JP4762750B2 - 薄物材の加工装置及び薄物材の加工方法 - Google Patents

薄物材の加工装置及び薄物材の加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、水平方向へ送られる帯状等の薄物材について、加工やハンドリング等を行う薄物材に係る加工装置及び薄物材に係る加工方法に関する。
従来の薄物材の加工装置にあっては、製品であるワーク片の成形工程と、そのワーク片を所定の位置に置く工程と、そのワーク片を搬送のために保持する工程とが、順次別々に行われていた。
このワーク片の成形工程では、一般的にプレス装置によって、水平方向へ送られる帯状の薄物材(フープ材)を加工することで、所定の形状に成形・切断されたワーク片が得られる。また、このワーク片を保持する工程では、一般的に真空ポンプ等の減圧装置を用いた吸着手段が用いられている。この吸着保持されたワーク片は、次工程へ搬送されることになる。
このような薄物材の加工装置が使用される製造設備としては、例えば、携帯電話等のプッシュスイッチの可動接点として用いられる球面クリック板バネ(以下、「ドームスイッチ」又は「ワーク片」ともいう。)を成形し、そのドームスイッチを接着剤が塗布された接着フィルムの所定の位置へ貼付してスイッチシートを製造するドームスイッチのマウント装置がある。
この従来のドームスイッチのマウント装置では、吸引吸着作用を利用したピックアップ装置によってワーク片であるドームスイッチを上方から保持して移送する。そして、そのドームスイッチを、水平に送られてくる接着シートへ、上方から押圧して貼付している。
ドームスイッチの典型的形態例としては、プッシュスイッチの可動接点として使用される球面クリック板バネの外縁部のバリの発生を防止するものが開示されている(特許文献1参照)。
特開平08−203378号公報(第1頁、図1)
薄物材の加工装置及び薄物材の加工方法に関して解決しようとする問題点は、ワーク片の成形工程から、そのワーク片を移送のために保持する工程等が、別々の動作の中で行われており、効率的ではない点にある。また、別々の動作となるため、ワーク片を位置決めする精度が不安定になり易い問題点もある。
そこで、本発明の目的は、ワーク片の加工及びハンドリングについて、一連の合理的な動作の中で行うことで、位置決め精度が高く且つ効率よく作業が可能な薄物材の加工装置及び薄物材の加工方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる薄物材の加工装置の一形態によれば、帯状等の薄物材の表裏いずれか一面へ打ち込むことで、該薄物材から製品部材であるワーク片を切断分離するプレス装置のパンチと、前記ワーク片を排出する排出孔を備えるプレス装置のダイと、前記パンチ及び前記ダイの排出孔の軸心に沿って移動可能に配され、前記ワーク片が切断される際には前記排出孔内へ進入していて前記薄物材の前記一面とは反対の他面へ当接し、切断分離された前記ワーク片を前記パンチとの間で挟んで保持しつつ該パンチの打ち込み方向へ移動するプッシャーと、該プッシャーを前記軸心に沿って往復動可能に作動させるプッシャー作動手段と、前記ダイの排出孔の外側で且つ延長線上に前記プッシャーに外嵌されて配され、該排出孔から排出された前記ワーク片の周縁へ、複数の挟持爪が当接することで該ワーク片をチャックするコレットと、前記パンチと前記プッシャーで保持された前記ワーク片が前記ダイの排出孔の外側の所定の位置まで移動した際に、前記コレットの複数の挟持爪で前記ワーク片をチャックするように該複数の挟持爪を作動させるコレット作動手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明にかかる薄物材の加工装置の一形態によれば、前記コレット作動手段は、前記コレットを前記軸心に沿って往復動させるコレットの往復動手段と、前記コレットの複数の挟持爪が該コレットの前記ダイへ近接する方向への移動に伴って前記ワーク片の進入を許容するように開く方向へ広がるべく、斜面と該斜面に対応して案内される被案内部とが組になって前記ダイ側と前記挟持爪に設けられて構成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工装置の一形態によれば、前記ワーク片を次工程へ順次移送すべく、前記コレットが複数設けられ、該コレットを前記ダイの排出孔の外側で且つ延長線上に順次位置させると共に次工程の所定の位置へ順次移動させるコレットの搬送手段を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工装置の一形態によれば、下面に接着剤層を備えて水平に送られる帯状等の接着剤付薄物材へ、前記ワーク片を下側から貼付すべく、前記コレットを上下動させるワーク片の貼付用上下動手段と、前記プッシャーを上方へ突起させるワーク片の貼付用突起動手段とを備えるワーク片貼付機構を有することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工装置の一形態によれば、前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記接着剤付薄物材へ貼付された前記ワーク片を上方から押して行う検査装置を具備することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工装置の一形態によれば、前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記接着剤付薄物材に多数の前記ワーク片が貼付された部材が携帯電話等のスイッチシートであることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工方法の一形態によれば、 帯状等の薄物材の表裏いずれか一面へプレス装置のパンチを打ち込むことで、該薄物材から製品部材であるワーク片を切断分離するプレスカット工程と、該プレスカット工程の際にプレス装置のダイの前記ワーク片を排出する排出孔内へ進入していて前記薄物材に前記一面とは反対の他面へ当接するプッシャーと、前記パンチとの間で、切断分離された前記ワーク片を挟んで保持しつつ該パンチの打ち込み方向へ移動して該ワーク片を前記ダイの排出孔の外側へ排出させる排出工程と、前記排出工程によって前記ダイの排出孔から前記パンチと前記プッシャーに挟まれて保持された状態で排出された前記ワーク片の周縁へ、前記ダイの排出孔の外側で且つ延長線上に配されたコレットの複数の挟持爪が当接することで該ワーク片をチャックするチャック工程とを有することを特徴とする。
また、本発明にかかる薄物材の加工方法の一形態によれば、前記ワーク片を次工程へ順次移送すべく、前記ワーク片をチャックした前記コレットを移送する搬送工程と、下面に接着剤層を備えて水平に送られる帯状等の接着剤付薄物材へ、前記ワーク片を下側から貼付する貼付工程とを有することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工方法の一形態によれば、前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記貼付工程の後、前記ワーク片を上方から押して行われる検査工程を有することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる薄物材の加工方法の一形態によれば、前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記接着剤付薄物材に多数の前記ワーク片が貼付された部材が携帯電話等のスイッチシートであることを特徴とすることができる。
本発明にかかる薄物材の加工装置及び薄物材の加工方法によれば、薄物材からなるワーク片の加工及びハンドリングについて、一連の合理的な動作の中で行うことができ、位置決め精度が高く且つ効率よく作業ができるという特別有利な効果を奏する。
以下、本発明に係る薄物材の加工装置の最良の形態例を添付図面と共に詳細に説明する。図1は薄物材の加工装置の主要部を示す断面図である。図2は薄物材の例であるフープ材の一部を示す平面図である。また、図3はコレットの主要部とワーク片の形態を示す斜視図であり、図4はワーク片を保持した状態のコレットを示す平面図である。
本形態例の薄物材の加工装置は、携帯電話のプッシュスイッチの可動接点として用いられるドームスイッチ(ワーク片10)を帯状の薄物材12(図2参照)からカットし、そのワーク片10を次工程へ移送するために位置決めした状態で保持するものである。
本形態例の薄物材12は、テープ状の薄肉金属材がプレス加工されたものであり、ドームスイッチの形状が2列に成形されている。なお、この薄物材12は、リールに巻き取られたものが、自動リール装置(図示せず)によって繰り出されることで、この薄物材の加工装置へ供給される。
14はプレス装置のパンチであり、水平に移送される帯状等の薄物材12の表裏いずれか一面へ打ち込むことで、その薄物材12から製品部材であるワーク片10を切断分離する。本形態例ではパンチ14が薄物材12の上方から打ち込まれる。パンチ14の端面は平坦に形成されている。ワーク片10は、曲面に形成されているが、平坦なパンチ14でカットプレスしても一面からのプレスのため、変形しないで好適に切断される。
また、16はプレス装置のダイであり、ワーク片10を下方へ排出する排出孔18を備える。なお、プレス装置の押圧駆動機構やストリッパーなどの他の構成は、既知の技術を用いればよく、説明を省略する。
20はプッシャーであり、パンチ14及びダイの排出孔18の軸心に沿って上下動可能に配され、ワーク片10が切断される際には排出孔18内へ進入(上昇)していて薄物材12のワーク片10に相当する部分に下方から当接し、切断分離された後のワーク片10をパンチ14との間で挟んで保持しつつ下降できるように設けられている。つまり、ワーク片10の前記一面とは反対の他面へ当接し、切断分離されたワーク片10をパンチ14との間で挟んで保持しつつ、そのパンチ14の打ち込み方向へ移動する。
このようにワーク片10がパンチ14の下面とプッシャー20の上面との間で保持されるため、ワーク片10が位置決めされた状態で下降されることになる。なお、本形態例のプッシャー20は、円柱状に形成されている。また、プッシャー20の上端面は、ワーク片10の下面である凹面に対応して、凸面に形成されている。
また、22はプッシャー作動手段であり、プッシャー20を前記軸線に沿って往復動可能にさせる。本形態例では、プッシャー20を、途中で適宜停止させたり、パンチ14の動きに追従させるなどして上下方向へ作動させる。このプッシャー作動手段22としては、カム装置や電気式或いは空圧式のアクチュエータ装置等の既知の駆動機構を採用でき、また、その制御装置についても既知の技術を採用すればよく、詳細な説明を省略する。
30はコレットであり、ダイの排出孔18の直下(排出孔18の外側で且つ延長線上)にプッシャー20に外嵌されて配され、その排出孔18から排出されたワーク片10の周縁へ、複数の挟持爪32が当接することで、そのワーク片10をチャックする。
本形態例のコレット30は、図3に示すように、筒状の部分を円周方向に4等分に分割して形成された4つの挟持爪32を備える。34はスリットであり、筒状の部分を上端側から縦割りに分割するように切り込まれた状態に設けられ、これによって縦長の4つの挟持爪32が形成されている。その各挟持爪32の上端部は、ワーク片10を挟持して保持する保持部となっている。この4つの挟持爪32からなるコレット30の保持部は、その部材自体の弾性変形の範囲内で、その径を拡大させたり、元の状態に戻すことができる。
なお、コレット30の形態は、本形態例に限定されるものではない。例えば、挟持爪32の数は4つに限定されるものではなく、ワークの形状等の条件に対応させて適宜設計すればよい。また、挟持爪32におけるワーク片10の周縁に当接するチャック部形状もこれに限定されるものではなく、例えば、本形態例のような長円形のワーク片10に対応する場合では、その形状に倣って、複数の挟持爪32から構成されるチャック部形状を長円形にしてもよい。
また、35はコレット作動手段であり、パンチ14とプッシャー20で保持されたワーク片10がダイの排出孔18の外側(真下)の所定の位置まで移動(下降)した際に、コレット30の複数の挟持爪32でワーク片10をチャックするように、その複数の挟持爪32を作動させる。
本形態例のコレット作動手段35は、コレット30を前記軸線に沿って往復動させるコレットの往復動手段36と、コレットの複数の挟持爪32がそのコレット30のダイ16へ近接する方向(上方向)への移動に伴ってワーク片10の進入を許容するように開く方向へ広がるべく、斜面40とその斜面に対応して案内される被案内部42とが組になってダイ16側と挟持爪32に設けられて構成されている。なお、本形態例では、コレットの往復動手段36が、コレット30を上下方向へ移動させるコレットの上下動手段となっている。
本形態例では、斜面40がダイ16の下側に設けられ、下方から上方へ向かって拡径するテーパ状に形成されている。また、被案内部42がコレット30の上端から若干下方の位置に形成された鍔部33に上方へ立設されたリング状に形成されている。
なお、斜面40はダイ16とは別体の部材によって形成されている。これは、超硬材で形成されるダイ16自体に斜面を形成した場合、衝撃によって破損し易くなると共に、製造コストが高くなるためである。
また、複数の挟持爪32の端面(上端)が、ダイ16の下面に突き当たらないように、テーパ状に形成された斜面40の端縁(下縁)が、被案内部42の基部となる鍔部33に当接して、コレット30の移動(上昇)を阻止できるように形成されている。つまり、コレット30が、最大に上昇した際でも、ダイ16の下面と挟持爪32の上端には所定の間隔が生じるように構成されている。これにより、挟持爪32がダイ16の下面に突き当たって、その衝撃でダイ16を損傷させるようなことはない。
また、斜面40の下縁が被案内部42の基部となる鍔部33に当接することで、斜面40に沿って案内されて開く複数の挟持爪32を、所定の大きさに開いたところで停止できる。つまり、複数の挟持爪32が所定の寸法以上に広がることを阻止するストッパーの構成となっている。これにより、複数の挟持爪32を弾性変形範囲内で作動させて、ワーク片10を好適に挟持できる。
斜面40と被案内部42との関係は、この形態例に限定されるものではなく、ダイ16側に被案内部42が形成されて、コレット30側に斜面40が形成されても同様の機能を奏することができる。
なお、このコレット作動手段35としては、以上に説明した機構に限定されるものではなく、カム機構や電気式或いは空圧式のアクチュエータ装置等の既知の駆動機構を直接的に作動させる機構を採用することも可能である。また、コレットの往復動手段36としては、カム機構や電気式或いは空圧式のアクチュエータ装置等の既知の駆動機構を採用でき、また、その制御装置についても既知の技術を採用すればよく、詳細な説明を省略する。
以上に説明した薄物材の加工装置によれば、帯状の薄物材12からワーク片10をプレスカットし、そのワーク片10を次工程へ移送するために位置決めした状態で保持する工程が、パンチ14の下降動作とそれに伴うコレット30とプッシャー20の一連の動作によって、効率的に行われる。また、ワーク片10を持ち替えることを要せず、そのワーク片10を複数の挟持爪32で挟持・保持することから、確実に高い位置決めの精度で、ワーク片10をハンドリングすることができる。
なお、本形態例のパンチ14、プッシャー20及びコレット30の作動方向(プレス方向)は上下であるが、本発明はこのプレス方向に限定されず、装置の設置条件等に対応するため種々のプレス方向を選択できることは勿論である。
次に、図5〜7に基づいて、以上に説明した薄物材の加工装置であるワーク片のプレスカット・チャック装置13(図5参照)へ、付加される加工装置の構成について説明する。図5は薄物材の加工装置のシステムとしての全体的な構成を説明する平面図である。図6はワーク片の接着方向と検査方向を示す断面図である。また、図7は本装置によって製造される携帯電話用スイッチシートの形態例を示す斜視図である。
本形態例の薄物材の加工装置は、以上に説明したものと同様にワーク片10が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネ(ドームスイッチ)であり、接着剤付薄物材50(図6参照)に多数のワーク片10が貼付された携帯電話等のスイッチシート52(図7参照)を製造するドームスイッチのマウント装置である。
図5に示すように、55はコレットの搬送手段であり、コレット30(図1、3、4参照)によって保持されたワーク片10を次工程へ順次移送すべく、そのコレット30が複数設けられ、そのコレット30をダイの排出孔18の外側で且つ延長線上(直下)へ順次位置させると共に次工程の所定の位置へ順次移動させるように設けられている。
本形態例では、回転テーブル方式で、各コレット30が円周に沿ってエンドレスに公転移動する方式となっている。本発明はこれに限定されることなく他の既知の搬送手段を採用できるのは勿論であり、例えば、直線的な往復運動によって、コレット30を移動させてもよい。
60はワーク片貼付機構(図5参照)であり、下面に接着剤層51を備えて水平に送られる帯状等の接着剤付薄物材50へ、ワーク片10を下側から貼付すべく(図6参照)、コレット30を上下動させるワーク片の貼付用の上下動手段61(図12参照)と、プッシャー20を上方へ突起させるワーク片の貼付用の突起動手段62(図12参照)とを備える。
なお、このワーク片の貼付用の上下動手段61や突起動手段62としては、カム装置や電気式或いは空圧式のアクチュエータ装置等の既知の駆動機構を採用でき、また、その制御装置についても既知の技術を採用すればよく、詳細な説明を省略する。
ところで、接着剤付薄物材50の下面に備えられる接着剤層は部分的であってもよく、少なくともワーク片10が接着されるべき部分に設けられていればよい。また、接着剤付薄物材50自体が、リールに巻き取られたテープ状の樹脂フィルムであって、図示しない自動リール装置によってリールから繰り出されてもよいし、接着剤付薄物材50が個片に形成されたもので、それをキャリアテープに保持させた状態でリールに巻き取ってあって、そのリールから繰り出されて供給されるものであってもよい。
これによれば、コレット30によってチャックされて保持されたワーク片10を、接着剤付薄物材50へ下側から好適に貼付でき、図7に示すようなスイッチシート52を得ることができる。前工程からワーク片10の持ち替えや表裏の向きを変更する必要がなく、一連のワーク片10が保持・移送される流れの中で効率よく貼付できるため、位置決め精度の正確性と生産効率を向上できる。また、下側から貼付できるため、浮遊物(ゴミ)の降下によって接着面が汚れることがなく、品質を向上できる利点もある。
70は検査装置(図5参照)であり、前述のワーク片10の貼付工程の後、接着剤付薄物材50へ貼付されたワーク片10を上方から押して通電状態等の検査を行うように構成されている。
これによれば、樹脂フィルム等から成る接着剤付薄物材50の移送について、表裏の向きを変更する必要がなく、前述のワーク片10の貼付工程を単純に継続した状態の送りを行えばよい。従って、この検査装置による検査工程とその前工程である貼付工程とを、一連の工程として合理的に行うことができ、作業性がよい。また、ワーク片10を重力に沿って押圧すればよく、自然な向きであって、安定的に検査を行うことができるため、信頼性を向上できる。このため、生産効率を向上できる。
次に、以上の構成から成る薄物材の加工装置を用いた薄物材の加工方法について、先ず、ワーク片10のプレスカットとチャックを行う方法を、図8〜12及び図1の断面図に基づいて詳細に説明する。
先ず、図8〜10及び図1に基づいてプレスカット工程を説明する。この工程では、水平に送られる帯状等の薄物材12へプレス装置のパンチ14を上方から打ち込むことで、その薄物材から製品部材であるワーク片10を切断分離する。
図8は、薄物材12がプレス装置内へ順次送られ、パンチ14とコレット30及びプッシャー20が初期位置に停止している状態を示している。薄物材12のワーク片10となるべき部分が、ダイ16とパンチ14の間へ送られて位置決めされ、停止した状態となっている。
図9は、図8の初期状態からコレット30とプッシャー20が同時に上昇し、コレット30の複数の挟持爪32が、そのコレット30の上方向への移動に伴ってワーク片10の進入を許容するように開く方向へ広がった状態を示している。
本形態例では、コレット30の上部周縁に設けられた被案内部42が、ダイ16の下側に設けられた斜面40に沿って案内されることによって、複数の挟持爪32が開いた状態となっている。
なお、コレット30の複数の挟持爪32を作動させる方法はこれに限定されるものではなく、カム機構や電気式或いは空圧式のアクチュエータ装置等の既知の駆動機構を採用できるのは勿論である。また、ワーク片10を保持する方法としては、以上に説明した機構に限定されるものではなく、カム機構、電気式或いは空圧式のアクチュエータ装置や真空吸着装置等の既知の機構を採用することも可能である。
図10は、図9の状態からプッシャー20が、プレス装置のダイ16のワーク片10を下方へ排出する排出孔18内へ上昇して薄物材12のワーク片10となる部分に下方から当接した状態を示している。これにより、プレスカットのときから、ワーク片10がパンチ14とプッシャー20との間に挟まれて保持された状態となる。
図1は、パンチ14が下降してワーク片10を薄物材12からカットし、さらにそのパンチ14が下降した状態を示している。このとき、プッシャー20が、パンチ14との間で、切断分離されたワーク片10を挟んで保持しつつ下降し、そのワーク片10をダイの排出孔18の真下へ排出させる。なお、この際のプッシャー20は、パンチ14の押圧力を受けて従動して下降するように構成されていればよい。
ここまでによって、ワーク片10のプレスカット工程が終わったことになる。そして、この時点で図1に示すように、ワーク片10が、ダイの排出孔18の真下へ排出された直後であって、複数の挟持爪32が開いたコレット30内へ挿入された状態にある。
図11は、ワーク片10が図1の状態から連続してさらに下降され、そのワーク片10がチャックされるチャック工程を示している。このチャック工程では、ダイの排出孔18からパンチ14とプッシャー20に挟まれて保持された状態で排出されたワーク片10の周縁へ、ダイの排出孔18の直下に位置されたコレット30の複数の挟持爪32が当接することで、コレット30がワーク片10をチャックして保持する。
図11では、ワーク片10が、図1の状態からパンチ14とプッシャー20及びコレット30と共に斜面40で案内される高さ分をさらに下降し、複数の挟持爪32によってチャックされた状態となっている。複数の挟持爪32が斜面40に案内されることで、その挟持爪32自体の弾性によって、元の形態へ戻る方向(すぼまる方向)へ縮径することでワーク片10を挟持する。そして、その複数の挟持爪32の弾性力によって、ワーク片10を挟持して保持する状態を維持する。
このように、パンチ14の下降に伴うプッシャー20及びコレット30の一連の動作によって、ワーク片10のプレスカットとコレット30によるチャックが連続的になされる。従って、ワーク片10を持ち替えることを要せず、位置精度の確実性と生産効率を向上できる。
また、図12は、パンチ14が上昇してストリップされ、また、ワーク片10を次工程へ順次移送できるように、そのワーク片10を保持したコレット30がさらに下降した状態を示している。
そして、図5に示すように、コレットの搬送手段55によって、ワーク片10を保持した各コレット30が順次、次工程の装置であるワーク片貼付機構60へ移送される。
次に、図13〜16の断面図に基づいて、下面に接着剤層51を備えて水平に送られる帯状等の接着剤付薄物材50へ、ワーク片10を下側から貼付する貼付工程について説明する。
図13は、ワーク片貼付用受部65の直下へ送られてきた接着剤付薄物材50の真下へ、ワーク片10を保持したコレット30を移動させた状態を示している。なお、ワーク片貼付用受部65の下面は、ワーク片10の上面が凸となるドーム状の形状を受けるように、凹面状に形成されている。
図14は、図13の状態からワーク片10を保持したコレット30を上昇させて、ワーク片貼付用受部65の直下に水平方向に張られたシート状の接着剤付薄物材50へ、ワーク片10を当接させた状態を示している。つまり、この時点で、接着剤付薄物材50の接着剤層51へワーク片10が接触した状態となり、ワーク片10の貼付が始まっている。
図15は、図14の状態からプッシャー20を上昇させ、ワーク片10を、コレット30による保持状態から離脱させると共に、接着剤付薄物材50へ確実に貼付されるように押圧する状態を示している。接着剤付薄物材50とその下面に接触したワーク片10とは、ワーク片貼付用受部65の下面(凹面)とプッシャー20の上面との間に挟まれて圧力を加えられた状態となる。これにより、ワーク片10が接着剤付薄物材50へ確実かつ強固に貼付される。
図16は、図15の状態からコレット30を下降させ、ワーク片10の貼付工程が終わったコレット30が移動する前の状態を示している。この後、接着剤付薄物材50の次のワーク片10が貼付される部分が送られると共に、次のワーク片10を保持したコレット30がワーク片貼付用受部65の真下へ移動させ、以上に説明した動作を行って次のワーク片10を貼付する。この貼付工程サイクルを順次繰り返すことで、図7に示すようなスイッチシート52を得ることができる。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明に係る薄物材の加工装置の一形態例の主要部を示す断面図である。 薄物材の例であるフープ材の一部を示す平面図である。 コレットの主要部とワーク片の形態例を示す斜視図である。 ワーク片を保持した状態のコレットを示す平面図である。 本発明に係る薄物材の加工装置の全体的な構成例を示す平面図である。 ワーク片の接着方向と検査方向を示す断面図である。 携帯電話用スイッチシートの形態例を示す斜視図である。 ワーク片のプレスカット工程の初期状態を示す断面図である。 プレスカット工程におけるコレットの上昇状態を示す断面図である。 プレスカット工程におけるプッシャーの上昇状態を示す断面図である。 ワーク片のプレスカット工程及びチャック工程を示す断面図である。 ワーク片をチャックしたコレットが下降した状態を示す断面図である。 ワーク片の接着剤付薄物材への貼付工程の初期状態を示す断面図である。 ワーク片の貼付工程におけるコレットの上昇状態を示す断面図である。 ワーク片の貼付工程におけるプッシャーの上昇状態を示す断面図である。 ワーク片の貼付後のコレットが下降した状態を示す断面図である。
符号の説明
10 ワーク片
12 薄物材
13 プレスカット・チャック装置
14 パンチ
16 ダイ
18 排出孔
20 プッシャー
22 プッシャーの作動手段
30 コレット
32 挟持爪
35 コレット作動手段
36 コレットの往復動手段
40 斜面
42 被案内部
50 接着剤付薄物材
51 接着剤層
52 スイッチシート
55 コレットの搬送手段
60 ワーク片貼付機構
61 ワーク片の貼付用の上下動手段
62 ワーク片の貼付用の突起動手段
70 検査装置

Claims (10)

  1. 帯状等の薄物材の表裏いずれか一面へ打ち込むことで、該薄物材から製品部材であるワーク片を切断分離するプレス装置のパンチと、
    前記ワーク片を排出する排出孔を備えるプレス装置のダイと、
    前記パンチ及び前記ダイの排出孔の軸心に沿って移動可能に配され、前記ワーク片が切断される際には前記排出孔内へ進入していて前記薄物材の前記一面とは反対の他面へ当接し、切断分離された前記ワーク片を前記パンチとの間で挟んで保持しつつ該パンチの打ち込み方向へ移動するプッシャーと、
    該プッシャーを前記軸心に沿って往復動可能に作動させるプッシャー作動手段と、
    前記ダイの排出孔の外側で且つ延長線上に前記プッシャーに外嵌されて配され、該排出孔から排出された前記ワーク片の周縁へ、複数の挟持爪が当接することで該ワーク片をチャックするコレットと、
    前記パンチと前記プッシャーで保持された前記ワーク片が前記ダイの排出孔の外側の所定の位置まで移動した際に、前記コレットの複数の挟持爪で前記ワーク片をチャックするように該複数の挟持爪を作動させるコレット作動手段とを具備することを特徴とする薄物材の加工装置。
  2. 前記コレット作動手段は、前記コレットを前記軸心に沿って往復動させるコレットの往復動手段と、前記コレットの複数の挟持爪が該コレットの前記ダイへ近接する方向への移動に伴って前記ワーク片の進入を許容するように開く方向へ広がるべく、斜面と該斜面に対応して案内される被案内部とが組になって前記ダイ側と前記挟持爪に設けられて構成されていることを特徴とする請求項1記載の薄物材の加工装置。
  3. 前記ワーク片を次工程へ順次移送すべく、前記コレットが複数設けられ、該コレットを前記ダイの排出孔の外側で且つ延長線上に順次位置させると共に次工程の所定の位置へ順次移動させるコレットの搬送手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の薄物材の加工装置。
  4. 下面に接着剤層を備えて水平に送られる帯状等の接着剤付薄物材へ、前記ワーク片を下側から貼付すべく、前記コレットを上下動させるワーク片の貼付用上下動手段と、前記プッシャーを上方へ突起させるワーク片の貼付用突起動手段とを備えるワーク片貼付機構を有することを特徴とする請求項3記載の薄物材の加工装置。
  5. 前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記接着剤付薄物材へ貼付された前記ワーク片を上方から押して行う検査装置を具備することを特徴とする請求項4記載の薄物材の加工装置。
  6. 前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記接着剤付薄物材に多数の前記ワーク片が貼付された部材が携帯電話等のスイッチシートであることを特徴とする請求項4又は5記載の薄物材の加工装置。
  7. 帯状等の薄物材の表裏いずれか一面へプレス装置のパンチを打ち込むことで、該薄物材から製品部材であるワーク片を切断分離するプレスカット工程と、
    該プレスカット工程の際にプレス装置のダイの前記ワーク片を排出する排出孔内へ進入していて前記薄物材に前記一面とは反対の他面へ当接するプッシャーと、前記パンチとの間で、切断分離された前記ワーク片を挟んで保持しつつ該パンチの打ち込み方向へ移動して該ワーク片を前記ダイの排出孔の外側へ排出させる排出工程と、
    前記排出工程によって前記ダイの排出孔から前記パンチと前記プッシャーに挟まれて保持された状態で排出された前記ワーク片の周縁へ、前記ダイの排出孔の外側で且つ延長線上に配されたコレットの複数の挟持爪が当接することで該ワーク片をチャックするチャック工程とを有することを特徴とする薄物材の加工方法。
  8. 前記ワーク片を次工程へ順次移送すべく、前記ワーク片をチャックした前記コレットを移送する搬送工程と、
    下面に接着剤層を備えて水平に送られる帯状等の接着剤付薄物材へ、前記ワーク片を下側から貼付する貼付工程とを有することを特徴とする請求項7記載の薄物材の加工方法。
  9. 前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記貼付工程の後、前記ワーク片を上方から押して行われる検査工程を有することを特徴とする請求項8記載の薄物材の加工方法。
  10. 前記ワーク片が携帯電話等のプッシュスイッチの球面クリック板バネであり、前記接着剤付薄物材に多数の前記ワーク片が貼付された部材が携帯電話等のスイッチシートであることを特徴とする請求項8又は9記載の薄物材の加工方法。
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