JP3812211B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に係り、特に画像作成装置から出力される画像データの展開処理や色変換処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の画像作成装置で作成された画像を紙へ印刷するにはプリンタ等の印刷装置が必要である。印刷装置は、通常、画像作成装置から出力される種々の画像データを処理し、印刷装置で印刷可能な画素の並びで表現された画像データに展開する画像処理装置を備える。画像処理装置は、印刷に直接的に使用される画素データ以外に、その個々の画素データの種別、例えば文字、図形、ラスター画像等の属性を示すタグデータを利用することが多い。タグデータは印刷装置の種類によって様々な用途に用いられるが、主なものを挙げると色変換に関するものとスクリーン生成に関するものとがある。
【0003】
一般に、画像作成装置と印刷装置とでは、異なる色空間によって画素の色を表現するのが普通である。具体的には画像作成装置はRGB色空間によって画素の色を表現し、印刷装置ではCMYK色空間によって画素の色を表現することが多い。画像作成装置はディスプレイ等の光を発する表示装置を用いているため、色を表現する際にRGB色空間によって画素の色を表現する方が処理が容易であり、印刷装置は、色素を配合させて色を表現しているため、CMYK色空間によって画素の色を表現する方が処理が容易だからである。
【0004】
よって、印刷装置は画像作成装置から出力されたRGB色空間で表現された画像データをCMYK色空間で表現された画像データに変換する必要がある。RGB色空間からCMYK色空間に変換する際には、画像作成装置から出力される画像データの種類に関わらず同じ条件で色変換を行えば良いわけではない。例えば、画像作成装置から出力される画像データが文字データである場合、図形の描画命令データである場合、又は元々画素の集合で表現されたラスタ画像データである場合の各々の場合について異なる条件の色変換が必要となる。
【0005】
ここで、画像処理装置において色空間を変換する方法としては、種々の方法が考えられる。
まず考えられるのは、画像作成装置から出力された画像データに基づいて展開等を行って印刷装置が直接必要とする画素データに変換する時点で、色空間もRGB色空間からCMYK色空間に変換する方法である。この方法は、画像作成装置で作成された画像データの種類が文字データであるのか、図形データであるのか、又はラスタ画像データであるのかに応じて、その場で色変換の条件を変えることができる。このため、この方法で色変換を行う場合には、上述したようなタグデータによって色変換の条件を指示する必要が無い。
【0006】
次に考えられるのは、画像作成装置から出力される画像データをRGB色空間のまま印刷装置が直接必要とする画素データに展開し、印刷を行う1頁の画素データが全て揃った時点で、画素データ毎に色空間の変換を行う方法である。この方法は、画像作成装置から出力された画像データが画素データに展開された時点で、その画素データには、元の画像データの種類が文字データなのか、図形データなのか、又はラスタ画像データなのかという情報を記憶させておくことはできない。従って、そのままでは後の段階で色変換を実行する際に、元の画像データの種類に応じた条件で色変換できなくなってしまう。
【0007】
この不都合を回避する方法として、画像作成装置から出力された画像データを画素データに展開する際に、この画像データの種類の情報をタグデータとして画素データを記録するメモリとは独立した別のメモリに記録する方法が考えられる。この方法を用いて色空間の変換を行うと、画素データ毎にメモリに記憶されたタグデータを参照して元の画像データの種類に応じた条件で色変換を行えるので上記の不都合は回避できる。
【0008】
次に、スクリーン生成のためにタグデータを利用する場合について考える。
画像作成装置が出力する様々な画像データの種類に応じて上記のように色変換の条件だけではなく印刷装置で使用するスクリーンの条件も変える必要がある。例えば、文字データに対しては線数の細かなスクリーンを使用することによって、画像の階調性よりも文字の輪郭の形状、例えば輪郭の滑らかさを優先する。一方ラスタ画像データに対しては、線数の粗いスクリーンを使用して、輪郭の形状よりも階調性を重視するような使い分けが必要である。
【0009】
スクリーンは、常に印刷の直前の最終処理段階として、展開済みの画素データを用いて生成される。このため、元の画像データの種類に応じて異なる条件でスクリーンを生成するためには、画像データの種類の情報を保存するタグデータを参照することが不可欠となる。なぜならば、画素データ自体には画像データの種類に関する情報を保存できないからである。
【0010】
さて、こうしたタグデータを利用する場合にこれを効率的にメモリに記憶する技術が特開平8−9175号公報に開示されている。すなわち、同公報には、画像データを表す画像信号以外に、上記タグデータに相当する画像種別信号を入力して、画素毎に異なった色変換処理を施す色変換手段を有する画像形成装置が開示されている。ここで、タグデータは、画素データの任意の位置で変化することが要求されるので、タグデータには基本的に画素データと同等の解像度が必要である。一方、タグデータは、画素の値毎に変化する必要は無く、画像データの種類が変化する部分で変化すればよいから、画像データよりも変化の頻度が少ないのが一般的である。このことから、同公報においては、タグデータを記憶する場合に、タグメモリの容量を節減する目的でタグデータに対してランレングス圧縮等の圧縮処理を施してから記憶する手法が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、展開した画素データを出力する際に、走査する1ラインの中で画素データの元となる画像データの種類が頻繁に変化する場合には、ランレングス圧縮を用いた場合の圧縮率が低く、タグデータの量は増大する。この結果、1頁分のタグデータを記憶するのに大量のメモリが必要となる。
また、必要なタグデータの量は、印刷する1ページの画像全体の面積や解像度には直接依存せず、むしろ単位面積当たりで画像データの種類が切り替わる頻度に依存する。つまり、画像を構成する要素データの複雑さによって、1頁あたりに必要なタグメモリの容量も異なる。このため、タグメモリは予め最大量を確保しておくよりも、必要な量を動的に確保する方が好適であり、コスト面を考えるとなおさら必要なタグデータを小さく保つことが求められる。
【0012】
ここで、タグデータの大きさが特に大きくなりやすい条件を考えてみる。例えば、白地の背景に対して文字があるような場合には、タグデータを切り替える必要はなく、全て文字データとして処理すればよい。この場合にはその部分のタグデータは一定であるためランレングス圧縮にも好適である。
一方、文字データと色を有する図形データとが一部において重なり合っている場合には、その図形が一定の色であったとしても、図形データに重なり合う文字データの文字の輪郭部分で、文字の形状に合わせてタグを切り替える必要がある。このような場合には、タグデータは細かく変化するので、ランレングスエンコーディングには不適で、タグデータの量は大きくなってしまう。
【0013】
白地の背景に対して文字があるような場合と、文字データと色を有する図形データとが一部において重なり合っている場合とを比較すると、印刷された結果を見ても画像の複雑さという点では大差無いように見えるが、実際に画素データを保持するためのメモリ容量は、タグデータを含めて考えると、その部分で2倍程度の開きがある。これは、タグデータが画像データと同程度の情報量を持っているからである。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷に直接的に使用される画素データ以外に、個々の画素データに対して画像の種別に応じて画像処理を制御するためのタグデータを必要とする画像処理装置において、必要とする情報を失うことなくタグデータの量を少なくすることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、画像情報を画素単位で展開した画素データを記憶する画素データ記憶手段と、
前記画素データの値と画像の種別を示すタグデータとの対応関係を示す情報を記憶するタグデータ記憶手段と、
前記画素データ記憶手段に記憶された画素データと前記タグデータ記憶手段に記憶された前記対応関係を示す情報に基づき、各画素データごとにタグデータを生成し、該タグデータに対応する条件で前記画素データに基づく画像処理を行う画像処理手段と
を具備することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による画像処理装置について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、描画コマンド入力手段10は、画像作成装置(図示省略)から出力された描画コマンドを入力する。画像作成装置は、一般にパーソナルコンピュータなどによって実現される。作業者は、このパーソナルコンピュータ上で作動するアプリケーションプログラムを利用して印刷を行いたい画像を作成する。作業者がアプリケーションプログラムに対して印刷指示を行うと、アプリケーションプログラムは、それまでに作成された画像を同じパーソナルコンピュータ上で動作しているプリンタドライバに出力する。プリンタドライバは、一般的にパーソナルコンピュータのオペレーティングシステムなどで規定された描画命令を受け取って、ページ記述言語(PDL)と呼ばれるプリンタ用の描画コマンドに変換する。このPDLで表現された描画コマンドには、文字を表す文字描画コマンド、図形を表す図形描画コマンド、又はラスタ画像を表すラスタ画像描画コマンド等がある。
【0017】
画像展開手段12は、描画コマンド入力手段12から入力された描画コマンドを受け取り、画素の並びで表された画像データに展開して画素データ記憶手段14に出力する。尚、本実施形態においては、入力される描画コマンドが多値画素を描画するコマンドであり、画像展開手段12が一つ一つの画素に対して単独で階調表現可能な多値画素データに展開する場合を例に挙げて説明する。画素データ記憶手段14は、画像展開手段12から出力される画素データを記憶するものであり、例えばRAM(Random Access Memory)によって実現される。
タグデータ生成手段16は、個々の画素がどの描画コマンドから生成されたものであるかという情報を保存するタグデータを生成し、タグデータ記憶手段18に出力する。タグデータ生成手段16は、通常タグデータ記憶手段18の容量を削減するために、作成したタグデータを圧縮して出力する。圧縮アルゴリズムは、例えばランレングス圧縮アルゴリズムが用いられる。
【0018】
図2は、ランレングスアルゴリズムを用いて圧縮されたタグデータの一例を示す図である。ランレングスアルゴリズムは、周知のように同一の値が連続するデータを圧縮する際に高い圧縮率を実現することのできるアルゴリズムである。このアルゴリズムは、一般的にはあるデータの値がどれだけ継続するかという情報を記憶して元のデータを圧縮するものである。図2に示した例では画像データの1ライン中において、タグデータの値とその値が変化する座標を記憶してタグデータを圧縮している。
図2において、符号R1〜R7,…が付されたデータは、タグデータの値を示すデータであり、符号L1〜L7,…が付されたデータは、タグデータが変化する位置の座標を示したデータである。尚、図2に示した例は、1ラインの開始部分のタグデータを示しており、符号L1が付されたデータの値は座標値がゼロであるから必ず"0"になる。このようにデータの最初の値が"0"である場合、本実施形態においては、データの始まりを示すとともに後続するデータはランレングス圧縮されていることを意味する。
【0019】
図1に戻り、タグデータ記憶手段18は例えばRAMによって実現され、上記タグデータを記憶する。
タグデータ変更手段20は、画素データ記憶手段14に記憶された画素データと、タグデータ記憶手段18に記憶されたタグデータとを比較し、画素データに対するタグデータの冗長性を取り除き、冗長性を取り除いたタグデータをタグデータ記憶手段18に記憶する。
【0020】
次に、タグデータ変更手段20の動作について詳細に説明する。
図3は、タグデータ変更手段20がタグデータの冗長性を取り除く動作を説明するための図である。
いま、例えば図3(a)に示した画素データが画像データ記憶手段14に記憶されているとする。この画素データは、白の背景色BGからなり、形状が長方形であって淡い紫色の図形C1と、図形C1に一部重なって描かれており、形状が長方形であって淡い青色の図形C2と、図形C1及び図形C2に一部が重なって描かれた"ABC"の文字TXからなるとする。尚、背景色BGはRGB色空間で表現すると{255,255,255}で表現され、図形C1の色は{200,150,230}で表され、図形C2の色は{100,120,190}で表され、文字TXの色は{30,10,50}で表現されるものとする。
【0021】
図3(b)は、図3(a)に示した画素データに対応するタグデータを示したものであり、タグデータは画素データの各々の画素毎に記憶されている。図3(b)に示すように、タグデータは、その画素が背景であることを示すタグデータTG0、図形であることを示すタグデータTG1、及び文字であることを示すタグデータTG2からなる。本実施形態で用いるタグデータは個々の画素がどの描画コマンドから生成されたものであるかという情報を保存するためだけに用いられているため、例えば図3(a)のように図形C1と図形C2とが重なっている場合には、それらを表すタグデータは色が異なっていても同一のタグデータTG1で表せば良いことになる。
【0022】
しかも、図3(a)と図3(b)とを比較すると、値の並びには文字の形状を中心として非常に強い相関性があることが分かる。つまり、図3(b)に示すタグデータは極めて高い冗長性を有していると考えられる。これは、ランレングス圧縮によってタグデータを圧縮した場合でも同様である。なぜならば、図3(b)に示した例においては、文字を示すタグデータTG2と図形を示すタグデータTG1とは、必ず文字と図形との境界でタグデータの値が変わるためである。
【0023】
本実施形態におけるタグデータ変更手段20は、タグデータの冗長性を取り除くために、画素データの値とタグデータとの対応関係を作成する。図4は、タグデータの冗長性を取り除く際に用いられる画素データの値とタグデータの値との対の一例を示している。つまり、タグデータ変更手段20は、上記タグデータの特質に着目し、図4に示すような画素データの値とタグデータの値との対のデータを作成する。
すなわち、図3(a)に示した例において、RGB空間で白を示す画素データ{255,255,255}は背景色BGとしてのみ用いられているため、{255,255,255}とタグデータの値"0"とを対応させ、図形C1及び図形C2の色としてそれぞれ用いられていた色{200,150,230}及び{100,120,190}とタグデータの値"1"とを対応させ、文字TXの色として用いられていた色{30,10,50}とタグデータの値"2"とを対応させる。
この対応関係を作成することによって、タグデータとして記憶しておく必要のあるデータは、図4に示した対応関係のみとなるが、もとのタグデータを得る場合には、画素データの値がわかれば、その画素データに対応するタグデータの値が一意に定まることになる。
【0024】
図5は、図4に示した対応関係をタグデータ記憶手段18に記憶した場合のデータ列を示す図である。図5において、符号fが付されたデータは以降のデータが画素データの値とタグデータの値との対を記憶したものであることを示すフラグであり、その値は"1"に固定される。つまり、タグデータ記憶手段18に記憶されたタグデータが、図2に示したようにランレングス圧縮されているのか、又は画素データの値とタグデータの値との対を記憶したものであるかを判別するには、最初のデータの値を識別すれば良い。最初のデータの値が"0"であれば、前述したように、それ以降のデータはランレングス圧縮したものであり、"1"であれば画素データの値とタグデータの値との対を記憶したものである。また、図5に示されるように、符号fが付されたデータに続くデータは、図4に示す対応関係に従って画素データの値とタグデータの値とが対になったデータである。
【0025】
図5に示した例は、図3の単純な画像の場合を例示したため、一見するとタグデータの量は図2に示した場合とさほど変わらないように見えるが、実際に複雑な画像に適用した場合には、図2に示した場合のタグデータのデータ量は画像の複雑さに応じて増加するのに対して、図5に示すデータでは画素データの値とタグデータの値の対応関係だけを記憶すれば良いので、データ量は変わらない。
一方、ラスタ画像部分に関しては、図5に示したタグデータの変更はせずに、元の画素データとタグデータとの組として表現した方が効率的である。なぜならは、タグデータを変更しようとすると、ラスタ画像中に含まれるすべての異なる画素データの値に対して、ラスタ画像データであることを表すタグを割り付ける表を作らなければならなくなり、タグデータ量はかえって増大することになるからである。したがって、本実施形態において、タグデータに関する情報を図2に示すランレングスとして記憶するか、図5に示す対のデータとして記憶するかは、画素データとタグデータとの相関に応じて選択される。
【0026】
図1に戻り、読出手段22は、画素データ記憶手段14に記憶された画素データとタグデータ記憶手段18に記憶されたタグデータとを読み出し、タグデータの先頭の値に応じて(すなわち、ランレングス圧縮されたタグデータか、画素データの値とタグデータの値との対に変更されたデータかに応じて)タグの値を再生し、画素データとタグデータとを組にして画像出力手段24へ出力する。
画像出力手段24は、読出手段22から出力されたタグデータの値に応じて、個々の画素に対してRGB色空間から印刷装置で扱われるCMYK色空間への色変換処理を施す。また、画像出力手段24は二値スクリーン生成手段26を備え、タグデータの値に応じてそれぞれ異なるスクリーン線数で二値化する。つまり、文字を印刷する場合には輪郭を滑らかにする必要があるため、線数の多い細かいスクリーンを用いて二値化する。一方、網掛け等を有する画像(イメージ)を印刷する場合には階調性を優先する必要があり、この場合は線数の少ない粗いスクリーンを用いて二値化する。また、画像出力手段24が上記二値スクリーン生成手段26に代えて、パルス幅変調信号出力手段28を備える場合、読出手段22から出力される画素データに基づき前記タグデータの値に応じて複数の異なる線数を切り替えながら万線スクリーンを生成する。
【0027】
次に、上記構成における本発明の一実施形態による画像処理装置の動作について図6を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の一実施形態による画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
作業者が、パーソナルコンピュータ等の画像作成装置を用いて画像を作成し、画像作成装置で作動するアプリケーションプログラムに対して印刷指示を行うと、アプリケーションプログラムは、それまでに作成された画像を同じパーソナルコンピュータ上で動作しているプリンタドライバへ出力する。プリンタドライバは、一般的にパーソナルコンピュータのオペレーティングシステムなどで規定された描画命令を受け取って、ページ記述言語(PDL)と呼ばれるプリンタ用の描画コマンドに変換する。本実施形態においては、作業者が図3(a)に示される画像を作成した場合を例に挙げて説明する。
【0028】
上記PDLは画像作成装置から画像処理装置内の描画コマンド入力手段10へ描画コマンドとして順次入力される(ステップS10)。入力された描画コマンドは、画像展開手段12へ供給され、画素の並びで表された画像データに展開され、1ライン単位で画素データ記憶手段14に出力される(ステップS12)。また、タグデータ生成手段16は、画像展開手段12が展開処理を行うのと並行して、1ライン中の個々の画素がどの描画コマンドから生成されたものであるかという情報を1ライン単位で保存するタグデータを生成し、生成した1ライン単位のタグデータをランレングスアルゴリズムを用いて圧縮を施し、タグデータ記憶手段18に出力する(ステップS14)。
【0029】
上記ステップS12,S14における1ライン分の画像データ展開処理及びタグデータ生成処理が終了すると、タグデータ変更手段20は、画素データ記憶手段14に記憶された画素データとタグデータ記憶手段18に記憶されたタグデータとを画素毎に比較し(ステップS16)、これらのデータの間に強い相関性があるか否かを判断する(ステップS18)。例えば、画素データとタグデータとの間に図3(a)と図3(b)に示すような強い相関性がある場合、ステップS18における判断結果は「YES」となり、処理はステップS20へ進む。
【0030】
ステップS20では、タグデータを変更する処理が行われる。つまり、タグデータ変更手段20は、前述のステップS16における画素データとタグデータとの比較結果に基づき、図4に示すような画素データの値とタグデータの値との対を作成し、この対を図5に示すデータフォーマットに変換してタグデータ記憶手段18に記憶する。この変更処理により生成される画素データの値とタグデータの値の対も1ライン毎に生成される。
ステップS20の処理が終了するか、もしくはステップS18における判断結果が「NO」となった場合、処理はステップS22へ進み、1頁を構成する描画コマンド全てに対して相関性を判断する処理が終了したか否かが判断される。この判断結果が「NO」である場合には、ステップS10の処理へ戻り、繰り返し処理が行われる。
【0031】
一方、1頁分の処理が終了し、ステップS22の判断結果が「YES」となった場合、処理はステップS24へ進み、読出手段22が画素データ記憶手段14に記憶された画素データとタグデータ記憶手段18に記憶されたタグデータとを1ライン分読み出す処理を行う(ステップS24)。
読出手段22は、読み出したタグデータの先頭が「0」であるか否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合には、読出手段22は、読み出したタグデータがランレングス圧縮されたタグデータであると解釈し、タグデータの展開処理を行う(ステップS28)。一方、ステップS26における判断結果が「NO」である場合には、読出手段22は、読み出したタグデータが図5に示したような画素データの値とタグデータの値との対応関係を示したデータであると解釈し、対応関係を示したデータを参照して、読み出した画素データ各々の値に基づいてその画素データのタグデータを生成する。
【0032】
ステップS28又はステップS30の処理が終了すると、RGB色空間で表現された画素の色をCMYK色空間で表現された画素の色へ変換する処理が行われるとともに、スクリーンを生成する処理が行われる。スクリーンを生成する際には、二値スクリーン生成手段26によりタグデータの値に応じてそれぞれ異なるスクリーン線数で二値化する処理又はパルス幅変調信号出力手段28により読出手段22から出力される画素データに基づき前記タグデータの値に応じて複数の異なる線数を切り替えながら万線スクリーンを生成する処理が行われる(ステップS32)。
【0033】
以上の処理が終了すると、印刷装置が必要とする1ライン分のデータが作成されるので、画像出力手段24は1ライン分のデータを印刷装置へ出力する処理を行う(ステップS34)。次に、読出手段22は画像1頁分のデータを出力したか否かを判断し(ステップS36)、この判断結果が「NO」である場合にはステップS24の処理に戻り、「YES」の場合には処理を終了する。
【0034】
以上、本発明の一実施形態による画像処理装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲で自由に変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、画像の種類がたまたま3種類であったので、タグデータの値は0〜2の3通りとなっているが、もちろん画像の種類に応じてタグデータの値も増減する。特に、画像の種類が2種類であれば、タグデータは1ビットで表現できるから、この場合、図2に示したランレングス圧縮に限らず、種々のデータ圧縮の方式が適用可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像情報を画素単位で展開した画素データを記憶する画素データ記憶手段と、前記画素データの値と画像の種別を示すタグデータとの対応関係を示す情報を記憶するタグデータ記憶手段と、前記画素データ記憶手段に記憶された画素データと前記タグデータ記憶手段に記憶された前記対応関係を示す情報に基づき、各画素データごとにタグデータを生成し、該タグデータに対応する条件で前記画素データに基づく画像処理を行う画像処理手段とを備えるので、必要とする情報を失うことなくタグデータの量を少なくすることができ、タグデータを記憶するためのメモリ容量を削減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 ランレングスアルゴリズムを用いて圧縮されたタグデータの一例を示す図である。
【図3】 タグデータ変更手段20がタグデータの冗長性を取り除く動作を説明するための図である。
【図4】 タグデータの冗長性を取り除く際に用いられる画素データの値とタグデータの値との対の一例を示す図である。
【図5】 図4に示した対応関係をタグデータ記憶手段18に記憶した場合のデータ列を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態による画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
14 画素データ記憶手段
18 タグデータ記憶手段
20 タグデータ変更手段
22 読出手段
24 画像出力手段
26 二値スクリーン生成手段
28 パルス幅変調信号出力手段

Claims (7)

  1. 画像情報を画素単位で展開した画素データを記憶する画素データ記憶手段と、
    前記画素データの値と画像の種別を示すタグデータとの対応関係を示す情報を記憶するタグデータ記憶手段と、
    前記画素データ記憶手段に記憶された画素データと前記タグデータ記憶手段に記憶された前記対応関係を示す情報に基づき、各画素データごとにタグデータを生成し、該タグデータに対応する条件で前記画素データに基づく画像処理を行う画像処理手段と
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 入力される描画コマンドに基づいて前記画素データを前記画素データ記憶手段に展開する画像展開手段と、
    前記描画コマンドに基づいて前記タグデータを生成するタグデータ生成手段と、
    前記生成されたタグデータを前記対応関係を示す情報に変更し前記タグデータ記憶手段に書き込むタグデータ変更手段と
    を更に具備することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記画像処理手段は、前記画素データを前記タグデータの値に応じて複数の異なるスクリーンを切り替えながら二値化する二値スクリーン生成手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理手段は、前記画素データに基づき前記タグデータの値に応じて複数の異なる線数を切り替えながら万線スクリーンを生成するパルス幅変調信号出力手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記画素データと前記タグデータとの相関の強さに応じて前記タグデータ変更手段によるタグデータの変更を行うか否かを切り換える切換手段を具備し、
    変更を行わないタグデータは、当該タグデータのまま前記タグデータ記憶手段に記憶され、前記画像処理手段の処理に用いられることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の画像処理装置。
  6. 前記変更を行わないタグデータは、ランレングスエンコーディングされて前記タグデータ記憶手段に記憶され、前記画像処理手段の処理に用いられることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記タグデータ変更手段は、前記対応関係を示す情報を前記変更を行わないタグデータから区別するための識別情報を前記タグデータ記憶手段に書き込むことを特徴とする請求項5または6の何れかに記載の画像処理装置。
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