JP3823596B2 - 動作シミュレーション用データの圧縮方法 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、要求される精度または面分割数に基づいて、精度を優先するか面分割数を優先するかを各オブジェクトごとに選択し、最適な動作シミュレーション用データが得られるようにした動作シミュレーション用データの圧縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、生産設備を設計するに当たり、その設計を効率的に行なえるようにするため、また、その設計の品質を向上させるため、設備を構成する要素(オブジェクト)の形状の定義や製図をコンピュータで行なう3次元CADシステムを用いている。
【0003】
さらに、生産設備を構成するロボットの動作範囲やその動作時間の検討、そのロボットと他の設備との干渉チェックなどを上記3次元CADシステムのCADデータを用いてシミュレーショする動作シミュレーションシステムも用いられている。
【0004】
これらのシステムでは、3次元CADデータを元に、ポリゴンデータ(表示モデル)と称される面分割データを作成する必要がある。
【0005】
面分割の方法によっては、表示の精度に影響を与えるとともに、面分割データの数、すなわち表示データ量にも影響を及ぼす。
【0006】
特に、画面上で3次元の要素が動作する様子を表示する動作シミュレーションシステムでは、表示速度がそのシステムの善し悪しを決定する重要な要素となるため、面分割の方法は、表示データ量を左右するという意味で極めて重要である。
【0007】
従来から用いられている面分割の方法には、図5(A),(B)に示すように、曲面の2方向(uv方向)の分割数を指定する方法(uv法)と、与えられた曲面とポリゴンデータとの許容誤差から分割数を自動的に決定する方法(トレランス法)とがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来から用いられているuv法では、全ての曲面で指定された同一分割数になるので、データサイズとしては小さくなるが、精度上不十分なことが多くなり、精度が要求される複雑な形状の要素に対してこの方法を用いることはできない。
【0009】
また、トレランス法では、指定された許容誤差に基づいて面分割が行なわれるので、曲面によって分割数が異なり、十分な精度が得られるが、データサイズが大きくなる。したがって、画面上で3次元の要素が動作する様子を表示する動作シミュレーションシステムでは、表示速度が遅くなることがあるので、速い表示速度が要求されている場合には、この方法を用いることはできない。
【0010】
なお、従来の動作シミュレーションシステムでは、表示対象となる要素(オブジェクト)の3次元形状データ群の全てに対していずれかの方法を択一的に適用することしかできないので、個々のオブジェクト毎に最適な方法を選択することはできない。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、要求される精度を維持しつつも、データサイズを最小限にし、最適な動作シミュレーション用データが得られるようにした動作シミュレーション用データの圧縮方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、各請求項ごとに次のように構成される。
【0013】
請求項1に記載の発明は、CADデータに基づいて動作シミュレーションする動作シミュレーションシステムに適用される動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、面分割数を指定する段階と、異なるオブジェクト毎にCADデータを取り出す段階と、取り出したCADデータに基づいて予め定められた精度を確保するために必要な面分割数を算出する段階と、指定した面分割数と算出された面分割数とを比較して、取り出したCADデータを少ない面分割数の方で面分割する段階と、を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、CADデータに基づいて動作シミュレーションする動作シミュレーションシステムに適用される動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、最大許容誤差を指定する段階と、異なるオブジェクト毎にCADデータを取り出す段階と、取り出したCADデータに基づいて予め定められた面分割数を確保するために必要な許容誤差を算出する段階と、指定した最大許容誤差と算出された許容誤差とを比較して、取り出したCADデータを小さい許容誤差の方で面分割する段階と、を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載した方法を実行する面分割優先モードまたは請求項2に記載した方法を実行する精度優先モードのいずれかを指定する段階と、面分割優先モードを指定した場合には、請求項1に記載した方法を実行して動作シミュレーション用データを生成し、精度優先モードを指定した場合には、請求項2に記載した方法を実行して動作シミュレーション用データを生成する段階と、を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、前記面分割優先モードまたは前記精度優先モードは、オブジェクト毎に指定できるようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は、次のような効果を奏する。
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、面分割数の少ない方を優先して面分割するようにしたので、表示速度を優先しつつもより精度の良い動作シミュレーションが可能になる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、許容誤差の小さい方を優先して面分割するようにしたので、精度を優先しつつもより表示速度の速い動作シミュレーションが可能になる。
【0020】
請求項3または請求項4に記載の発明によれば、面分割優先モードと精度優先モードを選択できるようにしたので、ユーザーのニーズに対応したモードでの動作シミュレーションが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の動作シミュレーション用データの圧縮方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法を実施する動作シミュレーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図に示すキーボード10は、面分割数または最大許容誤差を入力したり、面分割優先モードと精度優先モードの選択をしたり、これらのモードを全てのオブジェクトに対して適用するのか、オブジェクト毎に適用するのかするを選択する際に用いられるものである。
【0024】
表示装置20は、生成された動作シミュレーションデータに基づいて作成された画像を表示する装置であり、CRTや液晶ディスプレイが該当する。
【0025】
CADデータファイル30は、CADシステムで作成されたCADデータを記憶しているファイルであり、たとえば、図4に示すようなロボット35,36の設置位置に関するデータ、各構成部品の形状に関するデータ、車体37の形状に関するデータなどを記憶している。また、圧縮後の動作シミュレーション用データも記憶する。
【0026】
オブジェクトデータファイル40は、CADデータファイル30に記憶されているCADデータの内、表示対象となる要素がどれであるかを示すデータを記憶している。たとえば、図4に示したロボット36の全体を1つの要素として扱っている場合には、オブジェクトデータファイル40には、ロボット36が1つの要素(オブジェクト)であるということが記憶されている。また、ロボット36のそれぞれのアーム、手首等を1つの要素として扱っている場合には、オブジェクトデータファイル40には、ロボット36のそれぞれのアームが1つの要素(オブジェクト)であり、手首が1つの要素(オブジェクト)であり、これらの集合がロボット36の3次元形状データ群(オブジェクト群)であることが記憶されている。
【0027】
CPU50は、キーボード10からの指示に基づいて、CADデータファイル30とオブジェクトデータファイル40から必要なデータを取り出し、図2及び図3に示したような処理を行なって、その結果を表示装置20に表示させるものであり、本発明の動作シミュレーション用データの圧縮方法を実行するものである。
【0028】
次に、CPU50によって実行される本発明の動作シミュレーション用データの圧縮方法を、図2及び図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0029】
図2に示すフローチャートは、面分割数を優先してデータの圧縮を行なう面分割数優先モードの処理を示すものである。なお、このモードは操作者によるキーボード10の操作によって選択される。また、全てのオブジェクトに対してこのモードを適用するのか、オブジェクト毎にこのモードを適用するのかの選択も行なわれるが、このフローチャートでは全てのオブジェクトに対してこのモードを適用する場合について述べる。
【0030】
まず、操作者は、キーボード10を用いて面分割数nを入力する。たとえば、2次元平面の座標系をu,vとした場合、単位面積当たりu×v=n個の面分割数としたければ、キーボード10からuとvを入力する(S1)。
【0031】
次に、CPU50は、オブジェクトデータファイル40に記憶されている表示対象にするオブジェクト群から、一つのオブジェクトOiを取り出し(S2)、このオブジェクトOiに対して[tol2=F22(Oi,u,v)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してuv法により求めたトレランスtol2を求める。つまり、指定した面分割数nとした場合に、オブジェクトOiに対してどの程度の誤差が発生するのかを求める(S3)。
【0032】
さらに、同一のオブジェクトOiに対して、[n2=F11(Oi,tol2)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してトレランス法での面分割数n2を求める。つまり、予め定められている精度(キーボード10から入力されてCPU50に記憶されている)を確保するために必要な面分割数を算出する(S4)。
【0033】
次に、指定した面分割数nと算出された面分割数n2を比較し、n≧n2であれば、トレランス法で求めた面分割数n2の方が少ないのであるから、少ない面分割数の方、すなわち、トレランス法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S5,S6)。一方、n<n2であれば、指定した面分割数nの方が少ないのであるから、少ない面分割数の方、すなわち、u,v法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S5,S7)。
【0034】
以上のような面分割の処理を、表示対象にするオブジェクトの全てに対し一つ一つ行ない、全てのオブジェクトに対する処理が終了したら、データの圧縮を終了する(S8,S9)。
【0035】
このようにして圧縮された動作シミュレーション用データは、CADデータファイル30に記憶され、動作シミュレーション時には、この圧縮後の動作シミュレーションデータがCPU50によって取り出され、そのデータによる演算結果が表示装置20に表示され、設備間の干渉チェックや動作状況の確認が行なわれることになる。
【0036】
このように、面分割数優先モードでは、同一精度誤差を保証する中で、面分割数の少ない面分割方法で面分割されるので、データサイズが小さくでき、比較的速い表示速度でシミュレーションを行なうことができるようになる。
【0037】
図3に示すフローチャートは、最大許容誤差を優先してデータの圧縮を行なう精度優先モードの処理を示すものである。なお、このモードも操作者によるキーボード10の操作によって選択される。また、全てのオブジェクトに対してこのモードを適用するのか、オブジェクト毎にこのモードを適用するのかの選択も行なわれるが、このフローチャートでは全てのオブジェクトに対してこのモードを適用する場合について述べる。
【0038】
まず、操作者は、キーボード10を用いて最大許容誤差tolを入力する(S11)。
【0039】
次に、CPU50は、オブジェクトデータファイル40に記憶されている表示対象にするオブジェクト群から、一つのオブジェクトOiを取り出し(S12)、このオブジェクトOiに対して[n1=F11(Oi,tol)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してトレランス法により求めた面分割数n1を求める。つまり、指定した最大許容誤差を満足させる最低限の面分割数n1がどの程度の数であるかを求める(S13)。
【0040】
さらに、同一のオブジェクトOiに対して、[tol2=F22(Oi,n1)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してu,v法でのトレランスtol2を求める。つまり、予め定められている面分割数(キーボード10から入力されてCPU50に記憶されている)によって得られる許容誤差を算出する(S14)。
【0041】
次に、指定した最大許容誤差tolと算出された許容誤差tol2を比較し、tol≧tol2であれば、u,v法で求めたトレランスtol2の方が誤差が小さいのであるから、許容誤差の小さい方、すなわち、u,v法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S15,S16)。一方、tol<tol2であれば、指定した最大許容誤差tolの方が誤差が小さいのであるから、許容誤差の小さい方、すなわち、トレランス法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S15,S17)。
【0042】
以上のような面分割の処理を、表示対象にするオブジェクトの全てに対し一つ一つ行ない、全てのオブジェクトに対する処理が終了したら、データの圧縮を終了する(S18,S19)。
【0043】
このようにして圧縮された動作シミュレーション用データは、CADデータファイル30に記憶され、動作シミュレーションをする場合にCPU50によって呼び出される。
【0044】
このように、精度優先モードでは、同一面分割数を保証する中で、誤差のより小さい面分割方法で面分割されるので、表示速度は多少犠牲になる点は否めないが、表示速度の低下を最小限にしつつも高精度のシミュレーションを行なうことができるようになる。
【0045】
なお、以上の実施形態では、全てのオブジェクトに対して面分割数優先モードまたは精度優先モードのいずれかのモードを択一的に適用(キーボード10によって選択できる)しているが、これ以外にも、オブジェクトごとに、面分割数優先モードまたは精度優先モードのいずれかのモードを適用するようにしても良い。このように、オブジェクトごとに適用するモードを変えれば、オブジェクト全体として最適な動作シミュレーション用データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法を実施する動作シミュレーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】 CADデータに含まれるオブジェクト群の説明図である。
【図5】 本発明の方法によって得られた動作シミュレーション用データの説明に供する図である。
【符号の説明】
10 キーボード
20 表示装置
30 CADデータファイル
35,36 ロボット
37 車体
40 オブジェクトデータファイル
50 CPU
【発明の属する技術分野】
本発明は、要求される精度または面分割数に基づいて、精度を優先するか面分割数を優先するかを各オブジェクトごとに選択し、最適な動作シミュレーション用データが得られるようにした動作シミュレーション用データの圧縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、生産設備を設計するに当たり、その設計を効率的に行なえるようにするため、また、その設計の品質を向上させるため、設備を構成する要素(オブジェクト)の形状の定義や製図をコンピュータで行なう3次元CADシステムを用いている。
【0003】
さらに、生産設備を構成するロボットの動作範囲やその動作時間の検討、そのロボットと他の設備との干渉チェックなどを上記3次元CADシステムのCADデータを用いてシミュレーショする動作シミュレーションシステムも用いられている。
【0004】
これらのシステムでは、3次元CADデータを元に、ポリゴンデータ(表示モデル)と称される面分割データを作成する必要がある。
【0005】
面分割の方法によっては、表示の精度に影響を与えるとともに、面分割データの数、すなわち表示データ量にも影響を及ぼす。
【0006】
特に、画面上で3次元の要素が動作する様子を表示する動作シミュレーションシステムでは、表示速度がそのシステムの善し悪しを決定する重要な要素となるため、面分割の方法は、表示データ量を左右するという意味で極めて重要である。
【0007】
従来から用いられている面分割の方法には、図5(A),(B)に示すように、曲面の2方向(uv方向)の分割数を指定する方法(uv法)と、与えられた曲面とポリゴンデータとの許容誤差から分割数を自動的に決定する方法(トレランス法)とがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来から用いられているuv法では、全ての曲面で指定された同一分割数になるので、データサイズとしては小さくなるが、精度上不十分なことが多くなり、精度が要求される複雑な形状の要素に対してこの方法を用いることはできない。
【0009】
また、トレランス法では、指定された許容誤差に基づいて面分割が行なわれるので、曲面によって分割数が異なり、十分な精度が得られるが、データサイズが大きくなる。したがって、画面上で3次元の要素が動作する様子を表示する動作シミュレーションシステムでは、表示速度が遅くなることがあるので、速い表示速度が要求されている場合には、この方法を用いることはできない。
【0010】
なお、従来の動作シミュレーションシステムでは、表示対象となる要素(オブジェクト)の3次元形状データ群の全てに対していずれかの方法を択一的に適用することしかできないので、個々のオブジェクト毎に最適な方法を選択することはできない。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、要求される精度を維持しつつも、データサイズを最小限にし、最適な動作シミュレーション用データが得られるようにした動作シミュレーション用データの圧縮方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、各請求項ごとに次のように構成される。
【0013】
請求項1に記載の発明は、CADデータに基づいて動作シミュレーションする動作シミュレーションシステムに適用される動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、面分割数を指定する段階と、異なるオブジェクト毎にCADデータを取り出す段階と、取り出したCADデータに基づいて予め定められた精度を確保するために必要な面分割数を算出する段階と、指定した面分割数と算出された面分割数とを比較して、取り出したCADデータを少ない面分割数の方で面分割する段階と、を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、CADデータに基づいて動作シミュレーションする動作シミュレーションシステムに適用される動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、最大許容誤差を指定する段階と、異なるオブジェクト毎にCADデータを取り出す段階と、取り出したCADデータに基づいて予め定められた面分割数を確保するために必要な許容誤差を算出する段階と、指定した最大許容誤差と算出された許容誤差とを比較して、取り出したCADデータを小さい許容誤差の方で面分割する段階と、を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載した方法を実行する面分割優先モードまたは請求項2に記載した方法を実行する精度優先モードのいずれかを指定する段階と、面分割優先モードを指定した場合には、請求項1に記載した方法を実行して動作シミュレーション用データを生成し、精度優先モードを指定した場合には、請求項2に記載した方法を実行して動作シミュレーション用データを生成する段階と、を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、前記面分割優先モードまたは前記精度優先モードは、オブジェクト毎に指定できるようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は、次のような効果を奏する。
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、面分割数の少ない方を優先して面分割するようにしたので、表示速度を優先しつつもより精度の良い動作シミュレーションが可能になる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、許容誤差の小さい方を優先して面分割するようにしたので、精度を優先しつつもより表示速度の速い動作シミュレーションが可能になる。
【0020】
請求項3または請求項4に記載の発明によれば、面分割優先モードと精度優先モードを選択できるようにしたので、ユーザーのニーズに対応したモードでの動作シミュレーションが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の動作シミュレーション用データの圧縮方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法を実施する動作シミュレーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図に示すキーボード10は、面分割数または最大許容誤差を入力したり、面分割優先モードと精度優先モードの選択をしたり、これらのモードを全てのオブジェクトに対して適用するのか、オブジェクト毎に適用するのかするを選択する際に用いられるものである。
【0024】
表示装置20は、生成された動作シミュレーションデータに基づいて作成された画像を表示する装置であり、CRTや液晶ディスプレイが該当する。
【0025】
CADデータファイル30は、CADシステムで作成されたCADデータを記憶しているファイルであり、たとえば、図4に示すようなロボット35,36の設置位置に関するデータ、各構成部品の形状に関するデータ、車体37の形状に関するデータなどを記憶している。また、圧縮後の動作シミュレーション用データも記憶する。
【0026】
オブジェクトデータファイル40は、CADデータファイル30に記憶されているCADデータの内、表示対象となる要素がどれであるかを示すデータを記憶している。たとえば、図4に示したロボット36の全体を1つの要素として扱っている場合には、オブジェクトデータファイル40には、ロボット36が1つの要素(オブジェクト)であるということが記憶されている。また、ロボット36のそれぞれのアーム、手首等を1つの要素として扱っている場合には、オブジェクトデータファイル40には、ロボット36のそれぞれのアームが1つの要素(オブジェクト)であり、手首が1つの要素(オブジェクト)であり、これらの集合がロボット36の3次元形状データ群(オブジェクト群)であることが記憶されている。
【0027】
CPU50は、キーボード10からの指示に基づいて、CADデータファイル30とオブジェクトデータファイル40から必要なデータを取り出し、図2及び図3に示したような処理を行なって、その結果を表示装置20に表示させるものであり、本発明の動作シミュレーション用データの圧縮方法を実行するものである。
【0028】
次に、CPU50によって実行される本発明の動作シミュレーション用データの圧縮方法を、図2及び図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0029】
図2に示すフローチャートは、面分割数を優先してデータの圧縮を行なう面分割数優先モードの処理を示すものである。なお、このモードは操作者によるキーボード10の操作によって選択される。また、全てのオブジェクトに対してこのモードを適用するのか、オブジェクト毎にこのモードを適用するのかの選択も行なわれるが、このフローチャートでは全てのオブジェクトに対してこのモードを適用する場合について述べる。
【0030】
まず、操作者は、キーボード10を用いて面分割数nを入力する。たとえば、2次元平面の座標系をu,vとした場合、単位面積当たりu×v=n個の面分割数としたければ、キーボード10からuとvを入力する(S1)。
【0031】
次に、CPU50は、オブジェクトデータファイル40に記憶されている表示対象にするオブジェクト群から、一つのオブジェクトOiを取り出し(S2)、このオブジェクトOiに対して[tol2=F22(Oi,u,v)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してuv法により求めたトレランスtol2を求める。つまり、指定した面分割数nとした場合に、オブジェクトOiに対してどの程度の誤差が発生するのかを求める(S3)。
【0032】
さらに、同一のオブジェクトOiに対して、[n2=F11(Oi,tol2)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してトレランス法での面分割数n2を求める。つまり、予め定められている精度(キーボード10から入力されてCPU50に記憶されている)を確保するために必要な面分割数を算出する(S4)。
【0033】
次に、指定した面分割数nと算出された面分割数n2を比較し、n≧n2であれば、トレランス法で求めた面分割数n2の方が少ないのであるから、少ない面分割数の方、すなわち、トレランス法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S5,S6)。一方、n<n2であれば、指定した面分割数nの方が少ないのであるから、少ない面分割数の方、すなわち、u,v法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S5,S7)。
【0034】
以上のような面分割の処理を、表示対象にするオブジェクトの全てに対し一つ一つ行ない、全てのオブジェクトに対する処理が終了したら、データの圧縮を終了する(S8,S9)。
【0035】
このようにして圧縮された動作シミュレーション用データは、CADデータファイル30に記憶され、動作シミュレーション時には、この圧縮後の動作シミュレーションデータがCPU50によって取り出され、そのデータによる演算結果が表示装置20に表示され、設備間の干渉チェックや動作状況の確認が行なわれることになる。
【0036】
このように、面分割数優先モードでは、同一精度誤差を保証する中で、面分割数の少ない面分割方法で面分割されるので、データサイズが小さくでき、比較的速い表示速度でシミュレーションを行なうことができるようになる。
【0037】
図3に示すフローチャートは、最大許容誤差を優先してデータの圧縮を行なう精度優先モードの処理を示すものである。なお、このモードも操作者によるキーボード10の操作によって選択される。また、全てのオブジェクトに対してこのモードを適用するのか、オブジェクト毎にこのモードを適用するのかの選択も行なわれるが、このフローチャートでは全てのオブジェクトに対してこのモードを適用する場合について述べる。
【0038】
まず、操作者は、キーボード10を用いて最大許容誤差tolを入力する(S11)。
【0039】
次に、CPU50は、オブジェクトデータファイル40に記憶されている表示対象にするオブジェクト群から、一つのオブジェクトOiを取り出し(S12)、このオブジェクトOiに対して[n1=F11(Oi,tol)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してトレランス法により求めた面分割数n1を求める。つまり、指定した最大許容誤差を満足させる最低限の面分割数n1がどの程度の数であるかを求める(S13)。
【0040】
さらに、同一のオブジェクトOiに対して、[tol2=F22(Oi,n1)]の式を適用して、オブジェクトOiに対してu,v法でのトレランスtol2を求める。つまり、予め定められている面分割数(キーボード10から入力されてCPU50に記憶されている)によって得られる許容誤差を算出する(S14)。
【0041】
次に、指定した最大許容誤差tolと算出された許容誤差tol2を比較し、tol≧tol2であれば、u,v法で求めたトレランスtol2の方が誤差が小さいのであるから、許容誤差の小さい方、すなわち、u,v法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S15,S16)。一方、tol<tol2であれば、指定した最大許容誤差tolの方が誤差が小さいのであるから、許容誤差の小さい方、すなわち、トレランス法を用いて全てのオブジェクトに対する面分割を行なう(S15,S17)。
【0042】
以上のような面分割の処理を、表示対象にするオブジェクトの全てに対し一つ一つ行ない、全てのオブジェクトに対する処理が終了したら、データの圧縮を終了する(S18,S19)。
【0043】
このようにして圧縮された動作シミュレーション用データは、CADデータファイル30に記憶され、動作シミュレーションをする場合にCPU50によって呼び出される。
【0044】
このように、精度優先モードでは、同一面分割数を保証する中で、誤差のより小さい面分割方法で面分割されるので、表示速度は多少犠牲になる点は否めないが、表示速度の低下を最小限にしつつも高精度のシミュレーションを行なうことができるようになる。
【0045】
なお、以上の実施形態では、全てのオブジェクトに対して面分割数優先モードまたは精度優先モードのいずれかのモードを択一的に適用(キーボード10によって選択できる)しているが、これ以外にも、オブジェクトごとに、面分割数優先モードまたは精度優先モードのいずれかのモードを適用するようにしても良い。このように、オブジェクトごとに適用するモードを変えれば、オブジェクト全体として最適な動作シミュレーション用データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法を実施する動作シミュレーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明にかかる動作シミュレーション用データの圧縮方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】 CADデータに含まれるオブジェクト群の説明図である。
【図5】 本発明の方法によって得られた動作シミュレーション用データの説明に供する図である。
【符号の説明】
10 キーボード
20 表示装置
30 CADデータファイル
35,36 ロボット
37 車体
40 オブジェクトデータファイル
50 CPU
Claims (4)
- CADデータに基づいて動作シミュレーションする動作シミュレーションシステムに適用される動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、
面分割数を指定する段階と、
異なるオブジェクト毎にCADデータを取り出す段階と、
取り出したCADデータに基づいて予め定められた精度を確保するために必要な面分割数を算出する段階と、
指定した面分割数と算出された面分割数とを比較して、取り出したCADデータを少ない面分割数の方で面分割する段階と、
を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法。 - CADデータに基づいて動作シミュレーションする動作シミュレーションシステムに適用される動作シミュレーション用データの圧縮方法であって、
最大許容誤差を指定する段階と、
異なるオブジェクト毎にCADデータを取り出す段階と、
取り出したCADデータに基づいて予め定められた面分割数を確保するために必要な許容誤差を算出する段階と、
指定した最大許容誤差と算出された許容誤差とを比較して、取り出したCADデータを小さい許容誤差の方で面分割する段階と、
を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法。 - 請求項1に記載した方法を実行する面分割優先モードまたは請求項2に記載した方法を実行する精度優先モードのいずれかを指定する段階と、
面分割優先モードを指定した場合には、請求項1に記載した方法を実行して動作シミュレーション用データを生成し、精度優先モードを指定した場合には、請求項2に記載した方法を実行して動作シミュレーション用データを生成する段階と、
を有することを特徴とする動作シミュレーション用データの圧縮方法。 - 前記面分割優先モードまたは前記精度優先モードは、オブジェクト毎に指定できるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の動作シミュレーション用データの圧縮方法。
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