JP3809886B2 - 給湯器付風呂装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽に直接接続した配管を介して給湯器から設定温度の湯を供給可能とした給湯器付風呂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風呂釜を備えない給湯器付風呂装置においては、浴槽の側壁に、給湯器からの配管を直接接続するバスアダプターが設けられ、そのバスアダプター内に開口した配管の湯出口から、給湯器で設定温度に制御された湯を浴槽内へ供給可能となっている。又、バスアダプターには、美観上及び安全上、湯出口の前方を覆って湯の噴出を防止するキャップが披着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記キャップは、清掃時の至便等を考慮して着脱可能となっているため、キャップの取り外し後の再装着を忘れる虞れがあり、そのまま気づかずにバスアダプターから給湯を行うと、湯出口から湯が噴出し、キャップ本来の目的が果たせなくなってしまう。これは、バスアダプターの装着が不完全である場合も、湯が噴出する勢いでキャップが外れることがあるため、同様である。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、このようなバスアダプターのキャップの外れ状態を給湯時において正確に判断可能な給湯器付風呂装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前記配管の接続部で、前記キャップで仕切られるスペース内に、前記浴槽内の湯の温度を検出可能な温度検出手段を設け、その温度検出手段で得られる検出温度が、湯の供給の開始から所定時間内で所定温度上昇しなかった場合には、前記キャップの外れ状態と判断することを特徴とするものである。
又、請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、前記キャップの外れ状態を判断した場合の安全性を迅速に確保するために、キャップの外れ状態では湯の供給を停止するようにしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器付風呂装置1の概略図で、まず、給湯器2側には、給水管3及び出湯管5が接続された熱交換器4が燃焼室6内に配設され、燃焼室6内には、熱交換器4を加熱するバーナ7が備えられている。又、給水管3と出湯管5との間には、熱交換器4をバイパスするバイパス管8が接続されると共に、バイパス管8を開閉可能なバイパス電磁弁9が設けられている。
更に、10はコントローラで、バイパス電磁弁9の他、給水管3に設けられた流量センサ11、出湯管5に設けられた出湯温センサ12a及び12b、バーナ7のガス管に設けられたガス比例弁13等が夫々電気的接続されている。
一方、浴室14側において、浴槽15の側壁に設けられたバスアダプター16には、出湯管5から分岐した分岐管17が接続され、その分岐管17に、分岐管17を開閉可能な落とし込み電磁弁18が設けられている。又、バスアダプター16内には、温度検出手段を構成するサーミスタ29が備えられ、このサーミスタ29や落とし込み電磁弁18もコントローラ10と電気的接続されている。
【0007】
よって、上記給湯器付風呂装置1においては、出湯管5に接続された図示しない蛇口を開栓することにより、器具内に通水されて流量センサ11がONすると、コントローラ10は、バーナ7を点火させて熱交換器4を加熱し、出湯管5から湯を供給させる。このとき出湯温センサ12a又は12bからの検知信号により、コントローラ10は、ガス比例弁13の開度を調整して、出湯温度が設定温度に維持されるように出湯温制御を行う。又、バイパス電磁弁9は、高温差し湯中のみ開状態となり、高温差し湯中に給湯側の使用があった場合、水と高温の湯とを混合して、高温の湯が給湯側へ流れないようにしている。
一方、浴室14側では、給湯器2若しくは浴室14内の図示しないリモコンに設けられた給湯スイッチをON操作することにより、コントローラ10は、落とし込み電磁弁18を開弁させ、熱交換器4から分岐管17へ通水させて、バーナ7を点火させる。よって、熱交換器4で加熱された湯は、分岐管17からバスアダプター16を介して浴槽15内へ直接供給されることになる。
【0008】
一方、図2は、浴槽15に設置されたバスアダプター16の断面説明図で、浴槽15の側壁に穿設された取付孔20には、浴槽15の外(図2の右側)から受金具21が、浴槽15の内から筒状の本体22が、夫々前後のリング状のパッキン23,24を介して組み付けられる。これは、受金具21内周の雌ネジ部21aに、本体22外周の雄ネジ部22aを螺合させて、浴槽15を挟む格好で両者を一体化するものである。又、受金具21の後端(同じく図2の右側)の筒状部21bには、分岐管17が継手管25を介して接続され、その前方からは、本体22を貫通して浴槽15内へ開口する湯の出口管26が同軸で挿着されて、分岐管17から浴槽15内への通水を可能としている。
又、本体22内には、貫通させた出口管26の略中間部を把持する支持盤27が、Oリング28による密封状態で挿着されており、支持盤27において出口管26の真上には、サーミスタ29を把持したサーミスタケース30が、Oリング31による密封状態で挿着されている。このサーミスタ29は、本体22前方の開口側へ向けて出口管26と非接触且つ平行姿勢で把持されて、前述の如く電気的接続されたコントローラ10により、サーミスタ29の電気抵抗値に基づく温度検出がなされるものである。
更に、32は、本体22の前方に着脱可能に嵌着され、本体22の前方の開口を閉塞可能なキャップで、出口管26の開口の下方部位には、湯出口33が開口している。
【0009】
そして、コントローラ10は、給湯器2若しくは浴室14のリモコンに設けられた図示しない湯温保持スイッチが押されると、サーミスタ29で検出される浴槽15内の湯温が設定温度から所定温度低下した際、自動的に高温の湯を供給して浴槽15内の湯温を設定温度に維持させる自動差し湯制御を可能としているが、同時にコントローラ10は、バスアダプター16のキャップ32が外れていた場合、これを検知して給湯を停止させるキャップ外れ検知も行っている。この自動差し湯制御におけるキャップ外れ検知を、図3のフローチャートと図4のサーミスタ29による検出温度のグラフと併せて説明する。
まず、S1の判別で、サーミスタ29の検出温度が設定温度Ts より3℃低下したことを確認すると(図4(A)のグラフではa点、検出温度T1 )、S2で、バイパス電磁弁9と落とし込み電磁弁18とを共にON(開弁)させ、S3でバーナ7を点火させて80℃の出湯温度で浴槽15内へ給湯を行う。尚、ここでバイパス電磁弁9も開弁させるのは、この制御時に出湯管5側で蛇口が開栓されると、そのまま80℃の高温の湯が出湯されるため、バイパス管8から水を供給して湯温を低下させるためである。
【0010】
次に、S4の判別で、S3での差し湯開始から1分経過を確認すると、S5で、検出温度T2 が設定温度Ts から5℃以上上昇しているか否かを判別する。これがキャップ32の外れ検知となる。即ち、キャップ32がある場合、出口管26からの湯がまずキャップ32内に貯留してサーミスタ29に検知され、同図(A)に示すように短時間での温度上昇が検知されるが、キャップ32がない場合は、出口管26からの湯がキャップ32に妨げられず、前方へ噴出するため、サーミスタ29に接触しにくく、図4(B)に示すように温度上昇に時間がかかることから、この相違をキャップ32の有無の判断の目安としたものである。尚、図4(A)では、浴槽15内に差し湯が始まった直後に検出温度の低下がみられるが、これは、差し湯直後は、分岐管17等の配管内に貯留していた低温の湯又は水が最初に出口管26から流れるためである。
こうして、S5において1分以内での所定の温度上昇が認められれば、S6の判別で、予め設定された所定流量への到達が確認されるまで、S3からの給湯が継続され、S5で所定の温度上昇が認められなければ、S7において給湯制御は停止される。
そして、S6での判別で所定流量に達すると、S8でバーナ7の燃焼のみ停止して落とし込み電磁弁18の開弁は維持させ、今度は水だけを、分岐管17から浴槽15内へ供給させる。よって、サーミスタ29での検出温度が80℃から急激に低下し、早く浴槽15内の湯温と一致することになる。次にS9の判別で、サーミスタ29の検出温度が60℃まで低下したことが確認されると、S10で、バイパス電磁弁8と落とし込み電磁弁18とを共にOFF(閉弁)させて水の供給を停止し、再び検出温度がS1で設定温度Ts より3℃低下するまで待機状態となる。
【0011】
このように、上記実施の形態では、差し湯開始後、検出温度の所定時間内での所定の上昇を監視することにより、キャップ32の外れが正確に検知可能となるため、掃除の後につけ忘れたり、不完全な装着で湯の噴出により外れたりすることがあっても、キャップ32が外れたまま給湯が継続されることがなくなり、キャップ32による美観及び安全機能を好適に維持できる。
一方、ここでは、差し湯によりサーミスタ29の検出温度が80℃に達した後、水だけを供給して分岐管17等の配管内を水に置換しているため、浴槽15内の湯温と検出温度とを早く一致させることができる他、次回に自動差し湯を行う際、キャップ外れの目安となる所定時間での温度上昇を確実に生じさせる効果も得られる。又、配管内に高温の湯が残らないことで、すぐ後に通常の給湯を行う際にいきなり高温の湯がバスアダプター16から出ることを防止でき、安全性を向上させることができる。尚、検出温度60℃で水を止めるようにしたのは、必要以上の水の供給で浴槽15内の湯温まで低下させないためである。
【0012】
尚、バスアダプター16におけるサーミスタ29の位置は、上記形態の如く、出口管26の上方の他、出口管26の開口の真横や下方位置等、キャップ32で仕切られるスペース内で、出口管26と非接触の位置であれば特に限定しない。又、温度検出手段としては、サーミスタ29による以外に他の感温素子を設ける等の変更も可能である。
一方、上記キャップ外れ検知において、S4で判別する所定時間での温度上昇は、1分間や5℃以外で適宜増減設定可能で、基準となる温度も設定温度でなく、差し湯開始時から判断しても差し支えない。更に、上記制御では、キャップ32の外れを検知した場合給湯を停止させる安全性の高い対応を行っているが、ブザーやランプ等の報知手段に代えることもできる。
そして、このキャップ外れ検知は、上記形態では自動差し湯制御中に採用しているが、通常の浴槽への給湯制御時においても、サーミスタが検知する室温から最低出湯温度38℃との間で所定時間内の温度上昇は検知できるため、ここで採用することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、浴槽と配管との接続部に前記温度検出手段を設け、そこで得られる検出温度の監視により、給湯時にキャップの外れ状態が正確に判断可能となる。よって、掃除の後に装着し忘れたり、不完全な装着で湯の噴出により外れたりすることがあっても、給湯停止等の対応が迅速且つ確実に行え、キャップによる美観及び安全機能を好適に維持できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記キャップの外れ状態を判断した場合、湯の供給を停止することで、より安全性の高い対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯器付風呂装置の概略図である。
【図2】バスアダプターの断面説明図である。
【図3】キャップ外れ検知を伴う自動差し湯制御のフローチャートである。
【図4】(A)差し湯開始時の検出温度のグラフである(キャップあり)。
(B)差し湯開始時の検出温度のグラフである(キャップなし)。
【符号の説明】
1・・給湯器付風呂装置、2・・給湯器、3・・給水管、4・・熱交換器、5・・出湯管、7・・バーナ、8・・バイパス管、9・・バイパス電磁弁、10・・コントローラ、11・・流量センサ、14・・浴室、15・・浴槽、16・・バスアダプター、17・・分岐管、18・・落とし込み電磁弁、21・・受金具、22・・本体、26・・出口管、29・・サーミスタ、32・・キャップ。
Claims (2)
- 浴槽に直接接続した配管を介して給湯器から設定温度の湯を供給可能とすると共に、前記浴槽における前記配管の接続部に、前記配管の出口の前方を覆うキャップを着脱可能に装着した給湯器付風呂装置であって、
前記配管の接続部で、前記キャップで仕切られるスペース内に、前記浴槽内の湯の温度を検出可能な温度検出手段を設け、その温度検出手段で得られる検出温度が、湯の供給の開始から所定時間内で所定温度上昇しなかった場合には、前記キャップの外れ状態と判断することを特徴とする給湯器付風呂装置。 - 前記キャップの外れ状態と判断された場合、前記湯の供給を停止するものである請求項1に記載の給湯器付風呂装置。
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