイナミックレンジを圧縮することはできるものの、ダイナミックレンジ圧縮が不要な大面積コントラストの弱いシーンに対してもダイナミックレンジ圧縮処理を行ってしまうため、画像全体としてのめりはりがなくなり、画像が見にくくなってしまっていた。
【0022】
さらに、シーンによっては、明るい側あるいは暗い側に画像信号のヒストグラムが偏っているものがあり、このようなシーンに対しては、明部あるいは暗部のいずれかについてのみダイナミックレンジ圧縮処理を施すことが好ましい。しかしながら、従来の方法においては画像全体に亘って一様にダイナミックレンジ圧縮処理が施されてしまうため、大面積コントラストが弱い側のめりはりがなくなってしまい、画像が見にくくなっていた。
【0023】
そこで本出願人は、このような事情に鑑み、大面積コントラストが大きい画像であっても画像のめりはりを失うことなく、明部および暗部のつぶれをなくし、さらには大面積コントラストが弱いシーンに対してダイナミックレンジ圧縮処理による影響を及ぼすことがなく、高画質のプリント画像を得ることができる画像再生方法および装置を提案した。(特願平7−283144号)
この画像再生方法および装置は、カラー画像を表すデジタル画像信号を可視像として再生する画像再生方法および装置において、前記画像信号のヒストグラムを作成し、該ヒストグラムに基づいて該画像信号のダイナミックレンジを算出し、該ダイナミックレンジに基づいて、前記画像信号の所定の基準値を基準として、該基準信号については圧縮率が略0となるように、信号値の比較的高い部分、信号値の比較的低い部分および/または前記画像信号の全体のそれぞれに応じたダイナミックレンジ圧縮率を設定し、設定されたダイナミックレンジ圧縮率により前記画像信号に対してダイナミックレンジ圧縮処理を施して処理済画像信号を得、該処理済画像信号を可視像として再生することを特徴とするものである。
【0024】
この画像再生方法においては、前記ダイナミックレンジが所定の閾値よりも大きい場合にのみ前記ダイナミックレンジ圧縮処理を行うことが好ましい。さらに、前記画像信号を得るのに先立ち、該画像信号よりも画素間隔が粗い先読画像信号を得、該先読画像信号に基づいて前記ダイナミックレンジの算出および前記ダイナミックレンジ圧縮率の設定を行うことが好ましい。
【0025】
また、前記画像信号を明暗信号に変換し、該明暗信号のボケ画像を表すボケ画像信号を作成し、該ボケ画像信号に基づいて前記ダイナミックレンジの算出、前記ダイナミックレンジ圧縮率の設定および前記ダイナミックレンジ圧縮処理を行うこともできる。さらに、ダイナミックレンジ圧縮処理を施す画像信号のビット数を、処理済画像信号のビット数よりも大きくしてダイナミックレンジ圧縮処理を行うことが好ましい。とくに、ボケ画像信号に基づいて処理する場合には、ダイナミックレンジ圧縮信号の分解能が不足することにより偽輪郭が発生しないように、入力される画像信号のビット幅よりも多く取ることが望ましい。
【0026】
この画像再生方法は、画像信号のヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づいて、ある所定の基準信号を基準として、画像信号の全体、信号値の高い部分および/または信号値の低い部分のそれぞれに応じたダイナミックレンジ圧縮率を設定し、設定されたダイナミックレンジ圧縮率によりダイナミックレンジ圧縮処理を行うようにしたものであり、信号値の高い部分は再生画像における暗部であり、信号値の低い部分は再生画像における明部であるから、画像がつぶれてしまう明部および暗部についてのみダイナミックレンジ圧縮処理を施すような圧縮率を設定することにより、大面積コントラストが強い部分についてのみダイナミックレンジ圧縮処理が施されることとなり、これにより明部あるいは暗部についてのみ大面積コントラストが弱められ、大面積コントラストが弱い部分については、ダイナミックレンジ圧縮処理は施されないこととなる。このため、明部および暗部の画像がつぶれることがなくなり、かつ大面積コントラストが弱い部分についてはさらに弱められることがなくなり、再生画像の画質を向上させることができる。
【0027】
なお、画像信号の所定の基準信号については、ダイナミックレンジ圧縮率が略0となるように設定されているため、この基準信号を画像中の主要な被写体の濃度に設定することにより、主要な被写体についてはダイナミックレンジ圧縮処理が施されることがなくなる。一方、画像全体の明るさ調整は、別個に処理を行うことにより、ダイナミックレンジ圧縮と明るさ調整との機能分離が明確となり、明るさ補正等の処理をし易くすることができる。
【0028】
また、ヒストグラムから算出されたダイナミックレンジが所定の閾値よりも大きい場合にのみ、ダイナミックレンジ圧縮処理を施すことにより、ダイナミックレンジが所定の閾値よりも小さい場合にはダイナミックレンジ圧縮処理は施されないこととなる。このため、ダイナミックレンジが小さな大面積コントラストの弱い画像に対してはダイナミックレンジ圧縮処理を行わないようにすることができ、これにより、大面積コントラストの弱い画像の大面積コントラストがさらに弱められることを防止することができる。
【0029】
また、画像信号を明暗信号に変換し、この明暗信号をフィルタリング処理するなどしてボケ画像信号を作成し、このボケ画像信号に対してダイナミックレンジ圧縮処理を施すことにより、処理済画像信号を再生した画像は、特に画像内の被写体のエッジ部分においてカラー画像と比較して明るさは変化しているものの、色の再現性は担保されることとなる。したがって、元のカラー画像と比較して不自然さのない画像を得ることができる。
【0030】
さらに、ダイナミックレンジ圧縮処理が施される画像信号のビット幅を処理済画像信号のビット幅よりも多くとることにより、分解能が不足することによる偽輪郭が発生しにくくなり、より高画質な画像を得ることができる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなダイナミックレンジ圧縮処理を利用した覆い焼き処理によれば、暗部すなわちシャドウ部の画像中の黒い部分が明るくなり、黒くつぶれていたシャドウ部の階調情報がより視認しやすくなる。これは覆い焼き本来の目的ではあるが、それに伴って入力系のノイズも同時に視認しやすくなり目立つようになるという問題が発生する。
【0032】
本発明は、覆い焼き処理の効果により視認しやすくなったノイズを軽減して、S/Nの改善された、覆い焼き処理画像を得ることのできる画像再生方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像再生方法および装置は、画像をプレスキャンにより読み取って得たデジタル画像信号のダイナミックレンジに基づいて、前記画像信号の信号値の比較的高い暗部、信号値の比較的低い明部および/または前記画像信号の全体のそれぞれに応じたダイナミックレンジ圧縮率を設定し、前記画像をファインスキャンにより必要な回数だけ繰り返し読み取って得た画像信号を平均化してデジタル画像信号を得、前記設定されたダイナミックレンジ圧縮率により前記平均化して得たデジタル画像信号に対してダイナミックレンジ圧縮処理を施し、該ダイナミックレンジ圧縮処理が施された画像信号に対して階調処理を施して処理済画像信号を得、該処理済画像信号を可視像として再生する画像再生方法において、前記信号値の比較的高い暗部における圧縮率が大きいほど、前記画像のファインスキャンによる読取り回数を増やすことを特徴とするものである。
【0034】
上述の、圧縮率が大きいほど画像のファインスキャンによる読取り回数を増やすことは、具体的には信号値の比較的高い部分における圧縮によって低くなった濃度が0.15のN倍であるとき、画像のファインスキャンによる読取り回数を2回とすることによって達成される。
【0035】
ここで、濃度とは再生可視像の光学濃度を意味するものである。したがって、例えばシャドウ部の光学濃度が圧縮により2.8から2.5になったとすると、2.8−2.5=0.3により濃度の低くなったのは0.3で、これは0.15の2倍であるから、画像のファインスキャンによる読取り回数は2=4(回)とされることになる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の方法および装置によれば、上記のようなダイナミックレンジの圧縮により覆い焼き処理を行なう画像再生方法において、信号値の比較的高い部分すなわちシャドウ部における圧縮率が大きいほど画像のファインスキャンによる読取り回数を増やすものであるから、それによって読み取った画像信号の平均化効果を高くして、よりノイズの低減した画像信号を得ることができる。したがって、覆い焼き処理の効果により視認しやすくなったノイズを軽減して、S/Nの改善された、覆い焼き処理画像を得ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0038】
図1は本発明による画像再生装置を表す図である。図1に示すように本発明の実施の形態による画像再生装置1は、画像読取部1Aと、画像処理部1Bとからなる。画像読取部1Aは、光源2と、光源2からの光量を調整するための調光部3と、光源2からの光をRGBの3色に変換するためのRGBフィルタ4と、RGBフィルタ4を透過した光を拡散させてフイルム6に照射するためのミラーボックス5と、フイルム6を透過した光をエリアタイプのCCD8に結像させるためのレンズ7とからなるものである。なお、画像読取方式はエリアタイプのCCDの代りに、ラインセンサを相対的に移動する方式でも、ドラムスキャナのようにスポット測光する方式でもよい。なお、画像読取部1Aにおいては、CCD8の検出間隔を比較的粗くして先読画像信号Sを得る先読みと、この先読みの後CCD8の検出間隔を比較的細かくして本読み画像信号Sを得る本読みとを行うものである。
【0039】
一方、画像処理部1Bは、CCD8において検出されたRGB3色の画像信号を増幅するためのアンプ10と、増幅された画像信号をデジタル画像信号にA/D変換するためのA/D変換手段11と、デジタル画像信号を濃度信号に変換するためのルックアップテーブル(LUT)12と、濃度変換されたデジタル画像信号をRGBの色ごとに記憶するフレームメモリ13R,13G,13Bと、プレスキャンを行う場合に先読画像信号をRGBの色ごとに記憶するフレームメモリ14R,14G,14Bと、デジタル画像信号に対して後述するようなグレイバランス、明るさ補正および階調補正を行うLUT15と、LUT15により処理がなされた画像信号を後述する感光材料上で適切な色に再現されるような色の信号となるように補正するマトリクス(MTX)16と、MTX16により補正された信号を明暗信号に変換するためのMTX17と、明暗信号をボケ信号とするためのローパスフィルタ(LPF)18と、ボケ信号のダイナミックレンジを圧縮することにより大面積コントラストを調整するためのボケ画像信号を得るLUT19と、オリジナルの画像信号と処理済画像信号との加算を行って加算信号Sadd を得る加算手段20と、加算信号Sadd のコントラスト(すなわち大面積コントラストおよび局所的コントラスト)を補正する、すなわち階調処理を行うためのLUT21と、コントラストが補正された信号をD/A変換するためのD/A変換手段22と、先読画像信号Sの階調を補正するためのLUT23と、LUT23により階調が補正された先読画像信号SをD/A変換するためのD/A変換手段24と、D/A変換がなされた先読画像信号Sを可視像として再生するためのCRT25と、CRT25に表示された画像の最終的なパラメータを設定するために画像を操作するためのマウス26と、先読画像信号Sから後述するようにヒストグラムを算出し、このヒストグラムに基づいて、LUT15,19,21,23を調整するためのパラメータを設定するオートセットアップアルゴリズム27からなるものである。
【0040】
ここで、LUT12は原画像に存在する濃度域を飽和させずに変換する透過率−濃度変換テーブルである。LUT15は、グレイバランス、明るさ補正および階調補正を行うものであり、図2(a)に示すようなグレイバランス調整テーブル、図2(b)に示す明るさ補正テーブルおよび図2(c)に示すγ補正テーブルがカスケード接続されてなるものである。LUT19は、図3(a)〜(e)に示すような所定の傾きαを有するダイナミックレンジ圧縮テーブルが記憶されてなるものである。なお、ここでαは負の値をとるものである。このダイナミックレンジ圧縮テーブルは後述するように先読画像信号Sに基づいて算出されるものである。(あるいは先読みの画像をオペレータがモニタで見て、または原稿を直接見て、圧縮カーブを決定し、キーで入力するようにしてもよい)LUT21は図4に示すように非線形の階調変換テーブルとなっており、入力される信号と再生画像との関係を表すものとなっている。LUT23は図5に示すように線形の階調変換テーブルデータを記憶するものである。この階調変換テーブルデータの傾きは、1+αとなっている。
【0041】
一方、MTX16は読み取られた画像信号を適切な色に仕上げるためのマトリクスであり、フイルム6が有する分光特性と最終的に画像が再生される感光材料の分光特性との組合わせで適切な色に再現されるように画像信号を補正するものである。また、MTX17は、RGBのカラー画像信号を明暗信号に変換するものであり、RGBの各画像信号の平均値の3分の1、あるいはYIQ規定などを用いてカラー画像信号を明暗信号に変換するものである。
【0042】
また、LPF18は、画像信号を2次元的にぼかすためのボケマスクフィルタであり、図6に示すような特性を有する。ここで、ボケマスクの直径が小さ過ぎると鮮鋭度が不自然に強調されたり、エッジ部分のオーバーシュートが目立つようになってしまう。一方、主要被写体が小さいときにボケマスクの効果があまり現れなかったり、演算量が多くなって装置の規模が大きくなってしまうという欠点が生じる。本出願人による各種シーンに対する実験の結果、135フイルムの場合のマスクサイズの半値幅の直径はフイルム上で0.3 から3mm程度(さらに望ましくは0.5 から2mm程度が好ましい。なお、フイルムサイズが135フイルムよりも大きい場合は、ボケマスクサイズも大きくした方が好ましい。
【0043】
ダイナミックレンジの圧縮率と、圧縮される画像の各濃度レベル(信号値のレベル)との関係は、図11に示すように、画像濃度が高くなるにしたがって勾配が小さくなるような単調増加のカーブを描いており、画像濃度の高い部分すなわちシャドウ部における圧縮率が大きいほどシャドウ部にノイズが現れやすいから、このシャドウ部における圧縮率が大きいほど画像のファインスキャン(本読み)による読取り回数を増やすようにしている。具体的には、シャドウ部における圧縮によって濃度が0.15低くなるにしたがって、ファインスキャンによる読取り回数を2倍ずつ増やすようにする。すなわち、画像濃度Dとファインスキャンの読み取り回数Nとの間には、D=0.15Nの関係をもたせる。
【0044】
次いで本発明による実施の形態の作用を説明する。
【0045】
まず画像読取部1Aの光源2から光が発せられ、調光部3により所定光量の光とされる。この光量は例えば予め測定されたフイルム6に記録された画像の最低濃度点の透過光量が、CCD8の飽和レベルの僅かに下のレベルとなるように設定される。そしてこの光はRGBフィルタ4を透過し、ミラーボックス5により拡散されてフイルム6に照射される。フイルム6に記録されている画像に応じて変調されたフイルム6の透過光はレンズ7を通じてCCD8に照射され、フイルム6に記録された画像を表す画像信号に光電的に変換される。なお、本実施の形態においてはまず先読画像信号Sを得るため、CCD8の検出間隔は比較的粗いものに設定される。ここで、RGBフィルタ4をR、G、Bと切り換えることによりカラー画像を表す3色の先読画像信号Sが得られ、画像処理部1Bに送られる。画像処理部1Bにおいては以下の処理がなされる。
【0046】
画像読取部1Aにおいて得られた先読画像信号Sは微弱であるため、アンプ10により増幅された後にA/D変換器11においてデジタル先読画像信号Sに変換される。デジタル画像信号SはLUT12により濃度信号に変換されてフレームメモリ14R,14G,14Bにそれぞれ記憶される。
【0047】
次いで、フレームメモリ14R,14G,14Bに記憶された先読画像信号Sが読み出されてオートセットアップアルゴリズム27およびLUT23に入力される。オートセットアップアルゴリズム27においては、以下の処理が行われる。
【0048】
まず、先読画像信号Sのヒストグラムが算出される。図7は先読画像信号Sのヒストグラムを表す図である。図7に示すヒストグラムにおいて、まずRGB各色の最高輝度Ymaxと最低輝度Yminとを求め、この最高輝度Ymaxと最低輝度Yminとに基づいて、LUT15において行われる図2(a)に示すグレイバランス調整テーブルが設定される。
【0049】
また、このヒストグラムに基づいて、LUT19において行われるダイナミックレンジ圧縮処理のためのダイナミックレンジ圧縮テーブルの設定がなされる。このテーブルの設定は以下のようにして行う。
【0050】
画像信号と最終的なプリント濃度との関係は以下のようになる。すなわち、信号値とプリント濃度との関係を表すLUT21の階調曲線において、被写体がつぶれることなく再現できる領域は図4の領域Gである。したがって、デジタル画像信号においては、画像に含まれる被写体がこの領域Gから外れてしまっていると、キャッチライトのような信号値の低い部分が白くなり、信号値の高い部分が黒くなってしまって、像がとんだりあるいはつぶれたりしてしまうものである。そこで本発明は以下のようにダイナミックレンジ圧縮率を設定することによりこのような明る過ぎる部分および暗過ぎる部分がつぶれることなく感光材料にプリントできるようにするものである。
【0051】
まず、図7に示すヒストグラムから求められたダイナミックレンジに基づいて、ダイナミックレンジ圧縮率が設定される。これは、図7に示すヒストグラムにより求められた先読画像信号SP の最高輝度Ymaxと最低輝度Yminとの差であるダイナミックレンジが、図4に示すLUT21のYmax′とYmin′との間の範囲Gの信号となるような圧縮率が設定されるものである。すなわち、画像信号のダイナミックレンジがYmax′とYmin′との間の範囲Gよりも大きいと、画像信号のYmax′よりも輝度が大きな部分(明部)に対応する階調曲線γは値が収束しているため、再生画像において明部がつぶれてしまう。また逆に画像信号のYmin′よりも輝度が小さな部分(暗部)に対応する階調曲線γも値が収束しているため、再生画像において暗部がつぶれてしまう。したがって、この明部および暗部のつぶれを生じないように、明部および暗部のダイナミックレンジ圧縮率αl ,αd を設定するものである。すなわち、先読画像信号の最高輝度Ymaxの近傍の信号がYmax′内に収まるように、かつ最低輝度Yminの近傍の信号がYmin′内に収まるようにダイナミックレンジ圧縮率αl ,αd が設定される。
【0052】
さらに、画像全体のダイナミックレンジ圧縮率αは図8に示すような関数α(DR)(DRはダイナミックレンジ)により行う。この関数α(DR)は、画像信号のダイナミックレンジが閾値DRthよりも小さい場合は、圧縮率が0すなわちダイナミックレンジ圧縮処理を行わないものである。これはダイナミックレンジが小さく、画像の大面積コントラストが小さい場合には、ダイナミックレンジ圧縮処理を施すと、さらに画像の大面積コントラストが小さくなり、かえって再生画像が見にくくなってしまうからである。ここで、画像の中に存在するキャッチライトなどの明部の画像については、ダイナミックレンジ圧縮処理により階調を出すよりも、再生画像上の最低濃度をとばしたほうがよい。このため図8においてはダイナミックレンジがDRmaxよりも大きい値の時には、αは下限値αmaxにおいてクリップしている。
【0053】
次いで、LUT19におけるダイナミックレンジ圧縮を行うためのテーブルの設定を行う。まず、図8に基づいて求められた圧縮率αにより、画像全体についてのダイナミックレンジ圧縮テーブルを設定する。画像全体のダイナミックレンジ圧縮テーブルは図3(a)に示すように、画像信号を変数とした単調減少関数であり、信号値Y0を中心としたその傾斜αの大きさによりダイナミックレンジ圧縮テーブルの関数f(α)が設定される。ここで、信号値Y0の値としては、例えばカラー画像に含まれる被写体が人物である場合、肌色と略同一の濃度である0.50〜0.70の間の値、好ましくは0.6に設定される。このように、信号値Y0の値を設定すると、ダイナミックレンジ圧縮はその濃度の明るさ補正に対して影響を及ぼさないため、明るさ補正とダイナミックレンジ圧縮処理との機能の分離が明確になり、その結果オートセットアップアルゴリズム27におけるパラメータが設定し易くなるためである。さらに、明るさ補正処理が主要部の明るさを適正に調整できなかったときには、ダイナミックレンジ圧縮処理は主要部をY0に近い値とするように作用するというメリットも得られる。
【0054】
一方、図3(b)、(c)に示すように、輝度が大きい側すなわち明るい側のダイナミックレンジ圧縮テーブルの関数fl (αl )および輝度が小さい側すなわち暗い側のダイナミックレンジ圧縮テーブルの関数fd (αd )が設定される。これは、上述したように設定したダイナミックレンジ圧縮率αl、αd により定められる関数である。
【0055】
そしてこのようにして求められたf(α)、f(α)およびf(α)を下記の式(1)により加算し、LUT21において設定される最終的なダイナミックレンジ圧縮テーブルの関数f(α)を設定する。
【0056】
(α)=f(α)+f(α)+f(α) (1)
ここで、関数f(α)およびf(α)が図3(d),(e)に示すような関数の場合、関数が点Pおよび点Qにおいて不連続となっているため、この点P,Qに相当する濃度領域に、元の画像にはとくに輪郭は存在しないにも拘わらず処理済画像にアーチファクトが生じる場合がある。このため、関数f(α)およびf(α)を図3(c),(d)に示すように、点P,Qにおいて微係数が連続するような関数にすることにより、アーチファクトの発生を防止することができる。
【0057】
ここで、関数f(α)およびf(α)はY0を端点とする直線である。なお、アーチファクトの発生を抑制するために、図3(b),(c)に示すように微係数が連続する関数とすることが好ましい。
【0058】
そして、このようにしてダイナミックレンジ圧縮率が設定されると、このダイナミックレンジ圧縮率により先読画像信号Sに対してダイナミックレンジ圧縮処理を行い、さらにダイナミックレンジ圧縮処理が施された先読画像信号SをLUT23に入力し、ここで階調処理を施し、さらにD/A変換器24によりD/A変換されてモニタ25に先読画像信号Sを可視像として表示する。ここで、モニタ25に表示する画像は先読画像信号Sに基づく画像であり、ダイナミックレンジ圧縮の効果を表示画像に反映させることが必要である。しかしながら、先読画像信号Sに対してダイナミックレンジ圧縮処理を施すと、システムの規模が大きくなってしまうという問題がある。モニタ25に表示する画像としては、図5に示すような、ダイナミックレンジ圧縮率α+1を傾きとする単純な階調変換テーブルにより先読画像信号Sを階調変換してモニタ25に表示するのみで、ダイナミックレンジ圧縮率の確認を行うには十分である。したがって、図5に示すような階調変換テーブルをLUT23に記憶しておき、先読画像信号Sに対してダイナミックレンジ圧縮処理を行うことなく、この階調変換テーブルにより階調変換処理を施してモニタ25に表示することにより、システムの規模を大きくすることなく、ダイナミックレンジ圧縮率をモニタ25により確認することができる。
【0059】
図9は、先読画像信号Sがモニタ25に表示された状態を表す図である。モニタ25には表示された画像の圧縮率を、マウス26により調整するための調整部25Aが表示されており、これをマウス26により調整してモニタ25に表示されている先読画像信号Sにより表される画像のシーンの判別を行い、ダイナミックレンジ圧縮率の微調整を行う。そしてここで調整されたダイナミックレンジ圧縮率はオートセットアップアルゴリズム27に入力され、これによりLUT19におけるダイナミックレンジ圧縮テーブルが最終的に設定される。
【0060】
なお、本実施の形態においては、モニタ25に表示された画像をオペレータが観察してオートセットアップアルゴリズム27により設定された圧縮率を調整するようにしているが、オートセットアップアルゴリズム27が画像のシーンの判別も行い、自動的にダイナミックレンジ圧縮率を調整するようにしてもよい。
【0061】
そしてこのようにしてオートセットアップアルゴリズム27により、LUT15,19,21の設定が終了すると、本読み(ファインスキャン)が行われる。
【0062】
本読み(ファインスキャン)は、ダイナミックレンジの圧縮によるシャドウ部の濃度が0.15低くなるにしたがって、ファインスキャンによる読取り回数を2倍ずつ増やすようにする。すなわち、画像濃度Dとファインスキャンの読み取り回数Nとの間には、D=0.15Nの関係がある。このようにして、必要回数だけ繰り返しファインスキャンが行なわれ、それによって読み取られた複数の画像信号を重ね合わせて割ることによりその平均値が求められ、フイルムの粒状等によるノイズの十分に軽減または除去された画像信号が得られる。
【0063】
画像読取部1Aでは、まず光源2から光が発せられ、調光部3により所定光量の光とされる。なお、本読みの場合、調光部3の光量はフレームメモリ14R,14G,14Bに記録された先読画像信号Sの値に応じて設定されている。そしてこの光はRGBフィルタ4を透過し、ミラーボックス5により拡散されてフイルム6に照射される。フイルム6に記録されている画像に応じて変調されたフイルム6の透過光はレンズ7を通じてCCD8に照射され、フイルム6に記録された画像を表す画像信号に光電的に変換される。なお、この場合は本読み画像信号Sを得るため、CCD8の検出間隔は比較的細かいものに設定される。ここで、RGBフィルタ4をR、G、Bと切り換えることによりカラー画像を表す3色の本読み画像信号Sが得られ、画像処理部1Bに送られる。画像処理部1Bにおいては以下の処理がなされる。
【0064】
画像読取部1Aにおいて得られた本読み画像信号Sは微弱であるため、アンプ10により増幅された後にA/D変換器11においてデジタル本読み画像信号Sに変換される。デジタル本読み画像信号SはLUT12により濃度信号に変換されてフレームメモリ13R,13G,13Bにそれぞれ記憶される。
【0065】
次いで、フレームメモリ13R,13G,13Bに記憶された本読み画像信号Sが読み出されて、LUT15により、オートセットアップアルゴリズム27において定められた図2(a),(b),(c)に示すグレイバランステーブル、明るさ補正テーブルおよび階調補正テーブルによりそれぞれグレイバランスの補正、明るさの補正および階調の補正が行われる。このように、LUT15により補正がなされた本読み画像信号SはMTX16に入力され、ここで色の補正がなされる。ここでMTX16は上述したようにフイルム6が有する分光特性と最終的に画像が再生される感光材料の分光特性とを合わせて色が再現されるようにデジタル画像信号を補正するものである。MTX16により色補正がなされたデジタル本読み画像信号Sは、加算手段20に入力される一方で、MTX17に入力される。MTX17においては、RGB信号から明暗信号が生成される。この明暗信号の生成は、RGBの各画像信号の平均値の3分の1、あるいはYIQ規定などを用いてカラー画像信号を明暗信号に変換するものである。例えば、YIQ規定により明暗信号を求める場合は、下記の式(2)によりYIQ規定のY成分のみをRGBの信号値に基づいて算出することにより行う。
【0066】
Y=0.3R+0.59G+0.11G (2)
このようにして得られた明暗信号は次いでLPF18によりボケマスク信号に変換される。そしてこのボケマスク信号はLUT19に入力され、前述したオートセットアップアルゴリズム27により設定されたダイナミックレンジ圧縮の関数f(α)に基づいて、ダイナミックレンジ圧縮処理が行われる。そしてダイナミックレンジ圧縮処理が施された本読み画像信号Sは加算手段20に入力され、MTX16において色補正がなされた本読み画像信号と加算され、加算信号Sadd が得られる。この加算信号Sadd は画像の低周波成分のダイナミックレンジが圧縮されたものとなっている。そしてこのようにして得られた加算信号Sadd はLUT21に入力され、ここで最終的な出力媒体(例えば感光材料など)に合わせた階調処理が施され処理済画像信号が得られる。
【0067】
ここで、処理済画像信号の周波数特性を図10に示す。図10に示すように、LPF18の通過帯域は、大面積コントラストに相当する。一方、局所的なコントラストは、LPF18の通過帯域よりも高周波成分であるため、LUT19によっては圧縮されないこととなる。したがって、処理済画像信号を再生することにより得られる画像は、局所的なコントラストを維持した状態で、ダイナミックレンジ圧縮処理を行うことができ、アナログ面露光での覆い焼きに相当する画像処理を行うことが可能となる。
【0068】
このようにして得られた処理済画像信号は、D/A変換器22に入力されてアナログ信号に変換される。D/A変換器22により変換されたアナログ信号は図12に示す現像部100 に入力される。現像部100 においては以下の処理がなされる。
【0069】
画像処理部1Bより出力された画像信号は、図示しないAOMドライバに転送される。AOMドライバは、転送された画像情報に応じて光ビームを変調するように、画像露光部98の音響光学変調器(AOM)104 を駆動する。
【0070】
一方、画像露光部98は、光ビーム走査(ラスタースキャン)によって感光材料Aを走査露光して、画像情報の画像を感光材料Aに記録するものであり、図13にに示すように、感光材料Aに形成されるR感光層の露光に対応する狭帯波長域の光ビームを射出する光源102 R、以下同様にG感光層の露光に対応する光源102 G、およびB感光層の露光に対応する光源102 Bの各光ビームの光源、各光源より射出された光ビームを、それぞれ記録画像に応じて変調するAOM104 R,104 Gおよび104 B、光偏向器としてのポリゴンミラー96、fθレンズ106 と、感光材料Aの副走査搬送手段108 を有する。
【0071】
光源102 (102 R,102 G,102 B)より射出され、互いに相異なる角度で進行する各光ビームは、それぞれに対応するAOM104 (104 R,104 G,104 B)に入射する。なお、光源102 としては、感光材料Aの感光層に対応する所定波長の光ビームを射出可能な各種の光ビーム光源が利用可能であり、各種の半導体レーザ、SHGレーザ、He−Neレーザ等のガスレーザ等が例示される。また各光ビームを合波する合波光学系であってもよい。各AOM104 には、AOMドライバより記録画像に応じたR,GおよびBそれぞれの駆動信号r,gおよびbが転送されており、入射した光ビームを記録画像に応じて強調変調する。
【0072】
AOM104 によって変調された各光ビームは、光偏向器としてのポリゴンミラー96に入射して反射され、主走査方向(図中矢印x方向)に偏向され、次いでfθレンズ106 によって所定の走査位置zに所定のビーム形状で結像するように調整され、感光材料Aに入射する。なお、光偏向器は、ポリゴンミラーのみならず、レゾナントスキャナ、ガルバノメータミラー等であってもよい。また、このような画像露光部98には、必要に応じて光ビームの整形手段や面倒れ補正光学系が配備されていてもよいのはもちろんである。
【0073】
一方、感光材料Aはロール状に巻回されて遮光された状態で所定位置に装填されている。このような感光材料Aは引き出しローラ等の引き出し手段に引き出され、カッタによって所定長に切断された後(図示省略)、副走査手段108 を構成する走査位置zを挟んで配置されるローラ対108 aおよび108 bによって、走査位置zに保持されつつ主走査方向と略直交する副走査方向(図中矢印y方向)に副走査搬送される。ここで、光ビームは前述のように主走査方向に偏向されているので、副走査方向に搬送される感光材料Aは光ビームによって全面を2次元的に走査され、LUT19により処理がなされた画像信号により表される画像情報の画像が記録される。
【0074】
露光を終了した感光材料Aは、次いで搬送ローラ対110 によって現像部100 に搬入され、現像処理を施され仕上りプリントPとされる。ここで、例えば感光材料Aが銀塩写真感光材料であれば、現像部100 は発色・現像槽112 、漂白・定着槽114 、水洗槽116 a,116 bおよび116 c、乾燥部118 等より構成され、感光材料Aはそれぞれの処理槽において所定の処理を施され、仕上りプリントPとして出力される。
【0075】
図13に示す実施の形態においては、光ビームをAOM104 によって変調した構成であったが、これ以外にも、光源がLD等の直接変調が可能なものであれば、これによって光ビームを記録画像に応じて変調してもよい。また、副走査搬送手段も走査位置を挟んで配置される2組のローラ対以外に、走査位置に感光材料を保持する露光ドラムと走査位置を挟んで配置される2本のニップローラ等であってもよい。
【0076】
さらに、上述した光ビーム走査以外にも、ドラムに感光材料を巻き付けて、光ビームを一点に入射して、ドラムを回転すると共に軸線方向に移動する、いわゆるドラムスキャナであってもよい。また、光ビーム走査以外にも、面光源と液晶シャッタとによる面露光であってもよく、LEDアレイ等の線状光源を用いた露光であってもよい。また図12では、感光材料は露光前にシート状にカットされるようになっているが、ロールのまま露光して現像部100 の前または後でカットするようにしてもよい。
【0077】
このようにして、現像部100 において可視像として再生される画像は、元のカラー画像が逆光のシーンであっても被写体である人間が黒くつぶれてしまうこともなく、また明るい背景の部分の像がとんでしまうこともなくなる。さらに、ストロボを用いた撮影により得られた画像であっても、近くに写る人物や背景などがつぶれることなく画像を再生することができ、適切なダイナミックレンジ圧縮処理が施されたものとなる。
【0078】
また、照明光源の輝度分布を制御することにより覆い焼きを行う場合は、MTX17の係数の選択により色再現性のコントロールを行うしか方法がないため、色再現性を調整しようとするとエッジ部分は明るさと色再現性とが同時に変化してしまい不自然なプリントになってしまう。しかしながら、MTX17をカラー信号を明暗信号に変換するものとしたため、被写体のエッジ部分の明るさは変化するものの、色再現性は変化しないため、自然な仕上りのプリントを得ることができる。さらに、LUT21を非線形なものとしたため、原画フイルムの特性の非線形な部分(例えばオーバー部分、アンダー部分など)の階調補正も可能なものとなる。また、鮮鋭度強調のための処理ブロックを加えることにより画像の局部的なコントラストを強調することができる。
【0079】
なお、上記実施の形態においては、プレススキャンを行って先読画像信号Sを得、この先読画像信号Sに基づいてオートセットアップアルゴリズム27により、LUT15,19,21のテーブルの設定を行うようにしているが、プレスキャンを行わなくとも、本実施の形態における本読み画像信号Sに相当する信号を1回の読取りにより得、この画像信号に基づいてオートセットアップアルゴリズム27により、LUT15,19,21のテーブルの設定を行うようにしてもよいものである。このように、プレスキャンを行うことなくフィルム6からの画像の読取りを1回行うのみで画像信号の処理を行うことができるため、画像の処理を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像読取装置の実施の形態を表す図
【図2】LUT15において行われるグレイバランス調整、明るさ補正、階調変換のテーブルを表す図
【図3】LUT19において行われるダイナミックレンジ圧縮処理を行うためのテーブルを表す図
【図4】LUT21において行われる階調変換を行うためのテーブルを表す図
【図5】LUT23において行われる階調変換を行うためのテーブルを表す図
【図6】ローパスフィルタの形状を表す図
【図7】画像信号のヒストグラムを表す図
【図8】ダイナミックレンジとその圧縮率の関係を表す図
【図9】モニタに表示される画像を表す図
【図10】処理済画像信号の周波数特性を表す図
【図11】ダイナミックレンジの圧縮率と、圧縮される画像の各濃度レベル(信号値のレベル)との関係を表す圧縮カーブを示す図
【図12】現像処理部を表す図
【符号の説明】
2 光源
3 調光部
4 RGBフィルタ
5 ミラーボックス
6 フイルム
7 レンズ
8 CCD
10 アンプ
11 A/D変換器
15,19,21,23 LUT
13R,13G,13B,14R,14G,14B フレームメモリ
16,17 MTX
18,30 ローパスフィルタ(LPF)
20 加算手段
22,24 D/A変換器
25 モニタ
26 マウス
27 オートセットアップアルゴリズム
100 現像部

Claims (4)

  1. 画像をプレスキャンにより読み取って得たデジタル画像信号のダイナミックレンジに基づいて、前記画像信号の信号値の比較的高い暗部、信号値の比較的低い明部および/または前記画像信号の全体のそれぞれに応じたダイナミックレンジ圧縮率を設定し、前記画像をファインスキャンにより必要な回数だけ繰り返し読み取って得た画像信号を平均化してデジタル画像信号を得、前記設定されたダイナミックレンジ圧縮率により前記平均化して得たデジタル画像信号に対してダイナミックレンジ圧縮処理を施し、該ダイナミックレンジ圧縮処理が施された画像信号に対して階調処理を施して処理済画像信号を得、該処理済画像信号を可視像として再生する画像再生方法において、前記信号値の比較的高い暗部における圧縮率が大きいほど、前記画像のファインスキャンによる読取り回数を増やすことを特徴とする画像再生方法。
  2. 前記信号値の比較的高い暗部における圧縮によって低くなった光学濃度が0.15のN倍であるとき、前記画像のファインスキャンによる読取り回数を2N 回とすることを特徴とする請求項1記載の画像再生方法。
  3. 画像をプレスキャンする手段と、プレスキャンにより読み取って得たデジタル画像信号のダイナミックレンジに基づいて、前記画像信号の信号値の比較的高い暗部、信号値の比較的低い明部および/または前記画像信号の全体のそれぞれに応じたダイナミックレンジ圧縮率を設定する手段と、前記画像をファインスキャンする手段と、複数回のファインスキャンにより読み取って得た画像信号を平均化してデジタル画像信号を得る平均化手段と、前記設定されたダイナミックレンジ圧縮率により前記平均化して得たデジタル画像信号に対してダイナミックレンジ圧縮処理を施す圧縮処理手段と、該ダイナミックレンジ圧縮処理が施された画像信号に対して階調処理を施して処理済画像信号を得る階調処理手段と、該処理済画像信号を可視像として再生する画像再生手段とを備えてなる、覆い焼き処理をする画像再生装置において、前記信号値の比較的高い暗部における圧縮率が大きいほど、前記画像のファインスキャンによる読取り回数を増やす読取り回数決定手段を備えたことを特徴とする画像再生装置。
  4. 前記読取り回数決定手段が、前記信号値の比較的高い暗部における圧縮によって低くなった光学濃度が0.15のN倍であるとき、前記画像のファインスキャンによる読取り回数を2N 回とするものであることを特徴とする請求項3記載の画像再生装置。
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