JP3818622B2 - 種芋の移植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ジャガイモ(馬鈴薯)のような芋等を圃場に植付ける移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種従来例としては、左右2輪の管理機に種芋を移送するベルトコンベアを走行部に対して横方向に設けた芋の移植機がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の芋の移植機は、上下位置制御されない左右2輪の管理機に種芋を移送するベルトコンベアを設けたものであるから、植付深さが安定せず、然も、機械の操縦及び操作性(取扱い)が非常に悪いものであって、植付作業性が悪いものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
従来の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、左右前輪(3)と昇降アクチュエータ(21)により上下動する左右駆動後輪(2)とを設け、該左右駆動後輪(2)の何れか一方の車輪(2)の後部に、種芋(a)を移送するベルトコンベア(34)を機体左右方向に配設し、前記ベルトコンベア(34)は左右上部と下部とに設けた回転ロール(36,37,38)により回転作動して作業者が種芋(a)を置く第一の部位(34b)から上部一方の回転ロール(37)により移送方向を移行させて下降移送する第二の部位(34a)を介して種芋(a)を移送して移植する構成とし、走行部ミッションケース(7)のPTO取出軸(7a)からの動力を入力軸(30a)、駆動プーリー(45)、伝動ベルト(35)及び従動プーリー(47)を介して伝達し、前記上部一方の回転ロール(37)を前記従動プーリー(47)と一体回転する構成とし、前記伝動ベルト(35)を張って動力を伝える状態と緩めて動力を伝えない状態とに切替できるテンションプーリー(48)を設けると共に、機体後部に設けた操縦ハンドル(6)の側方で且つベルト コンベア(34)の後方に作業者が移植作業を行なう空間部(A)を設けたことを特徴とする種芋の移植機としたものであり、請求項2記載の発明は、ベルトコンベア(34)の前側に収納容器載置台(42)若しくは収納容器を前後方向で後側が低く且つ左右方向で機体中央側が低くなる構成とした請求項1記載の種芋の移植機としたものであり、請求項3記載の発明は、走行部ミッションケース(7)内の変速機構を操作する変速操作レバー(66)を、ベルトコンベア(34)の機体正面視における空間部を貫通させて後方へ延設したことを特徴とする請求項1又は2記載の種芋の移植機としたものである。
【0005】
【発明の作用効果】
請求項1記載の発明は、左右前輪(3)と昇降アクチュエータ(21)により上下動する左右駆動後輪(2)とを設け、該左右駆動後輪(2)の何れか一方の車輪(2)の後部に、種芋(a)を移送するベルトコンベア(34)を機体左右方向に配設し、前記ベルトコンベア(34)は左右上部と下部とに設けた回転ロール(36,37,38)により回転作動して作業者が種芋(a)を置く第一の部位(34b)から上部一方の回転ロール(37)により移送方向を移行させて下降移送する第二の部位(34a)を介して種芋(a)を移送して移植する構成とし、走行部ミッションケース(7)のPTO取出軸(7a)からの動力を入力軸(30a)、駆動プーリー(45)、伝動ベルト(35)及び従動プーリー(47)を介して伝達し、前記上部一方の回転ロール(37)を前記従動プーリー(47)と一体回転する構成とし、前記伝動ベルト(35)を張って動力を伝える状態と緩めて動力を伝えない状態とに切替できるテンションプーリー(48)を設けると共に、機体後部に設けた操縦ハンドル(6)の側方で且つベルトコンベア(34)の後方に作業者が移植作業を行なう空間部(A)を設けたことを特徴とする種芋の移植機としたので、走行部ミッションケース(7)のPTO取出軸(7a)からの動力を入力軸(30a)、駆動プーリー(45)、伝動ベルト(35)及び従動プーリー(47)を介して前記上部一方の回転ロール(37)へ伝達でき、テンションプーリー(48)により動力を伝える状態と動力を伝えない状態とに切替でき、しかも左右前輪(3)と左右駆動後輪(2)の4輪構成の走行部であるから、機体が前後方向に大きく傾いたりするようなことが無くて走行安定性が良く、植付深さが安定し良好な移植作業が行なえると共に、畝の高さに合わせて左右駆動後輪(2)を位置調節できて、植付深さが安定し良好な植付作業が行なえる。またベルトコンベア(34)が配設された側の車輪(2)の後の前記空間部(A)にて作業者は歩きながらベルトコンベア(34)への種芋(a)の供給作業が容易に行なえて作業性良く然も能率的である。
【0006】
請求項2記載の発明はベルトコンベア(34)の前側に収納容器載置台(42)若しくは収納容器を前後方向で後側が低く且つ左右方向で機体中央側が低くなる構成とした請求項1記載の種芋の移植機としたので、請求項1記載の種芋の移植機の作用効果に加えて、収納容器内の種芋は後方で且つ左右中央側にいつも有る状態となるから、作業者は空間部(A)にて容易に収納容器内から種芋(a)を取ってベルトコンベア(34)に置くことができ、楽な姿勢で容易な移植作業が行なえ作業能率がとても良い。
【0007】
請求項3記載の発明は、走行部ミッションケース(7)内の変速機構を操作する変速操作レバー(66)を、ベルトコンベア(34)の機体正面視における空間部を貫通させて後方へ延設したことを特徴とする請求項1又は2記載の種芋の移植機としたので、請求項1又は2記載の種芋の移植機の作用効果に加えて、作業者は通常の植付作業時に変速操作レバー(66)により変速操作することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例として芋等の移植機の一例であるジャガイモの移植機を図面に基づき詳細に説明する。このジャガイモ移植機1は、左右走行車輪2・2・3・3を有する走行部1aによって畝Uを跨いだ状態で機体を進行させながら、植付部1bでジャガイモの種芋を畝Uの上面に植付ける構成となっている。作業者は、機体後方に設けた操縦ハンドル6で適宜機体を操向操作すると共に、植付作業時には機体の側方を歩きながら植付部1bへ苗を補給する。以下、各部の構成について説明する。
【0009】
走行部1aは、走行部ミッションケース7の前部にエンジン9が配置されている。エンジン9の左側面部には該エンジンの動力で駆動する油圧ポンプ10が設けられている。また、エンジン9の上側には燃料タンク11等が設けられ、その上部をボンネット12が覆っている。走行部ミッションケース7の背面部に側面視長方形の左右に長い連結フレーム13が一体に設けられており、この連結フレームの背面右端部に走行部1aと操縦ハンドル6をつなぐメインフレーム14の前端部がボルトにて固着されている。メインフレーム14は、後方に延び、途中で斜め上向きに湾曲し、そのまま植付部1bの後方位置まで延びている。そして、その後端部に操縦ハンドル6が周知の菊座を介して左右固定ねじ6b・6bにて高さ調節自在に取り付けられている。この操縦ハンドル6は、その後端部にグリップ6aが取り付けられている。旋回時や路上走行時には、作業者が左右グリップ6a・6aを握って操縦する。尚、左右グリップ6a・6aの高さを調節するには、左右固定ねじ6b・6bを緩めて左右グリップ6a・6aの高さを作業者の最適な高さに調節して、再び左右固定ねじ6b・6bを締めれば良い。
【0010】
走行部ミッションケース7の左右側面から突出する回動筒部15・15に走行伝動ケース16・16が一体に取り付けられ、その走行伝動ケースの先端部に駆動走行車輪である後輪2・2が軸支されている。また、エンジン9の下側に前後方向のピボット軸17aを中心に揺動自在に設けた前輪支持フレーム17の左右両端部に前輪支持ロッド18・18が高さ調節可能に取り付けられ、該ロッドの下端部に従動走行車輪である前輪3・3が軸支されている。
【0011】
走行部1aには機体に対し後輪2・2を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、走行部ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニット20から後方に向けて昇降アクチュエータとしての昇降シリンダ21が設けられ、該シリンダのピストンロッドの先端部に機体左右方向に長いアームとしての天秤杆22が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。ピストンロッドは、前部が油圧バルブユニット20に支持され後部がメインフレーム14と植付部支持フレーム30とに両端が固着された取付部材23に支持されたガイド軸24に沿って摺動するようになっている。天秤杆22の左右両端部と、回動筒部15・15に固着したスイングアーム25・25とが、連結体としての連結ロッド26・26を介して連結されている。左側の連結ロッド26は、ローリングシリンダ27が組み込まれており、該シリンダを伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。尚、植付部支持フレーム30の前端は、走行部ミッションケース7と一体の連結フレーム13にボルトにて固着されている。
【0012】
昇降シリンダ21及びローリングシリンダ27は、各々前記油圧ポンプ10から供給される作動油を油圧バルブユニット20内の上下制御バルブ20aと左右傾斜制御バルブ20bとで制御して作動させられる。昇降シリンダ21を伸縮作動させると、左右の後輪2・2が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ27を伸縮作動させると、左右の後輪2・2が逆方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0013】
植付部1bは、その植付部フレーム31が前記植付部支持フレーム30の後端にボルトにて固着されて支持されていると共に、植付部フレーム31の右側下部はメインフレーム14の中途部上にボルトにて固着されて支持されている。一方、図3に示すように、取付部材23に軸受23aにて支持された入力軸30aの前端は、走行部ミッションケース7のPTO取出軸7aに自由継手7bを介して連結されている。
【0014】
このため、植付部支持フレーム30の前端を連結フレーム13から外すと共に、植付部フレーム31の右側下部をメインフレーム14の中途部から外し、入力軸30aとPTO取出軸7aとの間の自由継手7bを外すことにより、走行部1aから植付部1bごと取り外せることができ、植付部1bのメンテナンスが容易に行なえる。
【0015】
側面視において、機体の前後長を必要以上に長くすることなく、メインフレーム14及び植付部支持フレーム30の上側に前記天秤杆22が移動するためのスペースが確保されている。次に、植付部1bの構成を更に詳述すると、機体前方に向けてジャガイモの種芋aを移送するベルトコンベア34が、機体の進行方向と直行する方向で、機体の前後方向で略中央近くに配置して、前記植付部フレーム31に設けられている。このベルトコンベア34は、三個の回転ロール36・37・38により機体正面視で三角形の形状を描いて回転作動するように構成されており、ベルトコンベア34の右部の垂直に下降移送する部位34aに対向させてU字状の案内ガイド39を上下方向に設け、該案内ガイド39の前方に畝上面に種芋を植付る溝を形成する作溝器40を配置し、案内ガイド39の後方に遊転自在に左右覆土板41・41を設けている。そして、前記回転ロール36は案内ガイド39の下端部に装着されており、この回転ロール36の位置がベルトコンベア34の最下端となるようにして、このベルトコンベア34の最下端から種芋aが落下するようになっている。また、ベルトコンベア34の作業者が種芋を置く部位34bは、左端が右端よりも高くなるように傾斜した状態に配設されている。
【0016】
42は植付ける種芋aを収納する箱状容器を載置する為の種芋収納容器載置台であって、機体の前後方向の中央でベルトコンベア34の前方に配置されており、前部よりも後部が低く且つ左側よりも右側が低くなるように傾斜して設けられている。そして、左後輪2の後方のベルトコンベア34の後側で且つ左右覆土板41・41及び鎮圧輪53の支持体57と操縦ハンドル6の左側方部分は、機体の進行に合わせて作業者が歩きながら種芋をベルトコンベア34に置く作業を行うための空間部Aとなっており、作業者がこの空間部A(左側の後輪2が走行する畝Uと畝Uとの間)を歩きながら種芋を置く作業を行う際、ベルトコンベア34,作溝器40及び左右覆土板41等の隙間から畝面が見えるので、植付状況を監視しながら作業が行なえる。また、種芋収納容器載置台42は、前部よりも後部が低く且つ左側よりも右側が低くなるように傾斜して設けられているので、種芋収納容器載置台42に載置された種芋収納容器の後方右側(作業者の右手側)が最も低い状態となり、作業者は種芋収納容器載置台42に載置された種芋収納容器から容易に種芋aを取り出してベルトコンベア34に置く作業が行なえ作業能率がとても良い。
【0017】
ここで、ベルトコンベア34の構成について更に詳述すると、ベルトコンベア34は、搬送面43を等間隔に仕切り板44で区切って種芋aが1個づつ載置できるようになっている。また、ベルトコンベア34はゴム製で形成されており、種芋aの損傷を回避するようになっている。一方、各回転ロール36・37・38は、ベルトコンベア34が機体正面視で三角形状になるように、左方上部と左方下部と右方上部の三箇所に設けられている。そして、前記入力軸30aの後端に装着されて駆動回転する駆動プーリー45及び植付部フレーム31に設けられた従動プーリー47に掛け渡された伝動ベルト35により、従動プーリー47が駆動回転され、この従動プーリー47と一体に回転する支軸46に回転ロール37が固定されている。従って、回転ロール37が入力軸30aから伝動ベルト35にて動力が伝達されて駆動回転する駆動ロールになっている。尚、48はテンションプーリーであって、後述の植付昇降レバー64により操作ワイヤ49を介して伝動ベルト35を張って動力を伝える状態と緩めて動力を伝えない状態とに切替操作できるように構成されている。
【0018】
尚、ベルトコンベア34の搬送面43の裏面50側に凸状リブ51を突設し、この凸状リブ51が各回転ロール36・37・38の表面に嵌合するように、各回転ロール36・37・38に凹状溝52を設ければ、ベルトコンベア34が安定して回転し、良好な種芋の植付作業が行なえる。
【0019】
そして、左右覆土板41・41の後方には、土が付着し難い樹脂製の鎮圧輪53が設けられている。前記植付部フレーム31には支持体57が水平に後方に向けて延設されて固定されており、鎮圧輪53は、支持体57に支持軸54にて回動自在に支持されたL字状回動アーム55の中途部に支持軸56にて遊転自在に設けられていると共に、該支持軸56に下端部が連繋された支持ロッド56aが支持体57に対して上下動自在に支持されている。そして、該支持ロッド56に遊嵌させたスプリング58によって下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝面を転動し、種芋が植付けられ左右覆土板41・41にて覆土された種芋の植付位置の畝上面を鎮圧するようになっている。尚、59は回動アーム55の後端部に設けたスクレーパであって、鎮圧輪53に付着した土を鎮圧輪53の表面から掻き落とすものである。また、支持体57より上方に突出した部位には、上下方向に複数の孔が形成されており、ヘアピン60を各孔の何れかを選択して挿すことにより、鎮圧輪53の上下方向の高さ位置を複数段階に変更できるようになっている。よって、この複数段階の変更により、鎮圧力を段階的に調節できるようになっている。
【0020】
70は畝上面を検出するセンサであって、該センサ70が上下回動すると、その回動をリンク機構71にて上下制御バルブ20aに伝え、センサ70の角度が元に戻る方向に昇降シリンダ21を作動させる。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御し、畝の高さ変更に係わらず常に種芋の植付深さが一定になるように制御され、植付後の種芋の発芽が良好で成育が良い。
【0021】
また、上記センサ70はメインフレーム14に左側が軸支された回動軸72に後端部が固着され先端が前方に向けて延設されたアーム73に軸74にて回動自在に軸支されている。そして、回動軸72は植付深さ調節レバー75の基部が連繋されており、植付深さ調節レバー75を係合ガイド76の調節係合部に係合係止して固定状態にすると、回動軸72は回動が固定され、従って、アーム73の軸74は上下高さが固定されるので、センサ70は畝上面に摺接しながらその軸74回りに回動して、上記のように畝の高さ変更に係わらず常に種芋の植付深さが一定になるように制御される。そして、植付深さ調節レバー75を係合ガイド76の調節係合部に対して位置調節して係合係止して固定状態にすることにより、アーム73の軸74の上下高さ位置を調節できるので、畝に対する機体高さを制御する基準位置を自由に設定できるので、機体に固定されている作溝器40が畝に形成する溝深さが自由に変更でき、従って、種芋の植付深さが調節できる。最後に、植付深さ調節レバー75の実際の操作に就き説明すると、植付深さ調節レバー75を係合ガイド76の調節係合部の機体後側に操作して係合させれば、アーム73の先端に設けた軸74は上動するので、作溝器40が畝に形成する溝深さは浅くなって浅植えとなる。逆に、植付深さ調節レバー75を係合ガイド76の調節係合部の機体前側に操作して係合させれば、アーム73の先端に設けた軸74は下動するので、作溝器40が畝に形成する溝深さは深くなって深植えとなる。
【0022】
なお、油圧バルブユニット20内の左右傾斜制御バルブ20bは左右傾斜検出用の振り子61の動きに連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ27が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。操縦ハンドル6のグリップ6a・6aの下側には、サイドクラッチレバー62・62が設けられている。また、操縦ハンドル6の基部には操作パネル63が設けられ、該操作パネル63に、前記テンションプーリー48を操作ワイヤ49を介して操作する植付昇降レバー64とメインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー65等が設けられている。
【0023】
66は走行部ミッションケース7内の変速歯車機構を操作して前進路上走行速度と前進植付速度と後進とに変速操作できる変速操作レバーであって、前部が走行部ミッションケース7の左側面に設けた変速アーム66aに連繋されており、前記機体正面視で三角形の形状を描いて回転作動するベルトコンベア34の三角形の空間部を貫通して後方に延び、その操作握り部66bは前記作業者の作業位置となる空間部Aの右側位置に配設されている。
【0024】
67はベルトコンベア34の右端部の上方を覆うように植付部フレーム31の右端部に設けられたカバー体であって、ベルトコンベア34が回転して右端部でその回転方向が回転ロール38にて変更される際に、ベルトコンベア34に付着した土や泥等が上方に飛んで、作業者にかかるのを防止する為に設けてある。このカバー体67により、作業者は、ベルトコンベア34に種芋を置く作業が容易に行なえて能率的である。
【0025】
次に、種芋を植付ける作業について説明する。通常の植付作業時には、変速操作レバー66を前進植付速度にし、植付昇降レバー64を種芋の植付深さが一定になる上下制御状態で植付部1bに動力が伝動される操作位置にし、メインクラッチレバー65をメインクラッチが入となるように操作して、左右前輪3・3と左右後輪2・2を畝溝に沿わせて機体を進行させ、作業者は機体の左側の空間部A(左後輪2の後方の畝溝)を歩きながら、種芋収納容器載置台42に載置された種芋収納容器から種芋aを取り出してベルトコンベア34の仕切り板44で区切られた一区画に一つの種芋aが入るように置く。すると、ベルトコンベア34の仕切り板44間に逐次置かれた種芋aは、ベルトコンベア34で右方向に搬送され、つづいて回転ロール37を境に縦方向に角度を変え回転ロール36まで移送される。ここで、案内ガイド39は、回転ロール37の位置においてベルトコンベア34が左右方向から縦方向に角度をかえた時、ベルトコンベア34に載置された種芋aが落下するのを防止する。そして、種芋aは、ベルトコンベア34の下端終端から作溝器40で掘られた畝の溝内に落下する。その後、左右覆土板41・41で覆土され、鎮圧輪53で覆土された種芋の植付位置の畝上面が鎮圧される。
【0026】
この時、ベルトコンベア34の下端終端が作溝器40近傍にあり、作溝器40近傍で種芋aを畝に落下させることができるので、種芋aの形状、重量にかかわりなく、落下時間を一定に保ち、種芋aの植付け間隔のバラツキを減少させ、均一な種芋aの植付け作業が行なえる。また、作業者が空間部Aを歩きながら種芋を置く作業を行う際、植付部フレーム31,ベルトコンベア34,作溝器40及び左右覆土板41等の隙間から畝面が見えるので、植付状況を監視しながら作業が行なえる。また、種芋収納容器載置台42は、前部よりも後部が低く且つ左側よりも右側が低くなるように傾斜して設けられているので、種芋収納容器載置台42に載置された種芋収納容器の後方右側(作業者の右手側)が最も低い状態となり、種芋収納容器内の種芋は後方右側にいつも有る状態(種芋収納容器内の作業者から離れた前方左側の種芋は順次後方右側に転がってくる)となるから、作業者は種芋収納容器載置台42に載置された種芋収納容器から容易に種芋aを取り出してベルトコンベア34に置く作業が行なえて作業能率がとても良い。
【0027】
尚、上記実施例では、種芋収納容器載置台42に種芋収納容器を載せる構成を説明したが、種芋収納容器載置台42と同じ傾斜状態で種芋収納容器を直接機体に固定しても良い。また、上記実施例ではジャガイモの移植機について説明したが、ジャガイモ以外の如何なる芋の移植機に適用しても良く、更には、芋以外でもベルトコンベア34に置くことができるものであれば、如何なる移植機に適用しても良い。また、上記の実施例では、畝に植付ける例を説明したが、平坦な圃場に植付けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジャガイモ移植機の平面図である。
【図2】ジャガイモ移植機の側面図である。
【図3】走行部と植付部の連結部分の斜視図である。
【図4】案内ガイドとベルトコンベアとの関係を示す正面図である。
【図5】案内ガイドとベルトコンベアとの関係を示す斜視図である。
【図6】ベルトコンベアと三個の回転ロールを示す作用説明図である。
【図7】他の実施例を示すベルトコンベアと回転ロールの作用説明図である。
【図8】油圧回路図である。
【符号の説明】
1 ジャガイモ移植機
1a 走行部
1b 植付部
2 後輪(車輪)
3 前輪
6 操縦ハンドル
7 走行部ミッションケース
7a PTO取出軸
14 メインフレーム
21 昇降アクチュエータ(昇降シリンダ)
30 植付部支持フレーム
30a 入力軸
31 植付部フレーム
34 ベルトコンベア
34a 垂直に下降移送する第二の部位
34b 作業者が種芋を置く部位
35 伝動ベルト
36 回転ロール
37 回転ロール
38 回転ロール
42 収納容器載置台(種芋収納容器載置台)
45 駆動プーリー
47 従動プーリー
48 テンションプーリー
66 変速操作レバー
A 空間部
a 種芋

Claims (3)

  1. 左右前輪(3)と昇降アクチュエータ(21)により上下動する左右駆動後輪(2)とを設け、該左右駆動後輪(2)の何れか一方の車輪(2)の後部に、種芋(a)を移送するベルトコンベア(34)を機体左右方向に配設し、前記ベルトコンベア(34)は左右上部と下部とに設けた回転ロール(36,37,38)により回転作動して作業者が種芋(a)を置く第一の部位(34b)から上部一方の回転ロール(37)により移送方向を移行させて下降移送する第二の部位(34a)を介して種芋(a)を移送して移植する構成とし、走行部ミッションケース(7)のPTO取出軸(7a)からの動力を入力軸(30a)、駆動プーリー(45)、伝動ベルト(35)及び従動プーリー(47)を介して伝達し、前記上部一方の回転ロール(37)を前記従動プーリー(47)と一体回転する構成とし、前記伝動ベルト(35)を張って動力を伝える状態と緩めて動力を伝えない状態とに切替できるテンションプーリー(48)を設けると共に、機体後部に設けた操縦ハンドル(6)の側方で且つベルトコンベア(34)の後方に作業者が移植作業を行なう空間部(A)を設けたことを特徴とする種芋の移植機。
  2. ベルトコンベア(34)の前側に収納容器載置台(42)若しくは収納容器を前後方向で後側が低く且つ左右方向で機体中央側が低くなる構成とした請求項1記載の種芋の移植機。
  3. 走行部ミッションケース(7)内の変速機構を操作する変速操作レバー(66)を、ベルトコンベア(34)の機体正面視における空間部を貫通させて後方へ延設したことを特徴とする請求項1又は2記載の種芋の移植機
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