JPH08111177A - 交流型プラズマディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

交流型プラズマディスプレイ及びその製造方法

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JPH08111177A
JPH08111177A JP6271827A JP27182794A JPH08111177A JP H08111177 A JPH08111177 A JP H08111177A JP 6271827 A JP6271827 A JP 6271827A JP 27182794 A JP27182794 A JP 27182794A JP H08111177 A JPH08111177 A JP H08111177A
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JP
Japan
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magnesium
layer
magnesium oxide
plasma display
coating liquid
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JP6271827A
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English (en)
Inventor
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
Nobuko Takahashi
伸子 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 化学的手法により簡便で安定且つ低温製膜温
度でも充分に製膜し、放電開始電圧や駆動電圧(消費電
力)の低下が図られ、しかも低コストで製造を可能とす
る交流型プラズマディスプレイの提供。 【構成】 ガス放電空間3を狭んで背面基板2と前面基
板1が対向配置され、一方の基板又は両方の基板には、
誘電体層5に覆われた互いに対となる電極4a,4bが
形成されると共に、誘電体層5の上には保護層6が形成
されてなる交流型プラズマディスプレイにおいて、前記
保護層6が、マグネシウム化合物の加水分解反応により
形成された酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシ
ウムゾルを含むコーティング液を基体上に塗布した後、
加熱して得られる酸化マグネシウム層である交流型プラ
ズマディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流型プラズマディス
プレイ及びその製造方法に係り、特に誘電体層の表面に
形成する保護層の形成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】放電に伴う発光現象をディスプレイに利
用する所謂プラズマディスプレイは、電極の構造から、
放電空間に金属電極が露出している直流型と、金属電極
が誘電体層で覆われている交流型とに大別されるが、こ
れらのディスプレイを薄型且つ大画面のカラーテレビに
用いる場合には、メモリ機能を有しており大型化に対応
可能な交流型が好適である。この交流型プラズマディス
プレイは、電極の配向構造から、面放電方式と対向電極
方式とに分けられるが、いずれの方式においても、前記
誘電体層の表面には保護膜(主として酸化マグネシウム
層)を形成している。
【0003】この保護層の形成方法としては、薄膜法と
してEB蒸着法があり、厚膜法として、酸化マグネシウ
ムの原料である塩基性炭酸マグネシウムをスプレーして
層形成した後に、熱処理して酸化マグネシウム層とする
方法がある(特公昭60−42579号公報、特公昭6
3−59221号公報及び特公昭57−13983号公
報等参照)。又、これらの他に考えられる方法として、
スパッタ法、CVD法及びコーティング法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】上記各方法のうち、
EB蒸着法やスパッタ法、CVD法等の真空プロセスを
用いた方法は、概して生産性が低く製品が高価になると
いう欠点に加え、プラズマディスプレイの様な大きな被
付着物を真空チャンバー内に収納するのが非常に困難で
あるという欠点がある。特に大画面化を想定した場合、
設備費や生産性の点で問題がある。
【0005】コーティング法は、手軽な方法であること
から鋭意検討がなされてきたにもかかわらず、性能上の
目的を達成するには至っていない。その理由としては、
過去に市販されてきた酸化マグネシウム粒子が混入され
たペーストは、そのペーストが有する性質が製造のプロ
セスに合致せず、ディスプレイに必要とされる所望のパ
ネル特性を得られない為と判明した。そして、過去に市
販された酸化マグネシウム粒子混入ペーストの造膜メカ
ニズムは、造膜性を有する有機金属化合物の熱分解によ
る酸化マグネシウム層の形成であり、通常の熱処理プロ
セス(600℃以下)では膜強度や密着性等が不十分で
あったり、熱分解時に膜に亀裂を生じたりするといった
問題を有すると共に、コーティング性についても決して
満足出来るものではなかった。又、混入されている酸化
マグネシウム粒子の粒子径が大きく、更にそのペースト
自体の粘度も大きい為に、層厚の薄化が困難であり、こ
れに伴って放電開始電圧や駆動電圧をなるべく低下させ
たいにもかかわらず、それを実現することが出来ないと
いう不都合があった。
【0006】従って本発明の目的は、従来技術の欠点を
解消し、化学的手法により簡便で安定且つ低温製膜温度
でも充分に製膜し、放電開始電圧や駆動電圧(消費電
力)の低下が図られ、しかも低コストで製造が可能な交
流型プラズマディスプレイ及びその製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、ガス放電空間を
狭んで背面基板と前面基板が対向配置され、一方の基板
又は両方の基板には、誘電体層に覆われた互いに対とな
る電極が形成されると共に、誘電体層の上には保護膜が
形成されてなる交流型プラズマディスプレイにおいて、
前記保護層が、マグネシウム化合物の加水分解反応によ
り形成された酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネ
シウムゾルを含むコーティング液を基体上に塗布した
後、加熱して得られる酸化マグネシウム層であることを
特徴とする交流型プラズマディスプレイ、及びその製造
方法である。
【0008】
【作用】本発明の交流型プラズマディスプレイによれ
ば、誘電体層を覆う保護膜を、前述の如くマグネシウム
化合物を加水分解して得られた酸化マグネシウム及び/
又は水酸化マグネシウム混合ゾルのコーティング液を塗
布してなる酸化マグネシウム層で構成したことにより、
保護層の膜厚が薄くなるに伴って放電開始電圧や駆動電
圧の制御が促進されて消費電力が大幅に低下し、且つデ
ィスプレイ自体の厚さの薄化を実現することが出来る。
【0009】これに加え、酸化マグネシウムを非常に微
小な粒子で、且つ反応性の高いゾルとすることにより、
焼成後に適度の大きさの酸化マグネシウムの粒子がなる
べく積層されない状態で平面的、且つ均一に分布して誘
電体層の表面に形成され、その結果、上述の保護層の薄
化や消費電力の低下が更に促進される。
【0010】ここで、コーティング液中の前記マグネシ
ウム化合物及び/又はその加水分解物、部分加水分解
物、部分縮合物の濃度が、固形分基準で0.1重量%未
満であると、充分な特性を有する保護膜とはならず、一
方、30重量%より多いと形成される保護膜の膜厚が厚
くなりすぎて膜にひび割れ等が生じるので好ましくな
い。
【0011】又、本発明の交流型プラズマディスプレイ
の製造方法によれば、前記マグネシウム化合物を含むコ
ーティング液を誘電体層の表面に対しコーティング法を
用いて塗布することにより保護層を形成することが出来
るので、ディスプレイの大面積化に対し低コストで造膜
が可能であるから、例えば、大面積(例えば、対角40
インチ程度)のカラーテレビのディスプレイを低コスト
で製造するにあたって極めて好適である。
【0012】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。図1は、カラーテレビのデ
ィスプレイ(パネル)に適用される面放電方式の交流型
プラズマディスプレイの概略構造を示しており、符号
1、2は、夫々ガス放電空間3を狭んで互いに平行に対
向配置された背面基板及び前面基板である。これら基板
1及び2は所定厚さのガラスから構成されている。
【0013】前面基板1の背面基板2に面する対向面に
は、X電極4a及びY電極4bからなる電極対4が形成
されている。これら電極対4はガラス製の誘電体層5で
被覆されており、更にこの誘電体層5は、本発明による
酸化マグネシウム層からなる保護層6で被覆されてい
る。又、一方の背面基板2の前面基板1に面する対向面
には、アドレス電極7、障壁8及び蛍光体9が形成され
ている。図2は、対向放電方式の交流型プラズマディス
プレイの概略構造を示しており、前面基板1の背面基板
2に面する対向面には、X電極4aが形成され、該電極
4aはガラス製の誘電体層5で被覆されており、更にこ
の誘電体層5は、本発明による酸化マグネシウム層から
なる保護層6で被覆されている。又、一方の背面基板2
の前面基板1に面する対向面には、Y電極4b、誘電体
層5、本発明による前記と同様な保護層6、障壁8及び
蛍光体9が形成されている。以上の例は本発明を説明す
る為の交流型プラズマディスプレイの例であり、以下に
説明する保護層の構成を除き、本発明は図1及び図2に
示した構造の交流型プラズマディスプレイに限定される
ものではない。
【0014】本発明では、上記保護層6を、マグネシウ
ム化合物の加水分解反応により形成された酸化マグネシ
ウム及び/又は水酸化マグネシウムゾルを含むコーティ
ング液を基板1の誘電体層5上に塗布し、その後、塗布
物を加熱して酸化マグネシウム層とすることによって形
成される。
【0015】前記マグネシウム化合物としては、水と反
応させることによって加水分解し、酸化マグネシウム及
び/又は水酸化マグネシウムが生成することが確認され
ている全てのマグネシウム化合物がいずれも使用可能で
あるが、具体的にはゾル−ゲル法による無機ガラスやセ
ラミックスの前駆体として知られるマグネシウムアルコ
キシド誘導体、マグネシウムアセチルアセトネート誘導
体、又はマグネシウムカルボキシレート誘導体等の有機
金属化合物、並びに対応するマグネシウム硝酸塩、塩化
物、硫酸塩或はそれら無機金属化合物、各々の加水分解
物、部分加水分解物、部分縮合物等から選ばれる1種又
は2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】マグネシウム化合物の加水分解反応は、上
記マグネシウム化合物及び水を反応系内に添加すること
によって進行し、更に加熱することによって反応速度を
増大させることが出来る。又、加水分解反応を均一で効
率良く進行させる為に反応を溶媒中で行うことが好まし
い。溶媒としては特に限定されないが、水、アルコー
ル、エステル、エーテル、或はプロピレンカーボネイ
ト、γ−ブチロラクトン等の有機高誘電率溶媒が使用可
能である。
【0017】酸化マグネシウム膜を形成する為のコーテ
ィング液として、酸化マグネシウム及び/又は水酸化マ
グネシウムゾルを調製する。その際に反応は大量の水溶
液中で行うことが好ましいが、最終的には生成物の溶媒
中での安定性も考慮すると、溶媒としてはアルコール、
特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等を併せて使用することが好ましい。上記コーティン
グ液のマグネシウム化合物濃度の好ましい範囲は、固形
分基準で0.1〜30重量%であるが、より均一なゾル
溶液を得る為には0.1〜10重量%であることが更に
好ましい。
【0018】本発明においては、マグネシウム化合物を
水と反応させることにより加水分解物の生成、加水分解
物同士の縮合反応によるゾルの形成、ゾルを熟成させる
ことによる成長、及び成長したゾルを誘電体層上に塗布
及び加熱して酸化マグネシウム膜を形成するという一連
の反応を行う。その際、加水分解により副生が予想され
る不純物は洗浄により除去することが好ましいが、これ
は、加水分解後に系全体を高pH側にすることで加水分
解物のみを沈澱させ、沈澱物を水で洗浄することで容易
に実現することが出来る。洗浄後、沈澱物は上記した溶
媒に再分散させ、少量の水を添加した後、充分に熟成を
行うことが好ましい。得られたゾルはマグネシウムの酸
化物と水酸化物との混合体である場合が多い。
【0019】又、前記酸化マグネシウム及び/又は水酸
化マグネシウムを調製する際に、酢酸を添加して生成物
を解膠することが好ましい。酸化マグネシウム及び/又
は水酸化マグネシウムの洗浄中或はそれらのゾルを成長
させる過程で、ゾルの凝集性が強い為に次第にゾル凝集
及び沈澱してくるが、その際には、マグネシウム1モル
に対して0.1〜1モルの比率で酢酸を加え、凝集を防
止することが液の安定性やコーティング膜の透明性のう
えで好ましい。
【0020】本発明において、酸化マグネシウムを製造
する反応は室温でも起こり得るが、反応速度を高める為
に溶媒の沸点以下の温度、即ちアルコールの場合、約1
00℃以下まで加熱することが可能である。又、反応時
間は加熱温度により異なるが、1時間〜10時間、例え
ば、80℃の場合、約8時間でゾルが充分に生成及び成
長する。以上の如くして調製したマグネシウム化合物を
含むコーティング液を、前記誘電体層の表面に対しコー
ティング法を用いて塗布し、その後、コーティング物を
焼成することにより、保護層を形成する。
【0021】本発明において反応が終了した溶液はその
まま誘電体層上への塗布液として供し得る。このとき、
低沸点の溶媒を用いた場合、室温下での乾燥で均一な酸
化マグネシウム膜が得られるが、膜の強度を向上させる
こと、水酸化マグネシウムから酸化マグネシウムへ完全
に移行させること、及び膜の結晶性を高めること等の理
由により、焼成温度が300〜600℃程度、焼成時間
が0.5〜5時間程度が好ましい範囲となる。
【0022】誘電体層上へのコーティング液の塗布方法
は、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロール
コーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、
スクリーン印刷法等が挙げられる。かかる方法によって
前記コーティング液を塗布することにより、従来のペー
ストを用いる方法では実現が困難であった酸化マグネシ
ウムのみによる1μm以下の薄膜の保護膜の形成が可能
である。本発明における酸化マグネシウム膜は、交流型
プラズマディスプレイの誘電体層上に形成される保護膜
として使用されるが、特に限定されるものではなくその
他の基体にも目的に応じて使用することが出来る。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。 (酸化マグネシウムコーティング液の調製) 実施例1 塩化マグネシウム6水和物を蒸留水に溶かし、0.2モ
ル/リットルのMg2+水溶液とする。この水溶液に6モ
ル/リットルのアンモニア水をゆっくりと滴下すると白
色多核水酸化物沈澱が生じる。この沈澱を1時間静置し
た後、沈澱物を濾別し、純水で洗浄すると半透明な白色
沈澱物が得られる。濾別した沈澱物を再び純水へ分散さ
せ、Mglモルに対して0.15モルの比率で酢酸を加
え80℃で8時間還流すると、やや粘性のある透明な水
酸化マグネシムゾル分散コーティング液が得られた。
【0024】実施例2 塩化マグネシウム6水和物の代わりに硝酸マグネシウム
6水和物を用いた以外は実施例1と同様の方法でコーテ
ィング液を得た。 実施例3 塩化マグネシウム6水和物の代わりに酢酸マグネシウム
4水和物を用いた以外は実施例1と同様の方法でコーテ
ィング液を得た。
【0025】実施例4 マグネシウムジメトキシドをエタノール50mlに溶か
し、室温で攪拌しながら蒸留水50.0gを加え1時間
反応させる。反応後、酢酸をMglモルに対して0.5
モルの比率で加え、80℃で24時間還流し、透明な水
酸化マグネシムゾル分散コーティング液を得た。 実施例5 マグネシウムジメトキシドの代わりにマグネシウムジエ
トキシドを用いた以外は実施例4と同様の方法でコーテ
ィング液を得た。
【0026】次に交流型プラズマディスプレイの作製
(誘電体層5への酸化マグネシウム層;保護層6の形
成)について説明する。 実施例6 図1は、本発明に構成されたカラーテレビのディスプレ
イ(パネル)に適用される面放電方式の交流型プラズマ
ディスプレイの概略構造を示しており、その内容は前記
説明の通りである。
【0027】上記交流型プラズマディスプレイにおける
保護層6を以下の様にして形成した。実施例1の手法に
より調製した水酸化マグネシウムゾル分散コーティング
液を誘電体層5の表面に対し、コーティング印刷法の一
種であるディップコーティング法を用いて大気中で塗布
する。塗布膜形成後、120℃で1時間乾燥させ、50
0℃で2時間キープの熱処理(焼成)を施す。この後、
水分を最終的に水蒸気として気化させる後処理として適
宜加熱温度でベーキングを施す。
【0028】以上により、酸化マグネシウムよりなる保
護層6が形成されるが、ディップコート法で形成した保
護層6は、薄膜法による造膜法に比較すると、大面積に
対し低コストで造膜が可能であるから、例えば、大面積
(例えば、対角40インチ程度)のカラーテレビのディ
スプレイを低コストで製造出来る。又、上記実施例1の
生成条件で調製したコーティング液を上記の形成条件で
誘電体層5に対して塗布及び焼成して保護層6を形成す
ることにより、酸化マグネシウムゾル粒子は、誘電体層
5の表面上において、その面方向が誘電体層5と平行な
状態に成長しながら積層し、その結果、保護層6の積層
を極めて薄くすることが出来る。
【0029】一般に交流型プラズマディスプレイの保護
層は、2μm以下の層厚で形成することが実用上最も必
要充分な条件とされているが、この2μmの層厚を、上
記方法により充分に形成し得る。その保護層6の層厚で
あるが、層厚が例えば、10μm程度と厚いと、交流型
プラズマディスプレイの重要な特性の一つであるメモリ
機能の発生源である壁電荷の効果を弱めることになって
駆動電圧を高くする必要が生じ、その結果として、駆動
回路に用いるトランジスタの電圧を高耐圧仕様にせねば
ならなくなる。
【0030】ところが、上記実施例の如く形成した酸化
マグネシウムの保護層6は、膜厚の調整が任意で行なえ
るので、2μm程度の厚さの保護層の形成が可能で、し
かも亀裂により誘電体層5が露出する恐れが無い。この
様に保護層6の層厚を薄く出来ることにより、駆動電圧
の低下を促進することが出来、コスト低下を実現するこ
とが出来ると共に、ディスプレイ自体の厚さを極めて薄
くすることが可能となる。
【0031】実施例7(パネル特性の測定) 測定に用いたパネルは、前面ガラス基板上にスクリーン
印刷でバリアリブを形成した後、蛍光体を塗布したもの
と、背面ガラス基板上に真空蒸着法により形成したCr
電極をパターニング後、同じく真空蒸着法で電極上に絶
縁層を形成した後、本発明の方法で酸化マグネシウム膜
を形成したものを張り合わせたものである。ここでCr
電極の膜厚は2000Å、絶縁層膜厚は8000Å、封
入ガスは、He−Xe(1.1%)ペニングガスを50
0Torr封入した。
【0032】駆動波形は駆動周波数15kHz、デュー
ティ比23%の交流パルスである。測定の結果、最小点
火電圧Vf=200V、最小維持電圧Vsm=145
V、メモリーマージン(Vf−Vsm)55Vであっ
た。この値は酸化マグネシウム膜の形成に真空蒸着膜を
用いた同構造のパネルと比較して40〜50V高い。し
かしメモリーマージンはほぼ同等の55Vであった。
又、実施例2〜6のコーティング液を用いて上記と同様
にして形成した酸化マグネシウム保護層も同等な効果が
確認された。
【0033】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の交流型プラ
ズマディスプレイによれば、誘電体層を覆う保護層が、
マグネシウム化合物の加水分解で得られた酸化マグネシ
ウム及び/又は水酸化マグネシウム混合ゾルのコーティ
ング液を塗布してなる酸化マグネシウム層で構成したこ
とにより、保護層の膜厚が薄くなるに伴って放電開始電
圧や駆動電圧の制御が促進されて消費電力が大幅に低下
し、且つディスプレイ自体の厚さの薄化が実現出来ると
いった効果を奏する。
【0034】又、本発明の交流型プラズマディスプレイ
の製造方法によれば、上記コーティング液を誘電体層の
表面に対しコーティング法を用いて塗布することにより
保護層を形成することを特徴としており、コーティング
法は大面積に対し低コストで造膜が可能であるから、例
えば、大面積(例えば、対角40インチ程度)のカラー
テレビのディスプレイを低コストで製造するにあたって
極めて好適である。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面放電方式の交流型プラズマディスプ
レイの概略を示す断面図。
【図2】本発明の対向放電方式の交流型プラズマディス
プレイの概略を示す断面図。
【符号の説明】
1:前面基板 2:背面基板 3:ガス放電空間 4a:X電極 4b:Y電極 4:電極対 5:誘電体層 6:保護層 7:アドレス電極 8:障壁 9:蛍光体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス放電空間を狭んで背面基板と前面基
    板が対向配置され、一方の基板又は両方の基板には、誘
    電体層に覆われた互いに対となる電極が形成されると共
    に、誘電体層の上には保護膜が形成されてなる交流型プ
    ラズマディスプレイにおいて、前記保護層が、マグネシ
    ウム化合物の加水分解反応により形成された酸化マグネ
    シウム及び/又は水酸化マグネシウムゾルを含むコーテ
    ィング液を基体上に塗布した後、加熱して得られる酸化
    マグネシウム層であることを特徴とする交流型プラズマ
    ディスプレイ。
  2. 【請求項2】 マグネシウム化合物が、マグネシウム有
    機金属化合物、マグネシウム無機金属化合物、それらの
    加水分解物、部分加水分解物及び部分縮合物から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1に記載の交流型プラズ
    マディスプレイ。
  3. 【請求項3】 コーティング液のマグネシウム化合物の
    濃度が、固形分基準で0.1〜30重量%である請求項
    1に記載の交流型プラズマディスプレイ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の交流型プラズマディス
    プレイの製造方法において、前記保護層を、マグネシウ
    ム化合物の加水分解反応により形成された酸化マグネシ
    ウム及び/又は水酸化マグネシウムゾルを含むコーティ
    ング液を基体上に塗布した後、加熱して酸化マグネシウ
    ム層として形成することを特徴とする交流型プラズマデ
    ィスプレイの製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグ
    ネシウムを調製する際に、酢酸添加による解膠処理を含
    むことを特徴とする請求項4に記載の交流型プラズマデ
    ィスプレイの製造方法。
  6. 【請求項6】 マグネシウム化合物を含むコーティング
    液を、誘電体層の表面に対しコーティング法を用いて塗
    布した後、該コーティング物を焼成して保護層を形成す
    る請求項4に記載の交流型プラズマディスプレイの製造
    方法。
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