JP3091606B2 - 透明導電膜形成用組成物の作製方法および透明導電膜の形成方法 - Google Patents

透明導電膜形成用組成物の作製方法および透明導電膜の形成方法

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JP3091606B2 JP05211003A JP21100393A JP3091606B2 JP 3091606 B2 JP3091606 B2 JP 3091606B2 JP 05211003 A JP05211003 A JP 05211003A JP 21100393 A JP21100393 A JP 21100393A JP 3091606 B2 JP3091606 B2 JP 3091606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、セラミックス
等の基板上に、透明導電膜を形成するための組成物の作
製方法および透明導電膜の形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子、エレクトロルミネッセン
ス表示素子などの表示素子類の電極や、自動車、航空
機、建築物などの窓ガラスの防曇または氷結防止のため
の発熱抵抗体として、可視光に対して高透過性を有する
電極材料が使用されている。このような透明導電性材料
として、酸化スズ・酸化アンチモン(ATO)や酸化イ
ンジウム・酸化スズ(ITO)などが知られており、こ
れらの金属酸化物はガラスまたはセラミック基板上に容
易に被膜を形成し、透明導電膜とすることができる。透
明導電膜の形成方法としては、(1)真空蒸着法、(2)スパ
ッタリング法、(3)CVD法、(4)塗布法が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の(1)、(2)、(3)
の方法は、装置が複雑かつ高価であり、コストと量産性
に問題がある。また、(4)の方法は、上記の(1)、(2)、
(3)の方法の問題点を解決する可能性を有しているもの
の、実用に耐えうる膜を形成することが困難であった。
従来、硝酸インジウム、塩化インジウム、塩化第二スズ
等の無機化合物の有機溶媒溶液を使用した場合は、形成
される膜に白濁を生じたり、得られる膜の機械的強度が
不足して容易に傷がついたりする等の欠点がある。ま
た、硝酸インジウム、塩化インジウム等の無機インジウ
ム化合物と、スズのカルボン酸塩またはジカルボン酸塩
の有機溶媒溶液を使用した場合、得られる膜の機械的強
度不足は改善されるものの、形成される膜にピンホ−ル
やマイクロクラックを生じる等膜質に欠点があった。
【0004】本発明は、上記課題を解決するもので、低
抵抗、かつ高透過率で、ピンホ−ルやマイクロクラック
のない透明導電膜およびそのような透明導電膜形成用組
成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、少なくとも加水分解性の結晶水を含む無
機インジウム化合物と、加水分解性の有機スズ化合物
と、インジウムとスズのいずれにも配位可能な有機化合
物と、水分量が0.002重量%(以下、単に%で表
す)以下の有機溶媒からなる溶液を加熱処理して、前記
インジウム化合物およびスズ化合物を部分的に加水分解
させることにより透明導電膜形成用組成物を作製するも
のである。
【0006】また、本発明による透明導電膜の形成方法
は、少なくとも加水分解性の結晶水を含む無機インジウ
ム化合物と、加水分解性の有機スズ化合物と、インジウ
ムとスズのいずれにも配位可能な有機化合物と、水分量
が0.002%以下の有機溶媒を含む溶液を加熱処理し
て、前記インジウム化合物とスズ化合物を部分的に加水
分解させる工程と、得られる組成物を基板に塗布、乾燥
した後、焼成してITO膜を形成する工程とを有する。
【0007】ここで、前記スズ化合物とインジウム化合
物の配合割合は、インジウムとスズの重量に換算し、か
つ式スズ/(インジウム+スズ)で表すとき、0.05
〜0.20であることが好ましい。
【0008】
【作用】本発明は、上記のように、無機インジウム化合
物、有機スズ化合物、インジウムとスズのいずれとも配
位可能な有機化合物、および水分量を調整した有機溶媒
からなる溶液を加熱処理する工程を有し、この加熱処理
により、インジウムとスズの中間複合化合物を形成し、
スズの蒸散による膜の不均一化を抑え、低抵抗率で高透
過率の膜を与えるものである。また、水分量を調整した
溶媒を用いることは、組成物中の水分量を減少させ、膜
を形成するための熱分解時において、組成物中の水分に
よるピンホ−ルやマイクロクラック等の膜質劣化を抑止
する効果がある。すなわち、透明導電膜形成用組成物に
用いる個々の原料中に含まれる総水分量が、加水分解に
必要となる水分量よりも過剰に存在すると、この過剰の
水分がピンホールやマイクロクラック等の生成を引き起
こす原因となる。このため、本発明では、加水分解に必
要とする水分は無機インジウム化合物の結晶水を利用
し、その他の過剰水分を減少させるため、特に溶媒中の
水分量を調整した前記組成物を用いるものである。本発
明による組成物を基板に塗布、焼成して得られる膜は、
低抵抗、高透過率で、ピンホールやマイクロクラック等
の少ない良好な膜質を与える。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の詳細をその好ましい実施例
により説明する。本発明の透明導電膜形成用組成物は、
以下のようにして合成される。用いる加水分解性の無機
インジウム化合物は、インジウムやスズと配位可能な有
機化合物と置換できるような配位子を持つもので、例え
ば硝酸インジウム、塩化インジウム等が挙げられる。こ
れらの化合物に含まれる結晶水は、部分的に加水分解す
る際に消費される水分である。
【0010】次に、このインジウム化合物に対して、イ
ンジウムとスズに一部配位する有機化合物を混合するこ
とは、インジウムとスズの中間複合化合物の形成を助
け、加水分解速度の制御に有効である。インジウムとス
ズに配位可能な有機化合物としては、例えば、β−ジケ
トン類、α−またはβ−ケトン酸類、前記ケトン酸類の
エステル類、α−またはβ−アミノアルコ−ル類が挙げ
られる。さらに、前記溶液に有機溶媒とスズ化合物を加
える。ここで、有機スズ化合物としては、空気中では比
較的安定であるが、加熱処理により容易に加水分解し易
いものであればよい。例えば、カルボン酸スズ、ジカル
ボン酸スズ、スズエトキシド等が挙げられ、炭素数が小
さい、ギ酸スズ、酢酸スズ、シュウ酸スズが好ましい。
【0011】また、前記有機溶媒としては、本発明で用
いる有機化合物や無機化合物を溶解するものであればよ
い。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、
エタノ−ル、イソプロパノ−ル等のアルコ−ル類、酢酸
エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、アセトン、ジ
エチルケトン等のケトン類、メトキシエタノ−ル、エト
キシエタノ−ル等のエ−テル類、テトラヒドロフラン等
が挙げられる。さらに、成膜の際、ピンホ−ルやマイク
ロクラック等の生成による膜質の劣化を抑制するため
に、これらの溶媒の含有する水分量は、0.002%以
下の範囲とする。なお、脱水方法としては、モレキュラ
ーシーブを用いる方法がよい。また、溶媒中の水分量の
測定方法は、カ−ルフィッシャ−反応に基づく電量法に
よるのがよい。
【0012】そして、上記の原料から調製される溶液を
加熱処理する温度としては、その溶液の還流温度付近も
しくはそれ以上が好ましい。最後に加熱処理後の溶液を
室温まで冷却し、透明導電膜形成用組成物を得る。この
とき、前記溶液の増粘効果や透明導電膜形成用組成物を
基板に塗布、乾燥して得られる被膜の安定性を与えるた
めに、多価アルコールを加えてもよい。例えば、グリコ
−ル類や3価のアルコ−ル類が挙げられるが、炭素数が
小さく、熱分解時の炭素残留の少ない、エチレングリコ
−ルやグリセリンが好ましい。
【0013】このようにして得られる透明導電膜形成用
組成物を基板に塗布、乾燥した後、焼成して、透明導電
膜を形成する。ここで、透明導電膜形成用組成物の塗布
には、スクリ−ン印刷法、ロ−ルコ−ト法、ディップコ
−ト法、スピンコ−ト法等を用いることができるが、デ
ィップコ−ト法、スピンコ−ト法が好ましい。また、焼
成温度としては、透明導電膜形成用組成物が分解する温
度以上で、かつ基板の変形温度以下であればよく、40
0〜700℃が好ましい。以下、さらに詳細な実施例に
よって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によ
って限定されるものではない。
【0014】[実施例1]1リットルの三角フラスコ
に、45gの硝酸インジウムIn(NO33・3H2O
を秤量し、50gのアセチルアセトンを加えて、室温で
混合、溶解させる。その溶液に、8.1gのシュウ酸第
一スズSnC24と水分量0.0018%に脱水処理し
たアセトンを加えて還流する。その還流後の溶液を、室
温付近まで冷却し、10gのグリセリンを加えて攪拌、
混合し、透明導電膜形成用組成物を合成する。ここで、
前記スズ化合物とインジウム化合物の配合割合は、スズ
(Sn)とインジウム(In)の重量に換算し、かつ式
Sn/(In+Sn)で表して0.10である。
【0015】上記で得られた透明導電膜形成用組成物
に、SiO2を被覆した並ガラス基板を60cm/分の
引き上げ速度でディップコートする。その基板を5分間
室温で放置し、100℃で5分間乾燥した後、500℃
で1時間焼成する。こうして厚み0.05μmの透明導
電膜を得る。
【0016】[実施例2]アセトンの代わりに水分量
0.002%に脱水処理したエタノールを用いる他は実
施例1と同じとする。 [実施例3]アセトンの代わりに水分量0.0018%
に脱水処理したイソプロパノールを用いる他は実施例1
と同じとする。
【0017】[比較例1]電子工業用のアセトンに対し
て、水分量3.0%となるように純水を加えたアセトン
を用いる他は実施例1と同じとする。 [比較例2]電子工業用のアセトンに対して、水分量
5.0%となるように純水を加えたアセトンを用いる他
は実施例1と同じとする。
【0018】[比較例3]アセトンの代わりに、電子工
業用の水分量0.05%のエタノールを用いる他は実施
例1と同じとする。 [比較例4]アセトンの代わりに、電子工業用の水分量
0.01%のイソプロパノールを用いる他は実施例1と
同じとする。
【0019】上記の実施例および比較例により得られた
透明導電膜のシート抵抗、550nmの可視光の透過率
および膜質の評価結果を、用いた有機溶媒の含有水分量
とともに表1に示す。なお、膜質の評価は、用いたガラ
ス基板(大きさ170×100mm)中に生じるピンホ
ール、マイクロクラックの数が10個以上の場合は×、
5個以上は△、4個以下は○、0個の場合は◎でそれぞ
れ表す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、導電性に優れ、表面の
膜質が良好で、高い透過率を有する透明導電膜を容易に
かつ安価に得ることができ、表示素子や発熱抵抗体の透
明電極等の用途に適するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−84809(JP,A) 特開 平5−28834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 13/00 H01B 5/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも加水分解性の結晶水を含む無
    機インジウム化合物と、加水分解性の有機スズ化合物
    と、インジウムとスズのいずれにも配位可能な有機化合
    物と、水分量が0.002%以下の有機溶媒からなる溶
    液を加熱処理して、前記インジウム化合物およびスズ化
    合物を部分的に加水分解させる工程を有することを特徴
    とする透明導電膜形成用組成物の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記スズ化合物とインジウム化合物の配
    合割合が、インジウムとスズの重量に換算し、かつ式ス
    ズ/(インジウム+スズ)で表すとき、0.05〜0.
    20である請求項1記載の透明導電膜形成用組成物の作
    製方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも加水分解性の結晶水を含む無
    機インジウム化合物と、加水分解性の有機スズ化合物
    と、インジウムとスズのいずれにも配位可能な有機化合
    物と、水分量が0.002%以下の有機溶媒を含む溶液
    を加熱処理して、前記インジウム化合物とスズ化合物を
    部分的に加水分解させる工程と、得られる組成物を基板
    に塗布、乾燥した後、焼成してITO膜を形成する工程
    とを有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
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