JP3814830B2 - 帯電防止材料、それを用いる帯電防止方法及び観察または検査方法、及び帯電が防止された物品 - Google Patents

帯電防止材料、それを用いる帯電防止方法及び観察または検査方法、及び帯電が防止された物品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等の物品の製造あるいは使用において、その物品あるいは被分析物品の帯電を防止するために用いられる帯電防止材料、及びそれを用いる帯電防止方法、観察または検査方法、及びその帯電防止材料を用いることにより帯電が防止された物品に関する。
【0002】
例えば、本発明は、電子線等の荷電粒子線を照射する工程において、被照射物品に電荷が蓄積することにより生じる帯電現象を防止するために用いられる帯電防止材料、該帯電現象を防止するために用いられる、該帯電防止材料からなる導電性被膜及びそれを用いる帯電防止方法、該帯電現象を防止して荷電粒子線照射により被照射物品を観察または検査する方法、及び該帯電防止材料からなる導電性被膜を有する物品に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等の物品の製造あるいは使用において、その物品あるいは被分析物品が帯電することにより、問題を生じることが多い。
【0004】
例えば、電子線、イオン線等の荷電粒子線を照射する工程においては、特に該荷電粒子線が照射される物品が絶縁性の場合、荷電粒子線照射により電荷が蓄積して帯電が生じる。このため例えば、半導体、IC、LSI、ホトマスク等の物品の製造工程で荷電粒子線を用いて微細パターンを形成する場合には、帯電した蓄積電荷の電界によって入射する荷電粒子線の軌道が曲げられ、このため形成すべきパターンの位置の精度が悪化し、パターンの変形、位置ずれおよびアラインメント精度の低下等が生じる問題がある。
【0005】
また荷電粒子線を用いた観察装置、例えば電子線顕微鏡や電子線テスターにおいては被観察物品の帯電によって、観察像の歪が発生したり、観察像が見えなくなったり、テスターの精度が悪化するという問題が発生する。
ここでは、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等の物品の製造あるいは使用において、例えば、荷電粒子線を照射する工程において、帯電により種々の問題点を生じる現象を広く帯電現象と言い、このような帯電による諸問題を防止する方法を帯電防止方法とよぶ。
【0006】
従来、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等の物品の製造あるいは使用における帯電防止方法は数多く知られている。
例えば、荷電粒子線を照射する工程における帯電防止方法としては、荷電粒子線が照射される物品の上層または下層に導電性被膜を設ける方法が提案されていて、導電性被膜としては蒸着されたアルミニウム(特開昭63−226926号公報)、クロルメチル化ポリスチレン(特開昭63−129622号公報)、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(特開昭64−37015号公報)、イオン導電性の水溶性材料(特開平1−132122号公報)等を用いて形成されたものが知られている。
【0007】
しかしながらアルミニウムを蒸着する方法は、蒸着工程の複雑さ、あるいは半導体素子等の物品の製造に用いる場合には金属元素による汚染等の問題があった。またクロルメチル化ポリスチレンは、荷電粒子線が照射された部分のみに導電性を生じるために、荷電粒子線が照射される物品の少なくとも一部分にはアースのための導電層が必要であった。またポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩や特開平1−132122号公報に開示の材料は、電荷のキャリアがイオンであるので、高速の電子線描画に追随して帯電を解消するには限界があった(工業材料,Vol.40,No.5,p.49(1992年))。
【0008】
最近、側鎖にスルホン酸基を有し主鎖がπ電子共役系二重結合を有する水溶性の電子伝導性高分子であるポリチオフェン誘導体、ポリフラン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体およびポリアニリン誘導体を用いて導電性被膜を形成する方法(以上特開平4−32848号公報)や同様に側鎖にスルホン酸基を有するポリアニリン誘導体のアンモニウム塩を用いて導電性被膜を形成する方法(特開平4−349614号公報)が発表された。
これらの化合物は水溶性であるので、導電性被膜を形成する際に水溶液を塗布する方法が用いることができ塗布および除去が容易である。また高分子の主鎖に沿って電子伝導性を有するので薄膜でも十分な導電性を有し大きな帯電防止効果が得られる。特開平4−349614号公報の化合物は、その水溶液が強酸性ではなくレジストに悪影響を与えないことを特徴としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記特開平4−32848号公報の化合物は、その水溶液を中和して用いると導電性が低下するという問題がある(比較例1参照)。また100℃以上の熱処理により溶解性が低下する場合(熱処理により不溶化する例としては特開平3−221520号公報の実施例が挙げられる)があり、その使用にあたってはプロセス上に制限がある場合もあった。また物品上に塗布して形成された導電性被膜の導電性は、経時的に大きく変化するため、通常の使用条件では被膜の導電性を長期間安定に保つことができず、塗布条件、保管条件に制約がある(例えば、1991年秋季第52回応用物理学会学術講演会講演予稿集、No.2、598頁、12p−ZE−10)。
【0010】
一方、特開平4−349614号公報のポリアニリン誘導体は、その製法上、不溶不融のポリアニリンを発煙硫酸によってスルホン化する反応を用いている。従って、スルホン化率の制御等が困難で、それゆえ再現性のある製造が困難であるという問題を抱えている。また、塗布後の導電性被膜の除去性が悪く、水洗しても完全に剥離できないという問題がある(比較例2参照)。また特開平4−349614号公報のポリアニリン誘導体の原料となるポリアニリン製造には、ベンジジンが副生成物として生成することが報告されており(J.Electroanal.Chem.,339(1−2),423(1992)/CA118(4);29104c)、その存在はGPCにより確認されている(Polym.Mater.Sci.,61,911(1989)/CA112(14);119752t)。さらにポリアニリン骨格の化合物は酸化還元電位が高く、バンドギャップが大きいので、導電性被膜を大気下で放置すると導電性が低下し、また溶液で長期保存した場合には、十分な帯電防止効果のある導電被膜が形成できなかった(比較例2参照)。
【0011】
上述のように、従来の、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等の物品の製造あるいは使用における帯電防止方法においては、防止方法上の問題があり、上述の問題点を解決し、塗布等による被膜形成あるいは使用時の制約がより少なく、熱処理や長期間放置しても除去性や導電性あるいは帯電防止効果を維持し、プロセス設計の自由度が大きい導電性被膜を用いる帯電防止方法が必要とされていた。また上記導電性被膜を形成するための保存安定性に優れた帯電防止材料が望まれていた。
【0012】
本発明の第1、及び第2の目的は、物品の製造あるいは使用において、その物品の帯電を防止するために用いられる優れた帯電防止材料、及びそれを用いる帯電防止方法を提供することにある。
例えば、物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程であり、かかる工程におけるその物品の帯電を防止するために用いられる優れた帯電防止材料、及びそれを用いる帯電防止方法を提供することにある。
更に例えば、荷電粒子線を照射する工程における帯電防止用の電子伝導性の導電性被膜を形成するために用いられ、酸性〜アルカリ性の間の任意のpH状態で用いることができ、また保存安定性に優れた帯電防止材料、及びそれを用いる帯電防止方法を提供することにある。
また、例えば、本発明の目的は、荷電粒子線を照射する工程において、塗布等による被膜形成及び除去が容易で、大きな帯電防止効果が安定して得られる方法を提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、物品の製造あるいは使用において、物品が本発明の帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより、その帯電が実質的に防止されていることを特徴とする物品を提供することにある。
例えば、物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程であり、かかる工程におけるその物品の帯電が、本発明の帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより実質的に防止されていることを特徴とする物品を提供することにある。
更に例えば、荷電粒子線を照射する工程における帯電防止効果を有し、熱処理や長期保存をしても帯電防止効果が安定に持続し、熱処理や長期保存等の操作を施した後も、その除去性および帯電防止効果を維持する導電性被膜を有する物品を提供することにある。
本発明の第4の目的は、物品の観察時または検査時における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、本発明の帯電防止材料からなる導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して物品を観察または検査する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の本発明の第1の目的である帯電防止材料は、物品の製造あるいは使用において、例えば、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程である場合において、その物品の帯電を防止するために用いられる一般式(Ia)
【化17】
Figure 0003814830
および一般式(IIa)
【化18】
Figure 0003814830
(両式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル、アルコキシまたはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但し、R1 またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはNa+ 、Li+ 、K+ 等のアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基のごとき炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1 とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6 、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4 のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノなどの結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料により達成される。
【0015】
また、上記の本発明の第1の目的は、物品の製造あるいは使用において、例えば、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程である場合において、その物品の帯電を防止するために用いられる一般式(Ib)
【化19】
Figure 0003814830
および一般式(IIb)
【化20】
Figure 0003814830
(両式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキルまたはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはNa+ 、Li+ 、K+ 等のアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1 とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6 、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4 のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)
で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料により達成される。
【0016】
更にまた、上記第1の目的は、物品の製造あるいは使用において、例えば、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程である場合、あるいは荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを含む工程である場合において、その物品上に導電性被膜を形成して帯電を実質的に防止するために用いられる前記一般式(Ia)および一般式(IIa)(以下本明細書において、一般式(Ia)及び一般式(IIa)中の各記号は前記該一般式中の記号と同じ意味を表す。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物及び水を含む帯電防止材料により達成される。
【0017】
また、上記第1の目的は、物品の製造あるいは使用において、例えば、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程である場合、あるいは荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを含む工程である場合において、その物品上に導電性被膜を形成して帯電を実質的に防止するために用いられる前記一般式(Ib)および一般式(IIb)(以下本明細書において、一般式(Ib)及び一般式(IIb)中の各記号は前記該一般式中の記号と同じ意味を表す。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物及び水を含む帯電防止材料により達成される。
【0018】
更にまた、上記第1の目的は、前記水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である帯電防止材料によっても達成される。
また、前記第1の目的達成のために、一般式(Ia)及び一般式(IIa)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含みかつ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料、あるいは、一般式(Ib)及び一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含みかつ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料、あるいはかかる水溶性導電性高分子化合物及び水を含む帯電防止材料により、荷電粒子線を照射する工程における帯電防止用の導電性被膜を形成するために用いられ、酸性〜アルカリ性の間の任意のpH状態で用いることができ、また保存安定性に優れた帯電防止材料が提供される。
【0019】
上記の本発明の第2の目的である帯電防止方法は、物品の製造あるいは使用における、例えば、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程である場合における、帯電を実質的に防止するために、その物品上に、一般式(Ia)および一般式(IIa)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電防止方法により達成される。
【0020】
上記の本発明の第2の目的は、物品の製造あるいは使用における、例えば、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程である場合における、帯電を実質的に防止するために、その物品上に、一般式(Ib)および一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電防止方法により達成される。
【0021】
また、上記第2の目的は、一般式(Ia)及び一般式(IIa)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含みかつ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料、あるいは一般式(Ib)及び一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含みかつ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料、あるいはかかる高分子化合物及び水を含む帯電防止材料を用いて、荷電粒子線を照射する工程における帯電防止用の、該高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電防止方法により達成され、本方法によれば、該帯電防止材料を酸性〜アルカリ性の間の任意のpH状態で用いることができ、塗布等による被膜形成及び除去が容易で、大きな帯電防止効果が安定して得られ、また保存安定性に優れた帯電防止方法が提供される。
【0022】
更にまた、上記第2の目的は、前記導電性高分子化合物の分子量が2000以上である帯電防止方法によっても達成される。
【0023】
上記第3の目的である帯電が実質的に防止されていることを特徴とする物品は、物品の製造あるいは使用において、物品が本発明の前記帯電防止材料あるいは分子量が2000以上の前記水溶性導電性高分子を含む帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより、その帯電が実質的に防止されていることを特徴とする本発明の物品により達成される。また、上記第3の目的である物品は、物品の製造あるいは使用において、その製造あるいは使用が荷電粒子線照射を含む工程であり、かかる工程におけるその物品の帯電が、本発明の前記帯電防止材料あるいは分子量が2000以上の前記水溶性導電性高分子を含む帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより、その帯電が実質的に防止されていることを特徴とする本発明の物品により達成される。本発明によるかかる物品は、熱処理や長期保存をしても帯電防止効果が維持され、熱処理や長期保存等の後でも、導電性被膜の除去性が優れている。
【0024】
本発明の第4の目的である物品を観察または検査する方法は、物品の観察時または検査時における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、本発明の前記帯電防止材料あるいは分子量が2000以上の前記水溶性導電性高分子を含む帯電防止材料からなる導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の観察または検査する方法により達成される。
【0025】
本発明において用いられる主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物とは、一般式(Ia)および一般式(IIa)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含む水溶性導電性高分子化合物、または一般式(Ib)及び一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含む水溶性導電性高分子化合物である。該水溶性導電性高分子化合物とは、一般式(Ia)および一般式(IIa)で示される構造単位のいずれか一つ、または一般式(Ib)及び一般式(IIb)で示される構造単位のいずれか一つを繰返し単位とする単独重合体からなる水溶性導電性高分子であっても、あるいは、該構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として重合体中の全繰返し単位の5モル%(モル分率として0.05)以上有し、もう一方の該構造単位または該構造単位以外の構造単位を繰返し単位として含む共重合体からなる水溶性導電性高分子であっても、前記該構造単位の双方を繰返し単位として含み且つ該構造単位以外の繰返し単位を含む共重合体からなる水溶性導電性高分子化合物であってもよい。前記の水溶性導電性高分子化合物に含まれる一般式(Ia)および一般式(IIa)、または一般式(Ib)及び一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つからなる繰返し単位の重合体中のモル分率は、0.05以上であれば良いが、0.10以上であることが望ましく、0.25以上であることが更に望ましい。かかる導電性高分子化合物の中で、一般式(Ia)および一般式(IIa)、または一般式(Ib)および一般式(IIb)で示される構造単位のいずれか一つのみを含む単独または共重合体の場合には、その構造単位からなる繰返し単位のモル分率が0.50以上、あるいは該構造単位の双方を含む共重合体の場合には、該構造単位からなる双方の繰返し単位のモル分率の合計が0.50以上であるものが特に望ましい。
【0026】
一般式(Ia)および一般式(IIa)の、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル、アルコキシまたはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但し、R1 またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、脂肪族あるいは芳香族等の1級、2級または3級アミノ基、クロロメチル等のトリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群の一価基から選ばれる。
【0027】
ここで、R1 、R2 、R3 およびR4 として特に有用な例としては、H(水素)、アルキル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、フェニルおよび置換フェニル基、SO3 -M(但しR1 またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)が挙げられる。これらの置換基を更に詳しく例示すれば、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、アリル、イソプロピル、ブチル、1−ブテニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エトキシエチル、メトキシエチル、メトキシエトキシエチル、アセトニル、フェナシル等、アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、メトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ等、アルキルエステル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ、ブチロイルオキシ等のアシルオキシ基、置換フェニル基としてはフロロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が挙げられる。上記のR1 、R2 、R3 およびR4 のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含有してもよい。
【0028】
一般式(Ib)および一般式(IIb)の、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキルまたはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、脂肪族あるいは芳香族等の1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群の一価基から選ばれる。
【0029】
ここで、R1 、R2 、R3 およびR4 として特に有用な例としては、H(水素)、アルキル基、アルコキシ基、フェニルおよび置換フェニル基が挙げられる。これらの置換基を更に詳しく例示すれば、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、アリル、イソプロピル、ブチル、1−ブテニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エトキシエチル、メトキシエチル、メトキシエトキシエチル、アセトニル、フェナシル等、アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、メトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ等、置換フェニル基としてはフロロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が挙げられる。上記のR1 、R2 、R3 およびR4 のアルキル基またはアルコキシ基の鎖中にはカルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含有してもよい。
【0030】
一般式(Ia)および一般式(IIa)あるいは一般式(Ib)および一般式(IIb)の、R1 、R2 、R3 およびR4 の前記の置換基の中で、H、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアルコキシ基が望ましく、また、Hまたは炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基が特に望ましい。
【0031】
1 とR2 、またはR3 とR4 は互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和の、例えば炭化水素の、環状構造または複素環を形成する二価基を形成してもよく、かかる二価基の例としてはブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ブタジエニレン、置換ブタジエニレン、メチレンジオキシなどが挙げられる。
【0032】
一般式(IIa)において、MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはNa+ 、Li+ 、K+ 等のアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基のごとき炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。
【0033】
かかるNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオンとしては、例えばNH4 +、NH(CH33 +、NH(C653 +、N(CH32 (CH2 OH)(CH2 −Z)+ 等の非置換またはアルキル置換もしくはアリール置換型カチオンが用いられる(但し、Zは化学式量が600以下の任意の置換基を表し、例えば、フェノキシ基、p−ジフェニレンオキシ基、p−アルコキシジフェニレンオキシ基、p−アルコキシフェニルアゾフェノキシ基等の置換基である。)。またPR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオンとしては例えばPH4 +、PH(CH33 +、PH(C653 +、AsH4 +、AsH(CH33 +、AsH(C653 +等の非置換またはアルキル置換もしくはアリール置換型カチオンが用いられる。特定カチオンに変換するために、通常のイオン交換樹脂を用いてもよい。
【0034】
また、かかるR5 、R6 、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和の複素環を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R5 、R6 、R7 、R8 のアルキル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノなどの結合を任意に含んでもよい。
【0035】
一般式(IIb)において、MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはNa+ 、Li+ 、K+ 等のアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。
【0036】
NR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオンとしては、例えばNH4 +、NH(CH33 +、NH(C653 +、N(CH32 (CH2 OH)(CH2 −Z)+ (但し、Zは任意の置換基)等の非置換またはアルキル置換もしくはアリール置換型カチオンが用いられる。またPR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオンとしては例えばPH4 +、PH(CH33 +、PH(C653 +、AsH4 +、AsH(CH33 +、AsH(C653 +等の非置換またはアルキル置換もしくはアリール置換型カチオンが用いられる。特定カチオンに変換するために、通常のイオン交換樹脂を用いてもよい。
【0037】
また、かかるR5 、R6 、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和の複素環を形成する二価基を形成してもよい。R5 、R6 、R7 、R8 のアルキル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。前記二価基の例としてはブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ブタジエニレン、置換ブタジエニレン、メチレンジオキシなどが挙げられる。
【0038】
一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)において、望ましいMの例としては、NR5678 +で表される第4級アンモニウムのカチオン、Na+ 、Li+ またはK+ 等のアルカリ金属イオンが挙げられ、NR5678 +が特に望ましい。
【0039】
また、一般式(IIa)において、R5 、R6 、R7 およびR8 としては、それぞれ独立にHまたは炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が望ましく、また、一般式(IIb)において、R5 、R6 、R7 およびR8 としては、それぞれ独立にHまたは炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基が望ましい。
【0040】
本発明に用いられる水溶性導電性高分子化合物が共重合体の場合には、一般式(Ia)および一般式(IIa)、または一般式(Ib)及び(IIb)で示される構造単位以外の繰返し単位として、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテニレン、フリレン、カルバゾリレンおよびこれらの置換誘導体構造があげられる。このなかで本発明において特に好適なものはイソチアナフテニレンおよびこの置換誘導体構造である。
【0041】
かかる共重合体においては、一般式(Ia)および一般式(IIa)で示される構造単位以外の繰返し単位、または一般式(Ib)および一般式(IIb)で示される構造単位以外の繰返し単位は、共重合体組成中のモル分率として0.95未満、即ち重合体中の全繰返し単位の95モル%未満であれば良く、それ以上の場合には重合体の共重合組成にもよるが、多くの場合水溶性を示さなくなるなどの理由から本発明に係る水溶性の導電性化合物として好ましくない。水溶性等の点で、望ましい共重合体はかかるモル分率が0.90未満のものであり、0.75未満のものが更に望ましく、0.50未満のものが特に望ましい。
【0042】
本発明において、用いられる水溶性導電性高分子化合物の分子量は、本発明の目的にかなう帯電防止効果を与えるものであれば良く、特に限定されないが、2000以上であることが望ましく、また、例えば、帯電防止のために使用し、その後除去する工程を含むような方法で使用される場合には、良好な除去性を有する分子量であれば良く、例えば1百万程度以下であれば良い。分子量が2000未満の低分子の化合物であっては、導電性被膜を好適に形成させることができないことがあり、あるいは高分子自体の導電性も小さく好ましくないことがある。また、分子量が1百万を越える高分子化合物であっては、その溶解性あるいは除去性の面で問題となることがある。
【0043】
上述の一般式(Ia)あるいは一般式(IIa)、または一般式(Ib)あるいは一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物をそのまま、本発明の帯電防止材料として提供することができる。
【0044】
また、本発明の帯電防止材料は、上述の一般式(Ia)あるいは一般式(IIa)、または一般式(Ib)あるいは一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を必須成分として含み、その他の成分、例えば、水、および/または少なくとも一種の界面活性剤を含むものからなる。界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が使用できる。これらの界面活性剤のイオン系界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸、ジオクチルサクシン硫酸、ミリスチル硫酸、ステアリル硫酸等のアルキル硫酸、あるいはラウリルスルホン酸、ミリスチルスルホン酸、ケリルベンゼンスルホン酸、ステアリルスルホン酸等のアルキルまたはアリールスルホン酸等、あるいはそれらの塩類、N−エチルアルカンアミドアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。また、非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ショ糖エステル等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の例としては、ω−トリエチルシリル脂肪族カルボン酸またはその塩等のアニオン系シリコーン系界面活性剤、あるいはカチオン系もしくは非イオン系シリコーン系界面活性剤が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤の例としては、前記の一般の炭化水素系界面活性剤分子中のアルキル基の水素原子がフッ素に置換されたものであり、例えば、パーフルオロアルキル置換型界面活性剤、その具体例としては、例えば、3−(パーフルオロオクチルスルホアミノ)プロピルトリメチルアンモニウムのヨウ素塩やパーフルオロカプリル酸およびその塩が挙げられる。かかる界面活性剤を用いる場合には、必須成分である該高分子化合物に対して重量比で0.001〜20倍量、望ましくは0.005〜5倍量、更に望ましくは0.01〜1倍量用いる。界面活性剤の量が0.001倍量未満であると、帯電防止材料と導電性被膜が形成される物品の種類によっては、帯電防止材料による該物品上への被膜形成が均質に行われないことがある。また、イオン性の界面活性剤の場合等では20倍より多いと、かかる界面活性剤と該高分子化合物を含む帯電防止材料を用いて形成された被膜の場合には、応答のおそいイオン伝導性が支配的になるので好ましくない。
【0045】
また、上述のように本発明の帯電防止材料は水を含むことができる。本発明の帯電防止材料において、固体成分より水の方が重量比で多い場合としては、該帯電防止材料が必須成分である前記水溶性導電性高分子化合物等の固体成分を含む水溶液からなる場合が挙げられ、その場合、固体成分の濃度は0.001重量%以上50重量%未満の範囲が、好適であり、望ましくは0.01〜20重量%、更に望ましくは0.1〜5重量%である。50重量%より濃度が高くなると、均一な溶液が得られないことがある。本発明の帯電防止材料において、固体成分より水の方が重量比で少ない場合としては、該帯電防止材料が、固体または湿潤状態で製造あるいは使用される場合または物品上に形成された固体または湿潤状態の被膜である場合が挙げられ、その場合、水分の量は重量比で固体成分100に対して100以下の範囲が好適であり、望ましくは50以下、更に望ましくは25以下である。かかる重量比が100より大きくなると、固体または湿潤状態としての取り扱い上不都合をきたす。
【0046】
次に本発明の帯電防止方法について詳しく説明する。
本発明の帯電防止方法は、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等あるいはこれらの部品のごとき物品の製造あるいは使用においてその物品あるいは被分析物品に生じると問題となる帯電を防止する方法であり、例えば、荷電粒子線が照射される物品を形成する前または/および形成した後に、本発明の上記の帯電防止材料を用いて、前記水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することにより行う。
【0047】
また、物品の観察時または検査時における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、本発明の上記の帯電防止材料を用いて、前記水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の観察または検査方法を行うことができる。
【0048】
上記例のように、物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程である場合、場合によってはその後必要に応じてかかる導電性被膜を乾燥、熱処理等の処理を施した後、荷電粒子線を照射し、また、その後、必要があれば、熱処理等の処理を施し、また更に、必要に応じて水洗により被膜を除去する。
【0049】
本発明において用いられる前記水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料水溶液は、一般式(Ia)および一般式(IIa)、または一般式(Ib)および一般式(IIb)で示される構造単位の含有比を変化させることにより、酸性〜アルカリ性の間の任意のpHの値をとることが可能である。一般式(Ia)、または一般式(Ib)で示される構造単位の含有比が大きくなれば酸性が強くなり、一般式(IIa)、または一般式(IIb)で示される構造単位の含有比が大きくなればアルカリ性が強くなる。また該水溶液は、さらに酸やアルカリを添加してpHの値を変化させることも可能である。
【0050】
さらに該水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液からなる本発明の帯電防止材料は長期保存しても、ゲル化、会合などの変化が生じず、長期保存後の溶液を用いて形成した導電性被膜も長期保存をしない本発明の帯電防止材料を用いた場合と同様の導電性あるいは帯電防止効果を有する。
【0051】
本発明の帯電防止方法において、物品の帯電防止のために、物品上に上記水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成するには、本発明の帯電防止剤水溶液をその物品に塗布する、あるいはその物品を該水溶液にディッピング(浸漬)する、あるいは本発明の帯電防止材料(固体系または水溶液系)をそのまま、あるいは溶解、粉砕等適宜事前処理を施してからその物品に吹きつける等、目的や物品に応じていかなる方法を経て形成しても良いが、例えば、物品上に塗布することにより容易に形成可能である。この際、例えば塗布性等の被膜形成性を改善するために、前記のように、少なくとも一種の界面活性剤を含む本発明の帯電防止材料水溶液を用いてもよいし、界面活性剤を含まない本発明の帯電防止剤を、少なくとも一種の前記の界面活性剤とともに水溶液として用いることができる。
【0052】
形成された導電性被膜は、一般式(Ia)および一般式(IIa)、あるいは一般式(Ib)および一般式(IIb)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含んでおり、側鎖のスルホン酸基が導電性高分子化合物の主鎖のπ電子共役系にキャリアを与えるドーパントとして働くため、外来の添加物なしに導電性を発現させることができる。この機構を自己ドープ機構という。また該導電性被膜は、かかる一般式で示されるように導電性高分子の主鎖がイソチアナフテニレン骨格からなる構造単位を繰返し単位として含んでいるので、そのπ電子共役系の酸化電位が低く、またバンドギャップも狭いために、導電状態が極めて安定である。さらに熱処理や長期保存をしても水による除去性は良好であっ
た。
【0053】
さらにこの導電性被膜が一般式(IIa)または一般式(IIb)で示される構造単位を含み、またMがNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオンであるような場合には、熱処理によりアンモニウム塩からアンモニア等のアミンを脱離させて一般式(IIa)または一般式(IIb)で示される構造単位の含有比を変化させて、導電性をさらに向上させることも可能であり、本発明の好ましい形態の一つである。
【0054】
また、本発明の帯電防止材料からなる導電性被膜を形成した後で、外来のドーパントによるドーピング操作を行うことによって更に導電性を向上させることも可能である。この場合のドーピング操作は、化学的ドーピングおよび/または電気化学的ドーピングの方法で行なうことができる。前述の様に、該水溶性導電性高分子化合物は主鎖がイソチアナフテニレン骨格からなる構造単位を繰返し単位として含んでいるので、そのπ電子共役系の酸化電位が低く、またバンドギャップも狭い。従ってかかるドーピング操作は極めて容易に行なわれ、その高い導電性を安定に維持するので本発明の好ましい形態の一つを提供する。例として、該導電性被膜を大気中に放置すると、空気中の酸素でドーピングされ、高い導電状態がさらに安定化される。これはイソチアナフテニレン骨格において特徴的に観察される、好ましい物性である。
【0055】
本発明の目的に用いられる本発明の帯電防止材料から形成される導電性被膜の導電性は、物品の製造あるいは使用や帯電防止を施す物品によるので、特定できないが、一般的にいえば、該導電性被膜の表面抵抗が1×1013Ω/□未満であればよく、1×1010Ω/□未満が望ましい。物品の製造あるいは使用が、例えば、荷電粒子線照射を含む工程である場合には、該導電性被膜の導電性は、2×108 Ω/□未満であればよく、1×108 Ω/□未満であることが望ましく、5×107 Ω/□未満であることが特に望ましい。
【0056】
【作用】
前記水溶性導電性高分子化合物を必須成分としてなる本発明の帯電防止材料あるいはその水溶液は、それを用いて導電性被膜を形成する物品の性質にあわせて適宜最適なpHに調製すること、あるいは調製して使用することが可能であり、それにより、使用目的に合う帯電防止材料およびそれを用いる帯電防止方法とすることができる。例えば、シリコン、ガリウム/ヒ素等の半導体基板、あるいはガラス基板、あるいはその上に更にクロム等の金属を蒸着した基板上に、例えば、溶解抑制剤、酸発生剤および部分t−ブトキシカルボニル化ポリビニルフェノールの3成分から成るポジ型化学増幅系電子線レジスト層を配置した物品上に本発明の帯電防止材料水溶液を塗布等の方法により被膜を形成する場合には、pHの低い酸性の水溶液を用いると、レジスト表面での難溶化層の生成を防ぐ、あるいは生成した表面難溶化層を除去する効果が得られる。これは、1993年春季第40回応用物理関係連合講演会講演予稿集、No.2、p.554、30p−K−4に記載の事項を参考に上記レジスト層を有する基板を用いて同様の検討を行なったところ、かかる効果が得られたものである。
【0057】
一方、ノボラック、感光剤およびブロモメチル基を有する酸発生剤から成るネガ型の化学増幅系電子線レジスト(シプレイ社商品名SAL601)層を有する物品上に塗布等の方法により被膜を形成する場合には、pHの高い中性〜アルカリ性の帯電防止材料水溶液を用いることにより、レジストのプロセス変更の検討を要することなく、レジスト表面の全面硬化を防ぐことができる。これは、1992年秋季第53回応用物理学会学術講演会講演予稿集、No.2、p.512、18p−ZC−4に記載の実験結果を参考に同様の検討を行なったところ、レジストのプリベーク温度にかかわらず、水洗後にS(イオウ)が観測されなくなったことから裏付けられた。また、塗布等の被膜形成溶媒に水を用いているので、有機溶媒に溶けやすいレジストなどの材料の膜を侵すことなく、その膜上に直接塗布等により被膜を形成できる長所を保持している。
【0058】
また前記水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜は、高い照射量での電子線描画の後でも、また、例えば120℃程度の、高温で熱処理しても水溶性を保つ。たとえば露光後ベークの必要な化学増幅系レジストに適用する際にも、ベークの後で水洗できるのでプロセス上有利である。さらに塗布等の方法により形成した導電性被膜は大気中に長期間放置しても帯電防止効果を維持しているので、例えば塗布等被膜を形成した状態のまま長期間保存することも可能である。また前記導電性被膜の除去性は長期間放置後も良好である。
【0059】
以上により、塗布等の方法による導電性被膜の形成時の制約がより少なく、熱処理や長期間放置しても除去性や帯電防止効果を維持し、プロセス設計の自由度が大きい導電性被膜を用いる帯電防止方法が開発された。また上記導電性被膜を形成するための、保存安定性に優れた帯電防止材料が得られた。更に、上記導電性被膜を有する、帯電が防止された物品が得られた。また、被分析物品に上記導電性被膜を形成させて帯電を防止した後、その物品を観察または検査する方法が開発された。
例えば、荷電粒子線を照射する工程において、塗布等の方法による導電性被膜の形成及び除去が容易で、大きな帯電防止効果が安定して得られる方法、および荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出する方法を用いた形状観察や測定の際に問題となる帯電現象を防ぐ方法が提供された。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではない。
本実施例に用いた水溶性導電性高分子化合物は、具体的には、
▲1▼;式(I−1)
【化21】
Figure 0003814830
で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位およびイソチアナフテニレンを繰返し単位として含む共重合体▲1▼)、
▲2▼;式(II−1)
【化22】
Figure 0003814830
で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体(一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 がHであり、MがNH4 +である構造単位およびイソチアナフテニレンを繰返し単位として含む共重合体▲2▼)、
【0061】
▲3▼;式(II−2)
【化23】
Figure 0003814830
で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5−デシルオキシ−イソチアナフテニレンである共重合体(一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 の一方がデシルオキシ基であり、他方がHであり、MがNH(CH33 + である構造単位および5−デシルオキシ−イソチアナフテニレンを繰返し単位として含む共重合体▲3▼)、
▲4▼;前記式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位とする単独重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位を繰返し単位として含む単独重合体▲4▼)、
【0062】
▲5▼;前記式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が前記式(II−1)で示される構造単位である共重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位、および一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 がHであり、MがNH4 + である構造単位を繰返し単位として含む共重合体▲5▼)、
および、
▲6▼;式(I−2)
【化24】
Figure 0003814830
で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテニレンである共重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 が互いに結合したジオキシメチレン基である構造単位、および5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテニレンを繰返し単位として含む共重合体▲6▼)
である。
【0063】
また比較例に用いた水溶性導電性高分子化合物は、式(III)
【化25】
Figure 0003814830
および式(IV)
【化26】
Figure 0003814830
で示される。但し式中nは重合度を表わす整数である。
【0064】
以下の実施例で用いる上記水溶性導電性高分子化合物の製造方法および分子量を以下に示す。
▲1▼;式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体(水溶性導電性高分子化合物)を製造する方法
発煙硫酸(20% SO3 )1.5gを10℃に保持し、1,3−ジヒドロイソチアナフテン825mgを撹拌しながらゆっくりと加えた。放置して室温まで戻し1時間撹拌を続けたところ、反応液は赤紫色を呈した。その後、70℃に加熱すると反応液は濃紺色に変化し、30分後には固化した。反応混合物を100mlの0.1N NaOH/メタノール中に投入し、沈降した重合物を遠心分離した。重合物を水100mlに溶解し、透析膜を通して不純物の硫酸ナトリウムを除去した。水溶液から水を留去し、真空乾燥して濃青色共重合体(一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)のR3 およびR4 がHであり、MがNa+ である構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体)430mgを得た。この共重合体を含む水溶液の可視近赤外吸収スペクトルを図1に、共重合体の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
【0065】
さらにこの共重合体200mgを水100mlに溶解し、酸型のイオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)でイオン交換処理することによって、目的とする共重合体を含む水溶液を得た。得られた共重合体を含む水溶液の可視近赤外吸収スペクトルを図3に示す。また中和滴定によってスルホン酸基の定量を行ない、共重合体組成中における式(I−1)で示される構造単位からなる繰返し単位のモル分率を求めたところ、0.84(84モル%)であった。GPCにより分子量を測定すると、重量平均分子量は15000であった。水を蒸発させ、乾燥して得られた黒色共重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体▲1▼)の電気伝導度を四端子法で測定すると、1S/cmであった。
【0066】
▲2▼;式(II−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体(水溶性導電性高分子化合物)を製造する方法
上記黒色共重合体(▲1▼)100mgを水10mlに溶解し、1N NH4 OH溶液4mlを加えpH=9.4に調整した。この操作によりスルホン酸基のH+ イオンはNH4 +イオンに容易に交換され、式(I−1)で示される構造単位は式(II−1)で示される構造単位に変換され、目的物(一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 がHであり、MがNH4 +である構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体▲2▼)の水溶液が得られた。この水溶液の可視近赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0067】
▲3▼;式(II−2)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5−デシルオキシ−イソチアナフテニレンである共重合体(水溶性導電性高分子化合物)を製造する方法
ポリ(5−デシルオキシ−1,3−ジヒドロイソチアナフテニレン)500mgを撹拌しながら、発煙硫酸(20% SO3 )4mlをゆっくりと加えて80℃に加熱すると、反応液は濃青色を呈した。反応混合物200mgを約500mlの水に溶解し、塩酸でpHを1.9に調製し限外瀘過によって精製、濃縮した後、溶媒留去、真空乾燥により黒色共重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 の一方がデシルオキシ基であり、他方がHである構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5−デシルオキシ−イソチアナフテニレンである共重合体)150mgを得た。得られた共重合体の水溶液の可視近赤外吸収スペクトルは図3と同様であった。また中和滴定によってスルホン酸基の定量を行ない、共重合体中の式(II−2)で示される構造単位からなる繰返し単位のモル分率を求めたところ0.51(51モル%)であった。GPCにより分子量を測定すると、重量平均分子量は8000であった。
【0068】
さらにこの共重合体を含む水溶液をトリメチルアミンで中和しpH=9.5に調製して目的物(一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 の一方がデシルオキシ基であり、他方がHであり、MがNH(CH33 + である構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5−デシルオキシ−イソチアナフテニレンである共重合体▲3▼)の水溶液を得た。この水溶液の可視近赤外吸収スペクトルは図4と同様であった。
【0069】
▲4▼;式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位とする単独重合体(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位を繰返し単位として含む単独重合体)(水溶性導電性高分子化合物)を製造する方法発煙硫酸(20% SO3 )4mlを20℃以下に保持し、1,3−ジヒドロイソチアナフテン1.0gを撹拌しながらゆっくりと加えた。放置して室温まで戻し4時間撹拌を続けたところ、反応液は褐色を呈した。反応混合物を氷水150mlに溶解し、塩化ナトリウム20gを加え加温して均一に溶かし、ゆっくりと塩析させ、析出物を遠心分離機により分離した。上澄液を除去後、真空乾燥し、精製操作を経て、1,3−ジヒドロ−5−イソチアナフテンスルホン酸ナトリウム(白色粉末)350mgを得た。
【0070】
上記の方法に従い製造した、1,3−ジヒドロ−5−イソチアナフテンスルホン酸ナトリウム2.0gを塩化第二鉄10gと混合し、水4gを加えて攪拌した。1時間後に得られた黒色の反応混合物を、水200ml、およびアセトン200mlでよく洗い、乾燥して0.9gの黒色粉末を得た。この黒色粉末を50mlの0.1N NaOHに良く攪拌しながら溶解し、沈殿物を除去した後、酸型のイオン交換樹脂でイオン交換処理することによって、目的とする単独重合体((一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位を繰返し単位として含む単独重合体▲4▼)を含む水溶液を得た。得られた水溶液の可視近赤外吸収スペクトルは図3と同様であった。前述の方法と同様の方法で測定した、重合体中の式(I−1)で示される構造単位からなる繰返し単位のモル分率は1.00(100モル%)、重量平均分子量は12000、電気伝導度は2S/cmであった。
【0071】
▲5▼;式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が式(II−1)で示される構造単位である共重合体(水溶性導電性高分子化合物)を製造する方法
上記▲4▼の製造で得られた▲4▼を含む水溶液に1N アンモニア水溶液を加え、pHを5に調整した。この操作によりスルホン酸基のH+ イオンの一部はNH4 + イオンに容易に交換される。これにより式(I−1)で示される構造単位に変換され、目的物(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位、および一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 がHであり、MがNH4 + である構造単位を繰返し単位として含む共重合体▲5▼)の水溶液が得られる。
【0072】
▲6▼;式(I−2)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテニレンである共重合体(水溶性導電性高分子化合物)を製造する方法
シンセティック・メタルズ(Synthetic Metals) 、第40巻、1〜12頁(1990年)に記載の方法に従って、1,3−ジヒドロ−5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテンを得た。この1,3−ジヒドロ−5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテンを上記▲1▼の製造で用いた方法と同様の方法により、発煙硫酸(20% SO3 )でスルホン化し、同様に精製して、目的物(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 が互いに結合したジオキシメチレン基である構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテニレンである共重合体▲6▼)を含む水溶液を得た。前述の方法と同様の方法で測定した、重合体中の式(I−2)で示される構造単位からなる繰返し単位のモル分率は0.80(80モル%)、重量平均分子量は9000、電気伝導度は0.5S/cmであった。
【0073】
式(III)および式(IV)で示される水溶性導電性高分子化合物は、各々特開平4−32848号公報および特開平4−349614号公報に開示されている方法を用いて製造した。
【0074】
(実施例1)
▲1▼で得られた、式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体(▲1▼)である水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液(pH=1.7)を調製した。この水溶液をガラス基板に1500rpmで回転塗布し、膜厚0.02μmの導電性被膜を作製した。この導電性被膜の表面抵抗は1×106 Ω/ □(シシド静電気社製メガレスタで測定)であり、また、可視近赤外吸収スペクトルは図5の通りであった。
【0075】
次に、この水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液からなる帯電防止材料を、ノボラックおよびジアゾナフトキノンから成るポジ型電子線レジスト上に回転塗布した。J.Vac.Sci.Technol.B7(6),Nov/Dec 1989 p.1519に記載の方法で、電子線を照射し、現像後位置ずれを測定したところ、位置ずれ量は0.05μm以下であり、帯電による影響は全く観測されなかった。導電性被膜を用いなかった場合、帯電による位置ずれ量は2μm以上であった。なお導電性被膜は現像と同時に剥離除去できた。
【0076】
(実施例2)
実施例1で作製した帯電防止材料を用いて形成された導電性被膜を、120℃で熱処理し、表面抵抗および吸収スペクトルを測定した。表面抵抗は3×106 Ω/ □であり、可視近赤外吸収スペクトルは図5と同様であった。また実施例1と同様な方法で、実施例1に用いたのと同じレジスト上に塗布し、熱処理をした後、電子線を照射しても位置ずれ量は0.05μm以下であり、帯電防止効果は熱処理をしない場合と同様であった。
【0077】
さらに実施例1で作製した帯電気防止材料を用いて形成された導電性被膜を空気中で10日間放置した。放置後の表面抵抗は5×106 Ω/ □であり、可視近赤外吸収スペクトルは図5と同様であった。また、実施例1と同様に、実施例1に用いたのと同じレジスト上に塗布した後、10日間空気中で放置して、電子線を照射しても位置ずれは全く観測されず、帯電防止効果は放置しない場合と同様であった。
【0078】
さらに実施例1と同様に、実施例1に用いたのと同じレジスト上に塗布した後、10日間窒素雰囲気中で保管したところ、表面抵抗は5×107 Ω/ □に若干低下していたが、電子線を照射しても位置ずれは全く観測されず、帯電防止効果は10日間保管しない場合と同様であった。
【0079】
(実施例3)
▲2▼で得られた、式(II−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体(▲2▼)の水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液(pH=9.4)を調製した。この水溶液を、ガラス基板に1500rpmで回転塗布し、膜厚0.02μmの導電性被膜を作製した。この導電性被膜を120℃で熱処理すると、表面抵抗は1×107 Ω/ □であり、可視近赤外吸収スペクトルは図6の通りであった。レジストとしてノボラック、感光剤およびブロモメチル基を有する酸発生剤から成るネガ型の化学増幅系電子線レジスト(シプレイ社製商品名SAL601)を用いた他は実施例1と全く同様に、レジスト上に塗布し、熱処理した後で、電子線を照射し位置ずれを測定した。位置ずれ量は0.05μm以下であり、帯電防止効果は実施例1と同様であった。なお導電性被膜を形成したレジストに電子線を照射した後のベークは導電性被膜を剥離除去する前に行なわれ、導電性被膜は水洗により完全に剥離除去することや、現像時に現像液により剥離除去することが可能であった。
【0080】
また上記で調製した導電性高分子化合物を含む水溶液からなる帯電防止材料を1年間放置した後に、同様の実験を行なったが、その帯電防止効果は放置しない場合と同様であった。
さらに上記共重合体(▲2▼)を製造する段階において、1N NH4 OH溶液4mlを加えていく途上で、pH=1.7〜9.4の間で種々のpHに調整して得た導電性高分子化合物を含む水溶液を用いて、上と同様の実験を行なったが、帯電防止効果は全く同様であった。例えばpH=7.6に調整した溶液からなる帯電防止材料を用いて導電性被膜を形成し、120℃で熱処理すると、表面抵抗は6×106 Ω/ □となり、帯電防止効果は熱処理しない場合と同様であった。
【0081】
(実施例4)
▲3▼で得られた、式(II−2)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5−デシルオキシ−イソチアナフテニレンである共重合体(▲3▼)の水溶性導電性高分子化合物からなる帯電防止材料をポリエチレン膜上にディップ法により塗布して導電性被膜を作製し、SEM観察を行なった。加速電圧6kV、観察倍率25000倍で良好な観察像が得られ、帯電による障害はなかった。
【0082】
(実施例5)
▲4▼で得られた、式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位とする単独重合体(▲4▼)の水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液(pH=1.7)からなる帯電防止材料を用いて、実施例1と同様にして導電性被膜を作製した。この導電性被膜の表面抵抗は5×105 Ω/ □であった。また、この帯電防止材料を実施例1と同様のレジスト上に塗布し、同様に位置ずれ量を測定したところ、帯電防止効果は実施例1と同様であった。
【0083】
(実施例6)
▲5▼で得られた、式(I−1)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が(II−2)で示される構造単位である共重合体(▲5▼)の水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液(pH=5.0)からなる帯電防止材料を用いて、実施例3と同様にして導電性被膜を作製した。この導電性被膜の表面抵抗は1×106 Ω/ □であった。この帯電防止材料を実施例3と同様のレジスト上に塗布し、同様に位置ずれ量を測定したところ、帯電防止効果は実施例3と同様であった。
【0084】
(実施例7)
▲6▼で得られた、式(I−2)で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位が5,6−ジオキシメチレン−イソチアナフテニレンである共重合体(▲6▼)の水溶性導電性高分子化合物を含む水溶液(pH=1.7)からなる帯電防止材料を用いて、実施例1と同様にして導電性被膜を作製した。この導電性被膜の表面抵抗は2×106 Ω/ □であった。この帯電防止材料を実施例1と同様のレジスト上に塗布し、同様に位置ずれ量を測定したところ、帯電防止効果は実施例1と同様であった。
さらに、この導電性材料を用いて形成した被膜を空気中で10日間放置しても、表面抵抗は3×106 Ω/ □と殆ど変化せず、また帯電防止効果も、放置しない場合と同様であった。
【0085】
(比較例1)
水溶性導電性高分子化合物(III)を用いて、実施例2と同様の実験を行なった。塗布直後の導電性被膜の表面抵抗は5×106 Ω/ □であったが、120℃で熱処理すると表面抵抗は3×108 Ω/ □に上昇し、実施例1と同様に評価した位置ずれ量は2μm以上であり、電子線照射における帯電防止効果はなくなっていた。
さらに1N NH4 OH溶液を用いてpH=9.3に調整した溶液を用いて被膜を作製したところ、表面抵抗は6×108 Ω/ □となり、同様に電子線照射における帯電防止効果はなかった。
【0086】
(比較例2)
水溶性導電性高分子化合物(IV)を用いて、実施例3と同様の実験を行なった。塗布直後の導電性被膜の表面抵抗は2×107 Ω/ □であったが、この導電性被膜は除去性が悪く、水洗しても完全に剥離除去することができなかった。さらに、10日間大気中に放置すると、表面抵抗は4×108 Ω/ □に上昇し、電子線照射における帯電防止効果はなくなっていた。
また水溶性導電性高分子化合物(IV)を含む水溶液を2ヵ月間常温で放置した。この水溶液を用いて導電性被膜を作製したところ、表面抵抗は1×109 Ω/ □であった。帯電防止効果もなくなっていた。
【0087】
(比較例3)
水溶性導電性高分子化合物(IV)を用いて、実施例4と同様の実験を行なった。同様の加速電圧6kV、観察倍率25000倍の条件でSEM観察を行なったが、全面が白い影像となり、像観察は行なえなかった。倍率を8000倍に落とすと、先に25000倍で観察していた部分が、帯電の影響により白く見えた。強度の電子線照射によって化合物(IV)の被膜の導電性が失われたものと考えられる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の帯電防止材料は、電子素子、電子部品、電子機器、電気部品、電気機器、分析機器等の物品あるいはその部品等の物品の製造あるいは使用において、その物品あるいは被分析物品の帯電を防止するために用いられる優れた帯電防止効果を有する材料であり、かかる物品の帯電を防止するために、本発明の帯電防止材料あるいは帯電防止方法を用いることにより、その製造あるいは使用において問題となる帯電を防止することができる。
例えば、物品の製造あるいは使用が、荷電子粒子線照射を含む工程である場合、本発明の帯電防止材料あるいは帯電防止方法によれば、荷電粒子線を照射する工程において電荷の蓄積により生じる、位置ずれ、観察像の歪、精度劣化などの帯電現象を解消することができた。
【0089】
本発明の帯電防止材料あるいは帯電防止方法においては、該帯電防止材料は、帯電防止を施す必要のある物品の性質に合わせて、適宜最適なpHの水溶液とすることが可能であり、かかる水溶液を用いることにより、種々の物品上に導電性被膜を形成して帯電を防止することができ、また、本発明の帯電防止材料は、水溶液であっても長期間保存可能である。
【0090】
また、本発明の帯電防止材料あるいは帯電防止方法は、該帯電防止材料を用いて、塗布、ディップ、吹きつけ等の方法により物品上に導電性被膜を形成する場合、被膜の形成時の制約が少なく、熱処理あるいは長期間放置しても、帯電防止効果やその被膜の除去性が維持され、実用上極めて有益である。
【0091】
また本発明の帯電防止材料からなる導電性被膜を有する物品は、その帯電が実質的に防止されており、高温で熱処理したり、あるいは長期間保存しても帯電防止効果を維持している。また、高い照射量で電子線描画したり、高温で熱処理しても、また大気中に長期放置しても、該導電性被膜は水溶性を保ち、水洗等により剥離除去することができる。
【0092】
また、本発明の、物品の観察時または検査時における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、本発明の帯電防止材料からなる導電性被膜を形成し、しかる後に荷電子粒子線を照射して物品を観察または検査する方法によれば、照射工程において電荷の蓄積により生じる、位置ずれ、観察像の歪、精度劣化などの帯電現象を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の製造方法▲1▼で得た共重合体(一般式(IIa)および一般式(IIb)においてR3 およびR4 がHであり、MがNa+ で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体)水溶液の透析後の可視近赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例の製造方法▲1▼で得た共重合体(一般式(IIa)および一般式(IIb)においてR3 およびR4 がHであり、MがNa+ で示される構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体)の透析、乾燥後の赤外線吸収スペクトルである。
【図3】実施例の製造方法▲1▼で得た共重合体▲1▼(一般式(Ia)あるいは一般式(Ib)におけるR1 およびR2 がHである構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体▲1▼)の水溶液の可視近赤外吸収スペクトルである。
【図4】実施例の製造方法▲2▼で得た共重合体▲2▼(一般式(IIa)あるいは一般式(IIb)におけるR3 およびR4 がHであり、MがNH4 +である構造単位を繰返し単位として含み、該構造単位以外の繰返し単位がイソチアナフテニレンである共重合体▲2▼)の水溶液の可視近赤外吸収スペクトルである。
【図5】実施例1で作製した導電性被膜の可視近赤外吸収スペクトルである。
【図6】実施例2で作製した導電性被膜の熱処理後の可視近赤外吸収スペクトルである。

Claims (32)

  1. 物品の製造あるいは使用において、その物品の帯電を防止するために用いられる一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料。
  2. 物品の製造あるいは使用において、その物品の帯電を防止するために用いられる一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む帯電防止材料。
  3. 物品の製造あるいは使用において、その物品上に導電性被膜を形成して帯電を実質的に防止するために用いられる一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物及び水を含む帯電防止材料。
  4. 物品の製造あるいは使用において、その物品上に導電性被膜を形成して帯電を実質的に防止するために用いられる一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物及び水を含む帯電防止材料。
  5. 導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項1乃至4記載の帯電防止材料。
  6. 物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程である、請求項1乃至5記載の帯電防止材料。
  7. 物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを含む工程である、請求項1乃至5記載の帯電防止材料。
  8. 物品の製造あるいは使用において、物品が請求項1乃至5記載の帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより、その帯電が実質的に防止されていることを特徴とする物品。
  9. 物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程であり、かかる工程におけるその物品の帯電が、請求項1乃至5記載の帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより実質的に防止されていることを特徴とする物品。
  10. 物品の製造あるいは使用における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電防止方法。
  11. 物品の製造あるいは使用における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電防止方法。
  12. 物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程である請求項10または11記載の帯電防止方法。
  13. 物品の製造あるいは使用が、荷電粒子線照射を含む工程であり、水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項10または11記載の帯電防止方法。
  14. 物品の観察時または検査時における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の観察または検査方法。
  15. 物品の観察時または検査時における帯電を実質的に防止するために、その物品上に、一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の観察または検査方法。
  16. 水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項14または15記載の物品の観察または検査方法。
  17. 一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含むことを特徴とする帯電防止材料。
  18. 一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含むことを特徴とする帯電防止材料。
  19. 一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5
    、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物と水及び/または界面活性剤を含むことを特徴とする、導電性被膜用帯電防止材料。
  20. 一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物と水及び/または界面活性剤を含むことを特徴とする、導電性被膜形成用帯電防止材料。
  21. 水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項17〜20のいずれか記載の帯電防止材料。
  22. 請求項17〜21のいずれか記載の帯電防止材料からなる導電性被膜を有することにより帯電が実質的に防止されている物品。
  23. 物品上に、一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電が防止された物品の製造方法。
  24. 物品上に、一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成することを特徴とする帯電が防止された物品の製造方法。
  25. 荷電粒子線照射工程を含むことを特徴とする請求項23または24記載の帯電が防止された物品の製造方法。
  26. 水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項23〜25のいずれか記載の帯電が防止された物品の製造方法。
  27. 帯電を防止するために、一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の観察方法。
  28. 帯電を防止するために、一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の観察方法。
  29. 水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項27または28記載の物品の観察方法。
  30. 帯電を防止するために、一般式(Ia)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIa)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基、アルコキシ基またはアルキルエステル基、ハロゲン、SO3 -M(但しR1またはR2 の場合にはMはH+ を表わす。)、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5、R6 、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至30の直鎖状もしくは分岐状の置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わし、アルコキシ基、ヒドロキシル基、オキシアルキレン基、チオアルキレン基、アゾ基、アゾベンゼン基、p−ジフェニレンオキシ基の、炭素、水素以外の元素を含む基を含むアルキルまたはアリール基であってもよい。R1とR2 、またはR3 とR4 、あるいはR5 、R6、R7 及びR8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている元素原子を含む飽和または不飽和の環状構造を形成する二価基を少なくとも1つ以上形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基またはアルキルエステル基の鎖中には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の検査方法。
  31. 帯電を防止するために、一般式(Ib)
    Figure 0003814830
    および一般式(IIb)
    Figure 0003814830
    (両式中、R1 、R2 、R3 およびR4はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級または3級アミノ基、トリハロメチル基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表わす。MはNR5678 +で表わされる第4級アンモニウムのカチオン、PR5678 +、AsR5678 +で表わされるVb族元素の第4級カチオン、あるいはアルカリ金属イオンを表わし、R5 、R6、R7 、R8 はそれぞれ独立にH、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表わす。R1とR2 、またはR3 とR4 、またはR5 、R6、R7 、R8 から選ばれる複数の置換基は、互いに任意の位置で結合して、該置換基により置換されている原子を含む飽和または不飽和炭化水素の環状構造または複素環構造を形成する二価基を形成してもよい。R1、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7、R8 のアルキル基またはR1 、R2 、R3 、R4のアルコキシ基の鎖中には、カルボニル、エーテル、アミド結合を任意に含んでもよい。)で示される構造単位の少なくとも一つを繰返し単位として含み、且つ主鎖がπ共役系二重結合を有する水溶性導電性高分子化合物を含む導電性被膜を形成し、しかる後に荷電粒子線を照射して反射荷電粒子線または2次放射線を検出することを特徴とする物品の検査方法。
  32. 水溶性導電性高分子化合物の分子量が2000以上である請求項30または31記載の物品の検査方法。
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