JP3814299B2 - エレベータインターロック機構 - Google Patents
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Description
従来技術のリフトには、リフトかごが動いているときまたは乗場を過ぎているときに、リフトかご側ドアまたは乗場側ドアが開くのを防止する種々のロック(すなわち錠止)機構が設けられている。上記問題のこれらの従来の解決手段は、リフトかご側ドア用の別体の多少複雑なインターロック機構と、各乗場用の別体のインターロック機構とを常に備え、これらのインターロック機構は、独立して操作される。一般的に、各乗場に設けられ、かつ、リフトまたはこの逆に設けられ、ドアのインターロック装置を解除してドアを開くことを可能とする可動カムロールに作用する種々の固定カムが用いられていた。
従来技術の欠点は、種々の関連部品の製造および装着に厳しい精度を要求することである。さらに、従来の機構の部材数は、かなり多く、この結果、これらの部材を組立てるコストが非常に高くなる。さらに、多数の精密に作った部材が使用されているために、ロック機構は、磨耗および汚れの影響を比較的受け易く、この結果、保守費用が無視できなくなる。
本発明の目的は、上述の欠点を防止し、この目的のために他の機構より部品総数が大幅に少なく、耐摩耗性を有し、そして、従来より低コストで製造することができる上記および請求項1の前文に記載した種類のインターロック機構を提供することである。
この目的は、請求項1の特徴部に規定された特徴を備える請求項1の前文に規定された種類の本発明の機構により解決される。
これらの対策により、リフトかごのインターロック装置と(当然ながら、全て同時ではないが)乗場の全てのインターロック装置とを操作するために、1の作動機構しか、リフトかご内に設ける必要がない。したがって、従来の解決に比べ、関連する部材数が大幅に減少する。
さらに、カムを位置決めするに際し必要とされる精度が低下することにより、エレベータシステム全体の設置が迅速化されかつ簡略化され、この結果としてコストが低減する。
この関連での‘ドア’は、リフトかご内および各乗場でインターロック可能な全ての型式のドア、すなわち、垂直および水平プッシュドアだけでなく片側および両側に取り付けられたドアを含むことに留意すべきである。
以下において、本発明の好ましい実施の形態についてより詳細に説明する。明確化のために、本発明の原理の理解に必要な詳細のみが、説明され、図面に示されていることに留意すべきである。これに加えて、関連部品は、概略的に示されているにすぎず、したがって、図面は機械により製図された図面ではない。
図1は、リフトかごおよび乗場のそれぞれに装着され、幾つかの部材がこれらの要素から除去された本発明のリフトインターロック機構の上面図であり、
図2は、リフトのルーフに配置された部品の図1の線II-IIから見た側面図であり、そして、
図3は、乗場に設けられた乗場側ドアのインターロック装置およびこのインターロック装置の解除のために乗場に設けられた部品の図1の線III-IIIから見た側面図である。
主に、本発明のインターロック機構は2つの主要部材を有し、これらの部材の一方が、所定部のみが示されているリフトかご1に取付けられ、他方が乗場に固定されている。
リフトかご部材は、取付部材6により、リフトかごに固定されたリニアアクチュエータ2を有する。アクチュエータ2は、シリンダと、シリンダ内を直線状に移動可能なピストンロッド4とを有している。この場合、シリンダは、少なくとも部分的にねじが形成されたピストンロッド4に係合する軸線方向に固定された回転可能なナット(axially fix rotatable nut)を駆動する図示しない電気駆動モータを有している。電気駆動ねじおよびナット機構の代わりに、通常の空圧または液圧シリンダをアクチュエータとして設け得る。モータは、図示しない検知および制御システムにより作動され、このシステムは、リフトかごが乗場で休止しているときに、検知する。ピストンロッド4の端部は、ロックロッド8(図2参照)に溶着されたL字状に形成された部材10を介して、ピストンロッド4にほぼ平行に延びるロックロッド8に対して作用し、このロックロッド8とL字状部材は、これらの部材に対応して形成された固定ガイド16内に案内される。さらに、ロックロッド8は、その一端がリフトかごに取付けられたブシュ22内に案内され、リフトかご1の屋根に対して平行に軸線方向に移動可能である。
作動部材2上に位置するロックロッド8の端部5は、リフトかごドア用の固定プレート11の凹所または開口内にこれを挿入するのを容易とするためにテーパが付されている。さらに、軸線方向ロッド8の中間部に、半径方向肩部すなわちカラー23が設けられ、軸線方向のリフトロックロッド8に配置されたコイルばね34の座として働き、カラー23の反対側の端部は、ガイドブシュ22すなわちこのガイドブシュが挿入されている壁部に係合する。
リフトかごに向けて半径方向に突出するブシュ22から突出する軸線方向ロッド8の端部に、傾斜した角部のあるアーム24が設けられ、カムロールが軸28の回りで回転可能に固定されている。この軸28は、ロックロッド8にほぼ直角を成して延在する。
L字状部材の一方の脚部12は、ロックロッド8から垂直上向きに延びて、ピストンロッド4の作用線上に位置し、これにより、ピストンロッド4は、L字状部材10、したがって、ロックロッド8をばね34の作用に抗して軸線方向に動かすことができる。しかし、ピストンロッド4とL字状部材10の間は強固に結合されず、ロックロッド10は、ばね34の作用のみにより、そのロックまたは開始位置に戻ることに留意すべきである。
ロックロッド8は、一般的に、開口凹所または孔を有する固定プレート11と協働する。このプレートは、つぎに、ロック位置でリフト側ドアが開くのを防止する枢動可能なフラップ21に結合される。固定プレート11の解除位置において、フラップは、図示された枢軸15a,15bの回りを枢動し、リフト側ドアを解除してそれが開くようにすることができる。リフト側ドアのロックは、本発明の一部を形成せず、公知の態様で実施可能であり、このため以下では更に論述しない。
ロックロッド8の端部は、固定プレート11の凹所すなわち開口になされ、その結果、インターロックの際に困難を伴うことなく、ロック位置内に挿入可能であり、挿入案内が円錐状にテーパが付された端部5により容易化される。
乗場側ドアのインターロック機構の構造が、図3に最も良く示されている。主に、このインターロック機構は、リフトかご側ドアのインターロック機構と同様な態様で作用する。したがって、各乗場に対して、このインターロック機構は、インターロックの際に、固定プレート38の適切な凹所または開口内に挿入される円錐状にテーパが付された端部39を有する乗場側ドアのロックロッド32を有し、この固定プレートは、ロック位置において、すなわち、乗場側ドアのロックロッド32が固定プレート38の凹所または開口内に挿入されたときに、乗場側ドア48をロックするフラップがインターロック位置から移動するのを防止する。
乗場側ドアのロックロッド32は、リフト側ドアのロックロッド8にほぼ平行に移動可能であり、その一端で、乗場に強固に取付けられたガイド37内に案内され、他端で、乗場に強固に結合されたブシュ33内に案内される。ロッド32をその開始位置またはインターロック位置に戻す復帰ばねとして働くコイルばねが、ロッド32の固定肩部36とブシュ33の間に配置されている。
ブシュ33の付近に位置する軸線方向ロッド32の端部に、剛性アーム31によりロッドの端部に連結された固定カム30が設けられており、このような態様の下、カム30が、(リフトかごが上向きまたは下向きに異なる乗場に向けて移動するときに、そのインターロック位置において)、カムロール26からよりもリフトかご1からより長い距離を融て、リフトかごのロックロッド8のカムロール26の移動路に位置付けられている。
インターロック機構は以下のように作用する:リフトかごが、乗場の適切な位置で停止したときに、この位置が、図示されていない検知および制御手段により検知され、この手段は、この後、アクチュエータ2を作動してピストンロッド4をその後退したロック位置から移動させる。ピストンロッド4は、L字状部材10に作用し、リフト側ドアのロックロッド8と共に図2の左側に移動する。リフトかご側ドアのロックロッドの端部5は、所定距離移動後、固定プレート11の凹所または開口部から脱出し、これにより、リフトかご側ドアのインターロック装置を解除し、ばね20を圧縮する。ロックロッド8の軸線方向の移動と関連して、カムロール26も移動して乗場のカム30に係合し、このカムは、コイルばね34を圧縮しつつ、図3の左側に移動し、最後に、乗場のロックロッドは固定プレート38から外れる。
これにより、リフトかご側ドアおよび問題の乗場側ドアのインターロック装置は、解除され、これらのドアは開放可能となる。
インターロック状態が生じていなくても、リフトを始動させることは可能とすべきではないので、インターロック状態についての信号を検知しかつリフトの制御装置に送るセンサが設けられている。このため、L字状部材10の一端は、傾斜路と同様な案内14を有し、この案内は、リフトかごに取付けられたセンサ17の検知ロール19に係合する。同様に、センサ42が、乗場側ドア48のインターロックのために配備され、検知ロール44が、乗場側ドアのためにロックロッド32に設けられたカムに係合する。
したがって、アクチュエータがその端部位置に達したときに、ロックロッドがそれらの開放位置に達したことが表示され、駆動手段への電力供給が遮断される。停電の場合、ピストンロッド4はその到達した端部位置を維持する。
リフトかごが他の乗場に移動する場合、最初に、ドアが閉じられなければならず、電力が駆動手段に供給される場合に、インターロックが生じる。ドアが閉じられたときに、スタート制御手段が作動し、インターロック装置のアクチュエータが後退方向に作動される。ピストンロッド4の復帰動がロックロッド8,32の復帰を可能にするように、圧縮コイルばねはロックロッド8,32を復帰せしめ、その結果、ロックロッド8,32はそれぞれの固定プレート11,38に係合する。センサ17,42は、この状態が発生したときに、信号をリフトの制御装置に送るように配置され、この制御装置は、リフトかご1が動くように駆動手段を作動する。さらに、アクチュエータが、何らかの理由により、戻り、各ドアが開いたときに、固定プレート11,38は、ロックロッドが戻るのを防止する作用も果たすことに留意すべきである。
とりわけ、摩耗および位置決めに対する感度が低いことを含む、インターロック機構の上述の利点に加えて、緊急時に容易に聞くことが可能なことが述べられなければならない。ロックロッドは、アクチュエータ2を作動せずに、ばね20,34の作用に抗して移動可能であることが理解される。
さらに、乗場のカム30のみが所定の垂直範囲を有し、このカムが、リフトかご1と乗場の間の高さ方向の所定の許容可能な開放領域内に配置されることはいうまでもない。
Claims (10)
- リフトかご側ドアのインターロック装置(8,11)を有するリフトかごと、乗場側ドアのインターロック装置(33,38)を有する各乗場の前記乗場側ドアとを備え、前記インターロック装置(8,11;33,38)は、前記リフトかご(1)が移動しているとき、または、前記各乗場を過ぎているときに、ロック位置にあり、前記リフトかご(1)が前記各乗場で休止しているときに、解除可能であり、単一の操作動で、前記リフトかご側ドアのインターロック装置(8,11)と前記乗場側ドアのインターロック装置(32,38)とを解除可能なアクチュエータ手段(2,4)を備えるエレベータ用インターロック機構において、
前記アクチュエータ手段(2,4)が前記リフトかご側ドアのインターロック装置に設けられた該リフトかご側ドアのロックロッド(8)を、前記リフトかご側ドアのロック手段(11)との係合から外れるように、ほぼ水平に軸線方向に移動するように配置され、
前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)が前記各乗場に設けられ且つ前記リフトかご(1)が該各乗場で休止しているときに、該各乗場に設けられた前記乗場側ドアのロック手段(38)との係合から外れるように、前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)に対して平行に軸線方向に移動可能な前記乗場側ドアのロックロッド(32)と協働しかつ該ロックロッド(32)を移動させるように配置されることを特徴とするインターロック機構。 - 前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)と前記各乗場側ドアのロックロッド(32)は、それぞれのばね(20,34)により、前記インターロック位置に向けて付勢されることを特徴とする請求項1に記載されたインターロック機構。
- 前記各乗場側ドアのロックロッド(32)は、前記各乗場に設けられ且つ前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)により移動されて、前記リフトかご(1)が前記各乗場の休止位置にあるときに、前記乗場側ドアのロックロッド(32)を、該乗場側ドアのロック手段(38)との係合から外すように配置される乗場側カム(30)に堅固に連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたインターロック機構。
- 前記乗場側カム(30)は所定の許容可能な領域のみにわたって鉛直方向に延在するとともに前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)により移動可能であることを特徴とする請求項3に記載されたインターロック機構。
- 前記リフトかご側ドアのロック手段(11)から離隔した前記リフトかごのロックロッド(8)の端部は、該リフトかご側ドアのロックロッド(8)が移動したときに、前記乗場側カム(30)に係合して前記各乗場のロックロッド(32)を、前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)が移動したときに、前記乗場側ドアのロック手段(38)との係合から外れるように移動するロール(26)を担持することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のインターロック機構。
- 前記アクチュエータ手段(2,4)がモータで稼働し且つ乗場における前記リフトかごの好適な開放位置を検知する検知手段により作動せしめられることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたインターロック機構。
- 操作動を提供する前記アクチュエータ手段(2,4)がリニアアクチュエータであることを特徴とする請求項6に記載されたインターロック機構。
- 前記アクチュエータ(2,4)が電気で稼働することを特徴とする請求項7に記載されたインターロック機構。
- 前記アクチュエータ(2,4)は、ねじおよびナット機構を有し、前記ねじは、前記リフトかご側ドアのロックロッド(8)を移動させるために線状運動をすることを特徴とする請求項7に記載されたインターロック機構。
- 前記アクチュエータが液圧または空圧シリンダであることを特徴とする請求項7に記載されたインターロック機構。
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