JP3813743B2 - プレスライン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工程数と同じ台数のプレス機をライン上に並べ、一連の送り装置により連結した自動化プレスラインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近来、工程数と同じ台数のプレス機をライン上に並べ、一連の送り装置で連結した自動化プレスラインによって連続生産が行われている。
【0003】
このようなプレスラインには、例えば図8に示すようなものがある。即ち、コイル材Sに曲げ加工を施す二次プレス工程A、コイル材Sに樹脂をアウトサート成形する成形プレス工程B及びコイル材Sに成形された樹脂成形品を切り離す分断プレス工程Cの3工程からなるプレスライン50がある。尚、図9に前記各工程A, B, C終了後のコイル材Sの状態を示す。
【0004】
前記プレスライン50において、アンコイラ51には、一次プレス工程にて所定形状に打ち抜き加工が為された帯状のコイル材Sが巻回保持されており、同コイル材Sは、第1のグリッパフィーダ52によって二次プレス機53及び成型プレス機54に送られ、曲げ加工(図9(a)の状態)及び樹脂成形(図9(b)の状態)が順に行われる。
【0005】
前記樹脂成形されたコイル材Sは第2のグリッパフィーダ55によりバッファ56に送られ、併設されているバッファドライヤ57により樹脂が乾燥される。前記バッファ56においては、コイル材Sには弛みが持たせられ、この弛み(ループ量)はループコントローラ58によって常に一定量に保たれている。
【0006】
前記バッファ56に滞留されているコイル材Sは、第3のグリッパフィーダ59により分断プレス機60に送られ、コイル材Sに成形された樹脂成型品Pが分断箇所Xにて分断される(図9(c)の状態)。樹脂成型品Pの分断終了後、コイル材Sは加工位置より上昇されると共に下金型が移動され、この状態で樹脂成型品Pが1個ずつ取り出される。
【0007】
その後、樹脂成型品Pは検査装置61によって検査され、ロボットハンド62によってオートストッカ63内に収納される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記プレスライン50における分断プレス機60のサイクルタイムは、前工程の成形プレス機54のサイクルタイムとは異なっているため、コイル材Sを成形プレス機54のサイクルタイムに合わせて分断プレス機60に送ると、コイル材Sが分断プレス機60に干渉してしまい円滑な送給を行うことができない。
【0009】
このため、コイル材Sを分断プレス機60の加工タイミングに合わせて成形プレス機54から分断プレス機60へ送給する必要があり、成型プレス機54と分断プレス機60との間には、コイル材Sを一定量弛ませておくためのバッファ56が設けられていた。そして、前記バッファ56の分だけプレスライン50が長くなってしまうという問題点があった。
【0010】
また、前記プレスライン50における連続生産開始時には、コイル材Sが二次プレス工程Aを経て分断プレス工程Cに突入するまでの間、作業者が手動で操作を行う必要があった。そして、連続生産終了時には、前記バッファ56に滞留しているコイル材Sを作業者が手動で分断プレス機60に送る必要があった。このため、連続生産開始及び終了時の手動段取り時間が長くなるという問題点があった。
【0011】
また、前記第3のグリッパフィーダ59は検出手段(図示略)によりコイル材Sの末端を検出されると停止するようになっている。このため、第3のグリッパフィーダ59と分断プレス機60の加工位置との間のコイル材Sは分断加工されず、工程間廃却品数が多くなってしまうという問題点があった。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、プレスラインを短くすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コイル材を保持するための保持手段と、工程数と同じ台数のプレス機とを備え、保持手段に保持されているコイル材が、送り装置によって工程順に各プレス機の下金型と上金型との間に送給配置され、コイル材に順次所定の加工を施すプレスラインにおいて、プレスラインには、少なくともコイル材に樹脂成型品を成形するための成形プレス機と、成形プレス機にて成形された樹脂成型品をコイル材から分断するための分断プレス機とが備えられており、成形プレス機及び分断プレス機の下金型を共通のベース上に該ベースに立設されているコラムを介することなく配設するとともに、成形プレス機及び分断プレス機の上金型を、前記コラムを介してそれぞれ独立して上下動可能に配設したことをその要旨とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記成形プレス工程の1サイクルタイム内に、分断プレス工程の1サイクル及び分断プレス工程の1サイクルにて分断された樹脂成型品の取り出しが行われるようにしたことをその要旨とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記分断プレス機の下金型には、樹脂成型品を載置するためのダイスを上下移動可能に設けると共に、同ダイスを上下方向に一定量移動させるための昇降手段を設けたことをその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記分断プレス機の上金型及び下金型には、ダイスに加わる分断荷重を受圧するための受圧手段を備えたことをその要旨とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記分断プレス機の下金型を、ベース上面を移動可能な移動式ボルスタ上に配設したことをその要旨とする。
(作用)
従って、請求項1に記載の発明では、複数のプレス機を一つの設備として扱うことができ、成形終了後のコイル材は滞留されることなく分断プレス機に送給される。
【0018】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、成形プレス工程と同時に分断プレス工程及び分断プレス工程にてコイル材から分断された樹脂成型品の取り出しが行われる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、樹脂成型品の分断時には、昇降手段によりダイスが樹脂成型品に密着する分断位置まで押し上げられ、コイル材と樹脂成型品とが分断される。また、樹脂成型品の分断終了時には、樹脂成型品が載置されているダイスは昇降手段により通常位置に下降復帰され、ダイス上の樹脂製品とコイル材との間には所定の隙間が形成される。
【0020】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、樹脂成型品の分断時、上昇状態のダイスに加わる分断荷重は受圧手段により受圧される。
【0021】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、樹脂成型品の分断後、下金型は移動式ボルスタを介してベース上における上金型の中心軸から所定距離離間された位置まで移動される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
尚、本実施形態においては、図9に示す従来と同様の加工成形をコイル材Sに施すものとする。
【0023】
図1に示すように、二次プレス工程A、成形プレス工程B及び分断プレス工程Cの3工程からなるプレスライン1上には、保持手段としてのアンコイラ2とフレーム3とが所定間隔をおいて配置されている。
【0024】
前記フレーム3内には共通ベース4が設けられており、同共通ベース4上には、送り装置としての第1のグリッパフィーダ5、二次プレス機6、成形プレス機7、分断プレス機8及び送り装置としての第2のグリッパフィーダ9がそれぞれ配設されている。また、前記フレーム3内には、検査装置10及びオートストッカ11が第2のグリッパフィーダ9に隣接して設けられている。
【0025】
図2に示すように、前記二次プレス機6の下金型12及び成形プレス機7の下金型13はそれぞれ共通ベース4上に固定されており、各下金型12,13の上方には、上金型14,15が柱状のコラム16,17を介してそれぞれ上下動可能に設けられている。
【0026】
また、前記分断プレス機8の下金型20は、共通ベース4上を移動可能な移動式ボルスタ21上に配設されている。そして、前記分断プレス機8の下金型20の上方には、上金型22が柱状のコラム23を介して上下動可能に設けられている。
【0027】
図3に示すように、前記分断プレス機8の背面下部にはシリンダ24が設けられている。そして、分断プレス機8の下金型20は、シリンダ24の駆動によって上金型22の中心軸と下金型20の中心軸とが一致する加工位置Lと、上金型22の中心軸から所定距離離間した取り出し位置Mとの間を往復移動される(図3中左右方向)。
【0028】
図4に示すように、前記分断プレス機8の上金型22の下面には樹脂成型品Pの形状に対応した凹部25が所定間隔をおいて4ヶ所(図4においては1ヶ所のみ図示する)形成されている。また、前記上金型22には受圧手段としてのカムプレート26が設けられており、同カムプレート26の先端には斜面28が設けられている。
【0029】
また、前記上金型22におけるコイル材Sの分断箇所Xに対応した位置には、樹脂成型品Pをコイル材Sから分断するための8個のパンチ27が設けられている(図4においては互いに対向する1対のみ示す)。前記カムプレート26及びパンチ27は、それぞれ図示しない駆動機構によって上金型22に対して進退可能となっている。
【0030】
また、前記分断プレス機8の下金型20は、下部プレート29及び上部プレート30を備えており、各プレート29, 30は移動式ボルスタ21上に積層配置されている。
【0031】
前記下部プレート29の下方には、昇降手段としてのエアシリンダEが配設されており、同エアシリンダEにはロッド31がエアシリンダEに対して進退可能に設けられている。また、前記下部プレート29には挿通孔32が形成されており、同挿通孔32にはロッド31が進入可能となっている。
【0032】
前記上部プレート30の外周寄りにはL字状の連通孔33が形成されており、同連通孔33には前記カムプレート26が進入可能となっている。また、前記連通孔33の近傍、即ち、上部プレート30の中心位置には連通孔33及び下部プレート29の挿通孔32に連通した規制孔34が形成されている。
【0033】
前記連通孔33の内部における下部プレート29の上面には、受圧手段としてのカムブロック35が配置されている。前記カムブロック35の一側面上部には、カムプレート26先端の斜面28に対応した被押圧面36が形成されている。
【0034】
前記カムブロック35は、常時、その基端に設けられているスプリング37の弾性力によって、図4における左方向に付勢されている。前記カムブロック35の図4における左方向への移動は、カムブロック35の一側面が、同カムブロック35の一側面に対向すると共に、下部プレート29の上面に対して垂直をなす連通孔33の内壁に当接することによって規制される。
【0035】
一方、前記規制孔34には支持プレート38及びダイス39が積層配置されており、同支持プレート38及びダイス39は規制孔34の内壁に沿って上下に移動可能となっている。また、前記支持プレート38とダイス39とは互いに固定されている。通常時(樹脂成型品Pの非分断時)、前記ダイス39の上面と上部プレート30の上面とは面一となっている。
【0036】
前記支持プレート38の下面には、押し出しロッド40が下部プレート29の挿通孔32に対向して突設されており、同押し出しロッド40の近傍には支持ロッド41が突設されている。前記支持ロッド41は押し出しロッド40よりも短く、図4に示す通常時(樹脂成型品Pの非分断時)、支持プレート38は支持ロッド41によって下部プレート29の上面に支持されている。
【0037】
また、この通常時、前記押し出しロッド40は下部プレート29の挿通孔32の内部に位置しており、支持プレート38と下部プレート29とは支持ロッド41の突出高さ分の距離Y1分離間する。また、前記支持プレート38の上面には穴42が形成されていると共に、同穴42の底面には貫通孔43が形成されている。
【0038】
前記ダイス39には挿通孔44が支持プレート38の穴42と連通して形成されている。また、前記ダイス39上面における上金型22の各凹部25に対向する位置には、樹脂成型品Pの形状に対応した4ヶ所の凹部45(図4においては1ヶ所のみ図示する)が形成されている。また、前記ダイス39上面における上金型22の各パンチ27に対応した位置には、8ヶ所の挿入穴46が形成されている(図4においては2ヶ所のみ図示する)。即ち、樹脂成型品Pは4個同時に分断されるようになっている。
【0039】
前記挿通孔44、穴42及び貫通孔43には心棒47が挿通され、支持プレート38下面から突出した心棒47の基端は下部プレート29の上面に固定されている。前記心棒47の頭部48と穴42の底面との間には、昇降手段としての戻しスプリング49が介装されており、常時支持プレート38及びダイス39を下方に付勢している。前記支持プレート38及びダイス39の下方への移動は、支持ロッド41が下部プレート29の上面に当接することによって規制される。また、図4に示す通常時、前記心棒47の頭部48がダイス39の上面よりも上方に突出することはない。
【0040】
さて、図2及び図7に示すように、成形プレス工程Bでは、成形プレス機7の上金型15の閉鎖(S1)、射出・保圧(S2)、冷却(S3)及び上金型15の開放(S4)の動作を経てコイル材Sに4個分の樹脂成型品Pがアウトサート成形される。
【0041】
前記成形プレス機7は、1サイクル終了毎に樹脂成型品Pが成形されたコイル材Sを分断プレス機8に送り出し、これとほぼ同時に、成形プレス機7には前工程の二次プレス工程Aにより折り曲げ加工が施された新たなコイル材Sが送給され、同新たなコイル材Sの成形プレス加工を開始する。
【0042】
そして、前記新たなコイル材Sの成形プレス工程Bと同時に、且つ成形プレス工程Bの1サイクルタイム以内に分断プレス工程B及び分断された4個の樹脂成型品Pの取り出しが行われる。前記樹脂成型品Pが取り出されると、分断プレス機8には新たな樹脂成型品Pが成形されたコイル材Sが送給される。以後、連続生産終了までの間、前述の動作を繰り返す。
【0043】
図3、図5〜図7に示すように、成形プレス工程Bにてコイル材Sに成形された樹脂成型品Pを分断プレス機8にて分断する場合、まず、前記下金型20背面下部のシリンダ24が駆動され、これにより、上金型22の中心軸から所定距離離間した取り出し位置Mにある下金型20が、上金型22の中心軸に一致する加工位置Lまで前進される(T1)。
【0044】
次に、前記下部プレート29下方のエアシリンダEが駆動される。すると、ロッド31は挿通孔32内に突出され、同ロッド31は挿通孔32内の押し出しロッド40に当接すると共に、同押し出しロッド40を規制孔34の内部に押し上げる。これに伴って、支持プレート38及びダイス39は戻しスプリング49の弾性力に抗して上方に移動される(T2)。
【0045】
このとき、前記ダイス39は上部プレート30の上面よりも上方に突出している。また、ダイス39上面とコイル材Sとは接触していると共に、ダイス39の凹部45内には樹脂成型品Pの下半分が位置している。そして、支持プレート38と下部プレート29との間の距離Y2はカムブロック35の高さとほぼ同じとなっており、支持プレート38と下部プレート29との間にはカムブロック35が進入可能となっている。尚、支持ロッド41は下部プレート29から離間している。
【0046】
次に、上金型22が図示しない駆動手段によって下金型20に対して下降閉鎖される(T3)。このとき、コイル材Sは上金型22とダイス39との間に挟持されており、上金型22の各凹部25内には樹脂成型品Pの残りの上半分が位置している。
【0047】
そして、上金型22の下金型20に対する下降閉鎖完了と同時に、カムプレート26が下金型20方向に突出駆動され、下金型20の連通孔33の内部に進入する。そして、前記カムプレート26先端の斜面28は、カムブロック35の被押圧面36に当接し、同被押圧面36を図4〜図6における右方へ押圧する。この結果、前記カムブロック35は、規制孔34方向(図3中右方向)に押圧され、スプリング37の弾性力に抗して支持プレート38と下部プレート29との間に進入する。
【0048】
そして、この状態で上金型22のパンチ27がダイス39方向に突出駆動され、同パンチ27が図9に示すコイル材Sの分断箇所Xを貫通することにより4個の樹脂成型品Pがコイル材Sから同時に分断される。前記コイル材Sを貫通したパンチ27は挿入穴46内に進入する。また、樹脂成型品Pの分断時、ダイス39に加わる下方への荷重は、支持プレート38を介してカムブロック35に伝達されることにより受圧される。
【0049】
そして、樹脂成型品Pの分断が終了すると、カムプレート26及びパンチ27は上金型22の内部に後退収容されると共に、上金型22が下金型20に対して上昇開放される(T4)。
【0050】
前記カムプレート26の後退に伴って、カムブロック35はスプリング37の弾性力によって図6に示す通常位置に復帰される。これにより、支持プレート38及びダイス39は規制孔34の内壁に沿って下降可能となる。
【0051】
そして、再び下部プレート29下方のエアシリンダEが駆動され、ロッド31は後退(下降)する。これに伴って、支持プレート38及びダイス39は戻しスプリング49の弾性力により、支持ロッド41と下部プレート29上面とが当接する位置まで下降復帰される(T5)。
【0052】
前記分断された樹脂成型品Pは、ダイス39の凹部45上に載置された状態でダイス39と共に下降するため、樹脂成型品Pとコイル材Sとの間には所定の隙間Zが形成される。この結果、下金型20がコイル材Sと干渉することなく移動可能となる。
【0053】
次に、下部プレート29背面下部のシリンダ24が再び駆動され、下金型20は共通ベース4上における上金型22の中心軸から所定距離離間した取り出し位置M(図3中左方向位置)まで後退される(T6)。この結果、樹脂成型品Pの取り出しが可能となる。
【0054】
そして、前記フレーム3の近傍に設置されているロボットハンドRが樹脂成型品Pの上方に移動される(T7)。
その後、樹脂成型品Pは4個同時にロボットアームRにより取り出され、検査装置10を介してオートストッカー11内に収納される(T8)。
【0055】
樹脂成型品Pの取り出し終了後、ロボットアームRは再び図示しない通常位置に移動される(T9)。
以後、連続生産終了時までの間、前記T1〜T9の動作が繰り返される。
【0056】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・前記各プレス機6,7,8の下金型12,13,20を同一の共通ベース4上に配設したことにより、従来のバッファ56が不要となる。このため、プレスライン1の長さを短くしコンパクト化することができる。
【0057】
・前記各プレス機6,7,8の下金型12,13,20を同一の共通ベース4上に配設し、従来のバッファ56を不要としたことにより、プレスライン1の長さが短くなる。このため、連続生産開始時の手動段取り時間を短縮することができる。また、バッファ56に滞留したコイル材Sを手動で送る必要もないことから連続生産終了時の手動段取り時間を短縮することができる。
【0058】
・従来の第3のグリッパフィーダ59が不要となることにより、同第3のグリッパフィーダ59と分断プレス機60との間に発生していた工程間廃却品数を無くすことができる。
【0059】
・各プレス機6,7,8の下金型12,13,20を同一の共通ベース4上に配設したことにより、各プレス機6,7,8を一つの設備として扱うことができる。このため、設備管理を容易にすることができる。
【0060】
・各プレス機6,7,8の下金型12,13,20を同一の共通ベース4上に配設したことにより、従来のバッファ56、ループコントローラ58及び第3のグリッパフィーダ59等が不要となる。このため、設備コストを低減させることができる。
【0061】
・分断終了後、コイル材Sとダイス39上の樹脂成型品Pとの間には所定の隙間Zが形成される。このため、コイル材Sと分断プレス機8の下金型20とが干渉することがなく、成形プレス工程Bにて成形を行っている最中に樹脂成型品Pを取り出すことができる。
【0062】
・樹脂成型品Pの分断時、上昇状態のダイス39に加わる分断荷重は受圧手段としてのカムブロック35にて受圧される。このため、ダイス39の破損を防止することができる。
【0063】
・樹脂成型品Pの分断終了時、下金型20は、共通ベース4上における上金型22の中心軸と一致する加工位置Lから上金型22の中心軸から所定距離離間した取り出し位置Mまで移動式ボルスタ21を介して移動される。このため、分断された樹脂成型品Pの取り出しを容易にすることができる。
【0064】
・分断された樹脂成型品Pの取り出し個数を従来の1個から4個にしたことにより、生産効率を向上させることができる。
・ダイス39の昇降手段を、汎用性の高いエアシリンダEと戻しスプリング49とで構成したことにより、部品コストを低減させることができる。
【0065】
・上昇状態のダイス39に加わる分断荷重の受圧手段をカムプレート26とカムブロック35とで構成したことにより、下金型20及び上金型22の構成を簡単にすることができる。
【0066】
尚、前記実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・支持ロッド41を弾性力を有したゴムクッション等に置き換えてもよい。また、支持ロッド41と支持プレート38との間にスプリング、油圧ダンパ等を設けてもよい。このようにすれば、ダイス39下降時の衝撃を吸収することができる。
【0067】
・スプリング37, 戻しスプリング49を油圧ダンパ等に置き換えてもよい。このようにしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・支持プレート38とダイス39とを一体的に形成してもよい。このようにすれば、部品点数を低減することができる。
【0068】
・アンコイラ2は単頭式、両頭式のいずれでもよい。このようにしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・アンコイラ2をコイル材Sを外径で保持するコイルクレードル等に置き換えてもよい。このようにしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
・第1のグリッパフィード5をロールフィード、エアフィード等に置き換えてもよい。このようにしても、コイル材Sを各プレス機6,7,8の加工タイミングに合わせて型内の加工位置に送ることができる。
【0070】
・プレスライン1に、コイル材Sをアンコイラ2に自動装着するためのコイルカー、コイル材Sのひずみ(曲がり等)を取るためのレベラ等を適宜備えてもよい。このようにしても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
次に、前記実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果と共に記載する。
(1)前記分断プレス機により分断された樹脂成型品は、複数個ずつ取り出されるようにした請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のプレスライン。このようにすれば、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、分断された樹脂成型品が複数個ずつ取り出されることにより、生産効率を向上させることができる。
【0072】
(2)前記昇降手段は、ダイスを常時下方に付勢する戻しスプリングと、ダイスを戻しスプリングの弾性力に抗して上方に押し上げるためのエアシリンダとから構成されている請求項3に記載のプレスライン。このようにすれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、昇降手段を汎用性の高い戻しバネとエアシリンダとで構成したことにより、部品コストを低減させることができる。
【0073】
(3)前記受圧手段は、上金型の閉鎖状態にて下金型方向に突出されるカムプレートと、前記カムプレートの突出により押圧移動され、上昇状態のダイスの下方に進入するカムブロックとによって構成されている請求項4に記載のプレスライン。このようにすれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、受圧手段をカムプレートとカムブロックとにより構成したことにより、上下金型の構成を簡単にすることができる。
【0074】
(4)少なくともコイル材に樹脂成型品を成形する成形プレス工程と、コイル材と樹脂成型品とを分断する分断プレス工程とからなるプレスラインに組み込まれ、上金型と下金型とを互いに相対運動させることにより、その間に配置されたコイル材と同コイル材に成形された樹脂成型品とを分断する分断プレス機及び分断プレス機の金型構造において、前記分断プレス機の下金型には、上下に移動可能なダイスと、同ダイスを上下方向に一定量移動させるための昇降手段とを設けた分断プレス機及び分断プレス機の金型構造。このようにしても、成形工程中に分断された樹脂成型品を取り出すことができる。
【0075】
(5)前記分断プレス機の上金型及び下金型には、ダイスに加わる分断荷重を受圧するための受圧手段を備えた前記(4)項に記載の分断プレス機及び分断プレス機の金型構造。このようにしても、上昇状態のダイスに加わる分断荷重を受圧することができ、ダイスの破損を防止することができる。
【0076】
(6)前記分断プレス機の下金型を、ベース上を移動可能な移動式ボルスタを介してベース上に配設した前記(4)項又は(5)項に記載の分断プレス機及び分断プレス機の金型構造。このようにしても、樹脂成型品の取り出しを容易に行うことができる。
【0077】
(7)前記分断プレス機により分断された樹脂成型品は、複数個ずつ取り出されるようにした前記(4)項〜(6)項のうちいずれか一項に記載の分断プレス機及び分断プレス機の金型構造。このようにしても、生産効率を向上させることができる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、複数のプレス機を共通のベース上に配設したことにより、プレスラインの長さを短くすることができる。
【0079】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、成形プレス工程と同時に、分断プレス工程及び分断プレス工程にてコイル材から分断された樹脂成型品の取り出しが行われることにより、生産効率を向上させることができる。
【0080】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、分断終了後、コイル材とダイス上の樹脂成型品との間に隙間が形成されることにより、樹脂成型品の成形中に、分断された樹脂成型品を取り出すことができる。
【0081】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、樹脂成型品分断時、上昇状態のダイスに加わる分断荷重を受圧手段にて受圧することにより、ダイスの破損を防止することができる。
【0082】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、樹脂成型品の分断終了時、下金型は移動式ボルスタを介してベース上における上金型の中心軸から所定距離離間された取り出し位置まで移動されることにより、分断された樹脂成型品の取り出しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるプレスラインの構成を示す正面図。
【図2】本実施形態における各プレス機の配置状態を示す要部拡大正面図。
【図3】分断プレス機の下金型の移動状態を示す側面図。
【図4】通常時における分断プレス機の下金型の要部拡大断面図。
【図5】分断時における分断プレス機の下金型の要部拡大断面図。
【図6】分断終了後における分断プレス機の下金型の要部拡大断面図。
【図7】分断プレス工程のタイミングチャート。
【図8】従来のプレスラインの構成を示す正面図。
【図9】各工程終了後のコイル材の状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…プレスライン、2…アンコイラ(保持手段)、4…共通ベース、6…二次プレス機、7…成形プレス機、8…分断プレス機、20…分断プレス機の下金型、21…移動式ボルスタ、22…分断プレス機の上金型、26…カムプレート(受圧手段)、33…ダイス、35…カムブロック(受圧手段)、47…戻しスプリング(昇降手段)、E…エアシリンダ(昇降手段)、P…樹脂成型品、S…コイル材。

Claims (5)

  1. コイル材を保持するための保持手段と、工程数と同じ台数のプレス機とを備え、 前記保持手段に保持されている前記コイル材が、送り装置によって工程順に各プレス機の下金型と上金型との間に送給配置され、前記コイル材に順次所定の加工を施すプレスラインにおいて、
    前記プレスラインには、少なくとも前記コイル材に樹脂成型品を成形するための成形プレス機と、該成形プレス機にて成形された樹脂成型品を前記コイル材から分断するための分断プレス機とが備えられており、前記成形プレス機及び分断プレス機の下金型を共通のベース上に該ベースに立設されているコラムを介することなく配設するとともに、前記成形プレス機及び分断プレス機の上金型を、前記コラムを介してそれぞれ独立して上下動可能に配設したプレスライン。
  2. 前記成形プレス工程の1サイクルタイム内に、分断プレス工程の1サイクル及び分断プレス工程の1サイクルにて分断された樹脂成型品の取り出しが行われるようにした請求項1に記載のプレスライン。
  3. 前記分断プレス機の下金型には、樹脂成型品を載置するためのダイスを上下移動可能に設けると共に、同ダイスを上下方向に一定量移動させるための昇降手段とを設けた請求項1又は請求項2に記載のプレスライン。
  4. 前記分断プレス機の上金型及び下金型には、樹脂成型品の分断時、ダイスに加わる分断荷重を受圧するための受圧手段を備えた請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のプレスライン。
  5. 前記分断プレス機の下金型を、ベース上面を移動可能な移動式ボルスタ上に配設した請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のプレスライン。
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