JP3820703B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、詳しくは安価に製造でき、発色性に優れ、かつ色再現性に優れ、画像保存性に優れた新規なイエローカプラーをハロゲン化銀乳剤層で用いるハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単にカラー感光材料とも言う)においては、1分子の色素を形成させるために4原子の銀を必要とした従来の4当量カプラーの代わりに、現像主薬の酸化物と反応するカプラーのカップリング位置(活性点)に適当な置換基を導入することによって色素1分子を形成させるための銀を2原子で足りるようにした2当量カプラーが多く用いられる傾向にある。
【0003】
しかしながら、カラー感光材料の進歩にともなってカプラーに対する要求はますます厳しくなりつつあり、発色性のみならず色再現性、画像保存性、低沸点溶媒に対する溶解性、および分散安定性についてさらなる改良が要求されるようになってきている。
【0004】
色再現性と発色性を向上させる技術として、環状イミド構造を有する複素環化合物を脱離基として有し、さらにアニライド部の2位にアルコキシ基を導入したイエローカプラーが知られている。例えば、特開昭63−38932号公報にはアニライド部の2位にアルコキシ基を有し、脱離基としてヒダントイン基あるいはイミダゾロン基を有するイエローカプラーが記載されている。しかしこれらのカプラーはバラスト基として存在するスルファモイル基のため、色再現性に劣り、さらに耐光性に著しく劣るという欠点が存在する。
【0005】
良好な色再現性と高発色性を維持したままで、さらに耐光性を向上させたものとしては、例えば特開昭63−123047号公報に記載されているような、アニライド部の2位にアルコキシ基を、5位にアシルアミノ基を有するイエローカプラーが知られている。しかし、これらのカプラーは酢酸エチル等の低沸点溶媒およびジブチルフタレート等の高沸点溶媒に対する溶解性に劣るため、分散させるにあたっては大量の溶媒を使用しなければならないという、カラー感光材料製造上の不都合が生じ、さらに前記溶媒中に一旦分散された後に析出を起こしやすいという欠点を有している。近年強く志向されている薄膜化のための条件下ではこれらの欠点は著しく強調され、実用化に対して大きな障害となることが明らかとなっている。また、該特許に記載されているカプラーはバラスト基中にスルホニル基を含有することを特徴としているが、このスルホニル基を導入するためにはその製造に際し工程が複雑となり、従って製造コストが高くなってしまうという難点も有している。
【0006】
米国特許4,388,403号公報には、アニライド部の2位にアルコキシ基を、5位にスルホニルアミノ基を有し、また、脱離基としてイミダゾリル基を有するイエローカプラーが記載されている。このカプラーは上記のような耐光性や分散安定性に関する限り性能的には満足するが、カプラーとして最も重要な発色性の点でさらなる改良が望まれている。
【0007】
欧州特許416,684号公報には、アニライド部の2位にアルコキシ基を、5位にスルホニルアミノ基を有し、また、脱離基としてアリールオキシ基を有するイエローカプラーが記載されている。これらのカプラーは、アリールオキシ基の存在により高発色性を示すが、逆にその存在により耐光性に劣り、特にカラー写真印画紙における使用に際し大きな障害となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、本発明の第一の目的は安価に製造することができ、発色性に優れた新規な2当量イエローカプラーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することである。
【0009】
本発明の第二の目的は、発色現像時に現像主薬の酸化体と反応して、優れた画像保存性(特に優れた耐光性)と、かつ忠実な色再現性のために必要なシャープな可視吸収スペクトルを示し、鮮やかな色画像を与える色素を生成する新規な2当量イエローカプラーを含有するハロゲン化銀カラーへ写真感光材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の一般式〔I〕で表されるイエローカプラーを青感光性層に含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料によって達成された。
【0011】
【化2】
Figure 0003820703
【0012】
〔式中、R1t−ブチル基又は芳香族基を表し、R2は炭素数8〜21の直鎖或いは分岐のアルキル基、下記一般式〔II〕で表される基、又は炭素数4〜10の直鎖或いは分岐のアルキル基を置換基として有する芳香族基を表す。R3は水素原子又はハロゲン原子を表し、Xは現像主薬の酸化体とのカップリング時に脱離しうる下記一般式(IX)で表される含窒素複素環基を表す。〕
一般式〔II〕
−J−X−R12
〔式中、Jは炭素原子数1から20までの直鎖または分岐のアルキレン基を表し、R12は炭素原子数1から20までの直鎖または分岐のアルキル基又は芳香族基を表し、Xは−O−、−OCO−、−OSO2−、−CO−、−COO−、−CON(R13)−、−CON(R13)SO2−、−N(R13)−、−N(R13)CO−、−N(R13)SO2−、−N(R13)CON(R14)−、−N(R13)COO−、−S(O)n−、−S(O)nN(R13)−、あるいは−S(O)nN(R13)CO−等の結合を表す。(式中、R13およびR14は、水素原子、直鎖又は分岐のアルキル基、または前記一般式〔I〕においてR1で表されるアリール基と同義の基を表す。nは0から2までの整数を表す。)また、R12とJとは互いに結合し、環状構造を形成してもよい。〕
【化B】
Figure 0003820703
〔Z3は、>N−R21または−O−表し、R21は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、あるいは複素環基を表す。Z4は、>N−R22または>C(R23)(R24)を表す。但し、R22は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、あるいは複素環基を表し、R23及びR24は水素原子、アルキル基、アリール基、あるいはアルコキシ基を表す。〕
上記一般式〔I〕においてR1 はt−ブチル基を表す
【0013】
上記一般式〔I〕においてR1で表される芳香族基としては炭素数6から14までのアリール基(例えばフェニル基、1−ナフチル基、および9−アントラニル基等)が挙げられる。R1で表されるアリール基はさらに置換基を有することができ、置換基としては例えば、ニトロ基、シアノ基、アミノ基(例えばジメチルアミノ基、アニリノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基等)、直鎖又は分岐のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、および1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。これらアルキル基はさらに置換基を有することができ、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、アリール基(例えばフェニル基、p−t−オクチルフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えばn−ドデカンスルホニルアミノ基等)、およびヒドロキシ基等が挙げられる。
【0014】
1 はt−ブチル基が特に好ましい。
【0015】
上記一般式〔I〕においてR2で表される炭素数8〜21の直鎖或いは分岐のアルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、イソトリデシル基、ヘキサデシル基、あるいはオクタデシル基等が挙げられる。また、R2で表される炭素数8〜21の直鎖或いは分岐のアルキル基は、例えば以下の一般式〔II〕で表されるような、中間に官能基を介する構造を有していてもよい。
【0016】
一般式〔II〕
−J−X−R12
式中、Jは炭素原子数1から20までの直鎖または分岐のアルキレン基、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,1−ジメチルメチレン基、1−デシルメチレン基等を表し、R12は炭素原子数1から20までの直鎖または分岐のアルキル基、例えば前記一般式〔I〕におけるR1で表されるアリール基の置換基として述べたアルキル基と同義の基を表す。Xは−O−、−OCO−、−OSO2−、−CO−、−COO−、−CON(R13)−、−CON(R13)SO2−、−N(R13)−、−N(R13)CO−、−N(R13)SO2−、−N(R13)CON(R14)−、−N(R13)COO−、−S(O)n−、−S(O)nN(R13)−、あるいは−S(O)nN(R13)CO−等の結合を表す。(式中、R13およびR14は、水素原子または前記一般式〔I〕においてR1で表されるアリール基の置換基として述べたアルキル基およびアリール基と同義の基を表す。nは0から2までの整数を表す。)また、R12とJとは互いに結合し、環状構造を形成してもよい。
【0017】
これらR2で表されるアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、その場合の置換基としては、例えば、前記一般式〔I〕におけるR1で表されるアリール基の置換基として述べたアルキル基の置換基と同義の基を表す。
【0018】
上記一般式〔I〕においてR2で表される炭素数4〜10の直鎖或いは分岐のアルキル基を置換基として有する芳香族基としては、例えば、前記一般式〔I〕におけるR1で表されるアリール基と同義の基が挙げられる。このR2で表されるアリール基はさらに置換基を有していてもよく、その場合の置換基としては、例えば、前記一般式〔I〕におけるR1で表されるアリール基の置換基と同義の基が挙げられる。上記一般式〔I〕においてR2は、好ましくは炭素数8〜21の直鎖或いは分岐のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数8〜21の直鎖アルキル基である。
【0019】
上記一般式〔I〕においてR3は水素原子又はハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子が挙げられる。R3は好ましくは塩素原子である。
【0020】
上記一般式〔I〕においてXは現像主薬の酸化体とのカップリング時に離脱しうる下記一般式( IX )で表される含窒素複素環基を表
【0024】
【化4】
Figure 0003820703
【0028】
上記一般式〔IX〕においてZ3>N−R21 たは、−O−を表し、R 21 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、あるいは複素環基を表す。Z 4 は、>N−R22 たは、>C(R23)(R24を表す。但し、R 22 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、あるいは複素環基を表し、R 23 及びR 24 は水素原子、アルキル基、アリール基、あるいはアルコキシ基を表す。
【0030】
前記一般式〔I〕で表される二当量イエローカプラーはいずれかの置換基において結合し、ビス体、トリス体、テトラキス体、あるいはポリマー体を形成しても良い。
【0031】
次に、本発明に用いられる一般式〔I〕で表される2当量イエローカプラーの代表的具体例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0032】
【化5】
Figure 0003820703
【0033】
【化6】
Figure 0003820703
【0034】
【化7】
Figure 0003820703
【0035】
【化8】
Figure 0003820703
【0036】
【化9】
Figure 0003820703
【0037】
【化10】
Figure 0003820703
【0038】
本発明の一般式〔I〕で表されるイエローカプラーは従来公知の方法により容易に合成することができる。以下に本発明の代表的な合成例を示す。
【0039】
合成例1:例示カプラー(27)を下記のスキームに従って合成した。
【0040】
【化11】
Figure 0003820703
【0041】
i)中間体(27a)の合成
2−アミノ−4−クロロフェノールの144g(1モル)を900mlの2−ブタノールに分散し、40〜50℃で無水酢酸103g(1.01モル)を攪拌下滴下する。滴下終了後さらに40℃にて1.5時間反応させる。反応終了後、水酸化ナトリウム42g(1.05モル)とドデシルブロマイド262g(1.05モル)を加え、85±5℃で9時間加熱攪拌下反応させる。その後反応液を放冷し、水洗後10%炭酸ナトリウム水溶液で2回、希硫酸で1回、食塩水で2回洗浄し、有機層を減圧濃縮する。更に、得られた残渣をエタノール600mlで再結晶すると、中間体(27a)が326g(収率92%)得られる。
【0042】
ii)例示カプラー27の合成
中間体(27a)354g(1モル)を1リットルのメタノールと55mlの水の混合液に分散し、濃硫酸196g(2モル)を滴下する。滴下終了後、加熱還流下4時間反応させる。その後、反応溶媒を減圧回収し、残渣に1.3リットルのトルエンと28%の炭酸ナトリウム水溶液を加え、有機層を抽出する。更に、28%の炭酸ナトリウム水溶液で1回、食塩水で3回洗浄し、有機層を共沸脱水すると、中間体(27b)のトルエン溶液が得られる。
【0043】
この中間体(27b)のトルエン溶液に、166g(1.05モル)の(27c)を加え、加熱還流下、生成するメタノールを留去しながら、12時間反応させると中間体(27d)のトルエン溶液が得られる。
【0044】
更に、この中間体(27d)のトルエン溶液に塩化スルフリル135g(1モル)を約40℃にて滴下する。滴下終了後、同温度で2時間反応させ、反応終了後、反応溶媒を減圧回収すると、中間体(27e)が得られる。
【0045】
中間体(27e)をアセトン1250mlに溶解し、ベンジルヒダントイン247g(1.3モル)と炭酸カリウム180g(1.3モル)を加え、5時間加熱還流下反応させる。反応終了後、アセトンを減圧留去し、酢酸エチル1250mlと水400mlを加え有機層を抽出する。更に、有機層を10%炭酸ナトリウム水溶液で2回、希硫酸で1回、食塩水で3回洗浄し有機層を減圧濃縮する。
【0046】
得られた残渣を2−プロパノール1250mlで再結晶し、目的物の例示カプラー(27)を576g(収率92%)得た。融点は63〜64℃であった。例示カプラー(27)の構造は、NMR、IRおよびマススペクトルにより確認した。
【0047】
合成例2:例示カプラー(19)を下記のスキームに従って合成した。
【0048】
【化12】
Figure 0003820703
【0049】
i)中間体(19c)の合成
34.8g(0.22モル)の(19a)と79.2g(0.20モル)の(19b)を300mlのキシレン中、生成するメタノールを留去しながら、加熱還流下3.5時間反応させた。
【0050】
反応終了後、溶媒を減圧回収し、残渣を300mlのエタノールから再結晶することによって、中間体(19c)を91.8g(収率88%)得た。
【0051】
ii)中間体(19d)の合成
60g(0.115モル)の中間体(19c)を300mlの酢酸エチル中に溶解し、約30℃にて塩化スルフリル9.24ml(0.115モル)をゆっくり滴下した。
【0052】
滴下終了後、同温度にて約1時間攪拌し、その後溶媒を減圧回収することによって、中間体(19d)が65.6g(収率103%)得られた。
【0053】
中間体(19d)は、さらに精製することなく次工程に用いた。
【0054】
iii)例示カプラー(19)の合成
中間体(19d)15g(26.9ミリモル)をアセトン45mlに溶解し、炭酸カリウム4.83g(34.9ミリモル)、(19e)4.51g(34.9ミリモル)を加え、加熱還流下4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルと水を加え、有機層を抽出し、さらに希塩酸水で洗浄後、3回水洗した。その後、溶媒を減圧回収し、残渣を50mlのエタノールと10mlの酢酸エチルの混合溶媒により再結晶することによって、例示カプラー(19)を14.7g(収率84%)得た。
【0055】
例示カプラー(19)の構造は、NMR、IRおよびマススペクトルにより確認した。例示カプラー(19)、(27)以外の例示カプラーも、それらにそれぞれ対応する原料から出発し、上記合成例に準じて合成された。
【0056】
本発明のイエローカプラーは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、公知のあらゆるピバロイルアセトアニリド系またはベンゾイルアセトアニリド系イエローカプラーと併用することもできる。
【0057】
本発明のイエローカプラーをカラー写真感光材料のハロゲン化銀写真乳剤中に含有させるには、例えば、トリクレジルホスフェートまたはジブチルフタレート等の沸点175℃以上の高沸点有機溶媒及び酢酸エチル、メタノール、アセトン、クロロホルム、塩化メチルまたはプロピオン酸ブチルのような、従来、カプラー分散液を調整する際に用いられている低沸点有機溶媒の1種または2種以上に、単独でまたは併用して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し、ついでこの混合物を高速度回転ミキサーまたはコロイドミルで乳化分散させた後、得られた乳化分散液をハロゲン化銀写真乳剤中に直接添加するか、あるいは上記乳化分散液をセットした後、細断し、ついで水洗等の手段により低沸点有機溶媒を除去した後、これをハロゲン化銀写真乳剤中に添加すればよい。
【0058】
一般に、本発明のイエローカプラーはハロゲン化銀1モル当り約1×10-3モル〜約1モル添加するのが好ましいが、この添加量はその適用目的により、これ以外の量に変更してもよい。
【0059】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料はどのような種類および用途のものでもよく、そして、そのハロゲン化銀としては、例えば塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等が用いられる。
【0060】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には、本発明に係るイエローカプラーと共に、多色カラー画像を形成するための他のカラーカプラーを含有させることができる。
【0061】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、色カブリ防止剤、画像安定剤、硬膜剤、可塑剤、ポリマーラテックス、ホルマリンスカベンジャー、媒染剤、現像促進剤、現像遅延剤、蛍光増白剤、マット剤、溶剤、帯電防止剤、界面活性剤等を任意に用いることができる。
【0062】
なお、本発明のイエローカプラーを含有するハロゲン化銀写真カラー感光材料に紫外線吸収剤を含有させることによって、その感光材料に生ずる黄色画像の耐久性を更に向上させることができる。
【0063】
【実施例】
ついで、実施例を参照して本発明を説明するが、本発明の実施の態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0064】
実施例1
紙支持体の片面にポリエチレンをラミネートしもう一方の面に酸化チタンを含有するポリエチレンをラミネートした支持体上に、以下に示す構成の各層を酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料試料101を作製した。但し塗布液は下記の如く調製した。
【0065】
第1層塗布液
イエローカプラー(Y−1)26.7g、色素画像安定化剤(ST−1)10.0g、色素画像安定化剤(ST−2)6.67g、添加剤(HQ−1)0.67g、イラジエーション防止染料(AI−3)0.34g、高沸点有機溶媒(DNP)0.67gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7ml、を含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作製した。この分散液を下記の条件にて作製した青感性ハロゲン化銀乳剤(銀8.68g含有)と混合し第1層塗布液を調製した。
【0066】
第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液と同様に調製した。
【0067】
また硬膜剤として第2層及び第4層に(H−1)を、第7層に(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調製した。
【0068】
なお、添加量はg/m2で示す。但し、ハロゲン化銀乳剤は銀換算値で示した。
【0069】
Figure 0003820703
Figure 0003820703
Figure 0003820703
上記本発明で使用したハロゲン化銀乳剤は、いずれも分布の広さ10%以下の単分散立方体乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン及びSTAB−1を加えた。
【0070】
使用した化合物の構造を以下に示す。
【0071】
PVP:ポリビニルピロリドン
DBP:ジブチルフタレート
DOP:ジオクチルフタレート
DNP:ジノニルフタレート
DIDP:ジイソデシルフタレート
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ−s−ドデシルハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−s−テトラデシルハイドロキノン
HQ−4:2−s−ドデシル−5−s−テトラデシルハイドロキノン
SU−1:i−プロピル−ナフタレン−スルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)ナトリウム
STAB−1:1−(3−アセドアミド)フェニル−5−メルカプトテトラゾール
H−1:O(CH2SO2CH=CH22
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
【0072】
【化13】
Figure 0003820703
【0073】
【化14】
Figure 0003820703
【0074】
【化15】
Figure 0003820703
【0075】
【化16】
Figure 0003820703
【0076】
【化17】
Figure 0003820703
【0077】
【化18】
Figure 0003820703
【0078】
次いで試料101作製において第1層のイエローカプラーを、表1に示す通りに変更した以外は試料101と同様にして、比較試料102〜105および本発明試料106〜114を作製した。なお、イエローカプラーの添加量は試料101における添加量と同一モル量になるように調整した。
【0079】
作製した試料を白色光にて0.2秒ウェッジ露光し、下記処理工程に従って発色現像した後、光学濃度計(コニカ製PDA−65型)を用いて、最大発色濃度Dmaxおよび最小発色濃度Dminを測定した。
【0080】
更に、カラーチェッカー(マクベス社製)をコニカカラーDD100(コニカ株式会社製)により撮影、現像して得たネガフィルムをグレー部の色調を合わせた後、上記作成した試料にプリントし、下記処理工程に従って発色現像し、黄色における色再現性を評価した。
【0081】
また、上記試料を太陽光で4週間曝射し、初濃度1.0の所の残存濃度を測定し耐光性を求めた。結果を表1に示す。
【0082】
処理条件は下記の通りである。
【0083】
処理工程 温 度 時 間
発色現像 35.0±0.3℃ 45秒
漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒
安 定 化 30〜34℃ 90秒
乾 燥 60〜80℃ 60秒
発色現像液
純水 800ml
トリエタノールアミン 10g
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g
臭化カリウム 0.02g
塩化カリウム 2g
亜硫酸カリウム 0.3g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.0g
エチレンジアミン四酢酸 1.0g
カテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウム塩 1.0g
ジエチレングリコール 10g
N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3−
メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 4.5g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンスルホン酸
誘導体) 1.0g
炭酸カリウム 27g
水を加えて全量を1リットルとし、pH=10.10に調整する。
【0084】
漂白定着液
エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60g
エチレンジアミン四酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.7に調整する。
【0085】
安定化液
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.2g
1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン 0.3g
エチレングリコール 1.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0g
o−フェニルフェノールナトリウム 1.0g
エチレンジアミン四酢酸 1.0g
水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンスルホン酸誘導体)1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリウムでpH=7.0に調整する。
【0086】
【表1】
Figure 0003820703
【0087】
表1に示された結果から、本発明のカプラーを用いた本発明試料は、いずれも比較試料よりも最大発色濃度が高く、かつ耐光性、色再現性において優れているのがわかる。殊に、本発明の試料No.110〜115は最大発色濃度及び色再現性において優れている。
【0088】
実施例2
トリアセチルセルロースフィルム支持体の片面(表面)に下引加工を施し、次いで、支持体をはさんで、当該下引加工を施した面と反対側の面(裏面)に下記組成の層を、支持体側から順次作製した。なお、ハロゲン化銀写真感光材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのグラム数を示す。又、ハロゲン化銀及びコロイド銀は、銀に換算して示した。
【0089】
裏面第1層
アルミナゾルAS−100(酸化アルミニウム) 100mg/m2
(日産化学工業株式会社製)
ジアセチルセルロース 200mg/m2
裏面第2層
ジアセチルセルロース 100mg/m2
ステアリン酸 10mg/m2
シリカ微粒子(平均粒径0.2μm) 50mg/m2
下引加工したトリアセチルセルロースフィルム支持体の表面上に、下記に示す組成の各層を順次支持体側から形成して多層カラー写真感光材料試料201を作製した。
【0090】
第1層;ハレーション防止層(HC)
黒色コロイド銀 0.15g
UV吸収剤(UV−4) 0.20g
化合物(CC−1) 0.02g
高沸点溶媒(Oil−1) 0.20g
高沸点溶媒(Oil−2) 0.20g
ゼラチン 1.6g
第2層;中間層(IL−1)
ゼラチン 1.3g
第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm) 0.4g
(平均ヨウド含有量2.0モル%)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.3g
(平均ヨウド含有量8.0モル%)
増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル)
シアンカプラー(C−3) 0.50g
シアンカプラー(C−4) 0.13g
カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07g
DIR化合物(D−1) 0.006g
DIR化合物(D−2) 0.01g
高沸点溶媒(Oil−1) 0.55g
ゼラチン 1.0g
第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm) 0.9g
(平均ヨウド含有量7.5モル%)
増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル)
シアンカプラー(C−4) 0.23g
カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03g
DIR化合物(D−2) 0.02g
高沸点溶媒(Oil−1) 0.25g
ゼラチン 1.0g
第5層;中間層(IL−2)
ゼラチン 0.8g
第6層;低感度緑感性乳剤層(G−L)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.6g
(平均ヨウド含有量8.0モル%)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm) 0.2g
(平均ヨウド含有量2.0モル%)
増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル)
マゼンタカプラー(M−2) 0.17g
マゼンタカプラー(M−3) 0.43g
カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10g
DIR化合物(D−3) 0.02g
高沸点溶媒(Oil−2) 0.7g
ゼラチン 1.0g
第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm) 0.9g
(平均ヨウド含有量7.5モル%)
増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル)
マゼンタカプラー(M−2) 0.30g
マゼンタカプラー(M−3) 0.13g
カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04g
DIR化合物(D−3) 0.004g
高沸点溶媒(Oil−2) 0.35g
ゼラチン 1.0g
第8層;イエローフィルター層(YC)
黄色コロイド銀 0.1g
添加剤(HS−1) 0.07g
添加剤(HS−2) 0.07g
添加剤(SC−1) 0.12g
高沸点溶媒(Oil−2) 0.15g
ゼラチン 1.0g
第9層;低感度青感性乳剤層(B−L)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm) 0.25g
(平均ヨウド含有量2.0モル%)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.25g
(平均ヨウド含有量8.0モル%)
増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル)
イエローカプラー(Y−6) 0.95g
DIR化合物(D−1) 0.003g
DIR化合物(D−2) 0.006g
高沸点溶媒(Oil−2) 0.18g
ゼラチン 1.3g
第10層;高感度青感性乳剤層(B−H)
沃臭化銀乳剤(平均粒径0.8μm) 0.5g
(平均ヨウド含有量8.5モル%)
増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル)
増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル)
イエローカプラー(Y−6) 0.20g
高沸点溶媒(Oil−2) 0.05g
ゼラチン 1.0g
第11層;第1保護層(PRO−1)
沃臭化銀(平均粒径0.08μm) 0.3g
紫外線吸収剤(UV−4) 0.07g
紫外線吸収剤(UV−5) 0.10g
添加剤(HS−1) 0.2g
添加剤(HS−2) 0.1g
高沸点溶媒(Oil−1) 0.07g
高沸点溶媒(Oil−3) 0.07g
ゼラチン 0.8g
第12層;第2保護層(PRO−2)
化合物A 0.04g
化合物B 0.004g
ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02g
メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:
メタアクリル酸=3:3:4(重量比)の共重合体
(平均粒径3μm) 0.13g
上記本発明で使用したハロゲン化銀乳剤は、いずれも分布の広さ20%以下のコア/シェル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加えた。
【0091】
【化19】
Figure 0003820703
【0092】
【化20】
Figure 0003820703
【0093】
【化21】
Figure 0003820703
【0094】
【化22】
Figure 0003820703
【0095】
【化23】
Figure 0003820703
【0096】
【化24】
Figure 0003820703
【0097】
【化25】
Figure 0003820703
【0098】
【化26】
Figure 0003820703
【0099】
尚、上述の感光材料試料201は、さらに、化合物SU−1,SU−4、粘度調整剤、硬膜剤H−1,H−2、安定剤ST−5、カブリ防止剤AF−1,AF−2(重量平均分子量10,000のもの及び1,100,000のもの)、染料AI−5,AI−6および化合物DI−1(9.4mg/m2)を含有する。
【0100】
【化27】
Figure 0003820703
【0101】
【化28】
Figure 0003820703
【0102】
さらに、作製した試料201の第9層および第10層のイエローカプラーを表2に示す通りに変更した以外は試料201と同様にして、本発明試料202〜206を作製した。なお、イエローカプラーの添加量は試料201における添加量と同一モル量になるように調整した。
【0103】
作製した試料を白色光にて1/100秒ウェッジ露光し、下記処理工程に従って発色現像した後、光学濃度計(コニカ製PDA−65型)を用いて、最大発色濃度Dmaxおよび最小発色濃度Dminを測定した。その結果を表2に示す。
【0104】
処理工程
処理工程 処理時間 処理温度 補充量*
発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 780ml
漂 白 45秒 38±2.0℃ 150ml
定 着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml
安 定 60秒 38±5.0℃ 830ml
乾 燥 1分 55±5.0℃ −
*補充量は感光材料1m2当りの値である。
【0105】
発色現像液、漂白液、定着液、安定液及びその補充液は、以下のものを使用した。
【0106】
発色現像液
水 800ml
炭酸カリウム 30g
炭酸水素ナトリウム 2.5g
亜硫酸カリウム 3.0g
臭化ナトリウム 1.3g
沃化カリウム 1.2mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g
塩化ナトリウム 0.6g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5g
ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g
水酸化カリウム 1.2g
水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0107】
発色現像補充液
水 800ml
炭酸カリウム 35g
炭酸水素ナトリウム 3g
亜硫酸カリウム 5g
臭化ナトリウム 0.4g
ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g
水酸化カリウム 2g
ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g
水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.18に調整する。
【0108】
漂白液
水 700ml
1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g
エチレンジアミン四酢酸 2g
硝酸ナトリウム 40g
臭化アンモニウム 150g
氷酢酸 40g
水を加えて1リットルとし、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整する。
【0109】
漂白補充液
水 700ml
1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g
エチレンジアミン四酢酸 2g
硝酸ナトリウム 50g
臭化アンモニウム 200g
氷酢酸 56g
アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整後水を加えて1リットルとする。
【0110】
定着液
水 800ml
チオシアン酸アンモニウム 120g
チオ硫酸アンモニウム 150g
亜硫酸ナトリウム 15g
エチレンジアミン四酢酸 2g
アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1リットルとする。
【0111】
定着補充液
水 800ml
チオシアン酸アンモニウム 150g
チオ硫酸アンモニウム 180g
亜硫酸ナトリウム 20g
エチレンジアミン四酢酸 2g
アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整後水を加えて1リットルとする。
【0112】
安定液及び安定補充液
水 900ml
p−オクチルフェノキシ−デカ(エチレンオキシ)水素 2.0g
ジメチロール尿素 0.5g
ヘキサメチレンテトラミン 0.2g
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1g
シロキサン(UCC製L−77) 0.1g
アンモニア水 0.5ml
水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50%硫酸を用いてpH8.5に調整した。
【0113】
【表2】
Figure 0003820703
【0114】
表2に示された結果から、本発明のカプラーを用いた本発明試料はいずれも比較試料よりも最大発色濃度が高く、かつ、カブリの少ない色素画像を形成することがわかる。
【0115】
実施例3
トリアセチルセルロースフィルム支持体の片面(表面)に下引加工を施し、次いで支持体をはさんで、当該下引加工を施した面と反対側の面(裏面)に下記組成の層を、支持体側から順次作製した。なお、ハロゲン化銀写真感光材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのグラム数を示す。又、ハロゲン化銀及びコロイド銀は、銀に換算して示した。
【0116】
裏面第1層
アルミナゾルAS−100(酸化アルミニウム) 0.8g/m2
(日産化学工業株式会社製)
裏面第2層
ジアセチルセルロース 100mg/m2
ステアリン酸 10mg/m2
シリカ微粒子(平均粒径0.2μm) 50mg/m2
下引加工したトリアセチルセルロースフィルム支持体の表面上に、下記に示す組成の各層を順次支持体側から形成して多層カラー写真感光材料試料301を作製した。
【0117】
第1層(ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 0.24g
紫外線吸収剤(U−1) 0.14g
紫外線吸収剤(U−2) 0.072g
紫外線吸収剤(U−3) 0.072g
紫外線吸収剤(U−4) 0.072g
高沸点溶媒(O−1) 0.31g
高沸点溶媒(O−2) 0.098g
ポリNビニルピロリドン 0.15g
ゼラチン 2.02g
第2層(中間層)
高沸点溶媒(O−3) 0.011g
ゼラチン 1.17g
第3層(低感度赤感性層)
赤色増感色素S−12,S−13で分光増感された沃臭化銀乳剤
(沃化銀3.0モル%,平均粒子径0.30μm) 0.60g
カプラー(C−5) 0.37g
高沸点溶媒(O−2) 0.093g
ポリNビニルピロリドン 0.074g
ゼラチン 1.35g
第4層(高感度赤感性層)
赤色増感色素S−12,S−13で分光増感された沃臭化銀乳剤
(沃化銀3.0モル%,平均粒子径0.80μm) 0.60g
カプラー(C−5) 0.85g
高沸点溶媒(O−2) 0.21g
ポリNビニルピロリドン 0.093g
ゼラチン 1.56g
第5層(中間層)
混色防止剤(AS−1) 0.20g
高沸点溶媒(O−3) 0.25g
マット化剤(MA−1) 0.0091g
ゼラチン 1.35g
第6層(低感度緑感性層)
緑色増感色素S−14で分光増感された沃臭化銀乳剤
(沃化銀3.0モル%,平均粒子径0.30μm) 0.70g
カプラー(M−4) 0.31g
カプラー(M−5) 0.076g
高沸点溶媒(O−3) 0.059g
ポリNビニルピロリドン 0.074g
ゼラチン 1.29g
第7層(高感度緑感性層)
緑色増感色素S−14で分光増感された沃臭化銀乳剤
(沃化銀3.0モル%,平均粒子径0.80μm) 0.70g
カプラー(M−4) 0.80g
カプラー(M−5) 0.19g
混色防止剤(AS−1) 0.055g
高沸点溶媒(O−3) 0.16g
ポリNビニルピロリドン 0.12g
ゼラチン 1.91g
第8層(中間層)
ゼラチン 0.90g
第9層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 0.11g
混色防止剤(AS−1) 0.068g
高沸点溶媒(O−3) 0.085g
マット化剤(MA−1) 0.012g
ゼラチン 0.68g
第10層(低感度青感性層)
青色増感色素S−15で分光増感された沃臭化銀乳剤
(沃化銀3.0モル%,平均粒子径0.30μm) 0.70g
カプラー(Y−7) 0.86g
画像安定剤(G−1) 0.012g
高沸点溶媒(O−3) 0.22g
ポリNビニルピロリドン 0.078g
化合物(FA−1) 0.020g
化合物(FA−2) 0.040g
ゼラチン 1.09g
第11層(高感度青感性層)
青色増感色素S−15で分光増感された沃臭化銀乳剤
(沃化銀3.0モル%,平均粒子径0.85μm) 0.70g
カプラー(Y−7) 1.24g
画像安定剤(G−1) 0.017g
高沸点溶媒(O−3) 0.31g
ポリNビニルピロリドン 0.10g
化合物(FA−1) 0.039g
化合物(FA−2) 0.077g
ゼラチン 1.73g
第12層(保護層−1)
非感光性微粒子沃臭化銀
(沃化銀1.0モル%,平均粒子径0.08μm) 0.075g
紫外線吸収剤(U−1) 0.048g
紫外線吸収剤(U−2) 0.024g
紫外線吸収剤(U−3) 0.024g
紫外線吸収剤(U−4) 0.024g
高沸点溶媒(O−1) 0.13g
高沸点溶媒(O−2) 0.13g
化合物(FA−1) 0.075g
化合物(FA−2) 0.15g
ゼラチン 1.2g
第13層(保護層−2)
スベリ剤(WAX−1) 0.041g
マット剤(MA−2) 0.0090g
マット剤(MA−3) 0.051g
界面活性剤(SU−5) 0.0036g
ゼラチン 0.55g
(註:各層で使われた、ポリNビニルピロリドンの重量平均分子量は350,000である。)
なお、上述の感光材料試料301はさらにゼラチン硬膜剤H−1,H−2,H−3、水溶性染料AI−5,AI−6,AI−7、化合物DI−1、安定剤ST−5、カブリ防止剤AF−1を必要に応じて適宜添加した。
【0118】
各感光層に用いたハロゲン化銀乳剤は、いずれも分布の広さ20%以下の単分散乳剤であった。各乳剤は脱塩、水洗したのち、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在下にて最適な化学熟成を施し、各感光層に用いたハロゲン化銀乳剤を分光増感するための各増感色素、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加えた。
【0119】
なお、分布の広さは下記式により定義される。
【0120】
分布の広さ(%)=粒径標準偏差/平均粒径×100
【0121】
【化29】
Figure 0003820703
【0122】
【化30】
Figure 0003820703
【0123】
【化31】
Figure 0003820703
【0124】
【化32】
Figure 0003820703
【0125】
【化33】
Figure 0003820703
【0126】
【化34】
Figure 0003820703
【0127】
【化35】
Figure 0003820703
【0128】
次いで試料301作製において第10層および第11層のイエローカプラーを、表3に示す通りに変更した以外は試料301作製と同様にして、本発明試料302〜304を作製した。なお、イエローカプラーの添加量は試料301における添加量と同一モル量になるように調整した。
【0129】
作製した試料を白色光にて1/100秒ウェッジ露光し、下記処理工程に従って発色現像した後、光学濃度計(コニカ製PDA−65型)を用いて、最大発色濃度Dmaxおよび最小発色濃度Dminを測定した。
【0130】
その結果、実施例1および2と同様に、本発明のカプラーを用いた本発明試料はいずれも比較試料よりも最大発色濃度が高く、かつ、カブリの少ない色素画像を形成することがわかった。
【0131】
【表3】
Figure 0003820703
【0132】
処理工程 処理時間 処理温度
第1現像 6分 38℃
水 洗 2分 38℃
反 転 2分 38℃
発色現像 6分 38℃
調 整 2分 38℃
漂 白 6分 38℃
定 着 4分 38℃
水 洗 4分 38℃
安 定 1分 常温
乾 燥
上記処理工程に用いた処理液組成は以下の通りである。
【0133】
第1現像液
テトラポリ燐酸ナトリウム 2g
亜硫酸ナトリウム 20g
ハイドロキノン・モノスルホネート 30g
炭酸ナトリウム(1水塩) 30g
1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−
ピラゾリドン 2g
臭化カリウム 2.5g
チオシアン酸カリウム 1.2g
沃化カリウム(0.1%溶液) 2ml
水を加えて、pH9.60,1000mlにしあげた。
【0134】
反転液
ニトリロトリメチレンホスホン酸・6ナトリウム塩 3g
塩化第1錫(2水塩) 1g
p−アミノフェノール 0.1g
水酸化ナトリウム 8g
氷酢酸 15ml
水を加えて、pH5.75,1000mlにしあげた。
【0135】
発色現像液
テトラポリ燐酸ナトリウム 3g
亜硫酸ナトリウム 7g
第3燐酸ナトリウム(2水塩) 36g
臭化カリウム 1g
沃化カリウム(0.1%溶液) 90ml
水酸化ナトリウム 3g
シトラジン酸 1.5g
N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3−
メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 11g
2,2−エチレンジチオジエタノール 1g
水を加えて、pH11.70,1000mlにしあげた。
【0136】
調整液
亜硫酸ナトリウム 12g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 8g
チオグリセリン 0.4ml
氷酢酸 3ml
水を加えて、pH6.15,1000mlにしあげた。
【0137】
漂白液
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 2g
エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(2水塩) 120g
臭化アンモニウム 100g
水を加えて、pH5.65,1000mlにしあげた。
【0138】
定着液
チオ硫酸アンモニウム 80g
亜硫酸ナトリウム 5g
重亜硫酸ナトリウム 5g
水を加えて、pH6.60,1000mlにしあげた。
【0139】
安定液
ホルマリン(37重量%) 5ml
コニダックス(コニカ株式会社製) 5ml
水を加えて、pH7.00,1000mlにしあげた。
【0140】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明により市販の化合物より安価なカプラーを合成することができた。また発色性、色再現性、画像保存性に優れたイエローカプラーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することができた。

Claims (2)

  1. 下記の一般式〔I〕で表されるイエローカプラーを青感光性層に含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    Figure 0003820703
    〔式中、R1t−ブチル基又は芳香族基を表し、R2は炭素数8〜21の直鎖或いは分岐のアルキル基、下記一般式〔II〕で表される基、又は炭素数4〜10の直鎖或いは分岐のアルキル基を置換基として有する芳香族基を表す。R3は水素原子又はハロゲン原子を表し、Xは現像主薬の酸化体とのカップリング時に脱離しうる下記一般式(IX)で表される含窒素複素環基を表す。〕
    一般式〔II〕
    −J−X−R12
    〔式中、Jは炭素原子数1から20までの直鎖または分岐のアルキレン基を表し、R12は炭素原子数1から20までの直鎖または分岐のアルキル基又は芳香族基を表し、Xは−O−、−OCO−、−OSO2−、−CO−、−COO−、−CON(R13)−、−CON(R13)SO2−、−N(R13)−、−N(R13)CO−、−N(R13)SO2−、−N(R13)CON(R14)−、−N(R13)COO−、−S(O)n−、−S(O)nN(R13)−、あるいは−S(O)nN(R13)CO−等の結合を表す。(式中、R13およびR14は、水素原子、直鎖又は分岐のアルキル基、または前記一般式〔I〕においてR1で表されるアリール基と同義の基を表す。nは0から2までの整数を表す。)また、R12とJとは互いに結合し、環状構造を形成してもよい。〕
    Figure 0003820703
    〔Z3は、>N−R21または−O−表し、R21は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、あるいは複素環基を表す。Z4は、>N−R22または>C(R23)(R24)を表す。但し、R22は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、あるいは複素環基を表し、R23及びR24は水素原子、アルキル基、アリール基、あるいはアルコキシ基を表す。〕
  2. 上記一般式〔I〕において、R3が塩素原子であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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