JP3812751B2 - コーティング組成物及びその製造方法、並びに機能性膜及びその製造方法 - Google Patents

コーティング組成物及びその製造方法、並びに機能性膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体上に塗布し、成膜することで、光学物品、電子・電気物品、磁性材料物品等の基体との密着性、緻密性、保護性に優れた機能性膜に使用できるコーティング組成物及びその製造方法、並びに機能性膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学物品、電子・電気物品、磁性材料物品は、各種の機能を有する層が形成されており、またそれらの層を保護するために、必要に応じ保護膜が設けられている。このような保護膜に要求される性質としては、一般的には、膜強度が高く、該機能を有する層との密着性の高いものが要求されている。
【0003】
例えば、放電に伴う発光現象をディスプレイに利用するいわゆるプラズマディスプレイは、電極(主としてITO)の構造から、放電空間に金属電極が露出している直流型と、金属電極が誘電体層で覆われている交流型とに大別され、薄型かつ大画面のカラーテレビに用いる場合には、メモリ機能を有して大型化に対応可能な交流型が好適であり、このような誘電体層の表面には保護層(主として酸化マグネシウムからなる膜)が形成されている。
【0004】
また、コンピューター、映像機器等に使用されるディスプレイ表面には外部からの反射光を防ぎ、ディスプレイの視認性を向上させることを目的として、反射防止層(例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン等)が形成されている。
【0005】
これらITO等の電極部材、酸化マグネシウム等のいわゆる保護層等、各種電子・電気物品に使用される酸化スズ、磁性物品に使用される酸化鉄、光学部材に使用される二酸化ケイ素、二酸化チタン等のいわゆる機能性膜は、主として金属酸化物より形成されており、従来、その形成方法には、薄膜法としてEB蒸着法、スパッタ法、CVD法等があり、厚膜法として金属酸化物の前駆体をスプレーコートにより、基体上に厚膜を形成した後、焼成して金属酸化物とする方法がある(例えば、特公昭60−42579号公報、特公昭63−59221号公報、特公昭57−13983号公報参照)。また、コーティング法として金属酸化物微粉末を焼成後に酸化物となる液体バインダーに分散させ、機能性膜とする方法がある(特開平6−283020号公報)。
【0006】
前記コーティング法においては、例えば、交流型プラズマディスプレイパネルの保護層としての印刷法によりMgO膜を形成するのに用いられるMgO印刷ペーストは、粒径0.03〜0.3μmの均一なMgO微粒子を含み、さらに該MgO微粒子をバインダー中に均一に分散させなければ、保護層としての耐スパッタ性に劣るものとなることが明らかにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記各方法のうち、EB蒸着法やスパッタ法、CVD法等の真空プロセスを用いた方法は、概して生産性が低くて高価になるという欠点に加え、プラズマディスプレイのような大きな被付着物を真空チャンバー内に収納するのが非常に困難であるという欠点があり、大画面化を想定した場合、設備費や生産性の点で問題があった。
【0008】
コーティング法は、手軽な方法であることから鋭意検討がなされてきたにもかかわらず、満足できる性能を達成するには至っていなかった。その理由としては、過去に市販された機能性粒子混入ペーストは、機能性粒子が凝集するために、ペースト中への均一分散化が極めて困難であり、結果として均一性の高い保護層が得られにくく、そのため、通常の熱処理プロセスでは膜強度、密着性等が不十分であったり、また熱分解時に膜に亀裂を生じるといった問題を有しており、このような機能性粒子混入ペーストをディスプレイ表面のコーティングに用いた場合、必要なパネル特性を得られないからであった。
【0009】
上記問題を解決するために、本発明者らは、加水分解可能な反応部位を有する金属化合物に対して、加水分解を行って金属水酸化物ゾルを作製し、このゾルを基体上に塗布、焼成して、対応する金属酸化物膜を作製することにより、保護層の膜厚を薄くすることを可能としたゾル−ゲル法を用いる方法を既に提案している(特願平6−271827号)。
【0010】
しかしながら、この方法において、加水分解したときに生成する金属水酸化物は、その種類によって析出しやすい傾向が強いものがあり、例えば、特に、マグネシウム化合物を用いた場合には、加水分解反応により生成される水酸化マグネシウムは粒子として瞬時に析出し、沈澱する。このような水酸化マグネシウム粒子が析出したコーティング組成物を用いて、基体にコーティングを行い、通常の焼成プロセス(高温ではない焼成プロセス)でゲル化して得られた機能性膜は、基体上に酸化マグネシウムの各粒子が、いわば積もった状態に形成されるため、その膜の密度が低く、充分な膜強度が得られないことがあった。また、このようなコーティング組成物を用いて薄膜を形成した場合には、緻密な膜形成が不可能であるため保護層としての機能を充分に満たし得ないという欠点があった。
【0011】
例えば、マグネシウムのアルコキシドとして、ゾル−ゲル反応によく利用されるマグネシウムジメトキシドMg(OCH3 2 はメトキシド基同志が会合した粉状の物質で、この物質単独で有機溶媒に溶解又は分散させることは非常に困難であり、安定なゾル溶液を作製することは困難であった。
【0012】
一方、有機溶媒に溶解させた有機マグネシウムを含む溶液を基体に塗布し、熱分解して無色透明な酸化マグネシウムフィルムを形成する方法が、特開昭55−123657号公報により知られている。該公報に記載の酸化マグネシウムフィルムの形成方法においては、有機マグネシウムを含む溶液を基体に塗布した後、得られる塗膜の表面付近から加水分解反応が進行するため、水酸化マグネウシウム粒子の析出が順次起こり、得られる酸化マグネシウムフィルムは基板密着性が乏しいという問題があった。
【0013】
また、前記特開昭55−123657号公報に記載の酸化マグネシウムフィルムの形成方法においては、有機マグネシウムを含む溶液を基体に塗布した後に主として加水分解反応が起こるため、該加水分解物の副産物として生成された有機物、いわゆる不純物が水酸化マグネシウム粒子内部に存在する可能性が大きく、酸化マグネシウムフィルムの製造過程において、この不純物を塗膜中から飛散させて除去させることが困難であるという問題があった。
【0014】
また、前記特開昭55−123657号公報に記載の酸化マグネシウムフィルムの形成方法においては、有機マグネシウムを含む溶液を基体に塗布した後に主として加水分解反応が起こるため、析出する水酸化マグネシウムの粒子径を制御することが困難であり、その結果、得られる酸化マグネシウムフィルムが白濁しやすく、透明性に劣るという問題があった。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、従来技術が有していた前述の欠点を解消し、化学的手法により簡易で安定かつ低温成膜温度でも充分に成膜することができ、機能性膜としての、膜強度、密着性、保護作用等の優れ、且つ透明性に優れた特性を有し、しかも低コストで製造を可能とするコーティング組成物及びその製造方法、並びに機能性膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
前記目的に付随して、本発明は、安定なアルコキシド溶液からなるコーティング組成物を提供し、該コーティング組成物を用いてゾル−ゲル法により低温成膜温度でも充分に成膜でき、得られる膜は、上記優れた特性を有する、コーティング組成物及びその製造方法、並びに機能性膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を解決するためになされたもので、本発明のコーティング組成物は、マグネシウムジメトキシドの部分加水分解物より基本的に構成されるコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、(1)マグネシウムジメトキシド、(2)ジエタノールアミン、(3)該マグネシウムジメトキシドのメトキシド基に対する化学量論量未満の水、(4)有機溶媒から調製されたマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物のゾル粒子の粒径が10nm〜100nmのゾル溶液であることを特徴とする。
【0021】
本発明のコーティング組成物の製造方法は、(1)マグネシウムジメトキシドと、ジエタノールアミンとを有機溶媒中に添加して該マグネシウムジメトキシドを溶解又は分散させ、(2)次いで、得られた溶液に、該マグネシウムジメトキシドのジメトキシド基に対する化学量論量未満の水を添加して、部分加水分解を行い、(3)次いで、得られた部分加水分解物溶液を熟成して水酸化マグネシウムの粒子を成長させて、粒径が10nm〜100nmの安定なゾル溶液とすることを特徴とする。
【0023】
本発明の機能性膜の製造方法は、上記のコーティング組成物を基体上に塗布し、加熱を行い或いは加熱することなく製造することを特徴とする。
【0024】
本発明の機能性膜は、上記の機能性膜の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
属アルコキシドや無機金属塩をコーティング組成物の原料として加水分解し、続いて縮重合反応によって金属−酸素−金属の結合を持つゲル網目を形成させる無機成分成長方法(いわゆるゾル−ゲル法に属する)は、室温付近・溶液状態での反応であり、塗布される基体の保護や処理の有利性の観点から本発明の実現において利用される。
【0027】
本発明で使用されるコーティング組成物はマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物より基本的に構成されるため、そのコーティング組成物は、加水分解物の析出がないため、透明な液である。このような部分加水分解物とするには、加水分解可能な反応部位に対して化学量論量未満の水(マグネシウム化合物の場合2未満)を用いて加水分解を行い、反応部位を一部残した状態での加水分解物、すなわち部分加水分解物とする。このようにして生成される部分加水分解物には水が加水分解に消費されているために、実質的にコーティング組成物中には水が存在しない。
【0028】
本発明におけるマグネシウムジメトキシドを加水分解して部分加水分解物を生成するための温度は、室温において十分に進行させることができるが、場合によっては反応速度を速めるために80℃程度まで加熱することも可能である。
【0029】
また、部分加水分解物生成時に、塩酸やアンモニア等の加水分解触媒を加え、加水分解を速やかに進行させることができる。
【0031】
マグネシウムジメトキシドを、完全に加水分解反応を行うと加水分解物が析出する。したがって、完全に加水分解せずに部分加水分解することにより、加水分解物の析出を防止することができるので、このような部分加水分解物からなるコーティング組成物を調製することは、マグネシウムの金属酸化物からなる機能性膜の基体への高い密着性を付与する目的及び高い強度を付与する目的において有利である。
【0032】
発明のコーティング組成物に使用される添加剤は、ジエタノールアミンである。該化合物は、有機溶剤に難溶性のマグネシウムジメトキシドの溶解又は分散を促進し、水との接触を均一に行わせることができ、非常に律速な加水分解反応を行わせることができ、得られる溶液の粒子も非常に均一なものとなる。
【0036】
本発明を次に説明する。
【0037】
マグネシウムジメトキシドを用いた場合は、前記添加剤を使用しないで、単独で有機溶媒に溶解又は分散させることは非常に困難である。しかしながら、ジエタノールアミン〔HN(C2 4 OH)2 〕はその分子中のN原子とO原子において非常に強く分極しており、メタノール等の有機溶媒中においてこのジエタノールアミンの配位作用により、非常に安定な溶液を形成することができる。したがって、ジエタノールアミンは、マグネシウムジメトキシドを溶解又は分散させるための添加剤として使用される。この反応により得られる溶解物質は、恐らく、マグネシウムジメトキシドのMgとジエタノールアミンのNとが配位した下記の式(3)で示されるキレート構造を形成しているものと推測される。
【0038】
【化5】
Figure 0003812751
【0039】
ジエタノールアミンの機能は、次のように列挙される。即ち、有機溶媒にマグネシウムジメトキシドを溶解又は分散させることができ、なお且つ、水の存在下で加水分解反応が一瞬に起こることなく非常に律速な加水分解反応を実現することができ、しかもそのゾル粒子の粒径を10nm〜100nmの均一で非常に小さいものとすることができ、マグネシウムジメトキシドの部分加水分解物からなる非常に安定なゾル溶液を作製することができる。もし、上記の例でジエタノールアミンを用いないで、マグネシウムジメトキシドを加水分解すると、一瞬のうちに水酸化マグネシウムの大沈澱が生じてしまい、安定なゾル溶液とすることはできない。
【0041】
本発明のコーティング組成物を製造する際に、部分加水分解物生成反応を均一で効率良く進行させるために加水分解反応を水を含んだ溶媒中で行う。このような溶媒は特に限定されないが、アルコール、エステル、ケトン、あるいはプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の有機高誘電率溶媒が使用可能である。
【0042】
生成した部分加水分解物は、上記液中に化学量論量以上の水の混入がない限り、極めて安定に保たれ、出発原料や水の量により部分加水分解物の形態は異なるが、低重合度の重合物、あるいは粒子径が0.3μm以下の超微粒子として溶媒中に溶解又は分散している。本発明のコーティング組成物はこのような、加水分解可能な反応部位を有するマグネシウムジメトキシドからの部分加水分解物が実質的に水の存在しない溶媒中に溶解又は分散された状態のものをいう。
【0043】
部分加水分解物の溶媒中における濃度は特に限定されないが、部分加水分解物の溶媒中での安定性を考慮すると、その濃度は重量比で0.1〜30%とした方がコーティング組成物の長期保存が可能であり、より好ましい。
【0044】
水分解可能な反応部位を有するマグネシウムジメトキシドにおいては、それを完全加水分解した場合、Mg(OH)2 が製造されるが、Mg(OH)2 は瞬時にゲル化して析出する欠点を有すると共に、Mg(OH)2 自体は、塗布の対象となる基板に対して密着性が悪く、特に、ガラス基板には密着性が悪く、高強度の塗膜とすることができない。しかしながら、加水分解に使用される水の量が化学量論量以下である場合、加水分解が完全に行われず、溶液は安定なゾル状態を保った部分加水分解物となり、完全なMg(OH)2 が生成されていないので、基板に対する密着性が高い。
【0045】
本発明においてマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物の塗布されたものは、塗布後に、加水分解反応が進行して完了し、緻密な塗膜の完全なMg(OH)2 となり、これを加熱処理することにより、高結晶性で且つ高密度なMgO膜とすることができる。このような高結晶性で且つ高密度なMgO膜は、完全加水分解物をコーティング原料とした場合には得ることができない。
【0046】
なお、本発明で得られる機能性膜は、目的に応じて必ずしも加熱処理する必要はなく、また、最終的に完全な金属酸化物となった高結晶性である必要がなく、例えば、反射防止膜等の用途には、部分加水分解物を含む湿潤膜により得られたゾル粒子から構成されたものであっても十分に機能し得る。このような機能性膜を得る場合には、特に、塗膜の加熱処理はしなくてもよい。
【0047】
本発明の機能性膜は、特に加熱、焼成工程を施さなくても、常温で、上記の本発明のコーティング組成物を基体上に塗布することにより、基体密着性のある機能性膜が容易に得られるが、必要に応じて加熱、焼成などを行えば、さらに完全に酸化物膜へ移行し、結晶性が高くなり、より強度が高く、且つより基体密着性が増す。このような加熱、焼成温度は、300〜500℃が好ましい温度範囲である。本発明のコーティング組成物の基体上への塗布法はスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法、メニスカスコート法、バーコート法、カーテンフローコート法、流延法等の種々の塗布法が適用できる。
【0048】
このような機能性塗膜の製造方法によって、本発明のコーティング組成物を塗布することにより、従来のコーティングペーストでは実現が困難であった、バインダーを使用しない酸化マグネシウムのみによる1μm以下の薄膜形成が可能となる。上記の機能性膜の製造方法により得られた機能性膜の厚さは、用途により特に限定されないが、透明性の点からいえば10μm以下で特に1μm以下のものが好ましい。
【0049】
マグネシウムジメトキシドに対して添加する、ジエタノールアミンの量比は、作業性を良好にするためには、等モルとすることが好ましい。ジエタノールアミンが等モル以下だと、溶けないマグネシウムジメトキシドが生じるため均質なMgO膜を得ることができず、反対にジエタノールアミンが等モル以上だと、反応していない過剰なジエタノールアミンが膜中に残ることになるので、180〜200℃以上の加熱を行い、ジエタノールアミンを飛ばさなければならないからである。できるだけ低温で短時間にMgO膜を作る目的のためには、この加熱は、基板に余計な熱的影響を与えることになり、また作業効率からも不利である。
【0050】
なお、ジエタノールアミンに、グリコール類、グリコール誘導体、炭素・炭素三重結合を有する有機化合物を併用した場合には、塗膜の加熱処理温度はアルカノールアミンのみの場合よりも低い温度とすることができる。したがって、基板の種類によって、高い加熱温度を与えることが困難な場合には、アルカノールアミンに対して酸素を有する2価の有機化合物、炭素・炭素三重結合を有する有機化合物を添加して併用したり、或いは、これらの化合物を単独で使用してもよい。
【0051】
本発明のコーティグ組成物は、印刷特性等を増すためにさらにエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等公知の増粘剤が添加されていてもよい。
【0052】
本発明のコーティグ組成物のゾル溶液の製造方法は、マグネシウムジメトキシドを金属化合物として用い、金属化合物を溶解又は分散させる添加剤としてジエタノールアミンを用い、溶剤としてエタノールを用いたときの、好ましい製造例は、次のようにして行うことができる。すなわち、マグネシウムジメトキシドを1モルとジエタノールアミン1モルをエタノール中に添加して常温(20℃)で約8時間撹拌して透明均一な溶液を得る。得られた溶液に対して、エタノール中に溶解した純水1モルを添加し、常温(20℃)で約5時間撹拌することにより、加水分解を行わせて部分加水分解物を得る。得られた部分加水分解物を常温20℃、2〜3日間撹拌して、結晶粒子の成長を伴った熟成を行わせて、均一なゾル溶液を得る。
【0053】
本発明の機能性膜の一例として、酸化マグネシウムからなる機能性膜は交流型プラズマディスプレイの誘電体層上に形成される保護層として好適に使用できるが、特に限定されるものではなく目的に応じてその他基体にも使用できる。
【0054】
通常のゾル−ゲル法では、例えば、前記したとおり、反応部位の全てが加水分解されると、マグネシウムジメトキシドにおいてはコーティング組成物中に水酸化マグネシウムが粒子として析出するようになる。このようなコーティング組成物をあまり加熱することができない基体上に塗布して、機能性膜を形成する場合には、製造される機能性膜は、微視的にみると水酸化マグネシウムの粒子がそのまま積み重なった状態で個々の粒子の集合体となった、酸化マグネシウムに変化するため、機能性膜の硬度及び基体密着性が充分ではないという欠点があった。
【0055】
これに対して本発明の機能性膜は、加水分解可能な反応部位を有するマグネシウムジメトキシドからの部分加水分解物を基本的に含むコーティング組成物を基体上に塗布してなる酸化マグネシウム層で構成されている。したがって、コーティング組成物中には、加水分解物、具体的には水酸化マグネシウムの析出物が生じることなく、コーティング組成物はマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物のゾル粒子が非常に細かい粒子となって、実質的に水を含まない溶媒中に溶解又は分散した状態となり、全体が透明の液となっている。本発明のコーティング組成物を基体に塗布した場合、光学物品、電子・電気物品、磁性材料物品等の密着性、緻密性、保護性に優れた機能性膜となる。
【0056】
これに加え、本発明のコーティング組成物は、目的とする酸化マグネシウムの加水分解反応による中間体を非常に微小な粒子で、かつ反応性の高い部分加水分解物としているので、このような本発明のコーティング組成物を用いて、塗布し、得られた塗膜を必要に応じて焼成した後に得られる機能性膜は、適度の大きさの酸化マグネシウム粒子が単に積み重ねられたような状態とはならず、酸化マグネシウムが平面的に均一に分布して基体表面に一体となった密着性及び高強度が高められた機能性膜が得られる。その結果、本発明の機能性膜の薄膜化が更に促進される。本発明のコーティング組成物における部分加水分解物の濃度は、重量比0.1%未満であると充分な特性を発揮できず、30%より多いと膜厚が厚くなりすぎひび割れなどが生じるので、好ましい範囲は0.1〜30重量%である。
【0057】
また、本発明の機能性膜の製造方法によれば、前記マグネシウムジメトキシドからの部分加水分解物を含むコーティング組成物を基体の表面に対しコーティング法により、機能性膜を形成しているので、大面積に対し簡易な手段で、低コストで造膜が可能であり、例えば大面積(例えば対角40インチ程度)のカラーテレビのディスプレイのいくつかの構成部を低コストで製造するのに極めて有利である。
【0058】
次に本発明のコーティング組成物をカラーテレビのディスプレイパネルに適用した場合の好ましい実施態様を例にして本発明をさらに説明する。
【0059】
図1は、本発明のコーティング組成物がカラーテレビのディスプレイパネルに適用された面放電方式の交流型プラズマディスプレイの概略構造が示されており、符号1、2は、それぞれガス放電空間3を挟んで互いに並行に対向配置された前面基板、背面基板である。これらの前面基板1、背面基板2は所定厚さのガラスから構成されている。
【0060】
前面基板1の背面基板2に対向する面には、X電極4a及びY電極4bからなる電極対が形成されている。これら電極対はガラス製の誘電体層5で被覆されており、更にこの誘電体層5は、本発明のコーティング組成物による酸化マグネシウム層からなる保護層6で被覆されている。また、一方の背面基板2の前面基板1に対向する面には、アドレス電極7、障壁8及び蛍光体9が形成されている。さらに、前面基板1上には反射防止層として、本発明のコーティング組成物による二酸化チタン膜(高屈折率層)10、及び二酸化ケイ素膜(低屈折率層)11が形成されている。
【0061】
図2は、対向放電方式の交流型プラズマディスプレイの概略構造が示されており、前面基板1の背面基板2に対向する面には、X電極4aが形成され、該X電極4aはガラス製の誘電体層5で被覆されており、更にこの誘電体層5は、本発明のコーティング組成物による酸化マグネシウム膜からなる保護層6で被覆されている。また、一方の背面基板2の前面基板1に対向する面には、Y電極4b、誘電体層5、本発明による前記と同様な保護層6、障壁8及び蛍光体9が形成されている。
【0062】
さらに、前面基板1上には反射防止膜層として、二酸化チタン膜(高屈折率層)10、及び二酸化ケイ素膜(低屈折率層)11が形成されている。
【0063】
前記保護層6の形成方法として、本発明ではコーティング組成物をディップコートにより被覆して保護層6を形成することが可能である。ディップコート法で形成される保護層6は、薄膜法による造膜法に比較すると、大面積に対し低コストで造膜が可能であるから、例えば大面積(例えば対角40インチ程度)のカラーテレビのディスプレイを低コストで製造できる。
【0064】
また、加水分解可能な反応部位を有するマグネシウム化合物を主体としたコーティング組成物を誘電体層5に対して塗布・焼成して保護層6を形成することにより、酸化マグネシウムゾル粒子は、誘電体層5の表面上においてその面方向が誘電体層5と平行な状態に生長しながら積層し、その結果、保護層6の積層を極めて薄くすることができる。
【0065】
一般に交流型プラズマディスプレイの保護層は、2μm以下の層厚で形成することが実用上最も必要充分な条件とされているが、この2μm以下の層厚を、本発明の機能性膜の製造方法によれば充分に形成することができる。その保護層6の層厚が、例えば、10μm程度と厚いと、交流型プラズマディスプレイの重要な特性の一つであるメモリ機能の発生源である壁電荷の効果を弱めることになって駆動電圧を高くする必要が生じ、その結果として、駆動回路に用いるトランジスタの電圧を高耐圧仕様にせねばならなくなるが、本発明は上記したように2μm以下の保護層とすることができるので、このような欠点は生じない。
【0066】
ところで、前記本発明のコーティング組成物は、加水分解物の析出がないので、塗布した場合に均一な薄膜を形成することができ、このようなコーティング組成物を用いて形成した酸化マグネシウム膜からなる保護層6は、膜厚の調節が任意で行え、2μm以下程度の層厚の形成が可能となり、しかも膜強度が高いので亀裂により誘電体層5が露出する恐れがない。このように保護層6の層厚を薄くできることにより、駆動電圧の低下を促進することができ、コスト低下を実現することができると共に、ディスプレイ自体の厚さを極めて薄くすることが可能となる。
【0067】
以上の交流型プラズマディスプレイの説明は本発明のコーティング組成物による機能性膜を使用した例を説明するためのものであり、本発明のコーティング組成物、及び機能性膜の適用例は、図1及び図2に示した構造の交流型プラズマディスプレイに限定されるものではない。
【0068】
【実施例】
〔実施例1〕
(コーティング組成物の調製)
以下の組成の混合物を室温で8時間撹拌して、マグネシウムジメトキシドのエタノール溶液を得た。
エタノール 117重量部
マグネシウムジメトキシド 15重量部
ジエタノールアミン 18重量部
次に、上記エタノール溶液20重量部を、窒素雰囲気中で0.42重量部の水が添加されているエタノール70重量部に添加し、室温で5時間撹拌し、無色透明のマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物溶液を得、本実施例1のコーティング組成物とした。
【0069】
(酸化マグネシウム膜からなる保護層の作製)
前記工程で得られたコーティング組成物を図1に示す誘電体層5の表面に対し、コーティング印刷法の一種であるディップコーティング法により大気中で塗布した。塗布膜形成後、乾燥して、500℃で2時間キープした熱処理(焼成)を施した。得られた酸化マグネシウム膜は完全に透明な膜であり、誘電体層5に対して、強い密着性(鉛筆硬度5H以上)を示した。
【0070】
本実施例1の酸化マグネシウム膜からなる保護層の表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×50.0K)を図3に示す。比較のために、図4に、誘電体層5の表面に酸化マグネシウムを真空蒸着して保護層を作製した場合のその表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×50.0K)を示し、図5に、次の比較例1により製造された、マグネシウムジメトキシドが完全加水分解されてなるコーティング組成物により得られた酸化マグネシウム膜からなる保護層の表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×50.0K)を示す。
【0071】
図3〜図5によれば、本実施例1のコーティング組成物を使用して製造された酸化マグネシウム膜からなる保護層は、その表面の粒子が均一で微細であり、緻密な膜が形成されていることが分かる。
【0072】
(パネルの作製)
ガラス製の前面基板1上に真空蒸着法によりクロム電極としてX電極4aを形成し、次いで、真空蒸着法により誘電体層5を形成し、その誘電体層5上に本実施例1の前記酸化マグネシウム膜の形成方法により、酸化マグネシウム膜からなる保護層6を形成した。次いでこの背面基板1の保護層6上にスクリーン印刷で障壁8を形成した後、蛍光性物質を該障壁8に塗布して蛍光体9を形成した。
【0073】
一方、ガラス製の背面基板2上に真空蒸着法により形成したCr電極をパターニングしてY電極4bを形成した後、同じく真空蒸着法で該Y電極4b上に誘電体層5を形成した後に、本実施例1の前記酸化マグネシウム膜の形成方法により、酸化マグネシウム膜からなる保護層6を形成した。前記背面基板2上のCr電極(Y電極4b)の膜厚は2000Å、誘電体層5の膜厚は8000Åであった。
【0074】
前記各工程で得られた両者の基板を保護層を内側にして張り合わせ、障壁8に囲まれた空間部に、He−Xe(1.1%)ペニングガスを500Torr封入して、本実施例1の対向放電交流型プラズマディスプレイを作製した。
【0075】
得られた対向放電交流型プラズマディスプレイに対して、駆動波形が駆動周波数15kHz、デューティ比が23%の交流パルスにより、最小点火電圧Vfと最小維持電圧Vsmを測定した。その結果、最小点火電圧Vf=200V、最小維持電圧Vsm=145V、メモリーマージン(Vf−Vsm)55Vであった。この値は酸化マグネシウム膜として真空蒸着膜を用いた同構造のパネルと比較して、40〜50V高いものであった。しかしメモリーマージンはほぼ同等の55Vであった。
【0076】
これらの測定値から、本実施例1で得られた対向放電交流型プラズマディスプレイにおける酸化マグネシウム膜からなる保護層6は、充分な特性を発揮することがわかる。
【0077】
〔比較例1〕
前記実施例1で調製されたエタノール溶液20重量部を窒素雰囲気中で1.0重量部(マグネシウムジメトキシドの加水分解可能な部位に対し、過剰量)の水を加えたエタノール70重量部に添加し、室温で5時間撹拌したところ、水酸化マグネシウム粒子が形成され、液全体が白濁した。
【0078】
得られた水酸化マグネシウム粒子分散液を前記実施例1の手法と同様にディップコーティング法により大気中で誘電体層5に塗布したが、120℃での乾燥の過程で水酸化マグネシウム粒子が析出し、塗膜にはならなかった。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、機能性膜を、加水分解可能な反応部位を有するマグネシウムジメトキシドからの部分加水分解物より基本的に構成されるコーティング組成物を塗布してなる酸化マグネシウムで構成することにより、膜厚が薄く、しかも、膜強度が優れ、基体に対しても高い密着性を持ち、保護層としても充分に機能し、且つ透明性に優れ、光学物品、電子・電気物品、磁性材料物品における各種機能性膜に利用可能で、例えば、プラズマディスプレイとして利用する場合、視認性が優れ、放電開始電圧や駆動電圧の制御が促進されて消費電力が大幅に低下し、かつディスプレイ自体の厚さの薄化が実現できるといった効果を要する。
【0083】
本発明のコーティング組成物は、マグネシウムジメトキシドを有機溶媒中に溶解又は分散させることができ且つ加水分解反応を律速に行わせることができる機能を有する添加剤を含んでいるので、難溶性のマグネシウムジメトキシドでも有機溶媒への溶解又は分散が促進されてゾル溶液とすることができ、且つ水を存在させた場合には水との接触が均一に行なわれるので、非常に律速な加水分解反応が行われる。このようにして得られるマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物のゾル溶液はその粒子も非常に均一なものとなり、溶液の経時安定性が増加する。したがって、このようなコーティング組成物を用いて形成した機能性膜は、基板密着性が強く、高強度なものとなる。
【0084】
本発明のコーティング組成物は、マグネシウムジメトキシドの部分加水分解物のゾル溶液であるので、完全な加水分解物と比べて基板密着性に優れている。マグネシウムジメトキシドの部分加水分解物のゾル溶液は、完全な加水分解によって得られたMg(OH)2 を原料としたコーティング組成物に比べて基板密着性に優れている。そして、マグネシウムジメトキシドの部分加水分解物は塗膜形成後に、大気中の水分を吸収して加水分解が完全なものとなり、緻密なMg(OH)2 膜となり、密着性が高いものとなる。また、さらに、このMg(OH)2 膜を加熱処理することにより、より密度が高く、より密着性の高い、より高強度なMgO膜とすることができる。
【0085】
また、本発明の機能性膜の製造方法によれば、本発明のコーティング組成物を基体の表面に対しコーティング法を用いて塗布して機能性膜を形成することを特徴としているので、従来の蒸着等の真空処理による薄膜法と比較して大面積(例えば、対角40インチ程度の大画面のカラーテレビのディスプレイ等)に対し低コストで成膜が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーティング組成物がカラーテレビのディスプレイパネルに適用された面放電方式の交流型プラズマディスプレイの概略を示す断面図である。
【図2】本発明のコーティング組成物がカラーテレビのディスプレイパネルに適用された対向放電式の交流型プラズマディスプレイの略図を示す断面図である。
【図3】実施例1の酸化マグネシウム膜からなる保護層の表面の粒子構造を表す電子顕微鏡写真であり、倍率×50.0Kのものである。
【図4】誘電体層5の表面に酸化マグネシウムを真空蒸着して酸化マグネウシム膜からなる保護層を作製した場合のその表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×50.0K)である。
【図5】比較例1により製造された、マグネシウムジメトキシドが完全加水分解されてなるコーティング組成物により得られた酸化マグネシウム膜からなる保護層の表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×50.0K)である。
【符号の説明】
1 前面基板
2 背面基板
3 ガス放電空間
4a X電極
4b Y電極
5 誘電体層
6 保護層
7 アドレス電極
8 障壁
9 蛍光体
10 二酸化チタン膜(高屈折率層)
11 二酸化ケイ素膜(低屈折率層)

Claims (7)

  1. マグネシウムジメトキシドの部分加水分解物より基本的に構成されるコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、
    (1)マグネシウムジメトキシド、
    (2)ジエタノールアミン、
    (3)該マグネシウムジメトキシドのメトキシド基に対する化学量論量未満の水、
    (4)有機溶媒
    から調製されたマグネシウムジメトキシドの部分加水分解物のゾル粒子の粒径が10nm〜100nmのゾル溶液であることを特徴とするコーティング組成物。
  2. 請求項1記載のコーティング組成物に、さらに加水分解反応触媒が添加されていることを特徴とするコーティング組成物。
  3. 請求項1又は2記載のコーティグ組成物に、さらに増粘剤が添加されていることを特徴とするコーティング組成物。
  4. (1)マグネシウムジメトキシドと、ジエタノールアミンとを有機溶媒中に添加して該マグネシウムジメトキシドを溶解又は分散させ、
    (2)次いで、得られた溶液に、該マグネシウムジメトキシドのジメトキシド基に対する化学量論量未満の水を添加して、部分加水分解を行い、
    (3)次いで、得られた部分加水分解物溶液を熟成して水酸化マグネシウムの粒子を成長させて、粒径が10nm〜100nmの安定なゾル溶液とすることを特徴とするコーティング組成物の製造方法。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のコーティング組成物を基体上に塗布し、加熱することにより、機能性膜を形成することを特徴とする機能性膜の製造方法。
  6. 請求項4又は5記載の製造方法により形成された機能性膜。
  7. 前記機能性膜がプラズマディスプレイ用保護層である請求項6記載の機能性膜。
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