JP3812703B2 - カッターナイフ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステップ的にカッター刃の位置規制がされるカッターナイフ、特に、カッター刃の装填が容易にできるカッターナイフに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オートロック型のカッターナイフは、カッター刃の出入が確実であり、また、使用時にカッター刃を簡単にロックできるので、使いやすいという利点がある。このようなカッターナイフにおいて、替え刃を内装したものがある。実公昭57−51010号公報、実公昭52−4640号公報、特公昭50−8840号公報に見られるカートリッジ式カッタナイフでは、複数枚の替え刃を内蔵できるように構成されている。
【0003】
図8は、従来の替え刃を収納するカートリッジの一例の説明図である。図中、12はカートリッジ、12aは替え刃挿入口、13はカッター刃である。替え刃交換時には、カートリッジ12をカッター本体より一旦完全に引き出し、カッター刃13を替え刃として、カートリッジ12の先端部の替え刃挿入口12aから複数枚を差し込む。このようにして、カートリッジ12にカッター刃13を装着した後、カートリッジ12をカッター本体に装着するが、カッター刃13を単にカートリッジ12に緩く挿入する構造では、カッター刃13がカートリッジ12から外れるという不安定要素が大きい。カッター刃13の脱落を防止するため、カッター刃13をカートリッジにある程度しっかりと装着するような構造にカートリッジ12を構成すると、カートリッジ12にカッター刃13を装着し難いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に問題点を解決するためになされたもので、カッター刃の装填が容易なカッターナイフを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カッター刃を収容するカートリッジと、該カートリッジを収納するとともに、前記カッター刃をガイドするガイド部材と、該ガイド部材を固定するボディ部材と、前記ガイド部材に移動可能に設けられて前記カッター刃を出し入れするスライダー部材を有するカッターナイフであって、前記カートリッジは、前記ガイド部材に引き出し可能に内挿されているとともに、複数枚の前記カッター刃を収容できる凹部が形成されており、該凹部には刃上げスプリングにより上方に付勢され、前記カッター刃を載置する可動台が上下動可能に取り付けられており、前記スライダー部材には、前記カートリッジに収容された前記カッター刃のスライダー係合孔に係合して前記カッター刃を出し入れするためのカッター刃係合突起が設けられており、前記ガイド部材と前記カートリッジに、前記カートリッジが前記ガイド部材から引き出されて前記カッター刃を前記カートリッジの前記凹部に収容することができる位置で前記カートリッジが前記ガイド部材から引き抜かれることを防止するためのストッパー機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本発明のカッターナイフの第1の実施の形態を説明するためのもので、図1は全体構成を示す斜視図、図2はカートリッジを引き出してカッター刃を収容する状態の斜視図、図3はカートリッジとスライダー部材の分解斜視図、図4はカッター本体部の分解斜視図、図5は各部を裏側からみた斜視図で、図5(A)はガイド部材とカートリッジを分離した状態の斜視図、図5(B)はガイド部材にカートリッジを挿入してカートリッジを引き出した状態の斜視図、図5(C)はガイド部材にカートリッジを挿入した状態の斜視図、図6はカートリッジの背面図と断面図である。図中、1はボディ部材、1aは刃上げスプリング固定溝、1bはビス孔、1cは凸部、2はガイド部材、2aは係止部、2bはカートリッジ係合孔、2c,2dはカッター刃規制部、2eはスプリング孔、2fはビス孔、2gは止め具、2hは窓孔、3はカートリッジ、3aは把持部、3bはフック部、3cは凹部、3dは窓孔、3eはスプリング孔、3fはスライド溝、3gはスライド溝先端部、3hは非溝部、4はスライダー部材、5はカッター刃、5aはスライダー係合孔、6は可動台、6aは係合突起、7は刃上げスプリング、8はスライダー本体部材、8aはカッター刃係合突起、9は操作部材、10はスライダースプリング、11はビスである。
【0007】
図1により概要を説明する。ボディ部材1の外形は、図ではほぼ角柱状であるが、カッターの使用にあたって、把持する部分であり、適宜の形状、例えば、握りやすい形状など、使いやすさとデザイン等を考慮して適宜の形状に設計されるのがよく、合成樹脂で作成されるのがよい。ガイド部材2は、カートリッジ3を収納するとともに、カッター刃をガイドするものであり、金属板を折り曲げて形成されるが、合成樹脂で作成されてもよい。スライダー部材4は、カッター刃5の出し入れをするためのものであり、図では基本的な構成を示しており、操作しやすいノブ状の形状など、操作しやすい形状とするのがよい。
【0008】
カートリッジ3は、ガイド部材2に内挿され、引き出し可能に構成されている。図2はカートリッジ3を引き出した状態であり、この状態で把持部3aを押してガイド部材2に押し込むと図1の状態となる。押し込んだとき、フック部3bの突出部がガイド部材2のカートリッジ係合孔2b(図4)に係合して、カートリッジ3をガイド部材2から抜けにくくしている。把持部3aに力を加えて引き出せば、カートリッジ3をガイド部材2から引き出すことができる。カートリッジ3を引き出した図2の状態では、カッター刃5を収納できる。カートリッジ3にカッター刃5の複数枚を収容できる凹部3c(図3)が形成されており、凹部3cにはカッター刃5を載置できる可動台6が上下動可能にカートリッジ3に取り付けられられている。可動台6は、カートリッジ3がガイド部材2に押し込まれた状態、つまり、使用状態において、刃上げスプリング7で上方に付勢される。ガイド部材2の上面の内側に向かい合う側縁の一方には多数の凹部よりなる係合部2aが形成されており、スライダー部材4のスライダースプリング10の先端を係止させて、カッター刃の位置規制を行なう。
【0009】
図3は、カートリッジ3とスライダー部材4の分解図である。図3は、カートリッジ3の凹部3cと可動台6との関係がよく分かる図である。すなわち、凹部3cの側縁に窓孔3dが4箇所に設けられている。一方、可動台6の側縁に係合突起6aが突出されている。凹部3cの上方から、可動台6を押し込むようにして、可動台6を凹部3cに取り付ける。カートリッジ3および可動台6の一方または双方の材料として合成樹脂、例えば、ポリエチレンを用い、弾性変形を利用して、可動台6を凹部3cに押し込むことができる。凹部3cの底部に設けられたスプリング孔3eは、刃上げスプリングを通すためのスリット状の孔である。
【0010】
スライダー部材4は、スライダー本体部材8に操作部材9が前後方向に移動可能に取り付けられ、その間にスライダースプリング10が設けられており、ガイド部材2の上面の内側に向かい合った側縁をガイドとして前後に移動可能である。スライダー本体部材8の前方に延びる舌状の部分には、下方に突出するカッター刃係合突起8aが形成されており、カッター刃5のスライダー係合孔5aに係合して、スライダー部材4の前後方向の移動により、カッター刃5を出し入れする。操作部材9の内側には4個の係合爪が形成されており、この係合爪がスライダー本体部材8の両側部に形成された4個の係合孔に係合して、スライダー本体部材8に操作部材9が取り付けられる。係合孔を前後方向に長く形成して、スライダー本体部材8に対して、操作部材9の前後方向の移動が可能となっており、操作部材9には、カム部分が形成されており、スライダー本体部材8に対して前方または後方への移動により、スライダースプリング10を後退させて、ガイド部材2の係止部2aへの係止を解除させてスライダー部材4をガイド部材2に対して移動させることができる。
【0011】
図4は、カッター本体部の分解図である。カッター本体部は、ボディ部材1とガイド部材2が主要な構成部品である。ボディ部材1の内面底部には、刃上げスプリング固定溝1aとビス孔1bが設けられている。ガイド部材2には、上述した係止部2aとカートリッジ係合孔2bが設けられているほかに、カッター刃規制部2c,2dが形成されている。カッター刃規制部2c,2dは、下方に膨出させた部分であり、カッター刃が通る隙間を規制して、カッター刃を押さえ込むようにしてがたつきを抑えるためのものである。
【0012】
ボディ部材1に刃上げスプリング7を載置し、上からガイド部材2を載せ、ビス孔2f(図5)とビス孔1bを一致させた状態でビス11によりガイド部材2をボディ部材1に固定してカッター本体部を組み立てることができる。
【0013】
図5は、カートリッジ3をガイド部材2に取り付ける方法の説明図である。図は、裏側からみた斜視図である。ガイド部材2の後端部近傍に、止め具2gが設けられて、カートリッジ3に形成されたスライド溝3fと非溝部2hの境界部分とによりストッパー機構が構成されている。止め具2gは、ガイド部材2の底面の一部を切り欠いて、内側に曲げて、ストッパーとなるようにしたものである。一方、カートリッジ3の底面には、止め具2gにスライドするスライド溝3fが形成されている。スライド溝3fは、カートリッジ3の先端部の非溝部2hの手前のスライド溝先端部3gまで形成されている。
【0014】
図5(A)に示す状態で、ガイド部材2の後端側からカートリッジ3の先端部を押し込む。このとき、カートリッジ3の前端のスライド溝が形成されていない非溝部2hは、止め具2gをその弾性に抗して押し上げて通過し、カートリッジ3をガイド部材2に取り付けることができる。図5(C)は、カートリッジ3をガイド部材2にセットした状態である。カートリッジ3をガイド部材2に対して引き出すと、図5(B)に示すように、止め具2gが、カートリッジ3のスライド溝3fと非溝部2hとの境界のスライド溝先端部3gの位置にある立ち上がり部分に係合して、それ以上カートリッジ3を引き出すことはできない。図5(B)の状態を見た図が図2であり、この状態で、カッター刃をカートリッジ3に収容することができる。
【0015】
図6,図7は、本発明のカッターの第2の実施の形態におけるストッパー機構を説明するための断面図であり、図6は分解した状態の断面図、図7は組み立てた状態の断面図である。図中、図1〜図5と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。1cは凸部、2hは窓孔である。
【0016】
この実施の形態では、図5で説明した止め具2gに代えて、図6に示すように、ボディ部材1に凸部1cを形成した。ガイド部材2には、凸部1cに対応する位置に窓孔2hが設けられており、組み立てた状態では、図7の拡大図に示すように、凸部1cがガイド部材2の窓孔を通してその上まで突出し、スライド溝3fに係合する。したがって、止め具2gと同様に作用し、カートリッジ3がガイド部材2から引き抜かれることを防止できる。
【0017】
なお、ストッパー機構をカートリッジ3の底面側に設けたが、カートリッジ3の側方側に設け、カートリッジ3を両側または片側から止めるようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、カッター刃の装填に際して、従来のカッターナイフのように、カートリッジを引き抜く必要がなく、容易にカッター刃を装填できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカッターナイフの第1の実施の形態の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のカッターナイフのカートリッジを引き出してカッター刃を収容する状態の斜視図である。
【図3】図1のカッターナイフのカートリッジとスライダー部材の分解斜視図である。
【図4】図1のカッターナイフのカッター本体部の分解斜視図である。
【図5】図1のカッターナイフの各部を裏側からみた斜視図である。
【図6】本発明のカッターの第2の実施の形態におけるストッパー機構を説明するための分解した状態の断面図である。
【図7】図6のカッターナイフの組み立てた状態の断面図である。
【図8】従来の替え刃を収納するカートリッジの一例の説明図である。
【符号の説明】
1…ボディ部材、1a…刃上げスプリング固定溝、1b…ビス孔、1c…凸部、2…ガイド部材、2a…係止部、2b…カートリッジ係合孔、2c,2d…カッター刃規制部、2e…スプリング孔、2f…ビス孔、2g…止め具、2h…窓孔、3…カートリッジ、3a…把持部、3b…フック部、3c…凹部、3d…窓孔、3e…スプリング孔、3f…スライド溝、3g…スライド溝先端部、3h…非溝部、4…スライダー部材、5…カッター刃、5a…スライダー係合孔、6…可動台、6a…係合突起、7…刃上げスプリング、8…スライダー本体部材、8a…カッター刃係合突起、9…操作部材、10…スライダースプリング、11…ビス。
Claims (1)
- カッター刃を収容するカートリッジと、該カートリッジを収納するとともに、前記カッター刃をガイドするガイド部材と、該ガイド部材を固定するボディ部材と、前記ガイド部材に移動可能に設けられて前記カッター刃を出し入れするスライダー部材を有するカッターナイフであって、
前記カートリッジは、前記ガイド部材に引き出し可能に内挿されているとともに、複数枚の前記カッター刃を収容できる凹部が形成されており、該凹部には刃上げスプリングにより上方に付勢され、前記カッター刃を載置する可動台が上下動可能に取り付けられており、
前記スライダー部材には、前記カートリッジに収容された前記カッター刃のスライダー係合孔に係合して前記カッター刃を出し入れするためのカッター刃係合突起が設けられており、
前記ガイド部材と前記カートリッジに、前記カートリッジが前記ガイド部材から引き出されて前記カッター刃を前記カートリッジの前記凹部に収容することができる位置で前記カートリッジが前記ガイド部材から引き抜かれることを防止するためのストッパー機構が設けられていることを特徴とするカッターナイフ。
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