JP3822481B2 - スパッタリング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空処理の技術分野にかかり、特に、複数の基板に対して連続して真空処理を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基板表面に薄膜を成膜する量産装置としては、1台の搬送室の周囲に処理室が複数台接続されたマルチチャンバ型の真空処理装置が用いられている。
【0003】
図19の符号102は、その真空処理装置を示している。搬送室150の周囲に、複数の処理室が接続されている(ここでは2台の処理室151、153が示されている。)。
【0004】
1台の処理室153を例にとって内部構成を説明すると、この処理室153の壁面のうち、搬送室150に接続された壁面には通過口124が設けられている。この通過口124には、不図示のゲートバルブが設けられており、そのゲートバルブによって通過口124が塞がれると搬送室150の内部雰囲気は処理室153の内部雰囲気から分離され、ゲートバルブが開けられると搬送室150の内部雰囲気は処理室153の内部雰囲気に接続されるようになっている。
【0005】
処理室153の壁面のうち、通過口124が形成された壁面と対向する壁面には、ターゲットホルダ123が配置されている。
【0006】
処理室153の底壁上には基板保持装置110が配置されている。基板保持装置110は、回転軸114と、保持板111と、昇降板113とを有しており、回転軸114は、ターゲットホルダ123近辺に水平に配置されている。
【0007】
保持板111は、回転軸114に取り付けられており、回転軸114を回転させると水平な姿勢にも垂直な姿勢にもできるようになっている。図20は水平な姿勢にある保持版111を示している。
【0008】
搬送室150内には基板搬送ロボット140が配置されている。基板搬送ロボット140は、回転軸と、根本部分が該回転軸に取り付けられたアーム141と、該アーム141先端に取り付けられたハンド143とを有しており、回転軸を回転させ、アーム141を伸縮させるとハンド143を水平面内で移動できるように構成されている。
【0009】
上記の真空処理装置102で成膜作業を行う場合は、ハンド143上に基板105を乗せ、ゲートバルブを開け、ハンド143を処理室内153内に挿入し、水平姿勢の保持板111上で静止させる。
【0010】
昇降板113は、水平姿勢の保持板111の下方に配置されており、該昇降板113の表面にはピン117が複数本数立設されている。保持板111には孔118が複数個設けられており、昇降板113を上方に移動させると、各ピン117は水平姿勢の保持板111の孔118内に挿通される。そして、更にピン117を上昇させると、ピン117の上端部分はハンド143の間から上方に突き出され、その結果、基板105はピン117の上端部に乗せられる。図20はその状態を示している。
【0011】
次いで、ハンド143を搬送室150に戻し、昇降板113を降下させると、基板105は保持板111上に乗せられる。図21はその状態を示している。
【0012】
保持板111に設けられた不図示の保持機構により、基板105を保持板111上に保持し、回転軸114を回転させて保持板111を起立させると、図22に示すように基板105は保持板111と共に起立する。ターゲットホルダ123内には、不図示のターゲットが鉛直に配置されれおり、基板105が起立姿勢になると、基板105の表面はターゲットに対して平行に対向する。
【0013】
この状態でゲートバルブを閉じ、処理室153の内部を搬送室150から遮断し、処理室153内にスパッタリングガスを導入し、ターゲットに電圧を印加してスパッタリングを行い、基板105表面に薄膜を形成する。
【0014】
薄膜が所定膜厚に形成された後、処理室153の内部からスパッタリングガスを排気し、処理室153内部の圧力が搬送室150内の圧力と同程度まで低下した後、処理室153と搬送室150の間のゲートバルブを開け、処理室153の内部雰囲気と搬送室150の内部雰囲気とを接続し、基板搬送ロボット140のハンド143を処理室153内に挿入し、ハンド143上に薄膜が形成された基板105を乗せ、処理室153の内部から搬出し、後工程の処理室の内部に搬入する。
【0015】
ハンド143上から薄膜が形成された基板105が除去された後、前工程の処理室や搬入室内にハンド143を挿入し、未処理の基板を乗せ、搬送室150の内部を通して処理室153内に搬入し、スパッタリング作業を行う。
【0016】
以上のように、従来技術のスパッタリング方法では、薄膜が形成された基板を処理室153内部から除去した後、未処理の基板をハンド143上に乗せて処理室153内部に搬入し、その基板に対するスパッタリング作業を開始する必要がある。処理が終了した基板を未処理の基板と交換する間は、処理室153内部での成膜作業を行うことはできないため、交換に要する時間が無駄になっていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、基板を交換している間も真空処理を行うことができる基板保持装置と、その基板保持装置を用いた真空処理装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、処理室と、前記処理室内に互いに平行に水平に配置された第一、第二の回転軸と、前記第一、第二の回転軸に取りつけられ、前記第一、第二の回転軸が回転すると、水平姿勢と起立姿勢を取れる第一、第二の保持板と、前記処理室内に鉛直に配置され、起立姿勢にされた前記第一、第二の保持板と対面可能なターゲットと、前記処理室の前記ターゲットと対面する位置に形成され、閉可能な通過口と、前記通過口で前記処理室と接続された搬送室とを有し、前記第一、第二の保持板が、前記第一、第二の回転軸の間の位置で水平姿勢を取れるように構成されたスパッタリング装置を用い、前記ターゲットをスパッタリングし、起立姿勢の前記第一の保持板に配置され、前記ターゲットに対面された第一の基板表面に薄膜を成長させながら、薄膜が未形成の第二の基板を前記通過口を通過させて前記搬送室から前記処理室内に搬入し、水平姿勢の前記第二の保持板上に配置するスパッタリング方法であって、前記第一、第二の回転軸は水平面内で回転可能に構成され、前記第一の基板のスパッタリングが終了した後、回転機構によって、前記第一、第二の回転軸を180°回転させ、前記第二の保持板を起立姿勢にし、前記第二の基板を前記ターゲットと対面させ、前記ターゲットをスパッタリングするスパッタリング方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスパッタリング方法であって、前記スパッタリング装置は、前記第一、第二の回転軸が異なる高さに配置され、前記第一、第二の保持板が前記第一、第二の回転軸の間の位置で重ねて水平姿勢を取れるように構成され、前記第一、第二の保持板を昇降移動させ、起立姿勢の前記第一、第二の保持板を同じ高さにして前記第一、第二の基板表面に薄膜を成長させるスパッタリング方法である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタリング方法であって、前記ターゲットのスパッタリング中に、前記搬送室に接続された他の処理室から基板を取り出すスパッタリング方法であって、前記他の処理室から前記基板を取り出す際には前記通過口を閉じ、前記搬送室を前記処理室よりも低圧力にし、前記通過口を開けて前記搬送室の内部雰囲気と前記処理室の内部雰囲気を接続する前に、前記搬送室の内部雰囲気を前記他の処理室の内部雰囲気から遮断し、前記搬送室内にスパッタリングガスを導入し、前記搬送室の圧力を上昇させ、接続するスパッタリング方法である。
【0019】
本発明は上記のように構成されており、処理室内で基板を鉛直に起立させた状態でスパッタリングを行っているときに、次にスパッタリング処理すべき基板を処理室内に搬入するので、スパッタリング処理終了後、基板を交換する場合に比べ、処理時間が短くて済む。
【0020】
この場合、搬送室はスパッタリング中の処理室と接続されるため、搬送室内の圧力を処理室内の圧力と略一致させておくと、接続の際にも処理室内の圧力変動が生じなくなるので、スパッタリングを安定して行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1の符号2は本発明のスパッタリング方法を用いることができる真空処理装置の一例を示している。
【0022】
この真空処理装置2は、搬送室50と、搬出入室51と、処理室52〜56を有している。搬出入室51と各処理室52〜56とは、ゲートバルブ71〜76を介して、搬送室50の側面にそれぞれ接続されている。
【0023】
搬送室50と、搬出入室51と、処理室52〜56には、真空排気系60〜66と、ガス導入系80〜86とがそれぞれ接続されており、各ゲートバルブ71〜76を閉じ、真空排気系60〜66を動作させると、搬出入室51と搬送室50と各処理室52〜56の内部を個別に真空排気できるように構成されている。
【0024】
各処理室52〜56に接続されたガス導入系82〜86は、処理室52〜56内部で行われる処理に応じたガスボンベが接続されている。例えば、スパッタリング処理に対してはアルゴンガスであり、CVDに対しては薄膜の原料ガスとキャリアガスであり、エッチング処理に対しては有機フッ素ガス等のエッチングガスである。
【0025】
他方、搬送室50に接続されたガス導入系80には、窒素ガスやアルゴンガスの不活性な補助ガスが充填されたガスボンベが接続されている。
【0026】
この搬送室50内には、基板搬送ロボット40が配置されている。基板搬送ロボット40は、回転軸44と、アーム42と、ハンド43とを有している。回転軸44は鉛直に配置されており、アーム42の一端が取り付けられている。ハンド43は、アーム42の他端に取り付けられており、回転軸44の回転によってアーム42が伸縮動作し、それに伴ってハンド43が水平面内で移動するように構成されている。ハンド43は先端が分割され、フォーク状になっており、後述するピン17がハンド43内に挿入されるようになっている。
【0027】
図2は、本発明を説明するために、処理室52、54〜56を省略した真空処理装置2の斜視図であり、搬送室50と、搬出入室51と、1台の処理室53が示されている。
【0028】
この搬送室53内には基板保持装置10が配置されている。該基板保持装置10は、上側基板ホルダ11と、下側基板ホルダ12と、上側回転軸14と、下側回転軸15と、昇降板13とを有している。
【0029】
上側回転軸14は、処理室53内で水平に配置されており、下側回転軸15は、上側回転軸14に対して水平方向に離間し、且つ下方位置であって、上側回転軸14に対して平行に配置されている。符号22は上側回転軸14の回転軸線を示しており、符号25は下側回転軸15の回転軸線を示している。上側回転軸14と下側回転軸15には、不図示のモータが取り付けられており、上側回転軸14と下側回転軸15は、それぞれ回転軸線22、25を中心として回転できるように構成されている。
【0030】
上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12は四角形状の板であり、その一辺が、それぞれ上側回転軸14と下側回転軸15に、軸線方向に沿って取り付けられている。
【0031】
図2は、上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12とがそれぞれ水平な状態で静止した水平姿勢にある場合を示しており、上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12とが共に水平姿勢にあるときは、隙間を存した状態で互いに重ね合うようになっている。
【0032】
昇降板13は、水平姿勢にある下側基板ホルダ12の鉛直下方位置に水平に配置されている。昇降板13の表面には複数本のピン17が直立して設けられている。昇降板13は、上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12に対して相対的に上下移動可能に構成されており、昇降板13の上下移動に伴い、ピン17が上下移動するようになっている。
【0033】
水平姿勢にあるときの上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12の各ピン17の鉛直上方位置には、それぞれ孔18、19が設けられている。従って、上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12を水平姿勢にし、昇降板13を上方に移動させると各ピン17は孔18、19内に挿入される。
【0034】
ところで、図2は、基板搬送ロボット40によって搬出入室51内から処理対象の基板5が取り出され、処理室53に搬入される直前の状態が示されている。
【0035】
また、図2では、搬送室50と処理室53との間のゲートバルブ73が開けられた状態になっており、搬送室50と処理室53とは通過口24によって内部が接続されている。
【0036】
この処理室53はスパッタリング室であり、処理室53の壁面のうち、通過口24が形成された壁面と相対する一壁面には、ターゲットホルダ23が配置されている。
【0037】
上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12と昇降板13とは水平面内で一緒に回転できるように構成されている。図2では、上側回転軸14が通過口24側に位置し、下側回転軸15がターゲットホルダ23側に位置した状態で静止している。
【0038】
この状態から水平面内で180°回転させると、図3に示すように、下側回転軸15が通過口24側に位置し、上側回転軸14がターゲットホルダ23側に位置する。
【0039】
図4は、その状態から上側回転軸14を90°回転させ、水平姿勢にあった上側基板ホルダ11を鉛直な起立姿勢にした状態を示している。起立姿勢にある上側基板ホルダ11はターゲットホルダ23内のターゲットに平行に面している。
【0040】
図5は、図4とは逆に、下側回転軸15がターゲットホルダ23側に位置し、上側回転軸14が通過口24側に位置しており、下側基板ホルダ12が起立姿勢にあり、上側基板ホルダ11が水平姿勢にある状態を示している。起立姿勢にある下側基板ホルダ12はターゲットホルダ23内のターゲットに平行に面している。
【0041】
上側回転軸14と下側回転軸15とが上下方向に移動可能に構成されている場合は、図7に示すように、上側基板ホルダ11が起立姿勢にあるとき(図7の左方の状態)と、下側基板ホルダ12が起立姿勢にあるとき(図7の右方の状態)との高さを一致させることができる。
【0042】
図6は、図5のように上側基板ホルダ11が水平姿勢にあり、下側基板ホルダ12が起立姿勢にある状態で、昇降板13が上方に移動した場合を示しており、ピン17の先端が上側基板ホルダ11の孔17から突き出されている。
【0043】
次に、上記基板保持装置10を用い、処理室53内で本発明のスパッタリング方法を行う手順について説明する。
【0044】
図8を参照し、先ず、下側基板ホルダ12が起立姿勢にあり、上側基板ホルダ11が水平姿勢にあり、下側基板ホルダ12には、スパッタリング法によって薄膜の形成途中の基板5aが鉛直に保持されている状態にあるものとする。
【0045】
図8及び後述する図9〜18の符号26は、ターゲットホルダ23内に鉛直に配置されたターゲットを示しており、図8の状態はスパッタリングによる薄膜形成作業中であり、基板5aはターゲット26に面している。
【0046】
この状態では、処理室53と搬送室50の間のゲートバルブ73は閉じられており、処理室53内にはアルゴンガス等のスパッタリングガスがマスフローコントローラ(MFC)等によって流量制御されながら導入され、内部は10-1Pa〜10+1Pa程度の圧力にされている。
【0047】
他方、搬送室50の内部は真空排気系60によって処理室53よりも低圧力にされている。
【0048】
この状態で基板搬送ロボット40を動作させ、搬出入室51や他の処理室52、54〜56から基板を取り出し、搬送室50と搬出入室51の間、及び搬送室50と処理室52〜56との間のゲートバルブ71〜76を閉じた状態にし、搬送室50の内部雰囲気を搬出入室51や各処理室51〜56の内部雰囲気から遮断する。
【0049】
次いで、搬送室50に接続されたガス導入系80により、マスフローコントローラ等によって流量制御しながら、搬送室50内部に補助ガスを導入し、搬送室50の内部雰囲気の圧力をスパッタリング中の処理室53の内部雰囲気の圧力と同じ圧力まで昇圧させる。
【0050】
搬送室50の内部に導入される補助ガスは、処理室53内部に侵入しても処理室53内で行われるスパッタリング等の真空処理に影響を与えない不活性ガスであり、例えばN2ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが用いられる。ここでは、補助ガスとして、処理室53内部に導入中のスパッタリングガスと同じアルゴンガスを導入した。
【0051】
搬送室50と処理室53との間の圧力差が解消された後、その間のゲートバルブ73を開け、搬送室50の内部雰囲気とスパッタリング中の処理室53の内部雰囲気とを接続し、次にスパッタリングによって薄膜が形成される基板をハンド43上に乗せ、通過口24を通してハンド43を処理室53内部に挿入する。図9はその状態を示しており、ハンド43は、水平姿勢にある上側基板ホルダ11の上方に位置している。符号5bは、ハンド43上に乗せられた次に薄膜が形成される基板を示している。
【0052】
次いで、図10に示すように、昇降板13を上方に移動させると、ピン17の先端は上側基板ホルダ11の表面高さよりも突き出され、更に上昇すると、ハンド43とは接触せず基板5bの裏面に当接される。その結果、基板5bはハンド43上からピン17の上端部上に移し換えられる。
【0053】
その状態で、図11に示すように、ハンド43を搬送室50内に戻し、図12に示すように昇降板13を降下させると、昇降ピン17の上端部上の基板5bは水平姿勢にある上側基板ホルダ43上に乗せられる。次いで、不図示の保持機構を動作させ、基板5bを上側基板ホルダ11上に密着保持する。
【0054】
ハンド43が搬送室50に戻された後では、搬送室50と処理室53との間のゲートバルブ73は閉じられており、搬送室50の内部雰囲気はスパッタリング中の処理室53の内部雰囲気から分離されている。
【0055】
その状態で搬送室50内への補助ガスの導入を停止し、搬送室50内部を低圧力にし、他の処理室52、54〜56や搬出入室51との間で基板の搬出入を行う。
【0056】
処理室53内部では、ゲートバルブ73が閉じた後でもスパッタリングが続行され、基板5aに所定膜厚の薄膜が形成された後、ターゲット26への電圧の印加と処理室53内へのスパッタリングガスの導入を停止し、スパッタリングを終了させる。
【0057】
スパッタリングの終了後、上側基板ホルダ11と下側基板ホルダ12を回転させ、図13に示すように、下側基板ホルダ12を通過口24側に位置させ、上側基板ホルダ11をターゲット26側に位置させ、次いで図14に示すように、上側基板ホルダ11を起立させ、処理室53の内部にスパッタリングガスを導入し、ターゲット26のスパッタリングによる基板5b表面への薄膜形成作業を開始する。
【0058】
次に、図15に示すように、下側基板ホルダ12を水平姿勢にした後、図16に示すように、昇降板13を上昇させ、薄膜形成が終了した基板5aをピン17上に乗せる。
【0059】
このとき、基板搬送ロボット40のハンド43上には基板は載置されておらず、また、搬送室50と搬出入室51及び処理室52〜56の間のゲートバルブ71〜76は閉じられており、搬送室50の内部には補助ガスが導入され、その圧力は処理室53内部の圧力と同程度まで昇圧されている。
【0060】
その状態でゲートバルブ73を開け、スパッタリング中の処理室53の内部雰囲気と搬送室50の内部雰囲気とを接続し、図17に示すように、基板搬送ロボット40のハンド43を、基板5aと下側基板ホルダ12との間に挿入する。
【0061】
次いで、昇降板13を降下させ、図18に示すように、薄膜が形成された基板5aをハンド43上に乗せた後、ハンド43を搬送室50内に退避させると、基板保持装置10は、図8に示したのと同様に、1枚の基板の表面に薄膜形成中の状態になる。
【0062】
この状態では、下側基板ホルダ12上からは、処理が終了した基板5aが取り除かれているので、基板搬送ロボット40により、処理室53内で薄膜を形成する基板を乗せると、次々と基板表面に薄膜を形成することが可能になる。
【0063】
【発明の効果】
スパッタリング処理の終了後に基板を交換する場合に比べ、処理時間が短くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を用いることができる真空処理装置の一例
【図2】その真空処理装置に用いられている基板保持装置を説明するための図
【図3】その基板保持装置の動作を説明するための図(1)
【図4】その基板保持装置の動作を説明するための図(2)
【図5】その基板保持装置の動作を説明するための図(3)
【図6】その基板保持装置の動作を説明するための図(4)
【図7】起立姿勢にある上側基板ホルダと下側基板ホルダの高さを一致させた場合を説明するための図
【図8】本発明方法の手順を説明するための図(1)
【図9】本発明方法の手順を説明するための図(2)
【図10】本発明方法の手順を説明するための図(3)
【図11】本発明方法の手順を説明するための図(4)
【図12】本発明方法の手順を説明するための図(5)
【図13】本発明方法の手順を説明するための図(6)
【図14】本発明方法の手順を説明するための図(7)
【図15】本発明方法の手順を説明するための図(8)
【図16】本発明方法の手順を説明するための図(9)
【図17】本発明方法の手順を説明するための図(10)
【図18】本発明方法の手順を説明するための図(11)
【図19】従来技術のスパッタリング方法が用いられる真空処理装置を説明するための図
【図20】従来技術のスパッタリング方法の手順を説明するための図(1)
【図21】従来技術のスパッタリング方法の手順を説明するための図(2)
【図22】従来技術のスパッタリング方法の手順を説明するための図(3)
【符号の説明】
5、5a、5b……基板 26……ターゲット 50……搬送室 53……処理室

Claims (3)

  1. 処理室と、
    前記処理室内に互いに平行に水平に配置された第一、第二の回転軸と、
    前記第一、第二の回転軸に取りつけられ、前記第一、第二の回転軸が回転すると、水平姿勢と起立姿勢を取れる第一、第二の保持板と、
    前記処理室内に鉛直に配置され、起立姿勢にされた前記第一、第二の保持板と対面可能なターゲットと、
    前記処理室の前記ターゲットと対面する位置に形成され、閉可能な通過口と、
    前記通過口で前記処理室と接続された搬送室とを有し、
    前記第一、第二の保持板が、前記第一、第二の回転軸の間の位置で水平姿勢を取れるように構成されたスパッタリング装置を用い、
    前記ターゲットをスパッタリングし、起立姿勢の前記第一の保持板に配置され、前記ターゲットに対面された第一の基板表面に薄膜を成長させながら、
    薄膜が未形成の第二の基板を前記通過口を通過させて前記搬送室から前記処理室内に搬入し、水平姿勢の前記第二の保持板上に配置するスパッタリング方法であって、
    前記第一、第二の回転軸は水平面内で回転可能に構成され、
    前記第一の基板のスパッタリングが終了した後、回転機構によって、前記第一、第二の回転軸を180°回転させ、前記第二の保持板を起立姿勢にし、前記第二の基板を前記ターゲットと対面させ、前記ターゲットをスパッタリングするスパッタリング方法。
  2. 前記スパッタリング装置は、前記第一、第二の回転軸が異なる高さに配置され、前記第一、第二の保持板が前記第一、第二の回転軸の間の位置で重ねて水平姿勢を取れるように構成され、
    前記第一、第二の保持板を昇降移動させ、起立姿勢の前記第一、第二の保持板を同じ高さにして前記第一、第二の基板表面に薄膜を成長させる請求項1記載のスパッタリング方法。
  3. 前記ターゲットのスパッタリング中に、前記搬送室に接続された他の処理室から基板を取り出すスパッタリング方法であって、
    前記他の処理室から前記基板を取り出す際には前記通過口を閉じ、前記搬送室を前記処理室よりも低圧力にし、
    前記通過口を開けて前記搬送室の内部雰囲気と前記処理室の内部雰囲気を接続する前に、前記搬送室の内部雰囲気を前記他の処理室の内部雰囲気から遮断し、前記搬送室内にスパッタリングガスを導入し、前記搬送室の圧力を上昇させ、接続する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタリング方法。
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