JP3822897B2 - 光波長多重アクセスシステム - Google Patents

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Description

本発明は、センタ装置(OSU)と複数の光ネットワークユニット(ONU)との間で光信号を双方向に伝送する光波長多重アクセスシステムに関する。
図1に、従来の光波長多重アクセスシステムの構成を示す。この構成は、J.Kani et al.,“A WDM−based optical access network for wide−area gigabit access services”,IEEE Communication Magazine,vol.41,issue 2,S43−S48,February 2003(文献1)に開示されている。光波長多重アクセスシステムは、センタ装置(OSU)50、波長多重分離装置60、および複数の光ネットワークユニット(ONU)70−1〜70−nから構成される。OSU50と波長多重分離装置60との間の多重区間は、OSUから各ONUへの下り光信号を伝送する下り光ファイバ1dと、各ONUからOSUへの上り光信号を伝送する上り光ファイバ1uとを介して接続されている。各ONU70−1〜70−nと波長多重分離装置60との間のアクセス区間は、各ONUへの下り光信号を伝送する下り光ファイバ2d−1〜2d−nと、各ONUからの上り光信号を伝送する上り光ファイバ2u−1〜2u−nとを介して接続されている。
ここでは、OSUからONUへの下り光信号用として1つの波長帯λdを割り当て、ONUからOSUへの上り光信号用として1つの波長帯λu(≠λd)を割り当てる。波長帯λdの波長λd1〜λdnおよび波長帯λuの波長λu1〜λunを、それぞれ各ONUに割り当てる。また、各波長の光信号を合分波する波長多重分離手段として、アレイ導波路回折格子(AWG)を用いる。
OSU50の光送受信器51−1〜51−nは、各ONUに送信する波長帯λdの波長λd1〜λdnの下り光信号を送信する。下り光信号は、下りAWG52で波長多重される。上り信号用光キャリア発生部(OCSM)53は、各ONUに送信する波長帯λuの波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを一括発生する。下り光信号と上り信号用光キャリアとは、WDMカプラ54で波長多重され、下り光ファイバ1dを介して波長多重分離装置60へ伝送される。
波長多重分離装置60のWDMカプラ61は、波長帯λdの下り光信号と波長帯λuの上り信号用光キャリアを分波する。下りAWG62は、波長λd1〜λdnの下り光信号を分波し、上り信号用光キャリアAWG63は波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを分波する。各々のONUに送信する波長λd1〜λdnの下り光信号及び波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアは、WDMカプラ64−1〜64−nでそれぞれ個別に波長多重される。波長多重された下り光信号及び上り信号用光キャリアは、下り光ファイバ2dを介してそれぞれ対応するONU70−1〜70−nへ伝送される。
ONU70−1の光送受信器71は、伝送された波長λd1の下り光信号と波長λu1の上り信号用光キャリアを分波し、波長λd1の下り光信号を受信する。一方、光送受信器71は、波長λu1の上り信号用光キャリアを変調し、折り返し上り光信号として上り光ファイバ2uを介して波長多重分離装置60へ送信する。他のONUについても同様である。各ONUから送信された波長λu1〜λunの上り光信号は、波長多重分離装置60の上りAWG65で波長多重され、上り光ファイバ1uを介してOSU50へ伝送される。上り光信号は、OSU50の上りAWG55で分波され、各ONUに対応する光送受信器51−1〜51−nに受信される。
ここで、下り光信号の波長帯λd(波長λd1〜λdn)と、上り信号用光キャリアの波長帯λu(波長λu1〜λun)とは、図1に示すように、波長軸上(または光周波数軸上、光周波数=光速/波長)で重ならないように配置される。波長多重分離装置60の下りAWG62及び上り信号用光キャリアAWG63として、FSR(フリースペクトルレンジ)間隔の波長を同時に合分波する特性を有するAWGを用いる。下り光信号(例えばλd1)と上り信号用光キャリア(例えばλu1)の波長間隔をFSRに設定した場合には、AWGにおいて同じポートに分波することができるので、1つのAWGで対応することができる。この場合には、WDMカプラ61,64−1〜64−nが不要となる。
ところで、OSU50と波長多重分離装置60との間の多重区間にファイバ断等の障害が発生すると、全ONUとの通信が断になる。このため、多重区間に現用および予備の光ファイバを配置し、OSU50と波長多重分離装置60に予備光ファイバへの切替機能を搭載し、多重区間の二重化を実現することが望まれている。
図2に、一般的な二重化システムの構成を示す。対向する伝送装置81,82は、現用光ファイバ83および予備光ファイバ84を介して接続されている。伝送装置81の光送受信部85から送信された光信号は、光カプラ86−1で2分岐され、現用光ファイバ83および予備光ファイバ84の双方を介して伝送装置82に伝送される。伝送装置82の光スイッチ87−1において、一方(現用系)の光ファイバが選択されて光送受信部88に受信される。逆方向についても同様である。
OSU50と波長多重分離装置60との間の多重区間において、図2に示した光スイッチを用いる切替方式による二重化を行うと、本来は動的な機能を必要としない波長多重分離装置60に動的な機能(光スイッチ)が必要になる。そのため、波長多重分離装置60における切替制御等のために、新たな制御手段が必要になり、システム全体が複雑化する。
本発明の目的は、波長多重分離装置に光スイッチ等の動的な機能を追加することなく、OSUと波長多重分離装置との間の多重区間の二重化を実現する。
このような目的を達成するために、本発明にかかる第1の実施形態は、センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が現用系光ファイバおよび予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
前記OSUは、前記各ONUへの下り光信号を前記現用系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1〜λdnの下り光信号を波長多重し、前記予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号を波長多重し、前記現用系光ファイバまたは前記予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ前記現用系光ファイバを介して伝送された波長λu1〜λunの上り光信号または前記予備系光ファイバを介して伝送された波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を受信する受信手段を含み、
前記各ONUは、前記アクセス区間の光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの中の対応する下り光信号または波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λunの中の対応する上り光信号、または前記予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1+Δλの中の対応する上り光信号をそれぞれ前記アクセス区間の光ファイバへ送信する構成であり、
前記波長多重分離装置は、前記現用系光ファイバと前記予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する光ファイバに接続されるnポートを有するアレイ導波路回折格子(AWG)を備え、前記現用系光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの下り光信号または前記予備系光ファイバから入力する波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、各ONUに対応する光ファイバから入力する波長λu1〜λunの上り光信号または波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を前記現用系光ファイバに対応するポートまたは前記予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であり、
前記各ONUに対応する下り光信号と上り光信号の波長差が前記AWGのフリースペクトルレンジ(FSR)の整数倍とすることを特徴とする。
また、本発明にかかる第2の実施形態は、センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が下り現用系光ファイバ、上り現用系光ファイバ、下り予備光ファイバおよび上り予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ下り光ファイバおよび上り光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
前記OSUは、前記各ONUへの下り光信号を前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1〜λdnの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの下り光信号を波長多重し、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ前記上り現用系光ファイバを介して伝送された波長λu1〜λunの上り光信号または前記上り予備系光ファイバを介して伝送された波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り光信号を受信する受信手段を含み、
前記各ONUは、前記アクセス区間の下り光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの中の対応する下り光信号または波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記上り現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λunの中の対応する上り光信号、または前記上り予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの中の対応する上り光信号をそれぞれ上り光ファイバへ送信する構成であり、
前記波長多重分離装置は、前記下り現用系光ファイバと前記下り予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する下り光ファイバに接続されるnポートを有する下りアレイ導波路回折格子(下りAWG)と、前記上り現用系光ファイバと前記上り予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する上り光ファイバに接続されるnポートを有する上りアレイ導波路回折格子(上りAWG)とを備え、前記下りAWGに前記下り現用系光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの下り光信号または前記下り予備系光ファイバから入力する波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、前記上りAWGに前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λu1〜λunの上り光信号または波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り光信号を前記上り現用系光ファイバまたは前記上り予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であることを特徴とする。
図1は、従来の光波長多重アクセスシステムの構成を示す図。
図2は、一般的な二重化システムの構成を示す図。
図3は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第1の実施形態を示す図。
図4A及び4Bは、第1の実施形態の波長割当の第1例を示す図。
図5A及び5Bは、第1の実施形態の波長割当の第2例を示す図。
図6は、第1の実施形態の現用予備切替構成の一例を示す図。
図7は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第2の実施形態を示す図。
図8A及び8Bは、第2の実施形態の波長割当を示す図。
図9は、第2の実施形態の現用予備切替構成の第1例を示す図。
図10は、第2の実施形態の現用予備切替構成の第2例を示す図。
図11は、第2の実施形態の現用予備切替構成の第3例を示す図。
図12は、第2の実施形態の現用予備切替構成の第4例を示す図。
図13は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第3の実施形態を示す図。
図14A乃至14Cは、第3の実施形態の波長割当を示す図。
図15A乃至15Cは、第4の実施形態の波長割当例を示す図。
図16は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第5の実施形態を示す図。
図17は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第6の実施形態を示す図。
図18は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第7の実施形態を示す図。
図19は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第9の実施形態を示す図。
図20は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第10の実施形態を示す図。
図21は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第11の実施形態を示す図。
図22は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第12の実施形態を示す図。
(第1の実施形態)
(波長割当)
図3に、本発明の光波長多重アクセスシステムの第1の実施形態を示す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、センタ装置(OSU)10、波長多重分離装置20、および複数の光ネットワークユニット(ONU)30−1〜30−nから構成される。OSU10と波長多重分離装置20との間の多重区間は、OSU10から各ONU30への下り光信号および各ONU30からOSU10への上り光信号を伝送する現用系光ファイバ101および予備系光ファイバ102を介して接続されている。各ONU30−1〜30−nと波長多重分離装置20との間のアクセス区間は、各ONUへの下り光信号および各ONUからの上り光信号を伝送する光ファイバ103−1〜103−nを介して接続される。
OSU10は、各ONUに対応する現用系の光送受信器11−1w〜11−nwおよび予備系の光送受信器11−1p〜11−npと、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwから送信された波長λd1〜λdnの下り光信号を現用系光ファイバ101に波長多重し、現用系光ファイバ101から入力する波長λu1〜λunの上り光信号を現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに分離する現用系AWG12wと、予備系の光送受信器11−1p〜11−npから送信された波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号を予備系光ファイバ102に波長多重し、予備系光ファイバ102から入力する波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を予備系の光送受信器11−1p〜11−npに分離する予備系AWG12pとを備える。
各ONU30−1〜30−nの光送受信回路31は、アクセス区間の光ファイバ103から入力する波長λd1〜λdnの下り光信号または波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号を受信する。さらに、多重区間の現用系光ファイバ101を介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λunの上り光信号、または予備系光ファイバ102を介して上り光信号を伝送するときは波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を選択し、アクセス区間の光ファイバ103へ送信する。
波長多重分離装置20は、1つのAWG21から構成される。AWG21は、多重区間の現用系光ファイバ101と予備系光ファイバ103に接続される2つのポートW,Pと、アクセス区間の各ONUに対応する光ファイバ103−1〜103−nに接続されるn個のポート#1〜#nを有する。現用系光ファイバからポートWに入力する波長λd1〜λdnの下り光信号または予備系光ファイバからポートPに入力する波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号は、ともに各ONUに対応するポート#1〜#nに分波される。また、各ONUに対応する光ファイバ103からポート#1〜#nに入力する波長λu1〜λunの上り光信号は、現用系光ファイバ101に対応するポートWに合波され、波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号は、予備系光ファイバ102に対応するポートPに合波される。
図4Aに、AWG21のポートW,Pと、ポート#1〜#nの波長割当例を示す。例えば、現用系光ファイバ101からポートWに入力する波長λd1の下り光信号と、予備系光ファイバ102からポートPに入力する波長λd1+Δλの下り光信号とを、ポート#1に出力させる。ONU30−1からポート#1に入力する波長λu1の上り光信号またはλu1+Δλの上り光信号を、それぞれポートWとポートPに出力させる。
このためには、AWGのフリースペクトルレンジ(FSR)を考慮して波長を割り当てる。AWGの回析次数は任意の整数であり、1つのAWGにおいて複数の中心波長が存在する。ここで、1つのAWGにおいて重複なく使用できる帯域をFSRといい、このFSRごとに繰り返す性質を利用する。すなわち、図4Bに示すようにλd1とλu1との間をAWG21のFSRの整数倍(aFSR)の差とし、ポートW,Pが現用系と予備系の波長差Δλに応じた位置に設定される。なお、現用系と予備系の波長差Δλは、正負のいずれであってもよく、mFSR(mは整数)を加えてもよい。
なお、本明細書において、波長λは周波数fに置き換えることができる。波長差Δλについては、波長が異なると、波長差Δλと周波数差Δfとの比が変わるため、厳密には等しく置き換えることはできないが、波長差Δλを周波数差Δfに置き換えることも、本発明の範囲に含まれることは当業者に明らかである。
図5Aに、波長割当例の他の例を示す。AWG21で分波する現用系の下り光信号の波長λd1,λd2,…,λdnの波長間隔および現用系の上り光信号の波長λu1,λu2,…,λunの波長間隔と、現用系と予備系の波長差Δλとを一致さる。このようにして、予備系の下り光信号の波長はλd2,λd3,…,λdn+1となり、予備系の上り光信号の波長はλu2,λu3,…,λun+1となる。図5Bに示すように、λdn+1=λd1+FSRとすることにより、ONU30−nに対応する予備系の下り光信号の波長λdn+1をλd1とすることができる。同様に、λun+1=λu1+FSRとすることにより、ONU30−nに対応する予備系の上り光信号の波長λun+1をλu1とすることができる。
本実施形態では、下り光信号と上り光信号の波長差をaFSRとし、かつ現用系と予備系の波長差をΔλ(+mFSR)とすることにより、多重区間の光ファイバを二重化しながら1つのAWGで現用系と予備系の切り替えを受動的に行うことができる。すなわち、OSU10は、各ONU30−1〜30−nへの下り光信号を現用系光ファイバ101を介して伝送するときは、各ONUに対応する波長λd1〜λdnの下り光信号を波長多重して送信し、予備系光ファイバ102を介して伝送するときは、各ONUに対応する波長λd1+Δλ(またはλd2)〜λdn+Δλ(またはλdn+1)の下り光信号を波長多重して送信する。一方、各ONU30−1〜30−nは、多重区間の現用系光ファイバ101を介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λunの上り光信号を送信し、予備系光ファイバ102を介して上り光信号を伝送するときは波長λu1+Δλ(またはλu2)〜λun+Δλ(またはλun+1)の上り光信号を送信すればよい。このような波長選択により、波長多重分離装置20は、受動的に現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(光スイッチによる現用予備切替構成)
現用系光ファイバ101または予備系光ファイバ102のいずれかを選択して送受信する手段について説明する。図6に、第1の実施形態において光スイッチを適用した現用予備切替構成を示す。
OSU10は、現用系光ファイバ101と現用系AWG12wとの間の入出力をON/OFFする光スイッチ16wと、予備系光ファイバ102と予備系AWG12pとの間の入出力をON/OFFする光スイッチ16pをさらに備える。また、OSU10は、現用系光ファイバ101を監視する波長λs0、および予備系光ファイバ102を監視する波長λs1の監視光を出力する監視光源15と、現用系光ファイバ101および予備系光ファイバ102を伝送した後の波長λs0及び波長λs1の監視光を検出し、切替信号を送信する監視制御部14とを備えている。現用系光ファイバ101には、波長λs0を合分波する合分波器13w,23wを備え、予備系光ファイバ102には、波長λs1を合分波する合分波器13p,23pを備えている。
監視光源15から出力された波長λs0(波長λs1)の監視光は、合波器13w(13p)にて現用系光ファイバ101(予備系光ファイバ101)に波長λd1〜λdnの下り光信号(波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号)と波長多重される。波長多重分離装置20の合分波器23w(23p)において、監視光は、ミラーまたはフィルタ等にて反射され、再度、合分波器23w(23p)にて現用系光ファイバ101に出力される。合分波器13w(13p)にて監視光のみ取り出され、監視制御部14へ入力される。
本実施形態において、現用系光ファイバ101を運用する場合には、光スイッチ16wをON状態、光スイッチ16pをOFF状態にすることで、波長λd1〜λdnの下り光信号および波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を用いて、OSU10と各ONU30との間の通信を行う。多重区間の現用系光ファイバ101に故障が発生すると、監視制御部14から、光スイッチ16w,16pへ切替信号を送信し、光スイッチ16wをOFF状態、光スイッチ16pをON状態にすることで予備系光ファイバ102に切替える。
また、OSU10内の現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16w,16pの状態を切替えて、予備系の光送受信器11−1p〜11−npに切替えることができる。
なお、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwまたは予備系の光送受信器11−1p〜11−npの一方をオン、他方をオフとする構成、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwまたは予備系の光送受信器11−1p〜11−npに入出力する電気信号を切り替える構成などを適用することもできる。
(第2の実施形態)
(波長割当)
図7に、本発明の光波長多重アクセスシステムの第2の実施形態を示す。なお説明の便宜上、波長λの添え字を、現用系の光信号λd1〜λdn/λu1〜λunを、λdw1〜λdwn/λuw1〜λuwnとし、予備系の光信号λd1+Δλ〜λdn+Δλ/λu1+Δλ〜λun+Δλをλdp1〜λdpn/λup1〜λupnとする。
本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、センタ装置(OSU)10、波長多重分離装置20、および複数の光ネットワークユニット(ONU)30−1〜30−nから構成される。OSU10と波長多重分離装置20との間の多重区間は、OSUから各ONUへの下り光信号を伝送する下り現用系光ファイバ111および下り予備系光ファイバ121と、各ONUからOSUへの上り光信号を伝送する上り現用系光ファイバ112および上り予備系光ファイバ122を介して接続されている。各ONU30−1〜30−nと波長多重分離装置20との間のアクセス区間は、各ONUへの下り光信号を伝送する下り光ファイバ131−1〜131−nと、各ONUからの上り光信号を伝送する上り光ファイバ132−1〜132−nを介して接続される。
OSU10は、各ONU30に対応する現用系の光送受信器11−1w〜11−nwおよび予備系の光送受信器11−1p〜11−npと、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwから送信された波長λdw1〜λdwnの下り光信号を下り現用系光ファイバ111に波長多重する下り現用系AWG12dwと、上り現用系光ファイバ112から入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号を現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに分離する上り現用系AWG12uwとを備えている。また、OSU10は、予備系の光送受信器11−1p〜11−npから送信された波長λdp1〜λdpnの下り光信号を下り予備系光ファイバ121に波長多重する下り予備系AWG12dpと、上り予備系光ファイバ122から入力する波長λup1〜λupnの上り光信号を予備系の光送受信器11−1p〜11−npに分離する上り予備系AWG12upとを備えている。
さらに、OSU10は、波長λdw1〜λdwn及び波長λuw1〜λuwnとは異なる波長λs0の現用系監視光、および波長λdp1〜λdpn及び波長λup1〜λupnとは異なる波長λs1の予備系監視光を出力する光源15と、現用系光ファイバおよび予備系光ファイバを伝送した後の波長λs0及び波長λs1の監視光を検出し、切替信号を送信する監視制御部14とを備えている。
下り現用系光ファイバ111または下り予備系光ファイバ121のいずれかを選択して送信する手段は、監視制御部14からの切替信号に応じて、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwまたは予備系の光送受信器11−1p〜11−npの一方をオン、他方をオフとする構成、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwまたは予備系の光送受信器11−1p〜11−npに入力する電気信号を切り替える構成とすることができる。また、上り現用系光ファイバ112または上り予備系光ファイバ122のいずれかを選択して受信する手段は、監視制御部14からの切替信号に応じて、現用系光受信器11−1w〜11−nwまたは予備系光送信器11−1p〜11−npの一方をオン、他方をオフとするとする構成、現用系光受信器11−1w〜11−nwまたは予備系光受信器11−1p〜11−npから出力する電気信号を切り替える構成等とすることができる
各ONU30−1〜30−nの光送受信回路31は、アクセス区間の下り光ファイバ131から入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号または波長λdp1〜λdpnの下り光信号を受信する。さらに、多重区間の上り現用系光ファイバ112を介して上り光信号を伝送するときは波長λuw1〜λuwnの上り光信号、または上り予備系光ファイバ122を介して上り光信号を伝送するときは波長λup1〜λupnの上り光信号を選択し、アクセス区間の上り光ファイバへ送信する。
波長多重分離装置20は、下りAWG22dおよび上りAWG22uから構成される。下りAWG22dは、多重区間の下り現用系光ファイバ111と下り予備系光ファイバ121に接続される2つのポートW,Pと、アクセス区間の各ONUに対応する下り光ファイバ131に接続されるn個のポート#1〜#nを有する。上りAWG22uは、アクセス区間の各ONUに対応する上り光ファイバ132に接続されるn個のポート#1〜#nと、多重区間の上り現用系光ファイバ112と上り予備系光ファイバ122に接続される2つのポートW,Pとを有する。
下りAWG22dのポートWに下り現用系光ファイバ111から入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号、またはポートPに下り予備系光ファイバ112から入力する波長λdp1〜λdpnの下り光信号は、各ONUに対応するポート#1〜#nに分波される。また、各ONUに対応する光ファイバから上りAWG22uのポート#1〜#nに入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号は上り現用系光ファイバ112に対応するポートWに合波され、波長λup1〜λupnの上り光信号は上り予備系光ファイバ122に対応するポートPに合波される。
また、光ファイバ等の損失増大により光増幅器の使用が必要な場合は、下り現用系(または予備系)光ファイバに対しては、AWG22dのポートW(またはP)の直前に多重された下り光信号を一括増幅する光増幅器を接続してもよい。同様にして、上り現用系(または予備系)光ファイバに対しては、AWG22uのポートW(またはP)の直後に多重された上り光信号を一括増幅する光増幅器を接続してもよい。
下り現用系光ファイバ111には、波長λs0の監視光と波長λdw1〜λdwnの下り信号光を多重する合波器13dwと、波長λs0の監視光と波長λdw1〜λdwnの下り信号光を分離する分波器23dwを備える。上り現用系光ファイバ112には、波長λs0の監視光と波長λuw1〜λuwnの上り信号光を多重する合波器23uwと、波長λs0の監視光と波長λuw1〜λuwnの上り信号光を分離する分波器13uwを備える。下り予備系光ファイバ121には、波長λs1の監視光と波長λdp1〜λdpnの下り信号光を多重する合波器13dpと、波長λs1の監視光と波長λdp1〜λdpnの下り信号光を分離する分波器23dpを備える。上り予備系光ファイバ122には、波長λs1の監視光と波長λup1〜λupnの上り信号光を多重する合波器23upと、波長λs1の監視光と波長λup1〜λupnの上り信号光を分離する分波器13upを備える。
現用系光ファイバに故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、各ONU30−1〜30−nへの下り光信号を下り予備系光ファイバ121を介して伝送する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を波長多重して送信すればよい。一方、各ONU30−1〜30−nの光送信器31は、多重区間の上り現用系光ファイバ112を介して伝送する波長λuw1〜λuwnの上り光信号と、上り予備系光ファイバ122を介して伝送する波長λup1〜λupnの上り光信号を送信し、監視制御部14からの切替信号に応じて、受信する光受信器11−1w〜11−nwまたは11−1p〜11−npを選択し、波長λuw1〜λuwnの上り光信号または波長λup1〜λupnの上り光信号を受信する。
図8Aに、第2の実施形態の波長割当を示す。波長λdw1〜λdwnを1570.4〜1582.9nm、波長λuw1〜λuwnを1546.3〜1561.4nmとし、波長λdp1〜λdpnを1590.4〜1603.2nm、波長λup1〜λupnを1530.3〜1542.1nmとする。波長λs0は1510nm、波長λs1は1520nmとして、すべての波長に異なる帯域を割り当てることができる。
図8Bに、波長割当例の他の例を示す。波長λdw1〜λdwnを1570.4〜1582.9nm、波長λuw1〜λuwnを1549.3〜1561.3nmとし、波長λdp1〜λdpnを1571.2〜1583.7nm、波長λup1〜λupnを1550.1〜1562.2nmとする。波長λs0は1510nm、波長λs1は1510nmとして、現用系、予備系の波長帯域を重ねたり、λs0とλs1とを同一波長に割り当てることもできる。
図8Aおよび図8Bのいずれの場合も、第1の実施形態と同様に、現用系と予備系の波長差Δλは、AWG22のポート位置に応じて設定される。なお、現用系、予備系の波長帯域を重ねる場合、光送受信器に故障が発生した時には、故障した光送受信器のみを切り替えるのではなく、すべての光送受信器を切替える。
本実施形態では、下りAWG22dと上りAWG22uが互いに独立しているので、第1の実施形態のように下り光信号と上り光信号の波長差をaFSRとする必要がなく、任意に設定することができる。これにより、多重区間の光ファイバを二重化しながら2つのAWGで現用系と予備系の切り替えを受動的に行うことができる。
(光スイッチによる現用予備切替構成)
図9に、第2の実施形態において光スイッチを適用した現用予備切替構成を示す。OSU10は、波長λdw1〜λdwnの下り光信号の下り現用系光ファイバ111への出力をON/OFFする光スイッチ16dwと、上り現用系光ファイバ112から入力される波長λuw1〜λuwnの上り光信号の上り現用系分波器12uwへの出力をON/OFFする光スイッチ16uwとをさらに備える。OSU10は、波長λdp1〜λdpnの下り光信号の下り予備系光ファイバ121への出力をON/OFFする光スイッチ16dpと、上り予備系光ファイバ122から入力される波長λup1〜λupnの上り光信号の上り予備系分波器12upへの出力をON/OFFする光スイッチ16upとをさらに備える。
本実施形態において、下り現用系光ファイバ111を介して伝送するときは、光スイッチ16dwをON状態、光スイッチ16dpをOFF状態にし、下り予備系光ファイバ121を介して伝送するときは、光スイッチ16dwをOFF状態、光スイッチ16dpをON状態にする。また、各ONU30から送信された上り現用系光ファイバ112を伝送する上り光信号を選択して受信する時には、光スイッチ16uwをON状態、光スイッチ16upをOFF状態にし、各ONU30から送信された上り予備系光ファイバ122を伝送する上り光信号を選択して受信する時には、光スイッチ16uwをOFF状態、光スイッチ16upをON状態にする。
下り現用系光ファイバ111に故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16dw,16dpの状態を切替えて、各ONU30への下り光信号を下り予備系光ファイバ112を介して伝送する。また、各ONU30の光送受信器31は、多重区間の上り現用系光ファイバ112を介して伝送する波長λuw1〜λuwnの上り光信号と、上り予備系光ファイバ122を介して伝送する波長λup1〜λupnの上り光信号とを送信し、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16uw,16upの状態を切替えて、波長λu1〜λunの上り光信号または波長λup1〜λupnのいずれかの上り光信号を受信する。
また、OSU10内の現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16の状態を切替えて、予備系の光送受信器11−1p〜11−npに切替えることができる。波長多重分離装置20が受動的な部品のみからなる構成で、多重区間の光ファイバおよびOSU10内の光送受信器の現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(光スイッチとループバックによる現用予備切替構成)
図10に、第2の実施形態において光スイッチを適用し、ループバックを利用して現用予備切替を行う構成を示す。上述した実施例は、各ONU30が光源を有し、その光源から出力される光キャリアを変調して、上り光信号を生成する構成であったが、以下に示す実施例は、OSU10から各ONU30に光キャリアを供給し、各ONU30で供給された光キャリアを変調し、上り光信号として折り返す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、図9に示した実施例と同様の構成であるが、OSU10から各ONU30に上り信号用光キャリアを供給するための構成が加わる。
OSU10は、下り現用系光ファイバ111を介して各ONU30に供給する波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを一括生成する光キャリア発生部(OCSM)19wと、この上り信号用光キャリアを下り現用系光ファイバ111に波長多重するWDMカプラ13cwと、予備系光ファイバ121を介して各ONU30に供給する波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを一括生成する光キャリア発生部(OCSM)19pと、この上り信号用光キャリアを下り予備系光ファイバ121に波長多重するWDMカプラ13cpとをさらに備える。
このような光キャリア発生部(OCSM)としては、例えば波長が異なる複数の単一波長レーザ光源と、その出力光を合波する光合波器から構成される多波長光源、あるいは文献1に記載される多波長一括発生光源を用いることができる。
OSU10は、波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを下り現用系光ファイバ111に波長多重するWDMカプラ13cwと、波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを下り予備系光ファイバ121に波長多重するWDMカプラ13cpとをさらに備える。AWG17cは、多重区間の下り現用系光ファイバ111と下り予備系光ファイバ121に接続される2つのポートW,Pと、各上り信号用光キャリアを出力する波長可変光源19−1〜19−nに接続されるn個のポート#1〜#nを有する。
各ONU30−1〜30−nの光送受信回路31は、OSU10から供給された波長λuw1〜λuwnまたは波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを上り信号で変調する光変調器を含む。
波長多重分離装置20のAWG22dは、下り現用系光ファイバ111から入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを、ポートWから各ONU30に対応するポート#1〜#nに分波し、下り予備系光ファイバ121から入力する波長λdp1〜λdpnの下り光信号はおよび波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを、ポートPから各ONU30に対応するポート#1〜#nに分波する。
本実施形態において、現用系光ファイバ101を運用する場合には、光送受信器18−1〜18−n、および波長可変光源19−1〜19−nからそれぞれ波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを送信する。波長λdw1〜λdwnの下り光信号は、下りAWG17dにて波長多重され、下り現用系光ファイバ111に出力される。波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアは、AWG17cにて波長多重され、WDMカプラ13cwにて下り現用系ファイバ111に出力される。上り信号用光キャリアは、各ONU30内の光変調器にて上り信号で変調された後、波長多重分離装置20へ出力される。
下り現用系光ファイバ111に故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16dw,16dpの状態を切替えて、各ONU30への下り光信号を下り予備系光ファイバ112を介して伝送する。また、各ONU30の光送受信器31は、多重区間の上り現用系光ファイバ112を介して伝送する波長λuw1〜λuwnの上り光信号と、上り予備系光ファイバ122を介して伝送する波長λup1〜λupnの上り光信号とを送信し、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16uw,16upの状態を切替えて、波長λu1〜λunの上り光信号または波長λup1〜λupnのいずれかの上り光信号を受信する。
また、OSU10内の現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、光スイッチ16の状態を切替えて、予備系の光送受信器11−1p〜11−npに切替えることができる。波長多重分離装置20が受動的な部品のみからなる構成で、多重区間の光ファイバおよびOSU10内の光送受信器の現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(波長可変による現用予備切替構成)
図11は、第2の実施形態において光送受信器の波長を可変することによって現用予備切替を行う構成を示す。OSU10は、各ONU30に対応する波長λdw1〜λdwn、および波長λdp1〜λdpnのうちλdwkもしくはλdpk(kは1以上n以下の整数、λdpk=λdwk+Δλd(Δλdは一定値))のいずれかの波長を選択して下り光信号を送信し、波長λuw1〜λuwnまたは波長λup1〜λupnの上り光信号を受信する光送受信器18−1〜18−nと、下りAWG17dおよび上りAWG17uとを備える。
下りAWG17dは、多重区間の下り現用系光ファイバ111と下り予備系光ファイバ121に接続される2つのポートW,Pと、光送受信器18−1〜18−nの出力ポートに接続されるn個のポート#1〜#nを有する。上りAWG17uは、光送受信器18−1〜18−nの出力ポートに接続されるn個のポート#1〜#nと、多重区間の上り現用系光ファイバ112と上り予備系光ファイバ122に接続される2つのポートW,Pとを有する。
各ONU30−1〜30−nは、波長λuw1〜λuwn、および波長λup1〜λupnのうちλupkもしくはλupk(kは1以上n以下の整数、λupk=λuwk+Δλu(Δλuは一定値))のいずれかの波長を選択して上り光信号を送信する光送受信器31を備える。
下り現用系光ファイバ111を伝送する時には、OSU10内の光送受信器18−1〜18−nは、波長λdw1〜λdwnの下り光信号を選択して送信し、下りAWG17dにおいて波長多重され、下り現用系光ファイバ111を伝送する。下り光信号は、波長多重分離装置20内の下りAWG22dにて分波され、各ONU30内の光送受信器31にて受信される。上り現用系光ファイバ112を伝送する時には、各ONU30内の光送受信器31は、波長λuw1〜λuwnの上り光信号を選択して送信し、波長多重分離装置20内の上りAWG22uにおいて波長多重され、上り現用光ファイバ112を伝送後する。上り光信号は、OSU10内の下りAWG17uにて分波され、OSU10内の光送受信器18−1〜18−nにて受信される。
現用系光ファイバに故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号に応じて、OSU10内の光送受信器18−1〜18−nが選択する波長をλdp1〜λdpnに変化させることにより、下り光信号を下りAWG17dのポートPに出力し、下り予備系光ファイバ121を伝送させる。同様にして、各ONU30内の光送受信器31から送信される上り光信号も、波長をλup1〜λupnに変化させることにより、上り予備系光ファイバ122を伝送させる。
但し、監視制御部14から各ONU30内の光送受信器31への切替信号の伝達手段は、まず、監視制御部14からの切替信号をOSU10内の光送受信器18−1〜18−nに送信する。光送受信器18−1〜18−nは、切替信号を下り信号の空きフレーム内に挿入して、各ONU30内の光送受信器31へ伝達する。なお、光送受信器18−1〜18−nの故障に対しては、光送受信器を二重化構成とし、現用系、予備系の切替を行う光スイッチを用いることにより対応することができる。
(波長可変とループバックによる現用予備切替構成)
図12に、第2の実施形態において光送受信器の波長を可変し、ループバックを利用して現用予備切替を行う構成を示す。上述した実施例は、各ONU30が光源を有し、その光源から出力される光キャリアを変調して、上り光信号を生成する構成であったが、以下に示す実施例は、OSU10から各ONU30に光キャリアを供給し、各ONU30で供給された光キャリアを変調し、上り光信号として折り返す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、図11に示した実施例と同様の構成であるが、OSU10から各ONU30に上り信号用光キャリアを供給するための構成が加わる。
OSU10は、下り現用系光ファイバ111を介して各ONU30に供給する波長λuwk(kは1以上n以下の整数)または波長λupk(=λuwk+Δλu、kは1以上n以下の整数)のいずれかの上り信号用光キャリアを選択して出力する波長可変光源19−1〜19−nと、波長可変光源19−1〜19−nから送信された波長λuw1〜λuwnまたは波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを、下り現用系光ファイバ111と下り予備系光ファイバ121とに多重して出力するAWG17cとをさらに備える。
OSU10は、波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを下り現用系光ファイバ111に波長多重するWDMカプラ13cwと、波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを下り予備系光ファイバ121に波長多重するWDMカプラ13cpとをさらに備える。AWG17cは、多重区間の下り現用系光ファイバ111と下り予備系光ファイバ121に接続される2つのポートW,Pと、各上り信号用光キャリアを出力する波長可変光源19−1〜19−nに接続されるn個のポート#1〜#nを有する。
各ONU30−1〜30−nの光送受信回路31は、OSU10から供給された波長λuw1〜λuwnまたは波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを、上り信号で変調する光変調器を含む。
波長多重分離装置20のAWG22dは、下り現用系光ファイバ111から入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを、ポートWから各ONU30に対応するポート#1〜#nに分波し、下り予備系光ファイバ121から入力する波長λdp1〜λdpnの下り光信号はおよび波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを、ポートPから各ONU30に対応するポート#1〜#nに分波する。
本実施形態において、現用系光ファイバ101を運用する場合には、光送受信器18−1〜18−n、および波長可変光源19−1〜19−nからそれぞれ波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを送信する。波長λdw1〜λdwnの下り光信号は、下りAWG17dにて波長多重され、下り現用系光ファイバ111に出力される。波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアは、AWG17cにて波長多重され、WDMカプラ13cwにて下り現用系ファイバ111に出力される。上り信号用光キャリアは、各ONU30内の光変調器にて上り信号で変調された後、波長多重分離装置20へ出力される。
現用系光ファイバに故障が発生した場合には、監視制御部14からの切替信号が、光送受信器18−1〜18−nおよび波長可変光源19−1〜19−nに入力される。それぞれ波長λdp1〜λdpnの下り光信号および波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを変化させることで、運用する光ファイバを予備系光ファイバへと切替える。また、光送受信器18−1〜18−nの故障に対しては、光送受信器を二重化構成とし、現用系、予備系の切替を行う光スイッチを用いることにより対応することができる。
(第3の実施形態)
図13、本発明の光波長多重アクセスシステムの第3の実施形態を示す。本実施形態におけるOSU10、ONU30−1〜30−n、OSU10と波長多重分離装置20との多重区間、各ONU30−1〜30−nと波長多重分離装置20とのアクセス区間は、第2の実施形態と同様であるので、ここでは波長多重分離装置20の構成のみを示す。
第2の実施形態の下りAWG22dは、ポートWに入力する現用系の下り光信号とポートPに入力する予備系の下り光信号を、ともにポート#1〜#nに分波する構成であった。本実施形態では、それぞれ専用の下り現用系合分波器23dwおよび下り予備系合分波器23dpを用いる。また、第2の実施形態の上りAWG22uは、ポート#1〜#nに入力する現用系の下り光信号をポートWに合波し、予備系の下り光信号をポートPに合波する構成であった。本実施形態ではそれぞれ専用の上り現用系合分波器23uwおよび上り予備系合分波器23upを用いる。
なお、下り現用系合分波器23dw、下り予備系合分波器23dp、上り現用系合分波器23uwおよび上り予備系合分波器23upは、1対nの合分波ができるものであればAWGに限るものではない。
下り現用系光ファイバ111から入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号は、下り現用系合分波器23dwで分波される。下り予備系光ファイバ121から入力する波長λdp1〜λdpnの下り光信号は、下り予備系合分波器23dpで分波される。波長群フィルタ24−1d〜24−ndは、波長λdw1〜λdwnの下り光信号または波長λdp1〜λdpnの下り光信号を、各ONU30に対応する下り光ファイバに送出する。
また、各ONU30に対応する光ファイバから入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号または波長λup1〜λupnの上り光信号は、波長群フィルタ24−1u〜24−nuを介して上り現用系合分波器23uwまたは上り予備系合分波器23upの対応するポート#1〜#nに入力される。上り現用系合分波器23uwに入力された波長λuw1〜λuwnの上り光信号は合波され、上り現用系光ファイバ112に送出される。上り予備系合分波器23upに入力された波長λup1〜λupnの上り光信号は合波され、上り予備系光ファイバ122に送出される。
図14Aに、各合分波器のポートW,Pと、ポート#1〜#nの波長割当例を示す。本実施形態では、下り現用系合分波器23dw、下り予備系合分波器23dp、上り現用系合分波器23uwおよび上り予備系合分波器23upが互いに独立しているが、波長群フィルタ24−1d〜24−ndでそれぞれ現用系と予備系が合波され、波長群フィルタ24−1u〜24−nuでそれぞれ現用系と予備系が分離される構成である。したがって、現用系の波長λdw1〜λdwnの下り光信号と予備系の波長λdp1〜λdpnの下り光信号は、互いに異なる帯域にある。また、現用系の波長λuw1〜λuwnの上り光信号と予備系の波長λup1〜λupnの上り光信号は、互いに異なる帯域にある。
ただし、下り光信号と上り光信号は互いに独立であるので、例えば、図14Bに示すように、現用系の上り光信号の波長と予備系の下り光信号の波長を互いに等しく設定することができる。さらに、例えば、図14Cに示すように、現用系の下り光信号の波長と予備系の上り光信号の波長、現用系の上り光信号の波長と予備系の下り光信号の波長をそれぞれ互いに等しく設定することができる。これにより、多重区間の光ファイバを二重化しながら4つの合分波器で現用系と予備系の切り替えを受動的に行うことができる。
すなわち、OSU10では、各ONU30−1〜30−nへの下り光信号を、下り現用系光ファイバ111を介して伝送するときは、各ONU30に対応する波長λdw1〜λdwnの下り光信号を波長多重して送信し、下り予備系光ファイバ121を介して伝送するときは、各ONU30に対応する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を波長多重して送信すればよい。一方、各ONU30−1〜30−nは、多重区間の上り現用系光ファイバ112を介して上り光信号を伝送するときは、波長λuw1〜λuwnの上り光信号を送信し、上り予備系光ファイバ122を介して上り光信号を伝送するときは、波長λup1〜λupnの上り光信号を送信すればよい。このような波長選択により、波長多重分離装置20では受動的に現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、図13に示す第3の実施形態の構成において、各ONUを2つの群#1〜#k、#k+1〜#nに分ける。さらに、下り光信号を2つの波長群λd1〜λdk、λdk+1〜λdnに分ける。このとき、ONU#1〜#kには、現用系として波長λd1〜λdkを割り当て、予備系として波長λdk+1〜λdnを割り当てる。ONU#k+1〜#nには、現用系として波長λdk+1〜λdnを割り当て、予備系として波長λd1〜λdkを割り当てる。また、上り光信号を2つの波長群λu1〜λuk、λuk+1〜λunに分ける。このとき、ONU#1〜#kには、現用系として波長λu1〜λukを割り当て、予備系として波長λuk+1〜λunを割り当てる。ONU#k+1〜#nには、現用系として波長λuk+1〜λunを割り当て、予備系として波長λu1〜λukを割り当てる。
図15Aに、n=64、k=32の場合における各合分波器のポートW,Pと、ポート#1〜#64の波長割当例を示す。すなわち、下り現用系合分波器23dwは、ポート#1〜#64に波長λd1〜λd32、λd33〜λd64の下り光信号を分波し、下り予備系合分波器23dpは、ポート#1〜#64に波長λd33〜λd64、λd1〜λd32の下り光信号を分波する。これにより、波長群フィルタ24−1d〜24−ndは、λd1〜λd32の波長群と、λd33〜λd64の波長群を結合する。
また、上り現用系合分波器23uwは、ポート#1〜#64からの波長λu1〜λu32、λu33〜λu64の上り光信号を合波し、上り予備系合分波器23upは、ポート#1〜#64からの波長λu33〜λu64、λu1〜λu32の上り光信号を合波する。これにより、波長群フィルタ24−1u〜24−nuは、λu1〜λu32の波長群と、λu33〜λu64の波長群を分離する。
なお、下り光信号(波長λd1〜λdn)と上り光信号(λu1〜λun)は、互いに独立であるので、図15Bに示すように、それぞれ異なる帯域に設定してもよいし、図15Cに示すように、同じ帯域に設定することもできる。後者の場合には、n個のONUに対応する現用系と予備系の波長設定をn個の波長で行うことができる。また、下り現用系合分波器23dw、下り予備系合分波器23dp、上り現用系合分波器23uwおよび上り予備系合分波器23upは、1対nの合分波ができるものであればAWGに限るものではない。
(第5の実施形態)
図16は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第5の実施形態を示す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、図12に示す第2の実施形態における波長多重分離装置20を除く部分は同一であるので、ここでは波長多重分離装置20の構成のみを示す。
波長多重分離装置20は、図7に示す第2の実施形態の下りAWG22dおよび上りAWG22uに加えて、光キャリアAWG22cと、波長群フィルタ25w,25p,25−1d〜25−ndとを備える。波長群フィルタ25wは、下り現用系光ファイバ111から入力される波長λd1〜λdnの下り光信号と、波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアとを分離し、それぞれ下りAWG22dのポートWおよび光キャリアAWG22cのポートWに入力する。波長群フィルタ25pは、下り予備系光ファイバ121から入力される波長λd2(λd1+Δλd)〜λdn+1(λdn+Δλd)の下り光信号と、波長λu2(λu1+Δλu)〜λun+1(λun+Δλu)の上り信号用光キャリアとを分離し、それぞれ下りAWG22dのポートPおよび光キャリアAWG22cのポートPに入力する。
光キャリアAWG22cは、波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを各ONUに対応するポート#1〜#nに分波する。波長群フィルタ25−1d〜25−ndは、下りAWG22dで分波された各下り光信号と、上り信号用光キャリアAWG22cで分波された各上り信号用光キャリアとをそれぞれ合波して各ONUに対応する下り光ファイバに送出する。
下りAWG22d、上りAWG22uおよび光キャリアAWG22cのポートW,Pと、ポート#1〜#nの波長割当例は、図8A及び8Bに示す通りである。なお、本実施形態では、下り光信号と上り光信号(上り信号用光キャリア)は、互いに異なる帯域に設定する必要があるので、下り光信号の波長と上り光信号の波長が互いに等しくなるように設定することはできない。
(第6の実施形態)
図17に、本発明の光波長多重アクセスシステムの第6の実施形態を示す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、図12に示す第2の実施形態における波長多重分離装置20、および図中に記載される光キャリア、上り光信号、下り光信号の各波長を除く部分は同一であるので、ここでは波長多重分離装置20の構成のみを示す。
第5の実施形態の光キャリアAWG22cは、ポートWに入力する現用系の上り信号用光キャリアとポートPに入力する予備系の上り信号用光キャリアを、ともにポート#1〜#nに分波する構成であった。本実施形態では、それぞれ専用の現用系光キャリア合分波器23cwおよび予備系光キャリア合分波器23cpを用いる。また、第5の実施形態の下りAWG22dは、ポートWに入力する現用系の下り光信号とポートPに入力する予備系の下り光信号とを、ともにポート#1〜#nに分波する構成であった。本実施形態では、それぞれ専用の下り現用系合分波器23dwおよび下り予備系合分波器23dpを用いる。さらに、第5の実施形態の上りAWG22uは、ポート#1〜#nに入力する現用系の下り光信号をポートWに合波し、予備系の下り光信号をポートPに合波する構成であった。本実施形態では、それぞれ専用の上り現用系合分波器23uwおよび上り予備系合分波器23upを用いる。
波長群フィルタ25wは、下り現用系光ファイバ111から入力される波長λdw1〜λdwnの下り光信号と、波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアに分離し、それぞれ現用系光キャリア合分波器23cwおよび下り現用系合分波器23dwに入力する。波長群フィルタ25pは、下り予備系光ファイバ121から入力される波長λdp1〜λdpnの下り光信号と、波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアに分離し、それぞれ予備系光キャリア合分波器23cpおよび下り予備系合分波器23dpに入力する。
現用系光キャリア合分波器23cwは、波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを分波し、予備系光キャリア合分波器23cpは、波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを分波し、波長群フィルタ24−1c(〜24−nc)を介して波長群フィルタ25−1dに送出する。下り現用系合分波器23dwは、波長λdw1〜λdwnの下り光信号を分波し、下り予備系合分波器23dpは、波長λdp1〜λdpnの下り光信号を分波し、波長群フィルタ24−1d(〜24−nd)を介して波長群フィルタ25−1dに送出する。波長群フィルタ25−1d(〜25−nd)では、現用系の上り信号用光キャリアおよび下り光信号、または予備系の上り信号用光キャリアおよび下り光信号を、各ONU30に対応する下り光ファイバ131に送出する。
波長群フィルタ25−1u(〜25−nu)は、各ONU30に対応する上り光ファイバ132から入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号を上り現用系合分波器23uwへ分波し、波長λup1〜λupnの上り光信号を上り予備系合分波器23upへ分波する。上り現用系合分波器23uwに入力された波長λuw1〜λuwnの上り光信号は合波され、上り現用系光ファイバ112に送出される。上り予備系合分波器23upに入力された波長λup1〜λupnの上り光信号は合波され、上り予備系光ファイバ122に送出される。
現用系光キャリア合分波器23cw、予備系光キャリア合分波器23cp、下り現用系合分波器23dw、下り予備系合分波器23dp、上り現用系合分波器23uwおよび上り予備系合分波器23upのポートW,Pと、ポート#1〜#nの波長割当の例は、図14Aまたは図15A,15Bに示す通りである。なお、本実施形態では、下り光信号と上り光信号(上り信号用光キャリア)は、互いに異なる帯域に設定する必要がある。従って、図14B,14Cおよび図15Cに示すような下り光信号の波長と上り光信号(上り信号用光キャリア)の波長が互いに等しくなるように設定することはできない。
(第7の実施形態)
図18は、本発明の光波長多重アクセスシステムの第7の実施形態を示す。本実施形態は、上述した各実施形態(ここでは、図3に示した第1の実施形態を例に説明する。)において、アクセス区間の光ファイバを二重化する構成を示す。アクセス区間を二重化するONU30−kには、現用下り光信号(λdk,λdk+1)、予備下り光信号(λdk+Δλ,λdk+1+Δλ)、現用上り光信号(λuk,λuk+1)および予備上り光信号(λuk+Δλ,λuk+1+Δλ)を、それぞれ2波長を割り当てる。すにわち、二重化しないONUを2個利用する場合と同様に構成する。
(第8の実施形態)
本実施形態は、OSU10において、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwおよび予備系の光送受信器11−1p〜11−npのそれぞれを二重化する。現用系光ファイバおよび予備系の光送受信器11−1p〜11−npが故障した場合には、予備系光ファイバおよび予備系の予備の光送受信器により運用を継続する。予備系光ファイバおよび現用系の光送受信器11−1w〜11−nwが故障した場合には、現用系光ファイバおよび現用系の予備の光送受信器により運用を継続する。このようにして、光ファイバおよび光送受信器の二重故障に対しても、冗長構成を図ることができる。
(第9の実施形態)
上述した実施形態は、現用系光ファイバおよび予備系光ファイバの監視に監視光を用いる構成であったが、本実施形態は、監視光を用いず、OSU10内の光送受信器11からの上り光信号断を検出することにより、光ファイバ断を検出する。図19に、本発明の光波長多重アクセスシステムの第9の実施形態を示す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、図9に示した第2の実施形態と同様の構成であるが、監視光を出力する光源15および監視光を各光ファイバへ合分波する合分波器13が省略されている。
OSU10は、現用系の光送受信器11−1w〜11−nwと、その光入出力をON/OFFする光スイッチ16−1dw〜16−ndw、16−1uw〜16nuwと、予備系の光送受信器11−1w〜11−nwと、その光入出力をONN/OFFする光スイッチ16−1dp〜16−ndp、16−1up〜16nupとをさらに備える。
本実施形態では、現用系光ファイバを運用するときには、光スイッチ16−1dw〜16−ndwおよび16−1uw〜16−nuwがON状態、光スイッチ16−1dp〜16−ndpおよび16−1up〜16−nupがOFF状態である。現用系光ファイバが故障したときには、光送受信器11−1w〜11−nwの全上り光信号が断となり、監視制御部14は、各光スイッチへ切替信号を送信する。光スイッチ16−1dw〜16−ndwおよび16−1uw〜16−nuwをOFF状態、光スイッチ16−1dp〜16−ndpおよび16−1up〜16−nupをON状態にすることで、予備系光ファイバへ切替えるこつができる。
また、いくつかの現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに故障が発生した場合には、故障した現用系の光送受信器11−1w〜11−nwに対応した光スイッチに切替信号を送信することで、光送受信器を切替えることができる。
各ONU30からの上り信号断を一括に検出する手段として、上り現用系光ファイバ112および上り予備系光ファイバ122のそれぞれから多重された上り光信号を少量分岐して監視する。光信号の有無を検出することにより、現用系および予備系光ファイバの状態を監視することもできる。
このような構成により、波長多重分離装置20が受動的な部品のみからなる構成で、運用する光ファイバおよびOSU10内の光送受信器の現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(第10の実施形態)
図20に、第10の実施形態として現用予備切替の切替手順を示す。例えば、図7に示した第2の実施形態において、波長λs0,λs1の監視光を送信する光源15、または波長λs0,λs1の監視光を検出する監視制御部15のいずれかにおいて故障が発生した場合を想定する。このとき、以下の4通りの場合に分けることができる。
(1)波長λs0の監視光が検出できず、かつ波長λs1の監視光が検出できるときは、切替信号を送信する。
(2)波長λs0と波長λs1の監視光が検出できず、かつOSU内の光受信器における上り光信号が受信できないときは、切替信号を送信する。
(3)波長λs0の監視光が検出できたときは、切替信号を送信しない。
(4)波長λs0と波長λs1の監視光が検出できず、かつOSU内の光受信器における上り光信号が受信できたときは、切替信号を送信しない。
このようにして、上記のいずれかの故障が発生した場合でも、各ONU−OSU間の通信を途絶えることなく、運用する光ファイバの現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(第11の実施形態)
上述した実施形態は、1つのOSUに対して1つの波長多重分離装置が接続されるスター型のネットワーク構成であった。本実施形態は、1つのOSUに対して複数の波長多重分離装置が接続されるバス型のネットワーク構成である。図21に、本発明の光波長多重アクセスシステムの第11の実施形態を示す。本実施形態の光波長多重アクセスシステムは、1つのOSU10に対してn個の波長多重分離装置20−1〜20−nが、下り現用系光ファイバ111および上り現用系光ファイバ112を介してバス型に接続されている。また、下り予備系光ファイバ121および上り予備系光ファイバ122を介して、現用系光ファイバとは逆向きのバス型に接続されている。
波長多重分離装置20−k(kは1以上n以下の整数)は、下り現用系光ファイバ111から波長λkdw1〜λkdwnの下り光信号を分波する分波器26dwと、上り現用系光ファイバ112へ波長λkuw1〜λkuwnの上り光信号を合波する合波器26uwと、下り予備系光ファイバ121から波長λkdp1〜λkdpnの下り光信号を分波する分波器26dpと、上り予備系光ファイバ122へ波長λkup1〜λkupnの上り光信号を合波する合波器326upとを備えている。
また、下り現用系光ファイバ111から波長λsk0の現用系監視光を分波する分波器23dwと、上り現用系光ファイバ112へ波長λsk0の現用系監視光を合波する合波器23uwと、下り予備系光ファイバ121から波長λsk1の予備系監視光を分波する分波器23dpと、上り予備系光ファイバ122へ波長λsk1の予備系監視光を合波する合波器23upと、下りAWG27d、上りAWG27uとを備えている。
各波長多重分離装置20−1〜20−nに接続される各ONUと、OSU10との通信には、波長λ1dw1〜λ1dwn,λ2dw1〜λ2dwn,λndw1〜λndwnまたは波長λ1dp1〜λ1dpn,λ2dp1〜λ2dpn,λndp1〜λndpnの下り光信号と、波長λ1uw1〜λ1uwn,λ2uw1〜λ2uwn,λnuw1〜λnuwnまたは波長λ1up1〜λ1upn,λ2up1〜λ2upn,λnup1〜λnupnの上り光信号を用いる。
本実施形態では、OSU10から送信された波長λkdw1〜λkdwnの下り光信号および各ONUから送信された波長λkuw1〜λkuwnの上り光信号は、対応する波長多重分離装置20−kにて合分波される。各区間の光ファイバの故障時には、OSU10から出力された監視光λs10〜λsn0およびλs11〜λsn1により、ファイバ故障区間が検出され、上述した実施形態と同様の切替手段にて、切り替えることができる。
このような構成により、1つのOSU10に対してn個の波長多重分離装置20−1〜20−nがバス型に接続される構成においても、波長多重分離装置20−1〜20−nが受動的な部品のみからなる構成で、運用する光ファイバおよびOSU10内の光送受信器の現用系・予備系の切り替えを行うことができる。
(第12の実施形態)
図22に、本発明の光波長多重アクセスシステムの第12の実施形態を示す。光波長多重アクセスシステムにおいて、多重区間の光ファイバの伝送損失が大きい場合に、OSU10と波長多重分離装置20との間に、複数のWDM信号の一括増幅器41−1〜41−nを挿入する。また、波長多重分離装置20とOSU10の内部に、それぞれ一括増幅器42,43を挿入してもよい。

Claims (46)

  1. センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が現用系光ファイバおよび予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUへの下り光信号を前記現用系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1〜λdnの下り光信号を波長多重し、前記予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号を波長多重し、前記現用系光ファイバまたは前記予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ前記現用系光ファイバを介して伝送された波長λu1〜λunの上り光信号または前記予備系光ファイバを介して伝送された波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を受信する受信手段を含み、
    前記各ONUは、前記アクセス区間の光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの中の対応する下り光信号または波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λunの中の対応する上り光信号、または前記予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1+Δλの中の対応する上り光信号をそれぞれ前記アクセス区間の光ファイバへ送信する構成であり、
    前記波長多重分離装置は、前記現用系光ファイバと前記予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する光ファイバに接続されるnポートを有するアレイ導波路回折格子(AWG)を備え、前記現用系光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの下り光信号または前記予備系光ファイバから入力する波長λd1+Δλ〜λdn+Δλの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、各ONUに対応する光ファイバから入力する波長λu1〜λunの上り光信号または波長λu1+Δλ〜λun+Δλの上り光信号を前記現用系光ファイバに対応するポートまたは前記予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であり、
    前記各ONUに対応する下り光信号と上り光信号の波長差が前記AWGのフリースペクトルレンジ(FSR)の整数倍とすることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  2. 請求項1に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記送信手段は、
    現用系光ファイバを予備系光ファイバに切替える切替手段と、
    前記上り光信号および前記下り光信号の波長と異なる波長λs0、λs1の現用系ファイバ監視光および予備系ファイバ監視光を出力する監視光源と、
    前記現用系ファイバおよび前記予備系ファイバから入力された波長λs0、λs1の監視光を検出し、現用系光ファイバを予備系光ファイバに切替える切替信号を前記切替手段に出力する監視制御部と、
    波長λs0の現用系ファイバ監視光と現用系光ファイバの光信号とを合波する合波器と、
    波長λs0の現用系ファイバ監視光を現用系光ファイバの光信号から分波する分波器と、
    波長λs1の予備系ファイバ監視光と予備系光ファイバの光信号とを合波する合波器と、
    波長λs1の予備系ファイバ監視光を予備系光ファイバの光信号から分波する分波器とを備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  3. 請求項1に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記現用系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する下り光信号の波長をλd1,λd2,…,λdnで波長間隔一定としたときに、前記予備系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する下り光信号の波長をλd1+k,λd2+k,…,λdn+kとし(kは1以上n未満の整数)、
    前記現用系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する上り光信号の波長をλu1,λu2,…,λunで波長間隔一定としたときに、前記予備系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する上り光信号の波長をλu1+k,λu2+k,…,λun+kとする(kは1以上の整数)ことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  4. 請求項3に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、λdn+i=λdi+FSRとしたときにλdn+iに代えてλdiとし、λun+i=λui+FSRとしたときにλun+iに代えてλuiとする(iは1〜kの整数)ことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  5. 請求項1に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSUは、
    上り(または下り)現用系光ファイバを上り(または下り)予備系光ファイバに切替える切替手段と、
    各ONUからの上り信号断を一括に検出し、前記切替手段に切替信号を送信する監視制御部と
    を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  6. 請求項1に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSUは、
    上り(または下り)現用系光ファイバを上り(または下り)予備系光ファイバに切替える切替手段と、
    各ONUからの上り信号断を個別に検出し、前記切替手段に切替信号を送信する監視制御部と
    を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  7. 請求項1に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSUは、下り信号断を個別に検出する手段を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  8. 請求項2に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    現用系光送信器および現用系光受信器が正常な状態にあって、
    波長λs0の現用系ファイバ監視光が検出できず、かつ波長λs1の予備系ファイバ監視光が検出可能の場合に、または、波長λs0の現用系ファイバ監視光が検出できず、かつ波長λs1の予備系ファイバ監視光が検出できず、かつ前記OSU内の上り光受信器が上り光信号を受信できない場合に、
    前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信することを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  9. 請求項5に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    各ONUからの上り光信号断を一括に検出する手段により、全上り光信号断が検出された場合に、前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信する手順をとることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  10. 請求項6に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    各ONUからの上り光信号断を個別に検出する手段により、全上り光信号断が検出された場合に、前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信する手順をとることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  11. 請求項6に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    各ONUからの上り光信号断を個別に検出する手段により、複数の上り光信号断が検出された場合に、前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信する手順をとることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  12. センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が下り現用系光ファイバ、上り現用系光ファイバ、下り予備光ファイバおよび上り予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ下り光ファイバおよび上り光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUへの下り光信号を前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1〜λdnの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの下り光信号を波長多重し、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ前記上り現用系光ファイバを介して伝送された波長λu1〜λunの上り光信号または前記上り予備系光ファイバを介して伝送された波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り光信号を受信する受信手段を含み、
    前記各ONUは、前記アクセス区間の下り光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの中の対応する下り光信号または波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記上り現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λunの中の対応する上り光信号、または前記上り予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの中の対応する上り光信号をそれぞれ上り光ファイバへ送信する構成であり、
    前記波長多重分離装置は、前記下り現用系光ファイバと前記下り予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する下り光ファイバに接続されるnポートを有する下りアレイ導波路回折格子(下りAWG)と、前記上り現用系光ファイバと前記上り予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する上り光ファイバに接続されるnポートを有する上りアレイ導波路回折格子(上りAWG)とを備え、前記下りAWGに前記下り現用系光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの下り光信号または前記下り予備系光ファイバから入力する波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、前記上りAWGに前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λu1〜λunの上り光信号または波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り光信号を前記上り現用系光ファイバまたは前記上り予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  13. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    上り(または下り)現用系光ファイバを上り(または下り)予備系光ファイバに切替える切替手段と、
    前記上り光信号および前記下り光信号の波長と異なる波長λs0、λs1の現用系ファイバ監視光および予備系ファイバ監視光を出力する監視光源と、
    前記上り現用系ファイバおよび前記上り予備系ファイバから入力された波長λs0、λs1の監視光を検出し、上り(または下り)現用系ファイバを上り(または下り)予備系ファイバに切替える切替信号を前記切替手段に出力する監視制御部と、
    波長λs0の現用系ファイバ監視光と下り(または上り)現用系光ファイバの光信号とを合波する合波器と、
    波長λs0の現用系ファイバ監視光を上り(または下り)現用系光ファイバの光信号から分波する分波器と、
    波長λs1の予備系ファイバ監視光と下り(または上り)予備系光ファイバの光信号とを合波する合波器と、
    波長λs1の予備系ファイバ監視光を上り(または下り)予備系光ファイバの光信号から分波する分波器とを備え、
    前記波長多重分離装置は、
    下り(または上り)現用系光ファイバの光信号に合波され送られてきた波長λs0の現用系光ファイバ監視光を分波する分波器と、
    前記波長λs0の現用系光ファイバ監視光を折り返し、上り(または下り)現用系光ファイバの光信号に合波する合波器と、
    下り(または上り)予備系光ファイバの光信号に合波され送られてきた波長λs1の予備系光ファイバ監視光を分波する分波器と、
    前記波長λs1の予備系光ファイバ監視光を折り返し、上り(または下り)予備系光ファイバの光信号に合波する合波器を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  14. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記現用系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する下り光信号の波長をλd1,λd2,…,λdnで波長間隔一定としたときに、前記予備系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する下り光信号の波長をλd1+k,λd2+k,…,λdn+kとし(kは1以上n未満の整数)、
    前記現用系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する上り光信号の波長をλu1,λu2,…,λunで波長間隔一定としたときに、前記予備系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する上り光信号の波長をλu1+k,λu2+k,…,λun+kとする(kは1以上の整数)ことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  15. 請求項14に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、λdn+i=λdi+FSRとしたときにλdn+iに代えてλdiとし、λun+i=λui+FSRとしたときにλun+iに代えてλuiとする(iは1〜kの整数)ことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  16. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSUは、
    上り(または下り)現用系光ファイバを上り(または下り)予備系光ファイバに切替える切替手段と、
    各ONUからの上り信号断を一括に検出し、前記切替手段に切替信号を送信する監視制御部と
    を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  17. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSUは、
    上り(または下り)現用系光ファイバを上り(または下り)予備系光ファイバに切替える切替手段と、
    各ONUからの上り信号断を個別に検出し、前記切替手段に切替信号を送信する監視制御部と
    を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  18. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSUは、下り信号断を個別に検出する手段を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  19. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    現用系光送信器および現用系光受信器が正常な状態にあって、
    波長λs0の現用系ファイバ監視光が検出できず、かつ波長λs1の予備系ファイバ監視光が検出可能の場合に、または、波長λs0の現用系ファイバ監視光が検出できず、かつ波長λs1の予備系ファイバ監視光が検出できず、かつ前記OSU内の上り光受信器が上り光信号を受信できない場合に、
    前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信することを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  20. 請求項16に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    各ONUからの上り光信号断を一括に検出する手段により、全上り光信号断が検出された場合に、前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信する手順をとることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  21. 請求項17に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    各ONUからの上り光信号断を個別に検出する手段により、全上り光信号断が検出された場合に、前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信する手順をとることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  22. 請求項17に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    各ONUからの上り光信号断を個別に検出する手段により、複数の上り光信号断が検出された場合に、前記監視制御部は、予備系光ファイバを利用して通信を行うための切替信号を送信する手順をとることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  23. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記各ONUに対応する現用系の下り光信号の波長と上り光信号の波長が互いに等しく、予備系の下り光信号の波長と上り光信号の波長が互いに等しいことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  24. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り現用系光ファイバに波長多重して送信する手段と、前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り予備系光ファイバに波長多重して送信する手段とを備え、
    前記各ONUは、下り光信号に波長多重して入力される上り信号用光キャリアの中の対応する上り信号用光キャリアを変調し、波長λu1〜λunまたは波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り光信号として送信する手段を備え、
    前記各ONUに対応する下り光信号と上り光信号の波長差が前記下りAWGのフリースペクトルレンジ(FSR)の整数倍とし、前記波長多重分離装置の下りAWGは、各ONUに対応する下り光信号と上り信号用光キャリアを同時に分波する構成であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  25. 請求項12に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り現用系光ファイバに波長多重して送信する手段と、前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り予備系光ファイバに波長多重して送信する手段とを備え、
    前記波長多重分離装置は、前記下りAWGおよび前記上りAWGに加えて、前記下り現用系光ファイバから入力される波長λd1〜λdnの下り光信号と波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアに分離し、前記下り予備系光ファイバから入力される波長λd1+Δλd〜λdn+Δλdの下り光信号と波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り信号用光キャリアに分離する2個の波長群分離フィルタと、前記波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを前記各ONUに対応するポートに分波する上り信号用光キャリアAWGと、前記下りAWGで分波された各下り光信号と前記上り信号用光キャリアAWGで分波された各上り信号用光キャリアとをそれぞれ合波して各ONUに対応する下り光ファイバに送出するn個の波長群結合フィルタとを備え、
    前記各ONUは、下り光信号に波長多重して入力される上り信号用光キャリアの中の対応する上り信号用光キャリアを変調し、波長λu1〜λunまたは波長λu1+Δλu〜λun+Δλuの上り光信号として送信する構成であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  26. 請求項25に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記現用系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する下り光信号の波長をλd1,λd2,…,λdnで波長間隔一定としたときに、前記予備系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する下り光信号の波長をλd1+k,λd2+k,…,λdn+kとし(kは1以上n未満の整数)、
    前記現用系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する上り光信号の波長をλu1,λu2,…,λunで波長間隔一定としたときに、前記予備系光ファイバを伝搬する各ONUに対応する上り光信号の波長をλu1+k,λu2+k,…,λun+kとする(kは1以上の整数)ことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  27. 請求項26に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、λdn+i=λdi+FSRとしたときにλdn+iに代えてλdiとし、λun+i=λui+FSRとしたときにλun+iに代えてλuiとする(iは1〜kの整数)ことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  28. 請求項26に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、波長λu1〜λunの上り信号用光キャリアを発生する手段および波長λu1+k〜λun+kの上り信号用光キャリアを発生する手段は、波長λu1〜λun+kの上り信号用光キャリアを発生する1つの手段で構成され、前記下り現用系光ファイバおよび前記下り予備系光ファイバには波長λu1〜λun+kの上り信号用光キャリアが送信されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  29. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λdp1〜λdpnの下り光信号を送信するn個の現用系光送信器およびn個の予備系光送信器と、
    n個の前記現用系光送信器と接続されるnポートと下り現用系光ファイバに接続される1ポートを有する下り現用系波長合波器と、
    n個の前記予備系光送信器と接続されるnポートと下り予備系光ファイバに接続される1ポートを有する下り予備系波長合波器とを備え、
    n個の現用系光送信器から送信された波長λdw1〜λdwnの下り光信号は、下り現用系波長合波器にて波長多重されて下り現用系光ファイバに出力され、n個の予備系光送信器から送信された波長λdp1〜λdpnの下り光信号は、下り予備系波長合波器にて波長多重されて下り予備系光ファイバに出力され、
    前記現用および予備系光送信器は、前記監視制御部から送信された切替信号により、光出力の有無を切り替える手段を備えることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  30. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λdp1〜λdpnの下り光信号を送信するn個の現用系光送信器およびn個の予備系光送信器と、
    入力された光信号の出力をON/OFFするn個の下り現用系光スイッチと、
    n個の下り現用系光スイッチと接続されるnポートと下り現用系光ファイバに接続される1ポートを有する下り現用系合波器と、
    入力された光信号の出力をON/OFFするn個の下り予備系光スイッチと、
    n個の下り予備系光スイッチと接続されるnポートと下り予備系光ファイバに接続される1ポートを有する下り予備系合波器とを備え、
    現用系光送信器および予備系光送信器から送信された下り光信号は、各光スイッチへ入力されて、前記監視制御部からの切替信号により光スイッチからの出力を選択され、
    n個の現用系光スイッチから出力された波長λdw1〜λdwnの下り光信号は、下り現用系合波器にて多重されて、下り現用系光ファイバに出力され、
    n個の予備系光スイッチから出力された波長λdp1〜λdpnの下り光信号は、下り予備系合波器にて多重されて、下り予備系光ファイバに出力され、
    前記各ONUへの下り光信号を前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは、前記各ONUに対応する波長λdw1〜λdwnの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を波長多重し、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバのいずれかを選択して送信することを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  31. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    入力された下り電気信号に対して波長λdw1〜λdwnの下り光信号を送信するn個の現用系光送信器および波長λdp1〜λdpnの下り光信号を送信するn個の予備系光送信器と、
    n個の前記現用系光送信器と接続されるnポートと下り現用系光スイッチに接続される1ポートを有する下り現用系合波器と、
    n個の前記予備系光送信器と接続されるnポートと下り予備系光スイッチに接続される1ポートを有する下り予備系合波器と、
    前記下り現用系合波器から入力された多重下り光信号の出力をON/OFFする1個の下り現用系光スイッチと、
    前記下り予備系合波器から入力された多重下り光信号の出力をON/OFFする1個の下り現用系光スイッチとを備え、
    n個の現用系光送信器から出力された波長λdw1〜λdwnの下り現用系光信号は、下り現用系合波器にて多重されて、下り現用系光スイッチに出力され、
    n個の予備系光送信器から出力された波長λdp1〜λdpnの下り予備系光信号は、下り予備系合波器にて多重されて、下り予備系光スイッチに出力され、
    前記監視制御部からの切替信号により出力される光ファイバを現用系もしくは予備系のいずれかを選択することを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  32. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、波長λdpk(k=1〜n)は、λdwk+Δλd(k=1〜n、Δλdは一定値)に設定し、
    前記送信手段は、
    入力された下り電気信号に対して波長λdw1〜λdwnの下り光信号および波長λdp1〜λdpnの下り光信号を出力するn個の現用系光送信器およびn個の予備系光送信器と、
    前記波長λdwk(kは1以上n以下の整数)の下り光信号を送信する現用系光送信器と前記波長λdpk(kは1以上n以下の整数)の下り光信号を送信する予備系光送信器のいずれかを選択するn個の光スイッチと、
    n個の前記光スイッチと接続されるnポートと下り現用系光ファイバと下り予備系光ファイバに接続される2ポートを有する下りアレイ導波路回折格子(下りAWG)とを備え、
    前記現用系光送信器から出力された波長λdwkの下り光信号および波長λdpkの下り光信号は、前記光スイッチに入力され、波長λdwkの下り光信号または波長λdpkの下り光信号のいずれかが選択され、n個の光スイッチから出力され、下りAWGに入力され、選択された波長の下り光信号に応じて下り現用系光ファイバもしくは下り予備系光ファイバのいずれかに波長多重されて出力されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  33. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、波長λdpk(k=1〜n)は、λdwk+Δλd(k=1〜n、Δλdは一定値)に設定し、
    前記送信手段は、
    波長λdwk(kは1以上n以下の整数)または波長λdpk(kは1以上n以下の整数)のいずれかの波長を選択して下り信号を出力するn個の光送信器と、
    n個の前記光送信器と接続されるnポートと下り現用系光ファイバと下り予備系光ファイバに接続される2ポートを有する下りアレイ導波路回折格子(下りAWG)とを備え、
    前記監視制御部からの切替信号に応じて、波長λdwk(kは1以上n以下の整数)または波長λdpk(kは1以上n以下の整数)のいずれかの波長の下り信号は、前記光送信器から出力され、前記下りAWGにて、選択された波長の下り光信号に応じて下り現用系光ファイバもしくは下り予備系光ファイバのいずれかに波長多重されて出力されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  34. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    入力された波長λuw1〜λuwnの上り光信号を上り電気信号に変換して出力するn個の現用系光受信器および入力された波長λup1〜λupnの上り光信号を上り電気信号に変換して出力するn個の予備系光受信器と、
    n個の前記現用系光受信器と接続されるnポートと上り現用系ファイバに接続される1ポートを有する上り現用系分波器と、
    n個の前記予備系光受信器と接続されるnポートと上り予備系ファイバに接続される1ポートを有する上り予備系分波器とを備え、
    上り現用系光ファイバから入力された前記上り光信号は、前記上り現用系分波器にて分波されて、前記現用系光受信器へ出力され、
    上り予備系光ファイバから入力された前記上り光信号は、前記上り分波器にて分波されて、前記予備系光受信器へ出力され、
    前記監視制御部からの切替信号により出力する上り電気信号を選択することを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  35. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    入力された波長λuw1〜λuwnの上り光信号を上り電気信号に変換して出力するn個の現用系光受信器および入力された波長λup1〜λupnの上り光信号を上り電気信号に変換して出力するn個の予備系光受信器と、
    n個の前記現用系光受信器と接続されるnポートと上り現用系ファイバに接続される1ポートを有する上り現用系分波器と、
    n個の前記予備系光受信器と接続されるnポートと上り予備系ファイバに接続される1ポートを有する上り予備系分波器と、
    上り現用系分波器から入力された上り光信号の上り現用系分波器への出力をON/OFFする1個の上り現用系光スイッチと、
    上り予備系光ファイバから入力された上り光信号の上り予備系分波器への出力をON/OFFする1個の上り予備系光スイッチとを備え、
    前記監視制御部からの切替信号に応じて、上り現用系光スイッチおよび上り予備系光スイッチのON/OFFにより、上り現用系光ファイバから入力された多重上り光信号もしくは上り予備系光ファイバから入力された多重上り光信号のいずれかが選択され、上り現用系分波器もしくは上り予備系分波器へ出力され、各分波器で分波された後に現用系光受信器もしくは予備系光受信器に入力されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  36. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記送信手段は、
    入力された波長λuw1〜λuwnの上り光信号を上り電気信号に変換して出力するn個の現用系光受信器および入力された波長λup1〜λupnの上り光信号を上り電気信号に変換して出力するn個の予備系光受信器と、
    n個の前記現用系光スイッチと接続されるnポートと上り現用系ファイバに接続される1ポートを有する上り現用系分波器と、
    n個の前記予備系光スイッチと接続されるnポートと上り予備系ファイバに接続される1ポートを有する上り予備系分波器と、
    上り現用系分波器から入力された上り光信号の上り現用系光受信器への出力をON/OFFするn個の上り現用系光スイッチと、
    上り現用系分波器から入力された上り光信号の上り現用系光受信器への出力をON/OFFするn個の上り現用系光スイッチとを備え、
    上り現用系ファイバから上り現用系分波器に入力された多重上り光信号は、分波されて、上り現用系光スイッチに出力され、
    上り予備系ファイバから上り予備系分波器に入力された多重上り光信号は、分波されて、上り予備系光スイッチに出力され、
    前記監視制御部からの切替信号に応じて、上り現用系光スイッチおよび上り予備系光スイッチのON/OFFにより、上り現用系分波器もしくは上り予備系分波器のいずれかが選択され、現用系光受信器もしくは予備系光受信器に入力されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  37. 請求項13に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、波長λupk(k=1〜n)は、λuwk+Δλu(k=1〜n、Δλuは一定値)に設定し、
    前記送信手段は、
    波長λuwk(kは1以上n以下の整数)もしくは波長λupk(kは1以上n以下の整数)の上り光信号のいずれかを選択して送信する光送信器を備え、
    入力された波長λuw1〜λuwnもしくは波長λup1〜λupnいずれかの上り光信号を電気信号に変換して出力するn個の光受信器と、
    前記上り現用系光ファイバと前記予備系光ファイバに接続される2ポートとn個の光受信器と接続されるnポートを有する上りアレイ導波路回折格子(上りAWG)とを備え、
    前記監視制御部からの切替信号に応じて、波長λuwk(kは1以上n以下の整数)もしくは波長λupk(kは1以上n以下の整数)の上り光信号のいずれかを選択して出力された上り光信号は、波長多重分離装置へ出力され、波長多重分離装置にて波長に応じて現用系光ファイバもしくは予備系光ファイバに出力され、上りAWGにおいて分波された後、各光受信器に出力されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  38. 請求項37に記載された光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、
    前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り現用系光ファイバに波長多重して送信する手段と、
    前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り予備系光ファイバに波長多重して送信する手段として、波長λuwk(kは1以上n以下の整数)もしくは波長λupk(kは1以上n以下の整数)の上り光信号のいずれかを選択して出力するn個の光送信器と、
    現用系光ファイバおよび予備系光ファイバに接続される2ポートと各光送信器に接続されるnポートを有する上り信号用AWGとを備え、
    前記監視制御部の切替信号に応じて、出力された波長λuwk(kは1以上n以下の整数)もしくは波長λupk(kは1以上n以下の整数)の上り光信号は、上り信号用AWGにて現用系光ファイバもしくは予備系光ファイバのいずれかに出力され、下り光信号と多重されて、前記波長多重装置に伝送されることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  39. 請求項37に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記OSU内の各光送信器は、前記監視制御部から送信された切替信号を下り信号内に付加して、各ONUへ伝達することを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  40. センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が下り現用系光ファイバ、上り現用系光ファイバ、下り予備光ファイバおよび上り予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ下り光ファイバおよび上り光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUへの下り光信号を前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λdw1〜λdwnの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を波長多重し、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ前記上り現用系光ファイバを介して伝送された波長λuw1〜λuwnの上り光信号または前記上り予備系光ファイバを介して伝送された波長λup1〜λupnの上り光信号を受信する受信手段を含み、
    前記各ONUは、前記アクセス区間の下り光ファイバから入力する波長λdw1〜λdwnの中の対応する下り光信号または波長λdp1〜λdpnの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記上り現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λuw1〜λuwnの中の対応する上り光信号、または前記上り予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λup1〜λupnの中の対応する上り光信号をそれぞれ上り光ファイバへ送信する構成であり、
    前記波長多重分離装置は、下り現用系光ファイバに対応する下り現用系分波器および下り予備系光ファイバに対応する下り予備系分波器と、下り現用系分波器で分波された波長λdw1〜λdwnの下り光信号と下り予備系分波器で分波された波長λdp1〜λdpnの下り光信号をポート対応にそれぞれ合波し、前記各ONUに対応する下り光ファイバに入力するn個の波長群結合フィルタと、上り現用系光ファイバに対応する上り現用系合波器および上り予備系光ファイバに対応する上り予備系合波器と、前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号と波長λup1〜λupnの上り光信号をそれぞれ分波し、前記上り現用系合波器または前記上り予備系合波器の対応するポートに入力するn個の波長群分離フィルタとを備え、前記下り現用系光ファイバから入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号または前記下り予備系光ファイバから入力する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号または波長λup1〜λupnの上り光信号を前記上り現用系光ファイバまたは前記上り予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であり、
    下り光信号の現用系の波長λdw1〜λdwnと予備系の波長λdp1〜λdpnが異なる帯域であり、上り光信号の現用系の波長λuw1〜λuwnと予備系の波長λup1〜λupnが異なる帯域であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  41. 請求項40に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、前記各ONUに対応する現用系の下り光信号の波長と予備系の上り光信号の波長が互いに等しく、または現用系の上り光信号の波長と予備系の下り光信号の波長が互いに等しいことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  42. センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が下り現用系光ファイバ、上り現用系光ファイバ、下り予備光ファイバおよび上り予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ下り光ファイバおよび上り光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUを2つの群#1〜#k、#k+1〜#nに分け、下り光信号を2つの波長群λd1〜λdk、λdk+1〜λdnに分けたときに、前記各ONU#1〜#kへの下り光信号を、前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは波長λd1〜λdkの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは波長λdk+1〜λdnの下り光信号を波長多重し、前記各ONU#k+1〜#nへの下り光信号を、前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは波長λdk+1〜λdnの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは波長λd1〜λdkの下り光信号を波長多重し、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ上り光信号を2つの波長群λu1〜λuk、λuk+1〜λunに分けたときに、ONU#1〜#kに現用系として波長λu1〜λukを割り当て、予備系として波長λuk+1〜λunを割り当て、ONU#k+1〜#nに現用系として波長λuk+1〜λunを割り当て、予備系として波長λu1〜λukを割り当てた上り光信号を受信する受信手段を含み、
    前記各ONUは、前記アクセス区間の下り光ファイバから入力する波長λd1〜λdkの中の対応する下り光信号または波長λdk+1〜λdnの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記上り現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λu1〜λukの中の対応する上り光信号、または前記上り予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λuk+1〜λunの中の対応する上り光信号をそれぞれ上り光ファイバへ送信する構成であり、
    前記波長多重分離装置は、前記下り現用系光ファイバと前記下り予備系光ファイバに接続される2ポートと、下り現用系光ファイバに対応する下り現用系分波器および下り予備系光ファイバに対応する下り予備系分波器と、下り現用系分波器で分波された波長λd1〜λdk、λdk+1〜λdnの下り光信号と下り予備系分波器で分波された波長λdk+1〜λdn、λd1〜λdkの下り光信号をポート対応にそれぞれ合波し、前記各ONUに対応する下り光ファイバに入力するn個の波長群結合フィルタと、前記上り現用系光ファイバと前記上り予備系光ファイバに接続される2ポートと、上り現用系光ファイバに対応する上り現用系合波器および上り予備系光ファイバに対応する上り予備系合波器と、前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λu1〜λuk、λuk+1〜λunの上り光信号と波長λuk+1〜λun、λu1〜λukの上り光信号をそれぞれ分波し、前記上り現用系合波器または前記上り予備系合波器の対応するポートに入力するn個の波長群分離フィルタとを備え、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバから入力する波長λd1〜λdnの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λu1〜λunの上り光信号を前記上り現用系光ファイバまたは前記上り予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  43. センタ装置(OSU)と複数n個の光ネットワークユニット(ONU)が波長多重分離装置を介して配置され、OSUと波長多重分離装置との多重区間が下り現用系光ファイバ、上り現用系光ファイバ、下り予備光ファイバおよび上り予備系光ファイバを介して接続され、波長多重分離装置と各ONUとのアクセス区間がそれぞれ下り光ファイバおよび上り光ファイバを介して接続され、前記OSUから前記各ONUへの下り光信号および前記各ONUから前記OSUへの上り光信号を、各ONUごとに割り当てた波長により前記多重区間を波長多重伝送し、前記波長多重分離装置で波長多重または波長多重分離して双方向伝送する光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記OSUは、前記各ONUへの下り光信号を前記下り現用系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λdw1〜λdwnの下り光信号を波長多重し、前記下り予備系光ファイバを介して伝送するときは前記各ONUに対応する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を波長多重し、前記下り現用系光ファイバまたは前記下り予備系光ファイバのいずれかを選択して送信する送信手段を含み、かつ前記上り現用系光ファイバを介して伝送された波長λuw1〜λuwnの上り光信号または前記上り予備系光ファイバを介して伝送された波長λup1〜λupnの上り光信号を受信する受信手段と、前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り現用系光ファイバに波長多重して送信する手段と、前記各ONUで上り光信号を生成するための波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアを発生し、前記下り予備系光ファイバに波長多重して送信する手段とを含み、
    前記各ONUは、前記アクセス区間の下り光ファイバから入力する波長λdw1〜λdwnの中の対応する下り光信号または波長λdp1〜λdpnの中の対応する下り光信号を受信し、かつ多重区間の前記上り現用系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λuw1〜λuwnの中の対応する上り光信号、または前記上り予備系光ファイバを介して上り光信号を伝送するときは波長λup1〜λupnの中の対応する上り光信号をそれぞれ上り光ファイバへ送信する構成であり、
    前記波長多重分離装置は、前記下り現用系光ファイバと前記下り予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する下り光ファイバに接続されるnポートを有する下りアレイ導波路回折格子(下りAWG)と、前記上り現用系光ファイバと前記上り予備系光ファイバに接続される2ポートと、前記各ONUに対応する上り光ファイバに接続されるnポートを有する上りアレイ導波路回折格子(上りAWG)と、前記下り現用系光ファイバから入力される波長λdw1〜λdwnの下り光信号と波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアに分離し、前記下り予備系光ファイバから入力される波長λdp1〜λdpnの下り光信号と波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアに分離する2個の波長群分離フィルタと、前記波長λuw1〜λuwnの上り信号用光キャリアを前記各ONUに対応するポートに分波する上り信号用光キャリアAWGと、前記下りAWGで分波された各下り光信号と前記上り信号用光キャリアAWGで分波された各上り信号用光キャリアとをそれぞれ合波して各ONUに対応する下り光ファイバに送出するn個の波長群結合フィルタとを備え、前記下りAWGに前記下り現用系光ファイバから入力する波長λdw1〜λdwnの下り光信号または前記下り予備系光ファイバから入力する波長λdp1〜λdpnの下り光信号を前記各ONUに対応するポートに分波し、前記上りAWGに前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号または波長λup1〜λupnの上り光信号を前記上り現用系光ファイバまたは前記上り予備系光ファイバに対応するポートに合波する構成であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  44. 請求項43に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記上り信号用光キャリアAWGに代えて、下り現用系光ファイバに対応する現用系上り信号用光キャリアAWGおよび下り予備系光ファイバに対応する予備系上り信号用光キャリアAWGと、現用系上り信号用光キャリアAWGで分波された波長λuw1〜λdwuの上り信号用光キャリアと予備系上り信号用光キャリアAWGで分波された波長λup1〜λupnの上り信号用光キャリアをポート対応にそれぞれ合波するn個の波長群結合フィルタとを備え、
    前記下りAWGに代えて、下り現用系光ファイバに対応する下り現用系AWGおよび下り予備系光ファイバに対応する下り予備系AWGと、下り現用系AWGで分波された波長λdw1〜λdwnの下り光信号と下り予備系AWGで分波された波長λdp1〜λdpnの下り光信号をポート対応にそれぞれ合波するn個の波長群結合フィルタとを備え、
    前記上りAWGに代えて、上り現用系光ファイバに対応する上り現用系AWGおよび上り予備系光ファイバに対応する上り予備系AWGと、前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λuw1〜λuwnの上り光信号と波長λup1〜λupnの上り光信号をそれぞれ分波し、前記上り現用系AWGまたは前記上り予備系AWGの対応するポートに入力するn個の波長群分離フィルタとを備えたことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  45. 請求項43に記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、
    前記各ONUを2つの群#1〜#k、#k+1〜#nに分け、
    下り光信号を2つの波長群λd1〜λdk、λdk+1〜λdnに分けたときに、ONU#1〜#kに現用系として波長λd1〜λdkを割り当て、予備系として波長λdk+1〜λdnを割り当て、ONU#k+1〜#nに現用系として波長λdk+1〜λdnを割り当て、予備系として波長λd1〜λdkを割り当て、
    上り光信号を2つの波長群λu1〜λuk、λuk+1〜λunに分けたときに、ONU#1〜#kに現用系として波長λu1〜λukを割り当て、予備系として波長λuk+1〜λunを割り当て、ONU#k+1〜#nに現用系として波長λuk+1〜λunを割り当て、予備系として波長λu1〜λukを割り当て、
    前記上り信号用光キャリアAWGに代えて、下り現用系光ファイバに対応する現用系上り信号用光キャリア分波器および下り予備系光ファイバに対応する予備系上り信号用光キャリア分波器と、現用系上り信号用光キャリア分波器で分波された波長λu1〜λuk、λuk+1〜λunの上り信号用光キャリアと予備系上り信号用光キャリア分波器で分波された波長λuk+1〜λun、λu1〜λukの上り信号用光キャリアをポート対応にそれぞれ合波するn個の波長群結合フィルタとを備え、
    前記下りAWGに代えて、下り現用系光ファイバに対応する下り現用系分波器および下り予備系光ファイバに対応する下り予備系分波器と、下り現用系分波器で分波された波長λd1〜λdk、λdk+1〜λdnの下り光信号と下り予備系分波器で分波された波長λdk+1〜λdn、λd1〜λdkの下り光信号をポート対応にそれぞれ合波するn個の波長群結合フィルタとを備え、
    前記上りAWGに代えて、上り現用系光ファイバに対応する上り現用系合波器および上り予備系光ファイバに対応する上り予備系合波器と、前記各ONUに対応する上り光ファイバから入力する波長λu1〜λuk、λuk+1〜λunの上り光信号と波長λuk+1〜λun、λu1〜λukの上り光信号をそれぞれ分波し、前記上り現用系合波器または前記上り予備系合波器の対応するポートに入力するn個の波長群分離フィルタとを備えたことを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
  46. 請求項1〜請求項45のいずれかに記載の光波長多重アクセスシステムにおいて、任意のONUに、現用下り光信号、予備下り光信号、現用上り光信号および予備上り光信号としてそれぞれ2波長以上を割り当て、前記アクセス区間の光ファイバを二重化する構成であることを特徴とする光波長多重アクセスシステム。
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