JP3810437B2 - モノリシック・アナログ−デジタル変換器 - Google Patents

モノリシック・アナログ−デジタル変換器 Download PDF

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Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、一般的に、アナログーデジタル変換器に関し、更に特定すれば、モノリシック集積回路上に集積された多数のアナログーデジタル変換器に関するものである。
2.関連技術の説明
従来のアナログーデジタル変換の単一スロープ法(single slope method)では、クロック駆動比較器(clocked comparator)を用いて、サンプル・ホールドされた信号を、アナログ・ランプ(analog ramp)と比較する。次に、クロック駆動比較器は、サンプル・ホールドされた信号がアナログ・ランプに等しい場合、デジタル・カウンタの状態を格納するラッチ回路を駆動するために用いる信号を発生する。格納されたカウンタ値は、アナログ信号の大きさのデジタル表現となる。この種の回路をデジタル回路に応用すると、かかる回路のアレイが得られる。
従来の単一スロープ型アナログーデジタル変換器は、最大クロック・レートの制限のために、分解能および速度に限界がある。従来の単一スロープ変換器における、最大クロック・レートに対する限界は、準安定性(metastability)によるものである。準安定性とは、クロックおよびデータ入力が同時に変化した場合のフリップ・フロップの不安定性と定義される。理論上、いずれかの所与の時間期間の後に、フリップ・フロップの出力が有効な論理状態に安定したことを保証することはできないが、出力が安定していない確率は、時間と共に指数関数的に減少する。例えば、約69時定数の後、出力が安定しない確率は10-30未満であり、これは殆どの用途において容認可能である。
この問題のために、比較器出力をシステムのクロック時間に同期させるフリップ・フロップを、準安定性から回復させるには、クロック・レートを大幅に低下させなければならない。従来の装置では、変換の時間分解能によって決定される周波数において、準安定性の解決を図る必要があった。その結果、従来の装置は、その回路の処理能力よりかなり低いクロック・レートに制限されていた。
本発明は、個々の変換器をマスタ・クロックに同期させるという必要条件をなくし、より高い分解能のデジタル・コードを発生することによって、従来の装置を改良するものである。したがって、本発明の目的の1つは、従来の変換器に比較して、分解能および速度に格段の改良を実現する、アナログーデジタル変換器を提供することである。
発明の概要
本発明は、アナログ・ランプ出力を有するアナログ・ランプ発生器と、グレイ・コード化デジタル・ランプ出力を有するデジタル・ランプ発生器と、前記アナログ信号入力を前記アナログ・ランプ信号と比較する手段であって、比較出力を有する前記比較手段と、前記デジタル・ランプ出力に接続された第1データ入力と、前記比較出力に接続されたイネーブル入力とを有し、データを記憶する準安定性(不安定性)解消(除去)ラッチであって、準安定性を解消したデジタル信号出力を有する前記準安定性除去ラッチとから成る、アナログ信号をデジタル信号に変換する装置を提供する。
また、本発明は、アナログ・ランプ出力を有するアナログ・ランプ発生器と、グレイ・コード化デジタル・ランプ出力を有するデジタル・ランプ発生器と、アナログ信号を複数のアナログ・ランプ信号と比較する複数の比較器であって、複数の比較出力を有する前記複数の比較器と、前記デジタル・ランプ出力に接続された複数の第1データ入力と、前記比較出力に接続された複数のイネーブル入力とを有し、データを格納する複数の準安定性除去ラッチであって、複数の準安定性除去デジタル信号出力を有する前記複数の準安定性除去ラッチとから成る、複数のアナログ信号を複数のデジタル信号に変換する装置を提供する。
また、本発明は、非クロック駆動型比較器を動作させ、入力アナログ電圧を電圧ランプと比較し、前記2つの比較器入力が実質的に等しい場合、デジタル・ラッチにグレイ・コード化デジタル・タイマ・ワードを格納可能とするステップから成るアナログーデジタル変換方法を提供する。
本発明の特徴および利点は、添付図面と関連する以下の本発明の詳細な説明、および詳細な説明の後に添付の請求の範囲から、一層容易に理解され、明白となろう。
【図面の簡単な説明】
図面は、この言及により本願に含まれるものとし、同様の要素には同様の参照記号を付与してある。
第1図は、本発明によるアナログーデジタル変換器の概略ブロック図である。
第2図は、第1図に示した準安定性除去回路の概略ブロック図である。
第2A図は、第1図に示したアナログ波形発生器の概略ブロック図である。
第3図は、本発明によるアナログーデジタル変換器アレイの概略ブロック図である。
第4図は、第3図に示したクロック逓倍位相ロック・ループの概略ブロック図である。
第5図は、第3図に示した90°移相器の概略ブロック図である。
第6図は、第3図に示した回路の代替実施例の概略ブロック図である。
第7図は、第6図の回路に用いられた二位相電圧制御型発振器および方形化回路の概略ブロック図である。
第8図は、第7図に示した電圧制御型発振器の詳細な回路構成図である。
第9図は、第7図に示した方形化回路の詳細な回路構成図である。
第10図は、グレイ・コード信号の最下位ビット間の時間的関係を示すタイミング図である。
詳細な説明
例示のみの目的のため、そして汎用性を限定しないように、これより特定の実施例および動作パラメータを参照しながら、本発明について説明する。しかしながら、本発明は、ここに記載する特定の動作パラメータには限定されないことを、当業者は理解するであろう。
まず第1図を参照すると、本発明のアナログーデジタル変換器の全体的概略ブロック図が示されている。アナログ入力信号15、即ち、変換対象のアナログ信号が、非クロック駆動型アナログ比較器(unclocked analog comparator)20の一方の入力に接続されている。比較器20の他方の入力はアナログ・ランプ信号18に接続されている。アナログ波形発生器30がアナログ・ランプ信号18を発生する。アナログ・ランプ信号18がアナログ入力信号15に実質的に等しい場合、比較器は出力信号21を発生する。比較器の出力信号21は、準安定性解消(除去)回路35の制御入力に接続される。アナログ波形発生器30には、デジタル・グレイ・コード・バス62上にデジタル・グレイ・コードを発生する、グレイ・コード発生器45が同期されている。デジタル・グレイ・コード・バス62は、準安定性除去回路35のデータ入力に接続されている。準安定性除去回路35は、比較器出力信号21のアクティブ状態に応答して、バス62上のデジタル・グレイ・コードの状態を格納する。その結果、準安定性除去回路35のデジタル出力信号47は、アナログ・ランプ信号18の大きさがアナログ入力信号15の大きさに等しい場合、このアナログ入力信号15の大きさのデジタル表現となる。
次に、準安定性除去回路35を詳細に示す第2図を参照する。比較器出力信号21は、Nビット・データ・ラッチ11の制御入力に接続されている。Nは、アナログ信号15をアナログーデジタル変換器によってデジタル化(変換)する際の分解能のビット数である。Nはいずれの数とすることができ、典型的に、殆どの用途では8ないし16の間である。Nビット・データ・ラッチ11のデータ入力は、グレイ・コード発生器45からのデジタル・グレイ・コード・バス62に接続されている。Nビット・データ・ラッチ11によってラッチされたデータ(グレイ・コード発生器45によって発生されたコードである)は、Nビット・フリップ・フロップ19へのライン17に供給される。Nビット・フリップ・フロップ19は、Nビット・データ・ラッチ11がグレイ・コード発生器45の状態を格納してから所定の時間期間の後に、ライン17上のデータを格納することによって、システムの準安定性を解決する。
次に、第1図に示したアナログ波形発生器30の概略ブロック図を示す、第2A図を参照する。演算増幅器32は、出力信号を積分コンデンサ28に供給することによって、アナログ・ランプ信号18供給する。新たな変換が開始されるとき、RESET信号19がタイミング回路33によって発生され、スイッチ28Aを活性化し、コンデンサ28を放電する。演算増幅器32の一方の入力21はRAMP_BIAS信号に接続され、第2の入力23はプログラマブル電流源31の出力に接続されている。プログラマブル電流源31は、演算トランスコンダクタンス増幅器(operational transconductance amplifier)27によって制御される。増幅器27は、アナログ・ランプ信号18に接続された第1入力を有する。増幅器27の第2の入力は、ランプ基準電圧RAMP_REFに接続されている。増幅器27の第3の入力は、ランプ調節回路29の出力に接続されている。アナログ・ランプの開始電圧は、RAMP_BIAS電圧を変化させることにより、調節可能である。アナログ・ランプ信号18の傾斜は、増幅器27によって制御される。トランスコンダクタンス増幅器27からの電流信号27Aに応答してプログラマブル電流源31の出力を変化させることによって、アナログ・ランプ信号18の傾斜を変化させることができる。ランプ信号18が終了する直前に発せられるタイミング回路33からの制御信号33Aに応答して、ランプ調節回路29は、制御信号29Aを通して、増幅器27をオンに切り替え、RAMP_REF電圧とアナログ・ランプ信号18の電圧との差をサンプリングする。トランスコンダクタンス増幅器27は、この電圧差を電流27Aに変換し、これを用いてプログラマブル電流源31を制御する。プログラマブル電流源31を調節した後、タイミング回路33は、制御信号33Aを通じて、増幅器27をオフに切り替え、フィードバック・ループを開放し、RESET信号19を発しスイッチ28Aを用いてコンデンサ28を放電し、次いでスイッチ28Aを開放して次の積分サイクルを開始する。
次に、並列のアナログーデジタル変換器10Aおよび10Bの概略ブロック図である、第3図を参照する。明確化のために2つの変換器のみを示すが、アレイ内にm個の変換器があることも可能である。一好適実施例では、アレイに328個の変換器が含まれる。各アナログーデジタル変換器は、デジタル・グレイ・コード・バス62および出力バス57に接続されている。デジタル・グレイ・コード・バス62は、m個のデータ・ラッチの各データ入力に接続されている。明確化のために、データ・ラッチ24Aおよび24Bへの接続部のみを示す。各データ・ラッチのデータ入力は、グレイ・コード発生器45によって駆動される。Nビット出力バス57は、各トランスファ(転送)ラッチ(ラッチ26Aおよび26Bが図示されている)のデータ出力に接続され、マルチプレクサ読み取り回路59によって読み取られる。
ライン15A上のアナログ信号、即ち、変換対象の信号は、サンプリング・スイッチ12Aが閉じられ、電荷がコンデンサ16Aに転送されるまで、コンデンサ23Aに格納されている。コンデンサ16Aは、スイッチ12Aが開放されるまで、アナログ信号15Aを積分する。所定の時間間隔が過ぎた後、スイッチ12Aを開放し、スイッチ25Aを閉じることにより、各変換周期の開始時にコンデンサ23Aをリセットする。比較対象の信号を転送するためには、いずれの電荷伝送素子または回路を用いてもよいことを、当業者は認めよう。読み取り段階の間、サンプル信号14Aが、比較器20Aによって、アナログ・ランプ信号18と比較される。サンプル信号14Aがアナログ・ランプ信号18に等しいか、あるいはこれに対してある所定の電位にある場合、比較器20Aの出力22Aはラッチ24Aを活性化する。比較器20Aの出力は、ラッチ24Aのイネーブル入力に接続されている。デジタル・グレイ・コード・バス62に接続されているラッチ24Aは、比較器の出力信号22Aに応答して、アナログ・ランプ信号18がサンプル信号14Aに等しいときのグレイ・コード・カウントの状態を格納する。ラッチ24Aの出力は転送ラッチ26Aに供給される。転送ラッチ26Aおよび26Bに接続されている出力制御シフト・レジスタ54は、変換器アレイからの特定のアナログーデジタル変換器の出力を選択する。各転送ラッチの出力は、マルチプレクサ読み出し回路59の一部であるNビット出力バス57を通じて、センス・アンプ53に接続されている。いずれの一時点においても、1つの転送ラッチのみがアクティブとなり、出力をバス57に供給する。出力制御レジスタ54は入力クロック68と同期を取られている。
マルチプレクサ読み取り回路59についてこれより説明する。当業者は、マルチプレクサ読み取り回路59内の回路ブロックの各々がNビット幅であり、各転送ラッチからその数のビットを収容することを理解するであろう。センス・アンプ53の出力は、入力レジスタ55の入力に接続されている。入力レジスタ55は、入力クロック68によって駆動される。入力レジスタ55は、出力制御シフト・レジスタ54によってイネーブルされたいずれかのNビット転送ラッチからの、Nビット出力バス57上のデータをラッチする。レジスタ55の出力は、準安定性除去レジスタ36の入力に接続されている。準安定性除去レジスタ36も、入力クロック68によって駆動される。準安定性除去レジスタ36は、Nビット出力バス57の状態が入力レジスタ55にラッチされてから1クロック・サイクルの後に、入力レジスタ55からのデータが準安定性除去レジスタ36に供給されるように駆動される。レジスタ36は、バス62上のデジタル信号がアナログ比較器20Aからの出力信号22Aによってラッチされたときに発生し得る、変換の準安定性を解消する。このラッチ列配列の回路分析によって、システムの準安定性は、準安定性除去レジスタ36の追加によって、少なくとも230倍改善されることが示されている。準安定性除去レジスタ36の出力はグレイ・コード・デコーダ38に接続され、これがグレイ・コード信号を標準2進信号に変換する。グレイ・コード・デコーダ38は、排他的論理OR(XORing)プロセスを用いてもよく、この場合、準安定性除去レジスタ36内の各ラッチの出力と隣接するビットとの排他的論理ORを取り(XORed)、次いでこの隣接するビットと別のビットとの排他的論理ORを取る等となる。グレイ・コード・デコーダ38による標準2進Nビット・コード出力は、Nビット出力レジスタ71のデータ入力に供給され、入力クロック68に応答して出力値をラッチする。出力レジスタ71の出力は、N個の出力ドライバ73に供給され、これらがNビットの変換された2進出力信号47を供給する。
入力クロック68は、クロック逓倍位相ロック・ループ回路(clock multiplying phase locked loop circuit)50にも供給され、これが高速クロック64を発生する。本発明の一実施例では、クロック逓倍器は12倍クロック逓倍器である。本発明の一実施例では、例えば、入力クロック68は公称7MHzのクロックであり、クロック逓倍器50はこれを12倍に高め、84MHzとする。
グレイ・コード発生器45についてこれより説明する。バス62上のデジタル・グレイ・コードは、本発明の一実施例では、Nビット2進グレイ・コードであり、3つのビット・ストリームの連結、即ち、最下位ビット60、最下位から2番目のビット58、およびN−2ビット・グレイ・コード・ワード56によって発生される。高速クロック64は、N−2ビット同期2進カウンタ48を駆動する。N−2ビット同期カウンタ48は、出力信号をN−2ビット・グレイ・コード・エンコーダ46に供給する。グレイ・コード・エンコーダは、バス62上のデジタル・グレイ・コードの上位N−2ビット56を供給する。グレイ・コード・エンコーダ46は、カウンタ48による各ビット出力を隣接する出力ビットとXORすることにより、グレイ・コードを発生する。
高速クロック64およびN−2ビット同期カウンタの最下位ビット49は、負エッジにおいてトリガされるフリップ・フロップ44に接続されている。負エッジ・トリガ・フリップ・フロップ44は、最下位ビットの次の信号、LSB+1 58を、バス62上のデジタル・グレイ・コードの一部として供給する。
高速クロック64は、90°アナログ移相器42にも接続されている。90°移相器42は、高速クロック64を90°シフトすることにより、最下位ビット信号LSB60を、バス62上のデジタル・グレイ・コードの一部として発生する。
一例としての実施例では、Nは13ビットに等しく、同期カウンタ48およびグレイ・コード・エンコーダ46は、グレイ・コード・バス62上に上位11ビットを供給する。12番目のビット(LSB+1)は、(約)75MHzクロックを2分割し、次いで75MHzクロックの立ち下がりエッジによってフリップ・フロップ44にラッチすることによって供給される。13番目のビット(LSB)は、閉ループ移相器42において、75MHzクロックを正確に90°、即ち、1クロック・サイクルの1/4だけ遅らせることによって発生する。このタイプの移相器は、時として遅延ロック・ループとも呼ばれている。
次に、第3図のクロック逓倍位相ロック・ループ50を詳細に示す、第4図を参照する。クロック逓倍器50は、入力クロック68と、ライン102上の高速クロック64を分周したものとの間の位相差を検出する、位相検出器100を含む。位相検出器100の出力104は、周波数逓倍電圧制御発振器(VCO)106を制御するために用いられる。VCO106は、入力クロック68の周波数の所定倍に高める。一例では、VCO106は、入力クロック68の周波数を12倍に高め、高速クロック64を生成する。VCO106の出力108は、「方形化」回路110に供給される。方形化回路110の機能は、出力信号112の整形を行うことにより、高速クロック64が50パーセントのデューティ・サイクル、即ち、「方形」出力を有するようにすることである。また、高速クロック64は、n分周回路114にも供給される。n分周回路114は、周波数をn分の1に分割することにより、ライン102上に送出されるクロック信号の周波数を、入力クロック68の周波数と等しくする。前述したように、一実施例では、VCO106がクロック周波数を12倍に高める場合、nは12であり、n分周回路114は、位相検出器100にこの信号を供給する前に、高速クロック64の周波数を12分の1に低下させる。一実施例では、VCO106はリング・オシレータを含んでもよい。
次に、第3図に示した90°アナログ移相器42の概略ブロック図である、第5図を参照する。高速クロック64およびクロック逓倍器50からのその相補クロックは、4入力排他的OR(XOR)ゲート80の第1および第2駆動入力に接続されている。XORゲート80は、高利得積分増幅器82の反転入力に結合されている出力を含む。増幅器82は制御信号83を出力し、制御信号83は電圧制御遅延回路78の制御入力に結合されている。また、電圧制御遅延回路78は、高速クロック64からの駆動信号も受け取る。増幅器82の高利得により、構成要素の値およびクロック周波数においてばらつきがある場合でも、遅延が常に90°となることが保証される。電圧制御遅延回路78は、制御信号83およびクロック64に応答して、遅延信号を「方形化」回路77に出力する。方形化回路77は遅延信号を整形し、それを対称形とすると共に50パーセントのデューティ・サイクル(即ち、「方形」出力)を有するようにし、信号をライン・ドライバ・インバータ(line driver invertor)75の入力に出力する。方形化回路77は、前述の方形化回路110と同様である。ライン・ドライバ・インバータ75は、第1ライン・ドライバ・インバータ信号75Aおよび第2ライン・ドライバ・インバータ信号75Bを、4入力排他的ORゲート80の第3および第4入力に出力する。第1および第2ライン・ドライバ・インバータ信号は、遅延一致回路81の第1および第2入力にも結合されている。信号75Aおよび75Bは、相補的な遅延クロックから成る。遅延一致回路81は、各信号75Aおよび75Bに発生する遅延が同一であり、これらの信号が互いに適正な位相関係を保持することを保証する。遅延一致回路81はLCB60を出力する。
次に、第3図の回路の別の実施例の概略ブロック図である、第6図を参照する。第6図の回路では、第3図の90°移相器42が除去されている。加えて、クロック逓倍器50を変更し、LSB60を直接供給するようにしてある。他の全ての面では、第6図の動作は、第3図に関連して既に記載したものと同一である。
次に、第6図のクロック逓倍器50の概略ブロック図である、第7図を参照する。第7図では、第4図におけると同様、入力クロック68が位相検出器100に供給され、位相検出器100は、入力クロック68および信号102に応答して、制御信号104を電圧制御発振器120に供給する。また、VCO120は、ライン108上の方形化回路110に供給される出力周波数を逓倍し、ライン112上に高速クロック64を発生する。ライン112上の方形化回路110の出力は、更に、n分周回路114にも供給され、第4図に関連して説明したのと同様に、制御信号102を送出する。
また、VCO120は、出力108に対して位相が90°ずれた第2出力122を発生し、他の方形化回路110に供給する。方形化回路110は、第4図に関連して説明したように動作し、ライン124上に、LSB60のための「方形化」出力を供給する。
次に、VCO120の概略図である第8図を参照する。VCO120は、互いに位相が90°ずれている、2つの出力108,122を発生する。VCO120は、ループ状に接続された奇数個のインバータ段で形成されたリング・オシレータである。即ち、VCO120は、インバータ126,128,130,132,および134を含む。インバータ134の出力は、ライン136を通じて、インバータ126の入力に接続され、リングを形成する。tをこれらインバータの内の1つの時間遅延、pをオシレータ内の段数とすると、発振周波数fは、
(1) f=1/(2pt)
となる。周波数を変更するには、インバータ・チェーンの電源電圧を変化させ、時間tを変化させる。CMOSインバータの場合、供給電圧が低下するにつれて、伝搬遅延が増大する。
リング・オシレータにおける段当たりの移相は、
(2) 位相/段=180/p
となる。例えば、第8図に示す5段発振器では、段当たりの移相は36°である。したがって、主出力から2段離れたタップでは、移相は72°となり、主出力から3段離れたタップでは、移相は180°となる。インバータが全て同一である場合、90°の移相は不可能である。
しかしながら、リング・オシレータ内の各インバータを同一に構成しなければ、リング・オシレータ内のインバータ間に、90°の移相を得ることができる。CMOSインバータでは、インバータによる遅延は、構成するトランジスタのサイズおよび形状、ならびにその出力上の容量性負荷量を含む、多数の要因によって異なる。これらの要因のいずれかを調節し、これらのインバータの1つの伝搬遅延を、リング内の残りのインバータに対して増加させることによって、必要な90°移相を得ることができる。
第8図に示すVCO120では、インバータ130の伝搬遅延は、2つのトランジスタ138および140を追加することによって調節され、これらのトランジスタは、常にオン状態となるようにバイアスされている。これによって、インバータ130による伝搬遅延を延長し、インバータ134,126,および128による全遅延を、変更したインバータ130およびインバータ132による遅延とほぼ同一となるようにする。インバータ134,136,および128による遅延が、変更したインバータ130およびインバータ132による遅延と同一となった場合、出力108および122間に正確に90°の移相が得られる。
次に、第4図および第7図に示した方形化回路110の概略回路図である、第9図を参照する。第5図の方形化回路77も、方形化回路110と同様に動作する。
第9図に示すように、VCO120の出力は方形化回路110に供給される。明らかに、第7図に示した回路の場合、VCO120の各出力毎に1つとして、2つの方形化回路が設けられている。
典型的に、VCO120は、残りの回路と比較すると、低い電圧で動作するので、出力108および122は、残りの回路の高い方の電圧レベルに変換する必要がある。加えて、通常伝搬遅延は出力信号の立ち上がりおよび立ち下がりエッジでは同一ではないので、リング・オシレータ内部の信号が対称的であっても、レベル変換回路の出力は対称的とならない。即ち、「方形」出力あるいは50パーセントのデューティ・サイクルを有さない。したがって、回路110は、レベル変換器を、閉ループ・フィードバック回路内に組み込み、必要に応じて入力スレシホルドを調節し、出力信号の対称性を維持している。
レベル・シフタは、トランジスタ150および152、ならびにインバータ154および156を含む。2つの電流源トランジスタ158および160は、電圧VMINUSおよびVPLUSによって制御される。電圧VMINUSおよびVPLUSは、カレント・ミラー162によって供給され、トランジスタ158および160によって送出される電流量を制御する。信号112または124のフィードバック・ループが、トランジスタ158,160、トランジスタ164を通じて、レベル・シフト・トランジスタ150および152に供給される。出力信号112または124の波形が非対称的となった、即ち、「方形状」でなくなった場合、トランジスタ158,160は、出力の対称性を再度確立する方向に、入力段の電流源トランジスタ150上のゲート電圧を変化させることによって応答する。加えて、コンデンサとして用いられているトランジスタ164が、あらゆるリップル電圧を濾波し、フィードバック・ループの応答時間を設定する。
次に、LSB60およびLSB+1 58のタイミング図である、第10図を参照する。第10図のタイミング図は、第3図の回路または第6図の回路のいずれもの動作を示す。高速クロック64が、時点3において、ローからハイに遷移する。N−2ビット2進カウンタ48の最下位ビット4は、高速クロック64のローからハイへの遷移時に遷移する。高速クロック64から得られたLSB60は、時点5でハイに、そして時点9でローに遷移する。カウンタの最下位ビット4から得られたLSB+1 58は、時点7でハイに、そして時点2でローに遷移する。グレイ・コード化信号の上位N−2ビット56は、時点3でのみ遷移し、一方LSB60およびLSB+1 58は時点3では変化しない。時点2,5,7,および9においては、一度にこれらの信号の1つのみが変化するので、カウントに変化があるときは、1つのビット変化のみを有するというグレイ・コードの要件を満たすことになる。
高速クロックを供給するために、逓倍される周波数を有する入力クロックを用いる代わりに、外部の高速クロックを用いて、カウンタ48、フリップ・フロップ44、および90°移相器42を制御することも可能であることは、当業者には理解されるであろう。
本発明の利点の1つは、グレイ・コードの最下位ビットの周波数を、回路を制御するために用いられるクロックの周波数と等しくすることが可能であることである。これが意味することは、最下位ビットの周波数を、フリップ・フロップの最大トグル周波数に等しくすることが可能であるということである。従来、典型的なグレイ・コードに対して、マスタ・クロック周波数は、グレイ・コードの最下位ビットの周波数の4倍であって。本発明では、対照的に、グレイ・コードの最下位ビットの周波数を、クロック周波数に等しくすることができる。したがって、クロック周波数は、クロック・カウンタ回路自体の固有の周波数制限による制限を受けるのみである。これによって、従来達成可能であったよりも、高い変換レートが可能となる。
室温における典型的な2ミクロンCMOSプロセスでは、この周波数制限は約150MHz、そして80°Kにおいて約500MHzである。典型的な1ミクロンCMOSプロセスでは、この周波数制限は、室温において約500MHz、そして80°Kにおいて1Ghz以上の場合がある。本発明の一実施例では、72MHzのマスタ・クロックが3.5nsの分解能のグレイ・コードを発生し、これは30μsで13ビットの変換を可能とする。500MHzのマスタ・クロックは、分解能が500psのグレイ・コードを発生し、33μsで16ビットの変換、または2μsで12ビットの変換を可能にする。一チップ上にこれらの変換器を数百個設けることにより、全変換レートは100MHz程度となり得る。予測される電力はチャネル当たり50μw未満である。その結果、本発明は、かかる変換器のアレイを単一チップ上で用いる場合、比較的遅いアナログーデジタル変換の単一スロープ法によって、電力消費を低い量に抑えつつ、比較的高い変換レートを得ることを可能とする。更に、単一スロープ・アナログーデジタル変換器の単純な設計のために、特にCMOS技術を用いる場合は、電力を節約すると共に、単一集積回路上に多数のこれら変換器を集積することが可能となる。
グレイ・コード・カウントは、定義として、コードが増分する毎に1ビットのみが変化するので、比較器が活性化されるときに格納すべきデジタル信号として用いる。ラッチがイネーブルされたとき、グレイ・コード化されたビットの内変化プロセスに入ることができるのは1ビットだけであるので、準安定性を呈する可能性があるのはサンプリングされたビットの1つのみであり、結果的に得られるコードは、最下位の1ビットだけが不確実であるに過ぎない。これは、標準2進コードを、格納されるデジタル信号として用いる場合とは対照的である。コードの増分毎に1ビット以上が変化し得るので、多数のサンプル・ビットが準安定性を呈する可能性がある。
また、グレイ・コード・カウントを用いると、準安定性の解消は、回路においては、それを完了する時間に余裕がある時点で判定することができるので、電力削減および回路の速度要求の緩和を図ることができる。その結果、本発明では、データ・レートが、各アナログーデジタル変換器によってデータが供給されるレートよりも大幅に低い場合に、データの多重化の後まで、準安定性の解消を遅らせることができる。即ち、従来の回路では、準安定性の解消は、典型的に、カウンタからの2進コードがNビット・データ・ラッチにクロックにより入力されるときに得られることが多かった。この場合、比較的高いクロック・レートおよび非常に短い時間間隔で準安定性の解消を行わなければならない。対照的に、本発明は、前述したように、非常に遅いクロック・レートを用いてこの機能を達成することができ、回路の電力削減および速度要求緩和を図ることができる。
例えば、(約)75MHzクロックを用いて、グレイ・コードを発生することができる。この75MHzクロックは、(約)6MHzの入力クロックから発生する。75MHzクロックはアナログーデジタル変換にのみ用いられ、集積回路の他の全機能には6MHzクロックが用いられる。
328個の変換器のアレイを用いることにより、13ビットの分解能で約30マイクロ秒で変換は完了する。従来の手法では、約300MHzのマスタ・クロック周波数を必要とし、これは、例えば、従来の2ミクロンCMOSプロセスの処理能力よりも高い。グレイ・コードを用いることにより、328個の比較器における300MHzのレートではなく、13ビットにおける6MHzのレートで、準安定性の解消を行うことができるようになる。
また、本発明は、高い有効クロック・レート、および高い分解能で、アナログーデジタル変換器のアレイからのアナログ信号を変換する方法も提供する。多数の入力信号は、各変換器毎に1つずつサンプルおよびホールドされる。信号は、アナログ源からの電流を積分することによって形成される。この信号は、変換プロセスの期間にわたり、コンデンサ上で一定に保持される。次に、アナログ・ランプおよびデジタル・カウンタを同時に起動させる。比較回路は、ランプの電圧を、サンプルおよびホールドされた電圧と比較する。これら2つが等しい場合、比較器の出力は状態を変化させ、デジタル・カウンタの値をNビット・ラッチ内に格納させる。ラッチのアレイに格納された値は、種々の入力電圧のデジタル表現であり、並列的に他のラッチ・アレイに転送される。そして、前回の変換の結果を多重化してデジタル出力信号を形成しつつ、新たな組の変換を行うことができる。
変換器のアレイに対して、デジタル・カウンタおよびランプ発生器は全ての変換器に共通である。各変換器自体は1つのサンプル・ホールド、比較器、およびデジタル・ラッチのアレイのみを必要とする。
本発明の回路は、従来のCMOS技術を用いて、半導体形態でモノリシック状に集積することができる。
以上、本発明の少なくとも1つの例示的実施例について説明したが、種々の改造、変更、および改良が、当業者には容易に想起されよう。かかる改造、変更、および改良は、本発明の精神および範囲内にあることを意図するものである。したがって、これまでの記載は一例であるに過ぎず、限定を意図しない。本発明は、以下の請求の範囲およびその均等物において規定されるようにのみ、限定されるものである。

Claims (30)

  1. アナログ・ランプ信号(18)を出力するアナログ・ランプ発生器(30)と、
    一連のデジタル・カウントを出力するグレイ・コード発生器(45)と、
    アナログ信号をデジタル信号に変換する複数の変換器回路(10A,10B)と、
    を備えた装置であって、各変換器回路が、前記アナログ・ランプ信号(18)および一連のデジタル・カウントを受けるように前記アナログ・ランプ発生器およびグレイ・コード発生器に結合され、前記複数の変換器回路の各々が、
    アナログ信号をアナログ・ランプ信号と比較するとともに、比較器出力信号を出力する比較器(20)と、
    前記比較器出力信号に応答して、変換期間の間にデジタル信号を前記一連のデジタル・カウントの1つのデジタル・カウントとして格納する第1レジスタ(24)と、
    複数の変換器回路の各変換器回路(10A,10B)の第1レジスタ(24A,24B)に結合され、前記複数の変換器回路の1つから1つのデジタル信号を選択し、選択されたデジタル信号(57)を出力するマルチプレクサ(26,54)と、
    前記選択されたデジタル信号を2進に変換するように結合されたグレイ−2進変換器(38)と、
    を含む装置において、
    前記マルチプレクサに結合され、変換期間後の所定の時間に前記選択されたデジタル信号を格納して、選択されたデジタル信号に基づいて準安定性を除去したデジタル信号を出力する準安定性除去レジスタ(36)を備え、準安定性を除去したデジタル信号は前記グレイ−2進変換器によって変換されることを特徴とする装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記複数の変換器回路の各々は、一連の変換期間の間に、一連のアナログ信号を対応する一連のデジタル信号に変換し、
    前記準安定性除去レジスタ(36)は、入力クロック(68)を含み、第1データ・レートで前記一連のデジタル信号を格納し、
    前記グレイ・コード発生器(45)は、前記第1データ・レートよりも高い第2データ・レートで前記一連のデジタル・カウントを出力し、前記一連のデジタル信号の各デジタル信号が前記第1レジスタ(24)に前記一連のデジタル・カウントの1つのデジタル・カウントとして格納される、装置。
  3. 請求項2記載の装置において、前記準安定性除去回路(59)は、前記一連の変換期間の各変換期間後の所定の時間に前記一連のデジタル信号の各デジタル信号を格納する、装置。
  4. 請求項1記載の装置において、更に、第1周波数を有する入力クロック(68)を含み、前記マルチプレクサ(26,54)が、前記複数の変換器回路(10A,10B)から一連のデジタル信号を選択するように前記入力クロックに結合され、選択された一連のデジタル信号を前記入力クロックの第1周波数に基づく第1データ・レートで出力する、装置。
  5. 請求項4記載の装置において、前記マルチプレクサ(26,54)は、前記入力クロック(68)のそれぞれの第1サイクルの間に選択されたデジタル信号の各々を出力する、装置。
  6. 請求項5記載の装置において、前記入力クロック(68)および前記マルチプレクサ(26,54)に結合された入力レジスタ(55)を含む準安定性除去回路(59)を更に含み、前記第1データ・レートで前記選択された一連のデジタル信号を受けて、各選択されたデジタル信号を前記入力クロック(68)のそれぞれの第1サイクルの間に格納する、装置。
  7. 請求項6記載の装置において、前記準安定性除去回路(59)は、
    前記入力クロック(68)および前記入力レジスタ(55)に結合された準安定性除去レジスタ(36)を更に含み、前記第1データ・レートで前記選択された一連のデジタル信号を受けて、各選択されたデジタル信号を前記それぞれの第1サイクル後の前記入力クロックのそれぞれの第2サイクルの間に格納し、前記準安定除去レジスタ(36)は前記準安定性を除去したデジタル信号を各選択されたデジタル信号に対して出力する、装置。
  8. 請求項7記載の装置において、前記グレイ・コード発生器(45)は、前記第1データ・レートよりも高い第2データ・レートで前記一連のデジタル・カウントを出力し、各変換器回路(10A,10B)に対して、前記デジタル信号が前記第1レジスタ(24A,24B)に前記一連のデジタル・カウントの1つのデジタル・カウントとして格納される、装置。
  9. 請求項8記載の装置において、前記グレイ−2進変換器(38)は、前記準安定性を除去したデジタル信号を受けるように前記準安定性除去レジスタ(36)に結合され、準安定性を除去したデジタル信号に基づいて準安定除去標準2進デジタル信号を出力する、装置。
  10. 請求項9記載の装置において、前記入力クロックの第1周波数よりも高い第2周波数を有する高速クロックを更に含み、
    前記デジタル信号はNビットを含み、前記一連のデジタル・カウントの各デジタル・カウントが最下位ビット、最下位ビットの次のビット、および(N−2)最上位ビットを含み、
    前記グレイ・コード発生器(45)は前記高速クロックに結合され、該高速クロックの第2周波数で最下位ビットをトグル動作させるように構成および配置され、それによって前記グレイ・コード発生器は第2データ・レートで前記一連のデジタル・カウントを発生する、装置。
  11. 請求項10記載の装置において、前記高速クロックの第2周波数は前記入力クロックの第1周波数よりも少なくとも12倍高い装置。
  12. 請求項10記載の装置において、前記グレイ・コード発生器(45)は、
    前記高速クロック(64)に結合され、カウンタ最下位ビットを含む同期カウンタ出力を有する同期カウンタ(48)と、
    前記同期カウンタ出力に結合され、前記(N−2)最上位ビットを出力するXORグレイ・エンコーダ(46)と、
    前記カウンタ最下位ビットを受けるように前記高速クロックおよび同期カウンタに結合され、前記最下位ビットの次のビットを出力する第1移相器(44)と、を含む装置。
  13. 請求項12記載の装置において、前記グレイ・コード発生器(45)は、更に、前記高速クロックに結合された第2移相器(42)を含み、最下位ビットを高速クロックの位相シフトされたものとして出力する装置。
  14. 請求項13記載の装置において、前記第2移相器(42)は最下位ビットを高速クロックの90°位相シフトされたものとして出力し、該第2移相器は、
    制御入力を有し、前記高速クロックに結合され、前記高速クロックおよび前記制御入力において受けた制御信号の両方に基づいて遅延されたクロック信号を出力する電圧制御遅延(78)と、
    遅延されたクロック信号を受けるように前記電圧制御遅延に結合され、50%デューティ・サイクル遅延クロック信号を出力する方形化回路(77)と、
    前記50%デューティ・サイクル遅延クロック信号を受けるように、前記高速クロックおよび前記方形化回路に結合され、前記最下位ビット、および前記高速クロックと前記50%デューティ・サイクル遅延クロック信号との差に基づく位相信号を出力する位相検出器回路(75,80)と、
    前記位相信号を受けるように前記位相検出器回路に結合され、前記電圧制御遅延に制御信号を出力する増幅器(82)と、
    を含む装置。
  15. 請求項12記載の装置において、更に高速クロック発生器(50)を備え、入力クロックを受けて、入力クロックの第1周波数を逓倍して高速クロックを出力する装置。
  16. 請求項15記載の装置において、
    前記高速クロック発生器(50)は、分周器(114)を含み、高速クロック(60)および高速クロックの第2周波数よりも低い第3周波数を有する変更された高速クロック(64)を出力し、
    前記高速クロックは最下位ビットを提供し、
    前記高速クロックの代わりに、前記変更された高速クロックが前記同期カウンタ(48)および第1移相器(44)に結合される、
    装置。
  17. 請求項15記載の装置において、前記装置は半導体チップ上に集積されたモノリシック・デバイスである装置。
  18. 請求項17記載の装置において、前記モノリシック・デバイスはCMOSデバイスである装置。
  19. アナログ−デジタル信号変換方法であって、
    アナログ・ランプ信号(18)を発生するステップと、
    一連のグレイ・コード・デジタル・カウントを発生するステップと、
    複数のアナログ信号を前記アナログ・ランプ信号と比較して、対応する複数の比較信号を発生するステップと、
    変換期間の間に複数のデジタル信号を複数の第1レジスタ(24A,24B)にそれぞれ格納するステップであって、複数のデジタル信号の各々は複数のアナログ信号の対応するものに基づいており、各デジタル信号は前記複数の比較信号の1つに基づいて対応する第1レジスタに格納されるステップと、
    前記複数の第1レジスタからデジタル信号を順次選択するステップと、
    前記選択されたデジタル信号を対応する2進信号に変換するステップと、
    を含む方法において、
    変換期間後の所定の時間に前記順次選択されたデジタル信号を準安定性除去レジスタ(36)に転送して、対応するデジタル信号に変換される前に、順次選択されたデジタル信号の準安定性を除去するステップを含むことを特徴とする方法。
  20. 請求項19記載の方法において、前記複数のデジタル信号をそれぞれ格納するステップは、一連の変換期間の間に、対応する一連のアナログ信号に基づいて一連のデジタル信号を格納するステップを含み、前記転送するステップは、一連のデジタル信号を第1データ・レートで前記準安定性除去レジスタ(36)に転送するステップを含む、方法。
  21. 請求項20記載の方法において、
    前記一連のデジタル信号を格納するステップは、前記一連の変換期間の各変換期間の間に、前記一連のデジタル信号の各デジタル信号を少なくとも1つの対応する第1レジスタ(24)に格納するステップを含み、
    前記一連のデジタル信号を転送するステップは、各変換期間後の所定の時間に、一連のデジタル信号の各デジタル信号を前記準安定性除去レジスタ(36)に転送するステップを含む、方法。
  22. 請求項20記載の方法において、前記一連のデジタル信号を格納するステップは、
    前記第1データ・レートよりも高い第2データ・レートで前記一連のデジタル・カウントを発生するステップと、
    前記一連のデジタル信号の各デジタル信号を前記第1レジスタ(24)に前記一連のデジタル・カウントの1つのデジタル・カウントとして格納するステップと、
    を含む方法。
  23. 請求項19記載の方法において、
    前記デジタル信号を順次選択するステップは、前記複数の第1レジスタから第1データ・レートで一連のデジタル信号を選択するステップを含み、
    前記順次選択されたデジタル信号を転送するステップは、前記選択された一連のデジタル信号を前記第1データ・レートで前記第2レジスタに転送するステップを含む、方法。
  24. 請求項23記載の方法において、前記複数のデジタル信号をそれぞれ格納するステップは、
    前記第1データ・レートよりも高い第2データ・レートで前記一連のデジタル・カウントを発生するステップと、
    各デジタル信号をそれぞれの第1レジスタに前記一連のデジタル・カウントの1つとして格納するステップと、
    を含む方法。
  25. 請求項24記載の方法において、前記順次選択されたデジタル信号を転送するステップは、更に、前記第2レジスタに転送された順次選択されたデジタル信号をグレイ・コード化された信号から準安定除去標準2進デジタル信号に変換することを含む方法。
  26. 請求項24記載の方法において、前記一連のデジタル信号を選択するステップは、第1周波数を有する入力クロックに基づいて一連のデジタル信号を選択するステップを含み、それによって一連のデジタル信号が第1データ・レートで選択される方法。
  27. 請求項26記載の方法において、前記一連のグレイ・コード・デジタル・カウントを発生するステップは、前記入力クロックの第1周波数よりも高い第2周波数を有する高速クロックに基づいて一連のグレイ・コード・デジタル・カウントを発生するステップを含み、それによって一連のデジタル・カウントは前記第2データ・レートで発生される、方法。
  28. 請求項27記載の方法において、
    前記複数のデジタル信号の各デジタル信号はNビットを含み、
    前記一連のグレイ・コード・デジタル・カウントの各々が最下位ビットを含み、
    前記高速クロックに基づいて一連のグレイ・コード・デジタル・カウントを発生するステップは、前記高速クロックの第2周波数で最下位ビットをトグル動作させるステップを含む、方法。
  29. 請求項28記載の方法において、前記高速クロックに基づいて一連のグレイ・コード・デジタル・カウントを発生するステップは、高速クロックの位相シフトに基づいてグレイ・コード・デジタル・カウントのNビットの少なくとも1ビットを発生するステップを含む方法。
  30. 請求項29記載の方法において、前記高速クロックの位相シフトに基づいてグレイ・コード・デジタル・カウントのNビットの少なくとも1ビットを発生するステップは、高速クロックの90°位相シフトされたものとして最下位ビットを発生するステップを含む方法。
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