JP2000342662A - 閃光照射による殺菌方法およびその装置 - Google Patents

閃光照射による殺菌方法およびその装置

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JP2000342662A
JP2000342662A JP11157816A JP15781699A JP2000342662A JP 2000342662 A JP2000342662 A JP 2000342662A JP 11157816 A JP11157816 A JP 11157816A JP 15781699 A JP15781699 A JP 15781699A JP 2000342662 A JP2000342662 A JP 2000342662A
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sterilized
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light
bacteria
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Yutaka Uragami
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KOMETTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 閃光照射による熱線を利用した、取り扱いが
容易な閃光照射による殺菌方法およびその装置を提供す
ることを目的とするものである。 【解決手段】 制御手段5により制御された発光手段3
によって、殺菌対象物に混在する細菌に赤外線を含むパ
ルス状の光を照射して、このパルス状の光による殺菌対
象物に混在する細菌の急峻な温度上昇によって、殺菌す
る閃光照射による殺菌装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、閃光照射による殺
菌方法およびその装置に関し、詳しくはエレクトロニッ
クフラッシュを利用した殺菌方法であって、殺菌対象物
の表面や空気等に付着または浮遊する微生物、細菌、カ
ビ、ウイルス等を光照射によって、急峻な温度上昇を与
えて、殺菌する閃光照射による殺菌方法であり、その閃
光照射による殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、製薬工業では、GMP( Good Ma
nufacturing Practice)が施行され、食品工業では、H
ACCP( Hazard analysis critical control point
evaluation)の導入にともなって、その製品に対しての
品質向上が求められている。また、病院等の医療施設で
は、抗生物質耐性菌による院内感染問題が社会問題とし
て取り上げられている。これらに共通する問題は、空気
中に浮遊している微生物による汚染や感染であり、空気
中に浮遊している微生物による汚染や感染を低減するこ
とが重要な技術的課題である。
【0003】周知のように、空中浮遊菌の殺菌方法で
は、紫外線殺菌灯が広く利用されている。さらに、殺菌
力を高めた殺菌装置としては、紫外線にオゾンを組み合
わせた装置が開発されている。例えば、食品工業におい
て、鶏卵の表面を殺菌する際に、紫外線が利用されてい
るが、その鶏卵表面には気孔等の凹部があり、紫外線を
照射しても凹部に入り込んだ細菌は、十分に殺菌するこ
とができないことから紫外線にオゾンを組み合わせた殺
菌方法が不可欠となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、紫外線殺菌灯
による殺菌方法において、波長が253.7nmの紫外
線では、生理作用が強いので、直接裸眼で見たりする
と、急性結膜炎等、人体に悪影響を及ぼすおそれがあ
り、好ましいのもではない。
【0005】また、浮遊するゴミや塵等に細菌が包含さ
れている場合には、強力な紫外線を照射しても死滅させ
ることができない欠点がある。このような場合には、オ
ゾンを組み合わせた殺菌装置が使用されているが、周知
のように、オゾンは毒性が強く、オゾンを吸入すると呼
吸器が冒されたり、微量でも長時間吸入すると中毒を起
こすおそれがある。例えば1ppmであっても6時間吸
引すると頭痛や気管支炎等を起こすことが知られてい
る。
【0006】さらに、オゾンの発生装置は高価であるの
で、広く一般に使用することは困難であるとともに、作
業場等のオゾンの廃ガスの処理を十分に行わねばならな
いために扱い難く、廃ガスの処理コストが高騰する等の
問題がある。
【0007】また、紫外線殺菌では、紫外線照射によっ
て、食品を照射して殺菌した場合には、タンパク質の変
質による味覚の変化や油性物質にあっては酸化等が問題
となり、さらには、食肉等の食品や調理器具等に付着す
る細菌等の遺伝子の変化が起こり得る可能性があり、全
ての殺菌対象物に対して、紫外線照射装置を適応するの
は、必ずしも好ましいものではない。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、閃光照射による熱線を利用した、取り扱いが容易
な閃光照射による殺菌方法およびその装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、請求項1の発明は、
所定空間内に赤外線を含むパルス状の光を照射して、前
記所定空間内の殺菌対象物に混在する微生物や細菌等を
急峻な温度上昇によって、殺菌することを特徴とする閃
光照射による殺菌方法である。
【0010】また、請求項2の発明は、前記殺菌対象物
が空気等の気体または落下菌等が付着した菌付着物であ
ることを特徴とする請求項1に記載の閃光照射による殺
菌方法である。
【0011】また、請求項3の発明は、前記赤外線を含
むパルス状の光が放電管による閃光であることを特徴と
する請求項1または2に記載の閃光照射による殺菌方法
である。
【0012】また、請求項4の発明は、赤外線を含むパ
ルス状の光を閃光する発光手段と、前記発光手段の閃光
時間間隔を設定する制御手段と、前記発光手段からのパ
ルス状の光が前記制御手段で設定した閃光時間間隔で照
射され、殺菌対象物に浮遊または付着する微生物や細菌
を急峻に温度上昇させて殺菌するための所定空間と、を
有することを特徴とする閃光照射による殺菌装置であ
る。
【0013】上記請求項1,2,3または4の発明によ
れば、赤外線を含むパルス状の光(パルス光)を殺菌対
象菌に照射されると、殺菌対象菌がパルス状の光を吸収
して、温度が瞬時に上昇することによって、殺菌するこ
とができるようにしたものである。しかし、パルス光を
利用した殺菌方法であるために、パルス光の照射回数
は、電気的に制御し易いことから、殺菌対象物に対して
熱線による影響を与えないか、悪影響の発生を最小限に
止めるように制御することができる。すなわち、パルス
光を殺菌対象物に照射したとしても、殺菌対象物の熱容
量によって、殺菌対象物の温度上昇が抑制され、細菌の
みを殺することができる。
【0014】例えば、空気中に浮遊する枯草菌は、環境
変化に対して芽胞を形成して、熱・放射線・化学薬品に
対して強い耐性を示す細菌であるが、殺菌対象菌の温度
を瞬時に概ね130℃以上となるようにすることで、枯
草菌等の細菌を殺菌することができる。無論、空気中に
浮遊する抗生物質耐性菌等の薬剤耐性菌や物質に付着し
た薬剤耐性菌を、このパルス光の吸収による立ち上がり
の急峻な熱(パルス熱)によって、容易に死滅させるこ
とができる。さらに、この殺菌方法は、急峻に立ち上が
る熱(パルス熱)による殺菌であるので、突然変異によ
る耐性菌を生成することがない。なお、発光手段として
は、例えばブロードバンドな波長を有するキセノン放電
管等が用いられている。
【0015】また、請求項5の発明は、請求項4に記載
の閃光照射による殺菌装置において、その外周部から前
記殺菌対象物を吸い込んで、前記殺菌対象物が前記発光
手段である放電管からパルス状の光が照射される前記所
定空間を通過させて、外周部に放出するための送風手段
を備え、前記制御手段が、前記送風手段による殺菌対象
の流量調整に応じて、閃光時間間隔を設定する手段を備
えることを特徴とする閃光照射による殺菌装置である。
【0016】請求項5の発明によれば、発光手段が放電
管により、空気等の殺菌対象物の流量に応じて、閃光時
間間隔が設定されて、所定空間に流れ込む空気等の気体
の流れる流量に応じて、パルス光の閃光時間間隔または
閃光回数を調整することによって、殺菌対象物に存在す
る菌を効率よく殺菌することができる。
【0017】無論、所定空間内に送り込まれる空気等の
気体を対流させて、パルス状の光を照射することによっ
て、殺菌対象菌に効果的に照射され、例えば枯草菌等を
確実に殺菌することができる。なお、放電管に加えられ
る電圧は、赤外線が多く含まれるような条件に設定する
とよく、放電管からの閃光を反射部材(反射板や反射殻
等)で反射させて殺菌対象物の裏面を照射するようにし
て、殺菌対象物の全面に赤外線を照射して、殺菌対象菌
に急峻な温度上昇を与えることによって、殺菌するよう
にしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る閃光照射によ
る殺菌方法およびその装置の実施の形態について、図面
を参照して説明する。なお、本発明では、気体中に浮遊
する微生物,細菌等やこれら細菌等の落下菌が付着した
物を殺菌する閃光照射による殺菌装置(以下、閃光殺菌
装置と称する場合もある。)に関するものであり、先
ず、気体中に浮遊する細菌に対する閃光照射による殺菌
装置について説明する。落下菌等が付着した物品を殺菌
する閃光殺菌装置については、実施例で説明することに
する。なお、本発明の閃光照射による殺菌装置の殺菌効
果は、枯草菌を供試菌株として確認を行った。
【0019】図1は、本発明に係る閃光照射による殺菌
装置の一実施形態の概略図を示している。同図におい
て、閃光殺菌装置1は、光照射装置2と制御装置5とか
ら構成され、光照射装置2は、筐体内に放電管3と送風
機4とが収納され、筐体の両側面上部に空気取入口2a
が形成され、筐体の正面下部に空気排出口2bが設けら
れている。空気取入口2aは、放電管3の両側に設けら
れており、空気取入口2aから放電管3の閃光が漏れな
いように、遮光壁2cが設けられている。一方、空気取
入口2aから流入した空気は、遮光壁2cの上方から放
電管3を通過するように流れ込んで、パルス状の光(閃
光)Lが照射される。
【0020】光照射装置2は、配線7で制御装置5と接
続されており、放電管3は、制御装置5から信号に基づ
いて、放電管3の電極間に電圧が印加されて、放電管3
は、筐体で囲まれた所定空間内で所定の時間間隔で閃光
するようになされている。一方、送風機4は、遠心式や
軸流式のいずれのものでもよいが、図1では、モータ6
で回転するクロスフローファン等の羽根車式送風機が用
いられている。
【0021】また、同図に示したように、制御装置5に
光照射装置2以外に複数の光照射装置21 ,22 …が接
続されている。光照射装置2は、その処理能力に応じ
て、同一室内に多数設置することも可能であり、光照射
装置2を異なった室内にそれぞれ1個づつ設置すること
もできる。無論、制御装置5に対して、一台の光照射装
置2を設置するようにしてもよい。要するに、光照射装
置の設置個数は、光照射装置の単位時間当たりの処理流
量と、光照射装置が設置される室内の容積とを考慮して
適宜に設定すればよい。なお、上記実施形態では、光照
射装置2と制御装置5とが分離されているが、制御装置
5を光殺菌装置2の筐体内に収納した閃光殺菌装置とし
てもよい。
【0022】上記実施形態において、閃光殺菌装置1に
は、ブロードバンドのスペクトル分布を持つ放電管3と
して、キセノン放電管が用いられている。このキセノン
放電管は、極めて立ち上がりの早い赤外線を含む光を放
射し、このパルス状の光(閃光)Lを熱線として利用し
たものである。すなわち、所定空間内に赤外線を含むパ
ルス状の光を照射して、所定空間内の殺菌対象物に混在
する微生物や細菌等を急峻な温度上昇によって、殺菌す
る閃光照射による殺菌方法である。殊に、空気中に浮遊
するか、または物に付着する枯草菌や薬剤耐性菌等に赤
外線を含むパルス状の光を照射することによって、立ち
上がりの急峻な熱線(パルス熱)で殺菌することができ
る閃光照射による殺菌装置である。このキセノン放電管
である放電管3のスペクトル分布は、図3に図示され、
赤外線、可視光領域の波長が示されている。また、この
キセノン放電管の閃光波形は、図2に示されており、閃
光時間を半値幅とすると、約2.3msecである。
【0023】上記実施形態では、キセノン放電管による
放電管3が用いられ、出力は、例えば2400Wsのも
のが用いられている。閃光殺菌装置は、室内に設置さ
れ、送風機4を運転することによって、室内から空気
が、F1,F2に示したように、空気取入口2aから遮
光壁2cを越えて放電管3の上部を通って筐体内に流入
する。放電管3は、例えば8秒間隔で閃光している。閃
光が照射された空気は、F3で示したように、例えば空
気排出口2bから1.7m3 /秒の流量で室内に放出さ
れる。閃光殺菌装置は、連続運転されることによって、
室内の空気中に浮遊する細菌が徐々に死滅して、室内を
殺菌することができる。制御装置5によって、空気排出
口2bから放出される空気量を一定として、放電管3の
閃光間隔を短くすることによって、殺菌効果は向上す
る。または、光照射装置2の空気排出口2bから放出さ
れる空気量を抑制して、放電管3の閃光回数を増大させ
ることも効果的である。無論、放電管3の出力は、24
00Wsに限定するものではなく、それ以下の出力であ
ってもよく、また、閃光間隔は、8秒間隔に限定するも
のではなく、8秒間隔以下の時間間隔で閃光させてもよ
いことは明らかである。さらに、光照射装置2の設置台
数を増加することによっても室内の殺菌効果が向上する
ことは明らかである。なお、放電管3の一回の閃光照射
で所定空間内の殺菌対象菌を殺菌できるように、放電管
3の出力、閃光間隔、印加電圧等を設定するとよい。
【0024】
【実施例】次に、本発明に係る閃光照射による殺菌装置
の実施例について、図4,図5を参照して説明する。先
ず、図4は、本発明の閃光照射による殺菌装置の実施例
を示しており、図4(a)は、部分切欠正面図,同図
(b)は側面図である。
【0025】図4は、閃光殺菌装置1の光照射装置2を
示している。同図において、光照射装置2の筐体両側面
上部に空気取入口2aが設けられ、空気排出口2bは筐
体表面下部に形成されている。筐体内の上部には、キセ
ノン放電管による放電管3が設けられ、筐体内の下部に
送風機4が設けられている。放電管3と空気取入口2a
との間には、遮光壁2cが設けられている。遮光壁2c
は、放電管3の閃光Lが漏れるのを防ぐとともに、放電
管3と送風機4間が細菌等を殺菌する空間を形成してい
る。空気の流れは、矢印F1,F2で示したように、空
気取入口2aから流入する空気が、放電管3上部から流
れ込むようにして、放電管3と送風機4間に空気が取り
込まれる。この空間は、放電管3を含む反射殻8で囲ま
れた領域に形成され、その上部に放電管3が設けられて
いる。反射殻8は、例えば、アルミニウム板,ステンレ
ス鋼板等で形成され、その内面が反射面を形成してお
り、放電管3が閃光Lすると、その内壁面で閃光Lが反
射を繰り返して、反射殻8による集光効果と相まって、
空気中の細菌に効果的に照射されて殺菌される。なお、
反射殻8の裏面側には、処理された空気が放出される開
口部8aが設けられ、開口部8aを通過した空気は、反
射殻8と筐体との間を通過して、矢印F3に示したよう
に、送風機4を介して外部に放出される。
【0026】また、本実施例では、反射殻8内に設けら
れている放電管3が所定の時間間隔で閃光している。室
内の空気が空気取入口2aから放電管3を越えて、反射
殻8内に流れ込み、反射殻8内に取り込まれた空気は、
反射殻8内を対流しながら閃光が照射されることによっ
て、空気中の細菌が殺菌される。閃光照射が所定の時間
間隔で行われる、この反射殻8内の所定空間は、空気中
の細菌を殺菌する空間を形成している。
【0027】無論、上記実施例に限定することなく、光
照射装置の筐体両側面に空気排出口を設け、空気取入口
を筐体の底部に設けてもよい。その場合、筐体内上部に
放電管が設けられ、筐体内下部には、室内の空気を吸入
するための送風機が設けられる。放電管と送風機間に
は、空気が取り込まれて細菌が殺菌される所定空間が設
けられ、この空間は、放電管を含む反射殻で囲まれた領
域に形成されている。反射殻は、例えば、アルミニウム
板,ステンレス鋼板等で形成され、その内面が反射面を
形成している。放電管が閃光すると、上記実施例と同様
に、その内壁面で光が反射を繰り返して空気中の細菌に
効果的に照射され、反射殻の殺菌対象物である空気は殺
菌される。反射殻の側面には、処理された空気が放出さ
れる開口部が設けられ、これらの開口部に対応した筐体
両側面に空気取入口が設けられている。このようにし
て、反射殻内では、パルス状の光Lが殺菌対象菌に照射
されており、殺菌対象物である空気がこの反射殻内で対
流して効果的に殺菌対象菌が殺菌される。なお、殺菌対
象物である気体の流入方向は、上記以外に、前面上部吸
気,前面底部送気や背面上部吸気,前面底部送気等の方
法があるが、それぞれの使用状態に応じて選択すればよ
い。無論、光照射装置の筐体内に流入した空気が空気取
入口から空気排出口へ直ちに流れ出るような短絡流とな
らないようにし、殺菌対象菌に十分閃光が照射されるよ
うに構成する必要がある。
【0028】図5は、本発明に係る閃光照射による殺菌
装置の他の実施例の概要を示した斜視図であり、表面殺
菌型の閃光照射による殺菌装置である。図5の閃光照射
による殺菌装置において、光照射装置2の筐体内底部に
は、凹状に湾曲した反射板9aが設けられ、筐体内上部
には、凹状に湾曲した反射板9bが設けられている。そ
して、筐体中央部には、殺菌対象物Mを載せる載置部1
0が設けられている。筐体内の上部反射板9bで囲まれ
て、複数の放電管3が装着されている。
【0029】図5の閃光照射による殺菌装置では、放電
管3が閃光すると、載置部10に載った殺菌対象物Mの
表面を照射するとともに、反射板9aで反射した光は、
殺菌対象物Mの裏面に照射される。殺菌対象物Mに付着
した菌または落下菌には、パルス状の光が加えられ、殺
菌対象物Mの表面に付着する菌は、瞬間的な温度上昇し
て、殺菌される。
【0030】また、表面殺菌型の閃光照射殺菌装置は、
上記実施例に限定することなく、光照射装置の筐体内底
部と上部に、凹状に湾曲した反射板がそれぞれ設けて、
筐体中央部に殺菌対象物を載せる載置部を設けるように
してもよい。反射板の湾曲内面側に放電管が設けられて
いる。殺菌対象物は、筐体底部と上部に設置された放電
管から放射されるパルス状の光によって、その両面に照
射され、その全表面が殺菌される。無論、放電管の本数
は、図5に示したように、3本である必要はないし、放
電管が棒状である必要もないし、殺菌対象物が置かれる
載置部は、移動するように構成してもよい。
【0031】次に、本発明に係る閃光照射による殺菌装
置の殺菌効果について、図6,図7の試験装置を参照し
て説明する。図6は、試験箱に供試菌株として枯草菌を
浮遊させて、放電管を閃光させて枯草菌を殺菌し、枯草
菌に対して、その放電管の閃光がどのように殺菌効果を
発揮するかを試験し、図7は、図1に示した閃光殺菌装
置の殺菌効果を検証した。
【0032】図6において、11は、殺菌効果の検証す
るための空間を形成した試験箱である。この試験箱11
は、その容積が1m3 であり、試験箱11内には、放電
管3が設置され、その上部に撹拌機12が設けられてい
る。この試験箱11内には、噴霧装置13が設けられて
いる。試験箱11内の空気は、吸引パイプからコンプレ
ッサーで引き抜いて、その空気中の細菌は、浮遊菌回収
装置によって補集ビン(インピンジャー)14に採集し
た。
【0033】供試菌株としては、殺菌の指標となる細菌
とし、枯草菌が選択された。周知のように枯草菌は、好
気性で内生胞子を形成し、芽胞は、熱・放射線・化学薬
品に対して強い耐性を示し、長期にわたって休眠状態を
維持する性質を有している。芽胞は、100℃で6時間
煮沸しても死滅しないものが多い。本試験では、このよ
うな性質の菌が採用された。供試菌株は、枯草菌[ Bac
illus subtilis IF03134(spore)] が用いられ、その
培養方法は、日本構成物質医薬品基準解説の試験胞子液
の調整方法に基づいて、芽胞液の調整を行った。
【0034】試験箱11内には、菌液濃度が、1.1×
108 CFU/mlの枯草菌1mlを箱内に噴霧し、均
一にする目的で、10分間撹拌して放置した後、放電管
3の出力が3200Wsで、放電管3を閃光させた。放
電管3の照射回数は、0回、10回、50回、100回
の4条件で行った。照射後、箱内空気100Lを補集ビ
ン(インピンジャー)14の100mlの補集液(滅菌
生理食塩液)中に回収した。回収した補集液は、トリプ
チケースソイ寒天培地と混釈し、35℃で48時間培養
し、培地中に発生した集落数を算定した。その試験結果
は、表1に示した。なお、制御装置5は、コメット株式
会社製の電源装置(CA−3200)を用いて、放電管
3は、コメット株式会社製のランプヘッド(CA−32
H)を使用した。
【0035】
【表1】
【0036】その試験結果は、表1から明らかなよう
に、上記の閃光照射による殺菌装置では、10回照射し
たのみで1m3 の試験箱11内の枯草菌の99.9%が
殺菌されることを確認した。なお、照射回数を50回以
上とすることによって、100%を殺菌されることを確
認した。なお、この実験における枯草菌が浮遊する空間
は、1m3 であるので、照射回数が10回で99.9%
であったが、図1に示した光照射装置内の空間(所定空
間)は、それより非常に小さい空間であるので、10回
以下の照射回数で十分殺菌効果を発揮することは明らか
である。
【0037】次に、図7を参照して、本発明の閃光照射
による殺菌装置による殺菌効果について説明する。閃光
照射による殺菌装置(閃光殺菌装置)は、図1を参照と
し、その光照射装置の外形寸法は、300(w)×24
0(h)×100(d)mmであり、キセノン放電管
は、2400Wsと1200Wsの発光入力が選択され
得るようにした。光照射装置2は、試験箱11内の上部
に設置され、他は図6の実施例と同様な方法で試験が行
われた。また、光照射装置2の吹き出し風量は、1.7
3 /秒とした。光照射装置2によって、殺菌された空
気は、1m3 の試験箱11内に放出された。その結果、
試験箱11内の空気の殺菌率は、表2のような結果を得
た。なお、この殺菌試験における非照射の菌数は、2.
5×105CFU/100l−airであった。
【0038】
【表2】 (但し、発光間隔:8秒間隔)
【0039】因みに、表1の殺菌率について、簡単に説
明すると、殺菌率は、非照射の菌数Aと発光回数に依存
する菌数Bとで求められる。すなわち、殺菌率=〔1−
(B/A)〕×100で表される。例えば、放電管の出
力が2400Wsであり、発光回数が25回の場合で
は、発光回数に依存する菌数Bが、3.8×104 CF
U/100l−airであり、非照射の菌数Aが、2.
5×105 CFU/100l−airであるので、上記
式に代入すると、殺菌率は、〔1−(3.8×104
2.5×105 )〕×100=84.8〔%〕と求めら
れる。放電管の出力が2400Wsであり、発光回数が
50回の場合では、〔1−(2.4×10 4 /2.5×
105 )〕×100=90.4〔%〕と求められる。同
様にして、放電管の出力が1200Wsの場合の殺菌率
を、表2のように求めることができる。
【0040】表2から明らかなように、上記実施例の閃
光殺菌装置によれば、キセノン放電管の出力が2400
Wsの時、8秒間隔で25回発光させた場合、84.8
%の枯草菌が殺菌された。また、8秒間隔で50回の場
合では、90.4%の枯草菌が殺菌された。すなわち、
この試験結果から閃光殺菌装置の照射効率をより高めた
場合には、さらに効果的に殺菌されることを示してお
り、例えば、閃光間隔が8秒の場合であっても連続運転
することによって、試験箱内の殺菌率は限りなく零にす
ることが可能である。また、閃光間隔を8秒以下の時間
間隔で閃光照射すれば、より早く試験箱内の殺菌率を限
りなく零にすることができる。
【0041】さらに、実施例の光照射装置は、小型のも
のが使用されたが、さらに大型のものとし、放電管の出
力が2400Ws以上であって、例えば棒状放電管のキ
セノン放電管を数本並列に配置したものとするか、また
は、光照射装置を数台配置することによって、広い室内
であったとしても効果的に殺菌することができることを
示している。
【0042】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、放電管
からの閃光であるパルス状の光を殺菌対象菌が吸収して
熱に変換されることによって、殺菌する方法であって、
芽胞を形成して、熱・放射線・化学薬品に対して強い耐
性を示す枯草菌を所定の条件で殺菌することができる優
れたものである。
【0043】また、本発明によれば、熱線で殺菌する方
法であるので、紫外線照射に見られる殺菌対象菌の遺伝
子の変化を生じるおそれがないので、殺菌対象物を殺菌
することが可能であり、薬剤耐性菌等を生成するおそれ
がない利点がある。
【0044】また、本発明によれば、殺菌対象物に加え
られるらパルス状の光の照射回数を制御することによっ
て、殺菌対象物に損傷を与えることなく、殺菌すること
ができる利点があり、例えば、殺菌対象物が食品であれ
ば、食品に変質を与えることなく、その表面を殺菌する
ことが可能である。
【0045】また、本発明によれば、殺菌対象物が気体
であったとしても、パルス状の光が照射されている所定
空間に気体を流すことによって、容易に殺菌することが
できる利点があり、パルス状の光の発光回数や気体の流
量を制御することによって、所定の殺菌率を達成するこ
とができる。
【0046】また、本発明によれば、放電管が発光して
いる所定空間内の壁面を反射面とすると、さらに殺菌対
象物に効果的にパルス光を照射することができる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閃光照射による殺菌装置の実施形
態の概略を示す斜視図である。
【図2】放電管の閃光波形を示す図である。
【図3】放電管の発光スペクトル分布を示す図である。
【図4】(a)は、本発明による閃光照射による殺菌装
置の実施例を示す一部切欠き正面図、(b)は、その側
面図である。
【図5】本発明による閃光射による殺菌装置の実施例を
示す一部切欠き斜視図である。
【図6】本発明の放電管の閃光による殺菌効果の試験装
置を示す概略図である。
【図7】本発明の閃光照射による殺菌装置による殺菌効
果の試験装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 閃光殺菌装置 2 光照射装置 2a 空気取入口 2b 空気排出口 3 放電管(発光手段) 4 送風機(送風手段) 5 制御装置(制御手段) 6 モータ 7 配線 8 反射殻 9a,9b 反射板 10 載置部 L パルス状の光(パルス光) M 殺菌対象物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定空間内に赤外線を含むパルス状の光
    を照射して、前記所定空間内の殺菌対象物に混在する微
    生物や細菌等を急峻な温度上昇によって、殺菌すること
    を特徴とする閃光照射による殺菌方法。
  2. 【請求項2】 前記殺菌対象物が空気等の気体または落
    下菌等が付着した菌付着物であることを特徴とする請求
    項1に記載の閃光照射による殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記赤外線を含むパルス状の光が放電管
    による閃光であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の閃光照射による殺菌方法。
  4. 【請求項4】 赤外線を含むパルス状の光を閃光する発
    光手段と、 前記発光手段の閃光時間間隔を設定する制御手段と、 前記発光手段からのパルス状の光が前記制御手段で設定
    した閃光時間間隔で照射され、殺菌対象物に浮遊または
    付着する微生物や細菌を急峻に温度上昇させて殺菌する
    ための所定空間と、 を有することを特徴とする閃光照射による殺菌装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の閃光殺菌装置におい
    て、その外周部から前記殺菌対象物を吸い込んで、前記
    殺菌対象物を前記発光手段である放電管からパルス状の
    光が照射される前記所定空間を通過させて、外周部に放
    出するための送風手段を備え、前記制御手段が、前記送
    風手段による殺菌対象物の流量調整に応じて、閃光時間
    間隔を設定する手段を備えることを特徴とする閃光照射
    による殺菌装置。
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