JP3814358B2 - 粉体の紫外線殺菌装置 - Google Patents

粉体の紫外線殺菌装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3814358B2
JP3814358B2 JP02516997A JP2516997A JP3814358B2 JP 3814358 B2 JP3814358 B2 JP 3814358B2 JP 02516997 A JP02516997 A JP 02516997A JP 2516997 A JP2516997 A JP 2516997A JP 3814358 B2 JP3814358 B2 JP 3814358B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
ultraviolet
sterilized
conveyor
sterilization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02516997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10215836A (ja
Inventor
弘文 二宮
宣正 橘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP02516997A priority Critical patent/JP3814358B2/ja
Publication of JPH10215836A publication Critical patent/JPH10215836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3814358B2 publication Critical patent/JP3814358B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、小麦粉、大豆粉、或いは食品やトイレタリー用品等の粉状添加物などの粉体を殺菌する方法及び装置に関するものであり、更に詳しくは、粉体を紫外線の照射により確実に殺菌する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品や食器等に付着している細菌、かび、酵母等の微生物を死滅させ、殺菌する方法として、エチレンオキサイド等のガスを用いる方法、放射線を用いる方法、加熱による方法、高圧を利用する方法等が利用されていた。しかしながらエチレンオキサイド等のガスや放射線を用いる方法は、安全性の点から人体に直接摂取される食品等の殺菌に対する利用には制限があり、また、高圧を利用する方法では設備が著しく大型化すると共に処理能力も小さく、生産性に劣るものである。そのため、加熱による殺菌方法が多用されており、一般的には乾熱による殺菌よりも湿熱による殺菌の方が殺菌効果が高い点で好ましい。
【0003】
しかしながら、多糖類粉体、小麦粉、大豆粉等の粉体を殺菌する場合に、特に湿熱による殺菌では多糖類粉体等は溶解して粉体としての取扱いが困難になってしまったり、また食品を高温で殺菌するとその食品自身が変質してしまうなどの問題点を有している。更には、多種類の菌のなかには高温下でも繁殖可能なものもあり、加熱による殺菌が全ての食品に効果的であるとはいえない。
【0004】
そこで近年では、食品や食器などに付着している様々な性質(高温下で繁殖可能など)をもつ多種類にわたる菌を、環境や人体に害を与えることなく効果的に殺菌するために紫外線を利用する提案が多数なされている。
【0005】
例えば、特公昭60−10703号公報には、紫外線による食品、特にハムやソーセージなどの長い円筒形状をなす食品の殺菌方法が開示されている。同公報に開示された殺菌方法では、駆動回転される複数のローラをチェンで連結したローラ付チェンコンベヤと同コンベヤの上方に設置された紫外線ランプとを備えた殺菌装置が使用されている。同殺菌装置の前記ローラ間に、前記チェンコンベヤの進行方向と直交して物品を載置し、同物品を搬送すると共に前記ローラの回転によって物品を回動させながら物品の全表面に紫外線が照射される。
【0006】
また、特公昭58−56633号公報には粉体や有形物からなる食品の紫外線による殺菌装置が開示されている。同公報に開示された殺菌装置では、紫外線透過ガラスから形成されたガラス管の周囲に紫外線を発する低圧水銀灯を螺旋状に巻回されており、前記ガラス管の中を移送される物品に紫外線が照射される。未殺菌物品は前記ガラス管の中をワイヤコンベアで移送され、また同物品が粉体である場合には前記ガラス管内を空気流により移送される。
【0007】
更に、特開昭63−263075号公報にも、紫外線による粉粒体の殺菌方法及び装置が開示されている。同公報に開示された殺菌装置では小麦粉、大豆粉等の粉粒体を移送するための移送路が、複数の板材を僅かに段差をもって連結した形状をなす一枚の板材からなる輸送板から構成されている。前記粉粒体は同輸送板上に供給され、同輸送板を偏心電動機で振動させることにより前記粉粒体が転動しながら移送され、この移送の間に上方から紫外線が照射されて殺菌される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この他にも紫外線による殺菌について多数の提案がなされており、ハムやソーセージ、食器等のように物品単体が大きな形状をもつ有形物については、紫外線により効果的且つ効率良く殺菌することができ、実用化が達成されている。しかしながら、紫外線による粉粒体の殺菌については、上述の公報に記載されているように理論上は可能であっても、殺菌処理能力が実用的レベル、即ち、数十〜数百kg/日の処理量まで達しておらず、未だ実用化には至っていないのが現状である。
【0009】
本発明は、粉体を実用化レベルの処理能力をもって、同時に実際に市販可能な範囲まで効率的に且つ確実に菌類を減少させる(殺菌する)ことのできる紫外線による殺菌方法及び装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記方法を実現するために、本発明は、被殺菌粉体を紫外線照射部に供給し、同粉体に紫外線を照射して粉体を殺菌する紫外線殺菌装置であって、被殺菌粉体の供給ホッパと、同ホッパに連結される供給コンベアと、同供給コンベアの下流側に配され、表面がテフロンコーティングされてなる振動コンベアと、同振動コンベアの上方に配される紫外線照射源とを備え、前記紫外線照射源と前記振動コンベアとの間に紫外線透過板が介装されてなることを特徴とする粉体の紫外線殺菌装置を他の主要な構成としている。
【0013】
この紫外線殺菌装置は前記紫外線透過板により前記振動コンベアにより搬送される粉体が前記紫外線照射源に付着するのを防止する。更に、前記紫外線透過板と前記紫外線照射源との間に形成される紫外線照射源の設置空間を閉塞空間として、同空間を外気圧より高圧とすることが好ましく、この場合には前記空間内への粉体の侵入が完全に防止される。
【0015】
この紫外線殺菌装置は前記供給コンベアとして上記振動コンベアと同種の振動コンベアを採用しているため、両コンベア上の粉体が同期的に円滑に搬送される。前記振動コンベア及び供給コンベアの表面はテフロンコーティングされる。そのため、前記振動コンベアの表面と粉体との摩擦係数が小さくなり、粉体は前記表面上を振動により攪拌されながら滞留することなく円滑に搬送される。その結果、粉体の全表面に満遍なく紫外線が照射され、効率よく殺菌される。
【0016】
ここで本発明における粉体とは、寒天、アルギン酸及びその塩類、カラギーナン等の海藻から抽出された海藻多糖類、グアガム、ローカススビーンガム、カシアガム等の種子から抽出された種子多糖類、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム等の樹脂侵出物、コンニャクイモ等の球茎類抽出物、アラビノガラクタン、ペクチン等の植物から抽出された植物抽出物、キサンタンガム等の発酵ガム、澱粉、小麦粉、大豆粉等の、一般に食品及び食品添加物として取り扱われる全ての粉体を指し、特にJIS8801に規定された粒度規格で60メッシュの篩を通過する粒子が80%以上含まれているものをいう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面及び実施例を参照して具体的に説明する。図1は本発明による紫外線殺菌装置1の概略を示す正面図であり、図2は同装置1の上面図、図3は同装置1の側面図である。
【0018】
本発明の紫外線殺菌装置1は、粉体供給部10と紫外線照射部20とを備え、これら粉体供給部10と紫外線照射部20はそれぞれ供給部支持フレーム3及び殺菌部支持フレーム4を介して基台2上に固設されている。
【0019】
前記粉体供給部10はホッパ11、供給用振動コンベア12、及び同供給用振動コンベア12を振動させて駆動する電磁フィーダ13を備えている。この振動機構は電磁フィーダに限定されるものではなく、例えば上述のごとき偏心電動機による機械的な振動機構も採用できる。前記ホッパ11は前記供給部支持フレーム3に固設されており、その粉体供給口11aと前記供給用振動コンベア12の搬送面12aとの間隙は約1cmに設定されている。
【0020】
前記電磁フィーダ13は振動部13aと基部13bとからなり、前記基部13bが前記供給部支持フレーム3に固設されている。前記振動部13aはトッププレート13d、ベースプレート13e及び図示せぬ圧電素子を備え、同圧電素子により前記トッププレート13dとベースプレート13eとの間で振動を発生させている。前記振動部13aのベースプレート13eと基部13bとの間には例えばスプリングやゴム製の緩衝部材13cが介在されており、前記振動部13aの振動を同緩衝部材13cにより吸収して前記供給部支持フレーム3に振動が伝わるのを防止している。
【0021】
前記供給用振動コンベア12は前記電磁フィーダ13の振動部13aの上面に載置固定されており、同振動部13aが駆動されて特定の方向に振動すると、前記供給用振動コンベア12は同振動部13aと一体となって同方向に振動される。
【0022】
前記紫外線照射部20は、本発明の紫外線ランプの設置空間をなす殺菌ランプ室21、振動コンベア22、及び同振動コンベア22を振動させて駆動する上記供給部10に設置された電磁フィーダ13と同一の構成からなる2機の電磁フィーダ23,23を備えている。
【0023】
前記殺菌ランプ室21は、紫外線を遮断する材質からなる天井21aがその一端縁を中心に回動可能に殺菌部支持フレーム4にハンドル軸4bを介して取り付けられ、同ハンドル軸4bをハンドル4aの操作により回転させることにより前記殺菌ランプ室21の全体を回動させて開閉する。更に、殺菌ランプ室21の周壁21bも紫外線の遮断材料から構成され、同周壁21bも前記殺菌部支持フレーム4に固着されている。この周壁21bの下縁には紫外線を透過する石英ガラス21cが固着されて前記殺菌ランプ室21の底部を構成している。
【0024】
前記殺菌ランプ室21の前記天井21aには253.7nmの紫外線を発生する複数の殺菌ランプ21dが、梯子状の枠体21eを介して粉体の搬送方向と直交させて等間隔に配設されている。
【0025】
同殺菌ランプ室21は前記天井21a、周壁21b及び底部をなす前記石英ガラス底部21cにより閉塞されているため、同殺菌ランプ室21に粉体が侵入しにくくなっているが、本実施例では前記殺菌ランプ室21が更に外部の図示せぬ空気ブロアーと連通しており、同殺菌ランプ室21に空気を吹き込んで常に外気圧以上の高圧下として、同殺菌ランプ室21への粉体の侵入を完全に防止している。
【0026】
前記殺菌ランプ室21の下方には前記振動コンベア22が配されており、同振動コンベア22は前記電磁フィーダ23,23により駆動される。この電磁フィーダ23,23は上述した電磁フィーダ13と同一の構成及び駆動機構を備えているため、その説明は省略する。
【0027】
前記電磁フィーダ13の上面に載置固定された前記振動コンベア22の搬送面22aは、前記供給用振動コンベア12の下流端の直下から、前記殺菌ランプ室21の下方に形成されている。同粉体搬送面22aはテフロンコーティングがなされており、粉体と同搬送面22aとの摩擦抵抗を小さくし、粉体が円滑に攪拌されて滞留が防止される。更に、前記振動コンベア22の下流端は粉体取出口22bとなっている。
【0028】
上述した紫外線殺菌装置1において、前記ホッパ11から前記供給用振動コンベア12の搬送面12aに供給された粉体は、前記供給用振動コンベア12の振動により前記搬送面12aを攪拌されながら下流側へ移動し、続く振動コンベア22に定量的に供給される。前記粉体は更に前記振動コンベア22の搬送面22a上を攪拌されながら下流側へ搬送される。この間に、前記搬送面22aの上方にある殺菌ランプ室21からの紫外線の照射により殺菌されるが、この粉体は前記振動コンベア22の振動により搬送面22a上を攪拌されながら搬送される。このとき、同搬送面22aがテフロンコーティングされており、粉体は同搬送面22a上で滞留することがないため、粉体の全表面に満遍なく紫外線が照射され、効率よく殺菌される。
【0029】
実施例:
以下、本発明の実施例について説明する。以下の実施例1〜11、及び比較例において、一般生菌を含むそれぞれの粉体は上記紫外線殺菌装置によりそれぞれ所定の紫外線受光係数Kとなる条件で253.7nmの紫外線を照射して殺菌処理された。その後、粉体に残存する菌類を後述する方法で培養して検出し、殺菌の程度を調べた。この各実施例における粉体の種類、粒度60メッシュの(粒度規格が60メッシュの篩を通過する)粒子の割合、殺菌前の一般生菌の含有量、紫外線受光係数K及び殺菌後の粉体に残存する一般生菌の検出量を表1にまとめた。
【0030】
ここで一般生菌とは、35℃程度の中温度で増殖するぶどう球菌 (Staphylococcus) 、シュードモナス(Pseudomonas) 、連鎖球菌(Streptococcus) 、かん菌(Bacillus) 等の一般生菌をいう。
【0031】
また、紫外線受光係数Kとは下記(1)式で示す値である。
【0032】
(Q×T×S×U)/M=K ……………(1)式
ここで、
K:被殺菌粉体の紫外線受光係数(W・s/g)
Q:被殺菌粉体の紫外線照射部における紫外線照明量(W/m2)
T:被殺菌粉体の紫外線照射部における滞在時間(sec)
M:被殺菌粉体の紫外線照射部における重量(g)
S:紫外線照射面積(m2
U:紫外線照射部における空気、風速及び紫外線透過ガラスによる補正係数
である。なお、上述した紫外線殺菌装置1を使用する場合には、前記補正係数Uは0.5である。
【0033】
殺菌処理後の粉体から残存する菌類を検出する方法としては、殺菌処理後の粉体1gを生理食塩水を用いて100倍に希釈した後、2mlを採取して標準寒天培地を用いて36℃で48時間培養して菌類を検出した。その後、殺菌の程度の目安として培養された菌の数を調べた。なお、耐熱性菌を検出する場合は、殺菌処理後の粉体1gを生理食塩水を用いて100倍に希釈した希釈液を沸騰水浴中で10分間加熱した後、2mlを採取して標準寒天倍地を用いて36℃で48時間培養した。
【0034】
「実施例1」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約10000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%のローカストビーンガム粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=5となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のローカストビーンガム粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約500CFU/gであった。
【0035】
「実施例2」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約10000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%のローカストビーンガム粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=10となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のローカストビーンガム粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約200CFU/gであった。
【0036】
「実施例3」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約10000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%のローカストビーンガム粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=12となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のローカストビーンガム粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約20CFU/gであった。
【0037】
「実施例4」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約5000 CFU/g含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が96%のカラギーナン粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=10となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のカラギーナン粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約250CFU/gであった。
【0038】
「実施例5」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約5000 CFU/g含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が96%のカラギーナン粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=12となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のカラギーナン粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約80CFU/gであった。
【0039】
「実施例6」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約3000 CFU/g含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%のキサンタンガム粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=10となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のキサンタンガム粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約100 CFU/gであった。
【0040】
「実施例7」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約3000 CFU/g含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%のキサンタンガム粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=12となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のキサンタンガム粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約60CFU/gであった。
【0041】
「実施例8」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約12000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が96%のコンニャクイモ抽出物粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=10となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のコンニャクイモ抽出物粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約400CFU/gであった。
【0042】
「実施例9」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約12000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が96%のコンニャクイモ抽出物粉体に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=12となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後のコンニャクイモ抽出物粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約300CFU/gであった。
【0043】
「実施例10」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約30000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%の小麦粉に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=10となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後の小麦粉に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約700CFU/gであった。
【0044】
「実施例11」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を約50000 CFU/g 含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%の大豆粉に、上記紫外線殺菌装置を用いて紫外線受光係数K=10となる条件で253.7nmの紫外線を照射し殺菌した。この殺菌後の大豆粉に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約800CFU/gであった。
【0045】
「比較例1」
一般生菌としてぶどう球菌、シュードモナス、連鎖球菌等を9000〜15000CFU/g含み、粒度規格60メッシュの篩を通過する粒子が90%のローカストビーンガム粉体に紫外線受光係数K=1となる条件で253.7nmの紫外線を照射した。この殺菌後のローカストビーンガム粉体に残存する菌類を上述した方法に従って培養して検出すると、一般生菌は約9900CFU/gであった。
【0046】
【表1】
Figure 0003814358
【0047】
この比較例は、実施例1〜3と同一のローカスビーンガム粉体を使用しており、殺菌処理前の一般生菌の含有量も実施例1〜3と略同一であるが、紫外線受光係数Kが1と、本発明の範囲より小さな値である。この殺菌後の粉体に残存する一般生菌を培養したところ約9900CFU/gの菌が検出され、実用には耐えない結果となった。
【0048】
一方、実施例1では同一の粉体に紫外線受光係数Kが5となる条件で紫外線を照射し、殺菌後の粉体に残存する一般生菌を培養したところ約500CFU/gの菌が検出された。培養後にこの程度の少ない菌しか検出されないのであれば、この条件での紫外線の照射により効果的な殺菌がなされていることになる。
【0049】
また、実施例1〜3を比較したところ紫外線受光係数Kが大きいほど殺菌能力が高くなることが分かる。このことは、カラギーナン粉体、キサンタンガム粉体、コンニャクイモ抽出物粉体についても同様に確認することができる。
【0050】
更に、実施例1〜3のように殺菌前の一般生菌の含有量が約10000CFU/g 程度の場合には、紫外線受光係数Kが5となる程度の紫外線の照射で十分に殺菌できる。しかしながら、実施例10及び11のように殺菌前の一般生菌の含有量が約30000CFU/gや50000CFU/gと非常に多い場合には、紫外線受光係数Kを10以上とすることが好ましい。
【0051】
また、実施例2及び4を比較すると、実施例2は殺菌前の一般生菌の含有量約10000CFU/gであり実施例4の2倍であるが、殺菌後に培養された一般生菌の含有量は殆ど同一である。この原因の1つには、実施例4の粉体のほうが実施例2の粉体よりも粒度が小さいために単位グラム当たりの表面積が増加することが挙げられる。従って粒度の小さな粉体の場合には紫外線受光係数Kを高くする必要がある。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の装置は粉体を搬送する振動コンベアの表面がテフロンコーティングされているため、粉体と振動コンベアとの摩擦抵抗が低減され、粉体が前記表面に付着し滞留することなく攪拌されながら円滑に搬送される。そのため、搬送される際に粉体は全表面にわたって満遍なく紫外線が照射され、効果的に殺菌される。また、殺菌ランプと前記振動コンベアとの間に紫外線を透過する石英ガラスが介装されており、更には前記石英ガラスと前記殺菌ランプとの間に形成される殺菌ランプ室が閉塞空間であり、同ランプ室には空気が吹き込まれ外気圧より高圧下におかれているため、前記ランプ室内への粉体の侵入が完全に防止される。
【0053】
更に上記装置を使用して、前記被殺菌粉体に粉体1gあたりに実際に照射された紫外線の受光量(紫外線受光係数)K≧5となる条件で波長253.7nmの紫外線を照射して、粉体を殺菌した場合には、様々な性質をもつあらゆる種類の粉体を、効果的に効率よく実用レベルの処理能力で殺菌できると共に、実際に市販可能な範囲まで効率的に且つ確実に菌類を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紫外線殺菌装置の概略を示す正面図である。
【図2】同紫外線殺菌装置の上面図である。
【図3】同紫外線殺菌装置の側面図である。
【符号の説明】
1 紫外線殺菌装置
2 基台
3 供給部支持フレーム
4 殺菌部支持フレーム
4a ハンドル
4b ハンドル軸
10 粉体供給部
11 ホッパ
11a 粉体供給口
12 供給用振動コンベア
12a 搬送面
13 電磁フィーダ
13a 振動部
13b 基部
13c 緩衝部材
13d トッププレート
13e ベースプレート
20 紫外線照射部
21 殺菌ランプ室
21a 天井
21b 周壁
21c 石英ガラス
21d 殺菌ランプ
21e 梯子状の枠体
22 振動コンベア
22a 搬送面
22b 粉体取出口
23 電磁フィーダ

Claims (2)

  1. 被殺菌粉体を紫外線照射部の振動コンベアに供給し、同粉体に紫外線を照射して粉体を殺菌する紫外線殺菌装置であって、
    被殺菌粉体の供給ホッパと、同ホッパに連結される供給コンベアと、同供給コンベアの下流側に配され、表面がテフロンコーティングされてなる振動コンベアと、同振動コンベアの上方に配される紫外線照射源とを備え、前記紫外線照射源と前記振動コンベアとの間に紫外線透過板が介装されてなることを特徴とする粉体の紫外線殺菌装置。
  2. 前記紫外線透過板と前記紫外線照射源との間に形成される紫外線照射源の設置空間が閉塞空間であり、同空間が外気圧より高圧下におかれてなる請求項1記載の粉体の紫外線殺菌装置。
JP02516997A 1997-02-07 1997-02-07 粉体の紫外線殺菌装置 Expired - Lifetime JP3814358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02516997A JP3814358B2 (ja) 1997-02-07 1997-02-07 粉体の紫外線殺菌装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02516997A JP3814358B2 (ja) 1997-02-07 1997-02-07 粉体の紫外線殺菌装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10215836A JPH10215836A (ja) 1998-08-18
JP3814358B2 true JP3814358B2 (ja) 2006-08-30

Family

ID=12158512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02516997A Expired - Lifetime JP3814358B2 (ja) 1997-02-07 1997-02-07 粉体の紫外線殺菌装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3814358B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150082688A1 (en) * 2013-09-20 2015-03-26 Jack D. Schmitz Device for Killing Bed Bugs

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011078A (ja) * 2000-06-29 2002-01-15 Nippon Photo Science:Kk 紫外線ランプユニット及び紫外線照射装置
JP4062956B2 (ja) 2002-04-24 2008-03-19 ソニー株式会社 検出装置、検出方法および電子ビーム照射装置
KR100706194B1 (ko) * 2005-11-21 2007-04-12 박영상 분체 살균 장치
RU2620831C1 (ru) * 2016-05-11 2017-05-30 Руслан Владимирович Клевакин Модульная установка для обработки сыпучих зерновых продуктов ультрафиолетовым излучением
FR3108512B1 (fr) * 2020-03-26 2023-06-30 Sterixene Système et procédé de désinfection par irradiation optique d’un produit pulvérulent

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150082688A1 (en) * 2013-09-20 2015-03-26 Jack D. Schmitz Device for Killing Bed Bugs
US9648861B2 (en) * 2013-09-20 2017-05-16 Jack D. Schmitz Device for killing bed bugs

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10215836A (ja) 1998-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2279674B1 (en) Method for sterilization of powdery or granular substances
JP3814358B2 (ja) 粉体の紫外線殺菌装置
EP1317932A1 (en) Method of sterilizing mildews and/or fungi in the state of spores and sterilization apparatus therefor
JP4210258B2 (ja) 食物の表面および食物パッケージング由来のヒト病原体の低温衛生化
CN113347887A (zh) 杀菌装置以及杀菌方法
JP2020078308A (ja) 粒状の物品を殺菌および/または滅菌する方法
TW200812508A (en) Pasteurization and sterilization of dry or low moisture particulate pharmaceutical and food products by high frequency microwaves
JP3297400B2 (ja) 鶏卵等球状食品の紫外線殺菌装置
CN206472753U (zh) 蔬菜消毒装置
CN109068694A (zh) 用紫外线辐射处理散装谷物的模块化装置
CN104114194B (zh) 粉粒体杀菌装置
JPH0557001A (ja) 物体移送の殺菌装置
CN110976459B (zh) 一种化妆品瓶体用清洗消毒设备
CN110495555A (zh) 一种水产成品加工消毒的设备及方法
JP3079516B2 (ja) 食品原料の連続殺菌方法
CN106455599B (zh) 用于制备待储存之人乳的方法及设备
CN208549878U (zh) 一种中药粉剂的脉冲强光灭菌装置
CN209166023U (zh) 一种具有干燥功能的保健品收集装置
JP2000342662A (ja) 閃光照射による殺菌方法およびその装置
CN208925113U (zh) 一种农作物无菌加工设备
CN208462861U (zh) 一种微波联合紫外线杀菌装置
CN216315201U (zh) 一种面包生产用消毒装置
CN206043272U (zh) 一种多输送带式的咸鸭蛋杀菌装置
CN112401129A (zh) 一种豆制品灭菌装置
CN206182271U (zh) 一种食品杀菌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060605

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term