JP3811297B2 - トラックの荷台補強構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックの荷台補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は比較的小型の車輌から成るトラックの斜視図であり、図中1はトラックのキャブ、2は該キャブ1の後方に位置する荷台を示し、この荷台2は、床面を成すフロアパネル3と、その幅方向の両側部に起立するサイドパネル4と、その前端で起立するヘッダーボード5と、その後端で起立する開閉自在なテールゲート6とを有する上面開放の箱型構造となっており、前記各サイドパネル4における適宜位置には、後側のタイヤ7を収容する為のホイールハウス8が形成されている。
【0003】
即ち、図5に示すように、前記サイドパネル4は、上端部を互いに固着したサイドインナパネル4Aとサイドアウタパネル4Bとにより構成されており、前記サイドインナパネル4Aの下方部分が幅方向内側に膨出してサイドアウタパネル4Bとの間にホイールハウス8が形成されるようにしてあり、また、その下端は、幅方向内側に向け折り曲げられてフロアパネル3の側部上面にスポット溶接されている。
【0004】
更に、前記フロアパネル3の裏面には、荷台2の幅方向に延びる複数本のシルクロス9が前記フロアパネル3を補強し得るよう配設されており、前記シルクロス9の下方には、小型トラックの前後方向に延びるサイドレール10(シャシフレームの車体前後方向に延びる部位)が配置され、該サイドレール10直上にマウンティング部材11を介し前記各シルクロス9がボルト12A及びナット12Bにより締結されて支持されるようになっている。
【0005】
尚、図6に示す如く、前記シルクロス9は、車幅方向に平面を成す基部9aと、この基部9aの両側で起立する一対の立壁部9b,9bと、該各立壁部9bの上端に形成されたフランジ部9cとを備えて形成されており、該各フランジ部9cが上面をフロアパネル3の裏面に対しスポット溶接されて固着されるようにしてある。
【0006】
このような構造を有する小型トラックにおいて、特に図4に示す例のように、キャブ1が後部座席を有するダブルキャブ形式であるような場合等には、後側のタイヤ7が荷台2の前方寄りに配置されることになり、これに伴ない荷台2の内側に張り出すホイールハウス8も前方寄りに形成しなければならなくなるが、この際にホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの前方部分は、荷台2前端のヘッダーボード5に向け延ばされて該ヘッダーボード5に対し接合されることになる。
【0007】
即ち、ホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの前方部分をヘッダーボード5の手前でフロアパネル3のレベルまで下降させてヘッダーボード5との間に狭隘なフロアパネル3を形成したとしても、それにより荷台2の使い勝手が良くなるわけではなく、しかも、制作時の板金作業が困難となる上に意匠的にも美観が悪くなってしまうので、一般的に、後側のタイヤ7が荷台2の前方寄りに配置されるケースでは、ホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの前方部分がヘッダーボード5まで延びて接合されているのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来構造においては、ホイールハウス8内における前方部分が実質的にタイヤ7と干渉しない余剰空間として形成されることになるのに対し、ホイールハウス8内に臨む全てのシルクロス9をサイドレール10の直上付近までしか延びない短いものとしており、サイドレール10の直上にマウンティング部材11を介し前記各シルクロス9を支持するようにしているので、ホイールハウス8内に臨む全てのシルクロス9に関し、該各シルクロス9のマウンティング部材11による支持点の車幅方向間隔が大きくとれず、これによって、荷台2の強度が弱まる虞れがあった。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、ホイールハウス内の余剰空間に対しシルクロスの端部を延出して該シルクロスのマウンティング部材による支持点の車幅方向間隔を拡大し、これにより荷台の強度を従来より向上することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、荷台のホイールハウス内におけるタイヤと干渉しない余剰空間に対し前記荷台のシルクロスの端部を延出して延長部を設け、該延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したトラックの荷台補強構造であって、シルクロスを逆U字型断面を成して車幅方向に延びるように形成し、該シルクロスの延長部下面に該延長部の前後立壁間を連結するようにマウントブラケットを装着し、該マウントブラケットを介して前記延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したことを特徴とするものである。
【0011】
従って、本発明では、ホイールハウス内の余剰空間に延出したシルクロスの延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持するようにしているので、該マウンティング部材によるシルクロスの支持点の車幅方向間隔が拡大されることになる。
【0013】
また、このようにすれば、マウントブラケットによりシルクロスが前後方向に補強されることになり、しかも、マウントブラケットを介して良好にシルクロスの延長部がマウンティング部材により支持されることになる。
【0014】
更に、本発明は、荷台のホイールハウス内におけるタイヤと干渉しない余剰空間に対し前記荷台のシルクロスの端部を延出して延長部を設け、該延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したトラックの荷台補強構造であって、シルクロスの延長部を前後方向に挟み込むようにして立ち上がり且つ車幅方向に平面を成す一対の翼部と、該各翼部の車幅方向内側端部同士を連結して前後方向に平面を成す基部とにより補強ブラケットを構成し、前記各翼部の下端部をシルクロスの延長部前後面に対し固着すると共に、前側の翼部の前面を荷台前端のヘッダーボードに対し固着し、且つ前記基部をホイールハウスを成すサイドインナパネルの外側面に対し固着したことを特徴とするものである。
【0015】
このようにすれば、ホイールハウス内の余剰空間に延出したシルクロスの延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持するようにしているので、該マウンティング部材によるシルクロスの支持点の車幅方向間隔が拡大されることになり、しかも、マウンティング部材を介し床下から荷台に入力される荷重が、比較的強度の高いサイドインナパネルとヘッダーボードに対し補強ブラケットを介し伝達されて分担されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図4〜図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0018】
本形態例においては、荷台2のホイールハウス8内におけるタイヤ7と干渉しない余剰空間に対し前記荷台2のシルクロス13の端部を延出して延長部14を設けており、該延長部14をサイドレール10からマウンティング部材15により支持するようにしている。
【0019】
より具体的には、前記シルクロス13が、車幅方向に延びる平板状に形成された基部13aと、該基部13aの両側で下方向きに平面を成す一対の立壁13b,13bとを備え、逆U字型断面を成して車幅方向に延びるように形成されており、前記基部13aをフロアパネル3の裏面に対しスポット溶接するようにしてある。
【0020】
そして、前記シルクロス13の延長部14下面には、該延長部14の前後立壁13b,13b間を連結するようにマウントブラケット16が装着され、該マウントブラケット16を介して前記延長部14がマウンティング部材15により支持されている。
【0021】
ここで、前記マウントブラケット16は、前後方向に延びる平板状に形成された基部16aと、該基部16aの車幅方向両側で起立し且つその前後端部にフランジ部16bを有する一対の側板部16c,16cとを備えて構成されており、該各側板部16c,16cのフランジ部16bが前記延長部14の前後立壁13b,13bに対しスポット溶接されている。
【0022】
また、前記マウンティング部材15は、サイドレール10の外側面に沿う取付部15aと、該取付部15aの両側に形成された一対の側板部15b,15bと、該各側板部15b,15bの上端に形成された平坦な支持部15cとを備えており、前記取付部15aをアーク溶接等によりサイドレール10の外側面に取付け、前記支持部15cの上面で前記マウントブラケット16の基部16a下面を支え且つ該基部16a上面に溶接したナット12Bに対し前記支持部15cの下面側からシム18を介してボルト12Aを締結するようにしてある。
【0023】
また、特に本形態例においては、シルクロス13の延長部14に補強ブラケット17が設けられており、該補強ブラケット17は、シルクロス13の延長部14を前後方向に挟み込むようにして立ち上がり且つ車幅方向に平面を成す一対の翼部17a,17aと、該各翼部17a,17aの車幅方向内側端部同士を連結して前後方向に平面を成す基部17bとにより構成され、前記各翼部17a,17aの下端部がシルクロス13の延長部14前後面に対しスポット溶接されていると共に、前側の翼部17aの前面が荷台2前端のヘッダーボード5に対しスポット溶接され、且つ前記基部17bがホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの外側面に対しスポット溶接されている。
【0024】
尚、図3に示すように、シルクロス13の延長部14における前側の立壁13b前面は、荷台2前端のヘッダーボード5にスポット溶接等により固着しておくことが好ましく、更には、ヘッダーボード5とサイドアウタパネル4Bとの間を接続するフロントエンドパネル19に対しても適宜にフランジ部19a等を介して固着しておくと良い。
【0025】
また、前記シルクロス13の延長部14下面には、該延長部14の前後立壁13b,13b間を連結する連結プレート20(図3参照)を適宜に配設するようにしても良い。
【0026】
而して、以上に述べた如き形態例によれば、ホイールハウス8内の余剰空間に延出したシルクロス13の延長部14をサイドレール10からマウンティング部材15により支持するようにしているので、該マウンティング部材15によるシルクロス13の支持点の車幅方向間隔が拡大されることになる。
【0027】
また、マウントブラケット16によりシルクロス13が前後方向に補強されることになり、しかも、マウントブラケット16を介して良好にシルクロス13の延長部14がマウンティング部材15により支持されることになる。
【0028】
更に、マウンティング部材15を介し床下から荷台2に入力される荷重が、比較的強度の高いサイドインナパネル4Aとヘッダーボード5に対し補強ブラケット17を介し伝達されて分担されることになる。
【0029】
従って、上記形態例によれば、ホイールハウス8内の余剰空間にシルクロス13を延出して該シルクロス13の延長部14をサイドレール10からマウンティング部材15により支持することによって、前記シルクロス13における支持点の車幅方向間隔を拡大することができるので、荷台2の強度を従来より大幅に向上することができる。
【0030】
また、特に図示の如きマウントブラケット16を使用して前記シルクロス13の延長部14をマウンティング部材15により支持するようにすれば、前記マウントブラケット16によりシルクロス13を前後方向に補強しながら良好に延長部14を支持することができる。
【0031】
更に、シルクロス13の延長部14に補強ブラケット17を設けて該補強ブラケット17を介し前記延長部14とサイドインナパネル4A及びヘッダーボード5を接合するようにしているので、マウンティング部材15を介し床下から荷台2に入力される荷重を、比較的強度の高いサイドインナパネル4Aとヘッダーボード5と伝達して分担させることができ、これによって、荷台2の耐久強度を従来より大幅に向上することができる。
【0032】
尚、本発明のトラックの荷台補強構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
上記した本発明のトラックの荷台補強構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0034】
(I)本発明の請求項1、2に記載の発明によれば、ホイールハウス内の余剰空間にシルクロスを延出して該シルクロスの延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持することによって、前記シルクロスにおける支持点の車幅方向間隔を拡大することができるので、荷台の強度を従来より大幅に向上することができる。
【0035】
(II)本発明の請求項1に記載の発明によれば、マウントブラケットによりシルクロスを前後方向に補強しながら該シルクロスの延長部を良好にサイドレールからマウンティング部材により支持することができる。
【0036】
(III)本発明の請求項2に記載の発明によれば、マウンティング部材を介し床下から荷台に入力される荷重を、比較的強度の高いサイドインナパネルとヘッダーボードと伝達して分担させることができるので、荷台の耐久強度を従来より大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1のII−II方向の矢視図である。
【図3】図1の補強ブラケットの組付け状態を斜め上方から見た斜視図である。
【図4】比較的小型の車輌から成るトラックを斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図5のシルクロスを斜め上方から見た斜視図である。
【符号の説明】
2 荷台
4A サイドインナパネル
5 ヘッダーボード
7 タイヤ
8 ホイールハウス
10 サイドレール
13 シルクロス
13b 立壁
14 延長部
15 マウンティング部材
16 マウントブラケット
17 補強ブラケット
17a 翼部
17b 基部
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックの荷台補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は比較的小型の車輌から成るトラックの斜視図であり、図中1はトラックのキャブ、2は該キャブ1の後方に位置する荷台を示し、この荷台2は、床面を成すフロアパネル3と、その幅方向の両側部に起立するサイドパネル4と、その前端で起立するヘッダーボード5と、その後端で起立する開閉自在なテールゲート6とを有する上面開放の箱型構造となっており、前記各サイドパネル4における適宜位置には、後側のタイヤ7を収容する為のホイールハウス8が形成されている。
【0003】
即ち、図5に示すように、前記サイドパネル4は、上端部を互いに固着したサイドインナパネル4Aとサイドアウタパネル4Bとにより構成されており、前記サイドインナパネル4Aの下方部分が幅方向内側に膨出してサイドアウタパネル4Bとの間にホイールハウス8が形成されるようにしてあり、また、その下端は、幅方向内側に向け折り曲げられてフロアパネル3の側部上面にスポット溶接されている。
【0004】
更に、前記フロアパネル3の裏面には、荷台2の幅方向に延びる複数本のシルクロス9が前記フロアパネル3を補強し得るよう配設されており、前記シルクロス9の下方には、小型トラックの前後方向に延びるサイドレール10(シャシフレームの車体前後方向に延びる部位)が配置され、該サイドレール10直上にマウンティング部材11を介し前記各シルクロス9がボルト12A及びナット12Bにより締結されて支持されるようになっている。
【0005】
尚、図6に示す如く、前記シルクロス9は、車幅方向に平面を成す基部9aと、この基部9aの両側で起立する一対の立壁部9b,9bと、該各立壁部9bの上端に形成されたフランジ部9cとを備えて形成されており、該各フランジ部9cが上面をフロアパネル3の裏面に対しスポット溶接されて固着されるようにしてある。
【0006】
このような構造を有する小型トラックにおいて、特に図4に示す例のように、キャブ1が後部座席を有するダブルキャブ形式であるような場合等には、後側のタイヤ7が荷台2の前方寄りに配置されることになり、これに伴ない荷台2の内側に張り出すホイールハウス8も前方寄りに形成しなければならなくなるが、この際にホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの前方部分は、荷台2前端のヘッダーボード5に向け延ばされて該ヘッダーボード5に対し接合されることになる。
【0007】
即ち、ホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの前方部分をヘッダーボード5の手前でフロアパネル3のレベルまで下降させてヘッダーボード5との間に狭隘なフロアパネル3を形成したとしても、それにより荷台2の使い勝手が良くなるわけではなく、しかも、制作時の板金作業が困難となる上に意匠的にも美観が悪くなってしまうので、一般的に、後側のタイヤ7が荷台2の前方寄りに配置されるケースでは、ホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの前方部分がヘッダーボード5まで延びて接合されているのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来構造においては、ホイールハウス8内における前方部分が実質的にタイヤ7と干渉しない余剰空間として形成されることになるのに対し、ホイールハウス8内に臨む全てのシルクロス9をサイドレール10の直上付近までしか延びない短いものとしており、サイドレール10の直上にマウンティング部材11を介し前記各シルクロス9を支持するようにしているので、ホイールハウス8内に臨む全てのシルクロス9に関し、該各シルクロス9のマウンティング部材11による支持点の車幅方向間隔が大きくとれず、これによって、荷台2の強度が弱まる虞れがあった。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、ホイールハウス内の余剰空間に対しシルクロスの端部を延出して該シルクロスのマウンティング部材による支持点の車幅方向間隔を拡大し、これにより荷台の強度を従来より向上することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、荷台のホイールハウス内におけるタイヤと干渉しない余剰空間に対し前記荷台のシルクロスの端部を延出して延長部を設け、該延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したトラックの荷台補強構造であって、シルクロスを逆U字型断面を成して車幅方向に延びるように形成し、該シルクロスの延長部下面に該延長部の前後立壁間を連結するようにマウントブラケットを装着し、該マウントブラケットを介して前記延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したことを特徴とするものである。
【0011】
従って、本発明では、ホイールハウス内の余剰空間に延出したシルクロスの延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持するようにしているので、該マウンティング部材によるシルクロスの支持点の車幅方向間隔が拡大されることになる。
【0013】
また、このようにすれば、マウントブラケットによりシルクロスが前後方向に補強されることになり、しかも、マウントブラケットを介して良好にシルクロスの延長部がマウンティング部材により支持されることになる。
【0014】
更に、本発明は、荷台のホイールハウス内におけるタイヤと干渉しない余剰空間に対し前記荷台のシルクロスの端部を延出して延長部を設け、該延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したトラックの荷台補強構造であって、シルクロスの延長部を前後方向に挟み込むようにして立ち上がり且つ車幅方向に平面を成す一対の翼部と、該各翼部の車幅方向内側端部同士を連結して前後方向に平面を成す基部とにより補強ブラケットを構成し、前記各翼部の下端部をシルクロスの延長部前後面に対し固着すると共に、前側の翼部の前面を荷台前端のヘッダーボードに対し固着し、且つ前記基部をホイールハウスを成すサイドインナパネルの外側面に対し固着したことを特徴とするものである。
【0015】
このようにすれば、ホイールハウス内の余剰空間に延出したシルクロスの延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持するようにしているので、該マウンティング部材によるシルクロスの支持点の車幅方向間隔が拡大されることになり、しかも、マウンティング部材を介し床下から荷台に入力される荷重が、比較的強度の高いサイドインナパネルとヘッダーボードに対し補強ブラケットを介し伝達されて分担されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図4〜図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0018】
本形態例においては、荷台2のホイールハウス8内におけるタイヤ7と干渉しない余剰空間に対し前記荷台2のシルクロス13の端部を延出して延長部14を設けており、該延長部14をサイドレール10からマウンティング部材15により支持するようにしている。
【0019】
より具体的には、前記シルクロス13が、車幅方向に延びる平板状に形成された基部13aと、該基部13aの両側で下方向きに平面を成す一対の立壁13b,13bとを備え、逆U字型断面を成して車幅方向に延びるように形成されており、前記基部13aをフロアパネル3の裏面に対しスポット溶接するようにしてある。
【0020】
そして、前記シルクロス13の延長部14下面には、該延長部14の前後立壁13b,13b間を連結するようにマウントブラケット16が装着され、該マウントブラケット16を介して前記延長部14がマウンティング部材15により支持されている。
【0021】
ここで、前記マウントブラケット16は、前後方向に延びる平板状に形成された基部16aと、該基部16aの車幅方向両側で起立し且つその前後端部にフランジ部16bを有する一対の側板部16c,16cとを備えて構成されており、該各側板部16c,16cのフランジ部16bが前記延長部14の前後立壁13b,13bに対しスポット溶接されている。
【0022】
また、前記マウンティング部材15は、サイドレール10の外側面に沿う取付部15aと、該取付部15aの両側に形成された一対の側板部15b,15bと、該各側板部15b,15bの上端に形成された平坦な支持部15cとを備えており、前記取付部15aをアーク溶接等によりサイドレール10の外側面に取付け、前記支持部15cの上面で前記マウントブラケット16の基部16a下面を支え且つ該基部16a上面に溶接したナット12Bに対し前記支持部15cの下面側からシム18を介してボルト12Aを締結するようにしてある。
【0023】
また、特に本形態例においては、シルクロス13の延長部14に補強ブラケット17が設けられており、該補強ブラケット17は、シルクロス13の延長部14を前後方向に挟み込むようにして立ち上がり且つ車幅方向に平面を成す一対の翼部17a,17aと、該各翼部17a,17aの車幅方向内側端部同士を連結して前後方向に平面を成す基部17bとにより構成され、前記各翼部17a,17aの下端部がシルクロス13の延長部14前後面に対しスポット溶接されていると共に、前側の翼部17aの前面が荷台2前端のヘッダーボード5に対しスポット溶接され、且つ前記基部17bがホイールハウス8を成すサイドインナパネル4Aの外側面に対しスポット溶接されている。
【0024】
尚、図3に示すように、シルクロス13の延長部14における前側の立壁13b前面は、荷台2前端のヘッダーボード5にスポット溶接等により固着しておくことが好ましく、更には、ヘッダーボード5とサイドアウタパネル4Bとの間を接続するフロントエンドパネル19に対しても適宜にフランジ部19a等を介して固着しておくと良い。
【0025】
また、前記シルクロス13の延長部14下面には、該延長部14の前後立壁13b,13b間を連結する連結プレート20(図3参照)を適宜に配設するようにしても良い。
【0026】
而して、以上に述べた如き形態例によれば、ホイールハウス8内の余剰空間に延出したシルクロス13の延長部14をサイドレール10からマウンティング部材15により支持するようにしているので、該マウンティング部材15によるシルクロス13の支持点の車幅方向間隔が拡大されることになる。
【0027】
また、マウントブラケット16によりシルクロス13が前後方向に補強されることになり、しかも、マウントブラケット16を介して良好にシルクロス13の延長部14がマウンティング部材15により支持されることになる。
【0028】
更に、マウンティング部材15を介し床下から荷台2に入力される荷重が、比較的強度の高いサイドインナパネル4Aとヘッダーボード5に対し補強ブラケット17を介し伝達されて分担されることになる。
【0029】
従って、上記形態例によれば、ホイールハウス8内の余剰空間にシルクロス13を延出して該シルクロス13の延長部14をサイドレール10からマウンティング部材15により支持することによって、前記シルクロス13における支持点の車幅方向間隔を拡大することができるので、荷台2の強度を従来より大幅に向上することができる。
【0030】
また、特に図示の如きマウントブラケット16を使用して前記シルクロス13の延長部14をマウンティング部材15により支持するようにすれば、前記マウントブラケット16によりシルクロス13を前後方向に補強しながら良好に延長部14を支持することができる。
【0031】
更に、シルクロス13の延長部14に補強ブラケット17を設けて該補強ブラケット17を介し前記延長部14とサイドインナパネル4A及びヘッダーボード5を接合するようにしているので、マウンティング部材15を介し床下から荷台2に入力される荷重を、比較的強度の高いサイドインナパネル4Aとヘッダーボード5と伝達して分担させることができ、これによって、荷台2の耐久強度を従来より大幅に向上することができる。
【0032】
尚、本発明のトラックの荷台補強構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
上記した本発明のトラックの荷台補強構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0034】
(I)本発明の請求項1、2に記載の発明によれば、ホイールハウス内の余剰空間にシルクロスを延出して該シルクロスの延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持することによって、前記シルクロスにおける支持点の車幅方向間隔を拡大することができるので、荷台の強度を従来より大幅に向上することができる。
【0035】
(II)本発明の請求項1に記載の発明によれば、マウントブラケットによりシルクロスを前後方向に補強しながら該シルクロスの延長部を良好にサイドレールからマウンティング部材により支持することができる。
【0036】
(III)本発明の請求項2に記載の発明によれば、マウンティング部材を介し床下から荷台に入力される荷重を、比較的強度の高いサイドインナパネルとヘッダーボードと伝達して分担させることができるので、荷台の耐久強度を従来より大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1のII−II方向の矢視図である。
【図3】図1の補強ブラケットの組付け状態を斜め上方から見た斜視図である。
【図4】比較的小型の車輌から成るトラックを斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図5のシルクロスを斜め上方から見た斜視図である。
【符号の説明】
2 荷台
4A サイドインナパネル
5 ヘッダーボード
7 タイヤ
8 ホイールハウス
10 サイドレール
13 シルクロス
13b 立壁
14 延長部
15 マウンティング部材
16 マウントブラケット
17 補強ブラケット
17a 翼部
17b 基部
Claims (2)
- 荷台のホイールハウス内におけるタイヤと干渉しない余剰空間に対し前記荷台のシルクロスの端部を延出して延長部を設け、該延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したトラックの荷台補強構造であって、シルクロスを逆U字型断面を成して車幅方向に延びるように形成し、該シルクロスの延長部下面に該延長部の前後立壁間を連結するようにマウントブラケットを装着し、該マウントブラケットを介して前記延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したことを特徴とするトラックの荷台補強構造。
- 荷台のホイールハウス内におけるタイヤと干渉しない余剰空間に対し前記荷台のシルクロスの端部を延出して延長部を設け、該延長部をサイドレールからマウンティング部材により支持したトラックの荷台補強構造であって、シルクロスの延長部を前後方向に挟み込むようにして立ち上がり且つ車幅方向に平面を成す一対の翼部と、該各翼部の車幅方向内側端部同士を連結して前後方向に平面を成す基部とにより補強ブラケットを構成し、前記各翼部の下端部をシルクロスの延長部前後面に対し固着すると共に、前側の翼部の前面を荷台前端のヘッダーボードに対し固着し、且つ前記基部をホイールハウスを成すサイドインナパネルの外側面に対し固着したことを特徴とするトラックの荷台補強構造。
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