JP3810317B2 - 床暖房パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱用長尺体を配設するための溝部が形成された板状基材が設けられ、前記加熱用長尺体が前記板状基材に配設されるように構成されている床暖房パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような床暖房パネルは、暖房対象の床に板状基材を敷設して、熱媒体流通管や電気ヒータなどの加熱用長尺体を板状基材の溝部に配設して床を暖房するものである。
そして、この種の床暖房パネルでは、例えば、特開2000−291965号公報に示されているように、板状基材に蓄熱材の小塊を分散含有させることにより、加熱用長尺体にて与えられる熱量を板状基材に蓄熱可能とし、加熱用長尺体による熱量に加えて、板状基材に蓄熱された熱量にて効率よく暖房する蓄熱可能な床暖房パネルがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の蓄熱可能な床暖房パネルにおいて、下記の3つの点が求められる。一つ目は、加熱用長尺体を床暖房パネルに配設するために、板状基材における溝部の構成の容易化を図ることであり、二つ目は、設置箇所によって暖房対象の床面積が異なることから、暖房対象の床面積の変化に対応することであり、三つ目は、暖房対象の床に敷設されることから、とくに、上面からの荷重に対する強度の補強である。
【0004】
例えば、暖房対象の床面積と同じまたはほぼ同じ大きさの板状基材を形成し、その板状基材に溝部を形成することにより、蓄熱可能な床暖房パネルを構成することが考えられる。
このような構成では、単に、板状基材に溝部を形成するだけで、床暖房パネルに加熱用長尺体を配設することが可能となるので、板状基材における溝部の構成の容易化を図ることが可能となる。
しかしながら、暖房対象の床面積の大きさによって板状基材の大きさを変える必要があり、製作コストがかかるという問題が生じ、また、大きさの大きな板状基材を全体にわたって強度を補強する必要があり、強度の補強を行いにくいものとなる。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、板状基材における溝部の構成の容易化を図り、暖房対象の床面積の変化に低コストで対応することが可能となり、強度の補強を容易に行える蓄熱可能な床暖房パネルを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、加熱用長尺体を配設するための溝部が形成された板状基材が設けられ、前記加熱用長尺体が前記板状基材に配設されるように構成されている床暖房パネルにおいて、
平行またはほぼ平行な複数の直線溝部が形成されかつそれ自体が蓄熱体にて構成された直線基材部分と、前記複数の直線溝部の一端部でそれら複数の直線溝部にわたって前記加熱用長尺体を配設するための湾曲溝部が形成されかつそれ自体が蓄熱体にて構成された湾曲基材部分とが各別に形成され、前記板状基材は、前記直線溝部に沿う方向において、前記直線基材部分を複数並設し、その両端部に前記湾曲基材部分を配設する状態で、前記直線基材部分と前記湾曲基材部分とを並べて構成され、前記加熱用長尺体が、前記直線溝部および前記湾曲溝部にわたって配設され、前記板状基材が、蓄熱体が充填された下方側蓄熱用容器と蓄熱体が充填された上方側蓄熱用容器とに分離され、前記下方側蓄熱用容器に溝用凹部が形成され、矩形状の前記上方側蓄熱用容器が複数設けられ、前記加熱用長尺体の熱を前記板状基材の面方向に伝熱させる伝熱体が、それに形成した凹入部が前記下方側蓄熱用容器の前記溝用凹部に嵌まり込む状態で装着され、前記伝熱体の平板部に前記上方側蓄熱用容器が配設されることにより、前記伝熱体が、前記下方側蓄熱用容器と前記上方側蓄熱用容器とにより挟み込まれる状態で、前記板状基材の上下方向の中間部に配設されている。
【0007】
すなわち、複数の直線溝部が形成されかつそれ自体が蓄熱体にて構成された直線基材部分を、直線溝部に沿う方向に複数並設し、湾曲溝部が形成されかつそれ自体が蓄熱体にて構成された湾曲基材部分を、直線溝部に沿う方向に並設された直線基材部分の両端部に配設し、直線基材部分の直線溝部および湾曲基材部分の湾曲溝部にわたって加熱用長尺体を配設することにより、直線基材部分および湾曲基材部分からなる板状基材に加熱用長尺体を配設することが可能で、かつ、直線基材部分における蓄熱体および湾曲基材部分における蓄熱体に蓄熱することが可能な床暖房パネルを構成することが可能となる。
【0008】
そして、直線基材部分に直線溝部を形成し、湾曲基材部分に湾曲溝部を形成し、直線基材部分と湾曲基材部分とを直線溝部に沿う方向に並設するだけで、加熱用長尺体を床暖房パネルに配設することが可能となり、板状基材における溝部の構成の容易化を図ることが可能となる。
しかも、直線基材部分と湾曲基材部分との2種類の大きさのものを形成し、直線基材部分および湾曲基材部分の数を適宜変更することにより、暖房対象の床面積に応じた大きさの床暖房パネルを構成することが可能となるので、暖房対象の床面積の変化に低コストで対応することが可能となる。
さらに、直線基材部分および湾曲基材部分の強度を補強し、その直線基材部分の複数と湾曲基材部分の複数を直線溝部に沿う方向に並設することにより、床暖房パネル全体の強度を補強することが可能となり、床暖房パネルの強度の補強を容易に行うことが可能となる。
【0009】
以上のことをまとめると、請求項1に記載の発明によれば、板状基材における溝部の構成の容易化を図り、暖房対象の床面積の変化に低コストで対応することが可能となり、強度の補強を容易に行える蓄熱可能な床暖房パネルを提供できるに至った。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記直線基材部分および前記湾曲基材部分が、その全体または大部分を前記蓄熱体にて構成されている。
すなわち、直線基材部分および湾曲基材部分が、その全体または大部分を蓄熱体にて構成されているので、板状基材の全体または大部分を蓄熱体にて構成することが可能となり、板状基材に極力多量の熱量を蓄熱させることが可能となる。したがって、加熱用長尺体による熱量に加えて、板状基材に蓄熱された多量の熱量にて暖房することが可能となるので、板状基材に極力多量の熱量を蓄熱させ、その蓄熱された熱量にて効率よく暖房することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる床暖房パネルの参考の実施形態について図面に基づいて説明する。
この床暖房パネルPは、図1〜図4に示すように、加熱用長尺体としての熱媒体流通管1を配管するための溝部2が形成された板状基材3、その板状基材3の溝部2に配管された熱媒体流通管1などから構成されている。
【0016】
前記板状基材3は、矩形板状の直線基材部分4の複数枚と、直線基材部分4の幅とほぼ同一の幅を備えた湾曲基材部分5の複数枚とから構成されている。
ちなみに、直線基材部分4の夫々は、厚みと幅がほぼ同一に構成され、湾曲基材部分5の夫々は、厚みと幅が直線基材部分4とほぼ同じに構成されている。
【0017】
そして、直線基材部分4の幅方向(図1中X方向)を同一方向として、複数の直線基材部分4を互いに隣接するように配置し、直線基材部分4の長さ方向(図1中Y方向)の両端部に湾曲基材部分5を配置して構成されている。
また、直線基材部分4の幅方向に隣接する直線基材部分4の相互間および湾曲基材部分5の相互間には、図3に示すように、アルミテープBを貼り付けることにより小根太6が装着されている。
【0018】
前記板状基材3における溝部2は、平行またはほぼ平行な複数の上方が開口した凹入状の直線溝部2aと、複数の直線溝部2aの一端部でそれらの直線溝部2aにわたって熱媒体流通管1を配管するための上方が開口した凹入状の湾曲溝部2bとから構成され、直線基材部分4に設けられた直線溝部2aと湾曲基材部分5に設けられた湾曲溝部2bとにわたって、熱媒体流通管1を蛇行状に配管するように構成されている。
ちなみに、直線基材部分4の幅方向に隣接する湾曲基材部分5の相互間に位置する小根太6には、直線基材部分4の幅方向に隣接する湾曲基材部分5にわたって熱媒体流通管1を配設するための溝部が形成されている。
【0019】
前記熱媒体流通管1は、一般的に架橋ポリエチレン管やポリブテン樹脂管など可撓性のあるものが使用され、図1に示すように、接続部のない2本の熱媒体流通管1から構成されている。
つまり、配管の信頼性を高めるために、接続部のない管により熱媒体流通管1を構成し、2本の熱媒体流通管1を直線基材部分4の直線溝部2aと湾曲基材部分5の湾曲溝部2bにわたって1本ずつ配管するように構成されている。
【0020】
前記熱媒体流通管1の両端は、湾曲基材部分5に設けられている熱媒体供給部9に接続され、図外の熱源機から温水などの熱媒体が熱媒体供給部9の往き側を介して熱媒体流通管1のそれぞれに供給される。そして、熱媒体流通管1に供給された温水が、熱媒体流通管1を通流して熱媒体供給部9の戻り側を介して床暖房パネルPから排出するように構成されている。
つまり、直線基材部分4と湾曲基材部分5にわたって配管されている熱媒体流通管1に、熱媒体供給部9を介して図外の熱源機からの温水を通流させることにより蓄熱体8に蓄熱させ、熱媒体流通管1による熱に加えて、蓄熱体8に蓄熱された熱にて暖房対象の床を暖房するように構成されている。
【0021】
前記直線基材部分4は、その直線基材部分4の長さ方向に沿う平行またはほぼ平行な複数の直線溝部2aが形成されかつそれ自体が蓄熱体8にて構成されている。
説明を加えると、直線基材部分4は、例えば、ポリプロピレンからなる直線蓄熱用容器7a内に直線蓄熱体8a(例えば、硫酸ナトリウム系)を充填させて構成され、直線蓄熱用容器7aには、その直線基材部分4の長さ方向に沿う直線状の直線溝部2aが形成され、直線基材部分4の全体または大部分が蓄熱体8にて構成されている。
【0022】
前記湾曲基材部分5は、複数の直線溝部2aの一端部でそれらの複数の直線溝部2aにわたって熱媒体流通管1を配設するための湾曲溝部2bが形成されかつそれ自体が蓄熱体8にて構成されている。
説明を加えると、湾曲基材部分5は、直線基材部分4と同様に、例えば、ポリプロピレンからなる湾曲蓄熱用容器7b内に湾曲蓄熱体8b(例えば、硫酸ナトリウム系)を充填させて構成され、湾曲蓄熱用容器7bには、湾曲溝部2bが形成され、湾曲基材部分5の全体または大部分が蓄熱体8にて構成されている。
【0023】
ちなみに、湾曲基材部分5における湾曲溝部2bは、同じ形状に形成されており、その湾曲溝部2bは、直線基材部分4の幅方向に隣接する直線基材部分4において、一方側に隣接する直線基材部分4における直線溝部2aにわたって熱媒体流通管1を配設することも、他方側に隣接する直線基材部分4における直線溝部2aにわたって熱媒体流通管1を配設することも、また、同一の直線基材部分4における直線溝部2aにわたって熱媒体流通管1を配設することも可能な形状に構成されている。
【0024】
このようにして、直線基材部分4と湾曲基材部分5とからなる板状基材3は、蓄熱用容器7(7a,7b)内に蓄熱体8(8a,8b)を充填させて構成され、蓄熱用容器7に板状基材3上面側を開口している上向き凹状の溝部2(2a,2b)が形成され、板状基材3の全体または大部分を蓄熱体8にて構成させて、板状基材3に極力多量の熱量を蓄熱させるようにして、熱媒体流通管1による熱量に加えて、板状基材3に蓄熱された多量の熱量にて効率よく暖房対象の床を暖房するようにしている。
【0025】
また、蓄熱用容器7の夫々には、上面からの荷重に対して補強する補強部としての凹凸状のリブ10が形成され、床暖房パネルPの設置作業時や床暖房パネルPを設置した状態において、蓄熱用容器7が損傷することを防止している。
【0026】
前記板状基材3の上面には、図2〜図4に示すように、熱媒体流通管1の熱を板状基材3の面方向に伝熱させる伝熱体11が配設されている。
説明を加えると、伝熱体11は、伝熱性のよいアルミや銅などの金属材料の板体にて構成され、直線溝部2aおよび湾曲溝部2bの凹入状に沿う凹入部11aが形成され、伝熱体11の凹入部11aの深さは、直線溝部2aおよび湾曲溝部2bの深さよりも少し小さくなるように形成されている。
【0027】
すなわち、伝熱体11に形成される凹入部11aの深さを直線溝部2aおよび湾曲溝部2bの深さよりも小さくなるように形成することにより、伝熱体11と直線基材部分4の上面部および湾曲基材部分5の上面部とが接触し、熱媒体流通管1の熱を板状基材3の面方向に的確に伝熱させることができるように伝熱体11を設けることができるようにしている。
【0028】
そして、その伝熱体11の凹入部11aが直線基材部分4における直線溝部2aおよび湾曲基材部分5における湾曲溝部2bに嵌まり込む状態で伝熱体11を装着し、伝熱体11の凹入部11aに熱媒体流通管1を配設することにより、板状基材3の上面において、伝熱体11にて熱媒体流通管1の熱が直線基材部分4の長さ方向および幅方向に伝熱させるようにしている。
前記直線基材部分4には、直線溝部2aにおいて、直線基材部分4の長さ方向の全長にわたって伝熱体11が設けられ、湾曲基材部分5には、湾曲溝部2bのうち、直線基材部分4の直線溝部2aに連なる直線状の部分にのみ伝熱体11が設けられている。
ちなみに、板状基材3の上面部が、伝熱体11の装着箇所において、伝熱体11を装着した状態で、板状基材3の上面部が均一またはほぼ均一な高さになるように、1段低くなるように形成されている。
【0029】
また、図3は、熱媒体供給部9が配設された湾曲基材部分5の一部を切欠いたものを示しており、湾曲溝部2bのうち、直線基材部分4の直線溝部2aに連なる直線状の部分のみ示している。
ちなみに、図3に示すものでは、伝熱体11に複数の凹入部11aに形成して、複数の湾曲溝部2bに対してひとつの伝熱体11を装着するようにしているが、図中点線で示すように、伝熱体11を分離して構成し、伝熱体11にひとつの凹入部11aを形成して、複数の湾曲溝部2bの夫々に伝熱体11を装着するようにしてもよい。
【0030】
この床暖房パネルPでは、図3に示すように、熱媒体供給部9が配設されている湾曲基材部分5に、その湾曲蓄熱用容器7bにセンサ溝部13が形成され、そのセンサ溝部13に温度センサ12が配設されて、その温度センサ12により蓄熱体8に蓄熱されている熱量を検出するようにしている。
そして、例えば、図外の熱源機から温水を供給している状態で、温度センサ12の検出温度が上限設定温度(例えば、65℃)以上になると、図外の熱源機からの温水の供給を停止させ、図外の熱源機から温水の供給を停止している状態で、温度センサ12の検出温度が下限設定温度(例えば、45℃)以下になると、図外の熱源機からの温水の供給を開始させて、温度センサ12の検出温度が設定温度(例えば、55℃)になるように、図外の熱源機の運転を制御している。
このようにして、蓄熱体8に床暖房に必要な熱量が蓄熱されていないときだけ、図外の熱源機から温水を循環供給するようにしている。
【0031】
この床暖房パネルPは、直線基材部分4と湾曲基材部分5との2種類の大きさのものを形成し、直線基材部分4および湾曲基材部分5の数を適宜変更しながら、直線基材部分4の複数と湾曲基材部分5の複数を直線溝部2aに沿う方向に並設することにより、暖房対象の床の面積に応じて床暖房パネルPの大きさを変更することができ、暖房対象の床面積の変化に低コストで対応するように構成されている。
しかも、この床暖房パネルPは、直線基材部分4に直線溝部2aを形成し、湾曲基材部分5に湾曲溝部2bを形成し、直線基材部分4と湾曲基材部分5とを直線溝部に沿う方向に並設するだけで、熱媒体流通管1を床暖房パネルPに配設することにより、板状基材3における溝部2の構成の容易化を図るように構成されている。
さらに、この床暖房パネルPは、直線基材部分4および湾曲基材部分5の強度を補強し、その直線基材部分4の複数と湾曲基材部分5の複数を直線溝部2aに沿う方向に並設することにより、床暖房パネルP全体の強度を補強するように構成されている。
このようにして、板状基材3における溝部2の構成の容易化を図り、暖房対象の床面積の変化に低コストで対応し、強度の補強を容易に行える蓄熱可能な床暖房パネルを構成するようにしている。
【0032】
この床暖房パネルPは、図1に示すように、暖房対象の部屋が8畳のときには、直線溝部2に沿う方向、すなわち直線基材部分4の長さ方向において、2枚の直線基材部分4を配置して、その両端部に湾曲基材部分5を配置したものをひとつの組として、直線基材部分4の幅方向において、2枚の直線基材部分4と2枚の湾曲基材部分5とからなる組を11組配置させるようにしている。
【0033】
ちなみに、例えば、直線基材部分4は、長さを約900mm、幅を約258mmとし、湾曲基材部分5は、長さを約600mm、幅を約258mmとし、小根太6は、幅を約45mmとし、暖房対象の部屋が8畳のときには、直線基材部分4の長さ方向に約300mm、直線基材部分4の幅方向に約3075mmの床暖房パネルPを構成するようにしている。
そして、床暖房パネルPの大きさとしては、例えば、暖房対象の床面積に対する床暖房パネルPの敷設面積が60〜70%になるようにしている。
【0034】
前記床暖房パネルPの設置について説明を加えると、図4に示すように、暖房対象の床の床下地材14上に断熱材15および根太16を敷設し、その上面に下地合板17を敷設したのち、暖房対象の床面積に応じて直線基材部分4と湾曲基材部分5とを適宜組み合わせた床暖房パネルPを敷設する。
そして、床暖房パネルPの上面に、フローリングなどの床仕上げ材18を敷設する。
【0035】
ちなみに、例えば、断熱材15および根太16の厚みを45mm、下地合板17の厚みを12mm、床暖房パネルPの厚みを15mm、床仕上げ材18の厚みを12mmとしている。
【0036】
参考の別実施形態〕
上記参考の実施形態では、板状基材3を、蓄熱用容器7内に蓄熱体8を充填させて構成し、蓄熱用容器7に溝部2を形成することにより、直線基材部分4と湾曲基材部分5とからなる板状基材3自体を蓄熱体8にて構成するようにしているが、例えば、図5に示すように、蓄熱体8(例えば、パラフィン系)自体に溝部2を形成し、その蓄熱体8をパッケージ材19(例えば、アルミ基材)にて覆い、パッケージ材19の端部を高周波や熱により溶着させて、板状基材3自体を蓄熱体8にて構成するようにしてもよい。
そして、図5に示すものでは、パッケージ材19を、例えば、アルミ基材にて構成することにより、熱媒体流通管1の熱を板状基材3の面方向に伝熱させて、伝熱体11を不要とし、板状基材3の溝部2に熱媒体流通管1を配管させた状態で、板状基材3の上面の全体にわたってアルミテープBを貼ることにより、伝熱効果および均熱効果の促進を図るようにしている。
また、板状基材3と小根太6とは分離状態とし、現場施工により板状基材3の側方に小根太6を装着するようにしている。
【0037】
ちなみに、板状基材3に対する温度センサ12の取付については、蓄熱体8に予めセンサ挿入穴部20を形成したり、蓄熱体8に温度センサ12を挿入させることにより、板状基材3に蓄熱体8の蓄熱量を検出する温度センサ12を取り付けるようにしている。
【0038】
また、板状基材3に蓄熱材の小塊を分散含有させることにより、板状基材3自体を蓄熱体8にて構成することも可能であり、板状基材3自体を蓄熱体8にて構成する各種の構成が適応可能である。
【0039】
〔本発明の実施形態〕
上記参考の実施形態では、伝熱体11を板状基材3の上面に配設するようにしているが、伝熱体11を、上下から板状基材3にて挟み込まれるように、板状基材3の上下方向の中間部に配設する。
説明を加えると、図6に示すように、板状基材3を蓄熱体8が充填された下方側蓄熱用容器3aと蓄熱体8が充填された上方側蓄熱用容器3bとに分離可能とし、下方側蓄熱用容器3aに溝用凹部2cが形成され、矩形状の上方側蓄熱用容器3bが複数設けられている。
そして、伝熱体11の凹入部11aが下方側蓄熱用容器3aの溝用凹部2cに嵌まり込むで伝熱体11を装着し、伝熱体11の平板部11bに上方側蓄熱用容器3bを配設するようにしている。
このようにして、下方側蓄熱用容器3aの溝用凹部2cと、伝熱体11の平板部11bに上方側蓄熱用容器3bを配設することにより、板状基材3に溝部2を形成し、伝熱体11を、下方側蓄熱用容器3aと上方側蓄熱用容器3bとにより挟み込まれる状態で、板状基材3の上下方向の中間部に配設するようにしている。
【0040】
また、伝熱体11を板状基材3の上面に配設するとともに、上下から板状基材3にて挟み込まれるように、板状基材3の上下方向の中間部にも伝熱体11を配設するようにしてもよい。
【0041】
上記参考の実施形態では、直線基材部分4および湾曲基材部分5の並設例として、直線溝部2aに沿う方向において、直線基材部分4を2枚並設し、その両端部に湾曲基材部分5を配設するようにしているが、直線基材部分4の枚数および湾曲基材部分5の枚数については、3枚以上でもよく、複数であれば適宜変更することが可能であり、また、直線基材部分4自体および湾曲基材部分5自体の大きさについても、適宜変更が可能である。
【0042】
上記参考の実施形態では、本発明にかかる床暖房パネルを、熱媒体流通管1を加熱用長尺体として、温水式床暖房パネルに適応した例を示したが、電気ヒータを加熱用長尺体として、電気式床暖房パネルに適応してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考の実施形態における床暖房パネルの平面図
【図2】 参考の実施形態における床暖房パネルの要部斜視図
【図3】 参考の実施形態における床暖房パネルの要部拡大図
【図4】 参考の実施形態における床暖房パネルの断面図
【図5】 参考の別実施形態における床暖房パネルの要部斜視図
【図6】 本発明の実施形態における床暖房パネルの断面図
【符号の説明】
1 加熱用長尺体
2 溝部
2a 直線溝部
2b 湾曲溝部
2c 溝用凹部
3 板状基材
3a 下方側蓄熱用容器
3b 上方側蓄熱用容器
4 直線基材部分
湾曲基材部分
蓄熱体
11 伝熱体
11a 凹入部
11b 平板部

Claims (2)

  1. 加熱用長尺体を配設するための溝部が形成された板状基材が設けられ、前記加熱用長尺体が前記板状基材に配設されるように構成されている床暖房パネルであって、
    平行またはほぼ平行な複数の直線溝部が形成されかつそれ自体が蓄熱体にて構成された直線基材部分と、前記複数の直線溝部の一端部でそれら複数の直線溝部にわたって前記加熱用長尺体を配設するための湾曲溝部が形成されかつそれ自体が蓄熱体にて構成された湾曲基材部分とが各別に形成され、
    前記板状基材は、前記直線溝部に沿う方向において、前記直線基材部分を複数並設し、その両端部に前記湾曲基材部分を配設する状態で、前記直線基材部分と前記湾曲基材部分とを並べて構成され、
    前記加熱用長尺体が、前記直線溝部および前記湾曲溝部にわたって配設され
    前記板状基材が、蓄熱体が充填された下方側蓄熱用容器と蓄熱体が充填された上方側蓄熱用容器とに分離され、前記下方側蓄熱用容器に溝用凹部が形成され、矩形状の前記上方側蓄熱用容器が複数設けられ、
    前記加熱用長尺体の熱を前記板状基材の面方向に伝熱させる伝熱体が、それに形成した凹入部が前記下方側蓄熱用容器の前記溝用凹部に嵌まり込む状態で装着され、前記伝熱体の平板部に前記上方側蓄熱用容器が配設されることにより、前記伝熱体が、前記下方側蓄熱用容器と前記上方側蓄熱用容器とにより挟み込まれる状態で、前記板状基材の上下方向の中間部に配設されている床暖房パネル。
  2. 前記直線基材部分および前記湾曲基材部分が、その全体または大部分を前記蓄熱体にて構成されている請求項1に記載の床暖房パネル。
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